JPH11330506A - 太陽電池およびその電極の製造方法 - Google Patents

太陽電池およびその電極の製造方法

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JPH11330506A
JPH11330506A JP10127643A JP12764398A JPH11330506A JP H11330506 A JPH11330506 A JP H11330506A JP 10127643 A JP10127643 A JP 10127643A JP 12764398 A JP12764398 A JP 12764398A JP H11330506 A JPH11330506 A JP H11330506A
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film
contact surface
semiconductor film
graphite
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Akira Hanabusa
彰 花房
Junji Nakajima
潤二 中島
Mikio Murozono
幹夫 室園
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Matsushita Battery Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CdS/CdTe系太陽電池において、Cd
Te膜とカーボン電極との界面抵抗を減少させることを
目的とする。 【解決手段】 グラファイトとカーボンブラックを含む
カーボン電極のCdTe膜との接触面近傍におけるグラ
ファイトに対するカーボンブラックの重量比率を電極の
他の部分よりも大きくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硫化カドミウム/
テルル化カドミウム系太陽電池のテルル化カドミウム半
導体膜側の電極およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】硫化カドミウム半導体膜(以下、CdS
膜と記す)とテルル化カドミウム半導体膜(以下、Cd
Te膜と記す)より構成されるpn接合を持つ太陽電池
において、−側電極としては、透明導電膜上に形成した
AgIn電極が、また+側電極としては、CdTe膜上
に形成したカーボン電極がそれぞれを用いられる。これ
らの電極には、電極自体の抵抗が低いことはもちろん、
電極の半導体膜との接触面近傍の抵抗および電極と半導
体膜との接触抵抗が低いことが要求されている。CdT
e膜側のカーボン電極材料としては、電極自体の抵抗を
低くするために有効なグラファイトが用いられていた
が、この場合には前記接触面近傍の抵抗および接触抵抗
が高くなることが問題視されていた。この抵抗が高くな
る原因の一つは、グラファイトが層状構造を有するの
で、面方向の導電性は良好であるが、層間方向の電気抵
抗が大きい特質を持っていることにある。即ち、カーボ
ン電極は通常、CdTe膜上にカーボンペーストを塗布
し、乾燥、焼成して形成されるが、この電極膜中のグラ
ファイト粒子は前記接触面の近傍では接触面に沿って層
方向に配置されている。そのため、前記接触面近傍の電
極の面抵抗は小さいが、接触面に垂直な方向の抵抗はグ
ラファイトの層間抵抗に依存して大きくなる。今一つの
原因は、通常用いるグラファイト粒子の長径が5〜10
ミクロンと比較的大きく、扁平で複雑な形状のものが混
在しているため、前記接触面において、CdTeの一部
の表面がグラファイト粒子と点接触をしているに過ぎな
いことにある。このためCdTe膜とカーボン電極との
接触抵抗が大きくなる。
【0003】これを改善するために、グラファイトとカ
ーボンブラックを混合して電極材料として用いることが
提案されている。その例として、ブチルカルビトールな
どの溶媒にポリビニルブチラールなどの増粘剤を溶解さ
せ、これにグラファイトとカーボンブラックを分散させ
てカーボンペーストを調製し、このペーストをスクリー
ン印刷法等によりCdTe膜上に塗布して塗布膜を形成
し、乾燥により溶媒を蒸発させ、焼成により増粘剤を分
解除去してカーボン電極を形成する方法(特公昭56−
28032号公報)などがある。上記の方法は、電気抵
抗的に異方性が少ないカーボンブラックを混合すること
により、前記の接触面とその近傍の抵抗を低減し、さら
に、グラファイトに比較して粒径がサブミクロンオーダ
ーと小さく、かつ球形に近い形状のカーボンブラック粒
