JPH11330545A - 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子 - Google Patents

窒化ガリウム系化合物半導体発光素子

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JPH11330545A
JPH11330545A JP12570898A JP12570898A JPH11330545A JP H11330545 A JPH11330545 A JP H11330545A JP 12570898 A JP12570898 A JP 12570898A JP 12570898 A JP12570898 A JP 12570898A JP H11330545 A JPH11330545 A JP H11330545A
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保成 奥
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光強度を更に向上させることにより屋外用
フルカラーディスプレイ等により一層好適に利用できる
窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の提供。 【解決手段】 基板1の上に少なくともn型クラッド層
3とp型クラッド層5とこれらの間の発光層4を積層し
たGaN系化合物半導体発光素子において、発光層4を
n型層41とp型層42の積層体またはこれらの層4
1,42の間に積層するi型層との積層体とし、発光層
4自身の中にp−n接合を形成することによって、発光
層4への電子と正孔の注入を促し、発光層4による発光
強度を上げる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光ダイオードや
レーザダイオード等の光デバイスに利用される窒化ガリ
ウム系化合物半導体発光素子に係り、特に発光層の改良
によって発光強度を高くし得た半導体発光素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】窒化ガリウム(以下GaNと称する)系
化合物半導体は、可視光発光デバイスや高温動作電子デ
バイス用の半導体材料として多用されるようになり、青
色や緑色の発光ダイオードの分野での展開が進んでい
る。
【0003】このGaN系化合物半導体の製造方法は、
サファイアやSiCを基板とし、この基板の表面に有機
金属気相成長法によってGaN系半導体薄膜を成長させ
るというのがその基本である。図3に従来のGaN系化
合物半導体発光素子の例を示す縦断面図を示す。
【0004】図3において、サファイアを利用した基板
1上にバッファ層2が形成され、このバッファ層2の上
には、下から順にn型クラッド層3,発光層4,p型ク
ラッド層5及びp型コンタクト層6が有機金属気相成長
法によって積層されている。また、p型コンタクト層6
の上にはp側電極7を形成し、p型クラッド層5及び発
光層4の一部をエッチング除去して露出したn型クラッ
ド層3の表面にはn側電極8が形成されている。そし
て、発光域となる発光層4は、たとえば特開平6−26
0281号公報に記載のように、MgまたはZn等のp
型不純物がドープされたn型のInGaN層とすること
が既に知られている。
【0005】また、特開平8−46240号公報には、
p型不純物であるアクセプタ不純物とn型不純物である
ドナー不純物をドープしてp型とした発光層を形成する
発光素子が開示されている。この公報によれば、発光層
に正孔を高い濃度で持たせることができるとともに、電
子を発光層の深くまで注入できる電子の注入量を増やせ
るので、正孔と再結合される電子の数が増加し、これに
よって発光輝度を向上し得るとされている。
【0006】これらの公報に記載の発光素子は、p型ま
たはn型の伝導型という面で互いに相違する構成ではあ
る。しかしながら、p−n接合ではなく金属−絶縁層−
n型半導体層接合のいわゆるMIS構造型の発光素子に
比べると、p型またはn型の伝導型の違いに関係なく、
発光強度を大幅に改善し得たことは既に知られていると
おりである。そして、このような発光強度の改善によ
り、屋外用のフルカラーディスプレイが実用化されるよ
