JPH11335552A - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物

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JPH11335552A
JPH11335552A JP14410698A JP14410698A JPH11335552A JP H11335552 A JPH11335552 A JP H11335552A JP 14410698 A JP14410698 A JP 14410698A JP 14410698 A JP14410698 A JP 14410698A JP H11335552 A JPH11335552 A JP H11335552A
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JP
Japan
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polyamide
resin
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polyamide resin
resin composition
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JP14410698A
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Seiji Morimoto
精次 森本
Morio Tsunoda
守男 角田
Hidehiro Hayazaki
秀広 早崎
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Original Assignee
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱老化性および難燃性に優れた非ハロゲン
のポリアミド樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (a)共重合ポリアミド6/66樹脂1
00〜5重量%と(b)ポリアミド6樹脂0〜95重量
%とからなるポリアミド樹脂100重量部に、(c)ト
リアジン系難燃剤2〜20重量部、(d)ヒンダートフ
ェノール系化合物0.01〜5重量部及び(e)リン系
安定剤及び/又はイオウ系安定剤0〜5重量部を配合し
てなり、且つハロゲン元素の含有量が10ppm以下で
あるポリアミド樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアミド樹脂組
成物に関し、詳しくは、非ハロゲンのポリアミド樹脂組
成物および該ポリアミド樹脂組成物からなる押出成形品
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂は、機械的特性、耐熱
性、耐薬品性、耐磨耗性などに優れており、押出成形品
の用途にも用いられてきている。押出成形品に幅広く使
用されてきている材料としては、塩化ビニルやポリプロ
ピレン等が挙げられる。しかし、塩化ビニルはハロゲン
を含む材料であり、近年、環境問題等の点から非ハロゲ
ンの材料が求められている。他方、ポリプロピレンは、
それ自体はハロゲン元素を含まない材料であるが、ポリ
プロピレン自体の難燃性は乏しく、ハロゲン化合物を用
いずに難燃性を付与するのは困難である上、耐熱性が必
ずしも十分とは言えない。
【0003】一方、ハロゲン化合物を用いずに、ポリア
ミド樹脂に難燃性を付与する方法としては、例えば、ト
リアジン系難燃剤を配合することが特開昭53−317
59号公報に開示されているが、伸びなどの靱性や耐熱
老化性は不十分であった。また、難燃性ポリアミド樹脂
に耐熱老化性を付与する方法としては、ヨウ化銅等のハ
ロゲン元素を含む銅化合物が有効であることが知られて
いる。しかしながら、ハロゲン化合物を使用することな
く、耐熱老化性と難燃性に優れたポリアミド樹脂および
ポリアミド樹脂製押出成形品を得ることは困難であっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐熱
老化性および難燃性に優れた非ハロゲンのポリアミド樹
脂組成物および該ポリアミド樹脂組成物からなる押出成
形品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の問題を
解決するためになされたものであり、その要旨は、
(a)共重合ポリアミド6/66樹脂100〜5重量%
と(b)ポリアミド6樹脂0〜95重量%とからなるポ
リアミド樹脂100重量部に、(c)トリアジン系難燃
剤2〜20重量部、(d)ヒンダートフェノール系化合
物0.01〜5重量部及び(e)リン系安定剤及び/又
はイオウ系安定剤0〜5重量部を配合してなり、且つハ
ロゲン元素の含有量が10ppm以下であることを特徴
とするポリアミド樹脂組成物に存する。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おける(a)共重合ポリアミド6/66樹脂としては、
εーカプロラクタムを98〜10重量%とアジピン酸と
ヘキサメチレンジアミンの等モル塩を2〜90重量%か
らなる原料を重縮合することにより得られるポリアミド
6/66共重合体などが挙げられる。共重合ポリアミド
6/66におけるεーカプロラクタムから誘導される繰
り返し単位の割合は、好ましくは98〜10重量%であ
る。εーカプロラクタムから誘導される繰り返し単位の
割合が多すぎても少なすぎても靱性が低下しやすく、得
られる押出成形品も破断しやすくなる。共重合ポリアミ
ド6/66樹脂におけるεーカプロラクタムから誘導さ
れる繰り返し単位の量は、より好ましくは97〜30重
量%であり、最も好ましくは95〜60重量%である。
【0007】本発明における共重合ポリアミド6/66
樹脂の相対粘度は、JIS K6810に従って、98
%硫酸中濃度1%、温度25℃で測定した値で、好まし
くは2.2〜5.0である。相対粘度が2.2未満であ
ると靱性が低下しやすく、5.0を越えると、製造時の
剪断発熱によりトリアジン系難燃剤の分解を招きやす
い。共重合ポリアミド6/66樹脂の相対粘度は、より
好ましくは2.5〜4.9であり、最も好ましくは2.
