JPH11330586A - 磁電変換素子およびそれを用いた磁気センサ、磁電変換素子の製造方法 - Google Patents
磁電変換素子およびそれを用いた磁気センサ、磁電変換素子の製造方法Info
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- JPH11330586A JPH11330586A JP10133543A JP13354398A JPH11330586A JP H11330586 A JPH11330586 A JP H11330586A JP 10133543 A JP10133543 A JP 10133543A JP 13354398 A JP13354398 A JP 13354398A JP H11330586 A JPH11330586 A JP H11330586A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】リードフレームの熱圧着時に加える熱により接
着層が軟化することを防ぎ、磁気抵抗膜に損傷の生じな
い信頼性の高い磁電変換素子を提供する。 【解決手段】絶縁基板11と、該絶縁基板11の一方主面に
形成された接着層12と、該接着層12上に形成された磁気
抵抗膜13と、該磁気抵抗膜13に形成された短絡電極14お
よび電気信号取り出し用電極15と、前記絶縁基板11の他
面に形成された端子電極17と、前記電気信号取り出し用
電極15と前記端子電極17とを接続する接続電極18と、前
記端子電極17に熱を加えることにより接続されるリード
フレーム19とを含んでなる。
着層が軟化することを防ぎ、磁気抵抗膜に損傷の生じな
い信頼性の高い磁電変換素子を提供する。 【解決手段】絶縁基板11と、該絶縁基板11の一方主面に
形成された接着層12と、該接着層12上に形成された磁気
抵抗膜13と、該磁気抵抗膜13に形成された短絡電極14お
よび電気信号取り出し用電極15と、前記絶縁基板11の他
面に形成された端子電極17と、前記電気信号取り出し用
電極15と前記端子電極17とを接続する接続電極18と、前
記端子電極17に熱を加えることにより接続されるリード
フレーム19とを含んでなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁界の変化を電気
的信号に変換させて検出する磁電変換素子およびそれを
用いた磁気センサ、磁電変換素子の製造方法に関する。
的信号に変換させて検出する磁電変換素子およびそれを
用いた磁気センサ、磁電変換素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の磁電変換素子を、図5、6に基づい
て説明する。なお、図5は従来の磁電変換素子の平面図
であり、図6は図5におけるW−W線断面図である。図5、6
に示すように、従来の磁電変換素子110は、フェライト
などからなる絶縁基板111と、接着層112を介して絶縁基
板111上に形成されたInSbからなる磁気抵抗膜113と、磁
気抵抗膜113上に形成された短絡電極114および電気信号
取り出し用電極115と、電気信号取り出し用電極115に接
続されるリードフレーム119と、磁気抵抗膜113上に形成
された保護膜116とから構成されている。
て説明する。なお、図5は従来の磁電変換素子の平面図
であり、図6は図5におけるW−W線断面図である。図5、6
に示すように、従来の磁電変換素子110は、フェライト
などからなる絶縁基板111と、接着層112を介して絶縁基
板111上に形成されたInSbからなる磁気抵抗膜113と、磁
気抵抗膜113上に形成された短絡電極114および電気信号
取り出し用電極115と、電気信号取り出し用電極115に接
続されるリードフレーム119と、磁気抵抗膜113上に形成
された保護膜116とから構成されている。
【0003】このような構成を有する磁電変換素子110
においては、まずフェライトなどからなる絶縁基板110
に、エポキシ樹脂などからなる接着層112を介して単結
晶InSbを接着する。そして、単結晶InSbを研磨すること
により薄膜化し、フォトリソグラフィーによりミアンダ
状にパターニングして磁気抵抗膜113を形成する。磁気
抵抗膜113上には蒸着などによりCu/Tiの二層からなる
金属膜を形成し、フォトリソグラフィーにより短絡電極
