JPH11322613A - 強心配糖体含有経皮吸収製剤 - Google Patents

強心配糖体含有経皮吸収製剤

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JPH11322613A
JPH11322613A JP13400498A JP13400498A JPH11322613A JP H11322613 A JPH11322613 A JP H11322613A JP 13400498 A JP13400498 A JP 13400498A JP 13400498 A JP13400498 A JP 13400498A JP H11322613 A JPH11322613 A JP H11322613A
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JP
Japan
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preparation
sensitive adhesive
cardiac glycoside
drug
pressure
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JP13400498A
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English (en)
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Katsuya Togawa
勝也 戸川
Masaru Hamabe
勝 浜辺
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】使用の簡便さに優れ、且つ薬効の持続性に優れ
た、強心配糖体含有経皮吸収製剤を提供する。 【解決手段】 基剤中に、薬物として強心配糖体から選
ばれた少なくとも一種を含有することを特徴とする強心
配糖体含有経皮吸収製剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強心配糖体含有経
皮吸収製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】強心配糖体は、うっ血性心不全の治療薬
として現在では最も優れていると考えられている。その
作用としては、Na+ −K+ ATPase活性を阻害
し、結果として心収縮力増強作用を示すものである。し
かし、これらの強心配糖体は非常に安全域の狭い薬物で
ある。ジゴキシンの場合は治療血清中濃度が0.8〜
2.0ng/mLであり、完全治療量の1.5〜3.0
倍量を投与すると、ジキタリス中毒を起こす場合があ
る。ゆえに投薬量を一定して体内に投与できる製剤が望
まれていた。薬物の血中濃度を長時間維持できる製剤と
してはニトログリセリン、硝酸イソソルビド等の経皮吸
収製剤があるが(特開平3−279326)、強心配糖
体には経口剤もしくは注射剤しかなく、血中濃度を維持
するためには経口投与、静注投与のいずれにおいても数
時間ごとに投与を続ける必要があり、患者に苦痛を伴う
ものであった。それ故、長時間持続型製剤の開発が切望
されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みてなされたものであり、その目的は、使用の簡便さ
に優れ、且つ薬効の持続性に優れた、強心配糖体含有経
皮吸収製剤を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の経皮吸収
製剤は、基剤中に、薬物として強心配糖体から選ばれた
少なくとも一種を含有することを特徴とする。
【0005】請求項2記載の経皮吸収製剤は、薬物が、
ジゴキシンであることを特徴とする請求項1記載の強心
配糖体含有経皮吸収製剤である。
【0006】請求項3記載の経皮吸収製剤は、薬物の製
剤中の含有率が、0.1〜30重量%である請求項1又
は2記載の強心配糖体含有経皮吸収製剤である。
【0007】請求項4記載の経皮吸収製剤は、基剤が、
ポリマー、ケイ酸、ケイ酸金属土類系鉱物、炭化水素、
油脂類、多価アルコール、高級アルコール、低級アルコ
ール、高級脂肪酸、脂肪酸エステル及び水よりなる群か
ら選ばれた少なくとも一種である請求項1〜3のいずれ
か一項記載の強心配糖体含有経皮吸収製剤である。
【0008】請求項5記載の経皮吸収製剤は、軟膏剤、
クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、ローション剤及びパ
ップ剤からなる群より選ばれた少なくとも一種である請
求項1〜4のいずれか一項記載の強心配糖体含有経皮吸
収製剤である。
【0009】請求項6記載の経皮吸収製剤は、支持体の
片面に、薬物を含有する粘着剤層が設けられた経皮吸収
貼付剤である請求項1〜3のいずれか一項記載の強心配
糖体含有経皮吸収製剤である。
【0010】請求項7記載の経皮吸収製剤は、粘着剤層
がアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコン系粘着剤
