JPH11320754A - 合成樹脂積層板の成型法 - Google Patents

合成樹脂積層板の成型法

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JPH11320754A
JPH11320754A JP17377798A JP17377798A JPH11320754A JP H11320754 A JPH11320754 A JP H11320754A JP 17377798 A JP17377798 A JP 17377798A JP 17377798 A JP17377798 A JP 17377798A JP H11320754 A JPH11320754 A JP H11320754A
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resin
synthetic resin
plate
molding
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Haruki Yokono
春樹 横野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】合成樹脂積層板の成型は、多段プレスを用いる
方法が古くから行われてきた。需要の拡大にともない、
その設備は大型化され、周辺の作業も自動化が進んでい
る。しかし、その合理化も限界に達しており、これを超
える高効率な成型法を開発する。 【構成】紙および合成繊維やガラス繊維の織布、不織布
あるいは糸にフェノール樹脂、エポキシ樹脂、BTレジ
ン、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニル
エステル樹脂などの合成樹脂を塗布した塗工紙布と、銅
はくおよびステンレス板を重ね合わせ、電気絶縁膜を介
して鉄、鉛、ニッケル、クロームなどの金属はくとステ
ンレス板を接触させ、この金属はくに電気を通して発生
する熱を利用して加熱しながら、高圧空間中で加圧して
積層板を成型する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子回路に使用される
銅貼り合成樹脂積層板の成型法に関する。
【0002】
【従来の技術】フェノール樹脂、エポキシ樹脂、BTレ
ジン、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシア
クリレート樹脂などのビニルエステル樹脂と、紙および
合成繊維またはガラス繊維の織布、不織布または糸など
の基材からなる塗工紙布を積層成型して製造される積層
板は、多段プレス法、ロールプレス法あるいは高圧容器
法によって成型されている。
【0003】多段プレス法は、厚さ約100mmの鉄板
の内部に電気ヒータを入れたり、水蒸気、熱水あるいは
熱油などの熱媒を通して温度を上昇させることの出来る
ようになった複数枚の熱板を、上下方向に互いに約10
0mmの間隔をもって配列した状態の多段構造とし、こ
の熱板を油圧装置によって上下方向に加圧することので
きる加熱加圧装置を用いて積層板を成型するものであ
る。前記塗工紙布は、積層板の厚みによって決まる所定
重量の枚数だけ積み重ね、その上下に金属板(一般にス
テンレス板を使用、クロームメッキ鋼板やアルミニウム
合金板を使用するときもある)を当てる。使用するステ
ンレス板の厚さは、最小0.8mm最大3mmまでのも
のが使用されている。このような構成物を更に一層以上
積み重ねる。互いに接する構成物間のステンレス板は共
用される。厚さ1.6mmの積層板の場合は熱板一段に
約15層の構成物が入っている。この多層構成物は、上
下層に圧力緩衝材として厚さ3mm程度の耐熱ゴム板を
当て、さらに最上層に保護用の鉄板、最下層に移動運搬
用の鉄板を当て前記熱板の間の空間に入れて加熱加圧す
