JPH11335203A - 水中防汚剤組成物 - Google Patents

水中防汚剤組成物

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JPH11335203A
JPH11335203A JP10135732A JP13573298A JPH11335203A JP H11335203 A JPH11335203 A JP H11335203A JP 10135732 A JP10135732 A JP 10135732A JP 13573298 A JP13573298 A JP 13573298A JP H11335203 A JPH11335203 A JP H11335203A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】種々の水棲生物に対し、優れた防汚剤効果を有
する水中防汚剤組成物、特に漁網防汚剤組成物を提供す
る。 【解決手段】親水性親油性バランス(HLB)が2〜1
6、数平均分子量が1,000〜5,000の、式
(I) 【化1】 〔式中、Rはメチル基を表し、R1 はプロピル基または
イソプロピル基を表し、R2 は、−(C2 4 O)a
(aは3〜16の数を表す。)で表されるオキシアルキ
レン基であり、mは、7〜49の数であり、nは、0〜
5の数を表す。〕で表されるオキシアルキレン基含有鎖
状オルガノポリシロキサンの1種または2種以上を含有
することを特徴とする水中防汚剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、漁網、水中構造物
等に対する水中生物、特にヒドロ虫等の腔腸動物、イギ
ス等の紅藻植物、カサネカンザシ等の管棲多毛類等の付
着防止に好適な水中防汚剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】漁網、水中構造物は、水中、特に海水中
で長期に亘って使用されるため、海水との接触部分にお
いて、ヒドロ虫、フサコケムシ、アオサ、フジツボ、イ
ガイなどの多数の水中生物が付着、繁殖し、そのため漁
網等の本来の機能が損なわれる。漁網の中でも、特に、
養殖網や定置網等は、長期間海水中に静置されるため、
水中生物の繁殖、腐食が顕著であり、頻繁に漁網を取り
替えなければならず、経済的損失は大きい。
【0003】このような問題を解決するために、水中生
物の付着防止を目的として防汚剤ないし防汚塗料を漁網
に塗布することが広く行なわれている。かかる水中生物
付着防止法としては、亜酸化銅あるいは有機防汚剤に、
これらの防汚剤を適正に溶出させるために展色剤として
ロジンとアクリル樹脂あるいはビニル樹脂とを配合した
防汚剤組成物、または亜酸化銅あるいは有機防汚剤に展
色剤として加水分解性樹脂(アクリルポリマーの珪素、
銅、亜鉛、錫等のアルキルエステルまたはアルコキシエ
ステル)を配合した防汚剤組成物が広く使用されてい
る。その他として、防汚性を有する展色剤、例えば、室
温硬化性シリコーンゴム等は、防汚剤としても使用され
ている。しかしながら、これらの防汚剤組成物は、満足
できる防汚性が得られていない。
【0004】有機防汚剤として、最も広く使用されてい
る防汚剤の一つにテトラエチルチウラムジスルフィドが
ある。しかし、これを用いた防汚剤組成物は、種々の水
中生物、特にヒドロ虫等の腔腸動物、イギス等の紅藻植
物、カサネカンザシ等の管棲多毛類等の付着防止効果が
十分とはいえない。
【0005】また、有機防汚剤として、ビスジメチルジ
チオカルバモイルジンクエチレンジチオカーバメート含
有の防汚剤組成物が、特公昭39−9681号公報、特
公昭64−11603号公報、特開平6−157219
号公報等において提案されている。しかしながら、これ
らの公報に開示されている技術では、いずれもヒドロ虫
等の腔腸動物、イギス等の紅藻植物、カサネカンザシ等
の管棲多毛類の付着防止効果が十分とはいえない。
【0006】同様の有機溶剤不溶の有機溶剤として、ト
リフェニルボロンピリジン含有の水中防汚剤が、特開平
7−291813号公報、特開平8−239601号公
報等において提案されている。しかしながら、これらの
公報に開示されている技術でも、いずれもヒドロ虫等の
腔腸動物、イギス等の紅藻植物、カサネカンザシ等の管