及びウレタン系粘着剤よりなる群から選ばれた少なくと
も一種である請求項1、2、3又は6記載の強心配糖体
含有経皮吸収製剤である。
【0011】請求項8記載の経皮吸収製剤は、粘着剤層
中に、吸水性ポリマー及び多価アルコールからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種以上が含有された請求項1、
2、3、6又は7記載の強心配糖体含有経皮吸収製剤で
ある。
【0012】本発明で用いられる薬物は、強心配糖体か
ら選ばれた少なくとも一種であり、例えば、代表例とし
て、ジゴキシンが挙げられる。その含有量は、少なくな
ると十分な薬効が得られなくなり、多くなると中毒症状
を引き起こす危険性があったり、薬物が無駄になるばか
りでなく、基剤の物性に悪影響を与え、実使用に耐えれ
なくなるので、基剤中0.1〜30重量%が好ましい。
薬物は、基剤中に溶解していてもよいし、一部分散した
状態で配合されていてもよい。
【0013】本発明で用いられる基剤は、強心配糖体を
安定に保持し、皮膚投与した際に、強心配糖体を体内に
吸収させ得るものであればよく、例えば、従来より、軟
膏剤、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、ローション
剤、パップ剤などの基剤として用いられているものが使
用でき、特に、ポリマー、ケイ酸、ケイ酸金属土類系鉱
物、炭化水素、油脂類、多価アルコール、高級アルコー
ル、低級アルコール、高級脂肪酸、脂肪酸エステル及び
水よりなる群から選ばれた少なくとも一種、又は、それ
を含む組成物が好ましい。
【0014】上記ポリマーとしては、例えば、アルギン
酸ナトリウム、ゼラチン、コーンスターチ、トラガント
ガム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチル
セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、
デキストリン、カルボキシメチルデンプン、ポリビニル
アルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩(例え
ばナトリウム塩)、メトキシエチレン−無水マレイン酸
共重合体、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。
【0015】上記ケイ酸及びケイ酸金属土類系鉱物とし
ては、例えば、コロイド状二酸化ケイ素、重質カオリ
ン、ベントナイトなどのコロイド性含水ケイ酸アルミニ
ウム系鉱物、ビーガムなどのコロイド性含水ケイ酸マグ
ネシウム・アルミニウム系鉱物が挙げられる。
【0016】上記炭化水素としては、例えば、白色ワセ
リン、パラフィン、流動パラフィン、ハイドロカ−ボン
ゲル軟膏(例えば、商品名プラスチベース、大正製薬社
製)、スクワラン、スクワレンなどが挙げられる。
【0017】上記油脂類としては、例えば、ミツロウ、
オリーブ油、カカオ油、胡麻油、大豆油、ラッカセイ
油、牛脂、豚脂、ラノリン、ヒマシ油などが挙げられ
る。
【0018】上記多価アルコールとしては、例えば、グ
リセリン、ブタンジオール、ヘキサントリオール、プロ
ピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロ
ピレンブロック共重合体などが挙げられる。
【0019】上記高級アルコールとしては、例えば、ラ
ウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアル
コール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコ
ール、オレイルアルコールなどが挙げられる。
【0020】上記低級アルコールとしては、例えば、エ
チルアルコール、イソプロピルアルコールなどが挙げら
れる。
【0021】上記高級脂肪酸としては、例えば、カプリ
ン酸、カプリル酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデ
シル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
オレイン酸、アラキドン酸、リノール酸、リノレン酸な
どの飽和または不飽和脂肪酸が挙げられる。
【0022】上記脂肪酸エステルとしては、例えば、炭
素数8〜20の脂肪酸と炭素数1〜32の脂肪族アルコ
ールとのエステルが挙げられる。
【0023】上記脂肪酸としては、例えば、カプリン
酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ウンデシレン酸、
オレイン酸、アラキドン酸、リノール酸、リノレン酸、
セバシン酸などが挙げられる。上記脂肪酸エステルの具
体例としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ミ
リスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピ
ル、パルミチン酸セチル、白ロウなどが挙げられる。
【0024】本発明の経皮吸収製剤には、必要に応じて
基剤に溶解剤、経皮吸収促進剤、安定化剤、充填剤など
