JP2003020323A - エポキシ樹脂組成物、基材の表面改質方法、インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、基材の表面改質方法、インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置

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JP2003020323A
JP2003020323A JP2002100309A JP2002100309A JP2003020323A JP 2003020323 A JP2003020323 A JP 2003020323A JP 2002100309 A JP2002100309 A JP 2002100309A JP 2002100309 A JP2002100309 A JP 2002100309A JP 2003020323 A JP2003020323 A JP 2003020323A
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JP
Japan
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epoxy resin
resin composition
ink
substrate
coating
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JP2002100309A
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English (en)
Inventor
Isao Imamura
功 今村
Akihiko Shimomura
明彦 下村
Hiromichi Noguchi
弘道 野口
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 撥水性、撥インク性、耐インク性に優れ、基
材に対する密着性の高い微細加工に対応し得る硬化被膜
を与えることのできる硬化性エポキシ樹脂組成物の提
供、該組成物を使用した基材の所望の場所に、高品位
で、耐久性に優れた撥水処理を、高い精度で選択的に施
すことのできる基材の表面改質方法の提供。 【解決手段】 (A)特定の2種のモノマー単位を有す
る、分子中にアルキルシロキサン基及び環状脂肪族エポ
キシ基を2個以上有する含アルキルシロキサンエポキシ
樹脂、(B)カチオン重合触媒、(C)分子量が300
以上で、25℃における静粘度が1,000cps以上
である多官能エポキシ化合物を含有しているエポキシ樹
脂組成物、基材の表面改質方法、インクジェット記録ヘ
ッド等。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撥水、撥インク
(記録液)性の表面処理に利用可能な硬化性エポキシ樹
脂組成物、該樹脂組成物を用いる基材の表面改質方法に
関し、とりわけ紫外線照射等の活性エネルギー線照射に
よってパターン状に硬化被膜を形成することが可能なエ
ポキシ樹脂組成物、該樹脂組成物を用いる基材の表面改
質方法、撥インク処理されたインクジェット記録ヘッ
ド、及びそれを用いたインクジェット記録装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】各種の分野において、耐水性や撥インク
性が要求される部材に撥水性塗料を適用して、これらの
性質を得る方法が一般的に知られており、それに用いる
樹脂素材及び塗料が開発されている。
【0003】例えば、フルオロポリオレフィンや、パー
フルオロ基を有するフッ素系樹脂塗料は、熱的にも化学
的にも極めて安定であり、耐候性、耐水性、耐薬品性、
耐溶剤性等に優れ、更に、離型性、耐摩擦性、撥水性に
も優れ、各種の用途に広く利用されている。
【0004】1つの具体例を挙げると、インクを吐出口
から小滴として吐出して、紙等に付着させて記録や画像
の形成を行うインクジェット方式の記録ヘッドでは、そ
の吐出口は以下のような性能を有することが望ましい
が、かかる吐出口を形成するために用いられている。 (1)液滴化されなかったインク柱の残部のインクが、
速やかにノズル内に再収納されること。 (2)ノズル表面に付着したインク滴は、クリーニング
操作で容易に掃き出されること。 (3)ノズル表面に付着したインク滴は、クリーニング
操作や用紙搬送における耐擦傷性(インクによる擦れを
生じさせないこと)に優れること。 (4)繰り返される液滴形成とインクリフィルにおい
て、ノズル表面位置にメニスカスが形成されること。 (5)メニスカスの法線方向が吐出方向になっているこ
と。 (6)低い表面張力のインクであっても、或いは低い負
圧の状態であっても、メニスカスを形成し得るだけの十
分な界面張力、即ち接触角を持つこと。
【0005】これらの諸要求性能が求められる理由は、
インクジェット記録ヘッドでは、吐出口の周辺にインク
が付着していると、吐出口から吐出されるインク液滴の
吐出(飛翔)方向にズレが生じて、高精度の印字ができ
なくなる場合がある等、印字性能に直接関係してくるか
らである。これに対して、かかる吐出方向のズレの原因
となる吐出口付近へのインクの付着を防止するために、
吐出口が形成されている面に撥水処理を行い、撥水膜を
形成することが行なわれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
撥水膜の性能に対する要求は、近年のインクジェットプ
リンタの性能の急激な向上に呼応して、非常に高くなっ
てきている。即ち、インクジェットヘッドは、そのノズ
ルの微細化、多ノズル化の進展に伴って、撥水膜にも高
度な微細加工性(例えば、優れた光加工性等)が要求さ
れている。又、かかる撥水膜が備えているべき基本的特
性として、基材との密着性、耐インク性(例えば、イン
クとの接触によっても、その撥水性や密着性が大きな影
響を受けないこと)が挙げられる。更に、インク自体に
も、その性能改善のために、極性有機溶剤が用いられた
り、高いpH値に調整されたりと、様々な試みがなされ
ており、こういったインクとの接触に対しても、撥水性
が衰えたり、基材への密着性が損なわれたりすることの
ないように、撥水膜には、良好な耐インク性(例えば耐
