JPH11323237A - 焼成色鉛筆芯の製造方法 - Google Patents
焼成色鉛筆芯の製造方法Info
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- JPH11323237A JPH11323237A JP14024598A JP14024598A JPH11323237A JP H11323237 A JPH11323237 A JP H11323237A JP 14024598 A JP14024598 A JP 14024598A JP 14024598 A JP14024598 A JP 14024598A JP H11323237 A JPH11323237 A JP H11323237A
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Abstract
撃強度等に優れ、十分な発色性、描線濃度を持った、焼
成芯体にインクを含浸した焼成色鉛筆芯の製造方法を提
供する。 【計決手段】 少なくとも体質材と有機質の賦形材を含
む配合組成物を混練、押出成形、非酸化性雰囲気で焼成
することにより、該有機質の賦形材が炭化された炭素を
バインダーとする第1焼成芯体を得、該第1焼成芯体を
酸化雰囲気中で加熱して炭素のバインダーを酸化除去さ
せた少なくとも体質材からなる第2焼成芯体を得、該第
2焼成芯体をペルヒドロポリシラザン含有液中に浸漬し
たまま窒素雰囲気等の不活性雰囲気中またはアンモニア
ガス雰囲気中で熱処理することにより、第2焼成芯体の
気孔内に窒化珪素を生成させた第3焼成芯体を得、該第
3焼成芯体の気孔内にインクを充填させることを特徴と
する焼成色鉛筆芯の製造方法。
Description
ち、曲げ強度、引張強度、衝撃強度等に優れ、十分な発
色性、描線濃度を持った、焼成芯体にインクを含浸した
焼成色鉛筆芯の製造方法に関する。
種及び/又は二種以上の粘土等が用いられ、これに窒化
硼素等の体質材、更に必要に応じて耐熱性の顔料、反応
促進材を添加、配合した配合組成物を混練し、この混練
物を押出成形した後、熱処理を経て多孔質焼成芯体と
し、この芯体の気孔中に染料および顔料から成るインク
等を充填させて製造していた。この時、色鉛筆芯の重要
特性としては、機械的強度が強く、発色性が良く、筆記
描線の濃度が濃いものが要求されている。
強度が充分でなく、濃度および発色性においても充分な
ものが得られていないのが現状である。そこで、上記の
要求を達成するためには、充分な機械的強度を保持しつ
つ、気孔率を増加させることにより芯体に充填されるイ
ンク量を多くする必要がある。また、従来において結合
材として用いられている粘土等による焼成芯体は、窒化
硼素等の体質材と粘土等の結合材の焼結力が弱く、粘土
等自身の強度も低いため、得られる焼成色鉛筆芯は実用
強度に達していないのが現状である。更に、粘土は不純
物を含んでいるため焼成芯体は一般に有色となり、描線
の発色性に悪影響を与えることとなる。特に淡色系の描
線のくすんだ色の原因となっている。
発明者らは、少なくとも体質材からなる第2焼成芯体の
気孔内にペルヒドロポリシラザン含有液を含浸し、窒素
雰囲気等の不活性雰囲気中又はアンモニアガス雰囲気中
での熱処理により結合材として窒化珪素を生成させた第
3焼成芯体の気孔内にインクを充填させてなる機械的強
度に優れ、十分な発色性、描線濃度を備えた焼成色鉛筆
芯及びその製造方法を提案している(特開平8−489
31号公報)。ここでの第2焼成芯体にペルヒドロポリ
シラザン含有液を含浸する方法は、第2焼成芯体にペル
ヒドロポリシラザン含有液を含浸した後、第2焼成芯体
に含浸されない余剰のペルヒドロポリシラザン含有液は
除去するものである。
と、製造上、以下の点で若干の課題を有している。 (1) 第2焼成芯体が非常に脆い芯体のため、含浸されな
い余剰のペルヒドロポリシラザン含有液を除去する際、
形状が崩れる芯体があり、収率が若干低い点に課題があ
る。 (2) 含浸せしめるペルヒドロポリシラザンは、加水分解
しやすいため、空気中での品質安定性が悪く、ペルヒド
ロポリシラザン含有液濃度は20%以下が品質安定性の
点で好ましい。このため、1回に第2焼成芯体に含浸さ
れるペルヒドロポリシラザンの量は少なく、目標強度の
第3焼成芯体を得るためにはペルヒドロポリシラザン含
