JPH11334331A - サスペンションアームおよびその製造方法 - Google Patents

サスペンションアームおよびその製造方法

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JPH11334331A
JPH11334331A JP14759098A JP14759098A JPH11334331A JP H11334331 A JPH11334331 A JP H11334331A JP 14759098 A JP14759098 A JP 14759098A JP 14759098 A JP14759098 A JP 14759098A JP H11334331 A JPH11334331 A JP H11334331A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】パイプ材を利用したアーム本体へのゴムブッシ
ュの取付けが容易かつ適切に行えるようにして、サスペ
ンションアームの製造コストの低減化を図る。 【解決手段】パイプ材によって形成されたアーム本体1
にゴムブッシュ5が取付けられているサスペンションア
ームであって、上記アーム本体1の周壁部には、上記ゴ
ムブッシュ5が嵌入する開口孔20,20が設けられて
おり、かつこの開口孔20,20の周縁には、その周縁
を上記開口孔20,20の外方に向けて突出させたフラ
ンジ22,22が設けられている

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本願発明は、自動車のサスペンションに用
いられるサスペンションアーム、さらに詳しくは、パイ
プ材を利用して構成されるサスペンションアームとその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のサスペンションアームの一例を図
6に示す。この従来のサスペンションアームは、いわゆ
るリンク式サスペンションのロアアームとして用いられ
るものであり、パイプ材によって形成されたアーム本体
90の長手方向両端にゴムブッシュ91,91を溶接し
た構造である。上記アーム本体90の長手方向中間部に
は、マスダンパ92、およびブレーキ用のケーブルや各
種のハーネスを取付けるためのブラケット93なども溶
接されている。このような構成のサスペンションアーム
では、アーム本体90をパイプ材によって形成している
ために、軽量化が図れる。また、鋳造や金属板のプレス
成形手段などによってアーム本体を製作したものと比較
すると、その製造コストを安価にできる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のものでは、次のような不具合があった。
【0004】すなわち、従来では、アーム本体90の端
部とゴムブッシュ91とを溶接しているが、この溶接作
業は、それらの部材を互いに適切に位置決めして行う必
要があり、また溶接強度の確保の点からその溶接長を長
くする必要もあり、その作業は煩雑なものとなってい
た。加えて、上記溶接作業を行うには、予めアーム本体
90の端部に機械プレス加工を施したり、あるいは適当
な補助部材を連結しておくなどして、サスペンションア
ームの端部をゴムブッシュ91の外筒と適切に溶接でき
るようにするための加工を施しておく必要もあり、その
加工作業も非常に面倒なものとなっていた。とくに、上
記アーム本体90は中空状のパイプ材であるために、そ
の端部をゴムブッシュ91の外筒に適切に溶接できるよ
うにするための加工は、一層面倒なものとなっていたの
である。その結果、従来では、アーム本体90の原材料
として安価なパイプ材を用いてはいるものの、その加工
に要するコストが高価となっていた。また、従来の溶接
によってアーム本体90にゴムブッシュ91を取付ける
方法では、ゴムブッシュ91の位置精度を高めることも
難しいものとなっていた。
【0005】なお、従来では、パイプ材を用いたサスペ
ンションアームの他の例として、特開平8−25929
号公報に記載されたものがある。同公報に記載されたサ
スペンションアームは、パイプ材からなるアーム本体に
液圧成形プレス加工を施すことによってアーム本体の一
部に膨出部を形成し、この膨出部にゴムブッシュを取付
けたものである。ところが、まず同公報の図5や図14
に示されたゴムブッシュの取付構造では、アーム本体の
膨出部にゴムブッシュを直接溶接し、またはゴムブッシ
ュを支持するためのブラケットを直接溶接した構造であ
り、上述した従来のものと実質的になんら相違するとこ
ろはない。したがって、そのような手段では、先に述べ
た不具合を解消することはできない。また、同公報の図
