JPH11332572A - フジツボ第5接着蛋白質遺伝子 - Google Patents
フジツボ第5接着蛋白質遺伝子Info
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- JPH11332572A JPH11332572A JP10149137A JP14913798A JPH11332572A JP H11332572 A JPH11332572 A JP H11332572A JP 10149137 A JP10149137 A JP 10149137A JP 14913798 A JP14913798 A JP 14913798A JP H11332572 A JPH11332572 A JP H11332572A
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Abstract
る第5接着蛋白質をコードする遺伝子。 【効果】 接着剤の原料として有用な蛋白質を提供す
る。
Description
使用できる接着剤の原料となる蛋白質を組み換えDNA技
術を用いて製造するために用いるDNAに関する。接着蛋
白質をコードするDNAを組み込んだ組み換え体DNAを含む
微生物や培養細胞を培養液中で培養し、該培養物中に蓄
積される蛋白質は接着剤の原料や細胞培養の基質として
広い用途で利用されることが期待される。
様々な種類のものが開発されている。そのうちの多くの
ものは一旦乾燥条件下で接着してしまえば湿潤環境にお
かれてもその強度を維持できる。しかし、湿潤な条件下
や水中で接着を開始した場合、有効な強度に達すること
ができる接着剤は存在しなかった。フジツボは、セメン
トと呼ばれる蛋白質を主成分とする物質を基盤に分泌し
て、海水中で強く接着することができる。この蛋白質の
アミノ酸組成は調べられており、一般的な不溶性の蛋白
質とは異なることが示唆されていた(G.Walker,J.mar.bi
ol.Ass.U.K.(1972)52,429-7435)。アカフジツボのセメ
ントからは4つの接着蛋白質の遺伝子がクローニングさ
れ、その構造が決定されているが、その他の蛋白質成分
については未だわかっていない。
の手法を用いてセメント中に含まれる第5接着蛋白質を
生産すべく、その生産のもととなる遺伝子を提供するこ
とを目的とする。
中に含まれる第5接着蛋白質遺伝子の全配列を得るため
に、タテジマフジツボのセメントのグアニディン水溶液
可溶性画分のSDS-PAGE上約40kDaの蛋白質を単離し、そ
の部分アミノ酸配列をまず決定し、それをもとに第5接
着蛋白質をコードするcDNAを単離することに成功し、さ
らにその塩基配列を決定して本発明を完成した。即ち、
本発明は、以下の(a) 又は(b) の蛋白質をコードする遺
伝子である。 (a) 配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる蛋白質 (b) 配列番号2に記載のアミノ酸配列において1若しく
は複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたア
ミノ酸配列からなり、かつ接着性を有する蛋白質
本発明の遺伝子は、(a) 配列番号2に記載のアミノ酸配
列からなる蛋白質、又は(b) 配列番号2に記載のアミノ
酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、置
換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ接着
性を有する蛋白質をコードする。ここで、欠失、置換若
しくは付加は、本願の出願時において常用される技術、
例えば、部位特異的変異誘発法(Nucleic Acids Res. 1
0, 6487-6500, 1982)により生じさせることができる。
ることができる。まず、フジツボの底殻より分泌される
セメントを集め6Mグアニディン塩酸/燐酸緩衝液(PH6)
により可溶化される画分を遠心により集める。この可溶
性画分を電気泳動にて分離し、分離された40kDa近辺の
蛋白質を、そのままPVDF膜に電気的に転写した後、切り
出し、プロテインシークエンサーによりアミノ末端から
のアミノ酸配列を決定する。また、電気泳動によって分
離された上記の蛋白質をPVDF膜に電気的に転写した後、
ポンソーS染色してから切り出し、脱色後PVP-40による
ブロッキングを経て、適当なプロテアーゼにより断片化
する。これを逆相HPLCによる分取後、プロテインシーク
エンサーによりアミノ酸配列を決定する。これにより内
部のアミノ酸配列を決定することができる。
ニディン等により可溶化し、フェノール/クロロホルム
による抽出を行い、イソプロパノールにより沈殿させる
ことにより全RNAを得ることができる。全RNAを得る方法
はこの方法に限定されるものではなく、LiCl沈殿法や塩
化セシウム溶液に重層して遠心することによっても得ら
れる。全RNAから、オリゴdTセルロースカラムを用いて
ポリアデニル酸鎖を有するRNA(ポリA-RNA)を調製する。
このポリA-RNAを鋳型として逆転写酵素を用いて2本鎖D
NAを調製する。この2本鎖DNAの合成はS1ヌクレアーゼ
法やオカヤマーバーグ法により行ないえるが、市販のcD
NA合成キットを用いて合成することも可能である。次い
で、得られたcDNAを適当なベクターに挿入し、このベク
ターを適当な宿主に導入して増幅させると共に目的のDN
Aを持つクローンを選択する。ベクターはλファージ由
来の各種ベクターたとえばλgt10やλZapII など、ある
いはpBR322等のプラスミドベクターを用いることができ
る。目的クローンの選択には、第5接着蛋白質の部分ア
ミノ酸配列の一部に相当するオリゴヌクレオチドを合成
してプローブとして用い、これに強く結合するクローン
を選択すればよい。配列の決定はサンガー法やマキサム
−ギルバート法等の一般的な方法によって決定できる。