棲多毛類の付着防止効果が十分とはいえない。
【0007】一方、オキシアルキレン基含有鎖状オルガ
ノポリシロキサンを含有してなる防汚塗料が、特開平3
−20370号公報、特開平4−142373号公報、
特開平5−263022号公報、特開平5−32053
8号公報、特開平6−93214号公報において提案さ
れている。しかしながら、これらの公報で提案されてい
るオキシアルキレン基含有鎖状オルガノポリシロキサン
を含有してなる防汚塗料は、海藻の付着防止効果は優れ
ているもののヒドロ虫等の腔腸動物の付着防止効果が劣
っている。また、定置漁場でヒドロ虫同様に問題となっ
ているイギス等の紅藻植物は通常の海藻以上に付着し易
く、上記防汚塗料では防汚効果が不十分であり、養殖漁
場で問題となっているカサネカンザシ等の管棲多毛類の
防汚効果も不十分である。
【0008】本発明に関連するものとして、特開平9−
176576号公報には、親水性親油性バランス(HL
B)が2〜7のオキシアルキレン基含有鎖状オルガノポ
リシロキサン(IV)100重量部と、ビスジメチルジ
チオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメー
ト(II)10〜5,000重量部とを含有する水中防
汚剤組成物が記載されている。また、特開平9−176
577号公報には、同一のオキシアルキレン基含有鎖状
オルガノポリシロキサン(V)100重量部と、亜酸化
銅10〜5,000重量部とを含有する水中防汚剤組成
物が記載されている。これらの文献には、前記オキシア
ルキレン基含有鎖状オルガノポリシロキサンとして、下
記一般式(V)、
【0009】
【化8】
【0010】〔式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を
表し、R1 は炭素数1〜4のアルキレン基を表し、R2
は、−(C2 4 O)a −(C3 6 O)b −(aは1
〜50の数を表し、bは0〜30の数を表す。)で表さ
れるオキシアルキレン基であり、R3 は、水素原子また
は炭素数1〜15のアルキル基であり、mは、1〜7,
000の数であり、nは、0〜50の数を表す。〕で表
される化合物が記載されている。
【0011】また、特開平7−133207号公報に
は、前記式(IV)で表されるトリフェニルボロンピリ
ジン及びシリコーンオイルを必須成分とする漁網具防汚
剤が記載されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記こ
れら公報には、本発明に用いられるオキシアルキレン基
含有鎖状オルガノポリシロキサンについては、上位概念
としては含まれるものの、具体的には記載されていな
い。上記公報の水中防汚剤組成物はヒドロ虫等の腔腸動
物同様に問題となっているイギス等の紅藻植物、養殖網
等で問題となっているカサネカンザシ等の管棲多毛類に
は付着防止効果が十分ではない。
【0013】そこで、本発明は、ヒドロ虫等の腔腸動物
はもとより、イギス等の紅藻植物、カサネカンザシ等の
管棲多毛類に対しても、優れた水中防汚剤効果を有する
水中防汚剤組成物、特に漁網防汚剤組成物を提供するこ
とを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、前記特開平9−176576号公報に記
載の一般式(V)で表されるオキシアルキレン基含有鎖
状オルガノポリシロキサンの内、特定のR,R1 ,R2
(a,b),R3 ,mおよびnの化合物が特に優れた水
中防汚剤効果を有することを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0015】すなわち、本発明は、数平均分子量が50
0〜10,000の式(I)
【0016】
【化9】
【0017】〔式中、Rはメチル基を表し、R1 は、炭
素数3〜5のアルキレン基を表し、R2 は、−(C2
4 O)a −(C3 6 O)b −(aは5〜12,bは0
〜12の数を表す。)で表されるオキシアルキレン基で
あり、R3 は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル
基であり、mは、5〜50の数であり、nは、1〜5の
数を表す。〕で表されるオキシアルキレン基含有鎖状オ
ルガノポリシロキサンの1種または2種以上を含有する
