JPH11334546A - 車両用防曇ガラス - Google Patents
車両用防曇ガラスInfo
- Publication number
- JPH11334546A JPH11334546A JP10340323A JP34032398A JPH11334546A JP H11334546 A JPH11334546 A JP H11334546A JP 10340323 A JP10340323 A JP 10340323A JP 34032398 A JP34032398 A JP 34032398A JP H11334546 A JPH11334546 A JP H11334546A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- temperature
- glass
- heating
- power
- vehicle
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02B—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
- Y02B30/00—Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]
Landscapes
- Surface Heating Bodies (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】発生熱量を低減し、その結果消費電力を低減す
る防曇ガラスを提供することを目的とする。 【解決手段】防曇ガラスの中央領域における加熱用導電
線条の間隔が29mm〜33mmであり、ガラス表面温
度が通電後5〜10分間に、温室20℃の無風状態で、
35℃〜45℃に設定された平衡温度の9割に昇温させ
るに必要な供給電力を基準電力として、基準電力の0.
95倍以下、0.8倍以上の単位面積あたりの発生熱量
となるように、少なくとも中央領域の加熱用導電線条の
間隔を18mm〜28mmの範囲としたことを特徴とす
る。
る防曇ガラスを提供することを目的とする。 【解決手段】防曇ガラスの中央領域における加熱用導電
線条の間隔が29mm〜33mmであり、ガラス表面温
度が通電後5〜10分間に、温室20℃の無風状態で、
35℃〜45℃に設定された平衡温度の9割に昇温させ
るに必要な供給電力を基準電力として、基準電力の0.
95倍以下、0.8倍以上の単位面積あたりの発生熱量
となるように、少なくとも中央領域の加熱用導電線条の
間隔を18mm〜28mmの範囲としたことを特徴とす
る。
Description
【発明の属する技術分野】本発明は自動車などの後部窓
ガラスなどにおいてガラス窓表面を加熱することによっ
てガラス表面への水蒸気の凝縮、氷、霜、霧などの付着
を防止し、除去するための車両用の防曇ガラスに関す
る。
ガラスなどにおいてガラス窓表面を加熱することによっ
てガラス表面への水蒸気の凝縮、氷、霜、霧などの付着
を防止し、除去するための車両用の防曇ガラスに関す
る。
【従来の技術】自動車など車両において、運転視界の確
保は安全上重要なことであり、前面の風防ガラスのみな
らず、後部窓ガラスの防曇は、車両の後退あるいは後続
車両への注意のために欠くことのできないものであり、
そのために複数の加熱用導電線条をプリントした防曇ガ
ラスがほとんどの車両に採用されている。そして、加熱
用導電線条の間隔は、少なくとも中央領域においては、
通常29mm〜33mmの間隔に設定されていた。これ
は、間隔を狭め過ぎると、後方視界に支障をきたし、間
隔が広すぎると充分な加熱ができないことに基づいてお
り、加熱用導電線条の抵抗と間隔の詳細は窓ガラス中央
領域の単位面積あたりの発生熱量すなわち加熱用導電線
条1本あたりの供給電流をI、抵抗をR、加熱用導電線
条の間隔をD、中央領域の加熱用導電線条の長さをLと
したときに(I2R)/(DL)がほぼ一定になるよう
に設計されていた。ただし、バッテリーの容量の小さい
車輌においては、防曇性能を犠牲にせざるを得なくな
り、その結果、発熱量を上記計算式の値より小さく設計