17に示されたゴムブッシュの取付構造では、アーム本
体の膨出部の壁部に設けた開口孔の周縁に、その周縁を
上記開口孔の内側方向へ屈曲させたフランジを設けた上
で、その内部にゴムブッシュを挿入している。ところ
が、開口孔の内側方向へ屈曲したフランジを形成する作
業はさほど簡単ではなく、生産性が悪い。また、上記フ
ランジは、開口孔の周縁部分をその外部から開口孔内に
押し込んだ格好のものであるため、その内径の寸法精度
を高めることも難しいものとなっていた。
【0006】本願発明は、このような事情のもとで考え
出されたものであって、パイプ材を利用したアーム本体
へのゴムブッシュの取付けが容易かつ適切に行えるよう
にして、サスペンションアームの製造コストの低減化を
図ることをその課題としている。
【0007】
【発明の開示】上記の課題を解決するため、本願発明で
は、次の技術的手段を講じている。
【0008】本願発明の第1の側面によれば、サスペン
ションアームが提供される。このサスペンションアーム
は、パイプ材によって形成されたアーム本体にゴムブッ
シュが取付けられているサスペンションアームであっ
て、上記アーム本体の周壁部には、上記ゴムブッシュが
嵌入する開口孔が設けられており、かつこの開口孔の周
縁には、その周縁を上記開口孔の外方に向けて突出させ
たフランジが設けられていることに特徴づけられる。
【0009】本願発明の第2の側面によれば、サスペン
ションアームの製造方法が提供される。この製造方法
は、パイプ材によって形成されたアーム本体にゴムブッ
シュが取付けられているサスペンションアームを製造す
るためのサスペンションアームの製造方法であって、上
記アーム本体に液圧成形プレス加工を施すことにより、
上記アーム本体の周壁部の一定領域がその外方に向けて
張り出したバルジ加工部を形成する工程と、上記バルジ
加工部にその先端部を開口させる加工を施すことによ
り、上記バルジ加工部の基端部を周縁とするゴムブッシ
ュ嵌入用の開口孔を形成する工程と、を有していること
に特徴づけられる。
【0010】本願発明では、アーム本体の開口孔にゴム
ブッシュが嵌入した構造となるが、そのゴムブッシュの
外周面には上記開口孔の周縁に設けられているフランジ
を面接触させることができる。したがって、上記開口孔
にゴムブッシュを安定させて嵌入保持させておくことが
できることは勿論のこと、上記開口孔に対してゴムブッ
シュを圧入させるといった手段を採用することも可能と
なり、ゴムブッシュをアーム本体に対して必ずしも溶接
しなくても、ゴムブッシュの取付けを図ることが可能と
なる。したがって、溶接作業の省略化によって、製造コ
ストの低減化を図ることが可能となる。むろん、上記ゴ
ムブッシュをアーム本体に溶接する場合であっても、そ
の溶接作業は、開口孔にゴムブッシュを嵌入させた状態
でそれらの位置関係を安定させた状態で行うことがで
き、またその溶接長も短くてよいため、従来の溶接作業
と比較するとかなり簡単な作業にすることができる。ま
た、上記開口孔の周縁はフランジによってその剛性が高
められるため、ゴムブッシュの取付部分の強度を高める
のにも好都合となる。
【0011】さらに、重要な効果として、本願発明で
は、アーム本体の開口孔の周縁に設けられているフラン
ジが開口孔の周縁をその開口孔の外方へ向けて突出させ
た構造とされているために、それらの部分の形成は、液
圧成形プレス加工法を利用することによって能率良く行
うことができる。すなわち、上記開口孔やその周縁のフ
ランジは、アーム本体に液圧成形プレス加工を施すこと
によってその周壁部の一定領域にバルジ加工部を形成し
た後に、このバルジ加工部の先端部を切断するなどして
その先端部分を開口させることによって簡単に形成する
ことが可能である。これに対し、開口孔の周縁のフラン
ジを開口孔の内側方向に突出させている特開平8−02
5929号公報に記載の構造では、上述したような液圧
成形プレス加工法を利用した製造方法を用いることがで
きない。したがって、本願発明では、従来よりもサスペ
ンションアームの生産能率を高め、製造コストを一層低
減化することができる。また、液圧成形プレス加工は、
ダイス(金型)によってアーム本体の各部の寸法を正確
に規定することができるために、開口孔やフランジの寸
法精度も簡単に高めることができ、ゴムブッシュをアー
ム本体の所望の位置へ正確に位置合わせすることができ
るという効果も得られる。
【0012】好ましくは、上記開口孔は、非切欠き状で
あり、かつ上記フランジは、上記開口孔の周縁の全周に
わたって設けられている。
【0013】このような構成によれば、上記開口孔の周
囲の強度を高くするのに有利となる。また、開口孔への
ゴムブッシュの嵌入状態をより安定させることができ、