アルカリ性、耐加水分解性)を有することが要求されて
きている。しかしながら、これらの要求を満たしつつ、
上記した高度な微細加工性を両立し得る材料の開発は容
易なことではない。
【0007】従って 本発明は、撥水性、撥インク性、
耐インク性に優れ、基材に対する密着性の高い硬化被膜
を与えることができ、又、微細加工に対応し得る被膜を
与えることのできるエポキシ樹脂組成物を提供すること
を一つの目的とする。又、本発明の他の目的は、基材表
面の所望の場所に、高品位で、耐久性に優れた撥水処理
を、高い精度で選択的に施すことのできる基材の表面改
質方法を提供することにある。又、本発明の他の目的
は、インク吐出をより安定して行うことのできるインク
ジェット記録ヘッド、及びそれを有するインクジェット
記録装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明にかかるエポキシ樹
脂組成物は、下記の(A)、(B)及び(C)成分を含
有していることを特徴とする。(A)下記構造式(a)
で表わされるモノマー単位と下記構造式(b)で表わさ れるモノマー単位とを少なくとも有し、その分子中にア
ルキルシロキサン基及び環状脂肪族エポキシ基を2個以
上有する含アルキルシロキサンエポキシ樹脂。 (B)カチオン重合触媒。 (C)分子量が300以上で、25℃における静粘度が
1,000cps以上である多官能エポキシ化合物。 尚、上記(C)成分は、本発明のエポキシ樹脂組成物に
おいて、相溶化剤又は反応促進剤としての機能を果た
す。
【0009】
【0010】又、本発明の一実施態様にかかる基材への
表面改質方法は、基材の所望の部位に選択的に表面処理
を行う基材の表面改質方法(以下、選択的表面改質方法
と呼ぶ)であって、下記の(i)〜(iii)の工程を有
することを特徴とする。 (i)基材に上記構成を有するエポキシ樹脂組成物を含
む塗工液を塗布及び乾燥して被膜を形成する工程。 (ii)工程(i)で形成した被膜にマスクを介して活性
エネルギー線をパターン状に照射する工程。 (iii)上記エポキシ樹脂組成物を溶解し得る液体にて
活性エネルギー線の非照射部分を溶解除去する工程。
【0011】又、本発明の他の実施態様にかかる基材へ
の選択的表面改質方法は、下記の(i)〜(iii)の工
程を有することを特徴とする。 (i)基材に上記構成を有するエポキシ樹脂組成物を含
む塗工液を塗布及び乾燥して被膜を形成する工程。 (ii)上記工程(i)で形成した被膜に対して、熱或い
は活性エネルギー線を照射し、該被膜の硬化を行なう工
程。 (iii)上記工程(ii)で硬化した被膜の一部を選択的
に除去する工程。
【0012】又、本発明の一実施態様にかかるインクジ
ェット記録ヘッドは、インクを吐出する吐出口を有する
インクジェット記録ヘッドにおいて、少なくとも該吐出
口開口部周辺が、前記構成を有するエポキシ樹脂組成物
の硬化膜で被覆されていることを特徴とする。更に、本
発明の一実施態様にかかるインクジェット記録装置は、
前記構成を有するインクジェット記録ヘッドを有するこ
とを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、好ましい実施の形態を挙げ
て本発明を更に詳しく説明する。本発明者らは、上記し
た従来技術の課題に対して、種々検討を重ねた結果、高
い解像性(光による優れた微細加工性)を有し、且つハ
イコントラスト(光による加工の際のエッジのシャープ
ネスに優れていること)の撥水、撥インク性を有する硬
化被膜の形成に適したエポキシ樹脂組成物を見出して、
本発明をなすに至った。先ず、本発明にかかるエポキシ
樹脂組成物の各形成材料について説明する。
【0014】・成分(A):含アルキルシロキサンエポ
キシ樹脂 本発明にかかるエポキシ樹脂組成物に用いる成分(A)
(以下、A成分と呼ぶ)は、下記構造式(a)で表わさ
れるモノマー単位と下記構造式(b)で表わされるモノ
マー単位とを少なくとも有し、その分子中にアルキルシ
ロキサン基及び環状脂肪族エポキシ基を2個以上有する
含アルキルシロキサンエポキシ樹脂である。このような
A成分は、下記構造式(a)に対応するモノマーと、下
記構造式(b)に対応するモノマーとの共重合によって
得られる。
【0015】
【0016】上記構成を有するA成分であるエポキシ樹
脂は、後述する(C)成分である多官能のエポキシ化合
物(以下、C成分と呼ぶ)と併用することで、例えば、
優れた撥インク性の被膜を与えるエポキシ樹脂組成物の
塗布適性を向上させることができ、又、溶剤蒸発後にお
ける被膜の高い乾燥性の達成等、優れた作業性を有する
エポキシ樹脂組成物を得ることができる。即ち、A成分
であるエポキシ樹脂は、バインダーとしての機能も有
し、このようなバインダー性の物質を用いることによっ
て、パターン状の露光作業を施す上での作業性の向上を
図ることができる。
【0017】前記式に示したように、A成分であるエポ
キシ樹脂は、その中の構造単位(a)がシロキサンセグ
メントを含むため、共重合体の極性が低くなり、次に説
明するカチオン硬化触媒に対しての相溶性が低くなる場
合がある。その結果として、エポキシ樹脂組成物全体の
硬化反応性が低くなることがある。そのため、本発明に
かかるエポキシ樹脂組成物は、上記したようなA成分を
主体とするが、後述する、相溶化剤又は反応促進剤とし
て機能する多官能のエポキシ化合物をC成分として併用
する。
【0018】・成分(B):カチオン重合触媒 本発明にかかるエポキシ樹脂組成物は、前記A成分及び
後記C成分を硬化させるための触媒として、カチオン重
合触媒(重合開始剤;以下、B成分と呼ぶ)を含有して
いる。そのような目的に用いるB成分は、エポキシ樹脂
の硬化剤として知られている物質から適宜に選択でき
る。従って、本発明にかかるエポキシ樹脂組成物は、芳
香族及び脂肪族アミン類、酸無水物類を添加して加熱硬
化によって重合させることが可能である。しかし、本発
明では、特に低温硬化が可能となるところの、活性エネ
ルギー線によって賦活化されるルイス酸のオニウム塩に
対して高い反応性を示し、フォトリソグラフィー方式に
よって選択的に表面処理を行うことを可能とし、又、高
温に保持することが困難な基材に対しても表面改質が好
適にできるようにするために、下記に挙げるような物質
をB成分として用いることが好ましい。そのような物質
としては、例えば、ビス(4−tert−ブチルフェニ
