JPH11320735A - 繊維強化プラスチック製耐火建築部材およびその製造方法 - Google Patents
繊維強化プラスチック製耐火建築部材およびその製造方法Info
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- JPH11320735A JPH11320735A JP10138944A JP13894498A JPH11320735A JP H11320735 A JPH11320735 A JP H11320735A JP 10138944 A JP10138944 A JP 10138944A JP 13894498 A JP13894498 A JP 13894498A JP H11320735 A JPH11320735 A JP H11320735A
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Abstract
材及びその製造方法の提供。 【解決手段】繊維強化プラスチック材の片面に無機質発
泡体または無機質マットが配置されてなる積層部材。製
造方法は、型枠上に一方向に引き揃えられた繊維束又は
織物構造を有する繊維を積層し、その上に無機質発泡体
または無機質マットを積層した後、フィルムで全体を覆
い、フィルム内を真空にし、硬化型樹脂を注入し成形す
る。また、樹脂を塗布したフィルムの上に一方向に引き
揃えられた繊維を積層し、樹脂を塗布したフィルムを被
せた後、加熱ローラで樹脂を含浸させてプリプレグ化
し、該プリプレグを2層以上積層した後、無機質発泡体
または無機質マットを積層し、その上に樹脂を塗布し、
フィルムで全体を覆い、フィルム内を真空にした後、オ
ートクレーブ成形する。
Description
FRP製耐火建築部材およびその製造方法に関するもの
である。
質、特にすぐれた強度および弾性率を利用した複合材料
の補強繊維として工業的に広く利用され建築構造物、土
木材料などにも利用されつつある。
される熱硬化性樹脂の強化繊維として利用されている
が、エポキシ樹脂をマトリックスとする炭素繊維強化プ
ラスチックは耐火性が悪い。建築物の構造材として使用
するには、建築基準法に定められた消火設備や敷地面積
の規制、建設地域の規制がある。このため、上記規制場
所では建築部材の防火性能、耐火性能を高めるため多種
の耐火塗料を塗布する手段がとられている。例えば、火
災時の加熱による建築構造部材の温度上昇を遅延させる
ため加熱により不燃性ガスを発生しながら発泡し、多孔
質炭化層を有する発泡型耐火塗料がある。特開昭52−
103817号公報では建築物の内装を構成する天井ま
たは壁等の基材と内装材との間に発泡性防火物質層を介
在させることを特徴とする建築物内装の防火方法が開示
されている。また、特開平9−53374号公報には、
非中空のFRP成形部材本体の表面に発泡型耐火塗料を
塗布して耐火塗膜を形成した耐火FRP部材が開示され
ている。
℃以上の温度で徐々に発泡を開始するため、FRP部材
の表面に通常の方法で発泡性防火物質や耐火塗料を直接
塗布しただけでは、火災時の熱で耐火塗料が発泡する前
に、FRP部材の温度が急上昇し、軟化して形態を保持
できなくなる問題がある。また、天井基材や壁基材に貼
り付けたFRPと内装材との間に発泡性防火物質を塗布
した場合でも火災時、内装材の燃焼で、天井および壁基
材に貼り付けたFRP材の温度が350℃に達し、該F
RP材は形態保持ができなくなる。すなわち発泡性防火
物質だけではFRP部材にとっては、耐火断熱効果が小
さいという欠点がある。
技術の問題点に鑑み、JIS A1304に規定される
30分の耐火試験に合格する耐火性および断熱性を大き
く向上した優れた繊維強化プラスチック(以下、単にF
RPという)材およびその製造方法を提供せんとするも
のである。
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明の繊維強化プラスチック製耐火建
築部材は、繊維強化プラスチック材の少なくとも片面に
無機質発泡体または無機質マットが配置されてなる積層
部材であって、かつ、該部材がJIS A1304に規
定される30分の耐火試験に合格するものであることを
特徴とするものである。
材の製造方法は、型枠の上に、一方向に引き揃えられた
繊維束および織物構造を有する繊維の少なくとも1種を
積層し、その上に無機質発泡体または無機質マットを積
