JPH11322361A - 導電性ペースト及び導電体付ガラス板 - Google Patents

導電性ペースト及び導電体付ガラス板

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JPH11322361A
JPH11322361A JP12627298A JP12627298A JPH11322361A JP H11322361 A JPH11322361 A JP H11322361A JP 12627298 A JP12627298 A JP 12627298A JP 12627298 A JP12627298 A JP 12627298A JP H11322361 A JPH11322361 A JP H11322361A
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glass
glass plate
conductor
conductive paste
powder
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JP12627298A
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Kazuo Sunahara
一夫 砂原
Nobutaka Kidera
信隆 木寺
Katsuhisa Nakayama
勝寿 中山
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】導電体(たとえば自動車窓ガラス板に印刷・焼
成される導電性線条やバスバー)の比抵抗を調整でき、
かつ暗色の導電体付ガラス板を作製できる導電性ペース
トを得る。 【解決手段】酸化クロム、酸化コバルト、酸化銅などの
着色成分を含有する結晶化ガラスの粉末、銀などの導電
性物質の粉末、低融点ガラス粉末及び有機質ワニスを含
有する導電性ペースト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性ペースト及
び導電体付ガラス板に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のリヤウインドに用いられるガラ
ス板の曇りを防止するために、ガラス板上には多数本の
加熱用の導電性線条、及び該導電性線条の両端に接続す
る共通電源ライン(バスバー)が印刷・焼成されてい
る。導電性線条及びバスバー(以下、両者を導電体とい
う。)は、導電性ペーストをガラス板に印刷後焼成する
ことにより、該ガラス板上に形成される。バスバーに
は、リード線取り出し用の金属端子(以下、単に金属端
子という。)がハンダ等により取り付けられている。金
属端子間に電圧を印加し導電体を発熱させることにより
ガラス板の表面温度を露点以上に保ち、これによりガラ
ス板の曇りを防止できる。
【0003】前記導電体のガラス板単位面積当たりの発
熱量は、ガラス板の形状に関係なくガラス板全面で均一
となるように調節することが求められる。導電体の発熱
量は、導電体の比抵抗、長さ、幅及び厚さ並びに導電体
への印加電圧に依存する。このうち導電体の長さ及び幅
は、自動車の車種ごとに決まっているデフォッガパター
ンによってほぼ決まり調節の余地は少ない。導電体の厚
さは導電性ペーストの印刷条件によって微調節ができる
のみである。また、導電体への電圧印加には、従来、定
電圧電源が使用されており、やはり調節の余地は少な
い。したがって、ガラス板単位面積当たりの発熱量をガ
ラス板の形状に関係なくガラス板全面で均一にするため
には、種々の比抵抗を有し、かつ金属端子をハンダ付け
可能な導電体をガラス板上に形成できなければならな
い。
【0004】従来、このような導電体をガラス板上に形
成する方法としては特公昭57−41763に開示され
ているように、銀粉末、低融点ガラス粉末、有機質ワニ
スを混合しペースト化した導電性ペーストをガラス板に
焼き付け後、銅の電解メッキ処理により導電体の比抵抗
を調整する方法が知られている。また、電解メッキ処理
