JPH11328068A - ネットワーク組込み用システム - Google Patents

ネットワーク組込み用システム

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JPH11328068A
JPH11328068A JP10152172A JP15217298A JPH11328068A JP H11328068 A JPH11328068 A JP H11328068A JP 10152172 A JP10152172 A JP 10152172A JP 15217298 A JP15217298 A JP 15217298A JP H11328068 A JPH11328068 A JP H11328068A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ネットワークプリンタ等の円滑な動作環境の
確保。 【解決手段】 ネットワーク機能とネットワーク機能以
外の機能とは、同一のCPUの制御により動作する。ネ
ットワーク機能以外の機能の処理のうち、CPU使用権
をネットワーク機能に渡したくない緊急処理を開始し終
了するまでの間、動作レデュースフラグをオンにする。
ネットワーク内のパケット送受信を担当するネットワー
クインタフェースチップ(NIC)は、動作レデュース
フラグを参照し、緊急処理の開始から終了までの間は、
特定の種類のパケット受信を停止するためのフィルタ動
作を実行する。一方、タイマは、緊急処理の開始から終
了までの間、一定の時間間隔で、フィルタ動作を解除す
る。 【効果】 緊急処理時にCPUの負担を軽減して、緊急
処理の処理速度低下や障害の発生を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、単一のC
PU(中央処理装置)により動作するシステムが、ネッ
トワークに接続されている場合に、このシステムがネッ
トワークから受信するべきパケット数に関係無く、シス
テム本来の機能を動作保証した、ネットワーク組込み用
システムに関する。
【0002】
【従来の技術】ネットワークに接続された機器は、必ず
Network I/F Chip(ネットワークインタフェースチッ
プ)と呼ばれるH/W(ハードウェア)を持っている。Net
work I/FChipは、ネットワークの回線上を流れる自機器
宛てのパケットを受信したり、ネットワーク回線上にパ
ケットを送信したりする役割を持つ。自機器宛てのパケ
ットとその他のパケットとを区別する機能をフィルタ
(選別)機能と呼ぶ。
【0003】一般的なNetwork I/F Chipのフィルタ機能
(選別)によれば、受信するパケットが以下に示すよう
なパターンの場合に、それを自機器宛てのパケットと判
定して、そのパケットを受信するように動作する。 (1)自H/Wアドレス宛てのパケット (2)自H/Wアドレスを含む集団(グループ)宛てのパ
ケット(Multicast Packet) (3)全機器宛てのパケット(Broadcast Packet) (4)各種エラーパケットを除くパケット
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来の技術には、次のような解決すべき課題があっ
た。単一のCPUにより動作するシステムが、ネットワ
ークに接続された場合に、そのCPUは、システム本来
の機能を発揮するための処理と、ネットワーク関連の機
能を発揮するための処理とを並立させる。この場合に、
CPU資源の使用割合の設定が重要になる。
【0005】例えば、ネットワーク上には、様々なパケ
ットが流れている。特に、大規模なネットワークでは、
ネットワークをいくつかのSub−Network(サブネットワ
ーク)に分割しているルータ間で、大量の情報をやり取
りしている。この情報がプロードキャストパケットとし
て転送されると、ネットワークに接続されたルータ以外
のシステムがそのパケットを受信してしまうことがあ
る。この情報パケットを一挙に大量に受信して処理する
と、CPU資源が長時間受信パケット処理に費やされ
る。これにより、システムのネットワーク関連機能以外
の機能に障害をもたらす場合が少なくない。
【0006】ルータのみならず、ネットワークに接続さ
れる様々な機器を含むシステムは、同様の問題をかかえ
ている。例えばネットワークプリンタが印刷処理を実行
中に、ネットワークから大量の情報パケットを受信する
と、ネットワークプリンタのCPUの負荷が増大して、
印刷速度が著しく低下するといった問題も生じる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は以上の点を解決
するため次の構成を採用する。 〈構成1〉同一CPUにより制御されるネットワーク機
能とネットワーク機能以外の機能とを備えたネットワー
ク組込み用システムであって、上記ネットワーク機能以