する場合がある。逆に、大容量のバッテリーを搭載した
車輌、または融氷を主目的とする車輌では、発熱量を上
記計算式の値より大きく設計することもある。
保は安全上重要なことであり、前面の風防ガラスのみな
らず、後部窓ガラスの防曇は、車両の後退あるいは後続
車両への注意のために欠くことのできないものであり、
そのために複数の加熱用導電線条をプリントした防曇ガ
ラスがほとんどの車両に採用されている。そして、加熱
用導電線条の間隔は、少なくとも中央領域においては、
通常29mm〜33mmの間隔に設定されていた。これ
は、間隔を狭め過ぎると、後方視界に支障をきたし、間
隔が広すぎると充分な加熱ができないことに基づいてお
り、加熱用導電線条の抵抗と間隔の詳細は窓ガラス中央
領域の単位面積あたりの発生熱量すなわち加熱用導電線
条1本あたりの供給電流をI、抵抗をR、加熱用導電線
条の間隔をD、中央領域の加熱用導電線条の長さをLと
したときに(I2R)/(DL)がほぼ一定になるよう
に設計されていた。ただし、バッテリーの容量の小さい
車輌においては、防曇性能を犠牲にせざるを得なくな
り、その結果、発熱量を上記計算式の値より小さく設計
する場合がある。逆に、大容量のバッテリーを搭載した
車輌、または融氷を主目的とする車輌では、発熱量を上
記計算式の値より大きく設計することもある。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らは実験を重ねた結果、このような考えで設計された
加熱用導電線条によれば、所定時間に所定の温度まで上
昇させるに際して一般的に供給熱量が過剰になっている
ことに気づき本発明をなしたものであり、発生熱量を低
減し、その結果消費電力を低減する防曇ガラスを提供す
ることを目的とする。
者らは実験を重ねた結果、このような考えで設計された
加熱用導電線条によれば、所定時間に所定の温度まで上
昇させるに際して一般的に供給熱量が過剰になっている
ことに気づき本発明をなしたものであり、発生熱量を低
減し、その結果消費電力を低減する防曇ガラスを提供す
ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】前記の問題点を解決する
ために、本発明は、防曇ガラスの中央領域における加熱
用導電線条の間隔が29mm〜33mmであり、ガラス
表面温度が通電後5〜10分間に、温室20℃の無風状
態で、35℃〜45℃に設定された平衡温度の9割に昇
温させるに必要な供給電力を基準電力として、基準電力
の0.95倍以下、0.8倍以上の単位面積あたりの発
生熱量となるように、少なくとも中央領域の加熱用導電
線条の間隔を18mm〜28mmの範囲としたことを特
徴とするものである。本発明で対象とする防曇ガラス
は、例えば、厚さが3.5mm、サイズが1100mm
×700mmの板ガラスに、図1に示すようにガラスの
短辺に平行に一対のバスバーを設け、その間に導電ペー
ストを印刷焼成した加熱用導電線条をガラスの長辺に平
行に等間隔に設けたものである。 実験1 加熱用導電線条の最上段と最下段の間隔を530mmに
固定して、その間に等間隔に14本(間隔40.6m
m)から106本(間隔5.0mm)までの試料を作製
した。加熱用導電線条の長さは1m、線幅は0.5mm
とした。このようにして得られた試料により板ガラス中
央領域で、隣接する加熱用導電線条間の中央の温度が、
通電5分後に室温の20℃から38.5℃まで上昇する
に要する供給電力比を測定したところ図3に示すような
結果が得られた。なお、縦軸は、導電線条の間隔を従来
の代表的な間隔である33mmとしたときの電力を1と
して、その電力に対する比である。この結果から明らか
なように、間隔(ピッチ)が15mm以下では蓄電池か
ら供給する電力比は約0.57に収束するので、15m
m以下に縮めるのは無意味であり、29mm以上では、
ピッチの増大に伴い電力比は急増し、加熱効率の著しい
低下を示している。加熱用導電線条のピッチは、運転者
等の視界の支障にならないことを考慮して最低18m
m、好ましくは20mm以上として、最大は28mm以
下にすると加熱効率よく曇を除去することができる。 実験2 実験1と同じ試料を用いて、板ガラス中央領域において