を用いない方法としては、前記導電性ペーストに抵抗調
整剤を添加する方法が知られている。抵抗調整剤として
は、金属酸化物又は比較的高い比抵抗を有するNi、A
l、Sn、Pb、Pt等が用いられる。また、特公昭5
7−41763においては、導電性ペーストに有機ロジ
ウム化合物を添加することが提案されている。
【0005】さらに意匠面から、近年、導電体の色をよ
り暗色にしたいという要求がでている。従来の銀粉末含
有導電性ペーストをガラス板に焼き付けると銀コロイド
の発色により導電体の色は黄色になるが、これをより暗
色にするために、従来、酸化クロム、酸化コバルト、酸
化銅等の着色成分を含有する黒色顔料を導電性ペースト
に直接添加する方法がとられていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】銅の電解メッキ処理に
より導電体の比抵抗を調整する方法では、工程が多くな
る。その結果、作業性が悪くなる、コストが増加する、
等の問題があった。導電性ペーストに抵抗調整剤を添加
する方法では、金属端子のハンダ付けの面で問題があっ
た。すなわち、導電体と金属端子の接着強度が不十分で
あった。この原因は以下のようなものであると考えられ
る。抵抗調整剤として、金属酸化物やNi、Al、S
n、Pb、Pt等を添加した場合、これら抵抗調整剤は
銀粉末の焼結を阻害し、銀焼結体の焼結組織は粗な構造
となる。そのため、金属端子をハンダ付けした場合、ハ
ンダが銀焼結体の粒界を侵食し、銀焼結体がハンダにと
けて銀焼結体の焼結組織が破壊する、いわゆるハンダ食
われ現象が発生し接着強度が低下するものと考えられ
る。また、仮にハンダ食われ現象が発生しなくとも、銀
焼結体の焼結組織が粗な構造であるため銀焼結体の焼結
組織破壊が起こりやすく、接着強度が低下するものと考
えられる。
【0007】導電性ペーストに有機ロジウム化合物を添
加する方法では、有機ロジウム化合物が高価格であるた
めにコストが増加する問題があった。導電体の色をより
暗色にすることを目的として、酸化クロム、酸化コバル
ト、酸化銅等の着色成分を含有する黒色顔料を導電性ペ
ーストに直接添加する方法では、これら黒色顔料が銀粉
末の焼結を阻害するため、導電体の比抵抗の顕著な増
大、導電体と金属端子との接着強度の低下、等の問題が
あった。
【0008】また、生産性向上のためにより低温で焼成
したい、という要求もあった。本発明は、以上の課題を
解決する、導電性ペースト及び導電体付ガラス板の提供
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電性物質粉
末、低融点ガラス粉末、有機質ワニス、及び着色成分を
含有する結晶化ガラスの粉末を含有する導電性ペース
ト、及び前記導電性ペーストをガラス板に印刷・焼成し
て該ガラス板上に導電体を形成した導電体付ガラス板、
を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明における導電性ペースト
は、導電性物質粉末、低融点ガラス粉末、有機質ワニ
ス、及び着色成分を含有する結晶化ガラス(以下、着色
結晶化ガラスという。)の粉末を含有する。本発明にお
ける導電体は、通例は導電性ペーストをガラス板上に印
刷・焼成して得られる、導電性線条及びバスバーとされ
る。
【0011】本発明における導電性物質は、導電体に所
望の導電性を付与するものである。導電性物質として
は、銀、金、白金、銀−白金合金、銀−パラジウム合
金、銀−ロジウム合金、酸化ロジウム等を使用できる。
導電性が高い、入手しやすい、価格が安い、等の理由か
ら、銀を用いることが好ましい。以下では、導電性物質
として銀を用いる場合について述べる。
【0012】銀粉末の平均粒径は、導電性ペーストの印
刷性を考慮すると20μm以下が好ましく、0.1〜1
0μmがさらに好ましく、0.1〜6μmが特に好まし
い。印刷性や焼結性を良好にコントロールするために、
銀粉末として、平均粒径の異なる銀粉末や箔状の銀を2
種以上混合して用いてもよい。さらに、導電体の比抵抗