以上の手順により翻訳開始コドンから終始コドン、さら
にポリアデニル酸鎖付加シグナルを含む第5接着蛋白質
cDNAの全長を単離することができる。
全塩基配列は、配列番号1に示すように既に決定されて
いるので、これを利用して本発明の遺伝子を得ることも
可能である。例えば、配列番号1の5'末端側及び3'末端
側の配列に基づき、プライマーを合成し、タテジマフジ
ツボから調製されたDNA あるいはRNA を鋳型としてPCR
を行うことによっても本発明の遺伝子を得ることができ
る。なお、本発明の遺伝子を導入した大腸菌は、工業技
術院生命工学工業技術研究所に受託番号FERM P-16823と
して寄託されている(寄託日:平成10年5月25日)。単
離した本発明の遺伝子は適当な発現ベクターに挿入し、
微生物や培養細胞に導入して発現させることにより、当
該ペプチドを大量調製することが可能である。
酸配列の決定 静岡県駿河湾岸で採取したタテジマフジツボの底殻より
分泌されるセメントを集め、グアニディン塩酸水溶液(p
H6)に懸濁し、可溶性画分を回収、SDS-電気泳動により
分離後、0.1% SDS存在下でPVDF膜に電気的に転写し、CB
Bにより染色して第5接着蛋白質を得た。また、断片ペ
プチドを得るため、電気泳動によって分離されたセメン
ト第5接着蛋白質をPVDF膜に電気的に転写した後、ポン
ソーS染色してから切り出し、脱色後PVP-40によるブロ
ッキングを経て、リジン特異的プロテアーゼにより断片
化し、逆相HPLCによりセメント第5接着蛋白質の断片ペ
プチドを分取した。それぞれプロテインシークエンサー
により、アミノ酸配列を決定した。
ツボ10個体をチオシアン酸グアニディン、クエン酸ナト
リウム、N-ラウリルザルコシン酸ナトリウム、2−メル
カプトエタノール等の溶液中で組織を機械的に破砕し、
フェノール及びクロロホルムによる抽出を行なって、蛋
白質などを除去した後、イソプロパノールを加えて沈殿
させることにより全RNAを抽出し、オリゴdTセルロース
カラムに導通してポリアデニル酸鎖を有するRNA(ポリA-
RNA)を調製した。この操作により約2μgのポリA-RNAが
得られた。次にこのポリA-RNAを鋳型として逆転写酵素
を用いて2本鎖cDNAを調製した。この操作はアマシャム
社のcDNA合成キットを用いて添付のプロトコールに従っ
て行なった。次いで得られた2本鎖DNAにEcoRI −NotI
−BamHI アダプターを付加し、ファージベクターλZapI
I に挿入した。この操作は、アマシャム社のcDNA合成シ
ステムを用いて添付のプロトコールに従って行なった。
挿入の完了したファージベクターは同キットに添付のイ
ンビトロパッケージング溶液を用いて組み換えDNAをフ
ァージ内に封入させた。封入の完了した組み換えファー
ジは、大腸菌XL-I blueに感染させ、増幅した。
組み換えファージの選択 実施例2で得られた組み換えファージを増幅させ、得ら
れた5万個のプラークをナイロンメンブレン ハイボン
ドN(Amersham社)上に固定した。次いで、実施例1で決
定したペプチド断片のアミノ酸配列に相当するオリゴヌ
クレオチドプローブCA(T,C)TT(T,C)GC(A,T,G,C)GG(A,T,
G,C)AT(A,T,C)GA(T,C)(T,C)TをミリジェンサイクロンDN
A合成機により合成し、α32P-ATPによる末端ラベルによ
り標識して、プラークハイブリダイゼーションを行なっ
た。その結果、1万クローンより、プローブと結合する2
0個以上のプラークが得られた。これらのうち10個のプ
ラークを任意に選び、挿入されているcDNAの長さをアガ
ロース電気泳動により調べて、最も長い挿入断片を持つ
ものについてファージベクターからEXASSIST system(St
ratagene社)を用いてプラスミドベクターを切り出し
た。
列決定 実施例3で得られた挿入断片の配列をアプライドバイオ
システムズ社製373A-DNAシーケンサー及びシーケン
シングキットを用いて配列を決定した。その結果、この
挿入断片が第5接着蛋白質の成熟体の全長を含む配列で
あることが判明した。得られた接着蛋白質遺伝子は配列
番号1に示した通り、388 残基のアミノ酸配列をコード
する全長1308bpの配列であり、最上流から16残基はシグ
ナルペプチドにあたる。下流側の非翻訳領域にはポリア
デニル酸鎖が存在した。
を提供する。本発明の遺伝子から作られる蛋白質は、接
着剤の原料として極めて有用である。
Ser Ala Ala Leu Cys Ala Gly 1 5
10 15 His Tyr Gly Thr Tyr Leu Gln Ser Arg
His Phe Ala Gly Ile Asp Leu 20 25
30 Ser Pro Tyr Trp Gln Pro Arg Tyr Cys
Ala Pro Ile Arg Leu Arg Tyr 35 40
45 Pro Asp Ile Ser Asp Leu Thr Cys Tyr
Tyr Ile Val Gln Tyr Tyr Val 50 55
60 Arg Arg Pro Pro Arg Leu Tyr Leu Pro
His Leu Gly Leu Pro His Ile 65 70
75 80 Ser Pro Lys Ser Leu Val Pro Gln Arg
Tyr Trp Val Gln Tyr Leu Ser 85
90 95 Lys Leu Val Asp Leu Met Pro Pro Val
Phe Tyr Tyr Pro Lys Pro Phe 100 105
110 Tyr Ser Asn Leu Tyr Ser His Val Ser
Lys Tyr Tyr Pro Thr Ile Thr 115 120
125 Asp Ser Ser Leu Tyr Phe Asp His Leu
Ala Leu Thr Asp Thr Tyr Met 130 135
140 Cys Ser His Leu Val Ala Pro Ala Ser
Trp Ser Leu Phe Arg Pro Phe 145 150
