JPH11325053A - ジャ―ナル軸受 - Google Patents

ジャ―ナル軸受

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JPH11325053A
JPH11325053A JP185299A JP185299A JPH11325053A JP H11325053 A JPH11325053 A JP H11325053A JP 185299 A JP185299 A JP 185299A JP 185299 A JP185299 A JP 185299A JP H11325053 A JPH11325053 A JP H11325053A
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JP
Japan
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inner peripheral
journal bearing
peripheral surface
main shaft
oil
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Application number
JP185299A
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English (en)
Inventor
Yutaka Ozawa
豊 小澤
Kazuhiko Yamashita
一彦 山下
Takashi Momoo
孝史 桃尾
Takashi Ichimura
隆 市村
Tetsuya Yamamoto
哲也 山本
Yoshito Yamamoto
義人 山本
Susumu Taniguchi
邁 谷口
Akizo Morohoshi
彰三 諸星
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジャーナル軸受で発生する摩擦損失を低減し
つつ、焼損事故等を生じない潤滑油の供給量を確保でき
る機構を有するジャーナル軸受を提供する。 【解決手段】 ジャーナル軸受(1)は、回転機械の主
軸(10)を回転可能に支持する内周面(1b)を有す
ると共に、主軸(10)と内周面(1b)との隙間(1
5)に潤滑油を供給するための給油孔(1a)を上半部
に備える。軸受は、さらに、給油孔(1a)の内周面側
開口(1c)を軸受(1)の中心線を通る垂直面に対し
て該中心線を通る水平面側により近くなるように配置さ
せると共に、給油孔(1a)の内周面側開口(1c)に
関し主軸(10)の回転方向下流側に切欠き(1d)を
設けたことを特徴とする。内周面側開口(1c)を水平
面側よりに設けるため、軸受の上半部に潤滑油が充満し
なくなり、又、切欠き(1d)により、軸受の下半部で
正常に潤滑するために必要な量の潤滑油を供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸気タービンやガ
スタービン等の大型回転機械の主軸を支持するためのジ
ャーナル軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】図12及び図13に従来のジャーナル軸
受機構を示す。タービン等の回転機械の主軸10を回転
可能に支持するジャーナル軸受11は、支持台12に取
り付けられ、更にこの支持台12は基礎13に固定され
る。ジャーナル軸受11及び支持台12には、ジャーナ
ル軸受11の中心線を通る垂直面の上方側に、各々給油
孔11a、12aが垂直に開けられている。また、支持
台12の給油孔12aの外側端には、給油管14が取り
付けられる。そして給油ポンプ(図示せず)から、この
給油管14及び給油孔12a、11aを通り、主軸10
とジャーナル軸受11の内周面11bとの間の潤滑のた
めに、潤滑油が供給されるようになっている。ジャーナ
ル軸受11内に給油された潤滑油は、矢印wで示す方向
への主軸10の回転により主軸10とジャーナル軸受1
1との間の隙間15に引き込まれて潤滑油膜を形成し、
主軸10を支持する。このような潤滑油は剪断撹拌さ