のコントロールやハンダ食われ現象の防止のため、他の
導電性物質、たとえば、金、白金、銀−白金合金、銀−
パラジウム合金、銀−ロジウム合金、酸化ロジウム等を
添加してもよい。
【0013】本発明における低融点ガラスは、ガラス板
として一般に用いられるソーダライムシリカガラスの軟
化点(約730℃)より低い温度で軟化流動を開始する
ガラスである。本発明における低融点ガラス粉末は、焼
成時に銀焼結体をガラス板やガラス板表面に意匠性向上
等のために形成されたセラミックカラー組成物に接着さ
せるための必須構成物である。ガラス板を加熱・曲げ加
工するときに同時に、ガラス板上又はガラス板表面に形
成されたセラミックカラー組成物上に印刷された導電性
ペーストを焼き付ける場合、低融点ガラスに1種以上の
結晶が析出してもよい。特に、チタン酸鉛、ジルコン酸
鉛、ホウ酸鉛及びスズ酸鉛からなる群から選ばれた1種
以上の結晶が析出するものが好ましい。これらの結晶は
いずれも、自動車用のガラス板を曲げ加工する温度域で
ある570〜700℃において析出するものである。
【0014】本発明における着色結晶化ガラスは、着色
成分を含有する結晶化ガラスである。着色成分を除いた
前記着色結晶化ガラスの組成は、前記低融点ガラスの組
成と同じであってもよく、異なっていてもよい。工程を
減らすためには前記低融点ガラスの組成と同じであるこ
とが好ましい。該着色成分は導電体をより暗色にするた
めのものである。導電体をより暗色にするためには、青
色又は緑色の着色成分である酸化クロム、酸化コバルト
及び酸化銅からなる群から選ばれた1種以上を前記着色
成分として用いることが好ましい。前記着色成分として
はこれらに限定されず、たとえば酸化マンガン、酸化鉄
等も使用できる。
【0015】また、本発明における着色結晶化ガラス中
には結晶が析出している。本発明の導電性ペースト焼成
時に該結晶は完全に溶融することなく、導電性ペースト
印刷時の分散状態をおおむね維持したまま銀焼結体の粒
界に集まり銀焼結体の導電性を低下させる、すなわち導
電体の比抵抗を増大させる。これにより、銀焼結体の焼
結構造を粗にすることなく、すなわち銀焼結体が主要部
である導電体と金属端子との接着強度を低下させずに、
導電体の比抵抗を増大させることができる。
【0016】着色結晶化ガラス中にはチタン酸鉛、ジル
コン酸鉛、ホウ酸鉛及びスズ酸鉛からなる群から選ばれ
た1種以上の結晶が析出していることが好ましい。これ
らの結晶はいずれも、自動車用のガラス板を曲げ加工す
る温度域である570〜700℃において析出するもの
であり、仮に曲げ加工前の段階での着色結晶化ガラス中
の結晶析出が不充分であったとしても曲げ加工時にさら
に結晶析出が進行する利点がある。
【0017】本発明においては着色成分は着色結晶化ガ
ラス中に溶けこんでいる。このため、黒色顔料を導電性
ペーストに添加した場合に起った導電性ペースト焼成時
の銀焼結体粒界への黒色顔料偏在に起因する導電性の顕
著な低下も、導電体と金属端子との接着強度の低下も生
じない。
【0018】酸化クロム、酸化コバルト及び酸化銅から
なる群から選ばれた1種以上を着色成分として用いる着
色結晶化ガラスにおいては、その着色成分添加量は10
〜60重量%であることが好ましい。ここで前記添加量
は、着色成分を除いた着色結晶化ガラスを100重量%
として計算する。10重量%未満では、導電体の暗色化
効果が小さい。20重量%以上がより好ましく、30重
量%以上が特に好ましい。60重量%超では、着色成分
が着色結晶化ガラス中に完全に溶けこめなくなり未溶解
着色成分が銀粉末の焼結を阻害し、その結果、銀焼結体
が主要部である導電体と金属端子との接着強度が低下す
る。50重量%以下がより好ましく、40重量%以下が
特に好ましい。なお、着色成分添加量の計算に際しては
酸化クロム、酸化コバルト及び酸化銅はそれぞれCr2
3 、CoO及びCuOとして計算する。
【0019】前記した、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、ホ