ことを特徴とする水中防汚剤組成物を提供する。
【0018】本発明の水中防汚剤組成物は、好ましく
は、前記式(I)で表されるオキシアルキレン基鎖状オ
ルガノポリシロキサンの1種または2種以上を100重
量部、および、式(II)
【0019】
【化10】
【0020】で表されるテトラエチルチウラムジスルフ
ィド(II)の10〜5,000重量部を含有する水中
防汚剤組成物である。
【0021】本発明の水中防汚剤組成物は、好ましく
は、前記式(I)で表されるオキシアルキレン基鎖状オ
ルガノポリシロキサンの1種または2種以上を100重
量部、および、式(III)
【0022】
【化11】
【0023】で表されるビスジメチルジチオカルバモイ
ルジンクエチレンビスジチオカーバーメート(III)
の10〜5,000重量部を含有する水中防汚剤組成物
である。
【0024】また、本発明の水中防汚剤組成物は、好ま
しくは、前記式(I)で表されるオキシアルキレン基鎖
状オルガノポリシロキサンの1種または2種以上を10
0重量部、および、式(IV)
【0025】
【化12】
【0026】で表されるトリフェニルボロンピリジン
(IV)の10〜5,000重量部を含有する水中防汚
剤組成物である。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る水中防汚剤組
成物、該組成物を用いた漁網および水中構造物の防汚処
理方法を具体的に説明する。
【0028】本発明に用いられるオキシアルキレン基含
有鎖状オルガノポリシロキサンは、通常、ポリエーテル
変性シリコーンと称される化合物であり、中でも前記式
(I)で表されるポリエーテル変性シリコーンが好まし
く用いられる。
【0029】前記式(I)中、Rはメチル基を表し、R
1 は、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、
sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル基等の直鎖若し
くは分枝の炭素数3〜5のアルキレン基を表し、R
2 は、−(C2 4 O)a −(C 3 6 O)b −で表さ
れるオキシアルキレン基であり、aは5〜12、bは0
〜12の数を表す。R3 は、水素原子又はメチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s
ec−ブチル、t−ブチル等の炭素数1〜4のアルキル
基であり、mは5〜50、好ましくは、15〜40の数
であり、nは1〜5、好ましくは1〜3の数を表す。
【0030】前記オキシアルキレン基含有鎖状オルガノ
ポリシロキサン(I)の数平均分子量Mnは、500〜
10,000の範囲、好ましくは、1,000〜5,0
00である。上記範囲内の数平均分子量のオキシアルキ
レン基含有鎖状オルガノポリシロキサンを特に選択する
ことによって、防汚性に優れ、長期に亘って優れた防汚
性を示す塗膜を形成し得る水中防汚剤組成物を得ること
ができる。
【0031】また、このような数平均分子量Mnをもつ
オキシアルキレン基含有鎖状オルガノポリシロキサンを
特に選択することにより、後述する化合物(II)、
(III)、(IV)またはその他の防汚剤を併用する
場合、化合物(1)は、化合物(II)、(III)、
(IV)またはその他の防汚剤との相乗作用により、優
れた防汚効果を発揮する。
【0032】また、本発明の水中防汚剤組成物は、好ま
しくは、前記式(I)で表されるオキシアルキレン基含
有鎖状オルガノポリシロキサン(I)の1種または2種
以上に、前記式(II)で表されるテトラエチルチウラ
ムジスルフィド(II)を含有する。
【0033】本発明の水中防汚剤組成物として含有させ
る場合、通常、化合物(I)100重量部に対し、化合
物(II)を10〜5,000重量部、好ましくは10
0〜1,000重量部の割合で用いる。
【0034】本発明の水中防汚剤組成物は、好ましく
は、前記式(I)で表されるオキシアルキレン基含有鎖
状オルガノポリシロキサン(I)の1種または2種以上
に、前記式(III)で表されるビスジメチルジチオカ
ルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバーメート
(III)を含有する。
【0035】また、本発明の水中防汚剤組成物として含