れ、そこに生じる粘性抵抗により摩擦損失や発熱が生じ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この摩擦損失
は、回転する主軸10の周速やジャーナル軸受11の内
周面11bの油のぬれ面積に比例して増加するため、主
軸10の大径化により、粘性抵抗に基づく摩擦損失や発
熱も大きくなり、タービン等の機械本体の効率を低下さ
せるという問題点があった。また、発熱が高くなった場
合には、ジャーナル軸受11の内周面11bの焼損につ
ながるという問題点もあった。
【0004】この原因は、潤滑油の供給が、ジャーナル
軸受11に対して上方から行われるため、ジャーナル軸
受11の上半部に潤滑油が充満していまい、この潤滑油
の剪断による摩擦損失が大きくなるためである。また、
一般に、主軸10の回転により、ジャーナル軸受11の
給油孔11aから見た回転方向後流側では、隙間15内
が負圧になることが多く、給油孔11aとの差圧によ
り、さらに上半部に給油孔11aから潤滑油が供給さ
れ、この上半部における摩擦損失が増加してしまうこと
もある。
【0005】従って、本発明は、このような問題点を解
決するためになされたもので、ジャーナル軸受で発生す
る摩擦損失を低減しつつ、焼損事故等を生じない潤滑油
の供給量を確保できる機構を有するジャーナル軸受を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に従うジャーナル軸受は、回転機械の主軸を
回転可能に支持する内周面を有すると共に、主軸と内周
面との間に形成される円筒状隙間に潤滑油を供給するた
めの給油孔を上半部に備えるジャーナル軸受において、
該給油孔の内周面側開口を該ジャーナル軸受の中心線を
通る垂直面に対して該中心線を通る水平面側により近く
なるように配置させると共に、前記給油孔の前記内周面
側開口に関して前記主軸の回転方向下流側に切欠きを設
けたことを特徴とする。
【0007】又、本発明によるジャーナル軸受は、前記
構成に加えて、前記主軸の上側周面に隣接する円筒状隙
間の厚さをその主軸の下側周面に面する円筒状隙間の厚
さより大きくすべく前記内周面の内径を上半部において
相対的に大きく形成し、このようにして拡大された上側
半円筒状隙間を外部に連通させる連通孔を設けて構成さ
れる。
【0008】更に又、本発明によれば、水平に延びた主
軸を取り囲む内周面を有すると共に主軸と内周面との間
に円筒状隙間が画成され、該円筒状隙間は上側半円筒状
隙間と下側半円筒状隙間とから形成されるジャーナル軸
受は、下側半円筒状隙間に隣接する上側半円筒状隙間の
部分に開口して該円筒状隙間に潤滑油を供給するための
給油孔が形成され、該主軸を挟んで該給油孔に対向する
内周面の部分に開口する排油孔が水平方向に延びて形成
し、潤滑油を該排油孔へ円滑に導く傾斜案内面が該排油
孔に隣接して前記内周面に削成されて構成される。更に
本発明によれば、ジャーナル軸受は前述の給油孔と排油
孔とに加え、給油孔と排油孔の間に位置する上側半円筒
状隙間の半径方向厚さを下側半円筒状隙間の半径方向厚
さに対し相対的に大きく形成され、厚さの大きい上側半
円筒状隙間に連絡する通気孔を形成して構成される。更
に本発明によれば、ジャーナル軸受は、前述の給油孔、
排油孔及び通気孔に加え、主軸を取り囲む内周面にその
軸方向両端に近接且つ沿って円周溝が削成され、更にそ
の円周溝に内端が連通した接線方向排油穴を穿設して構
成される。そして、上述のようなジャーナル軸受のいず
れにおいても、主軸に面する内周面の表面層を二硫化モ
リブデンを混合したホワイトメタル材の溶射により形成
し、更にそのホワイトメタル材の溶射層と裏金との間に
その母材より硬度の低いニッケル・クロム(Ni−C
r)合金中間層を溶射により形成するのが好適である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明を説明するが、全図に亙って同様な機能を果たす同
様な構成要素には、同一の参照符号を付す。図1及び2
は、本発明に従うジャーナル軸受の第一の実施形態を示
している。タービン等の大型回転機械の主軸10を回転
