JPH11333975A - 樹脂付き導体箔およびそれを用いた積層板およびそれらの製造方法 - Google Patents

樹脂付き導体箔およびそれを用いた積層板およびそれらの製造方法

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JPH11333975A
JPH11333975A JP14434398A JP14434398A JPH11333975A JP H11333975 A JPH11333975 A JP H11333975A JP 14434398 A JP14434398 A JP 14434398A JP 14434398 A JP14434398 A JP 14434398A JP H11333975 A JPH11333975 A JP H11333975A
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達也 奥西
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哲也 村木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂付き導体箔の取扱性を改善して積層板の
製造の便宜を図り,また積層板の製造に必要な期間の短
縮や平坦性の改善を図ること。 【解決手段】 銅箔1の一面にエポキシ樹脂層5を形成
するとともにその裏面にPETフィルム4を貼着し,積
み重ねてもエポキシ樹脂層5の密着や割れ等が発生する
ことのないRCC10を得る。そして,支持板11の表
裏両面に銅箔2を周辺部のみで貼り合わせ,さらにRC
C10を積み重ねる。この状態で表裏両面のPETフィ
ルム4を剥離し,その後ビルドアップやあらかじめ別途
容易した積層板の積み重ね等を行ってから周辺の接着部
分を切断して除去する。これにより,銅箔2に由来する
平坦な表層導体層を有する積層板を,少ない工程数かつ
短い製造時間で製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,外面や内部に導体
回路を有する積層板を製造するための樹脂付き導体箔に
関する。また,樹脂付き導体箔を用いて積層板を製造す
る方法に関する。さらに詳細には,積層板を製造する過
程における取扱性の向上や製造期間の短縮を図った樹脂
付き導体箔およびそれを用いた積層板およびそれらの製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来,積層板を製造するために,片面が
導体箔でありその裏面側が樹脂層である樹脂付き導体箔
が使用されている。従来の樹脂付き導体箔は,図10に
示すように,銅箔91と,エポキシ層95とを有してい
る。そして,この樹脂付き導体箔を用いての積層板の製
造は,次のように行われている。すなわち,導体箔や樹
脂層のパターニングと積層とを繰り返し,多層化してい
くのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,このよ
うな従来の技術による積層板の製造には,以下のような
問題点があった。すなわち,原材料として使用する樹脂
付き導体箔の片面が,エポキシ樹脂であるために,積み
重ねて保管しておくと隣接するエポキシ樹脂と銅箔とが
接着しやすい。このため,樹脂付き導体箔を1枚ずつ分
離するのが困難である。また,分離してもエポキシ樹脂
の一部が剥離して銅箔の表面に付着したままになってい
る場合がある。これにより,付着したエポキシ樹脂片が
プレスの際に打痕となる等,パターン欠陥の原因なって
しまう。ガラスクロスを含まないエポキシ樹脂のみの層
は割れやすくまた粉末を発生しやすいからである。この
ため,多数の樹脂付き導体箔を積み重ねて保管するため
には,樹脂付き導体箔同士が接触しないように特殊な積
み重ね治具が必要になる等,不便であった。
【0004】さらに,多層化に当たり1層ずつ積層とパ
ターニングとを繰り返していく必要があるので,多層で
あるほど工数が増え,製造に必要な期間が長くなってし
まう。このため,内層部分の導体回路が特注仕様である
と,たとえ外層部分の導体回路が標準的な仕様のもので
あっても,受注から出荷までの期間が長くなる問題があ