ル)ヨードニウム塩や、下記構造式で示される、オプト
マーSP−150やオプトマーSP−170(旭電化工
業)等を使用することができる。
【0019】
【0020】更に、下記構造式で示される「イルガキュ
ア261」(チバスペシャルティー社製)等を使用する
ことができる。
【0021】・成分(C):多官能エポキシ化合物 先に述べたように、C成分は、本発明にかかるエポキシ
樹脂組成物において、相溶化剤又は反応促進剤として機
能する。かかるC成分である多官能エポキシ化合物とし
ては、特に、本発明にかかるエポキシ樹脂組成物の、感
光性樹脂組成物としての解像性を上げるには分子量は高
い方が望ましい。従って、併用するA成分の種類や添加
量にもよるが、本発明においては、C成分として分子量
が300以上のものを使用する。その粘度も、併用する
A成分の種類や添加量にもよるが、高精細のパターンを
つくるには、本発明にかかるエポキシ樹脂組成物が固体
である必要があるため、本発明においては、C成分とし
て、25℃における静粘度が、1,000cps以上で
あるものを使用する。更に、反応性や、硬化物の機械的
特性及び耐薬品性を検討した結果から、C成分には、多
官能のエポキシ化合物を用いる。
【0022】以上のような特性を有するC成分として好
適に用い得るものとしては、具体的には、例えば、下記
式(C−1)〜(C−9)に示したような例示化合物を
挙げることができる。
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】上記(C−2)において、記号「EPN」
はフェノールノボラック型エポキシを意味し、「EC
N」はクレゾールノボラック型エポキシを意味する。
又、上記(C−7)、(C−8)及び(C−9)におい
て、「EHPE3150」及び「エポリードGT30
0」、「エポリードGT301」、「エポリードGT4
00」、「エポリードGT401」は、いずれもダイセ
ル化学工業(株)社の商品名である。
【0027】以上のように本発明にかかるエポキシ樹脂
組成物は、基本的に、A成分として含アルキルシロキサ
ンエポキシ樹脂、B成分としてカチオン重合触媒、及び
C成分として1種以上の相溶化剤又は反応促進剤である
ところの多官能ポリエポキシ化合物(又は樹脂)を含有
する。これらA、B及びCの各成分のエポキシ樹脂組成
物中における好ましい配合割合は、以下の通りである。
触媒であるB成分は、エポキシ樹脂組成物の総量100
質量部に対して、0.5〜6質量部の範囲で使用するこ
とが好ましい。A成分とC成分との配合割合は、それぞ
れの粘度や軟化点、エポキシ当量にもよるが、A:C=
10:90乃至90:10(質量比率)程度とすること
が好ましい。
【0028】前記したA成分とB成分とは相溶性が低い
場合があり、又、B成分である触媒として好適なルイス
酸のオニウム塩は極性が高いので、本発明においては、
相溶化剤又は反応促進剤としてC成分を使用する。この
結果、更なる高解像度及びハイコントラストの表面処理
を可能とする、本発明にかかる感光性のエポキシ樹脂組
成物が得られる。
【0029】又、本発明にかかるエポキシ樹脂組成物
は、多官能エポキシ樹脂系であるので、各種部材への密
着性に優れ、しかも比較的低温でも硬化可能であり、構
造物としての物性にも優れた硬化物を提供することがで
きる。更に、本発明にかかるエポキシ樹脂組成物には、
シロキサン基を有するA成分が含有されているため、水
溶性有機溶剤、特に、極性有機溶剤に対する耐性が大幅
に向上したものとなっている。そして、C成分の作用に
よって各成分間の共溶性が付与されているので、材料構
成することができる範囲が広くなっている。
【0030】更に、本発明にかかるエポキシ樹脂組成物
を構成するB成分であるカチオン重合触媒として、活性
エネルギー線によって賦活化されるルイス酸のオニウム
塩を用いれば、選択的に、例えば、パターン状に高精度
な表面処理を施すことが可能となる。本発明において
は、B成分としてカチオン硬化触媒を用いているため、
相溶化剤又は反応促進剤として加えるC成分としては、
先に列挙した化合物の中でも、特に、その反応性から、
脂環式の多官能エポキシ化合物(樹脂)を使用すること
が望ましい。
【0031】更に、本発明にかかるエポキシ樹脂組成物
は、加熱或いは活性エネルギー線の照射によって表面処
理を行う際に好適に用いることができる。該樹脂組成物
を用いて硬化被膜を形成する方法としては、先ず、該組
成物を、芳香族系、脂肪族炭化水素系、エステル系、エ
ーテル系、フッ素系溶剤等に溶解して塗工液とし、該塗
工液を用いて、ロールコーター、スピンコーター、スプ
レイコーター、スクリーン印刷、グラビア印刷等の各種
塗布/印刷法を適用して塗布被膜を形成する。次に、上
記のようにして塗工液を基材に塗布した後、これに、加
熱或いは活性エネルギー線の照射を行うことによって、
被膜を硬化させる。この際に使用する活性エネルギー線
源としては、波長200〜480nmの範囲の輝線スペ
クトルを多量に含む、水銀灯、レーザー光、及び電子線
等が適している。
【0032】本発明にかかるエポキシ樹脂組成物は、バ
インダー成分(A成分)を含むが、かかるA成分による
乾燥した固体状の被膜が容易に与えられるように各成分
を調製し、これを用いてフォトレジスト方式と同様なパ
ターニングを行えば、基板の所望の位置に、選択的に表
面処理を行うことが可能となる。具体的には、前記した
ようにして調製した塗工液を基材に塗布し、溶剤を除去
して塗布被膜を形成した後、マスクを重ねて活性エネル
ギー線を照射して、或いはパターン状に活性エネルギー
線を照射して、パターン状に被膜を硬化させ、然る後、
未硬化の被膜を溶解し得る溶剤系で現像処理を行う。上
記したパターン状のエネルギー線の照射が、被膜の硬化
に十分でない場合には、現像処理後にポストキュアのた
めの硬化処理を行う。そのためのエネルギー源には、
熱、マイクロ波等の加熱処理、電子線、紫外線等の活性
エネルギー線照射を用いることができる。
【0033】基板表面に、パターン状に表面処理を施す
方法としては、上記したように、本発明にかかるエポキ
シ樹脂組成物を用いて調製した塗工液を基材に塗布し、
その後、マスクを介して活性エネルギー線の照射を行
い、塗布被膜を部分的に硬化した後、現像液を用いた現
像処理を行うことで達成されるが、その基本的な工程
は、フォトリソグラフィー方式と同じである。現像液に