可能に支持するジャーナル軸受1は、支持台2に取り付
けられ、更にこの支持台2は基礎13に固定されてい
る。主軸1の軸方向端部(図示しない。)には、タービン
本体(図示せず)等が設置されており、その機械的作用
により、矢印wで示す方向に主軸10を回転させる。
【0010】ジャーナル軸受1及び支持台2には、ジャ
ーナル軸受1の中心線を通る垂直面に対して該中心線を
通る水平面側により近くなるように配置させる給油孔1
a、2aが各々開けられている。給油孔1aのジャーナ
ル軸受1の内周面1b側の内周面側開口1cは、この実
施形態では、その内周面側開口1cの中心線を通る水平
面に対する傾斜角θは、約20度である。また、支持台
2の給油孔2aの外側端には給油管4が接続されてい
る。そして給油ポンプ(図示せず)から、この給油管4
及び給油孔2a、1aを通り、主軸10とジャーナル軸
受1の内周面1bとの隙間15の潤滑のために、潤滑油
が供給されるようになっている。
【0011】給油孔1aの内周面側開口1cに関して主
軸10の回転方向w下流側に、すなわち図2の位置Aか
らほぼジャーナル軸受の中心線を通る水平面とジャーナ
ル軸受の内周面1bとの交点である水平位置Bに亙っ
て、切欠き1dが設けられている。この切欠き1dの形
状は、給油孔側の位置Aから水平位置Bに向かって、こ
の切欠きの半径方向の断面積が漸減するようになってお
り、本実施形態では、くさび形状になっている。なお、
この切欠き1dを水平位置までとしたのは、大型のジャ
ーナル軸受が上下に分割されているので、設計上の理由
から限定したものである。
【0012】次に、作用について説明するが、その前に
ジャーナル軸受内部で生じる摩擦損失について説明す
る。ジャーナル軸受1内へ給油管4と給油孔2a、1a
とを通り供給される潤滑油の給油量Qは、式(1)で表
される。 Q = K・(Uh/2−h3△P/12μL)・b (1) ここで、Kは効率、Uは軸周速、hは主軸とジャーナル
軸受内周面との給油孔位置での隙間、△Pは給油孔位置
と水平面位置とでのジャーナル軸受内周面の差圧、Lは
給油孔位置と水平面位置との間のジャーナル軸受内周面
距離、μは油粘性、そしてbはジャーナル軸受幅であ
る。
【0013】式(1)の右辺第1項は、潤滑油につい
て、主軸10の周速によりジャーナル軸受1の内周面1
b内へ引き込まれるクェット項であり、第2項は、水平
面と給油孔1aの内周面側開口1c位置との差圧によ
り、給油孔側に戻される逆流ポアズイユ項である。ここ
で、内周面側開口1cの位置と水平面位置との間のジャ
ーナル軸受1の内周面1bの距離Lを小さくして、逆流
成分を大きくする様にしつつ、また主軸1の上半部の潤
滑油に対するぬれ面積を小さくすることで、ジャーナル
軸受内部の潤滑油の剪断による摩擦損失を小さくするこ
とができる。
【0014】本発明に従う第一の実施形態においては、
図2に示すように、水平面からの傾斜角θを20度とす
る位置に給油孔1aの内周面側開口1cを設けることに
より、上記の作用を達することができ、ジャーナル軸受
内部の潤滑油の剪断による摩擦損失を小さくすることが
できる。すなわち、従来、ジャーナル軸受の頂部にあっ
た給油孔の位置を水平面位置近くに移動することによ
り、ジャーナル軸受上半部に潤滑油が充満しないように
なり、潤滑油の剪断による摩擦損失を小さくすることが
できる。
【0015】一方、ジャーナル軸受1の下半部で正常な
潤滑が行われるようにするために必要な量の潤滑油は、
切欠き1dにより供給することができ、またこの切欠き
1dのくさび形状の底面積(位置Aから位置Bまでの面
積)、すなわち切欠きの開始位置Aを適切に調節するこ
とにより、下半部への潤滑油の供給量を調整することが
できる。大量の潤滑油を必要とする場合には、開始位置
Aをより支持台2側(図2の紙面に対して右側)に設定
して、切欠き1dのくさび形状の底面積を大きくすれば
よく、反対に供給する潤滑油を少なくしたい場合には、
開始位置Aを逆側に設定すればよい。このようにするこ
とにより、ジャーナル軸受下半部に適量の潤滑油を供給
することができ、焼損等の異状を発生することがなくな
る。
【0016】また、給油ポンプ(図示せず)が万一故障