が含有されてもよい。
【0025】上記溶解剤は、薬物の溶解性を調節するた
めに用いられるものであり、例えば、流動パラフィン等
の炭化水素;ミリスチン酸イソプロピル、モノラウリン
酸グリセリン、セバシン酸ジエチル等の脂肪酸と1価又
は多価のアルコールとのエステル;ラノリン、オリーブ
油等の天然物由来の油脂などが挙げられる。上記溶解剤
の含有量は、少なくなるとその改善効果が上がらなくな
り、多くなると製剤の物理性状が劣化するので、基剤中
1〜15%が好ましい。
【0026】上記経皮吸収促進剤は、皮膚に作用して強
心配糖体の皮膚透過性を高めるために用いられるもので
あり、例えば、皮膚の構造をルーズにしたり、皮膚の水
和性を高めるたり、強心配糖体を良好に溶解して皮膚内
に運んだりすることで皮膚透過性が高められる。上記経
皮吸収促進剤の具体例としては、例えば、ポリソルベー
ト、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラウロイルサルコ
シン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルアミン、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、グリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0027】上記安定化剤は、強心配糖体やその他成分
の酸化、分解等を抑え、製剤の経時変化を防ぐために用
いられるものであり、例えば、ブチルヒドロキシトルエ
ン、ソルビン酸等の酸化防止剤;シクロデキストリン、
エチレンジアミン四酢酸などが挙げられる。
【0028】上記充填剤は、製剤の粘度や硬度の調節、
強心配糖体の均一分散や保持などを目的として用いられ
るものであり、例えば、炭酸カルシウム、酸化チタン、
乳糖、結晶セルロースなどが挙げられる。
【0029】本発明の経皮吸収製剤は、常法により製造
することができる。例えば、軟膏、クリーム、ゲル、ペ
ースト、ローション又はパップ基剤の場合、それぞれの
剤型に応じて、必要な基剤原料を混練、乳化、懸濁また
は溶解させ基剤を製造した後、薬物(強心配糖体)及び
必要に応じて溶解剤、経皮吸収促進剤、安定化剤、充填
剤などを添加し、通常使用される混練機で混合すること
によって製造される。
【0030】本発明の強心配糖体含有経皮吸収製剤は、
支持体の片面に、薬物を含有する粘着剤層が設けられた
経皮吸収貼付剤としても使用できる。
【0031】上記支持体は、貼付面の反対面を保護する
働きを有するものであれば特に限定されるものではな
く、通常は、プラスチックフィルムもしくはシート、不
織布、織布、発泡体シート、金属箔(例えば、アルミニ
ウム箔)などの単体もしくは積層体が用いられる。
【0032】上記プラスチックフィルムもしくはシート
の材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート
等の飽和ポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフィン;エチレン−酢酸ビニル共重合体;
エチレン−アクリル酸メチル共重合体;ポリウレタン;
ナイロン;スチレン−イソプレン−スチレン共重合体な
どが挙げられる。
【0033】上記不織布及び織布の材質としては、例え
ば、ポリエステル、ポリオレフィン、レーヨン、綿、ア
クリル、ナイロンなどからなる繊維状物が挙げられる。
【0034】上記発泡体シートの材質としては、例え
ば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポ
リプロピレン、ポリエチレンオキサイド等のポリオレフ
ィン系樹脂;、スチレン−ブタジエン共重合体等のゴム
系のものなどが挙げられる。
【0035】上記支持体の厚さは、薄くなると製剤の強
度が不足するとともに、貼付時にシワになりやすくな
り、厚くなると皮膚に貼付したときの違和感が大きなっ
たり、貼付端部の引っ掛かりによって剥がれ易くなった
りするので、20〜3000μmが好ましい。
【0036】上記支持体は、その一部あるいは全体につ
いて必要に応じて穴をあけたり、エンボスやポイントシ
ールなどの凹凸を施す等の加工もできる。これによって
通気性を高めたり、皮膚への追従性を良くしたり、強度
を増す効果が得られる。
【0037】上記粘着剤層に用いられる基剤は、強心配
糖体を安定に保持し、皮膚投与した際に、強心配糖体を
体内に吸収させ得るものであり、良好な皮膚貼付性を有
するものであれば特に制限はない。例えば、従来より非
含水系又は含水系のプラスター剤、テープ剤、パッチ
剤、パップ剤などの基剤として用いられているものが使
用できる。上記基剤の具体例としては、例えば、アクリ
ル系、ゴム系、シリコン系、ウレタン系などのポリマー
に、必要に応じて架橋剤、可塑剤、安定剤、水、pH調
節剤、充填剤などが添加されたものが挙げられる。
【0038】上記アクリル系粘着剤としては、(メタ)
アクリル酸アルキルエステルを主体とする粘着剤が好ま
しく、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可
