JPH11335440A - 含フッ素エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた表面改質方法、インクジェット記録ヘッド、インクジェット記録装置 - Google Patents

含フッ素エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた表面改質方法、インクジェット記録ヘッド、インクジェット記録装置

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JPH11335440A
JPH11335440A JP11063176A JP6317699A JPH11335440A JP H11335440 A JPH11335440 A JP H11335440A JP 11063176 A JP11063176 A JP 11063176A JP 6317699 A JP6317699 A JP 6317699A JP H11335440 A JPH11335440 A JP H11335440A
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Japan
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epoxy resin
ink
resin composition
jet recording
recording head
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JP11063176A
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English (en)
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Hiromichi Noguchi
弘道 野口
Akihiko Shimomura
明彦 下村
Isao Imamura
功 今村
Kanki Sato
環樹 佐藤
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 密着性が良く所望のパターン状の硬化膜を容
易に形成し得る樹脂組成物を構成し、撥インク性に優れ
た吐出口を有するインクジェット記録ヘッドを提供す
る。 【解決手段】 1分子中に炭素数が6〜12のパーフロ
ロアルキル基を1個以上とエポキシ基を好ましくは2個
以上有する含フッ素芳香族エポキシ樹脂と、カチオン重
合触媒と、エポキシ基とフロロメチル基を有する相溶化
剤と、からなる樹脂組成物を、インク記録ヘッドの吐出
口に塗布し、活性エネルギー線を所定のパターン状に照
射して所望のパターンの硬化膜を形成し、上記吐出口に
撥インク性を付与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所望のパターン状
に撥水、撥インク処理が可能な重合性樹脂組成物、とり
わけ紫外線照射によって重合し、所望のパターン状に塗
膜を形成することが可能な樹脂組成物に関する。また、
本発明は該組成物を用いた表面改質方法、及び該組成物
を用いて撥インク処理されたインクジェット記録ヘッド
及びそれを用いたインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の分野において、耐水性や撥インク
性が要求される部材に、撥水性塗料を適用してこれらの
性質を得る方法が一般的に知られており、それに用いる
樹脂素材、塗料が開発されている。
【0003】撥水撥油塗料としてはフッ素系樹脂、シリ
コーン樹脂系塗料がもっとも一般的である。すなわち、
フルオロオレフィンや、パーフロロ基を有するフッ素系
塗料は、熱的にも化学的にも極めて安定であり、耐候
性、耐水性、耐薬品性、耐溶剤性等に優れ、更に、離型
性、耐摩擦性、撥水性にも優れ、各種の用途に広く利用
されている。シリコーン樹脂は撥水、撥油性に優れる
が、それのみでは硬度が低いなどの理由から、塗料とし
てはアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂など、
他の樹脂系との併用、変性によって塗料の組成が構成さ
れることが多い。
【0004】一方、液体を吐出口から小滴として吐出し
て、紙などに付着させて記録や画像の形成を行うインク
ジェット(液体噴出)記録ヘッドでは、記録特性をより
高度なものとするために、より小さな液滴、より高い駆
動周波数、より多い吐出口数といった性能向上が続けら
れている。従って、吐出口表面を常に同じ表面状態に維
持し易くするための表面処理がますます重要になってき
ている。
【0005】しかし上記したような既存の撥水撥油材料
を使用して、吐出口表面をインクが付着しないように選
択的に或いはパターン状に精密に表面処理することは困
難である。その理由は、(1)フォトレジストのような
特性を持たせるためには、感光性の官能基を持った物質
を主体としなければならないが、そうした化合物が同時
に撥水、撥インク性を持つように分子を設計することに
は合成技術的に、容易なことではない。また、(2)イ