ゴムブッシュの取付けを一層適切なものにできる。
【0014】本願発明のその他の特徴および利点は、次
の発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであ
ろう。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施の
形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0016】図1は、本願発明に係るサスペンションア
ームの一例を示す一部断面概略斜視図である。図2は、
図1に示すサスペンションアームの要部分解斜視図であ
る。図3は、図1のIII −III 断面図である。
【0017】図1に示すサスペンションアームAは、自
動車のリヤサスペンションとして用いられるリンク式サ
スペンションアームのロアアームとして適用されるもの
である。このサスペンションアームAは、パイプ材によ
って形成されたアーム本体1を主要部材とするものであ
り、このアーム本体1の長手方向両端部1a,1bに
は、ゴムブッシュ取付部2A,2Bが設けられている。
また、上記アーム本体1の長手方向中間部には、断面変
化部3や座部4も設けられている。上記アーム本体1
は、一定方向に延びる金属製の丸パイプ材に後述する液
圧成形プレス加工を施すことによって形成されたもので
ある。
【0018】上記ゴムブッシュ取付部2Aは、このサス
ペンションアームAの一端部1aを自動車の車体に連結
するための部分であり、この部分にはゴムブッシュ5が
取付けられている。ゴムブッシュ5は、図3によく表れ
ているように、金属製の円筒状の内筒50と外筒51と
の間にゴム52を介在させたものである。
【0019】上記ゴムブッシュ取付部2Aは、図2によ
く表れているように、アーム本体1の一端部1aの周壁
部に設けられた左右一対の膨出部20,20、左右一対
の開口孔21,21、および左右一対のフランジ22,
22を具備した構成である。上記アーム本体1の一端部
1aは、このアーム本体1の長手方向の他の一般断面部
分よりも大径に形成されている。これにより、ゴムブッ
シュ5の保持に利用される上記開口孔21,21を上記
一端部1aに比較的大きなサイズで形成できるようにな
っている。
【0020】上記一対の膨出部20,20は、アーム本
体1の一端部の周壁部のうち、互いに対向する2箇所の
一定領域を適当寸法L1だけ上記アーム本体1の半径方
向外方へ張り出させた部分である。上記一対の開口孔2
1,21は、互いに対向するように上記膨出部20,2
0に設けられた非切欠き状の側面視円形状の開口孔であ
る。上記一対のフランジ22,22は、上記開口孔2
1,21のそれぞれの周縁の全周部分が上記膨出部2
0,20よりもさらに適当な寸法L2だけ上記アーム本
体1の半径方向外方へ突出した部分であり、それらの基
端部が上記膨出部20,20と一体的に繋がった円筒状
またはリング状の突起状形態を有している。図3によく
表れているように、上記ゴムブッシュ5は、上記開口孔
21,21のそれぞれに一連に嵌入しており、これによ
り上記アーム本体1の一端部1aに取付けられている。
なお、上記各膨出部20やフランジ22は、後述するよ
うに、液圧成形プレス加工によって形成された部分であ
る。
【0021】図1において、上記ゴムブッシュ取付部2
Bは、このサスペンションアームAの他端部1bを自動
車の後輪を支持する車軸に連結するための部分であり、
この部分にもゴムブッシュ5が取付けられている。この
ゴムブッシュ取付部2Bの構造は、上述したゴムブッシ
ュ取付部2Aの構造と同様であり、その構造の説明は省
略する。また、後述するサスペンションアームAの製造
方法の説明においても、このゴムブッシュ取付部2Bに
ついてはその説明を省略する。
【0022】上記断面変化部3は、アーム本体1の長手
方向中間部の一定長さ領域を他の一般部分よりも大径の
略円筒状に膨らませた部分であり、この部分もやはり液
圧成形プレス加工によって形成されている。この断面変
化部3は、マスダンパとしての役割を果たし、サスペン
ションアームAのNVH(Noise,Vibration and Harshn
ess)対策に役立つ。すなわち、上記断面変化部3は、ア
ーム本体1の他の一般部分とはその断面係数が相違する
ため、サスペンションアームAの単体共振周波数を変更
してその振動を抑制するのに役立たせることができる。
この断面変化部3を設ければ、このサスペンションアー
ムAにマスダンパやダイナミックダンパを別付けする必
要を無くすことができる。上記断面変化部3は、必ずし
も略円筒状である必要はなく、たとえば中空矩形断面形
状やその他の断面形状にしてもよい。要は、アーム本体