った。また,積層とパターニングとを繰り返すことによ
り,上層に行くほど層の平坦性が害され,高いパターニ
ング精度が得にくくなるとともに部品を実装する際の半
田付性も悪くなりがちである。
【0005】本発明は,前記した従来の技術が有する問
題点の解決を目的としてなされたものである。すなわち
その課題とするところは,樹脂付き導体箔の取扱性を改
善して積層板の製造の便宜を図り,また積層板の製造に
必要な期間の短縮や平坦性の改善を図ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題の解決のために
なされた本発明の樹脂付き導体箔は,導体箔とその片面
側の樹脂層とを有し,前記樹脂層の反対側の面に離型材
の層を有している。すなわち,この離型材の層により,
積み重ねたときに隣接する樹脂付き導体箔間で樹脂層と
銅箔とが接着することが防止される。このため,多数の
樹脂付き導体箔を積み重ねて保管しても容易に1枚ずつ
分離して取り出し,積層板の製造に供することができ
る。この場合,積み重ねる樹脂付き導体箔間に隙間を持
たせる等の特殊な保管方法を要しない。なお,前記導体
箔と前記離型材の層との間に接着剤の層を設けると,導
体箔と離型材の層とが剥離することがない。ここにおい
て,樹脂層は通常,エポキシ樹脂の層である。また,離
型材は,PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂や
PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂,PPO
(ポリフェニレンオキサイド)樹脂,あるいはアクリル
系樹脂やフッ素樹脂等の粘着性の低い材料のことであ
る。
【0007】この構造の樹脂付き導体箔は,導体箔の一
面側に離型材の層を形成してから他面側に樹脂層を形成
して製造してもよいし,逆に一面側に樹脂層を形成して
から他面側に離型材の層を形成して製造してもよい。樹
脂層の形成は,導体箔に樹脂を塗布して乾燥させればよ
い。離型材の層の形成は,導体箔に接着剤を介して離型
材のフィルムを貼り合わせればよい。
【0008】また,本発明の積層板の製造方法は,導体
箔(1)とその片面側の樹脂層とを有する樹脂付き導体
箔と,支持板と,導体箔(2)と,を用いて積層板を製
造する方法であって,前記支持板と前記導体箔(2)と
を部分的に貼り合わせ,その導体箔(2)上に前記樹脂
付き導体箔の樹脂層側の面を貼り合わせて積層体を作成
する工程(1)と,前記積層体から前記支持板を取り除
いて,前記導体箔(2)と前記樹脂付き導体箔とを含む
積層板(1)を取り出す工程(2)とを含んでいる。
【0009】この製造方法によれば,まず,工程(1)
により,支持板と導体箔(2)と樹脂付き導体箔とを貼
り合わせた積層体が作成される。この積層体では,支持
板と樹脂付き導体箔とが導体箔(2)を挟んで積層され
ている。ここにおいて,樹脂付き導体箔の樹脂層側の面
が導体箔(2)に貼り合わせられている。また,支持板
と導体箔(2)との貼り合わせは,全面ではなく部分的
になされている。その貼り合わせ箇所は,支持板の周辺
部分とするのが好ましい。また,支持板と導体箔(2)
との貼り合わせと,導体箔(2)と樹脂付き導体箔との
貼り合わせは,どちらを先に行ってもかまわない。そし
て,積層体のうち樹脂付き導体箔の部分について適宜,
公知の方法でパターン加工が施される。また,必要に応
じてその上にさらに上層が積層される。
【0010】そして,工程(2)により,積層体から支
持板が取り除かれる。これにより積層板(1)が取り出
される。それは,導体箔(2)と樹脂付き導体箔とを含
んでいる。かくして,積層板が製造される。かくして製
造された積層板のうち,導体箔(2)に由来する部分
は,下層パターン上に形成されたものではなく,元来平
坦である。したがって,この部分にビアホール等が形成
されていても,平坦性は非常に高い。したがって,高い
精度でパターン加工できる。また,さらにその上に上層
を形成しパターン加工する場合にも高い加工精度が得ら
れる。
【0011】ここにおいて,樹脂付き導体箔としては,
樹脂層の反対側の面に離型材の層を有するものを用いる
ことが好ましい。
【0012】そして,本発明の積層板の製造方法におい