は、本発明にかかるエポキシ樹脂組成物である感光性樹
脂組成物に適した、溶剤或いは溶剤組成物を適宜に選択
して使用する。具体的な現像液としては、例えば、芳香
族炭化水素類、ケトン類、エステル類、グリコールエー
テル類等、及びそれらの混合物等が挙げられる。
【0034】又、パターン状に表面処理を施す方法をと
る場合には、被膜の硬化反応の完結を期すために、ポス
トキュア処理として、現像後に、加熱、或いは活性エネ
ルギー線の照射を更に行うことも望ましい形態である。
感光性樹脂組成物である本発明のエポキシ樹脂組成物
は、比較的低温でも硬化して硬化被膜を形成し、これに
よって、撥水撥油性、密着性、耐薬品性、及び耐摩擦性
に優れた硬化物を提供する。
【0035】従って、本発明にかかるエポキシ樹脂組成
物は、例えば、極性有機溶剤のように撥水剤の密着性を
損なう成分を含む溶液や物質に対し接触機会のある場所
に適用可能な撥水剤又は撥水性塗料として、更には、イ
ンクジェット記録ヘッドの吐出口面における、撥水、撥
インク処理のための材料として、好適に用いることがで
きる。
【0036】そして、本発明にかかる、感光性の、エポ
キシ樹脂組成物をインクジェット記録装置に適用した場
合の効果としては、例えば、下記の事項等が挙げられ
る。 ・その光重合性を利用した、選択的で、且つ高精度な表
面改質が可能である。 ・光を用いたパターニング処理の優れた加工精度(ハイ
コントラスト)。 ・硬化膜としての優れた固体強度。 ・摩擦強度によるデバイスとしての高耐久性。 ・高い撥水・撥インク性。
【0037】上記した中でも特に、高い撥水及び撥イン
ク性は、水系インクのメニスカス保持力、クリーニング
性、インク液滴吐出方向の正確さ、連続吐出における持
続性、休止後の印字開始の適性等の動特性の向上に繋が
る。ここでメニスカス保持力とは、インクがノズル先端
でそのインク表面を表面張力で維持し、且つ繰り返され
る液滴吐出に際してメニスカス(図1中の23参照)を
所定の位置に回復し保持する性質を指している。この保
持力が低いと、インクがノズル先端から滲み出す、或い
はメニスカスが後退して吐出する液滴の体積が減少す
る、或いは極端な場合には、インク液滴の吐出欠損が起
こる等の不具合に繋がる。
【0038】インクジェット記録ヘッドにおける応用と
しては、ノズル表面を、本発明にかかるエポキシ樹脂組
成物である感光性樹脂組成物で処理することによって、
インクの強固な付着が起きず、クリーニング処理によっ
て容易にインクを拭き取ることが可能な、離型性のよい
表面の形成が可能となる。インクジェット記録ヘッドに
搭載されているクリーニング機構の多くは、ゴムのブレ
ードで拭き取る、ポンプで吸引する、記録紙外の位置で
空吐出を行う、等の方法である。しかし、これらの何れ
のクリーニング方法であれ、吐出圧によって引き出され
たインク柱が液滴化する時には、全てのインクが液滴に
はならないので、余分なインクの微少液滴がノズルの周
辺に付着することを皆無にすることはできない。これに
対して、ノズルの周辺に付着したインクが、自発的に落
下或いはノズル内部に再吸引される、或いは容易に排除
されるならば、インク吐出への影響はなくなる。
【0039】図1及び2に、本発明にかかる感光性樹脂
組成物による表面改質を適用し得るインクジェット記録
ヘッドの構成の一例の主要部を示した。図1は、流路に
沿った断面図であり、図2はその斜視図である。この記
録ヘッド13は、吐出エネルギー発生手段が配置された
基板15上に、熱硬化性樹脂組成物及び/又は活性エネ
ルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物等を所定のパターン
に形成して、少なくとも流路を形成するようにした部材
14を積層接合した構成を有する。基板15は、アルミ
ナ等の放熱性のよい材料からなる基体20の表面に、蓄
熱層19、金属で形成される発熱抵抗体層18、アルミ
ニウム等からなる電極17a及び17b、及び保護層1
6をこの順に積層した構成を有し、電極17a及び17
bに通電することによって、発熱抵抗体層18の電極が
積層されていない部分(nで示す領域内にある部分)に
形成された吐出エネルギー発生素子が発熱し、その上方
に位置するインクに熱エネルギーが作用するようになっ
ている。
【0040】記録に際して、インク21は、端部微細開
口である吐出口(オリフィス)22まで充填され、その
状態で、記録信号に対応して電極17a及び17bに通
電されると、nで示される領域が急激に発熱し、ここに
接しているインク21に膜沸騰による気泡が発生し、そ
の圧力でインク21が吐出口22より小液滴24となっ
て吐出され、記録媒体25に向かって飛翔する。
【0041】本発明にかかるインクジェット記録ヘッド
は、吐出面29の少なくとも吐出口開口部26周辺(図
2のハッチングを施した部分)に、本発明にかかるエポ
キシ樹脂組成物を、撥水、撥インク剤として用い、パタ
ーニング及び硬化の結果としての被膜を有しており、こ
の面に液滴(インクなど)が付着して液滴の吐出方向に
ずれが生じるのが有効に防止される。しかも、本発明に
かかるエポキシ樹脂組成物の硬化物は、基材への密着性
に優れるだけでなく、インクに有機溶剤、特に極性有機
溶剤が含有されていたとしても、それによって撥水性や
密着性が殆ど、或いは全く損なわれることがない。
【0042】図3は、図2に示したようなマルチヘッド
を組み込んだインクジェット記録装置の一例を示すもの
である。図3において、61はワイピング部材としての
ブレードであり、その一端はブレード保持部材によって
保持されて固定端となり、カンチレバーの形態をなす。
ブレード61は、記録ヘッドより記録領域に隣接した位
置に配設され、又、本例の場合、記録ヘッドの移動経路
中に突出した形態で保持される。62はキャップであ
り、ブレード61に隣接するホームポジションに配設さ
れ、記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して吐出
口と当接し、キャッピングを行う構成を備える。更に、
63はブレード61に隣接して設けられたインク吸収体
であり、ブレード61と同様、記録ヘッドの移動経路中
に突出した形態で保持される。上記ブレード61、キャ
ップ62、インク吸収体63によって吐出回復部64が
構成され、ブレード61及びインク吸収体63によって