る。塗工紙布の層とステンレス板との界面に銅はくを配
置した銅貼り積層板も、この方法によって製造されてい
る。加熱加圧の温度および圧力は、使用される合成樹脂
や塗工紙布の性質によって異なるが、100ないし30
0℃の最高温度、0.5ないし20MPaの圧力で2時
間ほどかけて成型される。この方法のほかに、USP
5,615,470記載のように塗工紙布の表面の銅は
くに電流を通し、発生する熱を利用して加熱し、多段プ
レスの熱板を取り払った一段プレスの中で加圧する方法
も行われている。この時、ステンレス板は電気伝導性が
あるため使用できない。そのかわりに、陽極酸化処理に
よって表面に絶縁性を与えたアルミニウム合金板が用い
られている。
【0004】ロール成型法は、例えば特開昭55−12
6418(特公昭62−6513)特開平3−2689
28、特開平3−268929記載のように2本のロー
ルの間に塗工紙布を通し加熱加圧成型して積層板を得る
方法である。一部では、加圧用のロールを複数配置した
り、2本の加圧ロールの間にステンレスベルトを上下に
設けたベルトプレスによって成型されることも行われて
いる。
【0005】高圧容器法は、空気、窒素あるいは水蒸気
などの気体や熱水、熱油などを加熱加圧媒体として高温
高圧の環境を鉄製の容器内に作り、この中で加熱加圧し
て成型する方法である。(宮坂:プラスチック事典、p
783 1992 朝倉書店)その用途は航空機の翼な
ど、曲面や凹凸をもった積層板や成型品の製造に用いら
れている。平面を特長とする積層板には、一度に多量の
成型を行うことは難しく、非量産的でコストが高くなる
ので実験室用あるいは多層回路接着用以外には用いられ
ることは殆どない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】多段プレス法では、例
えば生産数量の最も多い厚さ1.6mmの積層板を成型
するときは、熱板一段の間に約15枚の積層板に相当す
る塗工紙布が、ステンレス板と交互に組み合わされた状
態で挿入される。熱板の段数は、40段ぐらいが最大と
なっている。成型時間は、ほぼ2時間である。生産量
は、プレス一回の稼働で最高600枚程度である。この
多段プレスが使われ始めた時期から、積層板の需要増加
に対応するため段数の増加、熱板の大型化、プレスなら
びにプレス周りの作業の自動化が進められてきた。しか
し現状では、プレス一回で600枚程度の生産が限界と
なっており、これ以上の増産のためには新しい生産ライ
ンを設置する必要があった。このような状況のもと更な
る高効率多量生産の方法が課題となっている。また多段
プレスは、塗工紙布を上下から加熱加圧して成型するよ
うになっており、このため成型中に樹脂が水平方向に流
動し、板厚精度が悪くなり、外観も樹脂の流動現象の差
異にともなう色相の異なる不均一なものが得られやすい
欠点がある。さらに、熱板の間に、多数の塗工紙布を挿
入して生産効率を上げているが、このために熱板に近い
部分と中心部の温度上昇速度に大きな差が発生する。こ
れらの改善が課題となっている。USP5,615,4
70に発表された銅はくに電気を通し、発生する熱を利
用する方法は、各積層板が一枚づつ加熱されるため、こ
の温度差の問題は改善されるが、銅の電気抵抗が低く電
流値が高くなる。またステンレス板のかわりに使用され
る陽極酸化処理されたアルミニウム合金板は表面硬度が
低く、また銅はく、塗工紙布を含む諸材料を必要以上に
使わなければならないなどの欠点がある。
【0007】ロールプレスによる合成樹脂積層板の高効
率な商業的生産は、一部のものを除いて実用化されてい
ないのが現状である。これはロールプレス法が多段プレ
ス法に比べて効率が悪く、品質、歩留まりなども劣るか
らである。ロールプレス法には、これに適した硬化特
性、粘度特性を持った新しい樹脂を開発する必要があ