ては,前記工程(1)で,前記支持板の両面に前記導体
箔(2)を部分的に貼り合わせ,各導体箔(2)上に前
記樹脂付き導体箔の樹脂層側の面を貼り合わせることも
できる。このようにすると工程(1)では,支持板の両
面に積層板(1)を有する積層体が作成される。したが
って,この積層体の両面に適宜パターン加工や上層の積
層を行い,そして工程(2)を行うと,2枚の積層板
(1)が得られる。このため,生産効率が高い。
【0013】また,本発明の積層板の製造方法の工程
(2)においては,前記支持板と前記導体箔(2)とが
貼り合わせられている部分を他の部分から切断すれば,
容易に積層板(1)と支持板とが分離し,積層板(1)
が取り出される。
【0014】そして,積層板(1)とは別に積層板
(2)を用意しておき,前記積層板(1)に前記積層板
(2)を貼り合わせれば,さらに多層化した積層板が得
られる。このようにすると,製造に必要な期間をさほど
長期化させないで多層基板を製造することができる。な
お,積層板(1)と積層板(2)との貼り合わせは,積
層板(1)が支持板から分離される前に行ってもよい
し,積層板(1)を支持板から分離してから行ってもよ
い。ただし,積層板(1)と積層板(2)との貼り合わ
せを先に行った方が,全工程数が少なくて済み,より有
利である。
【0015】また,積層板(2)は,あらかじめ用意し
ておいてもよく,あるいは,工程(1)〜工程(2)と
並行して製造してもよい。特に,標準的な仕様の回路パ
ターンを含む基板を積層板(2)としてあらかじめ用意
しておき,特注仕様の回路パターンを積層板(1)の中
に含めることが有益である。全層を受注後に製造する従
来の製造方法と比較して,受注から出荷までの期間を著
しく短縮することができるからである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下,本発明を具体化した実施の
形態について,図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0017】まず,本実施の形態に係る樹脂付き銅箔
(以下,「RCC(Resin Coated Copper )」という)
について,図1の断面図により説明する。図1に示すR
CC10は,銅箔1を中心に,その一面にエポキシ樹脂
層5を形成し,他面にPETフィルム4を貼着してなる
ものである。銅箔1とPETフィルム4との間には,接
着剤層3が介在している。ここにおいて銅箔1は,後に
パターン加工を受け,積層板における回路パターンとな
るものである。ここでは12μm厚のものを用いてい
る。このように薄いものを使用できるのは,RCC10
が,PETフィルム4のついた導体箔として使用される
ものであり,取扱性がよいからである。エポキシ樹脂層
5は,銅箔1の一面にエポキシ樹脂を適度な厚さで塗布
し乾燥させたものである。
【0018】PETフィルム4は,25〜75μm(よ
り好ましくは38〜50μm)厚のものを使用してい
る。この厚さは,プレス時の打痕吸収性(厚い方がよ
い)や剥離時の裂けにくさ(同),プレス時のプレス面
へのなじみ性(薄い方がよい)を考慮して定めたもので
ある。接着剤層3は,ST(パナック株式会社製)接着
剤あるいはHP(同)接着剤等を用いて,銅箔1とPE
Tフィルム4とのピール力が5〜10gf/25mm程
度になるようにしたものである。このRCC10は,多
層の積層板を製造するための出発材料として使用される
ものである。
【0019】このRCC10は,片面がPETフィルム
4で覆われておりこの面の離型性に優れている。このた
め,図2に示すように多数を隙間なくそのまま積み重ね
て保管しておいても,上側のRCC10のエポキシ樹脂
層5が直下のRCC10にくっつくことがない。したが
って,積み重ねて保管している状態から容易にRCC1
0を1枚ずつ取り出し,積層板の製造に供することがで
きる。また,そのときにエポキシ樹脂層5が割れたり,
さらにその破片や粉末がRCC10のPETフィルム4
にくっついたままの状態で積層板の製造に供されること
がない。
【0020】このRCC10は,次のようにして製造さ
れる。まず銅箔1を用意し,PETフィルム4の貼り合
わせを行う。この貼り合わせは,銅箔1とPETフィル
ム4とを,間に接着剤を介在させつつラミネータで貼着
