JPH11333914A - ブロー成形品およびその製造方法 - Google Patents

ブロー成形品およびその製造方法

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JPH11333914A
JPH11333914A JP14184098A JP14184098A JPH11333914A JP H11333914 A JPH11333914 A JP H11333914A JP 14184098 A JP14184098 A JP 14184098A JP 14184098 A JP14184098 A JP 14184098A JP H11333914 A JPH11333914 A JP H11333914A
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blow
molded article
mouth
preform
container
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JP14184098A
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English (en)
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Masayoshi Suzuta
昌由 鈴田
Hiroto Kajima
浩人 鹿島
Keiko Nakamura
圭子 中村
Hideo Fukushima
英夫 福島
Kenichi Niimi
健一 新見
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】熱可塑性樹脂を射出成形して得たプリフォーム
を用いて成形されたブロー成形品において、成形不良の
原因である「ネジ膨れ」を解消することが可能なブロー
成形品、特に、このブロー成形品と紙を主体とした容器
を複合化し、複合化した容器全体に対するブロー成形品
の重量比が50%以下である超薄肉のブロー成形品を提
供する。 【解決手段】熱可塑性樹脂を射出成形して得たプリフォ
ームを用いて成形された延伸ブロー成形品において、そ
のブロー成形品の口元部内面に少なくとも一つの凹部を
設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】熱可塑性樹脂を射出成形して
得たプリフォームを用いて成形されたブロー成形品にお
いて、そのブロー成形品の口元部内面に少なくとも一つ
以上の凹部を設けることにより、成形不良の原因である
「ネジ膨れ」を解消することが可能なブロー成形品およ
びその製造方法に関し、特に、このブロー成形品と紙を
主体とした容器を複合化し、複合化した容器全体に対す
るブロー成形品の重量比を50%以下にした超薄肉のブ
ロー成形品およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種飲料や調味料や液体洗剤
などを収納する容器としてはポリプロピレン樹脂(P
P)やポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)やポ
リ塩化ビニル樹脂(PVC)などのプラスチック容器が
広く用いられている。
【0003】しかし、近年廃棄物の増加が大きな社会問
題となり、ひいては資源保護の問題や省エネルギー・省
資源問題とともに地球環境問題となっている中、プラス
チックの使用量を減らした容器が望まれている。その対
策として、紙製の外側容器の内部にプラスチック製の注
ぎ口つき袋状容器を収納させた複合容器(バック・イン
・ボックス)が広く使用されている。この容器は軽量で
あり、しかも内容物が収納されていない場合は小さく畳
めることから輸送が容易であり、更に廃棄時にも容器を
減容化することができ、かつ、紙とプラスチックの分別
を容易にし、それぞれのリサイクルが図られるようにし
た環境調和型(エコロジカル)の複合容器である。
【0004】しかしながら、上記複合容器(バック・イ
ン・ボックス)は、例えば注ぎ口つき袋状容器の製造に
おいて、単層あるいは多層フィルムの端縁部をヒートシ
ールなどにより貼り合わせた後、これに射出成形などで
成形された注ぎ口を融着などの手段で接合しなければな
らないなどの製造工程数が多いという不利がある。ま
た、性能面においてもフィルム端面のヒートシール部お