114および電気信号取り出し用電極115を同時に形成す
る。その後、Cuに半田メッキを施したリードフレーム11
9を電気信号取り出し用電極115に熱圧着により接続す
る。さらに、リードフレーム119を含む磁気抵抗膜113上
を、エポキシ樹脂からなる保護膜116で被覆することに
より磁電変換素子110が得られる。
においては、まずフェライトなどからなる絶縁基板110
に、エポキシ樹脂などからなる接着層112を介して単結
晶InSbを接着する。そして、単結晶InSbを研磨すること
により薄膜化し、フォトリソグラフィーによりミアンダ
状にパターニングして磁気抵抗膜113を形成する。磁気
抵抗膜113上には蒸着などによりCu/Tiの二層からなる
金属膜を形成し、フォトリソグラフィーにより短絡電極
114および電気信号取り出し用電極115を同時に形成す
る。その後、Cuに半田メッキを施したリードフレーム11
9を電気信号取り出し用電極115に熱圧着により接続す
る。さらに、リードフレーム119を含む磁気抵抗膜113上
を、エポキシ樹脂からなる保護膜116で被覆することに
より磁電変換素子110が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来より磁電変換素子
の磁気抵抗膜には、キャリア移動度の高いInSbなどの半
導体が用いられている。一方でInSbなどの半導体は、非
常に弱く壊れやすいという性質を有している。
の磁気抵抗膜には、キャリア移動度の高いInSbなどの半
導体が用いられている。一方でInSbなどの半導体は、非
常に弱く壊れやすいという性質を有している。
【0005】従来の磁電変換素子においては、絶縁基板
上に接着層を介して磁気抵抗膜が形成され、磁気抵抗膜
上に形成された電気信号取り出し用電極にリードフレー
ムを熱圧着により接続していた。
上に接着層を介して磁気抵抗膜が形成され、磁気抵抗膜
上に形成された電気信号取り出し用電極にリードフレー
ムを熱圧着により接続していた。
【0006】リードフレームを熱圧着する際には、リー
ドフレームの半田メッキを溶融するために300℃程度の
熱を加える。ここで、磁気抵抗膜は薄膜であるため磁気
抵抗膜下のエポキシ樹脂などからなる接着層に熱が伝わ
り易い。したがって、リードフレームの熱圧着時に接着
層に熱が伝わり、接着層が軟化して絶縁基板と磁気抵抗
膜との密着力が低下するという問題があった。あるい
は、InSbなどの半導体が非常に弱いため、接着層の軟化
により磁気抵抗膜にクラックなどが生じて、磁電変換素
子の信頼性が低下するという問題があった。
ドフレームの半田メッキを溶融するために300℃程度の
熱を加える。ここで、磁気抵抗膜は薄膜であるため磁気
抵抗膜下のエポキシ樹脂などからなる接着層に熱が伝わ
り易い。したがって、リードフレームの熱圧着時に接着
層に熱が伝わり、接着層が軟化して絶縁基板と磁気抵抗
膜との密着力が低下するという問題があった。あるい
は、InSbなどの半導体が非常に弱いため、接着層の軟化
により磁気抵抗膜にクラックなどが生じて、磁電変換素
子の信頼性が低下するという問題があった。
【0007】本発明の磁電変換素子およびそれを用いた
磁気センサ、磁電変換素子の製造方法は、上述の問題を
鑑みてなされたものであり、これらの問題を解決し、磁
気抵抗膜にクラックなどが生じず、信頼性の高い磁電変
換素子およびそれを用いた磁気センサ、磁電変換素子の
製造方法を提供することを目的としている。
磁気センサ、磁電変換素子の製造方法は、上述の問題を
鑑みてなされたものであり、これらの問題を解決し、磁
気抵抗膜にクラックなどが生じず、信頼性の高い磁電変
換素子およびそれを用いた磁気センサ、磁電変換素子の
製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の磁電変換素子は、絶縁基板と、該絶縁基板の一
方主面に形成された接着層と、該接着層上に形成された
磁気抵抗膜と、該磁気抵抗膜に形成された短絡電極およ
び電気信号取り出し用電極と、前記絶縁基板の他面に形
成された端子電極と、前記電気信号取り出し用電極と前
記端子電極とを接続する接続電極と、前記端子電極に熱
を加えることにより接続される外部接続用手段とを含ん
でなる。これにより、熱を加えて外部接続用手段を接続
する際に、その熱が接着層に伝わらない。
本発明の磁電変換素子は、絶縁基板と、該絶縁基板の一
方主面に形成された接着層と、該接着層上に形成された