り、本発明者は現状の合成樹脂を用いて生産性の高い成
型法を開発する事を課題とし、ベルトプレスを含むロー
ルプレス法の開発は検討から除外した。
【0008】高圧容器法では、圧力の方向が三次元的に
なり、被成型物を水平方向からも加圧することが可能で
ある。このために樹脂の面方向の流動を制御し易い特長
がある。しかし被成型物である塗工紙布に直接加圧媒体
が接触すると、塗工紙布の層間に媒体が進入し塗工物の
内外の圧力差がなくなって、事実上圧力のない時と同じ
状態となる。そのため加圧媒体が被成型物に接触しない
ように、封鎖された金型の中で成型されたり、航空機の
翼などのように全体をゴムパッドで覆い下型に成型材料
が追随して成型されるように工夫されてきた。積層板の
ように多量生産するものには、このような方法は非効率
なので、量産を必要としないもの以外は、高圧容器法は
採用されなかった。この点、多段プレス法は、塗工紙布
とステンレス板との組合せ構成物を熱板の間に挿入した
状態で、上下から加熱加圧するとゆう比較的簡単な方法
のために積層板成型法の主流となって発展し今日に至っ
ている。本発明者は、この多段プレス法を、さらに高効
率高品質で生産性の高いものとし、設備が巨大化し、量
産性の向上、経済性、品質などの点で限界に近づいてい
る現状を打開することを課題とした。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するために、現在の多段プレス法における加熱の方
法に着目し鋭意研究を進めた結果、塗工紙布、銅はくと
ステンレス板の組合せ構成物を電気絶縁物を介して金属
はくと接触させ、この金属はくに電流を流し発生する熱
を熱源とし、従来から使用されている熱板を使わない加
熱方法で積層板を成型すると生産効率の大幅な改善にな
ることを見出した。本発明の銅貼り積層板に使用される
塗工紙布は、従来から一般的に使用されているフェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂、BTレジンあるいはポリイミド
樹脂の含浸乾燥した塗工紙布のほか、加熱硬化反応に関
与しない溶剤を含まない液状ないし加熱溶融性のフェノ
ール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビ
ニルエステル樹脂を紙および合成繊維またはガラス繊維
の織布、不織布やUDクロスといわれる糸状繊維が一方
向に配列した基材などに含浸した塗工紙布を使用でき
る。その含浸法は在来の浸せき法や溶融塗布法で良い。
【0010】銅はく、ステンレス板などの材料は、在来
の銅貼り積層板に使われるものと同じものが使用でき
る。違うのは、ステンレス板の銅はくと接する面の反対
側の面に電気絶縁性の膜状物を配置することである。膜
状物としては、ポリエチレンテレフタレートなどのポリ
エステル、ポリアリレート、ナイロン、PPS、PEE
K、PSF、PEI、PC、ポリプロピレン、酢酸セル
ローズ、ポリイミド、ポリイミドアミドやポリビニルフ
ロライド、テフロンなどのフッソ樹脂のフイルムが好適
である。これらのプラスチックフイルムはアルミナ、酸
化チタン、炭酸カルシウムなどの無機粉末やガラス繊維
で補強された物も使用できる。このほか表面を絶縁処理
した金属シート状物などが使用可能である。これらの膜
状物は、厚さ1.0mm以下のもの、好ましくは0.1
ないし0.3mmのものが良い。
【0011】これらの材料の構成法は、所望の大きさと
枚数の塗工紙布を積み重ね、その上下両面または片面に
銅貼り積層板用の電解銅はくを配置し、さらにその両側
にステンレス板をあてた物を単位構成物とする。それ
は、在来の多段プレス法をそのまま踏襲できる。この単
位構成物は、さらに二層以上積み重ねていく。この時、
単位構成物のステンレス板とステンレス板の間に、前記
電気絶縁性の膜状物を介して、厚さ0.01ないし1.