することにより行う。これにより,銅箔1とPETフィ
ルム4とは取扱時に不用意に剥がれてしまうことはない
が,5〜10gf/25mm程度もしくはそれ以上のピ
ール力を加えれば容易に剥離できる状態となる。次い
で,PETフィルム4を貼り合わせた面の裏面側に,エ
ポキシ樹脂層5を形成する。この形成は,エポキシ樹脂
の原材料を溶剤に溶解して7Pa・s程度の粘度に混練
し,これをロールコータを用いて塗布することにより行
う。塗布後は60〜80℃で乾燥を行う。かくして,図
1のRCC10が製造される。なお,PETフィルム4
の貼り合わせとエポキシ樹脂層5の形成との順序につい
ては,これを逆にして,エポキシ樹脂層5の形成をPE
Tフィルム4の貼り合わせより先に行ってもかまわな
い。
【0021】次に,図1のRCC10を利用した積層板
の製造について説明する。このためには,支持板(ガラ
エポ基板等)と,2枚の銅箔(図1中の銅箔1と同じも
のでよい)と,2枚のRCC10(図1のもの)とを用
意する。さらに,RCC10とは別に,内層コアとなる
べき2枚の積層板を別途用意しておく。そして,まず,
図3に示すように,支持板11の表裏両面に,接着剤1
2を用いて銅箔2を貼り合わせる。このとき,貼り合わ
せのための接着剤12が周辺部aのみに存在し,それ以
外の部分bは接着されないようにする。なお,このとき
の接着剤12は,図1中の接着剤層3の接着剤と同じも
のでよい。
【0022】次に,図3の状態のものの表裏両面に,図
1のRCC10を積層し,図4の状態を得る。このとき
表裏とも,RCC10のエポキシ樹脂層5が内側に来る
ようにする。すなわち,エポキシ樹脂層5と銅箔2とが
接触するようにする。積層は,上下から一対の鏡面プレ
ス板を用いて,170〜80℃程度の温度で約60分加
圧して行う。加圧の圧力は,30〜40kgf/cm2
程度とする。これによりエポキシ樹脂層5と銅箔2とが
密着し,全体で一体化する。これが積層体である。この
積層作業において,RCC10がPETフィルム4を有
していることにより,上述のように,エポキシ樹脂層5
の破損等が防止されている。また,仮にエポキシ樹脂そ
の他の粉末が挟まった状態でプレスが行われても,PE
Tフィルム4によりその形状が吸収され,RCC10の
銅箔1に打痕が生じることはない。また,RCC10に
おいてPETフィルム4は接着剤層3を介して銅箔1に
貼り合わせられているので,プレス等の作業の際に不用
意に剥がれてしまうことがない。
【0023】そして,表裏両面のPETフィルム4を剥
離する。PETフィルム4は,5〜10gf/25mm
程度もしくはそれ以上のピール力を加えることにより容
易に剥離できる。このとき,PETフィルム4の厚さが
25μm(より好ましくは38μm)以上あり,極端に
薄いわけではないので,剥離作業の際に裂けて一部がR
CC10の銅箔1上に残ることはない。かくして,図5
の状態が得られる。
【0024】そして,図5に示される積層体に対し表裏
両面に,プレスや穴開け等の公知の手法により絶縁層や
導体層をビルドアップしていく。この状態の積層体を図
6に示す。この状態では,複数の絶縁層や導体層を含む
積層板21が,支持板11の表裏両面に合計2枚形成さ
れている。この中には,銅箔2に接するビアホール13
を含めることもできる。なお,絶縁層や導体層の層数
は,図6に示すものよりもっと多くてもかまわないこと
はもちろんである。
【0025】そして図7に示すように,図6に示す積層
体の表裏両面に,別途用意した内層コア用の積層板22
を重ね合わせてプレスする。このとき,図6に示す積層
体と上下の積層板22との間には,ともにプリプレグ1
5を介在させておく。これにより図8に示すように,R
CC10を利用して得られた積層板21と,別途用意し
た内層コア用の積層板22と,の2つを積層した積層板
が,支持板11の表裏両面に,合計2枚得られる。
【0026】そして,図8中のAに示す位置でこの積層
体を切断する。これにより,支持板11と表裏の積層板
21とが接着剤12により接着されている周辺部分が除
去される。残った中央部分では,支持板11と表裏の積
層板21とは全く接着されていないので,図9に示す積
層板23が2枚得られる。積層板23は,RCC10か