ンクジェット記録ヘッドの表面処理は、微細なノズルの
機能を妨げないように数μm以下のきわめて薄い膜厚で
あることが必要であるが、既存塗料はそのような膜厚に
制御することが困難であるからである。
【0006】既存のフッ素系の材料で表面処理が達成さ
れた場合には、その表面の性質を長く維持出来るように
塗膜構造を設計することが必要である。ところがたいて
いの撥水撥油材料は、塗膜硬度が低く摩擦耐久性には乏
しいか、汚染が起こると撥水撥油性が低下し、回復し難
いことが多く、その意味でインクジェット記録ヘッドの
吐出口表面処理材料としては、必ずしも満足できるもの
ではない。
【0007】そして、現時点においては、インクを小液
滴にして飛翔させ記録を行うインクジェット記録方式に
用いられるインク吐出口を以下に示す性能を有するもの
にすることが望まれている。 即ち、(1)液滴化したインク柱の残部のインクが速や
かに吐出口内に再収納されること、 (2)表面に付着したインク滴は、クリーニング操作で
容易に掃き出されること (3)記録ヘッドの吐出面は、クリーニング操作、用紙
搬送における耐擦傷性に優れること (4)繰り返される液滴形成とインクリフィルにおい
て、吐出口表面位置にメニスカスが形成される (5)メニスカスの法線方向が吐出方向になっているこ
と (6)低い表面張力のインクであっても、或いは低い負
圧の状態であってもメニスカスを形成しうるだけの十分
な界面張力、即ち接触角を持つこと (7)インクジェットの記録用液体は、溶解安定性のた
めにpHが7〜11の塩基性に調節されることが多く、部
材の耐アルカリ性、加水分解性に優れた構造材を採用す
ること。
【0008】これらの諸要求性能が求められる理由はイ
ンクジェット記録ヘッドでは、吐出口の周辺にインク等
の記録用の液体が付着していると、吐出口から吐出され
る液滴の吐出(飛翔)方向にズレが生じ、高精度での印
字が出来なくなるという印字性能に直接関係するからで
ある。
【0009】本発明に関連する先行技術としては、ラッ
カー型フッ素樹脂塗料、フッ素系紫外線硬化型塗料、熱
硬化型フッ素樹脂塗料、フッ素系シランカップリング
剤、フッ素樹脂粒子を分散したエポキシ樹脂組成物、気
層から樹脂薄膜を重合し成膜することを開示した資料が
ある。
【0010】例えば、特開平2−39944号公報に
は、フロロアセチル基とシラザン基を有するポリマーで
撥インク処理を行なうことが開示されている。
【0011】しかしながらこれらの塗布材料について
は、撥水性と塗膜の耐久性が必ずしも両立しない場合が
あった。また特開平3−7781号公報には、フッ素系
ジオールから誘導されたグリシジルエーテルを用いる撥
インク処理剤の開示がある。ここで開示されているフッ
素系エポキシ樹脂はそれを硬化して使用するので、塗膜
の耐久性という面では良いものの、撥インク性について
は、十分に満足できるものではなかった。
【0012】また、特開平6−328698号公報に
は、崩壊性の活性エネルギー線であるエキサイマーレー
ザーによって穴開け加工する方法と材料が開示されてい
る。ここで開示されている方法は、優れた加工精度を達
成しうるのでこれに適したインクジェット記録ヘッド製
造には、有用であるものの、より精密な加工を行うため
のフォトリソグラフィー法を用いた撥インク処理などに
は適用が難しい。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の材
料、及び方法を採用した場合精密性が要求され、かつ耐
久性のある撥水、撥インク性の表面処理は十分に満足で
きるものが得られておらず、改善の余地があるというの
が実状である。
【0014】本発明の目的は、塗膜としては上記した諸
性能を具備する撥水処理用の樹脂組成物を提供すること
である。
【0015】本発明の別の目的は、極性有機溶剤のよう
に撥水剤の成膜性や密着性を損なう成分を含む溶液や物
質との接触機会のある場所に適用する撥水剤または撥水
性塗料として好適な含フッ素エポキシ樹脂組成物を提供
し、該組成物を用いて良好な撥インク性を付与したイン
クジェット記録ヘッドと該ヘッドを用いたインクジェッ
ト記録装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の更に別の目的
は、1分子中に炭素数6〜12のパーフロロアルキル基
を1個以上及びエポキシ基を1個以上有する含フッ素芳
香族エポキシ樹脂と、カチオン重合触媒を少なくとも含
有することを特徴とする含フッ素エポキシ樹脂組成物を
提供することにある。尚、本発明において、「パーフロ
ロアルキル基」とは、アルキル基の水素を全てフッ素で
置換した基を意味する。
【0017】本発明において、上記含フッ素芳香族エポ
キシ樹脂としては、1分子中にエポキシ基を2個以上有
するものが好ましい。
【0018】本発明に用いる上記含フッ素芳香族エポキ
シ樹脂としては、下記一般式(A−1)または(A−
2)で表わされる化合物の少なくとも1種が好ましく用
いられる。
【0019】
【外4】 (但し、上記式中のRi1 〜Ri5 は下記R1 〜R3
いずれか一つを表す。また、上記化合物はいずれも1分
子中に下記R1 を1個以上、R2 或いはR3 を1個以上