磁気抵抗膜と、該磁気抵抗膜に形成された短絡電極およ
び電気信号取り出し用電極と、前記絶縁基板の他面に形
成された端子電極と、前記電気信号取り出し用電極と前
記端子電極とを接続する接続電極と、前記端子電極に熱
を加えることにより接続される外部接続用手段とを含ん
でなる。これにより、熱を加えて外部接続用手段を接続
する際に、その熱が接着層に伝わらない。
【0009】また、請求項2に係る磁電変換素子は、前
記外部接続用手段と前記端子電極との接続部分が保護材
により覆われている。これにより、外部接続用手段接続
部分の信頼性が向上する。
記外部接続用手段と前記端子電極との接続部分が保護材
により覆われている。これにより、外部接続用手段接続
部分の信頼性が向上する。
【0010】さらに、請求項3に係る磁電変換素子は、
前記磁気抵抗膜と前記短絡電極と前記電気信号取り出し
用電極とが、保護膜により覆われている。これにより、
磁気抵抗膜などの破損防止や耐湿性の向上により磁電変
換素子の信頼性が高まる。
前記磁気抵抗膜と前記短絡電極と前記電気信号取り出し
用電極とが、保護膜により覆われている。これにより、
磁気抵抗膜などの破損防止や耐湿性の向上により磁電変
換素子の信頼性が高まる。
【0011】さらにまた、請求項4に係る磁電変換素子
は、前記短絡電極が、前記磁気抵抗膜の前記接着層側に
形成されている。これにより、短絡電極が磁気抵抗膜と
接着層とで覆われるため耐湿性などがさらに向上し、磁
電変換素子の信頼性が高まる。
は、前記短絡電極が、前記磁気抵抗膜の前記接着層側に
形成されている。これにより、短絡電極が磁気抵抗膜と
接着層とで覆われるため耐湿性などがさらに向上し、磁
電変換素子の信頼性が高まる。
【0012】さらにまた、本発明の磁気センサは、前記
請求項1ないし3記載の磁電変換素子と、該磁電変換素子
に磁界を印加するバイアス磁石と、前記磁電変換素子と
前記バイアス磁石とを収納するケースとを含んでなる。
これにより、磁気センサの信頼性が向上する。
請求項1ないし3記載の磁電変換素子と、該磁電変換素子
に磁界を印加するバイアス磁石と、前記磁電変換素子と
前記バイアス磁石とを収納するケースとを含んでなる。
これにより、磁気センサの信頼性が向上する。
【0013】さらにまた、本発明の磁電変換素子の製造
方法は、磁気抵抗膜に短絡電極および電気信号取り出し
用電極を形成する工程と、接着層を介して絶縁基板の一
方主面上に前記磁気抵抗膜を貼付する工程と、前記絶縁
基板の他面に端子電極を形成する工程と、前記電気信号
取り出し用電極と前記端子電極とを接続する接続電極を
形成する工程と、熱を加えて前記端子電極に外部接続用
手段を接続する工程とを含んでなる。これにより、容易
に信頼性の高い磁電変換素子を製造することができる。
方法は、磁気抵抗膜に短絡電極および電気信号取り出し
用電極を形成する工程と、接着層を介して絶縁基板の一
方主面上に前記磁気抵抗膜を貼付する工程と、前記絶縁
基板の他面に端子電極を形成する工程と、前記電気信号
取り出し用電極と前記端子電極とを接続する接続電極を
形成する工程と、熱を加えて前記端子電極に外部接続用
手段を接続する工程とを含んでなる。これにより、容易
に信頼性の高い磁電変換素子を製造することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例である磁電
変換素子を、図1、2に基づいて説明する。なお、図1は
本実施例の磁電変換素子の平面図であり、図2は図1にお
けるX−X線断面図である。図1、2に示すように、本実施
例の磁電変換素子10は、フェライトなどからなる絶縁基
板11と、絶縁基板11の一方主面にエポキシ樹脂などの接
着層12を介して形成されたInSbからなる磁気抵抗膜13
と、磁気抵抗膜13上に形成された短絡電極14および電気
信号取り出し用電極15と、磁気抵抗膜13上に形成された
保護膜16と、絶縁基板11の裏面に形成された端子電極17
と、電気信号取り出し用電極15と端子電極17とを導通さ
せる接続電極18と、熱圧着により端子電極17に接続され
る外部接続用手段としてのリードフレーム19と、リード
フレーム19接続部を補強する保護材20とから構成されて
いる。
変換素子を、図1、2に基づいて説明する。なお、図1は
本実施例の磁電変換素子の平面図であり、図2は図1にお
けるX−X線断面図である。図1、2に示すように、本実施