有させる場合、通常、化合物(I)100重量部に対
し、化合物(IV)を10〜5,000重量部、好まし
くは100〜1,000重量部の割合で用いる。
【0036】また、本発明の水中防汚剤組成物は、好ま
しくは、前記式(I)で表されるオキシアルキレン基含
有鎖状オルガノポリシロキサン(I)の1種または2種
以上に、前記式(IV)で表されるトリフェニルボロン
ピリジンを含有する。トリフェニルボロンピリジンを有
効成分とする防汚剤は、例えば、特開平7−13320
7号公報に開示された漁網具防汚剤であり、ヒドロ虫等
の腔腸動物をはじめ、種々の水中生物に対して、優れた
防汚効果を示す。
【0037】しかしながら、上記公報記載の防汚剤は、
定置網で問題となっているイギス等の紅藻植物、養殖網
で問題となっているカサネカンザシ等の管棲多毛類に対
しての防汚効果が十分でない。
【0038】これに対し、本発明の防汚剤組成物は、前
記式(I)で表されるオキシアルキレン基含有鎖状オル
ガノポリシロキサン(I)を用いることにより、前記イ
ギス及びカサネカンザシについても優れた防汚効果を示
し、かつヒドロ虫等の腔腸動物に対しても、特開平7−
133207号公報に開示された防汚剤祖紫衣物よりも
優れた防汚効果を発揮する。なお。トリフェニルボロン
ピリジン(IV)は、比重が1.1と、ビスジメチルジ
チオカルバモイルジンクエチレンジチオカーバメート
(III)の比重1.9より軽く、水中防汚剤組成物と
して製剤化した場合、沈降を起こしにくく、作業性に優
れている。
【0039】また、本発明の水中防汚剤組成物は、好ま
しくは、前記式(I)で表されるオキシアルキレン基含
有鎖状オルガノポリシロキサンの1種または2種以上
に、各種有機防汚剤を含有させることができる。前記有
機防汚剤として、例えば、ジンクジメチルジチオカーバ
メート、ジンクエチレンビスジチオカーバメート等のジ
チオカーバメート系防汚剤、テトラメチルチウラムジス
ルフィド等のスルフィド系防汚剤、2−ピリジンチオー
ル−1−オキシド亜鉛塩等のピリジン系防汚剤、2,
4,5,6−テトラクロロ−1,3−イソフタロニトリ
ル等のニトリル系防汚剤、N,N−ジメチルジクロロフ
ェニル尿素等の尿素系防汚剤、N−(フルオロジクロロ
メチルチオ)フタルイミド、N,N−ジメチル−N−フ
ェニル−(N−フルロロジクロロメチルチオ)スルファ
ミド等の酸アミド系防汚剤、2,4,6−トリクロロフ
ェニルマレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2−エチ
ル−6−メチルフェニル)マレイミド等のマレイミド系
防汚剤、トリフェニルボロン−n−オクタデシルアミン
錯化合物等のトリフェニルボロン−アルキルアミン錯化
合物系防汚剤、2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチ
アゾール等のチアゾール系防汚剤、4,5−ジクロロ−
2−n−オクチル−3(2H)−イソチアゾロン等のイ
ソチアゾロン系防汚剤、2−メチルチオ−4−t−ブチ
ルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン
等のトリアジン系防汚剤等を挙げることができる。これ
らの防汚剤は、単独でまたは2種以上混合して使用する
ことができる。
【0040】本発明の水中防汚剤組成物として含有させ
る場合、通常、化合物(I)100重量部に対し、これ
らの各種有機防汚剤を10〜5,000重量部、好まし
くは、100〜1,000重量部の割合で用いる。
【0041】本発明に係る水中防汚剤組成物中には、所
望により、展色剤としてアクリル樹脂、ビニル樹脂、変
性ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ロジン、ロジンエステル
樹脂、アミド樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポ
リプロピレン樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体等を
添加することができる。これらの樹脂の数平均分子量
は、100万以下であり、好ましくは5,000〜50
0,000である。これらの樹脂は、水中防汚剤の溶出