し、給油圧力が「零」となっても、主軸の回転により潤
滑油を吸い込む効果もあり、焼損事故を確実に防止でき
る。なお、この第一の実施形態においては、給油孔1a
の内周面側開口1cは、この開口1cの中心線がジャー
ナル軸受1の中心線を通る水平面に対して傾斜角θで2
0度の位置に配置したが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、配管取付設計で問題とならない20度から
5度程度の範囲とすることもできる。また、20度以上
にすることも可能であるが、供給される油量が必要以上
に多くなり、損失も大きくなるため、20度以下とし
た。また、本実施形態においては、内周面側開口1cの
位置が重要であり、そこに連通する給油孔1aのジャー
ナル軸受1内での位置や形状は、例えば、上方から孔を
開けジャーナル軸受の外周面側に沿って溝を掘り、内周
面側開口の外側まで導いてから、溝を内周面側開口に連
通させるというように、如何様にもすることができる。
【0017】次に、図3及び4を用いて、本発明に従う
ジャーナル軸受の第二の実施形態を説明する。第二の実
施形態は、第一の実施形態と基本的な構成は同じである
ので、その点の説明は省略する。第二の実施形態におい
ては、第一の実施形態に追加して、さらに、給油孔1a
から見て主軸10の回転方向w上流側におけるジャーナ
ル軸受1の上半部の内周面1bを相対的に深く削って形
成して、隙間15を半径方向に拡大するようになってい
る。図4では、ジャーナル軸受1の中心線を通る水平面
とジャーナル軸受1の内周面1bとの交点である水平位
置Cから給油孔1aの位置まで、内周面1bが大きく削
り込まれており、その半径方向の削り込み量δは、主軸
10の直径Dに対し、δ=(1/100〜3/100)
×D以上とした。このようにしたのは、ジャーナル軸受
の下半部の直径隙間が、約(2/1000)×Dに取っ
てあり、その約10倍程度の隙間を確保したいためであ
る。なお、半径方向に拡大した隙間15を水平位置Cか
らとしたのは、ジャーナル軸受の下半部は、軸を支承す
る部分であり、この水平位置Cより上半部は、摩擦によ
る損失を生じるだけなので、できるだけ上半部の損失を
小さくするため、水平位置Cからとした。
【0018】又、第二の実施形態では、更に、給油孔1
aと向き合う反対側のジャーナル軸受1の上半部に、こ
のジャーナル軸受1の中心線を通る垂直面と水平面との
間において、削り込んで拡大された隙間15を外部に連
通させる連通孔1d、2dが、各々ジャーナル軸受1及
び支持台2に設けられている。
【0019】第二の実施形態は、上記の様な構成にする
ことにより、第一の実施形態の作用・効果に加えて、以
下の様な作用・効果を生じる。ジャーナル軸受1の上半
部の内周面1bを削り込むことにより、隙間15を大き
くしたため、更に上半部への潤滑油の充満を防止するこ
とができ、主軸の回転による潤滑油の剪断に伴う摩擦損
失が更に低減される。又、この拡大された隙間15と外
部を連通させる連通孔1d及び2dを設けることによ
り、ジャーナル軸受1の上半部内の圧力が大気圧と同じ
になる。これにより、前述したようなジャーナル軸受1
の給油孔1aから見た主軸10の回転方向w後流側が負
圧にならなくなり、この部分の隙間15内の圧力と給油
孔1dの圧力との圧力差を減少させて、給油孔からのジ
ャーナル軸受上半部への潤滑油の供給を防止することが
できる。従って、上半部での潤滑油の剪断抵抗をさらに
減少させることができる。
【0020】本実施形態では、水平位置Cから給油孔1
aまで連続して内周面1bを削り込んだが、これは、削
り込みを断続的に行うと、その部分で撹拌による損失が
発生するので、連続的とするのが好ましい。また、連通
孔1dは、隙間15と繋がる内周面側1bの開口が、給
油孔1aの内周面側開口の反対側に位置していればよ
く、外部と連通する孔の形状やその進路は、本実施形態
に限定されるものではない。例えば、給油孔と同様に上
方から孔を開けジャーナル軸受の外周面側に沿って溝を
掘り、連通孔と連通させるようにしてもよい。
【0021】次に本発明の第三の実施形態を図5及び図
