JPH11335411A - 重合体及び重合体の製造方法 - Google Patents
重合体及び重合体の製造方法Info
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- JPH11335411A JPH11335411A JP8540899A JP8540899A JPH11335411A JP H11335411 A JPH11335411 A JP H11335411A JP 8540899 A JP8540899 A JP 8540899A JP 8540899 A JP8540899 A JP 8540899A JP H11335411 A JPH11335411 A JP H11335411A
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Abstract
重合体の末端をカップリングさせる方法および本法によ
り得ることのできる重合性オレフィン単量体の重合体同
士がカップリングされた重合体を提供する。 【解決手段】 ラジカル重合性オレフィン単量体のリビ
ングラジカル重合において、重合中あるいは重合終了後
に、重合性の低いアルケニル基を2つ以上有する化合物
を添加することにより重合体同士をカップリングさせる
方法。
Description
レフィン単量体の重合体及びその製造方法に関する。
せることにより、長鎖の重合体を製造することは知られ
ている。アニオン重合の場合には、求電子性の官能基を
2つ持つ化合物を添加することによりカップリングさせ
ることができる。カチオン重合の場合には、求核性の官
能基を2つ持つ化合物を添加することにより同様にカッ
プリングさせることができる。
そのもの単独で、又は、適当な硬化剤と組み合わせるこ
とによって架橋し、耐熱性、耐久性等の優れた硬化物を
与えることが知られている。なかでも、末端に水酸基又
は架橋性シリル基を有する重合体はそれらの代表例であ
る。末端に水酸基を有する重合体は、多官能性のイソシ
アネート化合物を硬化剤として用いることにより架橋硬
化する。また、架橋性シリル基を末端に有する重合体
は、適当な縮合触媒の存在下、湿分を吸収することによ
り硬化物を与える。
末端に有する重合体の主鎖骨格としては、ポリエチレン
オキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラメチレ
ンオキシド等のポリエーテル系重合体、ポリブタジエ
ン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリイソブチ
レン又はそれらの水素添加物等の炭化水素系重合体、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリカプロラクトン等のポリエステル系重合体等が
例示される。これらは、主鎖骨格と架橋形式に基づき、
様々な用途に用いられている。
達成されるカップリング反応に対して、ラジカル重合で
得られるビニル系重合体の末端同士をカップリングさせ
ることは、まだほとんど実用化されていない。イオン重
合の場合と異なり、ラジカル重合の場合はその成長末端
であるラジカル同士が直接カップリングすることが原理
的に可能であるが、ラジカル重合そのものの制御が非常
に困難であるために、そのカップリングを制御すること
は容易でない。
ル系重合体は、上述のポリエーテル系重合体、炭化水素
系重合体又はポリエステル系重合体では得られない特
性、例えば、高い耐候性、透明性等を有している。なか
でも、アルケニル基や架橋性シリル基を側鎖に有する
(メタ)アクリル系重合体は、高耐候性の塗料等に利用
されている。その一方で、アクリル系重合体の重合制御
は、その副反応のために容易でなく、成長末端のカップ
リングが非常に困難である。
による分子量の増大、ブロックコポリマーの合成、末端
官能基化ポリマーの合成等が挙げられる。カップリング
を行うと、成長末端が1つのポリマーの場合、分子量は
2倍になり、成長末端が2つのポリマーの場合には、原
理的には分子量は無限に増大する。モノマーの逐次添加
等により合成したジブロックコポリマーをカップリング
させると、ABA型のトリブロックコポリマーが合成さ
れる。官能基を持つ開始剤を用いて重合したポリマーの
場合、成長末端をカップリングさせると両末端に官能基
を持つポリマーが合成される。
合体は、側鎖に架橋性官能基を有するものと比較して物
性の優れた硬化物を得ることができる。従って、これま
で多くの研究者によって、その簡便な製造方法が検討さ
れてきたが、それらを工業的に製造することは容易では
ない。特開平5−255415公報には、連鎖移動剤と
してアルケニル基含有ジスルフィドを用いることを特徴
とする、両末端にアルケニル基を有する(メタ)アクリ
ル系重合体の合成方法が開示されている。また、特開平
5−262808公報には、水酸基を有するジスルフィ
ドを用いて、両末端に水酸基を有する(メタ)アクリル
系重合体を合成し、さらに水酸基の反応性を利用して両
末端にアルケニル基を有する(メタ)アクリル系重合体
を合成する方法が開示されている。しかしながら、これ
らの方法では重合体の分子量の制御は容易ではない。ま
た、末端に確実に官能基を導入するためには、連鎖移動
剤を大量に使用しなければならず、製造工程上問題があ
る。
鑑み、ラジカル重合性オレフィン単量体の重合体同士が
カップリングした重合体、及び、その製造方法を提供す
ることを目的とするものである。
カル重合性オレフィン単量体のリビングラジカル重合に
おいて、重合中又は重合終了後に、ラジカル重合性の低
いアルケニル基を2つ以上有する化合物を添加すること
により重合体同士をカップリングさせる方法である。
基を2つ以上有する化合物は、好ましくは、一般式
(1);
上の飽和炭化水素基、又は、一般式(2);
炭素数1〜20の二価以上の有機基を表す。R5は、水
素原子又はメチル基を表し、4つのR5のそれぞれは、
同じでも異なっていてもよい。)で表される基を表す。
R2及びR3は、同一若しくは異なって、水素原子又は
メチル基を表す。〕で表される化合物であり、更に好ま
しくは、一般式(1)において、R1が炭素数1〜20
のアルキレン基であり、特に好ましくは、一般式
(3);
で表される化合物である。
7−オクタジエン及び1,9−デカジエンが例示され
る。本発明のリビングラジカル重合としては、原子移動
ラジカル重合が好ましい。
ましくは、周期律表第7族、8族、9族、10族又は1
1族の元素を中心金属とする金属錯体であり、更に好ま
しくは、銅、ニッケル、ルテニウム及び鉄からなる群よ
り選択される金属の錯体であり、特に好ましくは、銅錯
体である。
としては、好ましくは、α,β−不飽和カルボン酸系単
量体であり、更に好ましくは、(メタ)アクリル酸系単
量体であり、より好ましくは、アクリル酸系単量体であ