例の磁電変換素子10は、フェライトなどからなる絶縁基
板11と、絶縁基板11の一方主面にエポキシ樹脂などの接
着層12を介して形成されたInSbからなる磁気抵抗膜13
と、磁気抵抗膜13上に形成された短絡電極14および電気
信号取り出し用電極15と、磁気抵抗膜13上に形成された
保護膜16と、絶縁基板11の裏面に形成された端子電極17
と、電気信号取り出し用電極15と端子電極17とを導通さ
せる接続電極18と、熱圧着により端子電極17に接続され
る外部接続用手段としてのリードフレーム19と、リード
フレーム19接続部を補強する保護材20とから構成されて
いる。
【0015】このような構成を有する磁電変換素子10に
おいては、外部接続用手段としてのリードフレーム19
が、絶縁基板11裏面に形成された端子電極17に、熱圧着
により接続されている。フェライトなどからなる絶縁基
板11は、ある程度の厚みを有しているので、リードフレ
ーム19接続の際の熱が接着層12には伝わりにくい。した
がって、リードフレーム19熱圧着の際の熱による接着層
12の軟化が抑えられ、絶縁基板11と磁気抵抗膜13との密
着力が高く、磁気抵抗膜13にクラックなどが生じない信
頼性の高い磁電変換素子10を提供することができる。
おいては、外部接続用手段としてのリードフレーム19
が、絶縁基板11裏面に形成された端子電極17に、熱圧着
により接続されている。フェライトなどからなる絶縁基
板11は、ある程度の厚みを有しているので、リードフレ
ーム19接続の際の熱が接着層12には伝わりにくい。した
がって、リードフレーム19熱圧着の際の熱による接着層
12の軟化が抑えられ、絶縁基板11と磁気抵抗膜13との密
着力が高く、磁気抵抗膜13にクラックなどが生じない信
頼性の高い磁電変換素子10を提供することができる。
【0016】なお、ここでは外部接続用手段としてリー
ドフレーム19を用いたが、ワイヤやリード線などを熱に
より端子電極17に接続する場合にも、本発明の効果は得
られる。また、半田リフローなどにより回路基板に表面
実装する場合にも、本発明の効果は得られる。
ドフレーム19を用いたが、ワイヤやリード線などを熱に
より端子電極17に接続する場合にも、本発明の効果は得
られる。また、半田リフローなどにより回路基板に表面
実装する場合にも、本発明の効果は得られる。
【0017】以下、本発明の磁電変換素子の製造方法に
ついて説明する。なお、以下の製造方法により図1、2に
示すような磁電変換素子10が得られる。まず、フェライ
トやアルミナなどからなる絶縁基板11の一方主面に、エ
ポキシ樹脂などからなる接着層12を介して単結晶InSbを
接着する。そして、単結晶InSbを研磨することにより薄
膜化して、フォトリソグラフィーによりミアンダ状にパ
ターニングして磁気抵抗膜13を形成する。ここで磁気抵
抗膜13は、マイカ基板などの別の基板上に蒸着などによ
り形成したInSb薄膜を、絶縁基板11に転写接着したのち
パターニングして形成することもできる。さらに、蒸着
およびフォトリソグラフィーにより、InSbとの接合強度
の強いTiを下層にCuやAlを上層にして、磁気抵抗膜13上
に断続的に配置される短絡電極14および電気信号取り出
し用電極15を同時に形成する。その後、磁気抵抗膜13上
に、SiO2やエポキシ樹脂などからなる保護膜16をスパッ
タリングやスピナー塗布、あるいはスクリーン印刷など
により形成する。
ついて説明する。なお、以下の製造方法により図1、2に
示すような磁電変換素子10が得られる。まず、フェライ
トやアルミナなどからなる絶縁基板11の一方主面に、エ
ポキシ樹脂などからなる接着層12を介して単結晶InSbを
接着する。そして、単結晶InSbを研磨することにより薄
膜化して、フォトリソグラフィーによりミアンダ状にパ
ターニングして磁気抵抗膜13を形成する。ここで磁気抵
抗膜13は、マイカ基板などの別の基板上に蒸着などによ
り形成したInSb薄膜を、絶縁基板11に転写接着したのち
パターニングして形成することもできる。さらに、蒸着
およびフォトリソグラフィーにより、InSbとの接合強度
の強いTiを下層にCuやAlを上層にして、磁気抵抗膜13上
に断続的に配置される短絡電極14および電気信号取り出
し用電極15を同時に形成する。その後、磁気抵抗膜13上
に、SiO2やエポキシ樹脂などからなる保護膜16をスパッ
