JPH11332370A - 育苗培土代替資材 - Google Patents

育苗培土代替資材

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JPH11332370A
JPH11332370A JP10164397A JP16439798A JPH11332370A JP H11332370 A JPH11332370 A JP H11332370A JP 10164397 A JP10164397 A JP 10164397A JP 16439798 A JP16439798 A JP 16439798A JP H11332370 A JPH11332370 A JP H11332370A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pesticide
raising
adsorptivity
seedling
mat
Prior art date
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Pending
Application number
JP10164397A
Other languages
English (en)
Inventor
Masatoshi Yoshioka
政利 吉岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Federation of Agricultural Cooperative Associations
Yamamoto and Co Ltd
Yamamoto Co Ltd
Original Assignee
National Federation of Agricultural Cooperative Associations
Yamamoto and Co Ltd
Yamamoto Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH11332370A publication Critical patent/JPH11332370A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 農薬を施用できる育苗培土代替マット資材及
び農薬を施用しても薬害を起こさない育苗方法を提供す
る。 【解決手段】 農薬に対して吸着性を有する籾殻などの
材料を成形してなるマット状育苗培土代替資材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物の育苗におけ
る培土およびそれを用いた育苗方法に関する。より具体
的には、農薬による植物への薬害あるいは環境汚染の防
止に寄与する育苗用培土代替資材およびその培土代替資
材を用いた育苗方法に関する。
【0002】
【従来の技術】殺虫・殺菌剤あるいは一部の植物生育調
節剤を例えば育苗箱中での育苗の後に施用して、本圃で
の農薬施用を省力化する技術は1970年代後半に確立
され、広く普及している。この技術は例えば、土壌培土
を使用する水稲の育苗技術として、典型的には、次のよ
うに実施されている。
【0003】まず、育苗箱(例えば、幅30cm、長さ
60cm、厚さ3cm)に市販の培土を厚さ2cm程度
入れて均一に潅水し、次いであらかじめ催芽させた種子
(乾燥重量で約180g前後)を均一に播種した後、約
5mm程度の厚さで覆土する(播種工程)。しかる後2
5℃以上(最適32℃)の発芽室で3日間前後加温して
芽出し(発芽工程)、温室内(27〜30℃)で2〜3
日間育苗する(緑化工程)。さらに育苗温室(20〜3
0℃程度)で14〜15日間程度育苗し(硬化工程)、
稚苗とした後農薬を施用して本田に移植する。
【0004】しかしながら、このような従来の育苗で
は、培土として膨大な山土を使用する必要があるとこ
ろ、近年では育苗に適した均一な山土の入手が困難にな
ってきている。また、土は重く、育苗作業での取り扱い
や苗の運搬に労力を要するため、これを軽量化する必要
がある。このため、土の代替となる資材として、木材パ
ルプを素材としたもの、吸水性ポリマー、ウレタンを素
材とするものなどが開発されている。ところがこれらの
代替マット資材に農薬を施用した場合、植物の根茎は一
時的に農薬を過剰に吸収して農薬による生理障害を起こ
すことが多く、このためこれまで代替マット資材に農薬
を施用した実例はなく、農薬の適用範囲としても許可さ
れていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、従来
技術における問題点を解消し、農薬を施用できる育苗培
土代替マット資材を提供するとともに、農薬を施用して
も薬害を起こさないような育苗方法を開発することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究を進める中で、従来の資材が化学的
あるいは物理的に農薬成分を吸着する力が弱いため、ほ
とんどの農薬成分が遊離の形で存在しており、したがっ
て植物の根系によって常時吸収される状態にあること、
従って育苗培土の代替資材としては、該資材が農薬を吸
着して、植物の根系への吸収を緩慢にさせる材料が望ま
しいこと、該資材への農薬吸着の機作が可逆的な吸着で
あることが望ましいことなどの知見を得、その知見に基
づきさらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明は農薬に対して吸着性を有する材料を
成形してなるマット状育苗培土代替資材に係る。
【0007】また本発明は、農薬に対して吸着性を有す
る材料を農薬と混合するか、又はしないで、加熱圧縮し
てなるマット状育苗培土代替資材の製造方法に係る。さ
らに本発明は、農薬と、該農薬に対して吸着性を有する
材料とからなるマット状育苗培土代替資材に、植物の種
子を置床し、育苗するか、又は農薬に対して吸着性を有
する材料からなるマット状育苗用培土代替資材に植物の
種子を置床し、育苗し、次いで苗を本圃に移植する前に
農薬を施用してなる植物の育苗方法に係る。
【0008】特に農薬に対して化学的に吸着性を有する
材料、例えばケイ酸又はケイ酸塩を多量含有する材料で
あれば、イオンが農薬の荷電した成分と可逆的に結合
し、あるいは弱い物理的な結合をするため、農薬を緩慢
に根から吸収させることができるとともに、農薬は吸着
性材料に結合した形で存在しているため薬害を起こす可
能性が少ない。また、陽イオン成分を持っていない農薬
に対しては、ケイ酸又はケイ酸塩のもつ物理的構造によ
り物理的に弱い吸着をするため、薬害を緩和することが