8〜4.8である。
【0008】本発明における(b)ポリアミド6樹脂と
しては、εーカプロラクタムを原料とし、重縮合によっ
て得られるポリアミド6樹脂が挙げられる。ポリアミド
6樹脂の相対粘度は、JIS K6810に従って、9
8%硫酸中濃度1%、温度25℃で測定した値で、好ま
しくは2.0〜5.0である。相対粘度が2.0未満で
あると靱性が低下しやすく、5.0を越えると、製造時
の剪断発熱によりトリアジン系難燃剤の分解を招きやす
い。ポリアミド6樹脂の相対粘度は、より好ましくは
2.1〜4.8であり、最も好ましくは2.2〜4.5
である。
【0009】共重合ポリアミド6/66樹脂とポリアミ
ド6樹脂との配合比率は、共重合ポリアミド6/66樹
脂/ポリアミド6樹脂=100〜5重量%/0〜95重
量%である。ポリアミド6樹脂を配合することにより融
点が向上するが、ポリアミド6樹脂の配合量が95重量
%を越えると靱性低下しやすい。共重合ポリアミド6/
66樹脂とポリアミド6樹脂との配合比率は、好ましく
は共重合ポリアミド6/66樹脂/ポリアミド6樹脂=
100〜10重量%/0〜90重量%であり、より好ま
しくは共重合ポリアミド6/66樹脂/ポリアミド6樹
脂=95〜15重量%/5〜85重量%である。
【0010】共重合ポリアミド6/66樹脂およびポリ
アミド6樹脂におけるポリマーの末端は、モノカルボン
酸またはモノアミンで封止されていてもよく、好ましく
は、炭素数6〜22のモノカルボン酸または炭素数6〜
22のモノアミンで封止された共重合ポリアミド6/6
6樹脂、炭素数6〜22のモノカルボン酸または炭素数
6〜22のモノアミンで封止されたポリアミド6樹脂な
どが挙げられる。
【0011】モノカルボン酸としては、例えば、カプロ
ン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸などの
脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。モノアミンとして
は、例えば、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシル
アミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、パルミチ
ルアミン、ステアリルアミン、ベヘニルアミンなどの脂
肪族第一級アミンが挙げられる。封止に使用するモノカ
ルボン酸またはモノアミンの量は、好ましくは30μe
q/g程度である。
【0012】本発明における(c)トリアジン系難燃剤
としては、下記一般式(1)または(2)で表される化
合物、メラミン類およびシアヌル酸メラミン等が挙げら
れる。
【0013】
【化1】
【0014】(式中、R1〜R6は、それぞれ、水素原子
またはアルキル基を示す。) 前記一般式(1)で表される化合物の具体例としては、
シアヌル酸、トリメチルシアヌレート、トリエチルシア
ヌレート、トリ(nープロピル)シアヌレート、メチル
シアヌレート、ジエチルシアヌレート等が挙げられる。
前記一般式(2)で表される化合物の具体例としては、
イソシアヌル酸、トリメチルイソシアネート、トリエチ
ルイソシアネート、トリ(nープロピル)イソシアヌレ
ート、ジエチルイソシアヌレート、メチルイソシアヌレ
ート等が挙げられる。
【0015】メラミン類としては、メラミン、メラミン
誘導体、メラミンと類似の構造を有する化合物およびメ
ラミンの縮合物等が挙げられる。メラミン類の具体例と
しては、例えば、メラミン、アンメリド、アンメリン、
ホルモグアナミン、グアニルメラミン、シアノメラミ
ン、アリールグアナミン、メラム、メレム、メロン等が
挙げられる。シアヌル酸メラミンとしては、シアヌル酸
とメラミンとの等モル反応物が挙げられる。また、シア
ヌル酸メラミン中のアミノ基または水酸基のいくつか
が、他の置換基で置換されていてもよい。
【0016】シアヌル酸メラミンは、例えば、シアヌル