り、特に好ましくは、アクリル酸エステル系単量体であ
り、特別に好ましくは、アクリル酸ブチルである。
官能基を有する有機ハロゲン化物、又は、官能基を有す
るハロゲン化スルホニル化合物であることが好ましく、
官能基が、水酸基または加水分解性シリル基であること
が好ましい。
できる重合体でもある。本発明により得ることのできる
重合体としては、限定はされないが、好ましくは、一般
式(4);
上の飽和炭化水素基、又は、一般式(5);
炭素数1〜20の二価以上の有機基を表す。R5は、水
素原子又はメチル基を表し、4つのR5のそれぞれは、
同じでも異なっていてもよい。)で表される基を表す。
R2及びR3は、同一若しくは異なって、水素原子又は
メチル基を表す。Xは、ハロゲン、ニトロキシド基、ス
ルフィド基又はコバルトポルフィリン錯体を表す。〕で
表される基を分子中に有する重合体である。
ィン単量体のリビングラジカル重合において、重合中又
は重合終了後に、ラジカル重合性の低いアルケニル基を
2つ以上有する化合物を添加することにより重合体同士
をカップリングさせる方法である。
は、カルボキシル基やフェニル基等により活性化されて
いないアルケニル基のことで、末端オレフィンでも内部
オレフィンでも環状オレフィンでも構わないが、末端オ
レフィンが好ましい。
基を2つ以上有する化合物は、限定はされないが、好ま
しくは、一般式(1);
上の飽和炭化水素基、又は、一般式(2);
炭素数1〜20の二価以上の有機基を表す。R5は、一
価の基で、好ましくは水素原子又はメチル基を表し、4
つのR 5のそれぞれは、同じでも異なっていてもよ
い。)で表される基を表す。R2及びR3は、同一若し
くは異なって、水素原子又はメチル基を表す。〕で表さ
れる化合物である。
和炭化水素基としては特に制限されず、例えば、メチレ
ン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチ
レン基等のアルキレン基;メチン基、エタントリイル
基、プロパントリイル基等の三価の飽和炭化水素基等が
挙げられる。上記炭素数1〜20の二価以上の飽和炭化
水素基としては、直鎖状のものに限らず、分岐状又は環
状のものも使用することができる。
る場合、上記一般式(1)で表される化合物は、−C
(R2)=CH2で表されるアルケニル基がR1から更
に分岐する構造を有するものである。上記分岐したアル
ケニル基において、R2は、式(1)のR2及びR3と
同一でも異なっていてもよい。
原子、窒素原子又は炭素数1〜20の二価以上の有機基
を表す。この炭素数1〜20の二価以上の有機基として
は特に限定されず、例えば、−CH2−O−CH2−、
−CH2−NH−CH2−、−CH2C(O)O−、フ
ェニレン基等の二価の有機基;フェニリジン基等の三価
の有機基等が挙げられる。上記炭素数1〜20の二価以
上の有機基としては、酸素原子及び/又は窒素原子を含
むものであってもよく、また、アリール及び/又はヘテ
ロアリールを含むものであってもよい。
を有する場合、上記一般式(1)で表される化合物は、
−C(R2)=CH2で表されるアルケニル基がR4の
窒素原子から更に分岐する構造を有するものとすること
もできる。上記R4が三価以上の有機基である場合は、
上記一般式(1)で表される化合物は、−C(R2)=
CH2で表されるアルケニル基がR4から更に分岐する
構造を有するものである。上記分岐したアルケニル基に
おいて、R2は、式(1)のR2及びR3と同一でも異
なっていてもよい。
子又はメチル基を表し、4つのR5のそれぞれは、同じ
でも異なっていてもよい。上記一般式(2)で表される
基として、好ましくは、以下に示す基が挙げられる。
以上有する化合物として、更に好ましくは、一般式
(1)において、R1が炭素数1〜20のアルキレン基
であり、特に好ましくは、一般式(3);
で表される化合物である。
基を2つ以上有する化合物としては、限定はされない
が、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、
1,9−デカジエン、1,7−オクタジエン−3−オー
ル及びその誘導体が例示される。
ル重合について説明する。「リビングラジカル重合法」
は、重合速度が高く、ラジカル同士のカップリングなど
による停止反応が起こりやすいため制御の難しいとされ
るラジカル重合でありながら、停止反応が起こりにく
く、分子量分布の狭い(Mw/Mnが1.1〜1.5程
度)重合体が得られるとともに、モノマーと開始剤の仕
込み比によって分子量は自由にコントロールすることが
できる。
子量分布が狭く、粘度が低い重合体を得ることができる
上に、特定の官能基を有するモノマーを重合体のほぼ任
意の位置に導入することができるため、特定の官能基を
有するビニル系重合体の製造方法としてはより好ましい
ものである。
末端が常に活性を持ち続けて分子鎖が生長していく重合
のことをいうが、一般には、末端が不活性化されたもの
と活性化されたものが平衡状態にありながら生長してい
く擬リビング重合も含まれる。本発明における定義も後
者である。
グループで積極的に研究がなされている。その例として
は、たとえばジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル
ソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)、19
94年、116巻、7943頁に示されるようなコバル
トポルフィリン錯体を用いるもの、マクロモレキュール
ズ(Macromolecules)、1994年、2
7巻、7228頁に示されるようなニトロキシド化合物
などのラジカル捕捉剤を用いるもの、有機ハロゲン化物
等を開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする「原子移動ラ
ジカル重合」(Atom Transfer Radic
al Polymerization:ATRP)など
があげられる。
機ハロゲン化物あるいはハロゲン化スルホニル化合物等
を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマー
を重合する「原子移動ラジカル重合法」は、上記の「リ
ビングラジカル重合法」の特徴に加えて、官能基変換反
応に比較的有利なハロゲン等を末端に有し、開始剤や触
媒の設計の自由度が大きいことから、特定の官能基を有
するビニル系重合体の製造方法としてはさらに好まし
い。この原子移動ラジカル重合法としては例えばMat
yjaszewskiら、ジャーナル・オブ・アメリカ
ン・ケミカルソサエティー(J.Am.Chem.So
c.)1995年、117巻、5614頁、マクロモレ
キュールズ(Macromolecules)1995
年、28巻、7901頁,サイエンス(Scienc
e)1996年、272巻、866頁、WO96/30
421号公報,WO97/18247号公報あるいはS