有液を芯体に2回以上繰り返し含浸することが必要とな
り、工程が若干煩雑で、繰り返し含浸することによる含
浸ムラが生じ、品質のバラツキの原因となる点に若干の
課題がある。
従来技術の課題を解決すると共に、上記発明者らの先行
技術を更に改良することであり、機械的強度と滑らかな
書き味を保持しつつ、更に優れた発色性を有する焼成色
鉛筆芯の製造方法を提供することにある。
を解決するために鋭意研究を行った結果、少なくとも体
質材からなる第2焼成芯体の気孔内にペルヒドロポリシ
ラザン含有液を充填する際に、第2焼成芯体をペルヒド
ロポリシラザン含有液体中に浸漬したまま不活性雰囲気
中又はアンモニアガス雰囲気中で熱処理し、結合材とし
て窒化珪素を生成させることによって上記課題を解決
し、目的の焼成色鉛筆芯が得られることを見い出し、本
発明を完成するに至ったのである。
法は、少なくとも体質材と有機質の賦形材を含む配合組
成物を混練、押出成形、非酸化性雰囲気で焼成すること
により、該有機質の賦形材が炭化された炭素をバインダ
ーとする第1焼成芯体を得、該第1焼成芯体を酸化雰囲
気中で加熱して炭素のバインダーを酸化除去させた少な
くとも体質材からなる第2焼成芯体を得、該第2焼成芯
体をペルヒドロポリシラザン含有液中に浸漬したまま窒
素雰囲気等の不活性雰囲気中又はアンモニアガス雰囲気
中で熱処理することにより、第2焼成芯体の気孔内に窒
化珪素を生成させた第3焼成芯体を得、該第3焼成芯体
の気孔内にインクを充填させることを特徴とする。前記
有機質の賦形材等を炭素化、または、炭素バインダーの
酸化除去、及び窒化珪素生成時の各熱処理は、含有され
た体質材が分解又は脱水等を起こす温度より、低い熱処
理温度で処理することが好ましい。なお、本発明で規定
する「窒素雰囲気等の不活性雰囲気中」とは、窒素ガス
雰囲気中、または、アルゴンガス雰囲気中等の不活性ガ
ス雰囲気中をいう。
しく説明する。本発明の焼成色鉛筆芯の製造方法は、少
なくとも体質材と有機質の賦形材を含む配合組成物を混
練、押出成形、非酸化性雰囲気で焼成することにより、
該有機質の賦形材が炭化された炭素をバインダーとする
第1焼成芯体を得、該第1焼成芯体を酸化雰囲気中で加
熱して炭素のバインダーを酸化除去させた少なくとも体
質材からなる第2焼成芯体を得、該第2焼成芯体をペル
ヒドロポリシラザン含有液中に浸漬したまま窒素雰囲気
等の不活性雰囲気中又はアンモニアガス雰囲気中で熱処
理することにより、第2焼成芯体の気孔内に窒化珪素を
生成させ第3焼成芯体を得、該第3焼成芯体の気孔内に
インクを充填させてなるものである。
なくとも体質材と有機質の賦形材を含む配合組成物を原
料とする。体質材としては、従来焼成型の色鉛筆芯に使
用されているものであれば、いずれも使用可能である。
例えば、酸化チタン、雲母、タルク、窒化硼素、シリ
カ、アルミナ、炭酸カルシウム等の白色系のものや、色
相によっては二硫化モリブデン、二硫化タングステン等
の有色系のものも使用することができ、当然これら数種
類の混合物も使用できる。また、必要に応じて耐熱性顔
料を配合してもよい。
ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ
ビニルアルコールなどの熱可塑性樹脂、フラン樹脂、フ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、リグ
ニン、セルロース、トラガントガムなどの天然高分子物
質、石油アスファルト、コールタールピッチ、ナフサ分
解ピッチ、合成樹脂の乾留ピッチなどのピッチ類等いず
れも使用可能で、当然これら数種類の混合物も使用でき
る。
の特性向上及び押出成形の特性向上の目的で、水、ジオ
クチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(D
BP)、リン酸トリクレジル(TCP)、アジピン酸ジ
オクチル(DOA)、プロピレンカーボナート、アルコ
ール類、ケトン類、エステル類など有機質の賦形材の可
塑剤又は溶剤の一種又は二種以上を、必要に応じて添加
しても良い。
加圧ニーダー、二本ロール等で十分混練した後、押出成
形機により細線状等に押出成形し、次いで、窒素雰囲気
中又はアルゴンガスなどの不活性ガス中等の非酸化性雰
囲気中で焼成することにより、有機質の賦形材が炭化さ
れ炭素をバインダーとする第1焼成芯体が得られる。上