隣接する加熱用導電線条間の中央の温度が、通電5分後
に室温の20℃から35℃まで上昇するに必要な供給電
力を測定したところ、実験1と同じ傾向を示し、図3に
示す供給電力比と同様な結果が得られた。この結果から
明かなように、好適な導電線条の間隔は18mm〜28
mmであることがわかる。 実験3 実験1と同じ試料を用いて、板ガラス中央領域において
隣接する加熱用導電線条間の中央の温度が、通電7.5
分後に室温の20℃から38.5℃まで上昇するに必要
な供給電力を測定したところ図4に示すような結果が得
られた。この結果から明かなように実験1と供給電力比
が若干異なるものの同様の傾向を示しており、好適な導
電線条の間隔は18mm〜28mmであることがわか
る。以上の結果から加熱用導電線条の間隔は18mm〜
28mmの範囲にすると、加熱効率が高く、従来の間
隔、例えば33mmなどの場合に比較して、供給電力を
小さくすることができる。この事実は供給電力を小さく
しても、間隔を小さくすると、供給電力を大きくして間
隔を大きくした場合に比較して、隣接する加熱用導電線
条の中央部の温度が短時間に上昇することを示してい
る。車種によって、蓄電池に接続される電気機器の種
類、数などが異なり、蓄電池に余裕があるものもあり、
その場合には防曇ガラス単位面積あたりの発生熱量を大
きくすることができ、余裕がない場合には、防曇ガラス
の単位面積あたりの発生熱量を小さくして、防曇性能を
犠牲にする場合もあるので、車種が変われば、単位面積
あたりの発生熱量も変わるので、比較的供給電力が大き
い場合には加熱用導電線条の間隔が33mmであり、ガ
ラス表面温度が通電後5〜10分間に、室温20℃の無
風状態で少なくとも、40℃に昇温させるのに必要な供
給電力を基準電力としてその0.85倍の供給電力がも
たらされるようにしてもよいが、比較的供給電力の小さ
い場合もあるので所定の5〜10分の間に、室温20度
から温度が35℃〜45℃に設定された平衡になる温度
のほぼ9割に昇温させるに必要な供給電力を基準電力と
するとあらゆる場合の基準値とすることができる。 こ
の場合に、基準電力による昇温温度を平衡温度の9割と
したのは、平衡温度に達する時間は、実施例の昇温特性
図(図2)から明らかなように、20分以上かかってい
るが、平衡温度の9割とすると、この部分は温度変化の
大きいところであり、昇温時間を10分以内とすること
ができるからであり、本発明において通電量をこの基準
電力値の0.8〜0.95としたのは、本発明のように
間隔を小さくすることにより、従来の30mm前後の間
隔の加熱用導電線条とほぼ同等の昇温を得ることができ
るからである。
ために、本発明は、防曇ガラスの中央領域における加熱
用導電線条の間隔が29mm〜33mmであり、ガラス
表面温度が通電後5〜10分間に、温室20℃の無風状
態で、35℃〜45℃に設定された平衡温度の9割に昇
温させるに必要な供給電力を基準電力として、基準電力
の0.95倍以下、0.8倍以上の単位面積あたりの発
生熱量となるように、少なくとも中央領域の加熱用導電
線条の間隔を18mm〜28mmの範囲としたことを特
徴とするものである。本発明で対象とする防曇ガラス
は、例えば、厚さが3.5mm、サイズが1100mm
×700mmの板ガラスに、図1に示すようにガラスの
短辺に平行に一対のバスバーを設け、その間に導電ペー
ストを印刷焼成した加熱用導電線条をガラスの長辺に平
行に等間隔に設けたものである。 実験1 加熱用導電線条の最上段と最下段の間隔を530mmに
固定して、その間に等間隔に14本(間隔40.6m
m)から106本(間隔5.0mm)までの試料を作製
した。加熱用導電線条の長さは1m、線幅は0.5mm
とした。このようにして得られた試料により板ガラス中
央領域で、隣接する加熱用導電線条間の中央の温度が、
通電5分後に室温の20℃から38.5℃まで上昇する
に要する供給電力比を測定したところ図3に示すような
結果が得られた。なお、縦軸は、導電線条の間隔を従来
の代表的な間隔である33mmとしたときの電力を1と
して、その電力に対する比である。この結果から明らか