awamotoら、マクロモレキュールズ(Macro
molecules)1995年、28巻、1721頁
などが挙げられる。
使用するかは特に制約はないが、制御の容易さなどから
原子移動ラジカル重合法が好ましい。
まず、ニトロキシド化合物などのラジカル捕捉剤を用い
る方法について説明する。この重合では一般に安定なニ
トロキシフリーラジカル(=N−O・)をラジカルキャ
ッピング剤として用いる。このような化合物類として
は、限定はされないが、2,2,6,6−置換−1−ピ
ペリジニルオキシラジカルや2,2,5,5−置換−1
−ピロリジニルオキシラジカル等、環状ヒドロキシアミ
ンからのニトロキシフリーラジカルが好ましい。置換基
としてはメチル基やエチル基等の炭素数4以下のアルキ
ル基が適当である。具体的なニトロキシフリーラジカル
化合物としては、限定はされないが、2,2,6,6−
テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル(TE
MPO)、2,2,6,6−テトラエチル−1−ピペリ
ジニルオキシラジカル、2,2,6,6−テトラメチル
−4−オキソ−1−ピペリジニルオキシラジカル、2,
2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシラ
ジカル、1,1,3,3−テトラメチル−2−イソイン
ドリニルオキシラジカル、N,N−ジ−t−ブチルアミ
ンオキシラジカル等が挙げられる。ニトロキシフリーラ
ジカルの代わりに、ガルビノキシル(galvinox
yl)フリーラジカル等の安定なフリーラジカルを用い
ても構わない。
生剤と併用される。ラジカルキャッピング剤とラジカル
発生剤との反応生成物が重合開始剤となって付加重合性
モノマーの重合が進行すると考えられる。両者の併用割
合は特に限定されるものではないが、ラジカルキャッピ
ング剤1モルに対し、ラジカル開始剤0.1〜10モル
が適当である。
使用することができるが、重合温度条件下で、ラジカル
を発生しうるパーオキシドが好ましい。このパーオキシ
ドとしては、限定はされないが、ベンゾイルパーオキシ
ド、ラウロイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド
類、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシ
ド等のジアルキルパーオキシド類、ジイソプロピルパー
オキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘ
キシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシカー
ボネート類、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−
ブチルパーオキシベンゾエート等のアルキルパーエステ
ル類等がある。特にベンゾイルパーオキシドが好まし
い。さらに、パーオキシドの代わりにアゾビスイソブチ
ロニトリルのようなラジカル発生性アゾ化合物等のラジ
カル発生剤も使用しうる。
5,28,2993で報告されているように、ラジカル
キャッピング剤とラジカル発生剤を併用する代わりに、
下図のようなアルコキシアミン化合物を開始剤として用
いても構わない。
いる場合、それが上図で示されているような水酸基等の
官能基を有するものを用いると末端に官能基を有する重
合体が得られる。これを本発明の方法に利用すると、末
端に官能基を有する星型重合体が得られる。
捕捉剤を用いる重合で用いられるモノマー、溶媒、重合
温度等の重合条件は、限定されないが、次に説明する原
子移動ラジカル重合について用いるものと同様で構わな
い。
てより好ましい原子移動ラジカル重合法について説明す
る。
ゲン化物、特に、反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有
する有機ハロゲン化物(例えば、α位にハロゲンを有す
るエステル化合物や、ベンジル位にハロゲンを有する化
合物)、あるいはハロゲン化スルホニル化合物が開始剤
として用いられる。触媒としては、周期律表第7族、8
族、9族、10族、または11族元素を中心金属とする
金属錯体が用いられる。金属種としては特に0価及び1
価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄が好適である。具
体的に例示するならば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ
化第一銅、シアン化第一銅、酸化第一銅、酢酸第一銅、
過塩素酸第一銅等である。銅化合物を用いる場合、触媒
活性を高めるために2,2’−ビピリジル、およびその
誘導体、1,10−フェナントロリン、およびその誘導
体、トリブチルアミン等のアルキルアミン、テトラメチ
ルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミ
ン、ヘキサメチルトリエチレンテトラアミン等のポリア
ミン、等の配位子が添加される。また、二価の塩化ルテ
ニウムのトリストリフェニルホスフィン錯体(RuCl
2(PPh3)3)も触媒として好適である。この触媒
を使用するときは、その活性を高めるためにトリアルコ
キシアルミニウム等のアルミニウム化合物が添加され
る。さらに、二価の塩化鉄のトリストリフェニルホスフ
ィン錯体(FeCl2(PPh3)3)も触媒として好
適である。
またはハロゲン化スルホニル化合物が開始剤として用い
られる。具体的に例示するならば、 C6H5−CH2X、 C6H5−C(H)(X)CH3、 C6H5−C(X)(CH3)2、 (ただし、上の化学式中、C6H5はフェニル基、Xは
塩素、臭素、またはヨウ素) R6−C(H)(X)−CO2R7、 R6−C(CH3)(X)−CO2R7、 R6−C(H)(X)−C(O)R7、 R6−C(CH3)(X)−C(O)R7、 (式中、R6、R7は水素原子または炭素数1〜20の
アルキル基、アリール基、またはアラルキル基、Xは塩
素、臭素、またはヨウ素) R6−C6H4−SO2X、 (上式において、R6は水素原子または炭素数1〜20
のアルキル基、アリール基、またはアラルキル基、Xは
塩素、臭素、またはヨウ素) 等が挙げられる。
ハロゲン化スルホニル化合物を開始剤として用いると、
末端に官能基が導入された重合体が容易に得られるので
好ましい。このような官能基としては、アルケニル基、
水酸基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、又は、シリ
ル基等が挙げられる。なかでも、水酸基を持つ開始剤が
好ましい。ただし、アルケニル基を有する開始剤の場合
には、本発明におけるカップリング反応と同様の反応
が、成長末端と開始剤のアルケニル基の間で発生してし