子が、前記接触面もしくはその近傍においてグラファイ
ト粒子相互間、およびグラファイト粒子とCdTe膜と
の界面の空隙を埋めることにより、電極のCdTe膜接
触面近傍の抵抗および電極とCdTe膜との接触抵抗を
低減することを期待したものである。
【0004】しかし、この方法では、前記接触面もしく
はその近傍に期待通りにカーボンブラックを十分に存在
させることができず、僅かな効果が得られるに過ぎなか
った。これを改善するため多量のカーボンブラックを混
合した場合には、ある程度抵抗が低減されるものの、粒
子間抵抗が大きいカーボンブラックが過剰に存在するた
め、電極自体の抵抗が増大する問題があった。一方、電
極自体の抵抗を低くするため、電極中にエポキシ樹脂な
どの硬化性樹脂を含有させ、硬化時の樹脂の収縮と同時
にグラファイトの粒子間距離を近接させる方法が考えら
れている。しかし、この方法により、グラファイトとカ
ーボンブラックと樹脂とを溶媒を用いてペースト状に
し、これを用いて塗布膜を形成すると、CdTe膜に接
する面に樹脂が介在するために、この部分の抵抗が高く
なるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術の問題点を解決し、電極自体の抵抗を増大させるこ
となく、電極のCdTe膜接触面近傍の抵抗および電極
とCdTe膜との接触抵抗が低減された低抵抗のカーボ
ン電極を提供することを目的とする。本発明は、また抵
抗のばらつきが少なく、安定した電極を製造する方法を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、CdS膜、C
dTe膜、およびCdTe側の電極を備える太陽電池に
おいて、前記電極がグラファイトとカーボンブラックを
含み、カーボンブラックのグラファイトに対する重量比
率を、電極のテルル化カドミウム半導体膜との接触面近
傍において、それ以外の部分より大きくしたことを特徴
とする。本発明の電極の製造方法は、CdTe膜上に塗
布したカーボンペーストの塗布膜を乾燥する以前に、前
記塗布膜にCdTe膜との接触面側への遠心力を加える
ことにより、CdTe膜との接触面近傍のカーボンブラ
ックの密度を高くするものである。また、前記塗布膜に
超音波振動を加えることにより、CdTe膜との接触面
近傍のカーボンブラックを均一且つ密に分布させるもの
である。これにより、上記課題が解決され、カーボン電
極の抵抗増大に起因する太陽電池の性能低下とばらつき
を抑止することが可能となるので、高効率で高品質の太
陽電池を安定的に製造することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、CdTe膜側の電極
が、電極のCdTe膜との接触面近傍において、グラフ
ァイトに対するカーボンブラックの重量比率を電極中の
他の部分より大きくすることを基本とするものである。
これにより、電極自体の抵抗を増大させることなく、電
極のCdTe膜との接触面近傍の抵抗および電極とCd
Te膜との接触抵抗を減少させることができる。先に従
来の技術の項で記述したように、グラファイトは電極自
体の抵抗を低減するためには有効であるが、電極のCd
Te膜との接触面近傍における接触面に垂直な方向の抵
抗および電極とCdTe膜との間の接触抵抗を低減する
効果が乏しい。本発明によれば、電気抵抗的に異方性が
少なく、グラファイトより小粒子で球形に近いカーボン
ブラックを前記接触面近傍に密に存在させ、接触面もし
くはその近傍においてグラファイト粒子相互間、および
グラファイト粒子とCdTe膜表面の空隙を埋めること
により、接触面近傍の電極の抵抗および電極とCdTe
膜間の接触抵抗を低減させることができる。また、上記
接触面から離れた部分にグラファイトを密に存在させ、
カーボンブラックを粗に存在させることにより、電極自
体の抵抗も同時に低減できる。
【0008】本発明における「CdTe膜との接触面近
傍」は、電極のCdTe膜に接する側の層、好ましくは
CdTe膜に接する電極表面の接触面から1ミクロン以
内の深さの電極層を指す。「接触面以外の部分」は、C
dTe膜と接触する面とは反対側の面を含む層であり、
好ましくはCdTe膜に接する電極表面の接触面から1
ミクロンを越える深さの電極層を言う。また、本発明に
適用できるカーボンブラックとしては、例えばケッチェ
ンブラック、チャネルブラック、サーマルブラックなど
がある。また、グラファイトとしては、各種の天然黒
鉛、人造黒鉛を用いることができる。さらに、上記の電
極中のCdTe膜との接触面近傍におけるグラファイト