インク吐出口面からの、水分や塵埃等の除去が行われ
る。
【0043】65は、インクジェット方式により記録を
行う記録ヘッドで、例えば、図1及び2で示したような
熱エネルギーによってインクを吐出する構成を有する。
66は、記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移
動を行うためのキャリッジである。キャリッジ66は、
ガイド軸67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一
部はモーター68によって駆動されるベルト69と接続
(不図示)している。これによりキャリッジ66はガイ
ド軸67に沿った移動、即ち、記録ヘッド65による記
録領域及びその隣接した領域へ移動が可能となる。
【0044】51は、記録媒体を挿入するための給紙
部、52は不図示のモーターにより駆動される紙送りロ
ーラーである。これらの構成によって記録ヘッドの吐出
口面と対向する位置へ記録媒体が給紙され、記録が進行
するにつれて排紙ローラー53を介して排紙される。
【0045】上記構成において、記録ヘッド65が記録
終了時でホームポジションに戻る際、吐出回復部64の
キャップ65は記録ヘッドの移動経路から退避している
が、ブレード61は移動経路中に突出している。この結
果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされる。
又、キャップ62が記録ヘッド65の吐出口面に当接し
てキャッピングを行う際には、キャップ62は記録ヘッ
ドの移動経路中に突出するように移動する。
【0046】記録ヘッド65がホームポジションから記
録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード
61は、上述したワイピング時の位置と同一の位置にあ
る。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐
出面はワイピングされる。
【0047】上述の記録ヘッドのホームポジションへの
移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘ
ッドが記録のための記録領域を移動する間に所定の間隔
で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この
移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0048】インクジェット記録装置では、カラー記録
の場合は、1ヘッド中に、シアン用、マゼンタ用、イエ
ロー用及びブラック用の吐出口を並列した記録ヘッドを
用いて行うことができる。又、各色の記録ヘッドを独立
して並列配設して用いてもよい。これらの場合、各色の
吐出は、1つの吐出口から行ってもよいし、各色につい
て同時に複数の吐出口から吐出を行って、2以上の同一
色の液滴が記録媒体に同時に付着するようにしてもよ
い。
【0049】本発明にかかる記録ヘッドは、これまで説
明した材料構成の撥インク処理材料によって表面処理が
なされ、実施例に示すような化学的な性質を有するの
で、インクの付着が少ない、或いは付着したインクが極
めて容易にクリーニング用ワイパーブレードにて除去さ
れる。よって、印字の実質の持続性が飛躍的に高くな
る。
【0050】本発明にかかるエポキシ樹脂組成物を用い
る際の具体的な方法を例示する。活性エネルギー線硬化
を行う場合には、前記したように、触媒として、ルイス
酸を光によって放出する光カチオン触媒を添加して用い
る。加熱硬化する場合には、3弗化砒素アミン触媒等の
ルイス酸を添加して用いてもよい。
【0051】本発明にかかるエポキシ樹脂組成物は、有
機溶剤中に溶解し、塗工液にした状態で用いられる。塗
布の膜厚が数μmと小さい場合には、ロールコーター、
スピンコーター、及びスプレイコーター等の通常の精密
塗布装置を用いることができる。
【0052】又、パターン状に表面処理を施す第1の方
法としては、上記塗工液を、撥水性を付与しようとする
基材に塗布して被膜を形成し、該被膜にマスクを重ね
て、マスクを介することで、基材の所望の位置に活性エ
ネルギー線を選択的に照射し、次いで現像液を用いた現
像処理を行うことによって達成される。これらの基本的
な工程は、フォトリソグラフィー方式と同じであるが、
現像液としては、本発明にかかるエポキシ樹脂組成物に
適した、溶剤或いは溶剤組成物を選択することが必要で
ある。具体的には、現像液として、芳香族炭化水素類、
ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類等、及び
それらの混合物を使用する。更に、上記樹脂組成物から
なる被膜の硬化反応の完結を期すためには、現像後に、
加熱、或いは活性エネルギー線の照射を更に行ってポス
トキュアをすることが望ましい。
【0053】又、パターン状に表面処理を施す第2の方
法は、前記塗工液を基材に塗布し被膜を形成する工程
(i)、重合を促す、熱或いは活性エネルギー線による
全面照射により上記被膜の硬化を行う工程(ii)、被膜
の硬化部の所望の部位を選択的に除去する工程(ii
i)、をこの順序に施すことによって行う。該工程(ii
i)においては、例えば、崩壊性の活性エネルギー線を
照射することで、硬化した被膜の一部を選択的に除去す
ることが可能となる。重合を促す活性エネルギー線の光
源としては、例えば、高圧水銀ランプを用いることがで
きる。一方、崩壊性の活性エネルギー線の光源として
は、例えば、エキシマレーザーを用いることができる。
第2の方法においても、硬化反応を完結させるために
は、何れかの段階で、熱処理や重合性の活性エネルギー
線の照射を行うことが望ましい。更に工程(iv)とし
て、ポストキュアを施す工程を、前記工程(iii)の後
に行うことが好ましい。
【0054】以上のようにして、本発明にかかるエポキ
シ樹脂組成物を、極性有機溶剤のように撥水剤の密着性
を損なう成分を含む溶液や物質との接触機会のある場所
に適用すれば、撥水剤又は撥水性塗料として機能する本
発明にかかるエポキシ樹脂組成物からなる有用な硬化物
を所望の位置に形成できるため、本発明にかかるエポキ
シ樹脂組成物は、例えば、インクジェット記録ヘッドの
吐出口面の撥水、撥インク処理に好適に用いることがで
きる。