まう可能性がある。この場合、カップリング剤添加時の
成長末端の数は開始剤の数よりも減少しているため、カ
ップリング剤の添加量はそれを考慮しなければならな
い。アルケニル基を持つ開始剤を利用する場合の主要な
目的は、末端にアルケニル基を有する重合体を合成する
ことであるが、この目的の達成のためには、本発明のカ
ップリング剤と同様の化合物を成長末端に対して過剰量
添加する方法がより適当である。
しては特に制限はないが、例えば、一般式(6)に示す
構造を有するものが例示される。 R11R12C(X)−R13−R14−C(R8)=CH2 (6) (式中、R8は水素、またはメチル基、R11、R12
は水素、または、炭素数1〜20の1価のアルキル基、
アリール基、またはアラルキル、または他端において相
互に連結したもの、R13は、−C(O)O−(エステ
ル基)、−C(O)−(ケト基)、またはo−,m−,
p−フェニレン基、R14は直接結合、または炭素数1
〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含ん
でいても良い、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
る炭素がカルボニル基あるいはフェニル基等と結合して
おり、炭素−ハロゲン結合が活性化されて重合が開始す
る。
水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基、n−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙
げられる。R11とR12は他端において連結して環状
骨格を形成していてもよく、そのような場合、−R11
−R12−は例えば、−CH2CH2−、−CH2CH
2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH2
CH2CH2CH2CH2−、等が例示される。
有する有機ハロゲン化物の具体例としては、 XCH2C(O)O(CH2)nCH=CH2, H3CC(H)(X)C(O)O(CH2)nCH=C
H2、 (H3C)2C(X)C(O)O(CH2)nCH=C
H2、 CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2)nC
H=CH2、
またはヨウ素、nは0〜20の整数) XCH2C(O)O(CH2)nO(CH2)mCH=
CH2, H3CC(H)(X)C(O)O(CH2)nO(CH
2)mCH=CH2、 (H3C)2C(X)C(O)O(CH2)nO(CH
2)mCH=CH2、 CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2)nO
(CH2)mCH=CH 2、
またはヨウ素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整
数) o,m,p−XCH2−C6H4−(CH2)n−CH
=CH2、 o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH
2)n−CH=CH2, o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−
(CH2)n−CH=CH2, (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、nは0〜20の整数)o,m,p−XCH2−C6
H4−(CH2)n−O−(CH2)m−CH=C
H2、 o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH
2)n−O−(CH2) m−CH=CH2, o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−
(CH2)n−O−(CH2)mCH=CH2, (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数) o,m,p−XCH2−C6H4−O−(CH2)n−
CH=CH2、 o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−O−
(CH2)n−CH=CH 2, o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−
O−(CH2)n−CH=CH2, (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、nは0〜20の整数) o,m,p−XCH2−C6H4−O−(CH2)n−
O−(CH2)m−CH=CH2、 o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−O−
(CH2)n−O−(CH 2)m−CH=CH2, o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−
O−(CH2)n−O−(CH2)m−CH=CH2, (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)
してはさらに一般式(7)で示される化合物が挙げられ
る。 H2C=C(R8)−R14−C(R11)(X)−R15−R12 (7) (式中、R8、R11、R12、R14、Xは上記に同
じ、R15は、直接結合、−C(O)O−(エステル
基)、−C(O)−(ケト基)、または、o−,m−,
p−フェニレン基を表す)
の2価の有機基(1個以上のエーテル結合を含んでいて
も良い)であるが、直接結合である場合は、ハロゲンの
結合している炭素にビニル基が結合しており、ハロゲン
化アリル化物である。この場合は、隣接ビニル基によっ
て炭素−ハロゲン結合が活性化されているので、R1 5
としてC(O)O基やフェニレン基等を有する必要は必
ずしもなく、直接結合であってもよい。R14が直接結
合でない場合は、炭素−ハロゲン結合を活性化するため
に、R15としてはC(O)O基、C(O)基、フェニ
レン基が好ましい。
ならば、 CH2=CHCH2X、CH2=C(CH3)CH
2X、 CH2=CHC(H)(X)CH3、CH2=C(CH
3)C(H)(X)CH 3、 CH2=CHC(X)(CH3)2、CH2=CHC
(H)(X)C2H5、 CH2=CHC(H)(X)CH(CH3)2、 CH2=CHC(H)(X)C6H5、CH2=CHC
(H)(X)CH2C6H5、 CH2=CHCH2C(H)(X)−CO2R、 CH2=CH(CH2)2C(H)(X)−CO2R、 CH2=CH(CH2)3C(H)(X)−CO2R、 CH2=CH(CH2)8C(H)(X)−CO2R、 CH2=CHCH2C(H)(X)−C6H5、 CH2=CH(CH2)2C(H)(X)−C6H5、 CH2=CH(CH2)3C(H)(X)−C6H5、 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基) 等を挙げることができる。