有する。)
【0020】
【外5】
【0021】上記一般式(A−2)で表わされる化合物
において、好ましくはm=1〜6である。
【0022】本発明の含フッ素エポキシ樹脂組成物に
は、必要に応じて、さらに相溶化剤として下記一般式
(C−1)または(C−2)で表わされる化合物の少な
くとも1種を含有させることができる。
【0023】
【外6】
【0024】本発明の更に別の目的は、上記本発明の含
フッ素エポキシ樹脂組成物を基材に塗布、乾燥する第1
の工程、マスクを介して活性エネルギー線をパターン状
に照射する第2の工程、組成物を溶解しうる液体にて活
性エネルギー線の非照射部分を溶解除去する第3の工
程、必要に応じてポストキュアを施す第4の工程の順序
にて、基材に選択的に表面処理を行なうことを特徴とす
る表面処理方法を提供することにある。
【0025】本発明の更に別の目的は、上記本発明の含
フッ素エポキシ樹脂組成物を基材に塗布、乾燥する第1
の工程、熱或いは活性エネルギー線の照射によって上記
組成物全面の重合硬化を行なう第2の工程、崩壊性の活
性エネルギー線を選択的に照射することによって上記硬
化した組成物の選択的な除去を行なう第3の工程、必要
に応じてポストキュアを施す第4の工程、の順序にて、
基材に選択的に表面処理を行うことを特徴とする表面処
理方法を提供することにある。
【0026】本発明の更に別の目的は、記録用の液体を
吐出する吐出口を有するインクジェット記録ヘッドにお
いて、少なくとも該吐出口開口部に上記本発明の含フッ
素エポキシ樹脂組成物からなる硬化膜で被覆されている
ことを特徴とするインクジェット記録ヘッド、及び該イ
ンクジェット記録ヘッドを有することを特徴とするイン
クジェット記録装置を提供することにある。
【0027】本発明の樹脂組成物はエポキシ樹脂系であ
るので、各種部材への密着性に優れ、比較的低温でも硬
化可能であり、構造物としての物性にも優れた硬化物が
提供出来る。更に末端にパーフロロ基を有するエポキシ
化合物が含有されていることで、水溶性有機溶剤、特
に、極性有機溶剤に対する耐性が大幅に向上している。
そして、相溶化剤の作用によって成分間の供溶性を与
え、材料講師の範囲を広くすることができる。
【0028】本発明の含フッ素エポキシ樹脂組成物は、
極性有機溶剤のように撥水剤の密着性を損なう成分を含
む溶液や物質との接触機会のある場所に適用する材料と
して有用である。そのような箇所に用いる撥水剤または
撥水性塗料として、特に、インクジェット記録ヘッドの
吐出口面の撥水、撥インク処理には好適である。
【0029】本発明のインクジェット記録装置において
は、光重合性を利用した選択的な表面を用いることで処
理精度に優れ、特定の材料を用いて硬化膜を構成するこ
とから固体強度、摩擦強度、に優れた撥水或いは撥イン
ク性部を有することとなる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0031】本発明の含フッ素エポキシ樹脂組成物に用
いる含フッ素エポキシ芳香族樹脂は、1分中に1個のパ
ーフロロアルキル基と1個以上のエポキシ基を有してお
り、エポキシ基が反応しても分子の比較的外側にパーフ
ロロアルキル基があるために樹脂の表面はフッ素原子の
高い密度が保たれる。これによって内部は固い樹脂層で
ありながら表面は撥水、撥油、撥インク性を示す層形成
が可能となると考えられる。
【0032】本発明において、上記含フッ素エポキシ芳
香樹脂としては、好ましくは下記一般式(A−1)また
は(A−2)で表わされる化合物の少なくとも1種が好
ましく用いられる。
【0033】
【外7】 (但し、上記式中のRi1 〜Ri5 は下記R1 〜R3
いずれか一つを表す。また、上記化合物はいずれも1分
子中に下記R1 を1個以上、R2 或いはR3 を1個以上
有する。)
【0034】
【外8】
【0035】上記一般式(A−1)で表わされる化合物
の具体レとしては、例えば下記化合物が挙げられる。
【0036】
【外9】
【0037】また、上記一般式(A−2)で表わされる
化合物の具体例としては、例えば下記化合物が挙げられ
る。
【0038】
【外10】
【0039】本発明のエポキシ樹脂組成物には、それを
硬化させるための触媒としてカチオン重合触媒(重合開
始剤)を含有している。そのような目的に用いる化合物
としては、エポキシ樹脂の硬化剤として知られている物
質から選択される。本発明の組成物はエポキシ樹脂組成
物であるから、芳香族及び脂肪族アミン類、酸無水物類
を添加して加熱硬化によって重合させる事が可能であ
る。しかし本発明では特に低温硬化が可能となるところ
の活性エネルギー線によって賦活化されるルイス酸のオ
ニウム塩に対して反応性が高くなるように設計されてお
り、フォトリソグラフィーによって選択的に表面処理を
行う為に、また高温に保持することが困難な基材に対し
て表面改質を行なうのに好適である。本発明に用いるカ
チオン重合触媒としては好ましくは、ビス(4−ter
t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩や、下記構造式で
示される「オプトマ−SP−150」、「オプトマ−S
P170」(旭電化工業社製)などを使用する。