0mmの鉄、鉛、ニッケル、クロームの単体または合金
のはくを介在させる。この金属はくは、単位構成物ごと
に介在させても、あるいは二層以上の複数の単位構成物
ごとに介在させても良い。複数の単位構成物ごとに金属
はくを介在させる場合は、互いに接する単位構成物の間
のステンレス板は、二枚は必要なく一枚のステンレス板
を共用する。金属箔は、連続して電気的に直列につなが
るようになっている。電気絶縁性の膜状物は、単位構成
物のステンレス板より大きくして、上下の金属はくやス
テンレス板が接触して短絡しないようにする。電気絶縁
性の膜状物で単位構成物を密封しても良い。
【0012】このように構成された状態で、金属はくに
交流または直流の電気を通すと、金属はくは発熱する。
電圧は50ボルト以下、好ましくは5ボルト以下でよ
い。電流量は、合成樹脂塗工紙布の内部温度の上昇速度
を適当に保つために制御する。樹脂の種類や基材の種類
によって温度の上昇速度および最高温度は異なるが、一
般的には、一分間に3ないし10℃の上昇速度、150
ないし200℃の最高温度である。消費電力量は10k
wh/m以下で良い。電源の接続法は任意の方法で良
いが、電流量が大きいので安全確実な方法を採用する必
要がある。加熱と同時に加圧すれば、合成樹脂積層板は
成型される。圧力は塗工紙布の種類によって異なるが、
接触圧から5MPa程度でよい。加圧の方法は、高圧容
器または多段プレスの熱板を撤去したものが採用でき
る。いずれの場合も構成物の層に垂直方向に加圧しなが
ら、側面からも高圧の気体によって加圧する。この時、
積層板の上下方向からの圧力を側面からの圧力より少し
でも早くあるいは大きくすれば、塗工紙布内部に加圧媒
体が侵入することなく積層板の成型は可能になる。加圧
媒体の温度も成型の初めは、約50℃以下の比較的低温
にすれば良い結果が得られる。それぞれの場合の状態を
模式的に図1および図2に示す。いずれの場合も、塗工
紙布の側面からも加圧状態となるようにして、樹脂の流
動を制御する。樹脂の溶融粘度が大きい従来の積層板の
塗工紙布は、側面からの加圧は必要のない場合もある。
圧力は、液状または加熱溶融性の樹脂では0.1ないし
1MPa,従来の積層板用の溶融粘度の大きい塗工紙布
では、0.5ないし5MPa必要である。
【0013】
【作用】塗工紙布、銅はくとステンレス板を積み重ねた
構成物は、電気絶縁膜を介して金属はくと接触してい
る。この金属はくは、電気を通す事によって発熱し、こ
の熱がステンレス板を通って塗工紙布に伝えられ温度上
昇を起こさせる。この結果、塗工紙布の合成樹脂は軟化
し始め、その時、同時に圧力を加えると板状に成型され
る。さらに温度を上昇させていくと、熱硬化性樹脂は架
橋して硬化する。フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂あるいはビニルエステル樹脂などの
液状または加熱溶融性の樹脂では、高圧容器の中で加熱
加圧することにより、樹脂の平面方向への流動を阻止し
ながら成型することが出来る。加熱用の金属はくは、数
単位以下の構成物ごとに配置するので、熱板間に十枚以
上の多量の積層板を挿入して成型を行う在来の多段プレ
ス法より、温度上昇速度差は少なくなる。
【0014】
【実施例】(実施例1)フェノール樹脂積層板用塗工紙
(長興化学製、CCL−801用、樹脂45%、紙55
%、総重量250g/m、大きさ1040×1040
mm)8枚づつ100組、接着剤付き銅はく(台湾銅は
く製厚さ0.035mm)100枚、厚さ0.1mm、
大きさ1100×1100mmのPETフイルムを10
0枚準備した。別に厚さ2mm大きさ1040×104
0mmのステンレス板(材質630)150枚準備し
た。また加熱用金属はくとして、厚さ0.1mm幅1.