よび注ぎ口の融着部は、融着部位外の部分に比べて耐衝
撃性が劣り、落下衝撃により破袋する場合もあるなどの
問題点もある。
【0005】そこで、内側容器をブロー成形により成形
することで落下衝撃強度や製造工程数の問題を解決する
方法が種々提案されている(例えば、特願平6−212
537号など)。この方法は、あらかじめ内面に接着剤
など塗布された紙を主体として構成された外側容器(カ
ートン)をブロー金型内に載置し、その中に成形温度で
加熱されたプリフォームを挿入し、ブロー成形すること
によって紙を主体とする外側容器と一体でかつ無継目に
ブロー成形により成形されたプラスチック製の内側容器
とを組み合わせて複合容器とするものである。
【0006】この容器は、プラスチック製の内側容器の
超薄肉化により石油資源の節減が図られ、廃棄時に容易
に潰すこと(廃棄物の減容化)ができ、かつ紙とプラス
チックの分別を容易にし、それぞれのリサイクルが図ら
れるようにした環境調和型(エコロジカル)の複合容器
である。
【0007】上述したように、この複合容器は内側容器
の超薄肉化をはかるため、プラスチックの使用量を極力
少なくしている。その結果、内側容器単独では、わずか
な応力で容易に座屈するなど、容器の強度物性が低下す
る可能性がある。そのため、この容器の強度物性の低下
を外側容器で補う必要がある。
【0008】超薄肉化による内側容器(以下、ブロー成
形品と呼ぶ)の強度物性の低下は、紙を主体とする外側
容器1とブロー成形品2との接着強度を強くすることに
より改善することが可能である。特に座屈強度に関して
は、図1(a)に示される複合容器全体図において、肩
フラップ3の口元部3aと肩フラップ3/側面4の稜線
5のコーナー部6の部分における接着強度を向上させる
ことにより、座屈強度を向上させることが可能である。
【0009】しかしながら、上述したように、この複合
容器は、内側のブロー成形品2の超薄肉化を図っている
ため、そのブロー成形品2の成形条件をコントロールす
ることが非常に困難である。その課題として以下の点が
挙げられる。
【0010】まず第1にブロー成形品を成形するときに
生じる「ネジ膨れ」といわれる成形不良である。この不
良はブロー成形品2の口元部7がブロー時に膨れてしま
い、ネジによるキャッピングができない状態を言う。図
2(a)に示すように、ブロー成形品は射出成形により
得られたプリフォーム8を成形機の赤外線ヒーター9で
加熱し、安定化後、延伸ロッドによりプリフォームを延
伸し、圧縮空気によりブローすることで成形される。こ
こで、プリフォーム8の口元部7に一番近い赤外線ヒー
ター9aにより十分加熱されると、遮蔽板13により口
元部7への直接の加熱は防ぐことはできるが、このプリ
フォームが超薄肉ブロー成形品用のものであれば、熱が
伝導しやすいため、口元部にも十分熱が伝わってしま
う。そのため、図2(b)に示すように、ブロー成形が
行われると、口元から圧縮空気が漏れる際に口元部7が
膨れてしまい、「ネジ膨れ」が発生する。
【0011】第2の課題は口元部7における外側容器1
とブロー成形品の接着不良である。上述した「ネジ膨
れ」を解決するには、プリフォーム8の口元部7に一番
近い赤外線ヒーター9aのレベルを落とし、口元部7へ
の熱伝導を少なくすればよい。このような作業により
「ネジ膨れ」を解消することは可能であるが、ブロー成
形品2の口元部7の直下を加熱レベルを落とすことよ
り、ブロー成形品2の外側容器1の肩フラップ口元部3
aに相当する箇所の熱量が不足し、図2(c)に示すよ
うに肩フラップ部分の伸びが不十分であったり、仮に伸
びたとしても熱量が不足しているため外側容器1とブロ
ー成形品2の接着不良が生じる。
【0012】第2の課題による接着不良は、外観不良を
伴うだけでなく、上述した容器の強度物性にも大きく影
響を与える可能性がある。また、図2(c)に示される
状態では、どのようなタイプの接着剤を用いたとしても
接着不良改善は期待できない。このことより、プリフォ
ーム8の口元部7に一番近い赤外線ヒータ9aのレベル
を落とすことなしに、肩フラップ上部3aの接着強度を
改善し、延伸ブローの際に生じる「ネジ膨れ」を解消し
たいのが現状である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は上記の
実状を考慮したものであり、熱可塑性樹脂を射出成形し
て得たプリフォームを用いて成形されたブロー成形品に
おいて、そのブロー成形品の口元内部に少なくとも一つ