なように、間隔(ピッチ)が15mm以下では蓄電池か
ら供給する電力比は約0.57に収束するので、15m
m以下に縮めるのは無意味であり、29mm以上では、
ピッチの増大に伴い電力比は急増し、加熱効率の著しい
低下を示している。加熱用導電線条のピッチは、運転者
等の視界の支障にならないことを考慮して最低18m
m、好ましくは20mm以上として、最大は28mm以
下にすると加熱効率よく曇を除去することができる。 実験2 実験1と同じ試料を用いて、板ガラス中央領域において
隣接する加熱用導電線条間の中央の温度が、通電5分後
に室温の20℃から35℃まで上昇するに必要な供給電
力を測定したところ、実験1と同じ傾向を示し、図3に
示す供給電力比と同様な結果が得られた。この結果から
明かなように、好適な導電線条の間隔は18mm〜28
mmであることがわかる。 実験3 実験1と同じ試料を用いて、板ガラス中央領域において
隣接する加熱用導電線条間の中央の温度が、通電7.5
分後に室温の20℃から38.5℃まで上昇するに必要
な供給電力を測定したところ図4に示すような結果が得
られた。この結果から明かなように実験1と供給電力比
が若干異なるものの同様の傾向を示しており、好適な導
電線条の間隔は18mm〜28mmであることがわか
る。以上の結果から加熱用導電線条の間隔は18mm〜
28mmの範囲にすると、加熱効率が高く、従来の間
隔、例えば33mmなどの場合に比較して、供給電力を
小さくすることができる。この事実は供給電力を小さく
しても、間隔を小さくすると、供給電力を大きくして間
隔を大きくした場合に比較して、隣接する加熱用導電線
条の中央部の温度が短時間に上昇することを示してい
る。車種によって、蓄電池に接続される電気機器の種
類、数などが異なり、蓄電池に余裕があるものもあり、
その場合には防曇ガラス単位面積あたりの発生熱量を大
きくすることができ、余裕がない場合には、防曇ガラス
の単位面積あたりの発生熱量を小さくして、防曇性能を
犠牲にする場合もあるので、車種が変われば、単位面積
あたりの発生熱量も変わるので、比較的供給電力が大き
い場合には加熱用導電線条の間隔が33mmであり、ガ
ラス表面温度が通電後5〜10分間に、室温20℃の無
風状態で少なくとも、40℃に昇温させるのに必要な供
給電力を基準電力としてその0.85倍の供給電力がも
たらされるようにしてもよいが、比較的供給電力の小さ
い場合もあるので所定の5〜10分の間に、室温20度
から温度が35℃〜45℃に設定された平衡になる温度
のほぼ9割に昇温させるに必要な供給電力を基準電力と
するとあらゆる場合の基準値とすることができる。 こ
の場合に、基準電力による昇温温度を平衡温度の9割と
したのは、平衡温度に達する時間は、実施例の昇温特性
図(図2)から明らかなように、20分以上かかってい
るが、平衡温度の9割とすると、この部分は温度変化の
大きいところであり、昇温時間を10分以内とすること
ができるからであり、本発明において通電量をこの基準
電力値の0.8〜0.95としたのは、本発明のように
間隔を小さくすることにより、従来の30mm前後の間
隔の加熱用導電線条とほぼ同等の昇温を得ることができ
るからである。
【発明の実施の形態】本発明の加熱用導電線条は正の温
度係数を有する銅などの金属、金属の焼結体、を貼り付
けたものあるいは実施例に示すように金属をベースにし
たペーストを印刷して焼成したものなど、各種の導電線
条を採用することができる。また、加熱用導電線条の配
置について、後述する実施例に示すように、複数の加熱
用導電線条を水平に配設するもの以外にも、垂直(縦)
方向に配設しても勿論よく、さらにバスバーも両側から
給電するもの以外にも、片方のバスバーを2分割して、
他方のバスバーを中継バスバーとして片方のバスバーか
ら給電するようにしてもよい。このときの銀の焼結体の
表面抵抗率は5.5〜7.0mΩ/sqの範囲で調整す
ることができ、スクリーン印刷が可能な幅は0.4mm
〜0.95mmの範囲である。したがって、一般的に
は、防曇に使用しうる総熱量kWがわかると、単位面積
あたりの供給電力を求め、その電力の約0.95以下と
なるような供給電力を設定し、さらに加熱用導電線条の