1の他の一般部分とは断面係数が相違する異径状または
異形状に構成されていればよい。
【0023】上記座部4は、アーム本体1の長手方向中
間部の周壁部の上面部分を上方に張り出させた部分であ
り、その上面は略平面状となっている。この座部4も液
圧成形プレス加工によって形成された部分である。この
座部4は、後輪用ブレーキのケーブルの配索や各種のハ
ーネスの取付用のブラケットとして利用される部分であ
り、必要に応じてその上面部にはネジ穴などが設けられ
ている。このような座部4を設けておけば、たとえばケ
ーブル配索用などのブラケットをアーム本体1に別付け
する必要を無くすことができる。また、その上面は略平
面状であるため、この部分に所望部品を溶接する場合に
は、その溶接作業が容易となる利点も得られる。
【0024】図4(a)〜(c)は、上記サスペンショ
ンアームAの製造工程を示す要部断面図である。
【0025】上記サスペンションアームAを製造するに
は、まずアーム本体1の材料となる一定長さの丸パイプ
材10に液圧成形プレス加工を施す。この液圧成形プレ
ス加工方法自体は従来既知の加工方法であるために、そ
の詳述は省略するが、この加工作業は、たとえば図4
(a)に示すように、所定の内面形状を有するダイス6
(金型)内に丸パイプ材10を挿入配置した状態におい
て、この丸パイプ材10内に高圧の液圧Pを作用させて
行う。これにより、丸パイプ材10の所望箇所を同図仮
想線に示すように拡開させたり、あるいは丸パイプ材1
0の所望箇所を外方へ張り出させるバルジ加工を施すこ
とができ、上記断面変化部3や座部4を一括して簡単に
形成することができる。
【0026】また、上記液圧成形プレス加工によれば、
図4(b)に示す断面形状を有する端部を備えたアーム
本体中間品1’を得ることができる。すなわち、このア
ーム本体中間品1’の端部は、元の丸パイプ材10の直
径よりも大径となるように拡開されている。また、その
周壁部には、その周壁部の一定領域を外方に向けて張り
出させた一対のバルジ加工部7,7が形成されている。
これらのバルジ加工部7,7は、図2および図3におい
て説明した膨出部20,20とフランジ22,22とに
相当する部分を含む形状を有しているが、むろんその先
端部は閉塞状態にあり、上記開口孔21,21は形成さ
れていない。
【0027】上記アーム本体中間品1’を作製した後に
は、上記バルジ加工部7,7の先端部7a,7aを、図
4(b)の仮想線C,Cに沿ってそれらの張り出し方向
と直交する方向に切断する。これにより、図4(c)に
示す断面形状の端部を有するアーム本体1が得られる
が、上記切断作業によれば、上記バルジ加工部7,7の
先端部7a,7aが除去されるため、上記バルジ加工部
7,7の残余の基端部7b,7bの先端が開口し、上記
開口孔21,21が形成される。また、上記バルジ加工
部7,7の残余の基端部7b,7bは、そのまま上述し
た膨出部20,20およびフランジ22,22となる。
【0028】このようにしてアーム本体1を製作した後
には、上記開口孔21,21にゴムブッシュ5を嵌入す
る。この場合、図3に示すように、上記開口孔21,2
1の周縁の全周には一定幅を有するフランジ22,22
が設けられているために、これらフランジ22,22の
内周面を上記ゴムブッシュ5の外筒51の外周面に対し
て面接触させることができる。したがって、上記ゴムブ
ッシュ5をアーム本体1に取付けるための手段として
は、開口孔21,21にゴムブッシュ5を圧入する手段
を採用することができる。その結果、ゴムブッシュ5を
アーム本体1に溶接しなくても、アーム本体1に対する
ゴムブッシュ5の適切な固定保持を図ることが可能とな
る。
【0029】上記開口孔21,21のサイズや位置は、
実質的には、フランジ22,22の内径や位置によって
特定される。その一方、上記フランジ22,22は、液
圧成形プレス加工によって形成されたものであるため、
その位置やサイズは上記ダイス6の内面形状に正確に対
応したものに仕上げることができる。したがって、上記
開口孔21,21を所望のサイズや位置に正確に仕上げ
ることが簡単に行え、これにより上述したゴムブッシュ
5の圧入がより的確に行えるとともに、上記開口孔2
1,21に嵌入するゴムブッシュ5の位置決めも正確に
行うことが可能となる。
【0030】図5は、本願発明に係るサスペンションア
ームの他の例を示す要部分解斜視図である。
【0031】同図に示すサスペンションアームAaは、
アーム本体1Aの拡開された端部1cの周壁部に、その
側部が一部開口した切欠き状の開口孔21A,21Aを
設けているとともに、これらの開口孔21A,21Aの
周縁に、その周縁を外方に向けて突出させた側面視略U
字状のフランジ22A,22Aを設けた構成である。上