以上の凹部を設け、さらには、プリフォーム口元部横方
向の断面積を100%としたときに、その凹部の面積率
が5%以上30%以下になるような口元形状にすること
により、成形不良の原因である「ネジ膨れ」を解消する
ことが可能なブロー成形品、特に、このブロー成形品と
紙を主体とした容器を複合化し、複合化した容器全体に
対するブロー成形品の重量比が50%以下である超薄肉
のブロー成形品を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
の発明は、熱可塑性樹脂を射出成形して得たプリフォー
ムを用いて成形された延伸ブロー成形品において、その
ブロー成形品の口元部内面に少なくとも一つの凹部を設
けたことを特徴とするブロー成形品としたものである。
【0015】また、本発明の第2の発明は、第1の発明
に記載の延伸ブロー成形品において、プリフォーム口元
部横方向の断面積を100%としたときに、凹部の面積
率が5%以上30%以下になるような口元形状を有する
ことを特徴とするブロー成形品としたものである。
【0016】また、本発明の第3の発明は、第1または
第2の発明に記載の延伸ブロー成形品において、紙を主
体とした容器と、この延伸ブロー成形品が複合化されて
いることを特徴とするブロー成形品としたものである。
【0017】また、本発明の第4の発明は、第1、第2
または第3の発明に記載の延伸ブロー成形品において、
紙を主体とした容器内面に、接着剤もしくは接着性を有
する樹脂層が設けられており、加熱されたプリフォーム
の熱を利用して、紙容器と延伸ブロー成形品を一体成形
により複合化されたことを特徴とするブロー成形品とし
たものである。
【0018】また、本発明の第5の発明は、第1、第
2、第3または第4の発明に記載の延伸ブロー成形品に
おいて、紙を主体とした容器と、この延伸ブロー成形品
が複合化されており、複合容器全体に対するこの延伸ブ
ロー成形品の重量比が50%以下であることを特徴とす
るブロー成形品としたものである。
【0019】そして、本発明の第6の発明は、第1、第
2、第3、第4または第5の発明に記載のブロー成形品
を製造する方法において、ブロー成形品の口元部内面に
設けた少なくとも一つの凹部が、ブローエアーの逃げ道
の機能を果たすことを特徴とするブロー成形品の製造方
法としたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
ブロー成形品、特に紙を主体とした外側容器とブロー成
形品を複合化させた複合容器は、図1(a)に示される
形状を有する。この時、外側容器1は、図1(b)に示
すように、最外樹脂層1a、紙層1b、最内樹脂層1c
とから構成されている。紙層1bは具体的に包装用紙、
雑誌種、紙器用板紙の紙群から選ぶことができ、包装用
紙としては未晒し包装紙及び晒し包装紙を用いることが
可能である。また、紙器用板紙としてはマニラボール、
白ボール黄板紙、チップボール、色板紙など古紙を含ん
だ原紙を用いることが可能であり、更には100%バー
ジンパルプの原紙も使用可能である。最外樹脂層1aと
してはポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などポリ
オレフィン系の樹脂を用いることが可能であり、最内樹
脂層1cとしてはポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹
脂などポリオレフィン系の樹脂のほか、ポリエチレンテ
レフタレート樹脂、ポリアミド樹脂やエチレン−ビニル
アルコール共重合物のようなバリア製樹脂を使用するこ
とが可能であり、またこれらの樹脂を組み合わせた複合
フィルムやアルミ箔を含む多層フィルムの多層構造にす
ることも可能である。
【0021】外側容器1とブロー成形品2を接着させる
為に用いられる接着媒体10としては、溶剤希釈型のE
VA系やポリオレフィン系、ポリエステル系のホットラ
ッカーやエマルジョン型接着剤、感熱型接着剤、感圧型
接着剤、反応型接着剤などを選ぶことができ、塗工方法
も上述したグラビアコートやロールコート、リバースコ
ートなど、用いる接着剤の種類に応じたコート方法を選
択することができる。また、このような接着媒体10以
外にも、接着性を有する樹脂層(接着性樹脂)を最内樹
脂層として押出ラミネートなどの手法を用いて紙層にラ
ミネートすることも可能である。この時の接着性樹脂は
超低密度ポリエチレンに粘着付与剤を添加した粘着型の