【0040】
【外11】
【0041】また、下記構造式で示される「イルガキュ
ア261」(チバスペシャルティー社製)等を使用する
事が出来る。
【0042】
【外12】
【0043】本発明の含フッ素エポキシ樹脂組成物に
は、必要に応じて、さらに相溶化剤として下記一般式
(C−1)または(C−2)で表わされる化合物の少な
くとも1種を含有させることができる。
【0044】
【外13】
【0045】上記相溶化剤の具体例としては、例えば下
記構造式で表わされる化合物が挙げられる。
【0046】
【外14】
【0047】上記相溶化剤は、フッ素原子を有するもの
の、フロロメチル基を主体としており、鎖長が短いため
分子としての表面エネルギー低下作用は小さく、撥水、
撥インク性は大きくない。しかしながら、含フッ素芳香
族エポキシ樹脂とカチオン重合触媒と相溶性を高めるた
めには有効である。即ち、本発明において上記相溶化剤
を併用する場合とは、カチオン重合触媒であるルイス酸
のオニウム塩は極性が高いので、用いる含フッ素芳香族
エポキシ樹脂との相溶性が悪い、塗布する際のレベリン
グ性が得難いなどの実用的な困難を克服する必要があ
る、等の場合である。
【0048】本発明のエポキシ樹脂組成物は、基本的に A:含フッ素芳香族エポキシ樹脂 B:カチオン重合触媒、及び必要に応じて C:相溶化剤、 を含有する。これらA、B、Cの各成分の組成物中にお
ける好ましい配合割合は以下の通りである。
【0049】成分Bは、エポキシ樹脂成分(成分Cを用
いない場合には成分A、成分Cを併用した場合には成分
Aと成分Cの合計)の合計量100重量部に対して、
0.1重量部乃至10重量部の範囲である。比率の範囲
は、層の厚さ、要求されるパターンの精密さ、重合した
塗膜の架橋度、現像処理を行なう場合には現像の安定
性、単に硬化処理のみを行なう場合には反応速度、など
の要素から決定される。そのような要素を考慮したカチ
オン重合触媒の通常の使用量は、エポキシ樹脂成分の合
計量100重量部に対して、0.1〜7重量部、より好
ましくは、0.3〜5重量部である。
【0050】相溶化剤である成分Cを併用して用いる場
合は、成分A:成分C=100:10〜100:100
(重量比)の範囲である。即ち成分Aは、エポキシ樹脂
成分中50重量%以上でなければならない。
【0051】本発明の組成物の構成例を以下に例示す
る。以下比率は固形分の重量比率を示す。 (組成物例1);A−1−1:B−1=97:3 (組成物例2);A−1−2:B−1=95:5 (組成物例3);A−2−1:B−1=97:3 (組成物例4);A−1−3:B−1:C−1−1=4
9:4:47 (組成物例5);A−2−2:B−3:C−2−1=6
7:3:30 (組成物例6):A−2−2:B−3:C−2−2=6
7:3:30
【0052】本発明の含フッ素エポキシ樹脂組成物には
他の重合体を必要に応じて添加することが出来る。例え
ば、本発明の組成物の塗布適性を高め、溶剤蒸発後の乾
燥性を高める乾燥塗膜としての作業性を向上させる機能
も与えるもので、バインダーとして機能する重合体を用
いることができる。このようなバインダー性の物質の併
用は、本発明の組成物をパターン状に露光して所望のパ
ターン形状とする場合に好ましい。
【0053】本発明の含フッ素エポキシ樹脂組成物に添
加し得るバインダーポリマーとしては、脂環式エポキシ
樹脂オリゴマー、フッ素原子団は持たないが側鎖にエポ
キシ基を持ったアクリルモノマーを共重合したアクリル
樹脂、側鎖にエポキシ基を有する脂環式炭化水素基を有
するビニルモノマーを重合したビニルポリマー、側鎖に
エポキシ基を有する脂環式炭化水素基を有するポリエー
テルポリマー(例えば、ダイセル化学工業社製「EHP
E3150」)などが、それ自体も架橋反応に関与しう
るエポキシポリマーとして最適である。このようなエポ
キシ基を持たない重合体を使用する場合には、それが適
用される用途に応じた物性調製を意図して選択する。そ
うした物質としては、例えばビスフェノール型エポキシ
樹脂の重合体である。ユニオンカーバイド社製の「PK
HC」や「PKHJ」、エチレン/酢酸ビニル共重合
体、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリアミド樹脂、可溶性ポリイミド樹脂など
の汎用の塗料用高分子化合物が使用可能である。
【0054】尚、本発明の組成物において、このような
他の重合体を併用する場合においては、成分Aと成分C
の重合比率は、成分A:成分C=100:10〜10
0:100(重量比)である。また成分Bは、バインダ
ーポリマーを含む組成物全量(100重量部)中に、
0.1〜10重量部の割合で含有させる。
【0055】本発明において組成物を用いる際の具体的
な方法に関して、その方法を例示する。活性エネルギー
線硬化を行なう場合には、前記したように、触媒として
ルイス酸を光によって放出する光カチオン重合触媒を添
加して用いる。加熱硬化する場合には、三弗化硼素アミ
ン触媒などのルイス酸を添加して用いてもよい。
【0056】〈塗膜形成方法〉本発明の含フッ素エポキ
シ樹脂組成物は、芳香族系、脂肪族炭化水素系、エステ
ル系、エーテル系、フッ素系溶剤等、有機溶剤中に溶解