050mm長さ80mのステンレスはく(材質304)
を準備する。これらの材料を図3に示すように50組の
塗工紙、銅はく(片面)、ステンレス板、PETフイル
ムおよびステンレスはくの構成物を作る。この構成物は
次に、図2に示したプレスの中に入れ、ステンレスはく
の両端を電源につなぎ、圧力3MPaに加圧したのち密
閉する。この密閉空間の中に温度25℃圧力1MPaの
空気をいれる。その後、電源を入れ加熱を開始する。電
力量2ないし3kw/mの電気を通し約30ないし3
5分で塗工紙の内部温度を160℃まで上げ加熱用電源
を切り内部の空気の圧力を常圧にする。その後、プレス
の圧力も除き、高圧容器内から加熱加圧された構成物を
取り出し大気中で100℃以下に冷却した後、ステンレ
スはく、PETフイルム、ステンレス板を取り除いて成
型された厚さ1.6mmのフェノール樹脂銅貼り積層板
を得た。この積層板の厚さは、1.59から1.61m
mの範囲に入り、従来の多段プレスで成型された積層板
の板厚1.54ないし1.63mmに比べ偏差の少ない
積層板が得られた。
【0015】(実施例2)実施例1の塗工物をガラス布
基材エポキシ樹脂塗工布(日立化成製GE−61,エポ
キシ樹脂含率40%、ガラス布7628)8枚、50組
に置き換えた構成物をつくる。これを実施例1と同じ方
法で加熱加圧(最高温度170℃、圧力2MPa)し、
厚さ1.6mmのガラス布基材エポキシ樹脂積層板を得
た。この積層板は端部まで気泡のないものであった。従
来の多段プレス法によるものは、端部15mmは気泡が
あり、この部分は使用することが出来なかった。板厚も
1.58mmから1.61mmの範囲に入り、従来の多
段プレス法の板厚1.52mmから1.64mmに比べ
て改善された。
【0016】(実施例3)実施例2の塗工物をガラス布
基材BTレジン(三菱化学工業製プリプレグ、樹脂含率
41%、ガラス布7628)一組8枚、50組に置き換
えた構成物をつくる。これを温度170℃、圧力3MP
aで60分間、図1の高圧容器内で加熱加圧した後、高
圧容器から取り出しガラス布基材BTレジン積層板を得
た。板厚の偏差は0.03mm、従来の多段プレスの板
厚偏差0.09mmに比べ改善された。
【0017】(実施例4)積層板用晒クラフト紙(王子
製紙製、坪量135g/m)にメチロールメラミンワ
ニス(三和化学製)15%水溶液を含浸乾燥し、樹脂含
率10%の樹脂含浸紙を作る。これに不飽和ポリエステ
ル樹脂(武田薬品製 ポリマール6311…90部、ス
チレン…10部、BPO…1部、)を含浸させる。含浸
紙は単位重量260±5g/mにロールで絞って調整
し塗工紙とする。これを実施例1と同じように1040
×1040mmに切断し、8枚づつ一組にし、接着剤付
き銅はく(台湾銅はく製)厚さ2mmのステンレス板と
20段の組合せ構成物を作る。各構成物の上下には厚さ
0.05mm大きさ1100×1100mmのポリプロ
ピレンフイルムをおき、厚さ0.1mm幅1040mm
長さ60mの鉛はくを準備し、実施例1と同じ要領で構
成物を作る。これを図1の高圧容器内で、圧力0.6M
Pa30℃の窒素ガスで加圧しながら鉛はくに2kw/
の電気を通し加熱する。約50分で150℃に達し
たのち電気をきり、除圧して高圧容器から構成物を取り
出し大気中で100℃以下に冷却する。構成物から鉛は
く、ポリプロピレンフイルム、ステンレス板を除いて塗
工物を分離した。塗工物は厚さ1.6mmの板状に成型
されており、銅貼り積層板が得られた。板厚は1.58
mmから1.62mmの範囲にあった。従来の多段プレ
スでは、液状の樹脂の成型は出来なかった。
【0018】(実施例5)ガラス繊維布(日東紡製76
28タイプ)に液状のエポキシ樹脂(エピコート828
…97部、硬化剤Dicy…2.7部,BDMA…0.