【0055】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明する。本発明の感光性樹脂組成物の構成例を
以下に例示する。以下の「部」は固形分の質量比率を示
す。
【0056】<配合例1> ・成分A−1 10部 ・前記例示化合物C−7 90部 上記例示化合物C−7は、EHPE3150(商品名;
ダイセル化学(株)製、数平均分子量1,000、25
℃において固体)である。
【0057】<配合例2> ・成分A−1 30部 ・前記例示化合物C−4 40部 ・前記例示化合物C−9 30部 上記例示化合物C−4は、分子量448、25℃におい
て固体である。上記例示化合物C−9は、エポリードG
T−401(商品名;ダイセル化学(株)製、分子量8
40〜940、25℃において粘稠液体)である。
【0058】<配合例3> ・成分A−1 30部 ・前記例示化合物C−4 30部 ・前記例示化合物C−7 40部 上記例示化合物C−4は、分子量448、25℃におい
て固体である。上記例示化合物C−7は、EHPE31
50(商品名;ダイセル化学(株)製、数平均分子量
1,000、25℃において固体)である。
【0059】<配合例4> ・成分A−1 100部
【0060】<配合例5> ・成分A−1 10部 ・セロキサイド2021 90部
【0061】上記配合例1〜5において使用した成分A
−1は、下記一般式(a)において、n=68、a=1
であるモノマー単位と、下記一般式(b)においてb=
53であるモノマー単位を有する、数平均分子量が1
5,000のエポキシ樹脂である。
【0062】
【0063】上記配合例5において使用したセロキサイ
ド2021は、下記式で示される脂環式エポキシ化合物
(ダイセル化学(株)製)である。かかる化合物の分子
量は252であり、25℃における静粘度100〜40
0cpsである。
【0064】上記配合例1〜5の各々を用いた以下の配
合で、エポキシ樹脂組成物(感光性樹脂組成物(塗工
液))1〜5を調製した。前記配合例1〜3を用いたも
のが実施例1〜3に相当し、前記配合例4、5を用いた
ものが比較例1、2に相当する。
【0065】<感光性樹脂組成物(塗工液1〜5)> ・前記樹脂配合物1〜5の何れか1種 100部 ・カチオン重合開始剤 2部 ・シランカップリング剤 3部 ・溶剤(ジグライム) 100部 上記カチオン重合開始剤としては、アデカオプトマー1
70(商品名:旭電化(株)製)を用い、上記シランカ
ップリング剤は、A−187(商品名:日本ユニカー
製)を用いた。
【0066】こうして調製した塗工液1〜5の各々を用
いて、実施例1〜3、及び比較例1、2のインクジェッ
ト記録ヘッドを以下の手順にて作製した。尚、塗工液1
〜3を用いて調製したヘッドが実施例1〜3のヘッド、
塗工液4、5を用いて調製したヘッドが比較例1、2の
ヘッドに相当する。以下、図面を参照しつつ、実施例及
び比較例のインクジェット記録ヘッド(以下単に「ヘッ
ド」という)の製造例を説明する。図4〜11は、ヘッ
ドの基本的製造工程を示す図である。尚、図面では、2
つの吐出口を有するヘッドが示されているが、これは簡
略のためのものである。従って、これ以上の吐出口を有
する高密度マルチアレイタイプのヘッドの場合や、吐出
口が1つだけのヘッドの場合も包含することは言うまで
もない。
【0067】図4は、本実施態様例において使用するヘ
ッド用基板71の模式的斜視図である。先ず、図4に示
されるような、シリコン、ガラス、セラミックス、プラ
スチックス或いは金属等からなるヘッド用基板71を用
意する。本実施例の場合は、基材としてシリコンを用い
た。このヘッド用基板71は、インク流路構成部材の一
部として機能し、又、後述の被覆樹脂層の支持体として
機能し得るものであればよく、その形状や材質等につい
ては特に制限はない。
【0068】該ヘッド用基板71には、電気熱変換素子
或いは圧電素子等の吐出エネルギー発生素子72が所望
の個数配置される(図4では、簡略化のために2個配置
されている)。この吐出エネルギー発生素子72によ
り、インク小滴を吐出するための吐出エネルギーがイン
クに与えられてインク吐出がなされ、プリントが行われ
る。例えば、上記吐出エネルギー発生素子72として電
気熱変換素子を用いる場合、該電気熱変換素子により、
該素子近傍のインクを加熱することにより、吐出エネル
ギーが発生し、インク吐出がなされる。
【0069】尚、これら吐出エネルギー発生素子72に
は、これら素子を動作させるための制御信号入力電極
(図示せず)が接続される。又、一般に、これら吐出エ
ネルギー発生素子の耐久性の向上を目的として、吐出エ
ネルギー発生素子72上に保護層等の各種機能層が設け
られるが、本発明においてもこのような機能層を設ける
ことができる。
【0070】更に、上述のヘッド用基板71には、イン
ク流路中にインクを供給するためのインク供給口73
が、該ヘッド用基板71上のエネルギー発生素子72の
存在しない箇所に貫通口を形成することによって設けら
れている。
【0071】次いで、図5に示すように、上記ヘッド用
基板71上に感光性樹脂層74を、該基板71上の前記
吐出エネルギー発生素子72を覆うように形成する。こ
の感光性樹脂層の材料としては、パターニング特性や易
溶性の観点から、ポジ型の感光性樹脂を用いることが望
ましい。この感光性樹脂層74の形成は、当該感光性樹
脂を溶剤に溶解してPETフイルム等のフイルム上に一
旦コーティングし、ドライフィルム化した後に、ラミネ
ーターにてヘッド用基板71上に転写する方法により行
うことができる。
【0072】この他、ヘッド用基板71上に感光性樹脂
層74まで設けた状態で、インク供給口73を異方性エ
ッチングにて形成する方法を用いることもできる。この
場合には、ヘッド基板71上に、スピンコート法、ロー
ルコート法等のソルベントコート法で感光性樹脂層74
を形成する方法が用いられる。
【0073】次いで、図6に示すように感光性樹脂層7
4に対して、パターニングマスク75を用いることによ
り、インク流路となる部分を除いて紫外線や電離放射線
等の活性エネルギー線を照射して可溶化し、この可溶化
した部分を溶剤により溶出して、図7に示すようなイン
ク流路パターン74aを形成する。該インク流路パター
ン74aは、インク供給口73とエネルギー発生素子7
2とを備えるインク流路を確保するものであり、インク