した状態で用いられる。塗布の膜厚が数μmと小さい場
合には、ロールコーター、スピンコーター、スプレイコ
ーターなどの通常の精密塗布装置を用いることが出来
る。
【0057】パターン状に表面処理を施す第1の方法
は、本発明の含フッ素エポキシ樹脂組成物を基材(被処
理対象)に塗布し、乾燥する第1の工程、マスクを用い
て活性エネルギー線をパターン状に照射して上記組成物
を選択的に硬化させる第2の工程、次いで現像液を用い
た現像処理により、第2の工程における活性エネルギー
線の非照射部分の溶解除去する第3の工程、を順次行な
う事によって達成される。基本的な工程はフォトリソグ
ラフィーと同じであるが、現像液としては、樹脂組成物
に適した溶剤を選択することが必要である。現像液とし
ては芳香族炭化水素類、ケトン類、、エステル類、グリ
コールエーテル類など及びそれらの混合物を使用する。
樹脂組成物の反応の完結を期す為に、現像後に加熱、活
性エネルギー線の照射(第4の工程)をさらに行なうこ
とが望ましい。
【0058】パターン状に表面処理を施す第2の方法
は、本発明の含フッ素エポキシ樹脂組成物を基材に塗布
し、乾燥する第1の工程、重合を促す熱或いは活性エネ
ルギー線の全面照射により硬化を行なう第2の工程、硬
化部の所望の部位を選択的に除去するように、崩壊性の
活性エネルギー線を照射する第3の工程、を順次施すこ
とによって行なう。
【0059】第2の方法においても反応を完結させるた
めには、いずれかの段階で熱処理、重合性の活性エネル
ギー線の照射(第4の工程)を行なうことが望ましい。
【0060】上記重合を促す活性エネルギー線として
は、波長が250−480nmの光を豊富に含む紫外線
源が用いられる。また崩壊性の活性エネルギー線として
は、波長が210nm以下の光、エキサイマーレーザー
などが用いられる。
【0061】このようにして本発明の含フッ素エポキシ
樹脂組成物は、極性有機溶剤のように撥水剤の密着性を
損なう成分を含む溶液や物質との接触機会のある場所に
適用する撥水剤または撥水性塗料として、さらには、イ
ンクジェット記録ヘッドの吐出口面の撥水、撥インク、
処理を好適に行なうことが出来る。
【0062】本発明の表面改質方法によれば、基材への
密着性、表面の硬度に優れた撥水、撥油処理が行なえる
ので、耐久性に優れた改質が行なえる。
【0063】インクジェット記録ヘッドにおける応用と
しては、吐出口表面を本発明の組成物を用いて処理する
ことによって、インクの強固な付着が起きず、クリーニ
ング処理によって容易に拭き取れる離型性のよい表面が
形成される。インクジェット記録ヘッドに搭載されてい
るクリーニング機構の多くは、ゴムのブレードで拭き取
る、ポンプで吸引する、記録紙外の位置で空吐出を行な
う、などである。しかしこれらのいずれの方法であれ、
吐出圧によって引き出されたインク柱が液滴化する時
に、すべてのインクが液滴にはならないので、余分のイ
ンクの微少液滴が吐出口の周辺に付着することを皆無に
することは出来ないのである。従ってこれらが自発的に
落下、吐出口内部に再吸引される、容易に排除されるな
らば、インク吐出への影響はなくなるのである。
【0064】本発明の含フッ素エポキシ樹脂組成物は、
比較的低温でも硬化して、撥水撥油性、密着性、耐薬品
性、耐摩擦性に優れた硬化物を提供することが可能とな
る。
【0065】図1、2に本発明の含フッ素エポキシ樹脂
組成物を適用し得るインクジェット記録ヘッドの構成の
1例の主要部を示す。図1は、流路に添った断面図であ
り、図2は、斜視図である。
【0066】この記録ヘッド13は、吐出エネルギー発
生素子等が配置された基板15上に、熱硬化性樹脂組成
物及び/又は活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化
物等を所定のパターンに成形して少なくとも流路を形成
するようにした部材14を積層接合した構成を有する。
基板15は、アルミナ等の放熱性の良い材料からなる基
体20の表面に、蓄熱層19、金属で形成される発熱抵
抗体層18、アルミニウム等からなる電極17a、17
b及び保護層16をこの順に積層した構成を有し、電極
17a、17bに通電することによって、発熱抵抗体層
18の電極層18の電極が積層されていない部分(nで
示す領域内にある部分)に形成された吐出エネルギー発
生素子が発熱し、その上方に位置する記録用液体に熱エ
ネルギーが作用するようになっている。
【0067】記録に際して、記録用液体21は、部材1
4の流路端部微細開口である吐出口(オリフィス)22
まで充填され、その状態で、記録信号に対応して電極1
7a、17bに通電されると、nで示される領域が急激
に発熱し、ここに接している記録用液体21に膜沸騰に
よる気泡が発生し、その圧力で記録用液体21が吐出口
22より小液滴24となって吐出され、記録媒体25に
向かって飛翔する。
【0068】本発明のインクジェット記録ヘッドでは、
吐出面29の少なくとも吐出口開口部に含フッ素エポキ
シ樹脂組成物の硬化物が撥水、撥インク剤として適用さ
れ、この面に液滴が付着して液滴の吐出方向にずれが生
じるのが防止される。しかも、含フッ素エポキシ樹脂組
成物の硬化物は密着性に優れるだけでなく、記録用液体