ウ酸鉛及びスズ酸鉛からなる群から選ばれた1種以上の
結晶が析出している着色結晶化ガラスを得るには、着色
成分を除いた着色結晶化ガラスの組成が、酸化物基準の
重量%表示で、実質的に、 PbO 65〜85、 B23 5〜13、 SiO2 2〜7、 TiO2 0〜20、 ZrO2 0〜15、 SnO2 0〜15、 TiO2 +ZrO2 +SnO2 3〜25、 Al23 +Ce23 0.1〜2、 Li2 O+Na2 O+K2 O 0〜1、 MgO+CaO+SrO+BaO 0〜5、 P25 0〜3、 であるものを用いることが好ましい。
【0020】PbOは、フラックス成分である。65重
量%未満では、軟化点が高くなりすぎて流動性が悪くな
り、導電体とガラス板との焼き付きが不充分になるおそ
れがある。68重量%以上がより好ましく、70重量%
以上が特に好ましい。85重量%超では、化学的耐久性
が低下するおそれがある。83重量%以下がより好まし
く、80重量%以下が特に好ましい。
【0021】B23 は、結晶化成分及びフラックス成
分である。5重量%未満では、軟化点が高くなりすぎる
おそれがある。8重量%以上がより好ましく、10重量
%以上が特に好ましい。13重量%超では、化学的耐久
性が低下するおそれがある。12重量%以下がより好ま
しい。
【0022】SiO2 は網目形成成分であり、化学的、
熱的及び機械的特性を制御するためのものである。2重
量%未満では、化学的耐久性が低下するおそれがある。
3重量%以上がより好ましい。7重量%超では、軟化点
が高くなりすぎるおそれがある。6重量%以下がより好
ましい。
【0023】TiO2 、ZrO2 、SnO2 は、それぞ
れ必須ではないが結晶化及び化学的耐久性向上のために
含有させることができる。ガラス溶解時の失透を防ぐた
めには、TiO2 は20重量%以下が好ましく、17重
量%以下が特に好ましい。同じく、ZrO2 は15重量
%以下が好ましく、12重量%以下が特に好ましい。同
じく、SnO2 は15重量%以下が好ましく、12重量
%以下が特に好ましい。
【0024】TiO2 、ZrO2 、SnO2 の合量は3
〜25重量%が好ましい。その合量が3重量%未満で
は、結晶化しない、又は化学的耐久性が低下するおそれ
がある。その合量が25重量%超では、ガラス溶解時に
失透するおそれがある。
【0025】Al23 、Ce23 は化学的耐久性向
上のためのものであり、その合量は0.1〜2重量%が
好ましい。その合量が0.1重量%未満では、化学的耐
久性向上効果がないおそれがある。その合量は0.5重
量%以上がより好ましい。その合量が2重量%超では、
軟化点が高くなりすぎるおそれがある。その合量は1重
量%以下がより好ましい。
【0026】Li2 O、Na2 O、K2 Oはフラックス
成分であり、それぞれ必須ではないがその合量が1重量
%になるまでは導入してもよい。その合量が1重量%を
超えると熱膨張係数が大きくなりすぎるおそれがある。
【0027】MgO、CaO、SrO、BaOは、それ
ぞれ必須ではないが溶解性の向上、熱膨張係数の制御、
等の目的で、その合量が5重量%になるまでは導入して
もよい。その合量が5重量%超では、化学的耐久性が低
下するおそれがある。その合量は4重量%以下がより好
ましく、3重量%以下が特に好ましい。
【0028】P25 は、必須ではないが化学的耐久
性、特に耐酸性を向上させるために、3重量%までは導
入してもよい。3重量%超ではガラス溶解時に失透する
おそれがある。
【0029】本発明の導電性ペースト中には、熱膨張係
数制御及び導電体の耐摩耗性向上の目的で、必須ではな
いが0〜30重量%の範囲で無機耐火物フィラー粉末を
含有させてもよい。30重量%超では、低融点ガラス粉
末が少なくなりすぎ、導電体のガラス板への焼き付きが
不充分となる。無機耐火物フィラーとしては、α−アル
ミナ、α−石英、ジルコン、コージエライト、フォルス
テライト、等が例示される。
【0030】本発明における有機質ワニスは、バインダ
ー機能を有する有機質樹脂を溶媒に溶解したものであ