酸の水溶液とメラミンの水溶液とを混合し、90〜10
0℃で攪拌下反応させ、生成した沈殿を濾過することに
よって得ることができ、白色の固体であり、微粉末上に
粉砕して使用するのが好ましい。勿論、市販品をそのま
ま、またはこれを粉砕して使用することもできる。トリ
アジン系難燃剤としては、好ましくは、シアヌル酸、イ
ソシアヌル酸、メラミン、シアヌル酸メラミン等が挙げ
られ、分解物が成形物の表面に浮き出してくるブルーミ
ング等の不都合がない点より、より好ましくは、シアヌ
ル酸メラミンが挙げられる。
【0017】トリアジン系難燃剤の配合量は、共重合ポ
リアミド6/66樹脂100〜5重量%とポリアミド6
樹脂0〜95重量%とからなるポリアミド樹脂100重
量部に対し2〜20重量部である。トリアジン系難燃剤
の配合量が2重量部未満であると難燃性が低下しやす
く、20重量部を越えると靱性が低下する。トリアジン
系難燃剤の配合量は、難燃性と靱性のバランスの点よ
り、好ましくは3〜15重量部である。
【0018】本発明における(d)ヒンダートフェノー
ル系化合物としては、一般的に酸化防止剤、加工安定剤
として使用される、分子中に2,6もしくは2,4−ア
ルキル置換フェノール構造を有する化合物であり、その
ヒドロキシ基は、亜リン酸などの酸でエステル化されて
いてもよい。さらに、アルキル置換フェノール構造は、
分子中の1箇所以上の箇所に存在していてもよい。ヒン
ダートフェノール系化合物の具体例としては、トリエチ
レングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4ヒドロキシ−フェニルプロピオネー
ト]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシ−フェニルプロピオネ
ート]、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t
−ブチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオネート、
3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシ−ベンジルフォ
スフォネート−ジエチルエステル、オクタデシル−3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−
トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジル)ベンゼン、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)
−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニ
リノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエ
チレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]等が挙げられ、これ
らは1種単独で、または2種以上を組み合わせて使用す
ることができる。
【0019】ヒンダートフェノール系化合物の配合量
は、共重合ポリアミド6/66樹脂100〜5重量%と
ポリアミド6樹脂0〜95重量%とからなるポリアミド
樹脂100重量部に対して0.01〜5重量部である。
0.01重量部未満であると耐熱老化性改良効果が不十
分であり、5重量部を越えると表面へのブルーミングに
よる成形品の表面不良等が生じやすい。ヒンダートフェ
ノール系化合物の配合量は、共重合ポリアミド6/66
樹脂100〜5重量%とポリアミド6樹脂0〜95重量
%とからなるポリアミド樹脂100重量部に対して、好
ましくは0.02〜4重量部であり、より好ましくは
0.05〜3重量部である。
【0020】リン系安定剤としては、ビス(2,6ージ