に有機溶剤、特に極性有機溶剤が含有されていてもそれ
によって撥水性や密着性が損なわれる。
【0069】尚、図2において、26は吐出口、27は
液流路が形成された部材、28は吐出エネルギー発生素
子等が配設された基板、29は吐出面である。
【0070】図3は、図2に示したようなマルチヘッド
を組み込んだインクジェット記録装置の一例を示すもの
である。図3において、61はワイピング部材としての
ブレードであり、その一端はブレード保持部材によって
保持されて固定端となり、カンチレバーの形態をなす。
ブレード61は、記録ヘッドより記録領域に隣接した位
置に配設され、また、本例の場合、記録ヘッドの移動経
路中に突出した形態で保持される。62はキャップであ
り、ブレード61に隣接するホームポジションに配設さ
れ、記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して吐出
口と当接し、キャッピングを行なう構成を備える。更に
63はブレード61に隣接して設けられたインク吸収体
であり、ブレード61と同様、記録ヘッドの移動経路中
に突出した形態で保持される。上記ブレード61、キャ
ップ62、インク吸収体63によって吐出回復部64が
構成され、ブレード61及びインク吸収体63によって
インク吐出口面からの水分、塵埃等の除去が行なわれ
る。 65はインクジェット方式により記録を行なう記
録ヘッドで、例えば図1、2で示したような熱エネルギ
ーによってインクなどの記録用の液体を吐出する構成を
有する。66は記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド6
5の移動を行なう為のキャリッジである。キャリッジ6
6はガイド軸67と摺動可能に系合し、キャリッジ66
の一部はモーター68によって駆動されるベルト69と
接続(不図示)している。これによりキャリッジ66は
ガイド軸67に沿った移動、即ち、記録ヘッド65によ
る記録領域及びその隣接した領域へ移動が可能となる。
【0071】51は、記録媒体を挿入するための給紙
部、52は不図示のモーターにより駆動される紙送りロ
ーラーである。これらの構成によって記録ヘッドの吐出
口面と対向する位置へ記録媒体が給紙され、記録が進行
するにつれて排紙ローラ53を介して排紙される。
【0072】上記構成において、記録ヘッド65が記録
終了時でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64
のキャップ65は記録ヘッドの移動経路から退避してい
るが、ブレード61は移動経路中に突出している。この
結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされる。
また、キャップ62が記録ヘッド65の吐出口面に当接
してキャッピングを行う際には、キャップ62は記録ヘ
ッドの移動経路中に突出するように移動する。
【0073】記録ヘッド65がホームポジションから記
録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード
61は上述したワイピング時の位置と同一の位置にあ
る。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐
出面はワイピングされる。
【0074】上述の記録ヘッドのホームポジションへの
移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘ
ッドが記録のための記録領域を移動する間に所定の間隔
で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この
移動に伴って上記ワイピングが行なわれる。
【0075】インクジェット記録装置では、カラー記録
の場合は、1ヘッド中に、シアン用、マゼンタ用、イエ
ロー用及びブラック用の吐出口を並列した記録ヘッドを
用いて行なうことが出来る。また、各色の記録ヘッドを
独立して並列して配設し用いてもよい。
【0076】これらの場合、各色の吐出は、1つの吐出
口から行なっても良いし、各色について同時に複数の吐
出口から吐出を行なって、2以上の同一色の液滴が記録
媒体に同時に付着するようにしてもよい。
【0077】本発明の記録ヘッドはこれまで説明した材
料構成の撥インク処理材料によって表面処理がなされ、
下記実施例に示されるような化学的な性質を有するの
で、インクジェットインクの付着が少なく、付着したイ
ンクがきわめて容易にクリーニング用ワイパーブレード
にて除去される。よって印字の実質の持続性が飛躍的に
高くなる。
【0078】
【実施例】以下実施例にて本発明をさらに詳しく説明す
る。
【0079】(実施例1〜6)前記した組成物例1〜6
のジエチレングリコールジメチルエーテル/トルエン混
合溶媒(1:1)中への30乃至40重量%溶液を作成
した。これを5μmの厚さの熱酸化膜を有するシリコン
ウエファー基板上にウエットで1μm乃至3μmの厚さ
にスピンナーを用いて塗布した。ついでこの基板を11
0℃のホットプレート上で5分乾燥し溶剤を除去した。
この基板に高圧水銀灯を用いた紫外線照射装置にて2J