を抑制する効果がある。従って、これらの樹脂は、水中
防汚剤組成物の塗膜に長期に亘って防汚性を発揮させた
い場合などに特に有効である。これらの樹脂の配合量
は、前記化合物(I)100重量部に対し、100〜
1,000重量部程度が好ましい。
【0042】本発明に係る水中防汚剤組成物中には、所
望により、液状のポリオレフィン類、例えばポリイソブ
チレン等から選ばれる少なくとも1種の成分を配合する
ことができる。これらの配合量は、前記化合物(I)1
00重量部に対して、10〜200重量部程度が好まし
い。
【0043】本発明に係る水中防汚剤組成物中には、所
望により溶剤が含まれる。溶剤としては、特に限定され
ないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリ
メチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、エタノール、イ
ソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール系溶
剤、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン等のケトン系溶剤等が挙げられる。これらの溶剤は1
種単独でも用いられるが2種以上の組み合わせでもよ
い。
【0044】また、本発明に係る水中防汚剤組成物中に
は、所望により体質顔料、着色顔料、沈降防止剤、垂れ
止め剤、消泡剤等をを本発明の目的を損なわない範囲で
含有させることもできる。
【0045】本発明の水中防汚剤組成物は、以下に示す
ように常法に従って調製することができる。すなわち、
例えば、式(I)で表される化合物(I)と、所望によ
り、化合物(II)、化合物(III)あるいは化合物
(IV)で表される防汚剤および有機溶剤、所望に応じ
て、アクリル樹脂、ビニル樹脂、変性ビニル樹脂、スチ
レン・ブタジエン共重合体等の展色剤、液状のポリオレ
フィン類、体質顔料、着色顔料、沈降防止剤、垂れ止め
剤、消泡剤等を、ボールミル、ビーズミル等で混合分散
するか、ディスパーで混合溶解することにより得ること
ができる。
【0046】本発明に係る水中防汚剤組成物は、フサコ
ケムシ、アオサ、フジツボ、イガイ等の一般的な付着生
物、ヒドロ虫等の腔腸動物等に対する防汚効果が従来の
防汚剤組成物より優れ、かつ従来の防汚剤では十分な防
汚効果が得られなかったイギス等の紅藻植物、カサネカ
ンザシ等の管棲多毛類等にも優れた防汚効果を有するた
め、漁網に対する防汚処理に特に適している。
【0047】漁網の防汚処理は、本発明に係る水中防汚
剤組成物中に漁網を浸漬するか、漁網に本発明の水中防
汚剤組成物を繰り返し注ぐことにより行われる。この防
汚処理は、本発明の水中防汚剤組成物を漁網内部に含浸
させるとととに、漁網表面に付着させるものである。
【0048】本発明に係る水中防汚剤組成物は、上述し
たように、フサコムシ、アオサ、フジツボ、イガイ等の
一般的な付着生物、ヒドロ虫等の腔腸動物のみならず、
イギス等の紅藻植物、カサネカンザシ等の管棲多毛類等
にも優れた防汚効果を有するため、水中構造物に対する
防汚処理にも適している。
【0049】水中構造物の防汚処理は、水中構造物の表
面に、本発明に係る水中防汚剤組成物を塗布することに
より行われる。
【0050】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。 (水中防汚剤組成物の調製)以下の実施例及び比較例で
用いた前記式(I)で表されるオキシアルキレン基含有
鎖状オルガノポリシロキサンを第1表に示す。なお、こ
れらの内、No.12の化合物は、特開平9−1765
76号公報記載に類似のオキシアルキレン基含有鎖状オ
ルガノポリシロキサンである。
【0051】
【表1】
【0052】次に、上記第1表に示したNo.1〜N
o.12ののオキシアルキレン基含有鎖状オルガノポリ
シロキサンを用いた水中防汚剤組成物を、以下の第2表
及び第3表に示す処方に従い調製した(実施例1〜1
3、比較例1〜14)。
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】(ヒドロ虫の付着防止効果の確認実験)上
記第2表、第3表に示した処方に従って調製した水中防
汚剤組成物を、それぞれポリエステル製無結節網(6.