流路となるところに感光性樹脂層74のパターンが残存
する(図7参照)。本実施例では、感光性樹脂として東
京応化製ODUR1010を用いた。
【0074】次いで、図8に示したようにインク流路パ
ターン74a上に、当該パターン74aを被覆するよう
に流路となる被覆樹脂層76を形成する。該被覆樹脂層
76はヘッドの構造材料となるため、高い機械的強度、
耐熱性、ヘッド用基板71に対する密着性、インクに対
する耐性等の特性が要求される。このような特性を満足
させる被覆樹脂層76の構成材料としては、例えば、エ
ポキシ樹脂、アクリル樹脂、ジグリコールジアルキルカ
ーボネート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリール
フタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、
メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂等の、硬化性
樹脂を挙げることができる。勿論、これら硬化性樹脂に
は、一般的に使用される硬化剤を併用し、必要に応じて
光及び熱エネルギーを付与して硬化反応を起こさせる。
本実施例では、以下の組成の光硬化型エポキシ樹脂組成
物を用いた。
【0075】・多官能エポキシ樹脂(商品名:EHPE31
50、 ダイセル化学製) 100部 ・カチオン重合開始剤(商品名:アデカオプトマー SP−170、旭電化工業製) 2部 ・シランカップリング剤(商品名:A−187、 日本ユニカー製) 4部 ・溶剤(ジグライム) 100部
【0076】該被覆樹脂層76の形成は、上述した組成
の硬化性樹脂を所望の溶剤に溶解してソルベントコート
で形成した。そして、この上に、前記した本発明及び比
較例の感光性樹脂組成物からなる塗工液1〜5をそれぞ
れ塗布して撥水層80を形成したが(図9参照)、スピ
ンコートで塗布すると下地が相溶してしまうために、こ
こではカーテンコート法により塗布を行った。
【0077】次いで、インク吐出口79を形成する。イ
ンク吐出口79の形成は、フォトリソグラフィー方式に
より行うことができる。フォトリソグラフィー方式によ
るインク吐出口の形成は、例えば、以下に述べるような
手法で行うことができる。
【0078】即ち、インク吐出口をフォトリソグラフィ
ー方式により形成する場合には、前述した被覆樹脂層7
6をネガ型の感光特性を有する被覆樹脂層材料を用いて
形成する。そして、図10に示したように、ネガ型の感
光特性を有する被覆樹脂層76、その上に形成した撥水
層80上に、吐出口部分が遮蔽された吐出口形成用のパ
ターニングマスク77を介して露光する(図10参
照)。これにより被覆樹脂層76及び撥水層80の露光
部分は硬化され、インク吐出口形成部分を所望の状態に
パターニングできるようになる。そして、図11に示し
たように、被覆樹脂層76及び撥水層80の未露光部分
を溶剤により溶出する。これによって、被覆樹脂層76
及び撥水層80にインク吐出口79が形成される。本実
施例では、直径10μmの吐出口79を形成した。
【0079】又、ここではインク吐出口79の形成方法
としてフォトリソグラフィー方式を挙げたが、この他
に、被覆樹脂層上にインク吐出口パターンを有するパタ
ーニングマスクを設け、崩壊性の活性エネルギー線であ
るエキシマレーザーを照射する方法や、酸素プラズマに
よってドライエッチングする方法によってもインク吐出
口79を形成することができる。尚、酸素プラズマやエ
キシマレーザーで吐出口を形成した場合には、被覆樹脂
層76の硬化処理を行う必要がある。
【0080】次いで、被覆樹脂層76、撥水層80を介
してインク流路パターン74aに電離放射線を照射して
インク流路パターン74aを可溶化させる。最後に、可
溶化されたインク流路パターン74aを溶剤により溶出
してインク流路を形成する。以上のようにして、基材の
所望の位置に、選択的に撥水剤による表面処理が行われ
た本発明にかかるヘッドが得られる。
【0081】尚、上述の説明ではサイドシューター型の
ヘッドの製造例を説明したが、本発明は、吐出エネルギ
ー発生素子が設けられている面に沿った方向にインクを
吐出する、いわゆるエッヂシューター型のヘッドの製造
にも適用できることは言うまでもない。本発明をエッヂ
シューター型のヘッドの製造に適用する場合には、吐出
口が、被覆樹脂層が設けられたヘッド用基板の端面に設
けられるため、上述の吐出口形成工程は必要としない。
【0082】上記実験にて作成したヘッドを用いて以下
の手順で吐出耐久試験を行った。上記で得たヘッドに所
定の電気配線を行って、プリンタに組み込み、純水/グ
リセリン/フードブラック2(水溶性黒色染科)/N−
メチルピロリドン=70/15/3/12(質量部)の
組成を有するインクジェット用インクを用いて長期印字
耐久試験を行った。印字耐久試験は、文書と着弾精度を
評価するパターンを100枚印字して、最終の印字サン
プルからドットの乱れを評価した。
【0083】上記の結果、本発明にかかる実施例1〜3
のヘッドは、ドット位置の乱れがなく、文字は鮮明であ
った。一方、比較例1、2のヘッドでは、ドット位置の
乱れが少々あるが、文字の品位への影響は軽微であっ
た。又、比較例1のヘッドを観察したところ、実施例1
〜3のヘッドと比較して変化は観察されなかった。しか
し、比較例1の塗工液4の溶剤蒸発した被膜を観察した
ところ濁りがみられ、この塗工液を用いて調製したヘッ
ドにおいて、当該被膜の濁りに起因した吐出口のパター
ニング画像のぼけが生じている可能性があると推測され
る。
【0084】同様に、比較例2のヘッドも、実施例1〜
3のヘッドと比較して別段変化は観察されなかった。し
かし、前記比較例2の塗工液5の溶剤蒸発した被膜を観
察したところタックがあり、そのため吐出口のパターニ
ング時に像がぼけてしまった可能性がある。又、どのヘ
ッドも初期と印字耐久後の印字品位に差が見られなかっ
た。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかるエ
ポキシ樹脂組成物である感光性樹脂組成物からなる被膜
は、接触角が高く、且つその持続性において良好であ
る。又、該被膜は、インクに長期に接触しても、ヘッド
表面におけるインクの付着がなく、結果として、ドット
の着弾制度がよく、印字品位を長く維持できるようにな
ることがわかる。そして、高解像性及びハイコントラス