6を参照して説明する。図5及び図6において、円筒形
のジャーナル軸受21は、支持台23を介して基礎13
に支持されている。ジャーナル軸受21の内周面21a
に囲まれてタービンの主軸10が水平に延び、図示しな
い端部にタービン本体が設けられている。但し、本発明
はタービン主軸支持用に限定されるものではない。ジャ
ーナル軸受21及び支持台23には、水平面に対し20
度で傾斜して給油孔21b、23aが穿設され、給油孔
23aは、給油管4を介して図示しない給油ポンプに連
絡している。主軸10とジャーナル軸受21の内周面2
1aとの間には、円筒状の隙間25が形成され、その上
側半円筒状隙間25aに開口する給油孔21bには切欠
21dが形成され、潤滑油が隙間25の下側半円筒状隙
間25bへ流れ込み易くなっている。なお、前述の構成
は、図2に示す実施形態のものと実質的に同じである。
【0022】給油孔21bに向き合う形で、排油孔21
eがジャーナル軸受21に穿設され、下側半円筒状隙間
25bの上部に開口している。特に図6に明示されるよ
うに、排油孔21eは主軸10の長手方向に間隔をおい
て3個設けられ、それぞれ支持台23の排油孔23bに
整列して連絡している。尚、排油孔21eの数は、その
形状寸法やジャーナル軸受21の軸方向長さ等を考慮し
て適切に決定されるもので、この実施形態に限定される
ものではない。そして更に、ジャーナル軸受21の内周
面21aには、排油孔21eに隣接して案内傾斜面27
が削成されている。この案内傾斜面27は内周面21a
の円筒面の切線方向に延びており、案内傾斜面27と内
周面21aの円筒面とが形成する空間の断面は、図5か
ら理解されるように楔形となっている。
【0023】以上の構成の本実施形態において、給油管
4及び給油孔23a,21bを経由して供給される潤滑
油は、矢印wの方向に回転する主軸10の作用により、
下側半円筒状隙間25に引込まれて潤滑油膜を形成し、
主軸10の下向き荷重を支持する。この潤滑油膜を形成
する潤滑油は、粘性流体として主軸10の回転方向に流
れ、案内傾斜面27により排油孔21eに導かれ、排油
孔23bを通って排出される。このため、主軸10の外
表面に付着して上側半円筒状隙間25aに流れ込む潤滑
油の量が減少し、この領域での潤滑油膜の形成乃至せん
断が減少し、抵抗乃至発熱が低減される。
【0024】更に図7及び図8を参照して前述の第三の
実施形態の改変例を説明する。第三の実施例と同じ部分
については説明を簡単にし、改変部分を重点的に説明す
るが、図7及び図8において、円筒形のジャーナル軸受
31は、支持台33を介して基礎13に支持されてい
る。ジャーナル軸受31及び支持台33に穿設された給
油孔31b、33aは、給油管4を介して図示しない給
油ポンプに連絡している。主軸10とジャーナル軸受3
1の内周面31aとの間には、円筒状の隙間35が画成
され、これは上側半円筒状隙間35aと下側半円筒状隙
間35bとから形成されている。上側半円筒状隙間35
aに開口する給油孔31bには、前述の実施形態と同様
に切欠31dが形成されている。ジャーナル軸受21の
排油孔31eが、主軸10を挟んで給油孔31bに向き
合い、下側半円筒状隙間35bの上部に開口している。
3個の排油孔31eは、それぞれ支持台33の排油孔3
3bに整列している。
【0025】下側半円筒状隙間35bに面する内周面3
1aには、排油孔31eに隣接して案内傾斜面37が削
成されている。この案内傾斜面37は内周面31aの円
筒面の切線方向に延びている。一方、主軸10の上側外
周面に面する内周面31aの上部には、傾斜案内面37
に整列して広幅円弧溝39が切下げられて形成され、こ
れは円周方向に延びて、給油孔31bと排油孔31eと
に接近して終端している。そして、広幅円弧溝39と給
油孔31b及び排油孔31eとの間には、突起41,4
3が形成された形になっている。広幅円弧溝39の深さ
δは、主軸10の直径の(1/100〜3/100)倍
以上とするのが良い。要するに、上側半円筒状隙間35
aは、給油孔31bと排油孔31eの間で、下側半円筒
状隙間35bに比し半径方向厚さが大きい隙間を形成し
ている。そして、突起43、41にそれぞれ近接して下