タリングやスピナー塗布、あるいはスクリーン印刷など
により形成する。
【0018】さらに、端子電極17を絶縁基板11裏面に、
端子電極17と電気信号取り出し用電極15とを導通させる
接続電極18を絶縁基板11側面にそれぞれスパッタリング
により形成する。その際、密着力が高く拡散を防止でき
るNi・Crを第一の層、半田付け性の良いAgやCuなどを第
二の層にして形成する。次に、絶縁基板11裏面に形成さ
れた端子電極17に、Cuに半田メッキを施したリードフレ
ーム19を熱圧着により接続し、リードフレーム19接続部
をエポキシ樹脂からなる保護材20により補強する。こう
して、図1、2に示すような磁電変換素子10が得られる。
端子電極17と電気信号取り出し用電極15とを導通させる
接続電極18を絶縁基板11側面にそれぞれスパッタリング
により形成する。その際、密着力が高く拡散を防止でき
るNi・Crを第一の層、半田付け性の良いAgやCuなどを第
二の層にして形成する。次に、絶縁基板11裏面に形成さ
れた端子電極17に、Cuに半田メッキを施したリードフレ
ーム19を熱圧着により接続し、リードフレーム19接続部
をエポキシ樹脂からなる保護材20により補強する。こう
して、図1、2に示すような磁電変換素子10が得られる。
【0019】次に、本発明の磁電変換素子における他の
製造方法について説明する。なお、以下の製造方法によ
り、図3の断面図に示すような磁電変換素子10aが得られ
る。まず、マイカ基板に蒸着などによりInSb薄膜を形成
し、フォトリソグラフィーによりパターニングすること
で磁気抵抗膜13を形成する。そして、磁気抵抗膜13上に
蒸着およびフォトリソグラフィーにより、TiとAlの二層
からなる短絡電極14および電気信号取り出し用電極15を
同時に形成する。その後、マイカ基板の磁気抵抗膜13が
形成された面をエポキシ樹脂からなる接着層12により、
フェライトからなる絶縁基板11に接着する。さらに、磁
気抵抗膜13の保護膜16として機能させるため、マイカ基
板を一部残して取り除く。ここで保護膜16は、マイカ基
板のみで形成しても良いが、マイカ基板上にエポキシ樹
脂やSiO2などの保護膜材料を追加形成すれば、磁気抵抗
膜が補強されるとともに耐湿性などが高まり、磁電変換
素子の信頼性がさらに向上する。
製造方法について説明する。なお、以下の製造方法によ
り、図3の断面図に示すような磁電変換素子10aが得られ
る。まず、マイカ基板に蒸着などによりInSb薄膜を形成
し、フォトリソグラフィーによりパターニングすること
で磁気抵抗膜13を形成する。そして、磁気抵抗膜13上に
蒸着およびフォトリソグラフィーにより、TiとAlの二層
からなる短絡電極14および電気信号取り出し用電極15を
同時に形成する。その後、マイカ基板の磁気抵抗膜13が
形成された面をエポキシ樹脂からなる接着層12により、
フェライトからなる絶縁基板11に接着する。さらに、磁
気抵抗膜13の保護膜16として機能させるため、マイカ基
板を一部残して取り除く。ここで保護膜16は、マイカ基
板のみで形成しても良いが、マイカ基板上にエポキシ樹
脂やSiO2などの保護膜材料を追加形成すれば、磁気抵抗
膜が補強されるとともに耐湿性などが高まり、磁電変換
素子の信頼性がさらに向上する。
【0020】さらに、端子電極17を絶縁基板11裏面に、
端子電極17と電気信号取り出し用電極15とを導通させる
接続電極18を絶縁基板11側面にそれぞれスパッタリング
により形成する。その際、Ni・Crを第一の層、Agを第二
の層にして形成する。次に、絶縁基板11裏面に形成され
た端子電極17に、Cuに半田メッキを施したリードフレー
ム19を熱圧着により接続し、リードフレーム19接続部を
エポキシ樹脂からなる保護材20により補強する。こうし
て、図3に示すような磁電変換素子10aが得られる。
端子電極17と電気信号取り出し用電極15とを導通させる
接続電極18を絶縁基板11側面にそれぞれスパッタリング
により形成する。その際、Ni・Crを第一の層、Agを第二
の層にして形成する。次に、絶縁基板11裏面に形成され
た端子電極17に、Cuに半田メッキを施したリードフレー
ム19を熱圧着により接続し、リードフレーム19接続部を
エポキシ樹脂からなる保護材20により補強する。こうし
て、図3に示すような磁電変換素子10aが得られる。
【0021】なお、上記の実施例においては、磁気抵抗