能な官能性モノマー及び/又は多官能性モノマーとの共
重合体であってもよい。
【0039】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
としては、例えば、(メタ)アクリリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、
(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘ
キシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリ
ル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オ
クチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリ
ル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸トリメチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸イソデシルなどが挙げられる。
【0040】上記官能性モノマーとしては、例えば、水
酸基を有するモノマー、カルボキシル基を有するモノマ
ー、アミド基を有するモノマー、アミノ基を有するモノ
マー、窒素含有複素環を有するモノマーなどが挙げら
れ、その具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸
−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒ
ドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、
アクリルアミド、エトキシメチルアクリルアミド、ジア
セトンアクリルアミド、アクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾールなどが挙げ
られる。
【0041】上記多官能性モノマーとしては、例えば、
ヘキサメチレングリコール等のポリメチレングリコール
類、 ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコ
ール類、グリセリンあるいはペンタエリスリトールなど
と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるジ(メ
タ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート、テトラ
(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0042】上記ゴム系粘着剤としては、例えば、天然
ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソブチレン、
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ス
チレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチ
レン−オレフィン−スチレンブロック共重合体などが挙
げられる。これらは一般に、ロジン、水添ロジン、ロジ
ンエステル、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、
石油系樹脂、クマロン樹脂、クマロン−インデン樹脂な
どの粘着付与剤が添加されて用いられる。
【0043】上記シリコン系粘着剤としては、例えば、
ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサンなど
が挙げられる。
【0044】上記ウレタン系粘着剤としては、例えば、
従来から経皮吸収貼付剤の粘着剤に用いられてきたウレ
タン系粘着剤のいずれをも使用可能であり、特に限定さ
れない。
【0045】上記架橋剤としては、例えば、水酸化アル
ミニウム、水酸化カルシウム、ステアリン酸マグネシウ
ム、イソシアネート類、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、
尿素樹脂、アンモニウム類などが挙げられる。
【0046】上記可塑化剤は、前記溶解剤として用いら
れたものと同様のものを使用することができ、例えば、
流動パラフィン等の炭化水素類;ミリスチン酸イソプロ
ピル、モノラウリン酸グリセリン、セバシン酸ジエチル
等の脂肪酸と1価又は多価アルコールとのエステル;オ
レイン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸;オクチルドデカ
ノール、ミリスチルアルコール等の高級アルコール;ラ
ノリン、オリーブ油、ヤシ油等の天然物由来の油脂など
が挙げられる。上記可塑化剤の含有量は、強心配糖体の
量や上記粘着剤の種類によって適宜決定されるが、少な
くなると可塑化効果が低下し、多くなると貼付性が低下
するので、粘着剤層中1〜50重量%が好ましい。
【0047】上記安定化剤は、前記安定化剤と同様のも
のが使用できる。