ル化合物の具体例を挙げるならば、 o−,m−,p−CH2=CH−(CH2)n−C6H
4−SO2X、 o−,m−,p−CH2=CH−(CH2)n−O−C
6H4−SO2X、 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、nは0〜20の整数)等である。
始剤のオレフィンも重合末端と反応する可能性があるた
め、重合条件および添加するオレフィン化合物との反応
条件には注意が必要である。具体的な例としては、重合
の早い段階でオレフィン化合物を添加することがあげら
れる。
としては特に制限はないが、例えば一般式(8)に示す
構造を有するものが例示される。 R11R12C(X)−R13−R14−C(H)(R8)CH2−[Si(R 16 )2−b(Y)bO]m−Si(R17)3−a(Y)a (8) (式中、R8、R11、R12、R13、R14、R
16、R17、a、b、m、X、Yは上記に同じ)
ならば、 XCH2C(O)O(CH2)nSi(OCH3)3、 CH3C(H)(X)C(O)O(CH2)nSi(O
CH3)3、 (CH3)2C(X)C(O)O(CH2)nSi(O
CH3)3、 XCH2C(O)O(CH2)nSi(CH3)(OC
H3)2、 CH3C(H)(X)C(O)O(CH2)nSi(C
H3)(OCH3)2、 (CH3)2C(X)C(O)O(CH2)nSi(C
H3)(OCH3)2、 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、ヨウ素、nは
0〜20の整数、)
2)mSi(OCH3)3、 H3CC(H)(X)C(O)O(CH2)nO(CH
2)mSi(OCH3) 3、 (H3C)2C(X)C(O)O(CH2)nO(CH
2)mSi(OCH3) 3、 CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2)nO
(CH2)mSi(OCH3)3、 XCH2C(O)O(CH2)nO(CH2)mSi
(CH3)(OCH3)2、 H3CC(H)(X)C(O)O(CH2)nO(CH
2)m−Si(CH3)(OCH3)2、 (H3C)2C(X)C(O)O(CH2)nO(CH
2)m−Si(CH3)(OCH3)2、 CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2)nO
(CH2)m−Si(CH3)(OCH3)2、 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、ヨウ素、nは
1〜20の整数、mは0〜20の整数)
2)2Si(OCH3)3、 o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH
2)2Si(OCH3) 3、 o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−
(CH2)2Si(OCH3)3、 o,m,p−XCH2−C6H4−(CH2)3Si
(OCH3)3、 o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH
2)3Si(OCH3) 3、 o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−
(CH2)3Si(OCH3)3、 o,m,p−XCH2−C6H4−(CH2)2−O−
(CH2)3Si(OCH3)3、 o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH
2)2−O−(CH2) 3Si(OCH3)3、 o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−
(CH2)2−O−(CH2)3Si(OCH3)3、 o,m,p−XCH2−C6H4−O−(CH2)3S
i(OCH3)3、 o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−O−
(CH2)3Si(OCH 3)3、 o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−
O−(CH2)3−Si(OCH3)3、 o,m,p−XCH2−C6H4−O−(CH2)2−
O−(CH2)3−Si(OCH3)3、 o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−O−
(CH2)2−O−(CH 2)3Si(OCH3)3、 o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−
O−(CH2)2−O−(CH2)3Si(OCH3)
3、 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素)等が挙げられる。
としてはさらに、一般式(9)で示される構造を有する
ものが例示される。 (R17)3−a(Y)aSi−[OSi(R16)2−b(Y)b]m−CH 2 −C(H)(R8)−R14−C(R11)(X)−R15−R12 (9) (式中、R8、R11、R12、R14、R15、R
16、R17、a、b、m、X、Yは上記に同じ)
ば、 (CH3O)3SiCH2CH2C(H)(X)C6H
5、 (CH3O)2(CH3)SiCH2CH2C(H)
(X)C6H5、 (CH3O)3Si(CH2)2C(H)(X)−CO
2R、 (CH3O)2(CH3)Si(CH2)2C(H)
(X)−CO2R、 (CH3O)3Si(CH2)3C(H)(X)−CO
2R、 (CH3O)2(CH3)Si(CH2)3C(H)
(X)−CO2R、 (CH3O)3Si(CH2)4C(H)(X)−CO
2R、 (CH3O)2(CH3)Si(CH2)4C(H)
(X)−CO2R、 (CH3O)3Si(CH2)9C(H)(X)−CO
2R、 (CH3O)2(CH3)Si(CH2)9C(H)
(X)−CO2R、 (CH3O)3Si(CH2)3C(H)(X)−C6
H5、 (CH3O)2(CH3)Si(CH2)3C(H)
(X)−C6H5、 (CH3O)3Si(CH2)4C(H)(X)−C6
H5、 (CH3O)2(CH3)Si(CH2)4C(H)
(X)−C6H5、 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基)等が挙げられる。
またはハロゲン化スルホニル化合物としては特に制限は