トであるため、微細な吐出口であっても、優れた印字品
位の画像の提供を可能とできる。即ち、本発明によれ
ば、撥水性、撥インク性、耐インク性に優れ、基材に対
する密着性の高い硬化被膜を与えることができ、又、微
細加工に対応し得る被膜を与えることのできるエポキシ
樹脂組成物が提供される。又、本発明によれば、上記の
エポキシ樹脂組成物を使用することで、基材表面の所望
の場所に、高品位で、耐久性に優れた撥水処理を、高い
精度で選択的に施すことのできる基材の表面改質方法の
提供が可能となる。更に、本発明によれば、インク吐出
をより安定して行うことのできるインクジェット記録ヘ
ッド、及びそれを有するインクジェット記録装置が提供
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用するインクジェット記録ヘッドの
構成例の主要部断面図である。
【図2】図1のインクジェット記録ヘッドの主要部斜視
図である。
【図3】図2のインクジェット記録ヘッドを組み込んだ
インクジェット記録装置の一例を示す図である。
【図4】実施例におけるインクジェット記録ヘッドの作
製工程を示す図である。
【図5】実施例におけるインクジェット記録ヘッドの作
製工程を示す図である。
【図6】実施例におけるインクジェット記録ヘッドの作
製工程を示す図である。
【図7】実施例におけるインクジェット記録ヘッドの作
製工程を示す図である。
【図8】実施例におけるインクジェット記録ヘッドの作
製工程を示す図である。
【図9】実施例におけるインクジェット記録ヘッドの作
製工程を示す図である。
【図10】実施例におけるインクジェット記録ヘッドの
作製工程を示す図である。
【図11】実施例におけるインクジェット記録ヘッドの
作製工程を示す図である。
【符号の説明】
13:記録ヘッド 14:液流路を形成した部材 15:基板 16:保護層 17a、17b:電極 18:発熱抵抗体層 19:蓄熱層 20:基体 21:インク 22:吐出口 23:インクのメニスカス 24:小液滴 25:記録媒体 26:吐出口開口部 29:吐出面 51:給紙部 52:紙送りローラー 53:排紙ローラー 61:ブレード 62:キャップ 63:インク吸収体 64:吐出回復部 65:記録ヘッド 66:キャリッジ 67:ガイド軸 68:モーター 69:ベルト 71:基板 72:吐出エネルギー発生素子 73:インク供給口 74:感光性樹脂層(流路型材) 74a:流路パターン 75:マスク 76:被覆樹脂層(流路材) 77:マスク 79:インク吐出口 80:撥水層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 65/10 B41J 3/04 103B (72)発明者 野口 弘道 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C057 AF93 AP60 BA13 4J005 AA09 BA00 BB02 4J036 AB07 AB08 AC03 AD08 AF06 AG07 AK11 AK14 GA24 GA29 HA01 JA01 KA01 4J100 AL08P AL08Q BA72P BA81P BC43P BC54Q CA04 JA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記構造式(a)で表わされるモ
    ノマー単位と下記構造式(b)で表わされるモノマー単
    位とを少なくとも有し、分子中にアルキルシロキサン基
    及び環状脂肪族エポキシ基を2個以上有する含アルキル
    シロキサンエポキシ樹脂、(B)カチオン重合触媒、及
    び(C)分子量が300以上で、25℃における静粘度
    が1,000cps以上である多官能エポキシ化合物、
    を含有していることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 基材の少なくとも一部に選択的に表面処
    理を行う基材の表面改質方法であって、(i)基材に請
    求項1に記載のエポキシ樹脂組成物を含む塗工液を塗布
    及び乾燥して被膜を形成する工程、(ii)該被膜にマス
    クを介して活性エネルギー線をパターン状に照射する工
    程、及び(iii)上記エポキシ樹脂組成物を溶解し得る
    液体にて活性エネルギー線の非照射部分を溶解除去する
    工程、を有することを特徴とする基材の表面改質方法。
  3. 【請求項3】 更に工程(iv)として、ポストキュアを
    施す工程を前記工程(iii)の後に有する請求項2に記
    載の表面改質方法。
  4. 【請求項4】 基材の少なくとも一部に選択的に表面処
    理を行う基材の表面改質方法であって、(i)基材に請
    求項1に記載のエポキシ樹脂組成物を含む塗工液を塗布
    し、その後に乾燥して被膜を形成する工程、(ii)上記
    工程(i)で形成した被膜に対して、熱或いは活性エネ
    ルギー線を照射し、該被膜の硬化を行なう工程、及び
    (iii)上記工程(ii)で硬化した被膜の一部を選択的
    に除去する工程、を有することを特徴とする基材の表面
    改質方法。
  5. 【請求項5】 前記工程(iii)が、硬化した被膜の一
    部を、エキシマレーザーを用いて除去する工程を含む請
    求項4に記載の基材の表面改質方法。
  6. 【請求項6】 更に工程(iv)として、ポストキュアを
    施す工程を、前記工程(iii)の後に行う請求項4又は
    5に記載の基材の表面改質方法。
  7. 【請求項7】 インクを吐出する吐出口を有するインク
    ジェット記録ヘッドにおいて、少なくとも該吐出口の開
    口部周辺が、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物を用
    いて形成した硬化膜で被覆されていることを特徴とする
    インクジェット記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のインクジェット記録ヘ
    ッドを有することを特徴とするインクジェット記録装
    置。
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