/cm2 の積算量の紫外線を照射した。次に150℃の
炉で15分間加熱して硬化反応を完結させた。
【0080】作成した基板を用いて以下の測定を実施し
た。
【0081】T1:接触角の測定 純水、オレイン酸の10重量%水溶液、グリセリン20
重量%水溶液、界面活性剤1重量%水溶液〔ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル:HLB(Hydro
phopic−Liophobic−Balance)
=10〕の各液体を用いて静的接触角の測定を常温にて
行なった。
【0082】T2:染料水溶液への浸せき後の接触角測
定 水溶性染料ダイレクトブラック168の3重量%水溶液
(pH=10.3)に撥インク処理した基板を60℃で
7日間浸せきした。その後この基板を純水にて洗浄、乾
燥し、再度インクの接触角を測定した。
【0083】T3 図4(a)に示すように、予め吐出エネルギー発生素子
等が設けられた基材41上にポジ型フォトレジスト42
(東京応化工業社製「PMER AR−900」)を3
0μmになるようにスピンコートし、オーブン中で90
℃、40分のプリベイクを行ないレジスト層を形成し
た。その後、図4(b)、(c)に示すようにマスク4
3を用いてパターニングし、レジストパターン4を得
た。該レジストパターン44上に、図4(d)に示すよ
うに流路形成用材料として、以下の組成の主剤に硬化剤
(変性脂肪族アミン、富士化成工業社製「フジキュアー
FXK830」)を、主剤/硬化剤=100/50(重
量比)で混合して、100μmの層厚で積層した。
【0084】
【表1】
【0085】流路形成用材料層45を積層後、25℃、
24時間放置した後、更に100℃、2時間の熱硬化処
理を行なった。次に、こうして得られた積層体を3重量
%の水酸化ナトリウム水溶液に浸せきし、レジストパタ
ーン44を溶解除去し、洗浄、乾燥させて液流路46を
形成し(図4(e))、インクジェット記録ヘッドを得
た。
【0086】こうして得られたインクジェット記録ヘッ
ドの吐出口面に、実施例1〜6の含フッ素エポキシ樹脂
組成物を個々に塗布し、これを8J/cm2 の紫外線露
光及び150℃、1時間の加熱によって硬化させた。
【0087】更に、このインクジェット記録ヘッドに所
定の電気配線を行なってプリンタに組み込み、純水/グ
リセリン/フードブラック2(水溶性黒色染料)/N−
メチルピロリドン=70/15/3/12(重量部)か
らなるインクジェット用インクを用いて長期印字耐久試
験を行なった。
【0088】印字耐久試験は、文書と着弾精度を評価す
るパターンを100枚印字して、最終の印字サンプルか
らドットの乱れを評価した。この結果をT3−1とし
た。 評価A:ドット位置の乱れがなく、文字は鮮明である。 評価B:ドット位置の乱れが少々あるが、文字の品位へ
の影響は軽微である。 評価C:ドット位置の乱れがかなりあり、文字も鮮明さ
が低下している。 評価D:ドットの欠け、文字品位の大幅な低下が発生し
ている。
【0089】また、使用した記録ヘッドの表面を観察
し、インクの付着量を評価した。この結果をT3−2と
した。 評価A:吐出口表面にインク滴がほとんどない。 評価B:吐出口表面に小さいインク滴が見られる。 評価C:吐出口近傍に大きなインク滴がある。
【0090】上記の結果を下記表2に整理した。
【0091】(比較例1)本発明の含フッ素エポキシ樹
脂組成物に代えて、フッ素樹脂塗料(住友スリーエム社
製「フロラード(Fluorad)FC−722])を
用い、100℃で30分の乾燥を硬化条件として、上記
実施例と同様に上記T1〜T3の評価を実施した。
【0092】(比較例2)含フッ素エポキシ樹脂である
下記構造式D−1,D−2で表わされる化合物を用いた
下記組成物を用いた以外は、実施例と同様の塗布、硬化
条件にてテスト基板及び記録ヘッドを作製してT1〜T
3の各評価を行なった。
【0093】
【外15】
【0094】
【0095】
【表2】
【0096】以上示したように、本発明の含フッ素エポ
キシ樹脂組成物からなる被膜は接触角が高く、かつその
持続性において良好である。またインクが長期にわたっ
て接触しても記録ヘッド表面におけるインクの付着がな
く、結果としてドットの着弾精度が良く、印字品位を長
く維持できるようになることがわかる。
【0097】(実施例7)実施例1、3、5、6の各組
成物をポリエーテルサルフォンの成形板にスピンナーに
て、溶剤蒸発後の膜厚で約2μmに塗布した。この基板
に高圧水銀灯から合計10J/cm2 の光を照射し、重
合を行なった。次いでこの基板にビーム径5μmに収斂
した波長195nmのエキサイマーレーザー光を塗膜の
上方から照射して、吐出口穴開け加工を行なった。穴開
けは良好に行なわれ、エッジ部の分解残渣が少ない加工
状態であった。これより本発明の組成物は、紫外線レー
ザーによる加工にも優れた適性を有することがわかる。
【0098】
【発明の効果】以上の説明より、本発明の含フッ素エポ
キシ樹脂組成物は、低温で硬化可能であり、密着性が良
く所望のパターン形状の被膜が容易に形成し得ること、
及び良好な撥水性を付与する表面改質処理が可能である
ことが理解される。よって、本発明によれば、吐出口に