層した後、フィルムで全体を覆い、しかる後、該フィル
ム内を一方から真空にし、もう一方から常温硬化型樹脂
または熱硬化型樹脂を注入して、成形することを特徴と
するものであり、また、常温硬化型樹脂または熱硬化型
樹脂を塗布したフィルムの上に一方向に引き揃えられた
繊維束および織物構造を有する繊維の少なくとも1種を
積層し、次いで、その上に同じ樹脂を塗布したフィルム
を被せた後、加熱ローラで押さえながら樹脂を含浸させ
て、プリプレグ化した後、該プリプレグを2層以上積層
した後、その積層体の上部に無機質発泡体または無機質
マットを積層し、その上に常温硬化型樹脂または熱硬化
型樹脂を塗布した後、カバーフィルムで全体を覆い、該
フィルム内を真空にした後、オートクレーブ成形するこ
とを特徴とするものである。
JIS A1304に規定される30分の耐火試験に合
格する耐火性および断熱性を大きく向上した優れた繊維
強化プラスチック(以下、単にFRPという)材につい
て、鋭意検討し、FRP材の少なくとも片面に無機質発
泡体または無機質マットを積層してみたところ、以外に
もかかる課題を一挙に解決することを究明したものであ
る。特に本発明のFRP製耐火建築部材は、JIS A
1304に規定される30分の耐火試験に合格するとこ
ろに重要な意味が存するものである。以下、かかる耐火
性を有するFRP材とその付与方法について説明する。
ポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、
メラミン樹脂の常温硬化型樹脂または熱硬化型樹脂をマ
トリックス樹脂とする複合材であり、なかでもフェノー
ル樹脂が安価で、かつ難燃性にすぐれており、好ましく
使用される。
好ましくは無機繊維が使用され、たとえば、ガラス繊
維、チラノ繊維、炭素繊維、シリコンカーバイト繊維、
シリコンナイトライド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊
維、鉱物繊維等を使用いることができる。これらの繊維
はコスト、性能を配慮して単独または複合で使用するこ
とができる。
面に無機質発泡体または無機質マットを積層、配置した
ものである。かかる無機質発泡体または無機質マットと
しては、嵩比重が、好ましくは0.1〜0.9、さらに
好ましくは0.2〜0.5であるものが使用される。か
かる嵩比重が0.1より小さいと成形時、発泡体の形態
保持性が悪く成形圧力でフォームが潰れることになる。
逆に嵩比重が0.9より大きいと重量が増加し取り扱い
性が悪く、コストも高くなる。
しては、セラミック、ケイ酸カルシウム、アスベスト、
炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ガラス繊維、グラ
ファイト等のシート状物、マット状物、パネル体および
発泡体が挙げられる。中でも炭酸カルシウム、ケイ酸カ
ルシウム、ガラス発泡体またはマットは防火性能がよく
好ましく使用される。
厚さは、0.5〜50cmが好ましく、1〜10cmが
より好ましい。すなわち、無機質発泡体または無機質マ
ットの厚さが0.5cmより薄いと断熱性が低下し、F
RPが加熱され機械的強度が低下し、形態保持できなく
なる。また、50cmより厚すぎると重量が増加し、取
り扱いにくくなる他部材の価格も高くなるためコスト的
にマイナスになる。
せるため、かかる無機質発泡体または無機質マットの各
表面に無機質材を積層するのが好ましい。かかる積層と
しては、接着、貼り付け加工、融着、縫着など固定する
ことができるものであれば何でもよいが、好ましくは接
着、貼り付け加工するのがよい。かかる加工を施すこと
により、該FRPは、熱源から断熱保護され、さらに、
その上に無機質発泡体または無機質マットにより、さら
に断熱保護されるので、該FRP材は強度の低下、軟
化、燃焼することもなく安定し、形態保持することがで
きる。
膏、セメント、モルタル、セラミック、ケイ酸カルシウ
ム、アスベスト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、
ガラス繊維、グラファイト等のシート状物またはパネル
体を使用することができる。中でも石膏、セメント、モ
ルタル、アスベスト等のパネル体が安価で耐火性能がよ
いので好ましく使用される。これら無機質パネル体の中
に断熱性の向上、軽量化、強度向上のために、さらに天