うになったが、視認性を高めるためにさらなる発光強度
の向上が望まれている。
【0007】ところで、GaN系化合物半導体を用いた
ものも含め、発光ダイオ−ドやレーザダイオード等に用
いられる半導体発光素子は、一般的には、半導体のp型
領域とn型領域とを結晶学的に接合させて形成したp−
n接合部を含む構成である。すなわち、p型領域となる
半導体のp型層と、n型領域となる半導体のn型層とを
積層させた構造とし、p型層に正の極性、n型層に負の
極性で電圧を印加することにより、p−n接合を介して
p型層の側からn型層の側へ正孔が注入され、n型層の
側からp型層の側へ電子が注入される。そして、p−n
接合付近での電子と正孔の再結合により、p−n接合部
の半導体のバンドギャップエネルギーに相当するエネル
ギーを持つ発光が得られるというものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図3の例における発光
層4を特開平6−260681号公報に記載のようにn
型とすると、このn型の発光層4とその表面に積層され
たp型クラッド層5とによって、p−n接合が形成され
ることになる。このため、発光に寄与する電子と正孔の
再結合は、発光層4とp型クラッド層5との接合部付近
で起きる。したがって、所望の発光波長を得るために選
択された半導体材料からなる発光層4の発光効率を高く
することが困難となり、発光強度の向上には上限があ
る。
【0009】また、特開平8−46240号公報のよう
に、発光層4をp型伝導型とする場合では、発光層4に
接して形成されているn型クラッド層3との間でp−n
接合が形成される。したがって、発光に寄与する電子と
正孔の再結合が発光層4とn型クラッド層3との接合部
付近で行われ、発光強度の向上には同様に上限がある。
【0010】このように、InGaN等による発光層を
n型またはp型のいずれかの伝導型とすると、p型クラ
ッド層またはn型クラッド層との間のp−n接合が発光
領域となってしまう。このため、電子と正孔の再結合を
所望の発光波長を得るために材料選択された発光層内だ
けで有効に生じさせることができず、所望の発光波長に
おいて十分な発光効率が得られないという問題がある。
【0011】本発明において解決すべき課題は、発光強
度を更に向上させることにより屋外用フルカラーディス
プレイ等により一層好適に利用できるGaN系化合物半
導体発光素子を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、GaN系
化合物半導体発光素子の発光強度の向上を図るため、発
光層について鋭意検討を行った。その結果、従来の技術
に示したように発光層をn型またはp型のいずれかの伝
導型とするのではなく、発光層にn型層とp型層とを含
む構成とすることによって、発光強度の大幅な改善が得
られることを見出した。
【0013】すなわち、本発明は、基板の上に、窒化ガ
リウム系化合物半導体からなるn型クラッド層と発光層
とp型クラッド層とをこの順に積層または逆の順に積層
する窒化ガリウム系化合物半導体発光素子であって、前
記発光層を、前記n型クラッド層の側に設けたn型層と
前記p型クラッド層の側に設けたp型層との積層体とし
てなることを特徴とする。このような構成においては、
p−n接合を発光層の中に形成できるので、発光効率の
高い発光素子が得られる。
【0014】また、発光層は、前記n型クラッド層に接
するn型層と、前記p型クラッド層に接するp型層と、
これらのn型層とp型層との間に形成したi型層との積
層体としてもよく、同様にp−n接合を発光層の中に形
成できるので、発光効率を高めることができる。
【0015】なお、レーザダイオードの場合では、発光
層とn型及びp型のクラッド層との間には、発光層から
の光をその近傍に閉じ込めて導波するとともに発光層へ
のキャリアの閉じ込みを助けるために光ガイド層が一般
に形成される。この光ガイド層は、キャリアを発光層の
中に閉じ込めるという点ではクラッド層と同様の作用を
持つ。したがって、本発明は、p型及びn型のクラッド
層はその単層とするかまたはこのような光ガイド層も備
えた構成のいずれでもよいことを要件として含む。
【0016】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、基板の