に対するカーボンブラックの重量比率を、電極の中央部
の層における重量比率の2倍以上とすることにより、上
記の効果が顕著に得られる。上記の電極中に、グラファ
イトとカーボンブラック以外にエポキシ樹脂などの硬化
性樹脂成分を含有させることにより、本発明の効果がさ
らに高まる。すなわち、樹脂の硬化時の収縮により、グ
ラファイトの粒子間距離を近接させて電極自体の抵抗の
一層の減少が可能となり、同時にCdTe膜との接触面
近傍における電極中のカーボンブラックの重量比率を大
きくし、樹脂成分を少なくすることにより、接触面近傍
の抵抗を低減し、接触抵抗の増大を防ぐことができる。
その際、電極中の樹脂に対するカーボンブラックの重量
比率を、CdTe膜との接触面近傍において、電極の中
央部の層における重量比率の2倍以上とすることが好ま
しい。
【0009】本発明によるカーボン電極を製造する方法
としては、グラファイトとカーボンブラックを含有する
ペーストをCdTe膜上に印刷し、塗布膜を形成した
後、前記塗布膜に前記CdTe膜側への遠心力を加えた
後に乾燥、焼成してカーボン膜を形成し、これを電極と
する方法が有効である。遠心力を加える以前の未乾燥塗
布膜中には、溶媒に溶解した増粘剤および必要に応じて
加えた硬化性樹脂が含まれ、これにグラファイトとカー
ボンブラックが均一に分散しているが、前記の遠心力を
加えることにより、増粘剤や硬化性樹脂よりも真比重が
大きいグラファイトとカーボンブラックが粘性抵抗に逆
らって、CdTe膜との接触面側に移動し、接触面に近
くなるほど密に分布する。特に、カーボンブラックは、
球状構造で粒径が極めて小さいので、遠心力により上記
の移動をする際に受ける粘性抵抗が小さく、接触面側に
比較的容易に移動する。一方、グラファイトは、層状構
造を持つので、概して形状が扁平であり、塗布面に水平
に位置し易いため、大きな粘性抵抗を受ける。このた
め、カーボンブラックよりも接触面側への移動が遅くな
る。また、グラファイトは粒径が大きいために、接触面
側に移動して積層された状態では、粒子間およびCdT
e膜表面との間に多くの空隙が形成される。その空隙を
通して粒径の小さいカーボンブラックが遠心力を受けて
接触面側に移動すると共にその空隙を埋めるので、接触
面側にカーボンブラックが密に偏在することが助長され
る。このように、接触面側にカーボンブラックを密に偏
在させることは、同時に接触面から遠い側にグラファイ
トを密に存在させることになる。
【0010】さらに、本発明による今一つの製造方法
は、前記のカーボンペーストの未乾燥塗布膜に超音波振
動を加える。カーボンペースト中には、粒子の小さいカ
ーボンブラックが部分的に凝集して二次粒子として存在
する場合が多く、未乾燥の塗布膜中にも同様の二次粒子
が存在する。この未乾燥塗布膜に超音波振動を加えるこ
とにより、これらの二次粒子の凝集状態を解除して一次
粒子化させることができる。これにより、塗布膜中のカ
ーボンブラックをより均一に分散させることができ、グ
ラファイト粒子間およびグラファイト粒子とCdTe膜
表面の間の空隙の細部にも入り込んだ状態が形成でき
る。また、未乾燥塗布膜に前記の遠心力と超音波振動の
両方を加えることにより、これらの相乗効果により、カ
ーボンブラックを接触面側に多く偏在させた上に、前記
の空隙の細部にわたるまで密に充填できる。以上のよう
に、上記の各方法で処理された未乾燥塗布膜を乾燥、焼
成することにより、前記接触面近傍の抵抗と接触抵抗お
よび電極自体の抵抗が同時に低減された低抵抗のカーボ
ン電極を形成できる。
【0011】
【実施例】以下に、本発明を具体的な実施例を挙げてよ
り詳細に説明する。
【0012】《実施例1》図1に示した太陽電池の模式
断面図により、本実施例を説明する。硫黄−カドミウム
結合を有する有機金属化合物であるイソプロピルキサン
トゲン酸カドミウムを1−メチル−2−ピロリドンに溶
解させた溶液を調製した。ガラス基板6上に厚さ約60
0ナノメータの二酸化錫膜7を形成した基板1上に、前
記溶液を塗布し、これを110℃で乾燥して溶媒を揮発
させた。その後大気中にて450℃で3分間加熱し、前
記有機金属化合物を熱分解させることにより、CdS膜
2を製膜した。その際、上記溶液の濃度と製膜回数を調
節して、膜厚を70ナノメータに調整した。一方、Cd
Te粉末をプロピレングリコールで混練して調製したペ
ーストをガラス板上に印刷して、CdTe膜形成のため
のソ−スを作製した。このソースにCdS膜2を対向さ
せて基板1を配置し、Ar雰囲気中で基板温度600
℃、ソース温度630℃、圧力1torr、基板とソー
ス間の距離2mmの条件の近接昇華法により、CdS膜