然繊維、無機繊維、合成繊維、有機繊維、再生繊維等を
添加することができる。中でも無機繊維であるガラス繊
維や天然のパルプ、石綿、炭素繊維等は耐火性がよくよ
り好ましい。
が2〜100mmで、比重が1〜5であるものを使用す
ると、すなわち、該無機質材は、防火材以外に断熱性と
耐衝撃性も要求されるので、2mm以上の厚みを有する
ものが好ましく使用される。厚みが2mmより小さいと
耐衝撃性が小さく、かつ断熱性が小さくなる傾向があ
り、また、厚みが100mmより大きくなると、建築部
材としての重量が大きくなりすぎて、取り扱いにくくな
り、コスト的にもマイナスとなる。
5であるものが使用されるが、比重が1より小さいもの
であると、機械的強度が低下し、部材全体の強度が低下
するし、逆に比重が5より大きいと、部材の重量が大き
くなりすぎて、FRPを使用するメリット、つまり軽量
化のメリットが小さくなる。
に無機質発泡体または無機質マットを積層、配置するも
のであるが、さらに耐火性に優れたものであれば何を積
層してもよい、たとえばフェノールフォーム材など有機
質の準不燃発泡材を積層することもできる。いずれにし
ても最終的には、さらに、その表面に無機質材を積層す
ればよい。
A1304に規定される30分の耐火試験に合格する材
料であり、天井、壁、床、柱、屋根、梁、庇、ドア等の
建築部材として好適に用いることができる。中でも軽
量、高弾性率、錆びない、形状、寸法、成形の自由度な
どの特徴を生かせる天井材、屋根材、壁材、床材として
の用途が好ましい。
材の表面に嵩比重が0.1〜0.9の無機質発泡体また
は無機質マットを積層し、その無機質発泡体またはマッ
トの表面に厚みが2〜100mmで比重1〜5の無機質
材を積層して、フェノール樹脂で一体成形したものは、
断熱効果が大きく耐火性が良いため、FRPの性能を十
分生かせる耐火建築部材が提供できる。また、このFR
P耐火部材は船舶、車両構体、航空機等の壁材、床材天
井材にも使用可能である。
について、以下、説明する。すなわち、ひとつ方法は、
型枠の上に、一方向に引き揃えられた繊維束および織物
構造を有する繊維の少なくとも1種を積層し、その上に
無機質発泡体または無機質マットを積層した後、フィル
ムで全体を覆い、しかる後、該フィルム内を一方から真
空にし、もう一方から常温硬化型樹脂または熱硬化型樹
脂を注入して、成形する方法であり、今ひとつは、常温
硬化型樹脂または熱硬化型樹脂を塗布したフィルムの上
に一方向に引き揃えられた繊維束および織物構造を有す
る繊維の少なくとも1種を積層し、次いで、その上に同
じ樹脂を塗布したフィルムを被せた後、加熱ローラで押
さえながら樹脂を含浸させて、プリプレグ化した後、該
プリプレグを2層以上積層した後、その積層体の上部に
無機質発泡体または無機質マットを積層し、その上に常
温硬化型樹脂または熱硬化型樹脂を塗布した後、カバー
フィルムで全体を覆い、該フィルム内を真空にした後、
オートクレーブ成形する方法である。
である無機質発泡体または無機質マット、および、無機
質材、さらには、常温硬化型樹脂または熱硬化型樹脂な
どは、いずれも条件は、おなじものを使用する。すなわ
ち、無機質発泡体または無機質マットとしては、嵩比重
が0.1〜0.9のものを、また、無機質材としては、
厚みが2〜100mmで比重が1〜5のものを使用し、
常温硬化型樹脂または熱硬化型樹脂としては、25℃で
の粘度が、好ましくは0.1〜20ポイズより好ましく
は1〜10ポイズのものを使用するものである。
に引き揃えられた繊維束および織物構造を有する繊維の
少なくとも1種であり、すなわち、これらの単独または
組み合わせの形で用いることができる。また、FRP製
耐火建築部材を成形する際の基材全体を覆ったフィルム
内は真空にする必要がある。すなわち、真空度が0.1
MPa以上になるようにシールする。真空漏れがあると
成形されるFRP中に泡が入り物性の低いFRPができ
る。フィルム内に注入する樹脂は常温硬化型または熱硬
化型のいずれでもよいが、中でも常温硬化型の樹脂が、
コスト的に安価で、硬化炉が不要で成形物の大きさにも
自由度があり取り扱いやすいので好ましく使用される。
特に常温硬化型フェノール樹脂がより好ましく使用され
る。
の25℃での粘度が、0.1ポイズより小さいと樹脂が
一気に通過するパスが固定され全体的に含浸斑となる。
また20ポイズより大きいと樹脂が基材の中を通過しに
くく時間がかかるほか、通過しない部分が発生して含浸