上に、窒化ガリウム系化合物半導体からなるn型クラッ
ド層と発光層とp型クラッド層とをこの順に積層または
逆の順に積層する窒化ガリウム系化合物半導体発光素子
であって、前記発光層を、前記n型クラッド層の側に設
けたn型層と前記p型クラッド層の側に設けたp型層と
の積層体としてなるものであり、p−n接合を発光層の
中に形成できるので、発光層の中への電子と正孔の注入
が促され、発光層での電子と正孔の再結合もより一層効
率的に実現されるという作用を有する。
【0017】請求項2に記載の発明は、基板の上に、窒
化ガリウム系化合物半導体からなるn型クラッド層と発
光層とp型クラッド層とをこの順にまたは逆の順に積層
する窒化ガリウム系化合物半導体発光素子であって、前
記発光層を、前記n型クラッド層の側に設けたn型層
と、前記p型クラッド層の側に設けたp型層と、これら
のn型層とp型層との間に形成したi型層との積層体と
してなるものであり、p−n接合を発光層の中に形成で
きるので、発光層の中への電子と正孔の注入が促され、
発光層での電子と正孔の再結合もより一層効率的に実現
されるという作用を有する。
【0018】以下に、本発明の実施の形態の具体例を図
面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施の形
態に係るGaN系化合物半導体発光素子の構造を示す縦
断面図である。なお、サファイアを利用した基板上に成
膜するGaN化合物半導体の層は、発光層を除いて図3
の従来の技術のものと同様であり、同じ部材については
共通の符号で指示し、その詳細な説明は省略する。
【0019】図1において、サファイアからなる基板1
の上には、バッファ層2,n型クラッド層3,発光層
4,p型クラッド層5及びp型コンタクト層6が積層さ
れている。そして、p型コンタクト層6の上にはp側電
極7を形成し、p型クラッド層5及び活性層4の一部を
エッチング除去して露出したn型層3の表面にはn側電
極8が形成されている。なお、n側電極8の材料として
は、アルミニウム(Al)やチタン(Ti)等の金属を
用いることができ、p側及びn側の電極7,8のそれぞ
れはいずれも金属の蒸着法によって得られる。発光層4
はn型クラッド層3及びp型クラッド層5よりもバンド
ギャップエネルギーの小さいInGaNやInGaAl
N等のGaN系化合物半導体であることが好ましい。特
に、所望の発光波長が得られるようなバンドギャップエ
ネルギーを有するように、インジウムの組成比を適宜調
整したInGaNとすることが望ましい。
【0020】本発明においては、発光層4は、n型クラ
ッド層3に接触する側をn型層41とし、このn型層4
1の上に積層されるとともにその上面をp型クラッド層
5に接触させたp型層42との二重の積層体として形成
されたものである。
【0021】n型層41は、先に述べたInGaNやI
nGaAlN等のGaN系化合物半導体の気相成長過程
において、SiやGe等のn型不純物をドープするか、
あるいはn型不純物をドープせず、アンドープとしてn
型伝導型としたものである。なお、GaN系化合物半導
体は、SiやGe等のn型不純物をドープしなくてもn
型の伝導型とすることができ、n型不純物を積極的にド
ープすることで発光層4への電子の注入効率の向上を図
ることも可能である。
【0022】p型層42は、同様にInGaNやInG
aAlN等のGaN系化合物半導体の気相成長過程にお
いて、Mgをドープさせてp型伝導型としたものであ
る。p型ドーパントとしては、Mgの他にもZnやC
d,Be,Ca,C等の不純物が利用できる。この場
合、発光層4の中で深い準位を形成しにくいMgを用い
ると、発光層4のバンド間遷移を利用した発光が得やす
くなり、発光効率を高くすることができるので、発光輝
度の向上の面からはMgをドーパントとすることが好ま
しい。
【0023】また、発光層4の下側に位置してその表面
にn型層41を積層するn型クラッド層3は、発光層4
よりも大きいバンドギャップエネルギーを持つGaN系
化合物半導体であればよい。たとえば、GaNやInG
aN,InGaAlN等が用いられる。
【0024】発光層4の上側に位置してp型層42の表
面に積層されるp型クラッド層5も、同様に発光層より
も大きいバンドギャップエネルギーを持つGaN系化合