できる。かくして本発明により、植物への薬害を防止
し、また環境に対しても極めて優しい簡便な育苗手段を
提供することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、農薬に対して化
学的又は物理的吸着性を有する材料としては、そのよう
な性質を有するものであればいずれの材料も用いること
ができるが、籾殻、ロックウールが好適に使用される。
とくに籾殻は、生分解性であること、また成分としてケ
イ酸及びケイ酸塩を多量含有しており、さらに加熱(1
50℃程度)によりケイ酸その他の成分の側鎖基(リガ
ンド)が活性化されて陽イオン成分を有する農薬と可逆
的に結合しやすい状態になること、また、籾殻の微細な
物理的構造により陽イオン成分を有さない農薬に対して
も物理的な吸着をもたらすこと等、薬害防止、環境保護
の観点からとくに好ましい。一方、ロックウールについ
ても、ケイ酸カルシウムを含有し、農薬成分を吸着する
ので好適に使用することができる。
【0010】農薬に対して化学的又は物理的吸着性を有
するこれらの材料をマット状培土代替資材に成形する方
法としては、適宜の結合材を混合して加熱圧縮すること
により行うことができるが、芯部と該芯部より軟化温度
が低い鞘部とからなる、いわゆる芯鞘型繊維を結合材と
して用いて加熱圧縮することにより、より屈曲性及び保
水性のある培土代替資材とすることができる。
【0011】次にマット状培土代替資材に対する農薬の
施用の時期としては、農薬に対して吸着性を有する材料
と農薬とを予め混合してマット状に成形してもよいが、
マット状培土代替資材に播種する際、あるいは育苗時又
は本圃に移植する直前に施用してもよい。
【0012】本発明における育苗の対象としては、典型
的には水稲が挙げられるが、各種の野菜、その他の植物
に応用できることはいうまでもない。さらに本発明にお
いて用いられる農薬としてはとくに限定されるものでは
ないが、例えば、イミダクロプリド粒剤、フィプロニル
粒剤、カルプロパミド粒剤、プロベナゾール粒剤、プロ
パホス粒剤、トリシクラゾール粒剤及びアゾキシストロ
ビン粒剤などが例示される。
【0013】
【発明の効果】本発明のマット状育苗培土代替資材を用
いた育苗においては、根物の根茎が農薬を過剰に吸収し
て農薬による生理障害などを起こすことがなく、また農
薬による周囲の環境を汚染することもないため、極めて
簡便で有効な育苗が達成される。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 農薬に対して吸着性を有する材料を成形
    してなるマット状育苗培土代替資材。
  2. 【請求項2】 農薬を含有することを特徴とする、請求
    項1に記載のマット状育苗培土代替資材。
  3. 【請求項3】 農薬に対して吸着性を有する材料がケイ
    酸又はケイ酸塩を含有することを特徴とする、請求項1
    に記載のマット状育苗培土代替資材。
  4. 【請求項4】 農薬に対して吸着性を有する材料が易分
    解性植物性素材であることを特徴とする、請求項1に記
    載のマット状育苗培土代替資材。
  5. 【請求項5】 易分解性植物性素材が籾殻であることを
    特徴とする、請求項4に記載のマット状育苗培土代替資
    材。
  6. 【請求項6】 吸着性を有する成形性材料がロックウー
    ルであることを特徴とする、請求項1に記載のマット状
    育苗培土代替資材。
  7. 【請求項7】 水稲の育苗に用いられることを特徴とす
    る、請求項1〜4に記載のマット状育苗培土代替資材。
  8. 【請求項8】 農薬に対して吸着性を有する材料を加熱
    圧縮してなるマット状育苗用培土代替資材の製造方法。
  9. 【請求項9】 農薬に対して吸着性を有する材料と農薬
    とを混合し、加熱圧縮してなるマット状育苗培土代替資
    材の製造方法。
  10. 【請求項10】 農薬に対して吸着性を有する材料がケ
    イ酸又はケイ酸塩を含有することを特徴とする、請求項
    8又は9に記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 農薬に対して吸着性を有する材料が易
    分解性植物性素材であることを特徴とする、請求項8又
    は9に記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 易分解性植物性素材が籾殻であること
    を特徴とする、請求項11に記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 農薬に対して吸着性を有する材料がロ
    ックウールであることを特徴とする、請求項8又は9に
    記載の製造方法。
  14. 【請求項14】 農薬と、該農薬に対し吸着性を有する
    材料とからなるマット状育苗培土代替資材に、植物の種
    子を置床し、育苗してなる、植物の育苗方法。
  15. 【請求項15】 農薬に対して吸着性を有する材料から
    成形されたマット状育苗用培土代替資材に植物の種子を
    置床し、育苗し、次いで農薬を施用してなる、植物の育
    苗方法。
  16. 【請求項16】 農薬に対して吸着性を有する材料の主
    成分がケイ酸又はケイ酸塩であることを特徴とする、請
    求項14に記載の育苗方法。
  17. 【請求項17】 農薬に対して吸着性を有する材料が籾
    殻であることを特徴とする、請求項14又は15に記載
    の育苗方法。
  18. 【請求項18】 植物が水稲であることを特徴とする、
    請求項14又は15に記載の育苗方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001251956A (ja) * 2000-01-07 2001-09-18 Yamagata Okitama Nogyo Kyodo Kumiai 稲育苗用モミ殻マットの製造方法および製造プラント
JP2014027902A (ja) * 2012-07-31 2014-02-13 Iseki & Co Ltd 育苗方法及び播種量表示装置
JP2016220699A (ja) * 2016-09-30 2016-12-28 井関農機株式会社 育苗方法
JP2019076062A (ja) * 2017-10-26 2019-05-23 茂 増田 育苗培土、その育苗培土の製造方法、及び育苗方法

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