記開口孔21A,21Aには、ゴムブッシュ5が嵌入さ
れる。
【0032】上記構成では、先の図1ないし図3に示す
実施形態とは異なり、ゴムブッシュ5を開口孔21A,
21Aに嵌入させただけでは、その前方の切欠開口部分
からゴムブッシュ5が抜け外れる虞れがあり、たとえば
溶接などを施してゴムブッシュ5をアーム本体1Aに固
定させる必要がある。しかしながら、上記構成において
は、上記開口孔21A,21Aにゴムブッシュ5を嵌入
することにより、ゴムブッシュ5とアーム本体1Aとを
簡単に位置決めすることができ、溶接に際しての位置決
め作業が容易となる。また、フランジ22A,22Aに
よってゴムブッシュ5を支持する分だけ、その溶接強度
は小さくて済むために、溶接長をさほど長くする必要も
なくなる。したがって、溶接作業を簡単にできる。さら
に、上記構成においても、フランジ22A,22Aがア
ーム本体1Aの外方に向けて突出しているために、先の
実施形態の場合と同様に、液圧成形プレス加工法を利用
した製造作業によって上記サスペンションアームAaの
製造を能率良く行うことができる。
【0033】また、上記図5に示す構成では、図1ない
し図3に示す実施形態の膨出部20,20に相当する部
分を設けていないが、本願発明では、このような構成と
してもかまわない。ただし、上記膨出部20,20を設
ければ、ゴムブッシュの取付部分近傍の剛性をより高め
ることができる利点が得られる。
【0034】本願発明に係るサスペンションアームの各
部の具体的な構成は、上述の実施形態に限定されず、種
々に設計変更自在である。上述の実施形態では、リンク
式サスペンションアームのロアアームに適用されるサス
ペンションアームを一例として説明したが、本願発明は
これに限定されない。本願発明は、リンク式サスペンシ
ョンアームのアッパアームにも適用することができるこ
とは勿論のこと、それ以外のリヤサスペンションやフロ
ントサスペンションの種々のサスペンションアームに適
用することできる。アーム本体の両端にゴムブッシュを
設けたものに限らず、アーム本体の一端部のみにゴムブ
ッシュを設けたタイプのものにも本願発明を適用するこ
とができることは言うまでもない。
【0035】さらに、本願発明に係るサスペンションア
ームの製造方法の各作業工程の具体的な構成も、上述の
実施形態に限定されず、種々に変更自在である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るサスペンションアームの一例を
示す一部断面概略斜視図である。
【図2】図1に示すサスペンションアームの要部分解斜
視図である。
【図3】図1のIII −III 断面図である。
【図4】(a)〜(c)は、図1に示すサスペンション
アームの製造工程を示す要部断面図である。
【図5】本願発明に係るサスペンションアームの他の例
を示す要部分解斜視図である。
【図6】従来のサスペンションアームの一例を示す斜視
図である。
【符号の説明】
1,1A アーム本体 5 ゴムブッシュ 7 バルジ加工部 20 膨出部 21,21A 開口孔 22,22A フランジ A サスペンションアーム

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パイプ材によって形成されたアーム本体
    にゴムブッシュが取付けられているサスペンションアー
    ムであって、 上記アーム本体の周壁部には、上記ゴムブッシュが嵌入
    する開口孔が設けられており、かつこの開口孔の周縁に
    は、その周縁を上記開口孔の外方に向けて突出させたフ
    ランジが設けられていることを特徴とする、サスペンシ
    ョンアーム。
  2. 【請求項2】 上記開口孔は、非切欠き状であり、かつ
    上記フランジは、上記開口孔の周縁の全周にわたって設
    けられている、請求項1に記載のサスペンションアー
    ム。
  3. 【請求項3】 パイプ材によって形成されたアーム本体
    にゴムブッシュが取付けられているサスペンションアー
    ムを製造するためのサスペンションアームの製造方法で
    あって、 上記アーム本体に液圧成形プレス加工を施すことによ
    り、上記アーム本体の周壁部の一定領域がその外方に向
    けて張り出したバルジ加工部を形成する工程と、 上記バルジ加工部にその先端部を開口させる加工を施す
    ことにより、上記バルジ加工部の基端部を周縁とするゴ
    ムブッシュ嵌入用の開口孔を形成する工程と、 を有していることを特徴とする、サスペンションアーム
    の製造方法。
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