側半円筒状隙間35bに開口する通気孔31f、31g
がジャーナル軸受31に穿設され、これらは支持台33
に穿設された通気孔33c、33dを介して周囲の雰囲
気に連絡されている。
【0026】以上のような構造の改変実施形態におい
て、給油孔31b、33a及び排油孔31e、33bが
形成されているから、給油管4を介して供給される潤滑
油は前述の第三実施形態におけると同様の挙動を示す。
加えて、通気孔31f,31g,33c,33dの作用に
より、上側半円筒状隙間35aの圧力は、大気圧に保持
されて負圧にならない。このため、通常生じがちな負圧
による潤滑油の逆流(給油孔31bから反時計方向に向
かう)が生ぜず、上側半円筒状隙間35a内には潤滑油
が実質的に殆ど存在しなくなり、その剪断などによる発
熱が防止される。
【0027】前述の第三の実施形態及びその改変実施形
態に示した構造に加え、図9及び図10に示す側部排油
構造を設けると、なお作用効果が増進される。即ち、基
礎13に支持台23又は33を介して支持されたジャー
ナル軸受51は図示しないが前述のような給油孔及び排
油孔を備えると共に、内周面51aには軸方向端面に沿
って円周溝53が削成されている。更に、主軸10と内
周面51aとによって画成される円筒状隙間55の下側
半円筒状隙間55bに対応して、ジャーナル軸受51の
下半部には、切線方向排油孔57が複数穿設されてい
る。
【0028】以上のような構成のジャーナル軸受51に
おいては、給油孔に主軸10を挟んで向き合う排油孔
や、厚さの大きい上側半円筒状隙間に開口した通気孔に
よる作用効果が得られると共に次のような作用効果も得
られる。円周溝57に挟まれた下側半円筒状隙間55b
の中には潤滑油膜が形成され、主軸10を上向きに支持
する。この潤滑油膜に発生する圧力の軸方向分布は、放
物線状であり、その端部に隣接する円周溝53は軸受機
能には実質的悪影響を与えないが、そこから漏れ出る微
量の潤滑油を集める。この集められた潤滑油は、矢印w
に示す方向に回転する主軸10に随伴して回転する。こ
の結果、その潤滑油は、切線方向排油孔57を通って排
出され、その分だけ上側半円筒状隙間55aへの伴流が
抑制される。このようにして、上側半円筒状隙間内への
潤滑油の流れ込みが少なくなり、その剪断などによる発
熱が防止される。
【0029】以上説明した改変実施形態を含め第一乃至
第三実施形態におけるジャーナル軸受の材料構造として
は、図11に示すものが好適である。これを説明する
と、ジャーナル軸受の基体をなす裏金61の表面にニッ
ケル・クロムからなる中間層63を溶射により形成す
る。更に、その外側の軸受面に二硫化モリブデンMoS
265を分散させたホワイトメタル層67を形成してい
る。このようなホワイトメタル層67は、ホワイトメタ
ル材と二硫化モリブデンとを混合して溶射することによ
り形成される。このようにして、ジャーナル軸受を形成
すると、二硫化モリブデンの固体潤滑効果により、主軸
の起動発停時の接触摺動時における摩擦力を低減する。
更には、ニッケル・クロムからなる中間層は、鋼材から
なる裏金61より硬度が低く、優れたアンカー効果によ
りホワイトメタル層67の密着性を向上すると共に、ホ
ワイトメタル層67に発生しやすい空孔による裏金61
の腐食を防止する。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、給油孔の内周面側開口をジャーナル軸受の中心
線を通る垂直面に対して該中心線を通る水平面側により
近くなるように配置させているため、ジャーナル軸受の
上半部に潤滑油が充満されなくなり、潤滑油の剪断によ
る摩擦損失を小さくすることができ、また、給油孔の内
周面側開口に関して主軸の回転方向下流側に設けた切欠
きにより、ジャーナル軸受の下半部へ正常に潤滑するた
めに必要な量の潤滑油を供給し、焼損等の異常を発生さ
せないようにできる。さらに、給油ポンプが万一故障
し、給油圧力が「零」となっても、主軸の回転により潤
滑油が吸い込まれ、焼損事故を防止できる。
【0031】又、請求項2の発明によれば、給油孔から
見て主軸の回転方向上流側におけるジャーナル軸受の上