記で得られた第1焼成芯体を酸化雰囲気中で加熱して、
炭素のバインダーを酸化除去させることにより多数の気
孔を備えた多孔質芯体からなる第2焼成芯体が得られ
る。
有機質の賦形材とからなる混練物を、非酸化性雰囲気で
焼成することによって得られる気孔と、前記炭素のバイ
ンダーを除去することにより得られる気孔の両者から構
成されている。第2焼成芯体の気孔率の調整は、主に有
機質の賦形材の配合割合を調整することにより行われる
ものであるが、他に炭素粒状物質等の気孔成形材を適宜
添加してもかまわない。なお、全気孔に対する炭素のバ
インダーの除去による気孔の量は全く任意である。
得られた多孔質芯体からなる第2焼成芯体をペルヒドロ
ポリシラザン含有液中に浸漬したまま、窒素雰囲気等の
不活性雰囲気中又はアンモニアガス雰囲気中で400
℃、好ましくは、600℃以上で、かつ、体質材の熱分
解又は脱水等を起こす温度より低い温度での熱処理によ
り、第2焼成芯体に結合材として窒化珪素を生成させる
ことにより得られる。上記第1焼成芯体、第2焼成芯
体、第3焼成芯体を得る際に行う熱処理は、使用する体
質材によって、熱処理温度を留意しなければならない。
すなわち、体質材が分解、あるいは脱水等の化学変化等
を生じると、書き味を損ねたり、強度の劣化等を生じる
場合があるので、使用する体質材の熱的性質と熱処理温
度を適宜選択する必要がある。上記第2焼成芯体をペル
ヒドロポリシラザン含有液中に浸漬したまま、窒素雰囲
気等の不活性雰囲気中又はアンモニアガス雰囲気中で焼
成処理する方法としては、例えば、第2焼成芯体を入れ
た耐熱性容器に第2焼成芯体の構造を破壊させないよう
に留意して、ペルヒドロポリシラザン含有液を注入し、
このままの状態で焼成処理することにより行うことがで
きる。
有液は、上記ペルヒドロポリシラザンを有機溶剤で溶解
したものであり、該ペルヒドロポリシラザン含有液が第
2焼成芯体に充填可能なものであれば、使用する有機溶
剤は特に限定されず、いずれも、使用可能である。使用
する有機溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、
キシレン、エーテル、テトラヒドロフラン(THF)、
塩化メチレン、四塩化炭素等、芳香族炭化水素系等の有
機溶剤が挙げられる。得られた第3焼成芯体は、結合材
としての窒化珪素が芯体中に微細で均一に分散して生成
するものとなり、さらに、体質材が高配向しているため
少量の窒化珪素の生成で芯体の強度を発現しやすく、筆
記時の芯体の崩れも均一となる。
得られた第3焼成芯体の気孔内に、インクを充填させる
ことにより得られる。第3焼成芯体に含浸するインクと
しては、従来公知の色鉛筆用のインクであればいずれも
使用することができる。例えば、染料、顔料等の着色剤
を動植物油、合成油、アルコール類、炭化水素油、水等
に溶解、分散させ、あるいは必要に応じて樹脂、界面活
性剤等をさらに添加し製造された一般的に用いられてい
る印刷用インク、スタンプインク、ボールペンインク、
水性筆記用インク等が用いられる。また、第3焼成芯体
にインクを含浸する方法としては、例えば、第3焼成芯
体をインク中に浸漬し、加熱、減圧、加圧等の条件下で
気孔内に充填させる。さらに、繰り返し含浸を行っても
よい。
筆芯の製造方法では、第2焼成芯体をペルヒドロポリシ
ラザン含有液中に浸漬したまま、熱処理することによ
り、脆い第2焼成芯体に直接手を触れることなく第3焼
成芯体を得ることが可能となる。更に、ペルヒドロポリ
シラザン含有液の添加量を変えることにより、得られる
第3焼成芯体の強度を変えることが可能であるため、1
回のペルヒドロポリシラザン含有液の浸漬、熱処理工程
で必要とする強度の第3焼成芯体が得られることとな
る。
に具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって何
等限定されるものではない。
圧ニーダー、二本ロールで混練した後、細線状に押出成
形し、これから残留する可塑剤を除去すべく空気中で1
80℃にて10時間熱処理した後、窒素雰囲気中にて3
00℃迄は10℃/hr、300℃から1000℃迄は
30℃/hrで昇温させて、1000℃にて1時間焼成
し、第1焼成芯体を得た。これを酸化雰囲気中で約70
0℃で加熱焼成して残留している炭素化した樹脂分を除