間隔を18mm〜28mmの間に設定し、その線幅を同
時に算出し、その最適組み合わせから間隔、線幅を決定
することができる。総熱量が通常の150Wより50W
程度大きいか、小さい場合には、加熱用導電線条の間隔
を従来の代表的な間隔である29mm〜33mmのいず
れかとして本数と抵抗(線幅)をあるいは、加熱用導電
線条の間隔を18mm〜28mmの範囲から先に決定
し、そのときの防曇ガラスを作製し、昇温テストを行
い、平衡温度の9割に相当する基準電力を求め、基準電
力の0.8〜0.95倍になる電力になるように、加熱
用導電線条の間隔を18mm〜28mmの間に設定し、
表面抵抗率(線幅)を求めればよい。
度係数を有する銅などの金属、金属の焼結体、を貼り付
けたものあるいは実施例に示すように金属をベースにし
たペーストを印刷して焼成したものなど、各種の導電線
条を採用することができる。また、加熱用導電線条の配
置について、後述する実施例に示すように、複数の加熱
用導電線条を水平に配設するもの以外にも、垂直(縦)
方向に配設しても勿論よく、さらにバスバーも両側から
給電するもの以外にも、片方のバスバーを2分割して、
他方のバスバーを中継バスバーとして片方のバスバーか
ら給電するようにしてもよい。このときの銀の焼結体の
表面抵抗率は5.5〜7.0mΩ/sqの範囲で調整す
ることができ、スクリーン印刷が可能な幅は0.4mm
〜0.95mmの範囲である。したがって、一般的に
は、防曇に使用しうる総熱量kWがわかると、単位面積
あたりの供給電力を求め、その電力の約0.95以下と
なるような供給電力を設定し、さらに加熱用導電線条の
間隔を18mm〜28mmの間に設定し、その線幅を同
時に算出し、その最適組み合わせから間隔、線幅を決定
することができる。総熱量が通常の150Wより50W
程度大きいか、小さい場合には、加熱用導電線条の間隔
を従来の代表的な間隔である29mm〜33mmのいず
れかとして本数と抵抗(線幅)をあるいは、加熱用導電
線条の間隔を18mm〜28mmの範囲から先に決定
し、そのときの防曇ガラスを作製し、昇温テストを行
い、平衡温度の9割に相当する基準電力を求め、基準電
力の0.8〜0.95倍になる電力になるように、加熱
用導電線条の間隔を18mm〜28mmの間に設定し、
表面抵抗率(線幅)を求めればよい。
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説
明する。図1は、本発明のガラス防曇装置の構成を示す
ブロック図、図2、図5と図6はそれぞれ無風状態と走
行状態における通電時間とガラス表面温度を示す昇温特
性図であり、実線が本発明の昇温特性、点線が比較例の
昇温特性を示す。図3と図4はそれぞれ実験1(実験
2)と実験3における加熱用導電線条の間隔と供給電力
比の関係を示す図である。図1に示す1は自動車用の後
部窓ガラスの概念図であり、そのサイズは1359mm
×785mmの曲面状の窓ガラスである。該窓ガラスの
車内側表面には銀ペーストを23.0mm間隔で導電用
加熱線条2を16本、両側のバスバー3、3’とともに
プリントし、焼成する。加熱用導電線条の中央領域の線
幅0.6mm、加熱用導電線条の表面抵抗率は6.51
mΩ/sqとした。このようにして得られた加熱用導電
線条への通電はバッテリー4から図示しない手動スイッ
チオンあるいはセンサーの出力により通常の乗用車では
12vの直流電圧を印加して行われる。このような防曇
ガラスを室温20℃の無風状態の実験室に置き、板ガラ
スの温度が20℃の平衡状態に達した後、定電圧装置で
13Vの直流を継続して通電し、車内側のガラスの表面
温度を測定したところ図2の実線で示すような結果が得
られた。実線の平衡温度は、図に示したように、後述の
比較例の点線より2℃高くなり、昇温速度も実線は、点
線より高くなった。この現象は、電力を過剰に供給した
ためである。そこで、供給電力を220Wから201W
まで下げたところ、実線のカーブは点線のカーブにほぼ
一致した。本実施例により、加熱効率が従来の加熱防曇
ガラスに比較して格段に高いことを確認した。次に、こ
の防曇ガラスを車輌に組み込み、外気温度が15℃、車