155 160 Tyr Ser Arg His Val Leu Ser Leu Asn
Phe Lys Arg His Phe Ala Arg 165
170 175 Tyr Gln Tyr Val Phe Pro Arg Leu Pro
Thr Ile Val Ser Arg Leu Lys 180 185
190 Thr Tyr Gln Phe Ile Pro Ser Lys Pro
Tyr Phe Lys Arg Ala Ser Leu 195 200
205 Lys Ser Leu Leu Ile Gly Lys Thr Arg
Leu Ser Tyr Pro His Pro Asp 210 215
220 Leu Phe Pro Glu Lys Asn Leu Trp Phe
Pro Arg Arg Thr Leu Arg Gly 225 230
235 240 Leu Tyr Lys Tyr Leu Ser Lys Arg Lys
Tyr Pro Trp Ser Ser Trp Leu 245
250 255 Ser Arg Ile Lys Thr Ile Thr Thr Pro
Lys His Ile Lys Trp Gly Ser 260 265
270 Gly Tyr Asp Gly Leu Val Cys Gln Ala
Lys Tyr Ser His Leu Ser Phe 275 280
285 Leu Cys Pro Ala Trp Ser His Gly Leu
Leu Pro Val Leu Arg Leu Arg 290 295
300 Phe Ala Ser Tyr Pro Lys Asp Ile Ile
Tyr Ser Arg Lys Ala Thr Phe 305 310
315 320 Gln Ser Phe Leu Ser Gly Phe Leu Tyr
Gln Trp Arg Pro Arg Ile Arg 325
330 335 Val Tyr Ser Gln Arg Leu Val Thr Lys
Ala Leu Leu Ala Phe Asp Ser 340 345
350 Tyr Ala Cys Ser Trp Leu Gly Ile His
Phe Ser Ser Arg Tyr Lys Phe 355 360
365 Cys Lys Pro Ser Asn Leu Trp Tyr Pro
Thr Leu Tyr Ser Gly Cys Lys 370 375
380 Ser Tyr Gly Cys 385
Claims (1)
- 【請求項1】 以下の(a) 又は(b) の蛋白質をコードす
る遺伝子。 (a) 配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる蛋白質 (b) 配列番号2に記載のアミノ酸配列において1若しく
は複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたア
ミノ酸配列からなり、かつ接着性を有する蛋白質
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14913798A JP3905639B2 (ja) | 1998-05-29 | 1998-05-29 | フジツボ第5接着蛋白質遺伝子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11332572A true JPH11332572A (ja) | 1999-12-07 |
JP3905639B2 JP3905639B2 (ja) | 2007-04-18 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14913798A Expired - Fee Related JP3905639B2 (ja) | 1998-05-29 | 1998-05-29 | フジツボ第5接着蛋白質遺伝子 |
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---|---|
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006223226A (ja) * | 2005-02-18 | 2006-08-31 | Central Res Inst Of Electric Power Ind | フジツボキプリス幼生のセメント腺に発現するセメント関連タンパク質および遺伝子 |
JP2006271313A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Central Res Inst Of Electric Power Ind | フジツボキプリス幼生のセメント腺に発現するプロテアーゼインヒビター遺伝子とそれらがコードするペプチド |
JP2010273691A (ja) * | 2010-09-13 | 2010-12-09 | Central Res Inst Of Electric Power Ind | フジツボキプリス幼生のセメント腺に発現するプロテアーゼインヒビター遺伝子とそれらがコードするペプチド |
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JP2013226158A (ja) * | 2013-07-16 | 2013-11-07 | Central Research Institute Of Electric Power Industry | フジツボキプリス幼生のセメント腺に発現するセメント関連タンパク質および遺伝子 |
-
1998
- 1998-05-29 JP JP14913798A patent/JP3905639B2/ja not_active Expired - Fee Related
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