ら得られた積層板21と内層コア板22とを積層したも
のである。図9中最上の導体層14は,図3中の銅箔2
に由来するものである。したがって,凹凸のある絶縁層
上にめっき等により形成されたものと異なり,うねりが
なく本質的に平坦である。このため,ビアホール13上
においても全く凹凸のない平坦な導体層14が得られて
いる。なお,この後導体層14に対しパターンエッチン
グを施して回路加工を行うことができる。
【0027】以上詳細に説明したように本実施の形態に
よれば,銅箔1に対しその一面にエポキシ樹脂層5を形
成するだけでなくその裏面側にPETフィルム4を貼着
したので,積み重ねて保管してもエポキシ樹脂層5の密
着あるいは割れやその破片・粉末に基づく弊害が発生す
ることがない。そしてRCC10において,銅箔1とP
ETフィルム4との間に接着剤層3を介在させたので,
取扱時に銅箔1とPETフィルム4とが不用意に剥がれ
てしまうことなく,かつ,ある程度のピール力を加える
ことにより容易にPETフィルム4を剥離することがで
きるようにされている。さらに,PETフィルム4の厚
さを25μm以上としたので,剥離する際に裂けてその
一部が銅箔1上に残ることがない。かくして,取扱性に
優れたRCC10が実現されている。
【0028】そして,支持板11の表裏両面に銅箔2を
介してRCC10を貼り合わせ,これを用いて積層板2
1を形成し,さらに内層コア用の積層板22を積層して
積層板23とすることとしたので,内層コア用の積層板
22をあらかじめ別途用意しておくことにより,製造に
必要な時間を大幅に短縮でき,また工程数も半減させる
ことができる。また,支持板11の表裏両面と銅箔2と
の間の接着剤12による接着を,周辺部分のみとしたの
で,積層板23が形成されてから周辺の接着部分を切断
して除去することにより,容易に2枚の積層板23を支
持板11から分離して取り出すことができる。さらに,
かくして取り出された積層板23の最上層の導体層14
は,支持板11に最初に貼り合わせられた銅箔2に由来
するものであるので,ビアホール13の直上位置を含め
た全体が本質的に平坦である。このため,パターン加工
を高精度に行うことができ,また部品を実装する際の半
田付性も良好である。
【0029】かくして,平坦性の高い表層導体層を有す
る積層板を少ない工程数で短期間に得ることができる積
層板の製造方法が実現されている。特に,標準的な仕様
の回路パターンを含む基板を積層板22としてあらかじ
め用意しておき,特注仕様の回路パターンをRCC10
に基づく積層板21の中に形成することにより,受注か
ら出荷までの期間を著しく短縮することができる。
【0030】なお,前記実施の形態は単なる例示にすぎ
ず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本
発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改
良,変形が可能である。例えば,導体箔として,銅箔1
や銅箔2の代わりに銅以外の導電性物質の箔を使用して
もよい。また,エポキシ樹脂層5やPETフィルム4等
についても,同様の特性を有する他の材質のもので置き
換えてもよい。
【0031】また,支持板11とRCC10とを利用し
て積層板23を作製するに際し,必ず支持板11の両面
に積層板23を形成しなければならないわけではなく,
片面のみを使用してもかまわない。また,支持板11上
のRCC10を基に形成された積層板21に対し,必ず
積層板22を積み重ねなければならないわけではない。
図6に示す状態で積層板21を支持板11から切り離し
ても,平坦な表層導体層を有する積層板21が得られる
し,その後これに対しさらにビルドアップすることも可
能である。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば,取扱性に優れ保管時の密着や樹脂層の割れ等が
発生しない樹脂付き導体箔がその製造方法とともに提供
されている。また,この樹脂付き導体箔を用いて,平坦
性のよい積層板を短い製造時間で製造することができる
積層板の製造方法が提供されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る樹脂付き銅箔(RCC)の断