ないが、下記のようなものが例示される。 HO−(CH2)n−OC(O)C(H)(R)(X) (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、
アリール基、アラルキル基、nは1〜20の整数)
ハロゲン化スルホニル化合物としては特に制限はない
が、下記のようなものが例示される。 H2N−(CH2)n−OC(O)C(H)(R)
(X) (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、
アリール基、アラルキル基、nは1〜20の整数)
はハロゲン化スルホニル化合物としては特に制限はない
が、下記のようなものが例示される。
またはヨウ素、Rは水素原子または炭素数1〜20のア
ルキル基、アリール基、アラルキル基、nは1〜20の
整数)
2つ以上有する重合体を得るためには、2つ以上の開始
点を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニ
ル化合物が開始剤として用いられる。具体的に例示する
ならば、
ィン単量体としては特に制約はなく、各種のものを用い
ることができる。また、ここに示されている重合系はリ
ビング重合であるため、重合性単量体の逐次添加により
ブロック共重合体を製造することも可能である。例示す
るならば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、
(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸
イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、
(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル
酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アク
リル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アク
リル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)
アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、
(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2
−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシ
ブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メ
タ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシ
ジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メ
タクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、
(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メ
タ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)ア
クリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アク
リル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリ
ル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチル
エチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、
(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アク
リル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル
酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメ
チル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエ
チル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチ
ル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシル
エチル等の(メタ)アクリル酸系モノマー;スチレン、
ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレ
ン、スチレンスルホン酸及び塩等のスチレン系モノマ
ー;パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、
フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニルモノマー;ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等の
ケイ素含有ビニル系モノマー;無水マレイン酸、マレイ
ン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキ
ルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステ
ル及びジアルキルエステル;マレイミド、メチルマレイ
ミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチル
マレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミ
ド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェ
ニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイ
ミド系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;アクリルアミ
ド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマ
ー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニ
ル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニルなどのビニルエステ
ル類;エチレン、プロピレンなどのアルケン類;ブタジ
エン、イソプレンなどの共役ジエン類;塩化ビニル、塩
化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコールなどが挙