2上に約8ミクロンの膜厚のCdTe膜3を形成した。
この後、CdTe膜3上に塩化カドミウムの水溶液を塗
布して乾燥し、400℃で30分間熱処理した後、純水
中で超音波洗浄により洗浄した。
【0013】次に、長径が5〜10ミクロンの鱗片状天
然黒鉛30g、ケッチェンブラック270g、ビスフエ
ノール系エポキシ樹脂70g、およびブチルカルビトー
ルを混合してカーボンペーストを調製した。このペース
トをスクリーン印刷法によりCdTe膜上に塗布して塗
布膜を形成した後、CdTe膜との接触面に向けて遠心
力が塗布膜に加わるように、ガラス基板6側を外側に向
けて遠心分離器中に固定し、回転速度2000rpm、
回転半径20cmの条件で10分間処理を行った。その
後直ちに120℃で90分間乾燥した後、380℃で3
0分間熱処理して焼成を行い、膜厚15ミクロンのカー
ボン膜を形成し、CdTe膜側のカーボン電極4とし
た。この場合、樹脂の溶媒としてペースト中に加えたブ
チルカルビトールは乾燥により蒸発して除去されるの
で、形成されたカーボン電極4は、グラファイトとケッ
チェンブラックとエポキシ樹脂から構成されたものとな
る。さらに、CdS膜2上および電極4上に銀・インジ
ウムを含むペーストを塗布し、乾燥してそれぞれAgI
n膜5および8を形成し、図1に示す構造の太陽電池を
作製した。
【0014】《実施例2》遠心分離器で遠心力を加える
条件を500rpmで10分間とした以外は、実施例1
と同様の方法にて太陽電池を作製した。
【0015】《実施例3》増粘剤としてのポリビニルブ
チラール樹脂300gをブチルカルビトールに溶解し、
これにグラファイト30gとケッチェンブラック270
gを分散させたカーボンペーストを用いた以外は、実施
例1と同様の方法にて太陽電池を作製した。この場合、
溶媒および増粘剤は乾燥、焼成の段階で蒸発あるいは熱
分解により除去されるため、テルル化カドミウム膜側の
電極は、グラファイトとケッチェンブラックのみから構
成されたカーボン電極となっている。
【0016】《実施例4》カーボンペーストをCdTe
膜上にスクリーン印刷した後、遠心力を加えるのに替え
て、超音波振動子をガラス基板6の端面に接触させて、
出力2W、18kHzの超音波振動を5分間加えた以外
は、実施例1と同様の方法にて太陽電池を作製した。
【0017】《実施例5》実施例1と同様にして、カー
ボンペーストをCdTe膜上にスクリーン印刷し、遠心
力を加えた後、実施例4と同様にして超音波振動を加え
た以外は、実施例1と同様の方法で太陽電池を作製し
た。
【0018】《比較例1》カーボンペーストをCdTe
膜上にスクリーン印刷した後、遠心力を加えないで、直
ちに乾燥、熱処理をした以外は、実施例1と同様の方法
にて太陽電池を作製した。
【0019】次に、本発明の効果を確認するために、実
施例1〜5および比較例1のカーボン電極について、C
dTe膜との接触面から1ミクロンの深さの電極層(以
下、電極層1と記す)および電極中央部の層(以下、電
極層2と記す)のケッチェンブラックとグラファイトお
よび樹脂の重量比率を調べた。分析方法は、電極断面の
ケッチェンブラック表面にオスミウムを付着させて粒子
輪郭を明瞭にするための処理を行い、X線マイクロアナ
ライザーでケッチェンブラックの占有体積を測定し、走
査型電子顕微鏡でグラファイトの占有体積を測定し、各
電極層の体積から前二者の占有体積を差し引いて樹脂の
占有体積を算出した。それぞれの占有体積と比重から各
々の重量と重量比率を算出した。尚、電極層2について
はカーボン電極の中央部の電極層(接触面から約7〜8
ミクロンの深さの電極層)について分析した。分析した
電極層1,2の厚みは各試料とも1ミクロンとした。
【0020】上記で作製したそれぞれの太陽電池につい
て、ソーラシミュレータを用いて、AM;1.5,10
0mV/cm2の条件下で、太陽電池の直列抵抗、フィ
ルファクタおよび変換効率を測定した。それらの結果を
表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】表1に示すように、実施例1〜5では何れ
も、グラファイトに対するケッチェンブラックの重量比
率はCdTe膜との接触面近傍の電極層1が電極中央部
の電極層2より大きく、この比率が大きいほど太陽電池
の直列抵抗が低く、高い変換効率を示した。特に、電極
層1におけるグラファイトに対するケッチェンブラック
の重量比率が電極層2における重量比率の2倍以上であ
る実施例1、3、4および5は、高い変換効率を得るこ
とができた。また、電極に樹脂を含有させた実施例の
内、電極層1における樹脂に対するケッチェンブラック