斑になる。
トクレーブ成形することに特徴を有するが、そのために
特定なフィルムで被覆して、プリプレグ化する工程が必
須である。すなわち、常温硬化型樹脂または熱硬化型樹
脂を塗布したフィルムの上に、補強用無機繊維を積層
し、次いで同じ樹脂を塗布したフィルムを被せて被覆
し、加熱ローラで押さえながら樹脂を含浸させプリプレ
グ化する。このプリプレグを積層した後、あるいは、該
プリプレグを切断し、それを積層して、積層体を形成し
た後、その積層体の上部に無機質発泡体または無機質マ
ットを積層し、その上に常温硬化型樹脂または熱硬化型
樹脂を塗布し、さらに無機質材を積層した後、カバーフ
ィルムで覆い、フィルム内を真空度0.1MPa以上の
真空にした後、オートクレーブ(圧力釜)内に入れ圧力
0.3MPa、温度130℃で1時間かけて成形するも
のである。
を希望通りに調整できることから、高Vfの成形物がで
き、成形物の強度が向上し、樹脂量も少なくて済むため
低コストになる。フィルムに塗布する樹脂は、常温硬化
型でも熱硬化型樹脂でもいずれでもよいが、好ましくは
ポットライフが長く、長期保管が可能な熱硬化型樹脂が
好ましく使用される。
部材およびその製造方法について図を以て説明する。図
1、図2は、本発明の繊維強化プラスチック製耐火建築
部材の構造の一例を示すもので、繊維強化プラスチック
3の上に無機質発泡体2を樹脂で接着させ、さらにその
上に無機質材を接着させている構造例である。
部材の製造方法の一例を示す概略図であり、型枠7の上
に織物シート4を配置し、その上に無機質発泡体2を積
層し、その上に無機質材1を積層し、その積層物の周囲
には、無機質発泡体を圧力で潰れないよう保護するため
の補強板12が設置されその補強材の内側には樹脂拡散
媒体6が配置されている。織物シート4の上端部には、
樹脂注入口8を設置し、反対側の型枠の上には、真空吸
引口9を配置し、全体をカバーフィルム10で覆い、端
部は型枠全周囲に取り付けたシリコン系シール材11に
貼り付ける。カバーフィルム内は、真空吸引口から真空
ポンプで真空度0.1MPa以上を継続維持しながら、
樹脂注入口から25℃での粘度が0.1〜20ポイズの
常温硬化型フェノール樹脂を注入し、樹脂が全体に行き
渡った後、樹脂注入のみ停止し、常温で樹脂を硬化させ
成形するものである。
耐火建築部材のもう一つの製造方法を示し、型枠7の上
に、熱硬化型フェノール樹脂含浸織物プリプレグ5を1
0層積層し、その上に無機質発泡体2を積層し、その上
に熱硬化型フェノール樹脂を塗布して、無機質材1を積
層する。その積層物の周囲には、無機質発泡体を圧力で
潰れないよう保護するための補強板12が設置され、型
枠の端部には、真空吸引口9を配置し、全体をカバーフ
ィルム10で覆い、端部は型枠全周囲に取り付けたシリ
コン系シール材11に貼り付ける。成形準備が終了後、
オートクレーブ(圧力釜)内に入れ、カバーフィルム内
を真空吸引口から真空ポンプで真空度0.1MPa以上
を継続維持しながら、釜内圧を0.3MPa、温度80
℃で3時間と130℃で2時間かけて硬化させ、成形す
るものである。
する。
系炭素繊維を機織り機を用いて織物シートに加工した。
型枠の上に織物シートを10層積層し、該織物シート積
層物の上に厚み30mm、密度70kg/m3 の炭酸カ
ルシウム発泡体を積層し、その上に成形用樹脂を注入さ
せるための溝加工した厚みが10mm、比重が1.2の
軽量石膏ボードを積層した。全積層物の周囲には真空に
よる発泡体の潰れを防止するための補強板を取り付け
た。全体をカバーフィルムで覆い端部はシリコン系シー
ル材でシールした。真空ポンプを用いて真空吸引口から
カバーフィルム内を真空度0.1MPa以上にし、25
℃雰囲気中の樹脂粘度が0.1〜20ポイズの常温硬化
型フェノール樹脂を樹脂注入口から織物シート上に注入
し拡散、含浸後、軽量石膏ボードと炭酸カルシウム発泡
体の接着面へ樹脂拡散媒体を介して注入し、常温で24
時間かけて硬化させ一辺が1200mm、厚みが45m
mのFRP製耐火建築部材を得た。このFRP製耐火建
築部材は、建築基準法に従った耐火試験(JIS A1
304)条件で30分の耐火試験を実施した。試験炉は
間口1000mmの小型試験炉を用いた。熱源としてプ
ロパンガスバーナを用い試験体の無機質材側から加熱
し、試験体(FRP)の裏面温度を測定した。30分経
過時の試験体の表面温度は840℃で、FRPの裏面温