5節、250デニール/80本)に浸漬塗布して風乾し
た。次いで、以上の様にして水中防汚剤が塗布された漁
網を、定置漁場の海面下約5mに浸漬・保持し、4か月
後、漁網に対するヒドロ虫の付着状況を評価した。その
結果を第4表に示す。
【0056】
【表4】
【0057】(イギスの付着防止効果の確認実験)上記
第2表、第3表に示した処方に従って調製した水中防汚
剤組成物を、それぞれポリエステル製無結節網(6.5
節、250デニール/80本)に浸漬塗布して風乾し
た。次いで、以上の様にして水中防汚剤が塗布された漁
網を、定置漁場の海面下約1mに浸漬・保持し、4か月
後、漁網に対するイギスの付着状況を評価した。その結
果を第5表に示す。
【0058】
【表5】
【0059】(カサネカンザシの付着防止効果の確認実
験)上記第2表、第3表に示した処方に従って調製した
水中防汚剤組成物を、それぞれポリエチレン製無結節網
(6節、400デニール/30本)に浸漬塗布して風乾
した。次いで、以上の様にして水中防汚剤が塗布された
漁網を、養殖漁場の海面下約1mに浸漬・保持し、4か
月後、漁網に対するカサネカンザシの付着状況を評価し
た。その結果を第6表に示す。
【0060】
【表6】
【0061】(フサコムシ、アオサ、フジツボ、イガイ
等の付着防止効果の確認実験)上記第2表、第3表に示
した処方に従って調製した水中防汚剤組成物を、それぞ
れポリエチレン製無結節網(6節、400デニール/3
0本)に浸漬塗布して風乾した。次いで、以上の様にし
て水中防汚剤が塗布された漁網を、養殖漁場の海面下約
1mに浸漬・保持し、4か月後、漁網に対するフサコム
シ、アオサ、フジツボ、イガイ等の付着状況を評価し
た。その結果を第7表に示す。
【0062】
【表7】
【0063】
【発明の効果】以上説明したように本発明の水中防汚剤
組成物は、ヒドロ虫等の腔腸動物、イギス等の紅藻植
物、カサネカンザシ等の管棲多毛類、フサコムシ、アオ
サ、フジツボ、イガイ等の種々の水中生物に対し優れた
防汚効果、特に漁網防汚効果に優れた組成物である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 183/12 C09D 183/12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】数平均分子量が500〜10,000の式
    (I) 【化1】 〔式中、Rはメチル基を表し、 R1 は、炭素数3〜5のアルキレン基を表し、 R2 は、−(C2 4 O)a −(C3 6 O)b −(a
    は5〜12,bは0〜12の数を表す。)で表されるオ
    キシアルキレン基であり、 R3 は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であ
    り、 mは、5〜50の数であり、 nは、1〜5の数を表す。〕で表されるオキシアルキレ
    ン基含有鎖状オルガノポリシロキサンの1種または2種
    以上を含有することを特徴とする、 水中防汚剤組成物。
  2. 【請求項2】数平均分子量が500〜10,000の式
    (I) 【化2】 〔式中、Rはメチル基を表し、 R1 は、炭素数3〜5のアルキレン基を表し、 R2 は、−(C2 4 O)a −(C3 6 O)b −(a
    は5〜12,bは0〜12の数を表す。)で表されるオ
    キシアルキレン基であり、 R3 は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であ
    り、 mは、5〜50の数であり、 nは、1〜5の数を表す。〕で表されるオキシアルキレ
    ン基含有鎖状オルガノポリシロキサンの1種または2種
    以上を100重量部、および式(II) 【化3】 で表されるテトラエチルチウラムジスルフィド(II)
    の10〜5,000重量部を含有することを特徴とす
    る、 水中防汚剤組成物。
  3. 【請求項3】数平均分子量が500〜10,000の式
    (I) 【化4】 〔式中、Rはメチル基を表し、 R1 は、炭素数3〜5のアルキレン基を表し、 R2 は、−(C2 4 O)a −(C3 6 O)b −(a
    は5〜12,bは0〜12の数を表す。)で表されるオ
    キシアルキレン基であり、 R3 は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であ
    り、 mは、5〜50の数であり、 nは、1〜5の数を表す。〕で表されるオキシアルキレ
    ン基含有鎖状オルガノポリシロキサンの1種または2種
    以上を100重量部、および式(III) 【化5】 で表されるビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチ
    レンビスジチオカーバーメート(III)の10〜5,
    000重量部を含有することを特徴とする、 水中防汚剤組成物。
  4. 【請求項4】数平均分子量が500〜10,000の式
    (I) 【化6】 〔式中、Rはメチル基を表し、 R1 は、炭素数3〜5のアルキレン基を表し、 R2 は、−(C2 4 O)a −(C3 6 O)b −(a
    は5〜12,bは0〜12の数を表す。)で表されるオ
    キシアルキレン基であり、 R3 は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であ
    り、 mは、5〜50の数であり、 nは、1〜5の数を表す。〕で表されるオキシアルキレ
    ン基含有鎖状オルガノポリシロキサンの1種または2種
    以上を100重量部、および式(IV) 【化7】 で表されるトリフェニルボロンピリジン(IV)の10
    〜5,000重量部を含有することを特徴とする、 水中防汚剤組成物。
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