良好な撥インク性を有するインクジェット記録ヘッドを
配し、高精度な印字が可能なインクジェット記録装置を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用するインクジェット記録ヘッドの
構成例の主要部断面図である。
【図2】図1のインクジェット記録ヘッドの主要部斜視
図である。
【図3】図2のインクジェット記録ヘッドを組み込んだ
インクジェット記録装置の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施例におけるインクジェット記録ヘ
ッドの作製工程を示す図である。
【符号の説明】
13 インクジェット記録ヘッド 14 液流路を形成した部材 15 基板 16 保護層 17a、17b 電極 18 発熱抵抗体 19 蓄熱層 20 基体 21 記録用液体 22 吐出口 23 記録用液体のメニスカス 24 小液滴 25 記録媒体 26 吐出口 27 液流路が形成された部材 28 吐出エネルギー発生素子等が配設された基板 29 吐出面 41 基材 42 ポジ型フォトレジスト 43 マスク 44 レジストパターン 45 液流路形成用材料 46 液流路 51 給紙部 52 紙送りローラー 53 排紙ローラー 61 ブレード 62 キャップ 63 インク吸収体 64 吐出回復部 65 記録ヘッド 66 キャリッジ 67 ガイド軸 68 モーター 69 ベルト
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 3/18 102 G03F 7/038 503 G03F 7/038 503 B41J 3/04 103N (72)発明者 佐藤 環樹 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子中に炭素数6〜12のパーフロロ
    アルキル基を1個以上及びエポキシ基を1個以上有する
    含フッ素芳香族エポキシ樹脂と、カチオン重合触媒を少
    なくとも含有することを特徴とする含フッ素エポキシ樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 上記含フッ素芳香族エポキシ樹脂が、1
    分子中にエポキシ基を2個以上有する請求項1記載の含
    フッ素エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記含フッ素芳香族エポキシ樹脂が下記
    一般式(A−1)または(A−2)で表される化合物の
    少なくとも1種である請求項1または2に記載の含フッ
    素エポキシ樹脂組成物。 【外1】 (但し、上記式中のRi1 〜Ri5 は下記R1 〜R3
    いずれか一つを表す。また、上記化合物はいずれも1分
    子中に下記R1 を1個以上、R2 或いはR3 を1個以上
    有する。) 【外2】
  4. 【請求項4】 上記一般式(A−2)で表わされる化合
    物が、m=1〜6である請求項3記載の含フッ素エポキ
    シ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 さらに相溶化剤として下記一般式(C−
    1)または(C−2)で表わされる化合物の少なくとも
    1種を含有する請求項1〜4いずれかに記載の含フッ素
    エポキシ樹脂組成物。 【外3】
  6. 【請求項6】 請求項1〜5いずれかに記載の含フッ素
    エポキシ樹脂組成物を基材に塗布、乾燥する第1の工
    程、 マスクを介して活性エネルギー線をパターン状に照射す
    る第2の工程、 未硬化の組成物を溶解しうる液体にて活性エネルギー線
    の非照射部分を溶解除去する第3の工程、 必要に応じてポストキュアを施す第4の工程の順序に
    て、基材に選択的に表面処理を行なうことを特徴とする
    表面処理方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5いずれかに記載の含フッ素
    エポキシ樹脂組成物を基材に塗布、乾燥する第1の工
    程、 熱あるいは活性エネルギー線の照射によって上記組成物
    全面の重合硬化を行なう第2の工程、 崩壊性の活性エネルギー線を選択的に照射することによ
    って上記硬化した組成物の選択的な除去を行なう第3の
    工程、 必要に応じてポストキュアを施す第4の工程、の順序に
    て、基材に選択的に表面処理を行うことを特徴とする表
    面処理方法。
  8. 【請求項8】 記録用の液体を吐出する吐出口を有する
    インクジェット記録ヘッドにおいて、少なくとも該吐出
    口開口部が請求項1〜5いずれかに記載の含フッ素エポ
    キシ樹脂組成物からなる硬化膜で被覆されていることを
    特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のインクジェット記録ヘ
    ッドを有することを特徴とするインクジェット記録装
    置。
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