内の温度が25℃、相対湿度が70%(露点:19.1
℃)、車両の速度を時速50〜60kmの条件、すなわ
ち後部窓ガラスの車内側に水蒸気が付着して、完全に曇
っている状態でスイッチを入れ、通電を開始して曇りが
除去されても、継続して通電して車内側のガラスの表面
温度を測定したところ図5の実線で示すような結果が得
られた。 曇りは約9分経過して車内側のガラスの表面
温度が20.0℃になったところでほぼ完全に除去され
た。次に、この防曇ガラスを車輌に組み込み、外気温度
が15℃、車内の温度が25℃、相対湿度が70%(露
点:19.1℃)、車両の速度を時速100〜110k
mの条件、すなわち後部窓ガラスの車内側に水蒸気が付
着して、完全に曇っている状態でスイッチを入れ、通電
を開始して曇りが除去されても、継続して通電して車内
側のガラスの表面温度を測定したところ図6の実線で示
すような結果が得られた。 曇りは約12分経過して車
内側のガラスの表面温度が19.7℃になったところで
ほぼ完全に除去された。また、このとき、いずれの走行
速度でも消費電力は186Wであり、後述する比較例の
消費電力200Wと比較して少ない電力で、しかも車内
側のガラスの表面温度がより上昇しており、加熱効率が
従来の加熱防曇ガラスに比較して格段に高いことを確認
した。 比較例 加熱用導電線条の中央領域の線幅を0.7mm、表面抵
抗率を5.89mΩ/sqとして、加熱用導電線条の間
隔を29.85mmとした以外は実施例と同じ構成とし
たものであり、このような防曇ガラスに実施例と同じ条
件で直流を印加して、車内側のガラスの表面温度を測定
したところ、無風状態の場合、図2の点線で示すような
結果が得られた。このときの消費電力は232Wであっ
た。時速50〜60kmの走行状態では、図5の点線で
示すような結果が得られた。曇りは約10分経過して車
内側のガラスの表面温度が20.3℃になったところで
ほぼ完全に除去された。時速100〜110kmの走行
状態では、図6の点線で示すような結果が得られた。曇
りは約13分経過して車内側のガラスの表面温度が1
9.8℃になったところでほぼ完全に除去された。ま
た、このとき、いずれの走行速度でも消費電力は200
Wであり、無風状態、走行状態、いずれの場合も、実施
例と比較例を比較して加熱効率が低下していることがわ
かる。
明する。図1は、本発明のガラス防曇装置の構成を示す
ブロック図、図2、図5と図6はそれぞれ無風状態と走
行状態における通電時間とガラス表面温度を示す昇温特
性図であり、実線が本発明の昇温特性、点線が比較例の
昇温特性を示す。図3と図4はそれぞれ実験1(実験
2)と実験3における加熱用導電線条の間隔と供給電力
比の関係を示す図である。図1に示す1は自動車用の後
部窓ガラスの概念図であり、そのサイズは1359mm
×785mmの曲面状の窓ガラスである。該窓ガラスの
車内側表面には銀ペーストを23.0mm間隔で導電用
加熱線条2を16本、両側のバスバー3、3’とともに
プリントし、焼成する。加熱用導電線条の中央領域の線
幅0.6mm、加熱用導電線条の表面抵抗率は6.51
mΩ/sqとした。このようにして得られた加熱用導電
線条への通電はバッテリー4から図示しない手動スイッ
チオンあるいはセンサーの出力により通常の乗用車では
12vの直流電圧を印加して行われる。このような防曇
ガラスを室温20℃の無風状態の実験室に置き、板ガラ
スの温度が20℃の平衡状態に達した後、定電圧装置で
13Vの直流を継続して通電し、車内側のガラスの表面
温度を測定したところ図2の実線で示すような結果が得
られた。実線の平衡温度は、図に示したように、後述の
比較例の点線より2℃高くなり、昇温速度も実線は、点
線より高くなった。この現象は、電力を過剰に供給した
ためである。そこで、供給電力を220Wから201W
まで下げたところ、実線のカーブは点線のカーブにほぼ
一致した。本実施例により、加熱効率が従来の加熱防曇
ガラスに比較して格段に高いことを確認した。次に、こ
の防曇ガラスを車輌に組み込み、外気温度が15℃、車
内の温度が25℃、相対湿度が70%(露点:19.1
℃)、車両の速度を時速50〜60kmの条件、すなわ