度は141℃と断熱効果は大きかった。結果を表1に示
す。
が塗布されたフィルムの上に1層乗せ、その上に同様の
樹脂が塗布されたフィルムを被せて加熱ローラで押しな
がら樹脂を繊維に含浸させプリプレグ化した。型枠の上
にフェノール樹脂を含浸した織物プリプレグを10層積
層し、その上に厚みが30mmの炭酸カルシウム発泡体
を積層した。炭酸カルシウム発泡体の上にフェノール樹
脂を塗布し、厚みが10mm、比重が1.2の軽量石膏
ボードを積層した。全体をカバーフィルムで覆い端部は
型枠全周囲に取り付けたシリコン系シール材に貼り付け
る。型枠に取り付けた積層体は、オートクレーブ内に設
置し、真空吸引口から真空ポンプを用いてカバーフィル
ム内の真空度を0.1MPa以上に継続維持しながら釜
内圧力0.3MPa、温度80℃で3時間と130℃で
2時間かけて加圧成形し、一辺が1200mm、厚みが
45mmのFRP試験体を得た。FRP試験体は実施例
1と同様の耐火試験を実施した。30分経過時の試験体
の表面温度は840℃で、FRPの裏面温度は145℃
と断熱効果は大きかった。結果を表1に示す。
以外は実施例1と同様の樹脂、構成および方法で成形
し、一辺が1200mm、厚みが30mmのFRP試験
体を得た。FRP試験体は実施例1と同様の方法で耐火
試験を実施した。試験体は30分経過時の表面温度が8
40℃で、FRPの裏面温度は149℃と断熱効果は大
きかった。結果を表1に示す。
周囲を補強板で囲い成形時のマットの潰れを防止した以
外は実施例1と同様の樹脂、構成および方法で成形し、
一辺が1200mm、厚みが30mmのFRP試験体を
得た。
火試験を実施した。30分経過時の試験体の表面温度は
840℃でFRPの裏面温度は135℃と断熱効果は大
きかった。結果を表1に示す。
に樹脂拡散媒体を置いて全体をフィルムで覆い、織物シ
ートの片方から真空ポンプを用いてフィルム内を真空度
750mmHgにした。樹脂拡散媒体の一方から樹脂粘
度5ポイズのフェノール樹脂を注入し、常温で硬化させ
一辺が1200mm、厚みが5mmのFRP試験体を得
た。このFRP試験体は実施例1と同様の条件で30分
耐火試験を実施した。30分経過時の試験体の表面温度
は840℃で、FRPの裏面温度は635℃と高く断熱
効果は小さく耐火試験合格レベル(30分後の裏面温度
が260℃を越えないこと)には達しない値であった。
結果を表1に示す。
厚み30mm、密度40kg/m3 のフェノール発泡体
を積層し、全体をフィルムで覆い、一方から真空ポンプ
を用いてフィルム内を真空度750mmHgにした。も
う一方から樹脂粘度5ポイズのフェノール樹脂を注入
し、常温で硬化させ一辺が1200mm、厚みが35m
mのFRP試験体を得た。FRP試験体は実施例1と同
様の条件で30分耐火試験を実施した。30分経過時の
試験体の表面温度は840℃で、FRPの裏面温度は4
74℃と高く、加熱されたフェノール発泡体の表面は加
熱減量しており断熱効果は小さく耐火試験は不合格であ
った。結果を表1に示す。
規定される30分の耐火試験に合格する優れた耐火性お
よび断熱性が大きく向上した、軽量建築部材を提供する
ことができる。特に本発明の建築部材は、外壁材、天井
材、屋根材などに好適に使用することができる。
構造の一例を示す断面図である。
構造の他の一例を示す断面図である。
製造方法の一例を示す概略図である。
製造方法の他の一例を示す概略図である。
Claims (16)
- 【請求項1】 繊維強化プラスチック材の少なくとも片
面に無機質発泡体または無機質マットが配置されてなる
積層部材であって、かつ、該部材がJIS A1304
に規定される30分の耐火試験に合格するものであるこ
とを特徴とする繊維強化プラスチック製耐火建築部材。 - 【請求項2】 該積層部材の該無機質発泡体または無機
質マットの表面に、さらに無機質材が積層されているこ
とを特徴とする請求項1記載の繊維強化プラスチック製
耐火建築部材。 - 【請求項3】 該無機質発泡体または無機質マットが、
0.1〜0.9の嵩比重を有するものであることを特徴
とする請求項1または2記載の繊維強化プラスチック製
耐火建築部材。 - 【請求項4】 該無機質材が、厚みが2〜100mm
で、比重が1〜5であることを特徴とする請求項1〜3
のいずれかに記載の繊維強化プラスチック製耐火建築部
材。 - 【請求項5】 該無機質材が、接着されて積層されてい