半部内周面を削り込んで隙間を半径方向に拡大したた
め、上半部への潤滑油の充満が生じなくなり、潤滑油の
剪断による摩擦損失を低減することができ、また、給油
孔と反対側のジャーナル軸受の上半部に、ジャーナル軸
受の中心線を通る垂直面と水平面との間において拡大さ
れた隙間を外部に連通させる連通孔を設けたことによ
り、ジャーナル軸受の給油孔から見た回転方向後流側が
負圧にならないため、給油孔からジャーナル軸受の上半
部へ潤滑油が引き込まれなくなり、潤滑油の剪断による
摩擦損失をさらに低減することができる。
【0032】更に又、請求項3の発明によれば、給油孔
から下側半円筒状隙間の一端に流入した潤滑油が潤滑油
膜を形成して主軸を支持し、しかる後にその他端にある
排油孔から流出するので、上側半円筒状隙間に流入する
潤滑油の量が減少し、この部分における潤滑油の剪断破
壊や粘性抵抗による発熱などが防止され、軸受損失が低
減される。更に、請求項4の発明によれば、上側半円筒
状隙間は大気圧になるから、給油孔と上側半円筒状隙間
との間に差圧が生ぜず、潤滑油が上側半円筒状隙間へ逆
流しないから、前述の剪断破壊や粘性抵抗による発熱な
どの抑制が更に促進され、更に軸受損失が低減される。
【0033】更に、請求項5の発明によれば、潤滑油膜
の生成に悪影響を与えずに排油孔からの潤滑油の排出が
促進され、同様の効果を付加する。更に又、請求項6の
発明によれば、軸受表面に分散形成された二硫化モリブ
デンの固体潤滑効果により、主軸の起動及び停止時の潤
滑を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うジャーナル軸受機構の第一の実施
形態を示す縦断面図である。
【図2】図1に示すジャーナル軸受機構の横断面図であ
る。
【図3】本発明に従うジャーナル軸受機構の第二の実施
形態を示す縦断面図である。
【図4】図3に示すジャーナル軸受機構の横断面図であ
る。
【図5】本発明の第三の実施形態を示す立断面図であ
る。
【図6】図5のVI−VI線に沿う立断面図である。
【図7】前記第三の実施形態の一部を改変した改変実施
形態を示す立断面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿う立断面図である。
【図9】前記第三の実施形態及び/又は改変実施形態に
付加される構造を示す立断面図である。
【図10】図9のX−X線に沿う立断面図である。
【図11】前記実施形態におけるジャーナル軸受の材料
構造の一例を示す部分断面図である。
【図12】従来のジャーナル軸受機構の縦断面図であ
る。
【図13】図12に示すジャーナル軸受機構の横断面図
であ。
【符号の説明】
1 ジャーナル軸受 1a 給油孔 1b 内周面 1c くさび状切欠き 1d 連通孔 2 支持台 2a 給油孔 2d 連通孔 4 給油管 10 主軸 11 ジャーナル軸受 11a 給油孔 12 支持台 12a 給油孔 13 基礎 14 給油管 15 隙間 21 ジャーナル軸受 21a 内周面 21b 給油孔 21d 切欠 21e 排油孔 23 支持台 23a 給油孔 23b 排油孔 25 隙間 25a 上側半円筒状隙間 25b 下側半円筒状隙間 27 案内傾斜面 31 ジャーナル軸受 31a 内周面 31b 給油孔 31d 切欠 31e 排油孔 31f,31g 通気孔 33 支持台 33a 給油孔 33b 排油孔 33c,33d 通気孔 35 隙間 35a 上側半円筒状隙間 35b 下側半円筒状隙間 37 案内傾斜面 39 広幅円弧溝 41,43 突起 51 ジャーナル軸受 53 円周溝 55 隙間 55a 上側半円筒状隙間 55b 下側半円筒状隙間 57 切線方向排油孔 61 裏金 63 中間層 65 二硫化モリブデン 67 ホワイトメタル層 w 回転(回転方向) θ 傾斜角 A 位置(開始位置) B、C 水平位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市村 隆 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内 (72)発明者 山本 哲也 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内 (72)発明者 山本 義人 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂製作所内 (72)発明者 谷口 邁 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 諸星 彰三 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転機械の主軸を回転可能に支持する内