ち後部窓ガラスの車内側に水蒸気が付着して、完全に曇
っている状態でスイッチを入れ、通電を開始して曇りが
除去されても、継続して通電して車内側のガラスの表面
温度を測定したところ図5の実線で示すような結果が得
られた。 曇りは約9分経過して車内側のガラスの表面
温度が20.0℃になったところでほぼ完全に除去され
た。次に、この防曇ガラスを車輌に組み込み、外気温度
が15℃、車内の温度が25℃、相対湿度が70%(露
点:19.1℃)、車両の速度を時速100〜110k
mの条件、すなわち後部窓ガラスの車内側に水蒸気が付
着して、完全に曇っている状態でスイッチを入れ、通電
を開始して曇りが除去されても、継続して通電して車内
側のガラスの表面温度を測定したところ図6の実線で示
すような結果が得られた。 曇りは約12分経過して車
内側のガラスの表面温度が19.7℃になったところで
ほぼ完全に除去された。また、このとき、いずれの走行
速度でも消費電力は186Wであり、後述する比較例の
消費電力200Wと比較して少ない電力で、しかも車内
側のガラスの表面温度がより上昇しており、加熱効率が
従来の加熱防曇ガラスに比較して格段に高いことを確認
した。 比較例 加熱用導電線条の中央領域の線幅を0.7mm、表面抵
抗率を5.89mΩ/sqとして、加熱用導電線条の間
隔を29.85mmとした以外は実施例と同じ構成とし
たものであり、このような防曇ガラスに実施例と同じ条
件で直流を印加して、車内側のガラスの表面温度を測定
したところ、無風状態の場合、図2の点線で示すような
結果が得られた。このときの消費電力は232Wであっ
た。時速50〜60kmの走行状態では、図5の点線で
示すような結果が得られた。曇りは約10分経過して車
内側のガラスの表面温度が20.3℃になったところで
ほぼ完全に除去された。時速100〜110kmの走行
状態では、図6の点線で示すような結果が得られた。曇
りは約13分経過して車内側のガラスの表面温度が1
9.8℃になったところでほぼ完全に除去された。ま
た、このとき、いずれの走行速度でも消費電力は200
Wであり、無風状態、走行状態、いずれの場合も、実施
例と比較例を比較して加熱効率が低下していることがわ
かる。
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
従来の防曇ガラスに比較して加熱効率が高く、消費電力
を低減することができる。
従来の防曇ガラスに比較して加熱効率が高く、消費電力
を低減することができる。
【図1】本発明のガラス防曇装置の構成を示すブロック
図である。
図である。
【図2】通電時間と無風状態でのガラス表面の温度を示
す昇温特性図であり、実線が本発明の昇温特性、点線が
比較例の昇温特性を示す。
す昇温特性図であり、実線が本発明の昇温特性、点線が
比較例の昇温特性を示す。
【図3】実験1における加熱用導電線条の間隔(ピッ
チ)と供給電力比の関係を示す図である。
チ)と供給電力比の関係を示す図である。
【図4】実験3における加熱用導電線条の間隔(ピッ
チ)と供給電力比の関係を示す図である。
チ)と供給電力比の関係を示す図である。
【図5】走行速度50〜60km/hにおける通電時間
と走行状態でのガラス表面の温度を示す昇温特性図であ
り、実線が本発明の昇温特性、点線が比較例の昇温特性
を示す。
と走行状態でのガラス表面の温度を示す昇温特性図であ
り、実線が本発明の昇温特性、点線が比較例の昇温特性
を示す。
【図6】走行速度100〜110km/hにおける通電
時間と走行状態でのガラス表面の温度を示す昇温特性図
であり、実線が本発明の昇温特性、点線が比較例の昇温
特性を示す。
時間と走行状態でのガラス表面の温度を示す昇温特性図
であり、実線が本発明の昇温特性、点線が比較例の昇温
特性を示す。
1 後部窓ガラス 2 加熱用導電線条 3、3’ バスバー 4 バッテリー
Claims (1)
- 【請求項1】防曇ガラスの中央領域における加熱用導電
線条の間隔が29mm〜33mmであり、ガラス表面温
度が通電後5〜10分間に、温室20℃の無風状態で、
35℃〜45℃に設定された平衡温度の9割に昇温させ
るに必要な供給電力を基準電力として、基準電力の0.
