JPH1132413A - 電気接続箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コネクタをコネクタ部に嵌合する際に、コネ
クタ部が変形したり、破損したりするのを防止すること
のできる電気接続箱を提供する。 【解決手段】 電気接続箱１１は、ＰＰＧＴ製のロアケ
ース１２及びアッパーケース１３から構成され、電気接
続箱１１内には多層のバスバー１４及び絶縁板１５が収
容されている。また、電気接続箱１１の上面にはコネク
タを嵌合するためのコネクタ部１６，１７の周壁１８，
１９及び底壁２０，２１が形成され、アッパーケース１
３と一体形成された部分１８，２０と、絶縁板１５と一
体形成された部分１９，２１とから構成されている。絶
縁板１５はＰＢＴ又はＰＰＴから形成され、アッパーケ
ース１３より強度が強い。絶縁板１５よりなるコネクタ
部１７は、周壁１９、底壁２１及び雄端子２５から構成
され、コネクタを嵌合する際に、コネクタ部１７の変形
及び破損が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車の車
体内壁等に配設される電気接続箱に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】自動車用の種々の電装品等を収めるとと
もに、ワイヤハーネス等の配線類の接続分岐点としての
役目を果たす電気接続箱には、車種や用途に応じて種々
の形式がある。

【０００３】図３，４に示すように、電気接続箱３１
〔ジャンクションボックス（Ｊ／Ｂ）とも言う〕は、ガ
ラスを含有したポリプロピレン（ＰＰＧＴ）製のロアケ
ース３２と、そのロアケース３２に嵌着されるガラスを
含有したポリプロピレン（ＰＰＧＴ）製のアッパーケー
ス３３とから構成されている。

【０００４】そして、電気接続箱３１内には多層のバス
バー３４及びバスバー３４間を絶縁するための絶縁板３
５が収容されるようになっている。アッパーケース３３
の上面には、コネクタ（図示略）を嵌合するためのコネ
クタ部３６の周壁３７及び底壁３８がアッパーケース３
３と一体形成されている。

【０００５】また、コネクタ部３６の底壁３８には複数
の貫通孔３９が形成され、それらの貫通孔３９からバス
バー３４の一部を外部に出すようになっている。この場
合、バスバー３４が外部に露出した部分が雄端子４０で
ある。従って、コネクタ部３６は周壁３７、底壁３８及
び雄端子４０から構成されている。そして、コネクタ部
３６の雄端子４０にコネクタの雌端子を嵌合することに
より、電気接続箱３１として使用される。

【０００６】一方、電気接続箱のコネクタ部にコネクタ
を嵌合する場合においては、特開平８−４７１４２号公
報に開示されている構成が採用される場合もある。この
構成では、レバーを回動して梃子の原理を利用すること
により、電気接続箱のコネクタ部にコネクタを嵌合でき
るようになっている。従って、この構成はコネクタ部の
雄端子の数（極数）が多い場合や、複数のコネクタを一
度に嵌合する場合に用いられる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電気接
続箱３１におけるコネクタ部３６の周壁３７及び底壁３
８は安価な材料から形成され、比較的強度が弱い。ま
た、上述したような梃子の原理を利用してコネクタ部に
コネクタを嵌合する場合、梃子の原理より生じる大きな
力がコネクタ部に付与される。このため、コネクタ部３
６が変形したり、破損したりするおそれがあった。

【０００８】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、コネクタをコネクタ部
に嵌合する際に、コネクタ部が変形したり、破損したり
するのを防止することのできる電気接続箱を提供するこ
とにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項１に記載の発明では、バスバー及びバスバ
ー間を絶縁するための絶縁板を収容するとともに、コネ
クタを嵌合するためのコネクタ部を備えた電気接続箱で
あって、前記コネクタ部の周壁及び底壁を前記絶縁板と
一体形成したことをその要旨としている。

【００１０】請求項２に記載の発明では、請求項１に記
載の電気接続箱において、前記絶縁板はポリブチレンテ
レフタレート又はタルクを含有したポリプロピレンより
なることをその要旨としている。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下に、本発明を具体化した一実
施形態を図１及び図２に従って説明する。図１，図２に
示すように、電気接続箱１１は、ガラスを含有したポリ
プロピレン（ＰＰＧＴ）製のロアケース１２と、そのロ
アケース１２に嵌着されるガラスを含有したポリプロピ
レン（ＰＰＧＴ）製のアッパーケース１３とから構成さ
れ、電気接続箱１１内には多層のバスバー１４及びバス
バー１４間を絶縁するための絶縁板１５が収容されるよ
うになっている。

【００１２】また、電気接続箱１１の上面にはコネクタ
（図示略）を嵌合するためのコネクタ部１６，１７の周
壁１８，１９及び底壁２０，２１が設けられ、アッパー
ケース１３と一体形成された部分１８，２０と、絶縁板
１５と一体形成された部分１９，２１とから構成されて
いる。

【００１３】なお、絶縁板１５はポリブチレンテレフタ
レート（ＰＢＴ）又はタルクを含有したポリプロピレン
（ＰＰＴ）等の材料から形成され、アッパーケース１３
及びロアケース１２より強度が強い。従って、絶縁板１
５と一体形成されるコネクタ部１７は、コネクタ部１７
の極数が多い場合やコネクタ部１７に大きな力が付与さ
れる場合などに用いられる。一方、安価な材料より形成
されるコネクタ部１６は、コネクタ部１６の極数が少な
い場合やコネクタ部１６に大きな力が付与されない場合
などに用いられる。