ーt−ブチルー4ーメチルフェニル)ペンタエリスリト
ールージーフォスファイト、ビス(2,4ージーt−ブ
チルフェニル)ペンタエリスリトールージーフォスファ
イト、トリス(2,4ージーt−ブチルフェニル)フォ
スファイト、テトラキス(2,4ージーtーブチルフェ
ニル)−4,4’ービフェニレンジフォスフォナイト等
を例示することができ、これらは1種単独で、または2
種以上を組み合わせて使用することができる。
【0021】イオウ系安定剤としては、テトラキス[メ
チレンー3ー(ドデシルチオ)プロピオネート]メタ
ン、ビス[2ーメチルー4ー{3ーnーアルキル(C1
2またはC14)チオプロピオニルオキシ}ー5ーt−
ブチルフェニル]スルフィド、ジートリデシルーチオー
ジープロピオネート、ジーステアリルーチオージープロ
ピオネート、ジーラウリルーチオージープロピオネート
等を例示することができ、これらは1種単独で、または
2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0022】リン系安定剤および/またはイオウ系安定
剤の配合量は、共重合ポリアミド6/66樹脂100〜
5重量%とポリアミド6樹脂0〜95重量%とからなる
ポリアミド樹脂100重量部に対して、0〜5重量部で
ある。5重量部を越えると表面へのブルーミングによる
成形品の表面不良等が生じやすい。リン系安定剤および
/またはイオウ系安定剤の配合量は、共重合ポリアミド
6/66樹脂100〜5重量%とポリアミド6樹脂0〜
95重量%とからなるポリアミド樹脂100重量部に対
して、好ましくは0.01〜5重量部であり、より好ま
しくは0.05〜4重量部である。
【0023】ポリアミド樹脂に、トリアジン系難燃剤と
ヒンダートフェノール系化合物、更に必要に応じてリン
系安定剤および/またはイオウ系安定剤(以下熱安定剤
という)を配合する方法としては、最終成形品を成形す
る直前までの任意の段階で周知の種種の手段によって行
うことができる。最も簡便な方法としては、ポリアミド
樹脂と上記の添加物とを単にドライブレンドする方法が
挙げられ、得られるドライブレンド物を溶融混合押出に
てペレットにする。また、所定量より多いトリアジン系
難燃剤とヒンダートフェノール系化合物、更に必要に応
じてリン系安定剤および/またはイオウ系安定剤熱安定
剤をポリアミド樹脂にて練り込んだマスターペレットを
予め調整し、これを希釈用ポリアミド樹脂とドライブレ
ンドすることによっても、所望のポリアミド樹脂組成物
を得ることができる。更に、ポリアミド樹脂とトリアジ
ン系難燃剤をドライブレンド後溶融混合押出にてペレッ
トとし、その後ヒンダートフェノール系化合物、更に必
要に応じてリン系安定剤および/またはイオウ系安定剤
熱安定剤熱安定剤をドライブレンドし所望のポリアミド
樹脂組成物を得ることもできる。
【0024】本発明のポリアミド樹脂組成物において
は、顔料、染料、充填剤、核剤、離型剤、安定剤、帯電
防止剤その他の周知の添加剤を配合することもできる。
また、本発明のポリアミド樹脂組成物においては、共重
合ポリアミド6/66樹脂とポリアミド6樹脂以外の熱
可塑性樹脂を、本発明の効果を損なわない範囲において
配合することができる。本発明のポリアミド樹脂組成物
は、ハロゲンやハロゲン化合物を配合しない非ハロゲン
の材料であり、ハロゲン元素の含有量は、ポリアミド樹
脂組成物全体に対し、10ppm以下であり、好ましく
は5ppm以下、より好ましくは2ppm以下である。
【0025】本発明のポリアミド樹脂組成物から成形品
を製造する方法としては、射出成形方法、押出成形方法
などが挙げられ、好ましくは押出成形方法が挙げられ
る。本発明の押出成形品を製造するには、前記ドライブ
レンド物やペレットを押出成形機などの各種成形機に供
給して、常法に従って成形する。成形条件については特
に制約はなく通常のポリアミド樹脂の成形温度で成形で
きる。本発明の押出成形品の肉厚は、好ましくは、0.