接着性樹脂や、ポリエチレンにアクリル酸エステル(あ
るいはメタクリル酸エステル)と無水マレイン酸やエス
テル成分を共重合させた接着性樹脂、あるいはポリオレ
フィン系樹脂に無水マレイン酸をグラフト重合させた接
着性樹脂などが使用可能であり、さらにブロー成形品2
に用いる樹脂の種類によっては低あるいは非結晶質のエ
チレン−αオレフィン共重合体のような熱可塑性エラス
トマーも使用可能である。
【0022】外側容器1とブロー成形品2を接着させる
際には、この複合容器を使用後に分別廃棄を行うことを
考慮していた方が好ましい。外側容器1とブロー成形品
2は、図4に示すように、肩フラップ3及び底フラップ
に接着媒体10を設け、これらの箇所で局所的に接着さ
れていた方が分離性を考慮すると好ましい。接着媒体1
0として接着剤を用いる場合は、外側容器1の最内樹脂
層1cにグラビアコートなどの手法により、肩フラップ
3および底フラップ部分に接着剤を塗工させておくこと
ができ、接着性樹脂を用いる際には、外側容器1とブロ
ー成形品2との接着を阻害するコーティング層を、複合
容器の胴部に当たる箇所に塗工しておいても構わない。
この時のコーティング層としては、シリコーン系剥離剤
や、通常印刷で用いられているウレタン系、ニトロセル
ロース系、ポリアミド系、アクリル系のインキやその成
分から構成されるワニス、さらにはオフセットインキ
や、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレートに代
表されるUV、EB硬化インキを用いることが可能であ
り、これらのコーティング法としては、グラビアコー
ト、ロールコート、リバースコートなど、塗工に用いる
コーティング剤の種類に応じて様々な方法を利用するこ
とが可能である。
【0023】一方、ブロー成形品2はポリエチレン樹脂
やポリプロピレン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリ
メチルペンテン樹脂などのポリオレフィン樹脂からポリ
エチレンテレフタレート樹脂やポリエチレンナフタレー
ト樹脂やこれらの混合物、ポリアクリロニトリル樹脂な
ど延伸ブロー成形が可能な樹脂であれば種類を問わな
い。また、このブロー成形品2は単層でも多層構成でも
かまわない。
【0024】本発明のブロー成形品の代表的な口元形状
を図3(a)および(b)に示す。この形状は、プリフ
ォーム8の口元部7と、その口元部に挿入する成形機マ
ンドレル12部との間に凹部14を設け、プリフォーム
口元部横方向の断面積を100%としたときに、成形品
の口元部と成形機マンドレル部との間にできた凹部の面
積率が5%以上30%以下になるような口元形状に設計
されている。上述したように、「ネジ膨れ」は、プリフ
ォーム8の口元部7に一番近い赤外線ヒーター9aで十
分加熱されることにより口元部に十分熱が伝わり、その
結果、図2(b)に示すように、ブロー成形が行われる
と、口元から圧縮空気が強引に逃げようとするために発
生する。
【0025】本発明のブロー成形品2の場合、プリフォ
ーム8の口元部7とマンドレル部12との間に面積率で
5%以上30%以下の凹部14を設けることで、図3
(b)に示すように口元部7からの圧縮空気の逃げをス
ムーズに行うことが可能である。その結果、「ネジ膨
れ」を発生することなく、肩フラップ3の接着性の良好
な複合容器を得ることが可能である。この時、凹部14
の面積率が5%以下であると、口元7からの圧縮空気の
逃げがスムーズに行われにくいため、「ネジ膨れ」を発
生する可能性があり、さらに、30%以上では圧縮空気
が逃げすぎてブロー成形品2を得ることができない。そ
のため、この時のプリフォーム8の口元部7とマンドレ
ル12との間の凹部14は5%以上30%以下、好まし
くは、10%以上20%以下が好ましい。また、口元部
7の形状は、成形に問題がない程度に、口元部7から圧
縮空気を逃がすことができる形状であれば、とくに制限
はないが、図3(a)に示すような形状にすることによ
り、凹部14からは空気が逃げ、マンドレル12と接す
る部分は、その接点部11の一つ一つがアーチ状に似た
形状をとるので、「ネジ膨れ」を発生しない程の強度を
有することが可能である。
【0026】このように、ブロー成形品2の口元7の形
状を図3(a)のように、延伸ブロー成形に影響がない
程度に圧縮空気をこの凹部14からスムーズに漏らすこ
とにより、「ネジ膨れ」を発生することなく、肩フラッ