【0048】上記充填剤は粘着剤層、リザーバー層など
に貼付性の調節及び薬剤の均一分散、保持のために用い
られる。その具体例としては、例えば、炭酸カルシウ
ム、酸化チタン、乳糖、結晶セルロース、無水ケイ酸塩
などが挙げられる。
【0049】上記ポリマーを粘着層とし、別に強心配糖
体を含有するリザーバー層を設けてもよい。この層は、
皮膚への粘着性は必要とされず、強心配糖体を安定に保
持し、強心配糖体を必要な速度で放出しうるものであれ
ばよい。このようなリザーバー層には、(メタ)アクリ
ル酸、(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドンなどのポリマー、乳糖、セ
ルロース類、油脂、アルコール類などが使用できる。ま
た、必要に応じて乳化剤、溶解剤、可塑剤、安定剤、
水、pH調節剤、充填剤などが添加される。リザーバー
層と粘着剤層の間に薬剤の通過できる放出制限膜があっ
てもよい。
【0050】本発明の経皮吸収貼付剤に用いられる粘着
剤層は上述の通りであるが、強心配糖体の経皮吸収性を
高めることを目的とし、貼付性及び皮膚刺激性を悪化さ
せない範囲で、粘着剤層中に吸水性ポリマー及び多価ア
ルコールからなる群より選ばれた少なくとも一種以上が
含有されてもよい。
【0051】上記吸水性ポリマーの含有量は、少なくな
ると効果を発揮せず、多すぎると貼付性を悪化させるの
で、基剤の総重量に対して1〜50%が好ましいが、よ
り好ましい範囲は5〜30%である。
【0052】上記吸水性ポリマーとしては、例えば、ポ
リビニルピロリドン、架橋型ポリビニルピロリドン、ポ
リアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸ナト
リウム、ゼラチン、メチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナ
トリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアル
コール、ポリビニルエーテル、デンプン、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエ
チレンポリオキシプロピレングリコール、デキストラン
などが挙げられる。
【0053】上記多価アルコールの含有量は、少なくな
ると効果を発揮せず、多すぎると貼付性を悪化させるの
で、基剤の総重量に対して1〜40%が好ましいが、よ
り好ましい範囲は2〜30%である。
【0054】上記多価アルコールとしては、上記吸水性
ポリマーの範疇に入るもの以外として、例えば、グリセ
リン、ブタンジオール、ヘキサントリオール、プロピレ
ングリコール、ソルビトール、グルコースなどが挙げら
れる。
【0055】本発明の経皮吸収貼付剤の製造方法は、粘
着剤種類によって製法は異なるが、粘着剤層はホットメ
ルト法、溶液法などの常法により製造することができ
る。例えば、アクリル系粘着剤の場合、重合して得られ
た粘着剤溶液に、薬剤及び必要な添加剤と、酢酸エチ
ル、エタノール等の適当な溶媒を加え、均一になるまで
攪拌混合する。この溶液を剥離紙上に塗布し、乾燥後、
支持体を熱ラミネートして経皮吸収貼付剤を調製する。
【0056】上記剥離紙は、粘着剤層を保護する目的で
使用されるものであり、通常、プラスチックフィルム、
紙等の単層もしくは積層体の表面に離型処理を施したも
のが使用される。
【0057】上記プラスチックフィルムとしては、例え
ば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなど
が挙げられる。上記紙としては、例えば、ポバール等の
樹脂を含浸されたものが挙げられる。
【0058】
【発明の実施の形態】次に、実施例を挙げて本発明を詳
しく説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定さ
れるものではない。 (実施例1)ジゴキシン1.23gをグリセリン19.
87gに懸濁させ、これにクロスポビドン(1−ビニル
−2−ピロリドンの架橋重合物)3.51gを加えて均
一混合し、ペースト剤を調整した。
【0059】(実施例2)アクリル酸−2−エチルヘキ
シル(EHA)65モル%(302.0g)、ビニルピ
ロリドン(VP)35モル%(98.0g)、及びヘキ
サメチレングリコールジメタクリレートをEHAとVA
の100重量部に対して0.02重量部(80mg)を
セパラブルフラスコに仕込み、重合初期のモノマー濃度
が85重量%となるように酢酸エチル70.6gを加え
た。この溶液を窒素雰囲気下、65℃に加熱し、重合開
始剤である過酸化ラウロイルのシクロヘキサン・酢酸エ
チル溶液を逐次、少量ずつ添加し、32時間重合した。
重合終了後、酢酸エチルを更に加えて均一に混合した
後、取り出し、不揮発分35.76%のアクリル粘着剤
の酢酸溶液を得た。次いで、重合物の酢酸エチル溶液6
2.75gに、グリセリン2.49gに懸濁させたジゴ
キシン1.44gとクロスポビドン(1−ビニル−2−
ピロリドンの架橋重合物)2.49gを加えて均一混合
して塗工液を得た。得られた塗工液を、剥離処理を施し
たポリエステルフィルム上に、ジゴキシン含有量が1.