膜にInSbを用いたが、InAsやGaAsなどを用いてもよい。
さらに、短絡電極にはTiとCuの二層構造や、TiとAlの二
層構造のものを用いたが、CrとCuの二層構造や、CrとAl
の二層構造、あるいはAlの単層構造やCr・Cu合金の単層
構造、さらにはCrとNi、Auなどの三層以上の構造を用い
てもよい。さらに、保護膜にはSiO2やエポキシ樹脂を用
いたが、SiNやAlNあるいはポリイミド樹脂、シリコーン
樹脂など絶縁性を有する素材であれば何を用いてもよ
い。
膜にInSbを用いたが、InAsやGaAsなどを用いてもよい。
さらに、短絡電極にはTiとCuの二層構造や、TiとAlの二
層構造のものを用いたが、CrとCuの二層構造や、CrとAl
の二層構造、あるいはAlの単層構造やCr・Cu合金の単層
構造、さらにはCrとNi、Auなどの三層以上の構造を用い
てもよい。さらに、保護膜にはSiO2やエポキシ樹脂を用
いたが、SiNやAlNあるいはポリイミド樹脂、シリコーン
樹脂など絶縁性を有する素材であれば何を用いてもよ
い。
【0022】さらに、本発明の磁気センサを、図4に基
づいて説明する。なお、図4は本発明の磁気センサの断
面図である。図4に示すように、本発明の磁気センサ30
は、ベース31と、ベース31の表裏面に配置された磁電変
換素子10およびバイアス磁石32と、それらを収納する金
属製のケース33とから構成される。このような構成の磁
気センサ30の表面を被検出物が移動すると、磁界の変化
がおこり、磁電変換素子10における磁気抵抗膜の抵抗値
が変化する。その抵抗値の変化が電気信号として外部の
回路に送られ、被検出物の移動が確認される。
づいて説明する。なお、図4は本発明の磁気センサの断
面図である。図4に示すように、本発明の磁気センサ30
は、ベース31と、ベース31の表裏面に配置された磁電変
換素子10およびバイアス磁石32と、それらを収納する金
属製のケース33とから構成される。このような構成の磁
気センサ30の表面を被検出物が移動すると、磁界の変化
がおこり、磁電変換素子10における磁気抵抗膜の抵抗値
が変化する。その抵抗値の変化が電気信号として外部の
回路に送られ、被検出物の移動が確認される。
【0023】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、絶縁基板
の一方主面に接着層を介して磁気抵抗膜を形成する磁電
変換素子において、磁気抵抗膜が形成された面とは異な
る他面に端子電極を形成し、端子電極に熱を加えて外部
接続用手段を接続した。これにより、外部接続用手段を
端子電極に接続する際に加えられる熱が接着層に伝わり
にくくなり、接着層が熱により軟化しない。したがっ
て、絶縁基板と磁気抵抗膜との密着力低下を防ぐことが
でき、さらには磁気抵抗膜にクラックなどが生じること
が無くなるので、信頼性の高い磁電変換素子を供給する
ことができる。
の一方主面に接着層を介して磁気抵抗膜を形成する磁電
変換素子において、磁気抵抗膜が形成された面とは異な
る他面に端子電極を形成し、端子電極に熱を加えて外部
接続用手段を接続した。これにより、外部接続用手段を
端子電極に接続する際に加えられる熱が接着層に伝わり
にくくなり、接着層が熱により軟化しない。したがっ
て、絶縁基板と磁気抵抗膜との密着力低下を防ぐことが
でき、さらには磁気抵抗膜にクラックなどが生じること
が無くなるので、信頼性の高い磁電変換素子を供給する
ことができる。
【図1】本発明の磁電変換素子の平面図である。
【図2】図1におけるX−X線断面図である。
【図3】本発明の他の実施例における磁電変換素子の断
面図である。
面図である。
【図4】本発明の磁気センサの断面図である。
【図5】従来の磁電変換素子の平面図である。
【図6】図5におけるW−W線断面図である。
10,10a 磁電変換素子 11 絶縁基板 12 接着層 13 磁気抵抗膜 14 短絡電極 15 電気信号取り出し用電極 16 保護膜 17 端子電極 18 接続電極 19 リードフレーム 20 保護材 30 磁気センサ 31 ベース 32 バイアス磁石 33 ケース
Claims (6)
- 【請求項1】絶縁基板と、該絶縁基板の一方主面に形成
された接着層と、該接着層上に形成された磁気抵抗膜
と、該磁気抵抗膜に形成された短絡電極および電気信号
取り出し用電極と、前記絶縁基板の他面に形成された端