プ上部の接着性に優れた成形品を得ることが可能であ
る。
【0027】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明の技
術範囲はこれらの実施例に限られるものではない。
【0028】<実施例1>紙層1bとして100%バー
ジンパルプの原紙(坪量310g/m2 )を用い、その
最外樹脂層1a、最内樹脂層1cとして低密度ポリエチ
レン樹脂をラミネートした。図4に示されるように肩フ
ラップ3と底フラップにEVA系のホットラッカーを塗
工した後(塗工量1.8g/m2 )、図4の形状にブラ
ンク断ちを行った。その後、フレームシール機を用い
て、熱融着により背貼りを行ない、外側容器1を作製し
た。一方、内側容器となるブロー成形品2を得るため
に、あらかじめ、ポリプロピレン樹脂を用いてプリフォ
ーム8を作製した。このプリフォーム8の重量は23g
である。その時の口元部7の形状は図3(a)および
(b)に示す形状のものであり、プリフォーム8の口元
部7とマンドレル12との凹部14を20%になるよう
に設計した。このようにして得られた外側容器1を2軸
延伸ブロー成形機の金型にセットし、上記プリフォーム
8を2軸延伸ブロー成形機に搭載された赤外線ヒーター
9で加熱延伸ブロー成形する事により、内容量800m
lの複合容器を得た。この時の複合容器は、「ネジ膨
れ」も発生せず、肩フラップ上部3aの接着性も良いた
め、外観不良を伴うことなく容器の強度物性にも十分な
ものであった。また、この時の複合容器全体の重量は4
8gであることから、内側のブロー成形品2の重量比を
50%以下に抑えることが可能であり、さらに一般的に
使用される容器のよりも少ない樹脂量で成形することが
可能であるから、省資源にも対応できるものであった。
以後、複合容器の容量、重量、ブロー成形品2の重量
比、口元部7形状、凹部14の面積率(%)、「ネジ膨
れ」の有無、肩フラップ口元部3aの接着性、外観、座
屈強度とともに表1にまとめる。また、座屈強度は、テ
ンシロンにてクロスヘッドスピード20mm/min.
で測定したときの上降伏点荷重を示す。
【0029】<実施例2>口元形状を図3(a)に示す
形状にし、その凹部14の面積率を15%にした以外は
実施例1と同様である。
【0030】<実施例3>口元形状を図5に示す形状に
し、その凹部14の面積率を20%にした以外は実施例
1と同様である。
【0031】<実施例4>口元形状を図3(a)に示す
形状にし、その凹部14の面積率を10%にした。ま
た、プリフォーム8重量を23gにして容量1000m
lの複合容器を成形した(重量比43%)。それ以外は
実施例1と同様である。
【0032】<実施例5>口元形状を図5に示す形状に
し、その凹部14の面積率を30%にした以外は実施例
4と同様である。
【0033】<比較例1>口元形状を図6に示す形状に
し、プリフォーム8の口元部7とマンドレル12間の凹
部14を無くした(凹部14の面積率0%)以外は、実
施例1と同様である。
【0034】<比較例2>口元形状を図6に示す形状に
した(凹部14の面積率0%)。そして、実施例1で得
られた成形品の成形条件において、図2(a)に示す赤
外線ヒータ9aのレベルを下げることにより、「ネジ膨
れ」の解消を試みた以外は実施例1と同様である。
【0035】<比較例3>口元形状を図7に示す形状
(凹部14の面積率2%)にした以外は、実施例1と同
様である。
【0036】<比較例4>口元形状を図8に示す形状
(凹部14の面積率40%)にした以外は、実施例1と
同様である。
【0037】
【表1】
【0038】以上の結果から以下のことが分かる。本発
明のブロー成形品2の場合、プリフォーム8の口元部7
とマンドレル12との間に面積率5%以上30%以下の
凹部14を設けることで、図3(b)に示すように口元
部7からの圧縮空気の逃げをスムーズに行うことが可能
であり、その結果、「ネジ膨れ」を解消することが可能
である。比較例1の場合、ブロー成形品2の口元部7と
マンドレル部12の間を圧縮空気が強引に逃げようとす
るため、「ネジ膨れ」が発生することが分かる。比較例
2の場合、この「ネジ膨れ」を解消させるために、肩フ
ラップ3口元直下の加熱レベルを下げると、肩フラップ
口元部3aで接着不良が発生し、外観不良、座屈強度の
低下を伴うことが分かる。比較例3の場合、ブロー成形
品2の口元部7とマンドレル12間の凹部14の面積率
が非常に小さいため、比較例1と同様な結果を起こすこ