    周面を有すると共に、該主軸と該内周面との隙間に潤滑
    油を供給するための給油孔を上半部に備えるジャーナル
    軸受において、該給油孔の内周面側開口を該ジャーナル
    軸受の中心線を通る垂直面に対して該中心線を通る水平
    面側により近くなるように配置させると共に、前記給油
    孔の前記内周面側開口に関して前記主軸の回転方向下流
    側に切欠きを設けたことを特徴とするジャーナル軸受。
  2. 【請求項2】 前記給油孔から見て前記主軸の回転方向
    上流側における前記上半部の内周面を切除して前記隙間
    を半径方向に拡大すると共に、前記垂直面と前記水平面
    との間において前記給油孔と反対側の前記ジャーナル軸
    受の上半部に、前記拡大された隙間を外部に連通させる
    連通孔を設ける請求項1に記載のジャーナル軸受。
  3. 【請求項3】 水平に延びた主軸を取り囲む内周面を有
    すると共に該主軸と該内周面との間に円筒状隙間を画成
    し、該円筒状隙間は上側半円筒状隙間と下側半円筒状隙
    間とから形成されるジャーナル軸受において、前記下側
    半円筒状隙間に隣接する前記上側半円筒状隙間の部分に
    開口して該円筒状隙間に潤滑油を供給するための給油孔
    が形成され、該主軸を挟んで該給油孔に対向する前記内
    周面の部分に開口する排油孔が水平方向に延びて形成さ
    れ、前記下側半円筒状隙間内の潤滑油を該排油孔に円滑
    に導く傾斜案内面が該排油孔に隣接して前記内周面に削
    成されていることを特徴とするジャーナル軸受。
  4. 【請求項4】 前記給油孔と前記排油孔との間に位置す
    る前記上側半円筒状隙間の半径方向厚さを前記下側半円
    筒状隙間の半径方向厚さに対し相対的に大きくすべく前
    記内周面が前記主軸から部分的に離隔され、厚さの大き
    い前記上側半円筒状隙間に連絡する通気孔が穿設されて
    いることを特徴とする請求項3に記載のジャーナル軸
    受。
  5. 【請求項5】 前記内周面にその軸方向両端に沿って円
    周溝が削成され、前記円周溝に内端が連絡し該内周面か
    ら遠ざかる方向に延出する接線方向穴が複数穿設されて
    いることを特徴とする請求項3に記載のジャーナル軸
    受。
  6. 【請求項6】 前記内周面の表面層が、二硫化モリブデ
    ンを混合したホワイトメタル材の溶射により形成され、
    更にそのホワイトメタル材の溶射層と裏金との間にその
    母材より硬度の低いニッケル・クロム(Ni−Cr)合
    金中間層が溶射により形成されていることを特徴とする
    請求項1乃至5のいずれか一に記載のジャーナル軸受。
JP185299A 1998-03-10 1999-01-07 ジャ―ナル軸受 Pending JPH11325053A (ja)

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JP2007016995A (ja) * 2005-07-08 2007-01-25 Man Diesel Sa 軸受装置

Cited By (2)

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KR101296041B1 (ko) * 2005-07-08 2013-08-12 만 디젤 앤 터보 에스이 베어링 장치

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