3部)を含浸した塗工布(樹脂含率40%)を1040
×1040mmに切断し、8枚を一組とし20組作る。
この塗工布と電解銅はく(三井金属製、厚さ0.035
mmFR−4用)厚さ2mmのステンレス板を積み重ね
て20組の構成物を作る。各単位構成物の外層ステンレ
ス板の上下面に厚さ0.03mm大きさ1100×11
00mmのテフロンフイルムを被せる。この構成物の両
表面を実施例1と同じ連続したステンレスはくに接触さ
せて積み重ね、実施例1と同じ条件で加熱加圧冷却し
た。ただし圧力は0.5MPaとした。ステンレスは
く、テフロンフイルム、ステンレス板を取り除き厚さ
1.6mmのガラス布基材エポキシ樹脂銅貼り積層板を
得た。従来の多段プレス法では、液状のエポキシ樹脂の
積層板の成型は出来なかった。
【0019】(実施例6)加熱溶融性エポキシ樹脂を塗
布した厚さ0.2mm大きさ1040×1040mmの
UDクロス(HANKUK FIBER GLASS製
ECG75 1/0 1Z,エポキシ樹脂シェル社EP
−1001,100部、Dicy3部、2MI0.01
部を60℃で20分ロール混練したもの、樹脂分42%
ガラス分58%)8枚を互いに直角に積み重ね、その上
下面に実施例5と同じ電解銅はく、厚さ2mmのステン
レス板を当てた構成物を作る。この構成物20組を実施
例5と同じようにテフロンフイルムとステンレスはくを
組み合わせて加熱加圧冷却した。ステンレスはく、テフ
ロンフイルム、ステンレス板を取り除き厚さ1.6mm
のUDクロス基材エポキシ樹脂銅貼り積層板が得られ
た。従来法の多段プレスでは、UDクロスは加圧による
樹脂の流動によって糸の並びが乱れて、積層板は出来な
かった。
【0020】(実施例7)ボビンに巻きつけられたガラ
ス繊維糸(HANKUK FIBERGLASS製EC
G75 1/0 1Z)を引出しながら、450℃で5
分間熱処理した後、シランカップリング剤(日本ユニカ
ー、A−1100、濃度0.075%)に浸せきし、1
00℃で10分乾燥する。それから、この糸をエポキシ
樹脂(シェル社製 エピコート828…97部、DIC
Y…2.7部、BDMA…0.3部)に浸せきし、樹脂
付着量が40%となるようにロールで絞る。このエポキ
シ樹脂を塗工した糸を、予め表面に銅箔(三井金属製エ
ポキシ用0.018mm)をマット面が外側となるよう
に配置した厚さ2mm大きさ1040×1040mmの
ステンレス板に端から巻いていく。糸と糸の間隔は、軽
く密着するように調整する。他端まで巻き終わったら、
今度は直角方向に同じように巻く。このような方法を繰
返し20層のエポキシ樹脂を塗工したガラス繊維糸の積
み重なった塗工物を作る。塗工物の両表面には、先に塗
工物の内側に用いたのと同じ種類の銅箔をマット面を塗
工物側となるように配置する。更にその銅箔の外側に厚
さ2mm大きさ1040×1040mmのステンレス板
をそれぞれ重ねる。この構成物の上下面を厚さ0.03
mm大きさ1100×1100mmのPETフイルムで
覆う。これを実施例5と同じ条件で高圧空間の中で成型
し厚さ1.6mmのガラス糸基材エポキシ樹脂銅貼り積
層板が得られた。従来の多段プレス法では、このような
FW法では、圧力による樹脂の流動で糸の並びが乱れ積
層板は成型出来なかった。
【0021】(実施例8)実施例4において、不飽和ポ
リエステル樹脂をビニルエステル樹脂(エポキシアクリ
レート、長興化学製試作品)に置き換えて紙基材ビニル
エステル樹脂銅貼り積層板を得た。
【0022】
【発明の効果】本発明の課題は、合成樹脂積層板の成型
法の高効率化である。多段プレス法で現在最高の生産量
といわれているのは、40段の熱板を有するプレスで、
厚さ1.6mmの積層板600枚、高さにして960m
mの積層板が約2時間かかる。そのプレスの高さは、約
25mに達する巨大なものである。本発明による方法で
は、厚さ1mm以下の金属はくを加熱源として使用する
ため、厚さ約100mmの熱板が不要となるのでプレス
の高さは約半分になる。また同一熱板間の積層板の熱板