95倍以下、0.8倍以上の単位面積あたりの発生熱量
となるように、少なくとも中央領域の加熱用導電線条の
間隔を18mm〜28mmの範囲としたことを特徴とす
る車両用防曇ガラス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10340323A JPH11334546A (ja) | 1997-12-02 | 1998-11-30 | 車両用防曇ガラス |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-332210 | 1997-12-02 | ||
JP33221097 | 1997-12-02 | ||
JP10340323A JPH11334546A (ja) | 1997-12-02 | 1998-11-30 | 車両用防曇ガラス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11334546A true JPH11334546A (ja) | 1999-12-07 |
Family
ID=26574122
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10340323A Pending JPH11334546A (ja) | 1997-12-02 | 1998-11-30 | 車両用防曇ガラス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11334546A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008523566A (ja) * | 2004-12-10 | 2008-07-03 | エクスアテック、エル.エル.シー. | 透明プラスチックのパネルの重要な視界領域での熱の増強 |
-
1998
- 1998-11-30 JP JP10340323A patent/JPH11334546A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008523566A (ja) * | 2004-12-10 | 2008-07-03 | エクスアテック、エル.エル.シー. | 透明プラスチックのパネルの重要な視界領域での熱の増強 |
KR101224318B1 (ko) | 2004-12-10 | 2013-01-21 | 엑사테크 엘.엘.씨. | 투명 플라스틱 패널의 임계 관찰영역에서의 열 강화 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6834969B2 (en) | Heated mirror | |
US5798499A (en) | Electrically heating windshield glass having a substantially uniform thermal distribution | |
JP4647104B2 (ja) | 加熱ストリップを備えた窓ガラス | |
US5434384A (en) | Coated windshield with special heating circuit for wiper arm storage area | |
JP5557910B2 (ja) | 電気的に広範囲に加熱可能な透明物品、その製造方法、およびその使用 | |
US4109133A (en) | Electrically heated rear window for automotive vehicles | |
RU2551441C2 (ru) | Остекление с подогревом | |
US20200170079A1 (en) | Heatable glazing | |
JP2623737B2 (ja) | ウインドシールド | |
US6137085A (en) | Arrangement of heating strips of defogger on vehicle window glass | |
JPH11334546A (ja) | 車両用防曇ガラス | |
JPS62185153A (ja) | 結露センサ付防曇ウインドガラス | |
JP3317635B2 (ja) | 車両用の前部窓ガラス | |
JP2004210153A (ja) | 車両用デフォッガ制御装置 | |
JP2002264780A (ja) | 車両用防曇ガラス | |
CN110271393B (zh) | 一种具有透明导电膜的夹层玻璃 | |
JP2002002452A (ja) | 防曇ガラスの加熱構造 | |
JPS6116153A (ja) | 自動車用導電性透明部材 | |
KR100290601B1 (ko) | 자동차의성에제거열선장치 | |
CN217730166U (zh) | 汽车电热除雾除冰除雪玻璃及后视镜 | |
JP3804267B2 (ja) | ヒーター付ミラー | |
JPH068798A (ja) | 電気的に加熱可能な透明体に対する電流を制御する装置 | |
CN2189553Y (zh) | 汽车前后挡电热防雾玻璃 | |
KR200223604Y1 (ko) | 일정온도 유지기능을 갖는 사이드미러의 성에 및 습기 제거장치 | |
KR100228198B1 (ko) | 자동차의 가열식 도어 백미러 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20031218 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20031225 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040223 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040817 |