り、導電性ペーストに印刷性を付与できるものであれば
特に限定されない。エチルセルロース樹脂、アクリル樹
脂、スチレン樹脂及びフェノール樹脂からなる群より選
ばれた1以上の有機質樹脂を、α−テルピネオール、ブ
チルカルビトールアセテート及びフタル酸エステルから
なる群より選ばれた1以上の溶媒に溶解したものを用い
ることが、原料が市販されており入手しやすいことか
ら、好ましい。
【0031】本発明の導電性ペースト中には、必要に応
じて、無機顔料、抵抗調整剤、等を含有させてもよい。
本発明において、導電体は従来のものに比べより暗色の
ものであり、その結果熱吸収特性が向上してより低温で
焼成可能となる。すなわち、従来は660℃以上の温度
で焼成しなければ導電体と金属端子との接着強度が低下
する問題があったが、本発明においては640℃程度で
焼成しても前記問題は起らない。
【0032】本発明の導電体付ガラス板は、本発明の導
電性ペーストをガラス板上又はガラス板表面に形成され
たセラミックカラー組成物上に印刷し、焼成することに
より製造される。焼成時に導電性物質粉末は焼結し、導
電体を形成する。本発明の導電体付ガラス板は、従来の
ものに比べより暗色であり意匠面においてすぐれてい
る。
【0033】
【実施例】表1及び表2の「着色成分を除いた着色結晶
化ガラスの組成」欄に重量%表示で示す組成となるよう
に原料を調合した。この原料を白金ルツボ中に入れ、1
500℃で溶融した後、溶融ガラスをローラーで冷却し
ながらフレーク化した。フレーク化したガラスをボール
ミルにて平均粒径3〜5μmに粉砕し、低融点ガラス粉
末を作製した(本実施例では、低融点ガラスの組成は
「着色成分を除いた着色結晶化ガラスの組成」と同一と
した。)。無機耐火物フィラー粉末を添加する場合は、
フレーク化したガラスとともに無機耐火物フィラー粉末
をボールミルに入れて混合・粉砕を行い、低融点ガラス
粉末と無機耐火物フィラー粉末の混合物を作製した。な
お、無機耐火物フィラーとしてはα−アルミナを用い
た。
【0034】次に、着色結晶化ガラス粉末を作製した。
酸化クロム、酸化コバルト及び酸化銅からなる群から選
ばれた1種以上の着色成分を前記低融点ガラス粉末に添
加したものをアルミナ乳鉢で10分間混合した。得られ
た混合物を電気炉中で700℃1時間焼成して結晶化さ
せ、次にボールミルにて平均粒径3〜5μmに粉砕し、
着色結晶化ガラス粉末を作成した。着色結晶化ガラス粉
末の着色成分添加量を重量%表示で表1及び表2の着色
成分欄に、析出結晶を同じく析出結晶欄に示す。なお、
析出結晶同定はX線回折法により行い、検出限界以下の
ものは析出結晶欄に無と記した。
【0035】表1及び表2のペースト組成欄に重量%表
示で示す割合となるように、銀粉末、低融点ガラス粉
末、無機耐火物フィラー粉末、着色結晶化ガラス粉末及
び有機質ワニスを調合後、磁器乳鉢中で1時間混練を行
い、さらに三本ロールにて3回分散作業を行い、導電性
ペーストを作製した。なお、有機質ワニスとしては、重
合度4のエチルセルロース樹脂濃度10重量%となるよ
うにα−テルピネオールに溶解したものを作製して用い
た。また、着色結晶化ガラス粉末を含有しない例11、
12の「着色成分を除いた着色結晶化ガラスの組成」欄
には低融点ガラスの組成を示す。
【0036】この導電性ペーストをスクリーン印刷機に
てガラス板(3.5mm厚、グリーン色)表面に印刷
し、幅が0.5mm、長さが約200mmの直線状パタ
ーンの両端に一辺10mmの正方形パターンがつながっ
た形の導電性線条を3本形成した。次に、120℃にて
10分間乾燥後、電気炉中で640℃又は670℃で5
分間焼成し、導電体付ガラス板を作製した。
【0037】作製した導電体付ガラス板又は導電体につ
いて、以下に述べる方法により、比抵抗(単位:μΩ・
cm)、金属端子接着強度(単位:kgf)、明度指数
*を測定した。結果を表1及び表2の比抵抗、端子強
度、明度指数の欄にそれぞれ示す。表1及び表2の比抵
抗及び金属端子接着強度の欄には、640℃焼成品デー
タ及び670℃焼成品データを併記する(670℃焼成