るものである請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化
プラスチック製耐火建築部材。 - 【請求項6】 該繊維強化プラスチック材が、フェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂または不飽和ポリエステル樹脂の
常温硬化型樹脂または熱硬化型樹脂をマトリックス樹脂
とするものであることを特徴とする請求項1〜5のいず
れかに記載の繊維強化プラスチック製耐火建築部材。 - 【請求項7】 該繊維強化プラスチック材が、無機繊維
を補強繊維として含有するものであることを特徴とする
請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化プラスチック
製耐火建築部材。 - 【請求項8】 該無機質発泡体または無機質マットが、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ガラス、ケイ酸カ
ルシウム、セラミックの発泡体またはマットであること
を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の繊維強化
プラスチック製耐火建築部材。 - 【請求項9】 該建築部材が、天井、壁、床、柱、屋
根、梁、庇またはドアを構成するものであることを特徴
とする請求項1〜8のいずれかに記載の繊維強化プラス
チック製耐火建築部材。 - 【請求項10】 型枠の上に、一方向に引き揃えられた
繊維束および織物構造を有する繊維の少なくとも1種を
積層し、その上に無機質発泡体または無機質マットを積
層した後、フィルムで全体を覆い、しかる後、該フィル
ム内を一方から真空にし、もう一方から常温硬化型樹脂
または熱硬化型樹脂を注入して、成形することを特徴と
する繊維強化プラスチックFRP製建築部材の製造方
法。 - 【請求項11】 常温硬化型樹脂または熱硬化型樹脂を
塗布したフィルムの上に一方向に引き揃えられた繊維束
および織物構造を有する繊維の少なくとも1種を積層
し、次いで、その上に同じ樹脂を塗布したフィルムを被
せた後、加熱ローラで押さえながら樹脂を含浸させて、
プリプレグ化した後、該プリプレグを2層以上積層した
後、その積層体の上部に無機質発泡体または無機質マッ
トを積層し、その上に常温硬化型樹脂または熱硬化型樹
脂を塗布した後、カバーフィルムで全体を覆い、該フィ
ルム内を真空にした後、オートクレーブ成形することを
特徴とする繊維強化プラスチック製建築部材の製造方
法。 - 【請求項12】 該無機質発泡体または無機質マットを
積層した後、さらに無機質材を積層することを特徴とす
る請求項10または11記載の繊維強化プラスチックF
RP製建築部材の製造方法。 - 【請求項13】 該無機質材が、厚みが2〜100mm
で、比重が1〜5であるものであることを特徴とする請
求項12記載の繊維強化プラスチックFRP製建築部材
の製造方法。 - 【請求項14】 該常温硬化型樹脂または熱硬化型樹脂
が、25℃での粘度が0.1〜20ポイズであるもので
ある請求項10または11のいずれかに記載の繊維強化
プラスチックFRP製建築部材の製造方法。 - 【請求項15】 該プリプレグを2層以上に積層する方
法が、該プリプレグを切断し、その切断したプリプレグ
を積層する方法である請求項11記載の繊維強化プラス
チック製建築部材の製造方法。 - 【請求項16】 該無機質発泡体または無機質マット
が、嵩比重が0.1〜0.9であるものである請求項1
0または11記載の繊維強化プラスチック製建築部材の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13894498A JP3882338B2 (ja) | 1998-05-20 | 1998-05-20 | 繊維強化プラスチック製耐火建築部材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13894498A JP3882338B2 (ja) | 1998-05-20 | 1998-05-20 | 繊維強化プラスチック製耐火建築部材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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