1〜2mmである。肉厚が0.1mm未満であるとチュ
ーブ状成形品としての形状の保持が困難であり、2mm
を越えると硬くなりチューブ状成形品としてのフレキシ
ビリティーがなくなり、製品の組み付けが困難となる。
【0026】本発明のポリアミド樹脂組成物を成形して
なる成形品の難燃性は、酸素指数として23以上の難燃
性を有する。酸素指数とは試験片が燃焼を継続するにあ
たって必要な酸素濃度であり、酸素指数が22以上であ
れば大気中の酸素濃度では燃焼を継続することが不可能
である自消性材料である。通常ポリアミド樹脂の酸素指
数はその水分量によっても変化するが、実際の使用環境
を鑑みるといわゆる難燃性材料としては絶乾材料で酸素
指数が23以上であることが好ましい。
【0027】本発明のポリアミド樹脂組成物を成形して
なる成形品の耐熱老化性としては、150℃、120時
間熱処理後の引張伸度が、好ましくは100%以上であ
る。本条件下での熱処理後の引張伸度が100%未満で
あると成形品を長期間にわたって使用するにあたり、ひ
び割れや破断が発生しやすい。本発明のポリアミド樹脂
組成物の融点は、好ましくは190℃以上である。融点
が190℃未満であると150℃熱処理時に一部融着が
発生したり、実使用においてはチューブを固定する結束
バンドや金属製固定治具によって拘束される部分で熱伝
達による亀裂や表面溶融による表面性の低下や機能低下
が発生しやすい。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。以下の実施例および比較
例における各種評価は次の方法に従って行った。 (1)熱老化処理後の引張伸度の測定 引張試験片の作成:東芝機械工業(株)製のIS80E
PN射出成形機を用いて、シリンダー温度250℃、型
温80℃、射出時間10秒、冷却時間15秒にて1mm
厚みの100mm角シートを成形した。 熱老化処理:1mm厚みの100mm角シートを流れ方
向にJIS3号ゴムダンベル打ち抜き刃で打ち抜いたサ
ンプルを熱風循環式オーブン内で150℃、120時間
熱処理を行なった。 引張伸度測定:熱老化処理をした試験片を23℃、65
%RH室内で48時間以上放置した試験片についてAS
TMーD638に準拠して引張伸度の測定を行った。
【0029】(2)酸素指数測定法 押出成形で得られた肉厚0.8mmのチューブを23
℃、65%RH室内で、48時間放置後、東洋精機社製
D型キャンドルー燃焼試験機を使用し、JISーK72
01に準拠して酸素指数を測定した。 (3)融点の測定 セイコー電子工業(株)製、DSC20を用い試料10
mmgを10℃/分で昇温した時のポリアミド融解ピー
ク温度を測定した。 (4)相対粘度 JIS K6810に準拠して、25℃、98%硫酸中
濃度1%で測定した。
【0030】実施例および比較例において用いた原料は
次の通りである。 (5)共重合ポリアミド6/66樹脂−1:参考例1で
製造された共重合ポリアミド6/66樹脂、εーカプロ
ラクタムから誘導される繰り返し単位の割合85重量
%、相対粘度3.5、融点202℃。 (6)共重合ポリアミド6/66樹脂−2:参考例2で
製造された共重合ポリアミド6/66樹脂、εーカプロ
ラクタムから誘導される繰り返し単位の割合80重量
%、相対粘度4.5、融点195℃。 (7)ポリアミド6樹脂:三菱エンジニアリングプラス
チックス(株)製ノバミッド1010J(相対粘度:2.