の重量比率が電極層2における重量比率の2倍以上であ
る実施例1、4および5がより高い変換効率を示した。
これらの結果から、本発明の製造方法により、カーボン
ペーストの塗布膜に遠心力や超音波を加えることによっ
て、カーボン電極中の電極層1でのケッチェンブラック
の重量比率を高める顕著な効果が得られることが実証さ
れた。また、比較例1では、電極層1と電極層2とでケ
ッチェンブラックがほぼ同等の密度で存在しており、太
陽電池の諸特性も各実施例より劣っている。なお、表1
に示した以外に、各実施例の電極の表面からの深さを変
えて、上記と同様の分析を行った結果、CdTe膜との
接触面に近くなるにつれて、グラファイトあるいは樹脂
に対するケッチェンブラックの重量比率が大きくなって
いる傾向が確認された。
【0023】上記の各実施例においては、CdS膜を有
機金属化合物から形成する方法を用いたが、液層製膜
法、近接昇華法、蒸着法あるいはスパッタリング法等の
他の方法により形成した場合にも本発明を適用して同様
の効果が得られる。また、CdTe膜を近接昇華法によ
り形成したが、蒸着法やスパッタリング法等の他の方法
により形成した場合にも本発明を適用して同様の効果が
得られる。
【0024】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、カーボン
電極のCdTe膜との接触面側にカーボンブラック粉末
を密に偏在させることにより、電極自体の抵抗を増大さ
せることなく、電極のCdTe膜との接触面近傍の抵抗
および電極とCdTe膜との接触抵抗を低減させること
ができ、変換効率の高い太陽電池を安定して提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における太陽電池の模式断面図
である。
【符号の説明】
1 基板 2 CdS膜 3 CdTe膜 4 カーボン電極 5、8 銀・インジウム膜 6 ガラス基板 7 二酸化錫膜

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫化カドミウム半導体膜、テルル化カド
    ミウム半導体膜、およびテルル化カドミウム半導体膜側
    の電極を具備し、前記電極がグラファイトとカーボンブ
    ラックを含み、カーボンブラックのグラファイトに対す
    る重量比率が、電極のテルル化カドミウム半導体膜との
    接触面近傍において、それ以外の部分より大きいことを
    特徴とする太陽電池。
  2. 【請求項2】 前記接触面近傍におけるカーボンブラッ
    クのグラファイトに対する重量比率が、電極中央部の層
    のそれの2倍以上である請求項1記載の太陽電池。
  3. 【請求項3】 前記電極が樹脂を含む請求項1記載の太
    陽電池の電極。
  4. 【請求項4】 カーボンブラックの前記樹脂に対する重
    量比率が、前記接触面近傍において、電極中央部の層の
    それの2倍以上である請求項3記載の太陽電池。
  5. 【請求項5】 硫化カドミウム半導体膜とテルル化カド
    ミウム半導体膜を備えた太陽電池のテルル化カドミウム
    半導体膜側の電極の製造方法であって、グラファイトと
    カーボンブラックを含有するペーストを前記テルル化カ
    ドミウム半導体膜上に印刷して塗布膜を形成する工程、
    前記塗布膜にその未乾燥状態において、前記テルル化カ
    ドミウム半導体膜側への遠心力を加える工程、および前
    記塗布膜を乾燥し、次いで焼成することによりカーボン
    膜を形成する工程を有することを特徴とする太陽電池の
    電極の製造方法。
  6. 【請求項6】 硫化カドミウム半導体膜とテルル化カド
    ミウム半導体膜を備えた太陽電池のテルル化カドミウム
    半導体膜側の電極の製造方法であって、グラファイトと
    カーボンブラックを含有するペーストを前記テルル化カ
    ドミウム半導体膜上に印刷して塗布膜を形成する工程、
    前記塗布膜にその未乾燥状態において超音波振動を加え
    る工程、および前記塗布膜を乾燥し、次いで焼成するこ
    とによりカーボン膜を形成する工程を有することを特徴
    とする太陽電池の電極の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記塗布膜に遠心力を加える工程の前ま
    たは後に、前記塗布膜に超音波振動を加える工程を有す
    る請求項5記載の太陽電池の電極の製造方法。
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