面図である。
【図2】RCCを積み重ねて保管している状態を示す図
である。
【図3】支持板の両面に銅箔を部分的に接着した状態を
示す図である。
【図4】図3に示すものの両面に図1のRCCを積層し
た状態を示す図である。
【図5】図4に示すものの両面のPETフィルムを剥離
した状態を示す図である。
【図6】図5に示すものの両面にビルドアップした状態
を示す図である。
【図7】図6に示すものの両面への内層コアの積層を説
明する図である。
【図8】図7に示すもののプレス後を示す図である。
【図9】図8に示すものを切断して取り出した積層板を
示す図である。
【図10】従来の樹脂付き銅箔を示す図である。
【符号の説明】
1 銅箔(導体箔(1)) 2 銅箔(導体箔(2)) 3 接着剤層 4 PETフィルム(離型材の層) 5 エポキシ樹脂層 10 樹脂付き銅箔 11 支持板 21 積層板(積層板(1)) 22 積層板(積層板(2))

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体箔とその片面側の樹脂層とを有する
    樹脂付き導体箔において,前記樹脂層の反対側の面に離
    型材の層を有することを特徴とする樹脂付き導体箔。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載する導体箔において,前
    記導体箔と前記離型材の層との間に接着剤の層を有する
    ことを特徴とする樹脂付き導体箔。
  3. 【請求項3】 導体箔の一面側に樹脂層を形成する工程
    と,前記導体箔の他面側に離型材の層を形成する工程と
    を含むことを特徴とする樹脂付き導体箔の製造方法。
  4. 【請求項4】 導体箔(1)とその片面側の樹脂層とを
    有する樹脂付き導体箔と,支持板と,導体箔(2)と,
    を用いる積層板の製造方法において,前記支持板と前記
    導体箔(2)とを部分的に貼り合わせ,その導体箔
    (2)上に前記樹脂付き導体箔の樹脂層側の面を貼り合
    わせて積層体を作成する工程(1)と,前記積層体から
    前記支持板を取り除いて,前記導体箔(2)と前記樹脂
    付き導体箔とを含む積層板(1)を取り出す工程(2)
    とを含むことを特徴とする積層板の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載する積層板の製造方法に
    おいて,前記樹脂付き導体箔として請求項1に記載する
    ものを用いるとともに,前記工程(1)の後で前記離型
    材の層を除去することを特徴とする積層板の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載する積層板の製造方法に
    おいて,前記工程(1)では,前記支持板の両面に前記
    導体箔(2)を部分的に貼り合わせ,各導体箔(2)上
    に前記樹脂付き導体箔の樹脂層側の面を貼り合わせるこ
    とを特徴とする積層板の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載する積層板の製造方法に
    おいて,前記工程(2)では,前記支持板と前記導体箔
    (2)とが貼り合わせられている部分を他の部分から切
    断することにより前記積層板(1)を取り出すことを特
    徴とする積層板の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項4に記載する積層板の製造方法に
    おいて,積層板(2)を別途用意し,前記積層板(1)
    に前記積層板(2)を貼り合わせる工程を含むことを特
    徴とする積層板の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項4から請求項8までのいずれか1
    つに記載する製造方法により製造された積層板。
JP14434398A 1998-05-26 1998-05-26 積層板の製造方法 Expired - Lifetime JP4201882B2 (ja)

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