物半導体であればよい。たとえば、GaNやInGa
N,AlGaN,InGaAlN等を用いることができ
る。
【0025】このように、発光層4をn型層41とp型
層42との二重の層とすることによって、発光層4自身
の中にn型層41とp型層42とによるp−n接合が確
実に形成される。したがって、発光層4の中への電子と
正孔の注入が促されるとともに、電子と正孔の再結合が
発光層4の中で行われやすくなるので、発光効率が高く
なり、発光強度の向上が可能となる。
【0026】また、発光層4をp型層42とn型層41
の二重層とするのに加えて、発光層4のn型層41はn
型クラッド層3に接し、発光層4のp型層42はp型ク
ラッド層5に接触している。このような積層構造では、
p−n接合を発光層4の中に確実に形成できるととも
に、n型クラッド層3から電子が効率的に発光層の中へ
注入され、かつp型クラッド層5から正孔が効率的に発
光層4の中へ注入される。したがって、発光層4の中で
の電子と正孔の再結合がさらに一層行われやすくなり、
発光効率もより一層高められる。
【0027】図2は請求項2の発明のGaN系化合物半
導体発光素子の縦断面図である。なお、図1の例と同じ
部材については共通の符号で指示し、詳細な説明は省略
する。
【0028】この例では、発光層4はn型層41とp型
層42とに加えてこれらの層41,42の間にi型層4
3を形成した3層構造であり、この点だけが図1の構成
と相違する。
【0029】本発明において、i型層43とは、抵抗率
が高くてキャリア濃度が非常に低いp型層あるいはn型
層のいずれかの層のことである。すなわち、i型層43
は、SiやGe等のn型不純物とMg等のp型不純物と
を同時にドープさせて、あるいはn型不純物をドープせ
ずにMg等のp型不純物を少量ドープさせてキャリアの
補償を生じさせ、キャリア濃度を非常に低くした層とし
て用いることができる。n型不純物とp型不純物の同時
ドープは、発光層4の結晶成長中に、n型不純物及びp
型不純物の原料ガスを同時に流して供給することで可能
である。また、これに代えて、n型不純物をドープする
かあるいはn型不純物をドープせずにアンドープとして
n型層41を形成した後、p型不純物をドープしたp型
層42やp型クラッド層5を形成する際に、これらp型
の層からのp型不純物の拡散によりn型層の一部にp型
不純物をドープさせて、n型不純物とp型不純物をドー
プ、あるいはp型不純物のみを低濃度にドープさせた領
域を層状に形成してこの層をi型層とすることもでき
る。
【0030】このように、発光層4をn型層41とi型
層43とp型層42との3層構造とすると、キャリア濃
度の非常に低いi型層43を挟んでn型層41とp型層
42が形成されるので、発光層4の中にp−n接合が確
実に形成される。このため、電子と正孔の再結合が発光
層4の中で促され発光強度を高めることができる。
【0031】なお、図1及び図2の例では、基板1の上
にバッファ層2を介してn型クラッド層3と発光層4と
p型クラッド層5との順に積層した場合を示したが、n
型クラッド層3とp型クラッド層5とを入れ換えた構成
とすることもできる。すなわち、基板1側からp型クラ
ッド層5と発光層4とn型クラッド層3とを順に積層
し、発光層4はそのp型層42をp型クラッド層5の側
に及びn型層41をn型層3の側にそれぞれ設ける関係
としてもよい。また、図2の例におけるi型層43を含
むものについても同様の構成とすればよい。
【0032】
【実施例】以下、本発明の半導体発光素子をその具体的
な製造方法に基づいて説明する。本実施例は、有機金属
気相成長法を用いたGaN系化合物半導体の成長方法を
示すものであり、実施例1は図1に示した構成のもので
あり、実施例2は図2に示した構成のものに対応する。
【0033】(実施例1)まず、表面を鏡面に仕上げら
れたサファイアの基板1を反応管内の基板ホルダーに載
置した後、基板1の表面温度を1100℃に10分間保
ち、水素ガスを流しながら基板1を加熱することによ
り、基板1の表面に付着している有機物等の汚れや水分
を取り除くためのクリーニングを行う。
【0034】次に、基板1の表面温度を600℃にまで
降下させ、主キャリアガスとしての窒素ガスを10リッ
トル/分、アンモニアを5リットル/分、トリメチルア
ルミニウム(以下、「TMA」と記す)を含むTMA用