外の機能の処理のうち、CPU使用権をネットワーク機
能に渡したくない緊急処理の開始と終了を表示する動作
レデュースフラグ保持手段と、ネットワーク内のパケッ
ト送受信を担当するネットワークインタフェースチップ
(NIC)と、このネットワークインタフェースチップ
の動作全体を制御するとともに、上記動作レデュースフ
ラグを参照し、上記緊急処理の開始から終了までの間
に、上記ネットワークコントロールチップに対して、通
常動作で受信するパケットのうち、特定の種類のパケッ
ト受信を停止するようにフィルタ動作を実行させるNI
Cドライバと、上記緊急処理の開始から終了までの間
に、一定の時間間隔で、上記特定の種類のパケット受信
停止動作を解除するタイマとを備えたことを特徴とする
ネットワーク組込み用システム。
【0008】〈構成2〉構成1に記載のシステムにおい
て、ネットワークインタフェースチップは、緊急処理の
開始から終了までの間は、通常動作で受信するパケット
のヘッダに含まれる特定のフィールドを参照して、その
値が予め設定された値と等しい場合にのみ、そのパケッ
トを受信するように動作することを特徴とするネットワ
ーク組込み用システム。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
例を用いて説明する。 《具体例1》この発明は、同一のCPUが、ネットワー
ク機能とネットワーク機能以外の機能とを併せて制御す
るシステムに利用される。このシステムでは、ネットワ
ーク機能に従って動作中は、他の機能の処理は待たされ
る。こうしたシステムのネットワーク機能以外の機能の
処理のうちには、CPU使用権をネットワーク機能に渡
したくない緊急処理が含まれることがある。この場合
に、その緊急処理の開始と終了を表示する動作レデュー
スフラグをセットする。
【0010】緊急処理の開始から終了までの間には、通
常動作中には受信をするパケットのうちで、特定の種類
のパケット受信を停止する。特定の種類のパケットとい
うのは、受信に緊急性を必要としないパケットのことで
ある。動作レデュースフラグをセットした間に、緊急処
理を最優先に実行する。またその一方で、緊急処理の開
始から終了までの間に、特定の種類のパケット受信停止
動作を解除するようなタイマ割り込みを実行する。この
割り込み間隔は任意である。これは、特定の種類のパケ
ットの受信を長時間停止したときに生じる弊害を防止す
るためである。
【0011】〈構成〉図1は、本発明によるネットワー
ク組込み用システム例ブロック図である。なお、以下の
例は、ネットワークに接続されたプリンタに、本発明を
適用した場合につて説明をする。図のプリンタ1は、ネ
ットワークインタフェースチップ4(Network I/F Chi
p)によりネットワーク3に接続されている。ネットワ
ークインタフェースチップ4は、同一ネットワーク内の
低レベルのパケット送受信を担当するハードウェアイン
タフェース回路である。プリンタ1は、ネットワーク機
能部5とプリンタ機能部6とを備える。プリンタのCP
U2は、ネットワーク機能部5とプリンタ機能部6とを
併せて制御するように構成されている。
【0012】ネットワーク機能部5には、ネットワーク
インタフェースチップ4をソフトウェア的に制御するN
ICドライバ7(NIC Driver、)が設けられている。こ
の他に、プリンタ1には、動作レデュースフラグ保持部
8と、タイマ9が設けられている。
【0013】上記ネットワークインタフェースチップ4
は、ネットワーク機能を持つノードをネットワークに接
続し、パケットの送受信や、受信パケットの簡単なエラ
ー検知等を可能とするハードウェアである。NICドラ
イバ7は、ネットワークインタフェースチップ4から受
信パケットを受け取り、ネットワーク機能部5に渡した
り、ネットワーク機能部5から送信パケットをネットワ
ークインタフェースチップ4に渡して送信要求をしたり
する処理を行う部分である。
【0014】ネットワーク機能部5は、パケットのやり
取りに意味付けをし、ネットワーク上に接続されたノー
ドとの有意な通信処理を行う制御をする部分である。動
作レデュースフラグ保持部8は、あとで説明するよう
に、緊急処理の開始から終了までの間オンし、その他の
場合にはオフするフラグを保持する、記憶部により構成
される。プリンタ機能部6は、各種の印刷動作を実行す
る部分である。タイマ9は、動作レデュースフラグがオ
ンの間、後で説明するタイマ割り込みを実行するため
に、一定間隔で動作するインターバルタイマである。
【0015】図2に、ネットワーク機能部の具体的なブ
ロック図を示す。図のNICドライバ7には、プロトコ
ルスタック11と複数のアプリケーション12が順に接
続されている。プロトコルスタック11は、NICドラ
イバ7を使用して通信をする端点ノードとの間の通信機
能を提供する部分である。アプリケーション12は、そ