0mg/cm2 となるように塗工し、60℃で30分乾
燥させた。これに、支持体として、ポリエチレンテレフ
タレートとエチレン・酢酸ビニル共重合体のラミネート
フィルムを張り合わせ経皮吸収貼付剤を調整した。
【0060】(比較例1)カルボキシメチルセルロース
ナトリウム(CMC−Na)0.5gを水100mlに
攪拌、溶解させてCMC−Na水溶液を得た。この水溶
液40mlにジゴキシン0.22gを加え、攪拌、懸濁
させて製剤を調整した。
【0061】(性能評価1)実施例1及び比較例1で得
られた製剤について、以下のようにしてウサギを用いて
ジゴキシン血中濃度測定試験を行った。 ジゴキシン血中濃度測定試験 ニュージーランドホワイト(雄、1歳)の背部を剃毛
し、皮膚上50cm2 の面積に、実施例1を200mg
(約10mg/個体)塗布した。 一方、他のウサギに
比較例1で得られた製剤を約0.25mg/個体になる
ように経口投与した。各々投与後、24時間まで血液を
経時的に採取し、血漿中のジゴキシン濃度を高速液体ク
ロマトグラフィーにより測定した。結果を表1に示し
た。
【0062】
【表1】
【0063】(性能評価2)実施例2及び比較例1で得
られた製剤について、以下のようにしてウサギを用いて
ジゴキシン血中濃度測定試験を行った。 ジゴキシン血中濃度測定試験 ニュージーランドホワイト(雄、1歳)の背部を剃毛
し、皮膚上50cm2 の面積に、実施例2を(ジゴキシ
ンとして約50mg/個体)貼付した。 一方、他のウ
サギに比較例1で得られた製剤を約0.25mg/個体
になるように経口投与した。各々投与後、24時間まで
血液を経時的に採取し、血漿中のジゴキシン濃度を化学
発光免疫測定法により測定した。結果を表2に示した。
【0064】
【表2】
【0065】
【発明の効果】本発明の経皮吸収製剤は、基剤中に、薬
物として、強心配糖体から選ばれた少なくとも一種を含
有する強心配糖体含有経皮吸収製剤であるので、投与が
簡便であり、有効血中濃度の持続性に優れる。このた
め、副作用が少なく、薬効の変動も少ない製剤とするこ
とが出来る。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基剤中に、薬物として強心配糖体から選
    ばれた少なくとも一種を含有すること特徴とする強心配
    糖体含有経皮吸収製剤。
  2. 【請求項2】 薬物が、ジゴキシンであることを特徴と
    する請求項1記載の強心配糖体含有経皮吸収製剤。
  3. 【請求項3】 薬物の製剤中の含有率が、0.1〜30
    重量%である請求項1又は2記載の強心配糖体含有経皮
    吸収製剤。
  4. 【請求項4】 基剤が、ポリマー、ケイ酸、ケイ酸金属
    土類系鉱物、炭化水素、油脂類、多価アルコール、高級
    アルコール、低級アルコール、高級脂肪酸、脂肪酸エス
    テル及び水よりなる群から選ばれた少なくとも一種であ
    る請求項1〜3のいずれか一項記載の強心配糖体含有経
    皮吸収製剤。
  5. 【請求項5】 経皮吸収製剤が、軟膏剤、クリーム剤、
    ゲル剤、ペースト剤、ローション剤及びパップ剤からな
    る群より選ばれた少なくとも一種である請求項1〜4の
    いずれか一項記載の強心配糖体含有経皮吸収製剤。
  6. 【請求項6】 経皮吸収製剤が、支持体の片面に、薬物
    を含有する粘着剤層が設けられた経皮吸収貼付剤である
    請求項1〜3のいずれか一項記載の強心配糖体含有経皮
    吸収製剤。
  7. 【請求項7】 粘着剤層が、アクリル系粘着剤、ゴム系
    粘着剤、シリコン系粘着剤及びウレタン系粘着剤よりな
    る群から選ばれた少なくとも一種である請求項1、2、
    3、又は6記載の強心配糖体含有経皮吸収製剤。
  8. 【請求項8】 粘着剤層中に、吸水性ポリマー及び多価
    アルコールからなる群より選ばれる少なくとも一種以上
    が含有された請求項1、2、3、6又は7記載の強心配
    糖体含有経皮吸収製剤。
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