のキャリアガスを20cc/分で流しながら、AlNか
らなるバッファ層2を25nmの厚さで成長させる。
【0035】次に、TMAのキャリアガスのみを止めて
1050℃まで昇温させた後、主キャリアガスとして、
窒素ガスを9リットル/分、水素ガスを0.95リット
ル/分で流しながら、新たにトリメチルガリウム(以
下、「TMG」と記す)用のキャリアガスを4cc/
分、Si源である10ppmのSiH4(モノシラン)
ガスを10cc/分で流しながら60分間成長させて、
SiをドープしたGaNからなるn型クラッド層3を2
μmの厚さで成長させる。
【0036】n型クラッド層3を成長形成した後、TM
G用のキャリアガスとSiH4ガスを止め、基板1の表
面温度を750℃まで降下させ、新たに主キャリアガス
として窒素ガスを10リットル/分、TMG用のキャリ
アガスを2cc/分、トリメチルインジウム(以下、
「TMI」と記す)用のキャリアガスを200cc/分
で流しながら60秒間成長させて、InGaNからなる
アンドープでn型の発光層4を6nmの厚さで成長させ
る。
【0037】発光層4を成膜後、TMI用のキャリアガ
スとTMG用のキャリアガスを止め、基板1の表面温度
を1050℃まで上昇させ、新たに主キャリアガスとし
て窒素ガスを9リットル/分、水素ガスを0.90リッ
トル/分、TMG用のキャリアガスを4cc/分、TM
A用のキャリアガスを6cc/分、Mg源であるビスシ
クロペンタジエニルマグネシウム(以下、「Cp2
g」と記す)用のキャリアガスを60cc/分で流しな
がら4分間成長させて、MgをドープしたAlGaNか
らなるp型クラッド層5を0.1μmの厚さで成長させ
る。
【0038】p型クラッド層5を成長形成した後、TM
A用のキャリアガスと、TMG用のキャリアガスと、C
2Mg用のキャリアガスとを止め、基板1の温度を1
050℃に8分間保持して、p型クラッド層5にドープ
されたMgを発光層4に拡散させ、発光層4のp型クラ
ッド層5に接する側を約3nmの厚さでp型層42と
し、発光層4のn型クラッド層3に接する側を約3nm
の厚さでn型層41とする。このようにして、発光層4
をn型層41とp型42との積層体として形成する。
【0039】引き続き、1050℃にて、新たに主キャ
リアガスとして窒素ガスを9リットル/分、水素ガスを
0.90リットル/分と、TMG用のキャリアガスを4
cc/分、Cp2Mg用のキャリアガス100cc/分
で流しながら3分間成長させ、MgをドープしたGaN
からなるp型コンタクト層6を0.1μmの厚さで成長
させる。
【0040】成長後、原料ガスであるTMG用のキャリ
アガスとCp2Mg用のキャリアガスとアンモニアを止
め、窒素ガスと水素ガスをそのままの流量で流しながら
室温まで冷却した後、ウェハーを反応管から取り出す。
【0041】このようにして形成したp−n接合を含む
GaN系化合物半導体からなる積層構造に対して、その
表面上にCVD法によりSiO2膜を堆積させた後、フ
ォトリソグラフィーにより所定の形状にパターンニング
してエッチング用のマスクを形成する。そして、反応性
イオンエッチング法により、p型コンタクト層6とp型
クラッド層5と活性層4の一部を約0.25μmの深さ
で除去して、n型層3の表面上を露出させ、このn型層
3の露出表面の上にAlからなるn側電極8を蒸着形成
する。さらに、同様にしてp型コンタクト層6の表面上
にNiとAuからなるp側電極7を形成する。
【0042】この後、サファイアの基板1の裏面を研磨
して100μm程度にまで薄くし、スクライブによりチ
ップ状に分離する。このようにして、図1に示すような
発光素子が得られる。
【0043】以上の製造方法によって得られたGaN系
化合物半導体発光素子をその電極形成面側を上向きにし
てステムに接着した後、チップのn側電極8とp側電極
7をそれぞれステム上の電極にワイヤで結線し、その後
樹脂モールドして発光ダイオードを作製した。そして、
この発光ダイオードを20mAの順方向電流で駆動した
ところ、波長455nmの青色に発光し、スペクトル半
値幅は18nmであり、発光出力は1050μWであっ
た。
【0044】(実施例2)実施例1と同様にして、基板
1の上にバッファ層2とn型クラッド層3とを形成した
後、750℃にて新たに主キャリアガスとして窒素ガス