側と中心部の温度上昇速度差も少なく出来る。そのため
積層板の品質が均一化する。成型サイクルも約30%以
上早くすることが出来る。熱板を加熱する熱が不要にな
るので、熱効率も高くなり、一回の成型で製造できる積
層板の数量も増加できる。本発明による積層板の成型
は、圧力を三次元的に加えるので、多段プレスに見られ
るような水平方向への樹脂の流動がなくなり、不飽和ポ
リエステル樹脂のような液状の樹脂や無溶剤で加熱溶融
性のエポキシ樹脂を使用したり、ガラス繊維糸へも適用
可能であり、積層板の品質も板厚偏差が少なくなり、樹
脂の流動による色相不均一などの外観不良もなくなる。
塗工紙布を製造するときに、溶剤を使わない事が可能に
なるので、地球温暖化対策にも貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図 1】高圧容器の上固定盤と下固定盤の間に塗工紙
布、銅はく、金属板、電気絶縁膜および加熱用金属はく
を含む構成物を配置した成型装置の説明図。
【図 2】従来の多段プレスの熱板を撤去した積層板用
プレスの上固定盤と可動盤の間に塗工紙布、銅はく、金
属板、電気絶縁膜および加熱用金属はくを含む構成物を
配置した成型装置の説明図。プレスの周囲は隔壁が設け
られ、内部空間の圧力を保つようになっている。
【図 3】塗工紙布、銅はく、金属板、電気絶縁膜およ
び加熱用金属はくを含む構成物の説明図。この構成が繰
り返される。
【符号の説明】
1:上固定盤、 2:高圧容器外壁、 3:上下加圧
盤、 4:単位構成物、5および11:支柱、 6お
よび14:金属はく端子(電源に接続される) 7:下固定盤、 8および16:加圧用配管、 9:
可動盤、 10および15:保護板、 12:高圧空
間、 13:高圧気体入り口、 17:シリンダ 18:固定盤、 19および20:上下クッション、
21:塗工紙布、22:電気絶縁膜、 23:金属
はく、 24:金属板、 25:銅はく、

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙および合成繊維またはガラス繊維の織
    布、不織布または糸に合成樹脂を塗布した大きさ2.0
    ×3.0m以下、厚さ1.0mm以下のシート状の塗工
    紙布を、同一種類または異種類、一層以上積み重ね、そ
    の片面または両面に、厚さ0.005ないし0.1mm
    の銅はくを配置し、更に、その上下面に0.3ないし3
    mmの金属板を当てた構成物を単位とし、この単位構成
    物の上下面に、電気絶縁層を介して厚さ0.01ないし
    1.0mmの鉄、鉛、ニッケル、クロームの単体あるい
    は合金で出来た金属はくを接触させた状態で高圧空間の
    中で加圧し、金属はくに電圧50ボルト以下の電流を流
    して発生する熱により加熱しながら、塗工物を板状に成
    型する合成樹脂積層板の成型法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の単位構成物が二層以上であ
    る合成樹脂積層板の製造法。
  3. 【請求項3】請求項1の電気絶縁層が、厚さが1.0m
    m以下の合成樹脂膜である請求項1記載の合成樹脂積層
    板の成型法。
  4. 【請求項4】請求項3の合成樹脂膜が、無機質粉末また
    はガラス繊維で補強されている請求項1記載の合成樹脂
    積層板の成型法
  5. 【請求項5】請求項1記載の合成樹脂が、フェノール樹
    脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエ
    ステル樹脂、BTレジン、またはポリイミド樹脂である
    請求項1記載の合成樹脂積層板の成型法。
  6. 【請求項6】構成物が、層に垂直方向に加圧されるとと
    もに、側面からも高圧の気体によって加圧される請求項
    1記載の合成樹脂積層板の成型法。
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