5)。 (8)トリアジン系難燃剤:シアヌル酸メラミン (9)ヒンダードフェノール系化合物:N、N’−ヘキ
サメチレンビス(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート、チバ・スペシャリティ
ー・ケミカルズ(株)製イルガノックス1098。 (10)リン系安定剤:ビス(2、6−ジ−t−ブチル
−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フ
ォスファイト、旭電化工業(株)製PEP−36。 (11)イオウ系安定剤:ジ−ラウリル−チオ−ジ−プ
ロピオネート、吉富製薬(株)製DLTP。
【0031】〔参考例1〕(共重合ポリアミド6/66
樹脂−1の製造) アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとの塩(以下AH
塩と略記する。)の50%水溶液およびε−カプロラク
タム(以下CLと略記する。)を各々100℃まで昇温
したものを、AH塩が15重量%、CLが85重量%に
なるように混合した後、200リットルのオートクレー
ブに仕込み、内圧13kg/cm2で270℃まで昇温
した後、内温を245℃に保ち、攪拌しながら0.5k
g/cm 2まで徐々に減圧して、攪拌動力が所定の値に
なったところで停止した。後に、窒素を導入して復圧
後、ストランドにして抜き出し、ペレット化し、沸騰水
を用いて未反応物を抽出除去して乾燥し共重合ポリアミ
ド6/66樹脂−1を得た。 〔参考例2〕(共重合ポリアミド6/66樹脂−2の製
造) 参考例1において、AH塩とCLの割合をAH塩20重
量%/CL90重量%とした以外は参考例1と同様にし
て共重合ポリアミド6/66樹脂−2を得た。
【0032】〔実施例1〜4〕表−1に示す配合量で、
共重合ポリアミド6/66樹脂、ポリアミド6樹脂、ト
リアジン系難燃剤、ヒンダードフェノール系化合物、リ
ン系安定剤、イオウ系安定剤を配合し、シリンダー径3
0mmのベント付き2軸押出機(日本製鋼所製TEX3
0)を用い、樹脂温度240〜260℃にて溶融混練し
てポリアミド樹脂組成物ペレットを得、120℃、76
0mmHgの減圧乾燥を6時間行ってから、サンプルを
成形し、各種評価を行った。さらに、得られたペレット
を用いて、シリンダ径40mm、L/D=22の単軸押
出機の先端に取り付けた直径15mmの円形ダイスより
シリンダー温度250℃で押出した後、内径10mmの
規制リング内に導入し、リング内に密着させながら引き
取りと冷却を同時に行って肉厚0.8mmのチューブを
押出成形した。
【0033】
【表1】
【0034】〔比較例1〜5〕表−2に示す配合量で、
共重合ポリアミド6/66樹脂、ポリアミド6樹脂、ト
リアジン系難燃剤、ヒンダードフェノール系化合物、リ
ン系安定剤、イオウ系安定剤を配合し、実施例1と同様
にしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得、サンプルを
成形し、各種評価を行った。さらに、実施例1と同様に
して肉厚0.8mmのチューブを押出成形した。
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明のポリアミド樹脂組成物は、非ハ
ロゲンの樹脂組成物であり、機械的特性、耐熱性、耐薬
品性、耐磨耗性に優れ、且つ耐熱老化性および難燃性に
優れており、例えば、自動車のエンジンルーム内等での
高温下、連続使用に耐え得るチューブ状押出成形品やコ
ルゲートチューブを提供することができる。また、本発
明の押出成形品は耐熱老化性および難燃性に優れた非ハ
ロゲンの成形品であって、環境問題に対し適合しうる成
形品であり工業的価値が大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早崎 秀広 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)共重合ポリアミド6/66樹脂1
    00〜5重量%と(b)ポリアミド6樹脂0〜95重量
    %とからなるポリアミド樹脂100重量部に、(c)ト
    リアジン系難燃剤2〜20重量部、(d)ヒンダートフ
    ェノール系化合物0.01〜5重量部及び(e)リン系
    安定剤及び/又はイオウ系安定剤0〜5重量部を配合し
    てなり、且つハロゲン元素の含有量が10ppm以下で
    あることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 共重合ポリアミド6/66におけるεー
    カプロラクタムから誘導される繰り返し単位の割合が、
    98〜10重量%であることを特徴とするポリアミド樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 共重合ポリアミド6/66樹脂の相対粘
    度が、98%硫酸中濃度1%、温度25℃で測定した値
    で、2.2〜5.0であることを特徴とするポリアミド
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ポリアミド6樹脂の相対粘度が、98%
    硫酸中濃度1%、温度25℃で測定した値で、2.2〜
    5.0であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のポリア
    ミド樹脂組成物からなる押出成形品。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001234059A (ja) * 2000-02-21 2001-08-28 Asahi Kasei Corp 安定性に優れるポリアミド樹脂組成物
JP2007246562A (ja) * 2006-03-13 2007-09-27 Asahi Kasei Chemicals Corp 高外観耐候性ポリアミド樹脂組成物および成形品

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