を10リットル/分、TMG用のキャリアガスを2cc
/分、TMI用のキャリアガスを200cc/分で流
し、同時にSiH4ガスを10cc/分から0.1cc
/分までリニアに減少させながら流しながら70秒間成
長させて、InGaNからなる発光層4の一部を70n
mの厚さで成長させる。引き続き、SiH4ガスを止め
TMG用のキャリアガスとTMI用のキャリアガスをそ
のままの流量で流しながら130秒間成長させて、発光
層4の残りを130nmの厚さで成長させる。
【0045】この後、TMI用のキャリアガスとTMG
用のキャリアガスを止め、基板1の表面温度を1050
℃まで上昇させ、新たに主キャリアガスとして窒素ガス
を9リットル/分、水素ガスを0.90リットル/分、
TMG用のキャリアガスを4cc/分、TMA用のキャ
リアガスを6cc/分、Cp2Mg用のキャリアガスを
60cc/分で流しながら4分間成長させて、Mgをド
ープしたAlGaNからなるp型クラッド層5を0.1
μmの厚さで成長させる。
【0046】p型クラッド層5を成長形成した後、TM
A用のキャリアガスと、TMG用のキャリアガスとCp
2Mg用のキャリアガスとを止め、基板1の温度を10
50℃に15分間保持して、p型クラッド層5にドープ
されたMgを発光層4に拡散させ、発光層4のp型クラ
ッド層5に接する側を約7nmの厚さでp型層42と
し、発光層4のn型クラッド層3に接する側を約7nm
の厚さでn型層41とし、n型層41とp型層42の間
の層状の領域を約6nmの厚さでi型層43とする。こ
のようにして、発光層4をn型層41とi型層43とp
型層42との積層体として形成する。
【0047】この後、実施例1と同様にして電極形成及
びチップ分離等を行い、図2に示すような発光素子が得
られる。さらに、実施例1と同様にして、発光ダイオー
ドを作製し、20mAの順方向電流で駆動したところ、
波長445nmの青色に発光し、スペクトル半値幅は1
7nmであり、発光出力は1150μWであった。
【0048】
【発明の効果】請求項1及び2の発明では、GaN系半
導体化合物の発光層の中に、n型層とp型層との積層体
またはi型層を含めた積層体を形成するので、発光層の
中への電子及び正孔の注入をより一層効率的に促すこと
ができ、発光強度が大幅に改善された青色発光の発光素
子が得られる。したがって、屋外設備用のフルカラーデ
ィスプレイ等ににも支障なく使用することができ、その
用途範囲の拡大が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るGaN系化合物半
導体発光素子の構造を示す縦断面図
【図2】発光層をn型層とi型層とp型層の3層構造と
した例のGaN系化合物半導体発光素子の構造を示す縦
断面図
【図3】従来のGaN系化合物半導体発光素子の例を示
す縦断面図
【符号の説明】
1 基板 2 バッファ層 3 n型クラッド層 4 発光層 5 p型クラッド層 6 p型コンタクト層 7 p側電極 8 n側電極 41 n型層 42 p型層 43 i型層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板の上に、窒化ガリウム系化合物半導体
    からなるn型クラッド層と発光層とp型クラッド層とを
    この順に積層または逆の順に積層する窒化ガリウム系化
    合物半導体発光素子であって、前記発光層を、前記n型
    クラッド層の側に設けたn型層と前記p型クラッド層の
    側に設けたp型層との積層体としてなることを特徴とす
    る窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  2. 【請求項2】基板の上に、窒化ガリウム系化合物半導体
    からなるn型クラッド層と発光層とp型クラッド層とを
    この順にまたは逆の順に積層する窒化ガリウム系化合物
    半導体発光素子であって、前記発光層を、前記n型クラ
    ッド層の側に設けたn型層と、前記p型クラッド層の側
    に設けたp型層と、これらのn型層とp型層との間に形
    成したi型層との積層体としてなることを特徴とする窒
    化ガリウム系化合物半導体発光素子。
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