去して白色の第2焼成芯体を得た。この第2焼成芯体を
芯体1gに対して2.8ccの割合でペルヒドロポリシ
ラザン20%含有液中に浸漬して、すなわち、第2焼成
芯体を入れた耐熱性容器に所定量のペルヒドロポリシラ
ザン20%含有液を注入することにより、第2焼成芯体
をペルヒドロポリシラザン20%含有液中に浸漬したま
まの状態で窒素雰囲気中で600℃迄は60℃/hrで
昇温させて、600℃にて1時間焼成して、直径0.5
7mmの白色の第3焼成芯体を得た。次いで、赤色イン
クに上記第3焼成芯体を浸し、70℃で24時間放置し
た。この染料が充填された第3焼成芯体表面をアルコー
ルで洗浄し、直径0.57mmの赤色の色鉛筆芯とし
た。
芯体をペルヒドロポリシラザン含有液中に浸漬したまま
焼成する代わりに、室温で第2焼成芯体にペルヒドロポ
リシラザン20%含有液を1日含浸後、余分なペルヒド
ロポリシラザン含有液は除去し、窒素雰囲気中で600
℃迄は60℃/hrで昇温させて、600℃にて1時間
焼成して焼成芯体を得、更に、このペルヒドロポリシラ
ザン含有液の含浸、焼成工程を更に2回繰り返し、直径
0.57mmの白色の第3焼成芯体を得た以外、すべて
上記実施例1と同様にした。
成色鉛筆芯について、JIS−S−6005−1989
に準拠して曲げ強度〔MPa〕、官能評価による書き
味、収率〔(第3焼成芯体の本数/第1焼成芯体の本
数)×100(%)〕を評価した。これらの結果を下記
表1に示す。
明範囲となる実施例1の焼成色鉛筆芯は、従来例となる
比較例1の焼成色鉛筆芯に較べて、浸漬、焼成工程が1
回で同程度の焼成色鉛筆が得られ、芯の収率も非常に高
いことが判明した。
ドロポリシラザン含有液中に浸漬したまま、窒素雰囲気
等の不活性雰囲気中又はアンモニアガス雰囲気中で熱処
理し、結合材として窒化珪素を生成させることにより、
気孔率が大きくても機械的強度にすぐれた実用上折れ難
く、さらにインク充填量が多くなることにより、きわめ
て優れた発色が得られると共に、良好な書き味を有する
焼成色鉛筆芯の製造方法提が提供される。
Claims (1)
- 【請求項1】 少なくとも体質材と有機質の賦形材を含
む配合組成物を混練、押出成形、非酸化性雰囲気で焼成
することにより、該有機質の賦形材が炭化された炭素を
バインダーとする第1焼成芯体を得、該第1焼成芯体を
酸化雰囲気中で加熱して炭素のバインダーを酸化除去さ
せた少なくとも体質材からなる第2焼成芯体を得、該第
2焼成芯体をペルヒドロポリシラザン含有液中に浸漬し
たまま窒素雰囲気等の不活性雰囲気中又はアンモニアガ
ス雰囲気中で熱処理することにより、第2焼成芯体の気
孔内に窒化珪素を生成させた第3焼成芯体を得、該第3
焼成芯体の気孔内にインクを充填させることを特徴とす
る焼成色鉛筆芯の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14024598A JP3907315B2 (ja) | 1998-05-21 | 1998-05-21 | 焼成色鉛筆芯の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14024598A JP3907315B2 (ja) | 1998-05-21 | 1998-05-21 | 焼成色鉛筆芯の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11323237A true JPH11323237A (ja) | 1999-11-26 |
JP3907315B2 JP3907315B2 (ja) | 2007-04-18 |
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ID=15264299
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14024598A Expired - Fee Related JP3907315B2 (ja) | 1998-05-21 | 1998-05-21 | 焼成色鉛筆芯の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3907315B2 (ja) |
-
1998
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