げられ、これらは単独で用いても良いし、複数を共重合
させても構わない。これらの内では、官能基導入反応の
反応性の高さやガラス転移点の低さなどから、好ましく
は、α,β−不飽和カルボン酸系単量体であり、更に好
ましくは、(メタ)アクリル酸系単量体であり、より好
ましくは、アクリル酸系単量体であり、特に好ましく
は、アクリル酸エステル系単量体であり、特別に好まし
くは、アクリル酸ブチルである。
にアクリル酸系単量体を重合する場合が好ましいので、
他の単量体の重合中にもアクリル酸系単量体を共重合し
たり、より好ましくは、カップリング反応を起こす際に
アクリル酸系単量体を添加したりしても構わない。
とができる。これらは特に限定されないが、例示するな
らば、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒;ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;
塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系
溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン等のケトン系溶媒;メタノール、エタノール、
プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール等のアルコール系溶
媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリ
ル等のニトリル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエ
ステル系溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカー
ボネート等のカーボネート系溶媒等が挙げられ、単独又
は2種以上を混合して用いることができる。
0℃の範囲で行うことができ、好ましくは50〜150
℃である。
ジカル重合の最中又は終了時において、添加するラジカ
ル重合性の低いアルケニル基を2つ以上有する化合物を
添加する。これにより、その2つのアルケニル基のうち
の片方が1つの重合成長末端と反応して、重合末端に未
反応のアルケニル基が導入される。この未反応のアルケ
ニル基が他の重合成長末端と更に反応することにより、
重合体末端同士のカップリングが達成される。重合の終
了時とは、単量体の好ましくは80%以上が反応した時
点、より好ましくは90%以上が反応した時点である。
の低いアルケニル基を2つ以上有する化合物の添加量
は、限定はされないが、重合成長末端量に対するラジカ
ル重合性の低いアルケニル基量が等量以下になるような
量である。この添加量が等量以上である場合、添加する
ラジカル重合性の低いアルケニル基を2つ以上有する化
合物のアルケニル基のうち、一部しか重合成長末端と反
応せず、重合体末端同士のカップリング反応が充分に進
行しないことがある。末端にアルケニル基を有する重合
体を得ることを目的とする場合には、等量以上の添加は
適当であるが、そうでない場合には、等量以上の添加は
避ける方が好ましい。上記添加量が少量の場合には、カ
ップリングできない成長末端が出てくることになるが、
一部だけをカップリングさせる目的なら問題はない。よ
って、添加するラジカル重合性の低いアルケニル基を2
つ以上有する化合物の添加量は、重合成長末端量に対す
るアルケニル基量で、0.5〜1.0倍が好ましく、
0.8〜1.0倍がより好ましく、0.9〜1.0倍が
更に好ましい。
できる重合体でもある。本発明の方法により得ることの
できる重合体としては、限定はされないが、一般式
(4);
上の飽和炭化水素基、又は、一般式(5);
炭素数1〜20の二価以上の有機基を表す。R5は、一
価の基、好ましくは、水素原子又はメチル基を表し、4
つのR 5のそれぞれは、同じでも異なっていてもよ
い。)で表される基を表す。R2及びR3は、同一若し
くは異なって、水素原子又はメチル基を表す。Xは、ハ
ロゲン、ニトロキシド基、スルフィド基又はコバルトポ
ルフィリン錯体を表す。〕で表される基を分子中に有す
ることを特徴とする重合体が挙げられる。上記一般式
(4)及び(5)におけるR1、R2、R3、R4及び
R5は、上記一般式(1)において上述したものと同等
のものである。
和炭化水素基としては特に制限されず、例えば、メチレ
ン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチ
レン基等のアルキレン基;メチン基、エタントリイル
基、プロパントリイル基等の三価の飽和炭化水素基等が
挙げられる。好ましくは、以下に示すアルキレン基であ
る:
す。)。なかでも、原料入手の容易さから、nは、2、
4又は6のものがより好ましい。
原子、窒素原子又は炭素数1〜20の二価以上の有機基
を表す。上記炭素数1〜20の二価以上の有機基として
は特に限定されず、例えば、−CH2−O−CH2−、
−CH2−NH−CH2−、−CH2C(O)O−、フ
ェニレン基等の二価の有機基;フェニリジン基等の三価
の有機基等が挙げられる。R5は、一価の基、好ましく
は、水素原子又はメチル基を表し、4つのR5のそれぞ
れは、同じでも異なっていてもよい。上記一般式(5)
で表される基として、好ましくは、以下に示す基が挙げ
られる。
は、同一若しくは異なって、水素原子又はメチル基を表
すが、水素原子が好ましい。Xは、ハロゲン、ニトロキ
シド基、スルフィド基又はコバルトポルフィリン錯体を
表すが、製造の容易さからハロゲンであることが好まし
い。
ある場合、これと同数の重合体鎖が、式(4)で表され
る基から分枝する。この分枝する重合体鎖の数は特に制
限はないが、3以上の場合には、ポリマー成長末端が2
以上であるとき、網目構造を形成して、ゲル化する可能
性がある。
の重合体1分子中に含まれる数は、特に限定されない。
スティック成形材料、プラスティック耐衝撃改良剤、潤
滑油物性改良剤、熱可塑性エラストマー等に利用でき
る。また、末端に官能基を有する重合体の場合、その官
能基をそのまま利用したり、縮合性のシリル基等の他の
官能基に変換したりして架橋反応を起こすことにより、
硬化物にすることができる。この具体的な用途を挙げる
ならば、シーリング材、接着剤、粘着材、弾性接着剤、
塗料、粉体塗料、発泡体、電気電子用ポッティング材、
フィルム、ガスケット、各種成形材料、人工大理石等で
ある。
るが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものでは
ない。
0.0mL、8.94g、69.75mmol)、臭化
第一銅(250mg、1.74mmol)、ペンタメチ
ルジエチレントリアミン(0.364mL、302m
g、1.74mmol)、及び、トルエン(1mL)を