【００１４】コネクタ部１６，１７の底壁２０，２１に
は複数の貫通孔２２，２３が形成され、それらの貫通孔
２２，２３からバスバー１４を起立させて外部に出すよ
うになっている。この場合、バスバー１４の一部が外部
に露出した部分が雄端子２４，２５である。従って、絶
縁板１５よりなるコネクタ部１７は周壁１９、底壁２１
及び雄端子２５から構成され、コネクタ部１６も同様に
周壁１８、底壁２０及び雄端子２４から構成されてい
る。そして、それぞれのコネクタ部１６，１７の雄端子
２４，２５にコネクタの雌端子を嵌合することにより、
電気接続箱１１として使用される。

【００１５】次に、本実施形態の作用及び効果について
説明する。 ・ 本実施形態では、コネクタ部１７の極数が多い場合
やコネクタ部１７に大きな力が付与される場合、コネク
タを嵌合するためのコネクタ部１７の周壁１９及び底壁
２１が、ポリブチレンテレフタレート又はタルクを含有
したポリプロピレンよりなる絶縁板１５と一体形成され
ている。

【００１６】このため、アッパーケース１３のコネクタ
部１６における周壁１８及び底壁２０より、コネクタ部
１７の周壁１９及び底壁２１の強度が強い。従って、従
来より強度が増すため、コネクタをコネクタ部１７に嵌
合する際に、コネクタ部１７が変形したり、破損したり
するのを防止することができる。 ・ また、本実施形態では、コネクタ部１７の周壁１９
及び底壁２１が電気接続箱１１に収容される絶縁板１５
と一体形成されているため、絶縁板１５を絶縁体として
の機能だけでなく、コネクタ部１７の周壁１９及び底壁
２１としてより一層有効に利用することができる。 ・ さらに、本実施形態では、絶縁板１５はポリブチレ
ンテレフタレート又はタルクを含有したポリプロピレン
材料より形成されているため、コネクタ部１７の周壁１
９及び底壁２１が熱変形するのを抑制することができる
とともに、コネクタ部１７における周壁１９及び底壁２
１の寸法精度をよくすることができる。

【００１７】なお、前記実施形態を次のように変更して
具体化することも可能である。 ・ 前記実施形態では、電気接続箱１１内に収容される
バスバー１４及び絶縁板１５をそれぞれ二層より形成し
たが、一層又は三層以上であってもよく、特に限定され
るものではない。 ・ 絶縁板１５よりなるコネクタ部１７の周壁１９内
を、絶縁板１５と一体形成された壁により区画してもよ
い。 ・ 前記実施形態では、ロアケース１２を安価な合成樹
脂材料より形成しているが、ポリブチレンテレフタレー
ト又はタルクを含有したポリプロピレン材料の絶縁板１
５により形成してもよい。

【００１８】尚、本明細書で言う「電気接続箱」とは、
各種の電装品等を収納してこれらをワイヤハーネスその
他の配線類に接続すべく設けられた介在的存在のあらゆ
る態様を意味するものであり、いわゆるジャンクション
ボックス（Ｊ／Ｂ）に限定されるものではない。

【００１９】

【発明の効果】本発明は、以上のように構成されている
ため、次のような効果を奏する。請求項１に記載の発明
によれば、コネクタを嵌合するためのコネクタ部の周壁
及び底壁が絶縁板と一体形成されている。このため、コ
ネクタ部以外の電気接続箱外形を構成する材料より、コ
ネクタ部の周壁及び底壁の強度が強い。

【００２０】従って、コネクタをコネクタ部に嵌合する
際に、コネクタ部が変形したり、破損したりするのを防
止することができる。また、コネクタ部の周壁及び底壁
を電気接続箱に収容される絶縁板と一体形成しているた
め、絶縁板をより一層有効に利用することができる。

【００２１】請求項２に記載の発明によれば、請求項１
に記載の発明の効果に加え、絶縁板はポリブチレンテレ
フタレート又はタルクを含有したポリプロピレン材料よ
り形成されている。このため、コネクタ部の周壁及び底
壁が熱変形するのを抑制することができるとともに、コ
ネクタ部における周壁及び底壁の寸法精度をよくするこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の電気接続箱の一実施形態を示す分解斜
視図。

【図２】図１の２−２線における断面を模式的に示す断
面図。

【図３】従来の電気接続箱を示す分解斜視図。

【図４】図３の４−４線における断面を模式的に示す断
面図。

【符号の説明】

１１…電気接続箱、１４…バスバー、１５…絶縁板、１
７…コネクタ部、１９…コネクタ部としての周壁、２１
…コネクタ部としての底壁、２５…コネクタ部としての
雄端子。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 バスバー及びバスバー間を絶縁するため
   の絶縁板を収容するとともに、コネクタを嵌合するため
   のコネクタ部を備えた電気接続箱であって、 前記コネクタ部の周壁及び底壁を前記絶縁板と一体形成
   した電気接続箱。
2. 【請求項２】 前記絶縁板はポリブチレンテレフタレー
   ト又はタルクを含有したポリプロピレンよりなる請求項
   １に記載の電気接続箱。