子電極と、前記電気信号取り出し用電極と前記端子電極
とを接続する接続電極と、前記端子電極に熱を加えるこ
とにより接続される外部接続用手段とを含んでなること
を特徴とする磁電変換素子。 - 【請求項2】前記外部接続用手段と前記端子電極との接
続部分が保護材により覆われていることを特徴とする請
求項1記載の磁電変換素子。 - 【請求項3】前記磁気抵抗膜と前記短絡電極と前記電気
信号取り出し用電極とが、保護膜により覆われているこ
とを特徴とする請求項1または2記載の磁電変換素子。 - 【請求項4】前記短絡電極が、前記磁気抵抗膜の前記接
着層側に形成されていることを特徴とする請求項1、2ま
たは3記載の磁電変換素子。 - 【請求項5】前記請求項1ないし4記載の磁電変換素子
と、該磁電変換素子に磁界を印加するバイアス磁石と、
前記磁電変換素子と前記バイアス磁石とを収納するケー
スとを含んでなることを特徴とする磁気センサ。 - 【請求項6】磁気抵抗膜に短絡電極および電気信号取り
出し用電極を形成する工程と、接着層を介して絶縁基板
の一方主面上に前記磁気抵抗膜を貼付する工程と、前記
絶縁基板の他面に端子電極を形成する工程と、前記電気
信号取り出し用電極と前記端子電極とを接続する接続電
極を形成する工程と、熱を加えて前記端子電極に外部接
続用手段を接続する工程とを含んでなることを特徴とす
る磁電変換素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10133543A JPH11330586A (ja) | 1998-05-15 | 1998-05-15 | 磁電変換素子およびそれを用いた磁気センサ、磁電変換素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10133543A JPH11330586A (ja) | 1998-05-15 | 1998-05-15 | 磁電変換素子およびそれを用いた磁気センサ、磁電変換素子の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11330586A true JPH11330586A (ja) | 1999-11-30 |
Family
ID=15107280
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10133543A Pending JPH11330586A (ja) | 1998-05-15 | 1998-05-15 | 磁電変換素子およびそれを用いた磁気センサ、磁電変換素子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11330586A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004039837A (ja) * | 2002-07-03 | 2004-02-05 | Japan Science & Technology Corp | 磁界検出素子 |
JP2005003477A (ja) * | 2003-06-11 | 2005-01-06 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 磁気センサ |
-
1998
- 1998-05-15 JP JP10133543A patent/JPH11330586A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004039837A (ja) * | 2002-07-03 | 2004-02-05 | Japan Science & Technology Corp | 磁界検出素子 |
JP2005003477A (ja) * | 2003-06-11 | 2005-01-06 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 磁気センサ |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040723 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040817 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050104 |