れぞれ、プロトコルスタック11を使用して、より高度
な通信機能を提供するコンピュータプログラムにより構
成される。メモリ13は、ネットワークインタフェース
チップ4とプリンタ機能部6の両方からアクセスされる
メモリで、動作レデュースフラグ保持部8を備える。
【0016】上記のプリンタ機能部6は、印刷処理が起
動された時点から印刷を終了するまでの間に、CPU2
を長時間使用する。この間に、他の機能にCPUを渡す
ことができない処理が含まれてくる。印刷処理では、印
刷イメージを作成しながら、プリントエンジンにその印
刷イメージを転送して、用紙上に印刷を実行する。も
し、印刷イメージを紙に印刷する処理が印刷イメージを
作成する処理に追いついてしまうと、印刷のない白紙を
排出してしまうプリントオーバーランという現象が発生
する。こうした印刷イメージの作成処理は、プリンタ本
来の重要な機能である。そこで、この処理を緊急処理と
し、以下のシステムでは、パケットの受信に優先させ
る。
【0017】図3には、システムの動作タイムチャート
を示した。図において、(a)はプリント動作のタイミ
ング、(b)はパケット受信動作のタイミング、(c)
は動作レデュースフラグのタイミング、(d)はタイマ
割り込みのタイミングを示している。図のように、時刻
t1から上記緊急処理が開始され、時刻t2にその緊急
処理が終了するものとする。タイマ9は、時刻t1に動
作レデュースフラグがオンになったタイミングで起動
し、T時間おきにごく短時間有効になる信号を出力す
る。(c)では信号がハイレベルのときが有効である。
(c)に示す動作レデュースフラグがオンの間は、
(a)に示すようにプリント動作を実行するが、T時間
おきにタイマ9の出力が有効になると、(b)に示すよ
うに、その間だけパケット受信処理を実行する。
【0018】図4にプリンタ機能部の動作フローチャー
トを示す。まず、印刷処理が既に開始されているものと
する。この途中で、上記緊急処理が開始されたとする。
ステップS1は、この緊急処理の開始を検知する処理で
ある。
【0019】緊急の処理が開始されたことを認識する
と、動作レデュースフラグ10をオンに設定する(ステ
ップS2)。この動作レデュースフラグを設定すると、
その緊急処理を行う(ステップS3)。緊急処理が開始
されると、その後緊急処理が終了まで、状態を監視する
(ステップS4)緊急処理が終了した場合には、動作レ
デュースフラグ10をオフに設定する(ステップS
5)。
【0020】図5に、NICドライバの動作フローチャ
ートを示す。始めに、ネットワークインタフェースチッ
プ4は、パケットを受信するとNICドライバ7の受信
割り込み処理を起動させる。NICドライバ7の受信割
り込み処理では、パケットを受信すると動作レデュース
フラグ10をリードしてその内容を確認する(ステップ
S1)。動作レデュースフラグがオンならば、Broadcas
tパケットとMulticastパケットを、ネットワークインタ
フェースチップ4の受信フィルタを使用して受信しない
ように設定する(ステップS2)。
【0021】CPU2がネットワーク機能部5とプリン
タ機能部6とを並列に制御するような場合に、上記のプ
リントオーバーランによる障害を発生させるのは、全ノ
ード宛てに送信されるBroadcastパケットや、特定のグ
ループ宛てに送信されるMulticastパケットを受信した
場合が殆どである。そこで、この例では、緊急処理の
間、これらのパケットの受信を停止させる。Broadcast
パケット及び、Multicastパケットの受信停止をネット
ワークインタフェースチップ4に設定後、受信したパケ
ットの処理を開始する。
【0022】受信パケットの処理では、受信したパケッ
トがBroadcastパケットかMulticastパケットかを判断す
る(ステップS3)。受信したパケットがBroadcastパ
ケットかMulticastパケットの場合は、その時点で受信
パケットを受け捨て受信処理は行わない(ステップS3
から終了へ)。それ以外の自分宛てのパケットを受信し
た場合には、通常の受信割り込み処理を行う(ステップ
S6)。
【0023】また、パケット受信割り込み起動時に動作
レデュースフラグがオフになっている場合にはステップ
S1からステップS4に進む。ステップS4では、ネッ
トワークインタフェースチップ4の設定を確認して、Br
oadcastパケットとMulticastパケットを受信しない設定
になっていた場合は、その設定を解除する(ステップS
5)。
【0024】図6にはタイマ割り込みの際のNICの動
作フローチャートを示した。タイマ9は、図3を用いて
説明したように一定間隔で動作し、その出力をネットワ
ークインタフェースチップ4に送り込む。ネットワーク
インタフェースチップ4は、図のステップS1でタイマ
割り込みを待ち受け、タイマ割り込みがあるとステップ
S2に進み、BroadcastパケットとMulticastパケットの