とが分かる。比較例4の場合、この凹部14の面積率が
非常に大きいため、圧縮空気が逃げすぎてしまい、成形
品を作ることができないことが分かる。実施例1乃至5
に示す口元部7の形状を有することにより、「ネジ膨
れ」もなく、肩フラップ口元部3aの接着不良に起因す
る外観不良、強度物性低下を抑えることができる。ま
た、内側のブロー成形品2が非常に薄肉で、さらにポリ
プロピレン樹脂のように熱伝導率が比較的高い樹脂にお
いても、「ネジ膨れ」解消の効果を得ることが可能であ
ることから、省資源にも対応させることが可能である。
【0039】
【発明の効果】本発明は以上の如き構成であるから下記
に示す如き優れた実用上の効果を有する。即ち、超薄肉
のブロー成形において口元部の「ネジ膨れ」を解消する
ことができる。又、これにより紙との複合容器において
特にブロー成形品の重量比を低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複合容器の全体図およびその一部の断面図であ
る。
【図2】(a)、(b)および(c)は、プリフォーム
とヒーターの関係および成形不良の発生を示す模式図で
ある。
【図3】本発明の口元形状の一例を示す。(a)は、断
面説明図で、(b)は、斜視説明図である。
【図4】本発明に用いた外側容器のブランク形状および
接着部分を示す平面図である。
【図5】実施例3または5で用いた口元形状の断面で表
わした説明図である。
【図6】比較例1または2の口元形状の断面で表わした
説明図である。
【図7】比較例3の口元形状の断面で表わした説明図で
ある。
【図8】比較例4の口元形状の断面で表わした説明図で
ある。
【符号の説明】
1 ‥‥外側容器 1a‥‥最外樹脂層 1b‥‥紙層 1c‥‥最内樹脂層 2 ‥‥ブロー成形品(内側容器) 3 ‥‥肩フラップ 3a‥‥肩フラップ口元部 4 ‥‥側面 5 ‥‥稜線 6 ‥‥コーナー部 7 ‥‥口元部 8 ‥‥プリフォーム 9 ‥‥赤外線ヒータ 9a‥‥赤外線ヒータ(口元部加熱) 10 ‥‥接着媒体 11 ‥‥接点部(プリフォーム/マンドレル) 12 ‥‥マンドレル 13 ‥‥遮蔽版 14 ‥‥凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 105:20 B29L 22:00 (72)発明者 福島 英夫 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 新見 健一 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂を射出成形して得たプリフォ
    ームを用いて成形された延伸ブロー成形品において、そ
    のブロー成形品の口元部内面に少なくとも一つの凹部を
    設けたことを特徴とするブロー成形品。
  2. 【請求項2】請求項1記載の延伸ブロー成形品におい
    て、プリフォーム口元部横方向の断面積を100%とし
    たときに、凹部の面積率が5%以上30%以下になるよ
    うな口元形状を有することを特徴とするブロー成形品。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の延伸ブロー成形品
    において、紙を主体とした容器と、この延伸ブロー成形
    品が複合化されていることを特徴とするブロー成形品。
  4. 【請求項4】請求項1,2または3記載の延伸ブロー成
    形品において、紙を主体とした容器内面に、接着剤もし
    くは接着性を有する樹脂層が設けられており、加熱され
    たプリフォームの熱を利用して、紙容器と延伸ブロー成
    形品を一体成形により複合化されたことを特徴とするブ
    ロー成形品。
  5. 【請求項5】請求項1,2,3または4記載の延伸ブロ
    ー成形品において、紙を主体とした容器と、この延伸ブ
    ロー成形品が複合化されており、複合容器全体に対する
    この延伸ブロー成形品の重量比が50%以下であること
    を特徴とするブロー成形品。
  6. 【請求項6】請求項1,2,3,4または5記載のブロ
    ー成形品を製造する方法において、ブロー成形品の口元
    部内面に設けた少なくとも一つの凹部が、ブローエアー
    の逃げ道の機能を果たすことを特徴とするブロー成形品
    の製造方法。
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