品データは括弧内に示す。)。
【0038】比抵抗:(株)アドバンテスト製デジタル
マルチメーターを用いて、電気抵抗Rを測定した。さら
に、東京精密(株)製サーフコム(商品名)を用いて、
断面形状を測定し積分法にて断面積Sを算出した。前記
R、S及び導電性線条の長さLを用いてR×S÷Lを算
出し、これを比抵抗とした(表1には3本の導電性線条
に関する比抵抗の平均値を示す)。導電性が確保できる
比抵抗の許容範囲は、自動車用ガラスの大きさ、デフォ
ッガパターン形状及びバッテリー電圧から決まるもので
ある。通常は12μΩ・cm以下が許容範囲である。
【0039】金属端子接着強度:導電体にハンダで接着
(接着面積は25mm2 )したNiメッキ銅製端子に力
を加えて引張り、Niメッキ銅製端子がはがれたときの
力を小型の引張りゲージを用いて測定した。通常は20
kgf超が許容範囲である。
【0040】明度指数L* :導電体付ガラス板の導電性
線条の前記正方形パターン部分について、導電性ペース
トを印刷・焼成していない面の側から見たときの、明度
指数L* (JIS Z8729)を、ミノルタ(株)製
CR200形分光光度計を用いて測定した。前記明度指
数L* が30以下のものを暗色の導電体付ガラス板とし
た。
【0041】実施例である例1〜10は着色結晶化ガラ
ス粉末を含有しており、比抵抗、金属端子接着強度、明
度指数はいずれも許容範囲内となっている。比較例であ
る例11、12は着色結晶化ガラス粉末を含有しておら
ず、明度指数L* は30を超えている。また、640℃
焼成時の金属端子接着強度は20kgf以下であり許容
範囲外である。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、導電体の比抵抗の顕著
な増大、導電体と金属端子との接着強度の低下、等の問
題を起こすことなく導電体の比抵抗を調整でき、また暗
色の導電体付ガラス板を作製できる導電性ペーストを提
供できる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性物質粉末、低融点ガラス粉末、有機
    質ワニス、及び着色成分を含有する結晶化ガラス粉末を
    含有する導電性ペースト。
  2. 【請求項2】前記結晶化ガラスの着色成分が酸化クロ
    ム、酸化コバルト及び酸化銅からなる群から選ばれた1
    種以上である請求項1記載の導電性ペースト。
  3. 【請求項3】前記結晶化ガラスにおける着色成分添加量
    が10〜60重量%である請求項2記載の導電性ペース
    ト。
  4. 【請求項4】前記結晶化ガラス中に析出している結晶
    が、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、ホウ酸鉛及びスズ酸鉛
    からなる群から選ばれた1種以上である、請求項1、2
    又は3記載の導電性ペースト。
  5. 【請求項5】着色成分を除いた前記結晶化ガラスの組成
    が酸化物基準の重量%表示で、実質的に、 PbO 65〜85、 B23 5〜13、 SiO2 2〜7、 TiO2 0〜20、 ZrO2 0〜15、 SnO2 0〜15、 TiO2 +ZrO2 +SnO2 3〜25、 Al23 +Ce23 0.1〜2、 Li2 O+Na2 O+K2 O 0〜1、 MgO+CaO+SrO+BaO 0〜5、 P25 0〜3、 である請求項1、2、3又は4記載の導電性ペースト。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3、4又は5記載の導電性
    ペーストをガラス板に印刷・焼成して該ガラス板上に導
    電体を形成した導電体付ガラス板。
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JP (1) JPH11322361A (ja)

Cited By (7)

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