受信を再開する。その一定の時間、受信割り込み処理を
実行し、再びBroadcastパケットとMulticastパケットの
受信を停止する(ステップS4)。この時間はタイマ出
力の有効な時間とするか、あるいは一定量のパケットを
受信処理する時間とする。その時間設定は任意である
が、緊急処理に影響を与えないごく短時間とする。この
間になにもパケットを受信しないこともあり得る。
【0025】ネットワークに接続されたノードは、パケ
ットを短時間に集中的に受信する場合が多い。従って、
ノードが長時間パケットを受信しないこともある。プリ
ンタ機能部6が緊急処理を実行中は、動作レデュースフ
ラグをオンにするようにしたので、ネットワークインタ
フェースチップ4は、長時間パケットを受信しない状態
の後突然パケットを受信しても、図5のフローチャート
の処理を実行すれば、上記の動作ができる。
【0026】受信割り込み処理は、一般に動作優先度を
高く設定している。従って、プリンタ機能部が緊急処理
を実行中にパケットが受信されると、図5の処理が開始
されて、ステップS1の動作レデュースフラグ参照処理
が実行される。その後は、すでに説明したとおりの動作
となるから、動作レデュースフラグがオンされている限
り、割り込みは発生しない。即ち、割り込みは1回限り
であり、CPUに無駄な負荷をかけない。しかも、こう
することで、ネットワークインタフェースチップ4がパ
ケットを受信していないときも、ポーリングのようなセ
ンス処理を所定時間おきに実行して、プリンタ機能部の
動作を監視するといった制御が不要になる。
【0027】〈効果〉以上のように、ネットワーク機能
以外の機能による緊急的な処理を実行中に、ネットワー
ク上のルータ等が発信する不要なパケットを多数受信し
ても、ネットワーク機能の処理を停止するので、CPU
の負担を軽減して緊急処理の処理速度低下や障害の発生
を防止できる。また、上記のような処理は、ネットワー
クインタフェースチップ部分に変更を加えずに、そのド
ライバ等のプログラムを工夫することで実現でき、ハー
ドウェアコストをアップさせないという効果もある。
【0028】《具体例2》具体例1では、ルータ間でや
りとりしている情報パケットはBroadcast PacketやMult
icastパケットである場合が殆どなので、Network I/F C
hipのフィルタ機能を利用して、このような情報パケッ
トを受信しないようにした。これでルータのCPUの負
荷が軽減される。ところが、Broadcast Packetには、そ
のルータがネットワークのコネクションを開設するため
に必要なパケットも含まれる。これも受信することがで
きなくなってしまうと、ネットワークに接続された他の
機器との接続ができなくなる。
【0029】この具体例では、ネットワークインタフェ
ースチップにパケットのタイプをチェックするハードウ
ェアを付加することにより、BroadcastパケットとMulti
castパケットのうち、必要なパケットと不要なパケット
を区別して受信する。即ち、パケットのヘッダに含まれ
る特定のフィールドを参照して、その値が予め設定され
た値と等しい場合にのみ、そのパケットを受信するよう
に制御する。
【0030】〈構成〉図7に、この具体例の実施に適す
るネットワークインタフェースチップの機能ブロック図
を示す。ネットワークから受け入れた受信パケット15
をチェックする受信フィルタ部14には、送信先アドレ
スチェック部16とタイプフィールドチェック部17が
設けられている。送信先アドレスチェック部16はパケ
ットの送信先アドレスをチェックして、その宛て先が自
己のものかどうかを判定する機能を持つ。これは従来の
ものと変わらない。タイプフィールドチェック部17は
この具体例で新たに設けられたもので、パケットのタイ
プフィールドをチェックする機能を持つ。
【0031】ネットワーク上を流れるパケットには様々
な種類があるが、最も世界で広く使用されているパケッ
トのタイプにEthernet(イーサーネット:ゼロックス社
開発のネットワーク)タイプがある。このタイプのパケ
ットは、インターネットの通信処理を行うIP(インタ
ーネットプロトコル)データグラムの送信にも使用され
ている。
【0032】図8には、このEthernetタイプのパケット
構造説明図を示す。Ethernetパケット20は、Ethernet
Header21(14Bytesのヘッダ)と、Ethernet DATA2
2(46〜1500Bytesのデータ)と、FCS23(4Bytesのフ
レームチェック信号)とからなり最小64Bytesから最大1
518Bytesの範囲のサイズを取る。
【0033】ネットワークインタフェースチップ4は、
通常、EthernetパケットのEthernetHeader21とFCS2
3の受信チェックを行うが、本発明の説明の対象はEthe