仕込み、冷却後減圧脱気したのち窒素ガスで置換した。
よく撹拌した後、2−ブロモプロピオン酸2−ヒドロキ
シエチル(344mg、1.74mmol)を添加し、
70℃で加熱撹拌した。75分後に1,9−デカジエン
(0.14mL、109mg、0.78mmol)を添
加し、70℃で加熱撹拌を7時間継続した。混合物を活
性アルミナで処理した。生成した重合体のGPC測定
(ポリスチレン換算)結果は、1,9−デカジエンの添
加直前で、数平均分子量Mn5600、分子量分布Mw
/Mnは1.24で、最終生成物は、数平均分子量Mn
7700、分子量分布Mw/Mnは1.37であった。
チル(50.0mL、44.7g、348.9mmo
l)を、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル(1.5
70g、4.36mmol)を開始剤として、臭化第一
銅及びペンタメチルジエチレントリアミンを触媒とし
て、70℃で加熱撹拌し重合を行った。100分後に
1,7−オクタジエン(0.64mL、480mg、
4.36mmol)を添加し、70℃で加熱撹拌を30
0分間継続した。混合物を活性アルミナで処理した。生
成した重合体のGPC測定(ポリスチレン換算)結果
は、1,7−オクタジエンの添加直前で、数平均分子量
Mn=10400、重量平均分子量Mw=13100で
あったのが、最終的に、数平均分子量Mn=1360
0、重量平均分子量Mw=19100となりカップリン
グ反応が起こったことが確認できた。
たアルケニル基を分子内に2つ以上有する化合物を、重
合成長末端量に対するアルケニル基量が等量以下になる
ようにリビングラジカル重合系に添加することにより、
様々なラジカル重合性オレフィン単量体から、カップリ
ングした重合体を容易に製造することができる。本発明
の方法により得ることのできるラジカル重合性オレフィ
ン単量体の重合体は、重合体同士が好ましくは炭素−炭
素結合でカップリングしているため安定であり、末端基
も開始剤により容易に制御されているため、硬化性組成
物等への利用に有用である。
Claims (17)
- 【請求項1】 ラジカル重合性オレフィン単量体のリ
ビングラジカル重合において、重合中又は重合終了後
に、ラジカル重合性の低いアルケニル基を2つ以上有す
る化合物を添加することにより重合体同士をカップリン
グさせる方法。 - 【請求項2】 添加するラジカル重合性の低いアルケ
ニル基を2つ以上有する化合物が、一般式(1); 【化1】 〔式中、R1は、炭素数1〜20の二価以上の飽和炭化
水素基、又は、一般式(2); 【化2】 (式中、R4は、酸素原子、窒素原子又は炭素数1〜2
0の二価以上の有機基を表す。R5は、一価の基で、好
ましくは水素原子又はメチル基を表し、4つのR 5のそ
れぞれは、同じでも異なっていてもよい。)で表される
基を表す。R2及びR3は、同一若しくは異なって、水
素原子又はメチル基を表す。〕で表される化合物である
ことを特徴とする請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 一般式(1)において、R1が炭素数
1〜20のアルキレン基を表すことを特徴とする請求項
2記載の方法。 - 【請求項4】 添加するラジカル重合性の低いアルケ
ニル基を2つ以上有する化合物が、一般式(3); 【化3】 (式中、nは、1〜20の整数を表す。)で表される化
合物であることを特徴とする請求項2又は3記載の方
法。 - 【請求項5】 添加するラジカル重合性の低いアルケ
ニル基を2つ以上有する化合物が、1,5−ヘキサジエ
ン、1,7−オクタジエン及び1,9−デカジエンから
なる群より選択される化合物であることを特徴とする請
求項4記載の方法。 - 【請求項6】 リビングラジカル重合が原子移動ラジ
カル重合であることを特徴とする請求項1から5のいず
れかに記載の方法。 - 【請求項7】 原子移動ラジカル重合の触媒が、周期
律表第7族、8族、9族、10族又は11族の元素を中
心金属とする金属錯体であることを特徴とする請求項6
記載の方法。 - 【請求項8】 原子移動ラジカル重合の触媒が、銅、
ニッケル、ルテニウム及び鉄からなる群より選択される
金属の錯体であることを特徴とする請求項7記載の方
法。 - 【請求項9】 原子移動ラジカル重合の開始剤が、官
能基を有する有機ハロゲン化物、又は、官能基を有する
ハロゲン化スルホニル化合物であることを特徴とする請
求項6から8のいずれかに記載の方法。 - 【請求項10】 官能基が、水酸基または加水分解性
シリル基であることを特徴とする請求項9記載の方法。 - 【請求項11】 ラジカル重合性オレフィン単量体
が、α,β−不飽和カルボン酸系単量体であることを特
徴とする請求項1から10のいずれかに記載の方法。 - 【請求項12】 ラジカル重合性オレフィン単量体
が、(メタ)アクリル酸系単量体であることを特徴とす
る請求項11記載の方法。 - 【請求項13】 ラジカル重合性オレフィン単量体
が、アクリル酸系単量体であることを特徴とする請求項
12記載の方法。 - 【請求項14】 ラジカル重合性オレフィン単量体
が、アクリル酸エステル系単量体であることを特徴とす
る請求項13記載の方法。 - 【請求項15】 ラジカル重合性オレフィン単量体
が、アクリル酸ブチルであることを特徴とする請求項1
4記載の方法。 - 【請求項16】 請求項1から15のいずれかに記載
の方法により得られたものである重合体。 - 【請求項17】 一般式(4); 【化4】 〔式中、R1は、炭素数1〜20の二価以上の飽和炭化
水素基、又は、一般式(5); 【化5】 (式中、R4は、酸素原子、窒素原子又は炭素数1〜2
0の二価以上の有機基を表す。R5は、一価の基で、好
ましくは水素原子又はメチル基を表し、4つのR 5のそ
れぞれは、同じでも異なっていてもよい。)で表される
基を表す。R2及びR3は、同一若しくは異なって、水
素原子又はメチル基を表す。Xは、ハロゲン、ニトロキ
シド基、スルフィド基又はコバルトポルフィリン錯体を
表す。〕で表される基を分子中に有することを特徴とす
る、請求項16記載の重合体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP08540899A JP3946900B2 (ja) | 1998-03-27 | 1999-03-29 | 重合体及び重合体の製造方法 |
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JP10035998 | 1998-03-27 | ||
JP08540899A JP3946900B2 (ja) | 1998-03-27 | 1999-03-29 | 重合体及び重合体の製造方法 |
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