rnetHeader21だけであるため、対象をEthernet Heade
r21に絞る。Ethernet Header21は、送信先H/Wアド
レス21A(6Bytes)と、送信元H/Wアドレス21B(6
Bytes)と、タイプフィールド21C(2Bytes)より構
成される。送信先H/Wアドレス21Aは、16進数12桁
で構成され、パケットの送信先を指定する働きを持つ。
この数値が特定な値を取るパケットをBroadcastパケッ
トやMulticastパケットとして扱う。
【0034】Broadcastパケットは全ノード宛てに送信
されたパケットで、Multicastパケットはある一グルー
プのノード宛てに送信されたパケットである。送信元H/
Wアドレス21Aは、送信先H/Wアドレス21Bと同様に
16進数12桁で構成され、パケットの送信元を指定する
働きを持つ。この数値が、送信先H/Wアドレスで説明し
たBroadcastアドレスやMulticastアドレスを取ることは
ない。
【0035】タイプフィールド21Cは、上位層の識別
に使用される。EthernetタイプのパケットはOSI仕様
の第二層に定められた仕様に基づき動作しているが、タ
イプフィールド21Cには、OSI仕様の第三層のプロ
トコルを識別するためのプロトコルIDが格納される。
プロトコルIDは、OSI仕様の各層の各プロトコルに
対して割り当てられた識別コードで、下位層がその上位
層にどのプロトコルを採用しているかを示す為に使用さ
れる。
【0036】TCP(Transmit Control Protocol)と
IP(Internet Protocol)を使用する通信では、通信
の最初にARP(Address Resolution Protocol)を使
用したやり取りが行われる。
【0037】図9には、このARPの手順説明図を示
す。まず、送信元のPC28がARPリクエストを送信
先のプリンタ29に向けて送信する(ステップS1)。
このARPリクエストの送信先H/Wアドレスは、Broadca
stアドレスにする。プリンタ29は、そのパケットを受
信したプリンタ29は、ARPレスポンスを返す(ステ
ップS2)。このARPレスポンスの送信先アドレスに
は、ARPリクエストの送信元アドレスを格納する。こ
のレスポンスを受信することによりPC28は、プリン
タ29のOSI第三層のアドレスを知ることができる。
TCP/IPを使用してコネクションを接続するために
は、接続先のOSI第三層のアドレスを知る必要があ
る。次にPC28はプリンタ29の第三層のアドレスを
指定してコネクションの開設要求をプリンタ29に送信
する(ステップS3)。
【0038】Ethernet Headerの送信先H/Wアドレスに
は、プリンタ29のH/Wアドレスを使用する。プリンタ
29は、PC28からの接続要求に対しコネクションが
開設できる状態であればコネクション開設確認パケット
をPCに送信する(ステップS4)。Ethernet Header
の送信先H/Wアドレスには、PC28のH/Wアドレスを使
用する。PC28はプリンタ29へコネクション開設応
答を送信し、TCPのコネクション確立を完了する(ス
テップS5)。
【0039】Ethernet Headerの送信先H/Wアドレスに
は、PC28のH/Wアドレスを使用する。以降双方から
のデータの送信が可能となる(ステップS6)。以降全
てのパケットのEthernet Headerの送信先H/Wアドレスに
は、送信相手側のH/Wアドレスを使用する。以上のよう
に、TCP/IPプロトコルを使用した場合の通信で
は、通信開始時にプリンタはBroadcastを受信する必要
がある。従って、無条件にBroadcastパケットとMultica
stパケットの受信を制限すると、必要なBroadcastパケ
ットの受信が遅れてしまう。
【0040】そこで、TCP/IPの通信に必要なBroa
dcastパケットを受信し、不要なBroadcastパケットを受
信しないための方法について説明する。まず、具体例1
で説明したように、ネットワークインタフェースチップ
4のフィルタ機能を使用してBroadcastパケットとMulti
castパケットの受信を停止する。これにより、不要なBr
oadcastパケットを受信しないことが可能になるが、必
要なARPリクエストも受信しなくなってしまう。この
具体例では、ネットワークインタフェースチップ74の
受信フィルタに機能を追加することにより、不要なBroa
dcastパケットを受信せずに上記の必要なARPリクエ
ストを受信する。
【0041】図10は、この具体例2によるNICの受
信パケットフィルタ処理の動作フローチャートである。
ネットワークインタフェースチップ4は、パケットを受
信するとEthernet Headerの送信先H/WアドレスがMultic
astアドレスであるかを比較する(ステップS1)。Mul
ticastパケットである場合はそのパケットを廃棄する
(ステップS4)。Multicastパケットでない場合は、E
thernet Headerの送信先H/WアドレスがBroadcastアドレ
スであるかを比較する(ステップS2)。Broadcastパ
ケットである場合は、タイプフィールドが806H(16進
数)であるかを比較する(ステップS3)。
【0042】タイプフィールドの値が806Hである場合
は、フィルタ処理を終了する。タイプフィールドの値が
806Hで無い場合は、受信パケットを廃棄する(ステップ
S4)。ステップS2で、Ethernet Headerの送信先H/W
アドレスがBroadcastアドレスで無い場合は、フィルタ
処理を終了する。
【0043】〈効果〉以上説明したように、具体例2に
よれば、ネットワークインタフェースチップが受信する
全BroadcastパケットとMulticastパケットを受信不可に
することにより、プリンタにとって不要なBroadcastパ
ケットとMulticastパケットを受信せず、具体例1と同
様に、緊急処理の処理速度低下を防止できる。しかも、
TCP/IP通信に必要なARPリクエストを受信する
ことができるので、緊急処理中にも、新たなTCP/I
Pのコネクションを接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるネットワーク組込み用システム例
ブロック図である。
【図2】ネットワーク機能部の具体的なブロック図であ
る。
【図3】システムの動作タイムチャートである。
【図4】プリンタ機能部の動作フローチャートである。
【図5】NICドライバの動作フローチャートである。
【図6】タイマ割り込みの際のNICの動作フローチャ
ートである。
【図7】具体例2の実施に適するネットワークインタフ
ェースチップの機能ブロック図である。
【図8】パケット構造説明図である。
【図9】ARPの手順説明図である。
【図10】具体例2によるNICの受信パケットフィル
タ処理動作フローチャートである。
【符号の説明】
1 プリンタ 2 CPU 3 ネットワーク 4 ネットワークインタフェースチップ(Network I/F
Chip) 5 ネットワーク機能部 6 プリンタ機能部 7 NICドライバ 8 動作レデュースフラグ保持部 9 タイマ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一CPU(中央処理装置)により制御
    されるネットワーク機能とネットワーク機能以外の機能
    とを備えたネットワーク組込み用システムであって、 前記ネットワーク機能以外の機能の処理のうち、CPU
    使用権をネットワーク機能に渡したくない緊急処理の開
    始と終了を表示する動作レデュースフラグ保持手段と、 ネットワーク内のパケット送受信を担当するネットワー
    クインタフェースチップ(NIC)と、 このネットワークインタフェースチップの動作全体を制
    御するとともに、前記動作レデュースフラグを参照し、
    前記緊急処理の開始から終了までの間に、前記ネットワ
    ークコントロールチップに対して、通常動作で受信する
    パケットのうち、特定の種類のパケット受信を停止する
    ようにフィルタ動作を実行させるNICドライバと、 前記緊急処理の開始から終了までの間に、所定の時間間
    隔で、前記特定の種類のパケット受信停止動作を解除す
    るタイマとを備えたことを特徴とするネットワーク組込
    み用システム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のシステムにおいて、 ネットワークインタフェースチップは、緊急処理の開始
    から終了までの間は、通常動作で受信するパケットのヘ
    ッダに含まれる特定のフィールドを参照して、その値が
    予め設定された値と等しい場合にのみ、そのパケットを
    受信するように動作することを特徴とするネットワーク
    組込み用システム。
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JP2006121667A (ja) * 2004-09-27 2006-05-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd パケット受信制御装置及びパケット受信制御方法
JP2010220098A (ja) * 2009-03-18 2010-09-30 Canon Inc ネットワークインターフェイス制御装置及び制御方法
JP2011199636A (ja) * 2010-03-19 2011-10-06 Fuji Xerox Co Ltd 通信制御装置、画像形成装置、及びプログラム

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