JP2004059872A - セミ含浸プリプレグ用フィルム、セミ含浸プリプレグ及び成形品の製造方法 - Google Patents

セミ含浸プリプレグ用フィルム、セミ含浸プリプレグ及び成形品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】真空バッグ成形による成形を行ってもボイドやピンホールの発生を抑制し、熱硬化性樹脂が繊維強化材に含浸しやすいセミ含浸プリプレグ用フィルム、セミ含浸プリプレグ及び成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】発泡ビーズ6を含有する熱硬化性樹脂フィルム4からなるセミ含浸プリプレグ用フィルム、及び発泡ビーズを含有する熱硬化性樹脂フィルムに繊維強化材3を貼着したセミ含浸プリプレグ。繊維強化材は、樹脂含浸層7及び未含浸層8とからなる。また、型の一面上に前記セミ含浸プリプレグを敷設し、次いで敷設したセミ含浸プリプレグ上にバッグを重ねて当該バッグ周縁を型に気密にシールしてバッグと型との間を排気し、加熱することによりセミ含浸プリプレグを硬化させて成形品を製造する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発泡ビーズを含有する熱硬化性樹脂フィルムからなるセミ含浸プリプレグ用フィルムに関する。
【0002】
また、本発明は、発泡ビーズを含有する熱硬化性樹脂フィルムに繊維強化材を積重して貼着したセミ含浸プリプレグ及び当該プリプレグを用いた成形品の製造方法に関する。
【0003】
更に、本発明は、発泡ビーズを含有する熱硬化性樹脂フィルムと繊維強化材とを用いた成形品の製造方法に関する。
【0004】
【従来の技術】
プリプレグは、繊維強化材に熱硬化性樹脂を含浸し、手作業で容易に取扱うことができる程度に硬化反応を進めた成形材料である。主として、炭素繊維、ボロン繊維、アラミド繊維などの繊維強化材とエポキシ系の樹脂を用いて構成したプリプレグが用いられている。
【0005】
プリプレグの成形は、型に敷設した複数枚のプリプレグを加圧下で加熱硬化させることにより行う。プリプレグはその構造から表面にタックがあり、積層する際にプリプレグ間にエアーを噛み込む。外部から十分加圧することなく大気圧で加圧成形を行う真空バッグ成形はオートクレーブを必要とせず低い製造コストで容易に成形品を得ることができるが、プリプレグのタックが原因となって得られる成形品にはエアーの残存によるボイドが生じ、成形品の物性が低下してしまうという問題がある。
【0006】
このようなボイドの発生を防止するものとして、国際公開WO00/27632には、樹脂層の少なくとも一面に繊維強化材を積重した成形材料が開示されている。また、特開平5−269909号公報には、プリプレグに代えて繊維強化材と熱硬化性樹脂の樹脂フィルムを用いる方法も開示されている。この方法は、繊維強化材と樹脂フィルムを積重した後加熱して樹脂フィルムの樹脂を繊維強化材に含浸させるとともに硬化させ成形品とする。
【0007】
これらの成形材料を用いる方法は、外部から加圧を行うオートクレーブ成形を行わなくてもある程度はボイドの発生を抑制することができる。しかしながら、従来のプリプレグに比較すれば少ないものの、真空バッグ成形を行った場合には樹脂を含浸させる際にムラが生じ、ボイドやピンホールを生じることは避けられない。また、いずれの方法においても樹脂を繊維強化材に含浸させるのに時間がかかり、従来のプリプレグと比較して成形時間が長くなるという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、外部から機械的に加圧することのない真空バッグ成形による成形を行ってもボイドやピンホールの発生を抑制し、しかも従来のセミ含浸プリプレグより樹脂が繊維強化材に含浸しやすく成形時間を短縮することができるセミ含浸プリプレグ及び成形品の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明は、以下に記載するものである。
【0010】
〔1〕 発泡ビーズを含有する熱硬化性樹脂フィルムからなるセミ含浸プリプレグ用フィルム。
【0011】
〔2〕 内部にキャリアを含有する〔1〕記載のセミ含浸プリプレグ用フィルム。
【0012】
〔3〕 発泡ビーズを含有する熱硬化性樹脂フィルムの片面又は両面に繊維強化材を貼着したセミ含浸プリプレグ。
【0013】
〔4〕 発泡ビーズの含有量が、熱硬化性樹脂100質量部に対して1〜20質量部である〔3〕に記載のセミ含浸プリプレグ。
【0014】
〔5〕 型の一面上に〔3〕に記載のセミ含浸プリプレグを敷設し、次いで敷設したセミ含浸プリプレグ上にバッグを重ねて当該バッグ周縁を型に気密にシールしてバッグと型との間を排気し、加熱することによりセミ含浸プリプレグを硬化させる成形品の製造方法。
【0015】
〔6〕 型の一面上に〔3〕に記載のセミ含浸プリプレグを敷設し、これらの上に一のバッグを重ねると共に当該バッグ周縁を型の他面を被覆した他のバッグに気密にシールし、次いでバッグと型との間を排気し、加熱することによりセミ含浸プリプレグを硬化させる成形品の製造方法。
【0016】
〔7〕 型の一面上に繊維強化材シート及び発泡ビーズを含有する熱硬化性樹脂フィルムを積重し、次いで積重した繊維強化材シート及び熱硬化性樹脂フィルム上にバッグを重ねて当該バッグ周縁を型に気密にシールしてバッグと型との間を排気し、繊維強化材シート及び熱硬化性樹脂フィルムを加熱する成形品の製造方法。
【0017】
〔8〕 型の一面上に繊維強化材シート及び発泡ビーズを含有する熱硬化性樹脂フィルムを積重し、次いで積重した繊維強化材シート及び熱硬化性樹脂フィルム上に一のバッグを重ねると共に当該バッグ周縁を型の他面を被覆した他のバッグに気密にシールし、次いでバッグと型との間を排気し、繊維強化材シート及び熱硬化性樹脂フィルムを加熱する成形品の製造方法。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明のセミ含浸プリプレグに用いる繊維強化材としては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、金属繊維等の通常のプリプレグに用いる強化繊維が使用できる。中でも、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維が好ましい。また、これらの繊維強化材の形態は、一方向に引き揃えたもの又は多方向に引き揃えたもの、織物、編物、不織布等の任意の加工品が利用できる。
【0019】
本発明のセミ含浸プリプレグにおいては、繊維強化材の目付は1枚当り200〜3000g/mが好ましく、400〜2000g/mがより好ましい。
【0020】
繊維強化材として織物を用いる場合はいずれの織形式のものでもよいが、面対称の織物を用いることが好ましい。又は、面対称でない織物を複数積重し面対称に積層できる織物が好ましい。面対称の織物あるいは積重して面対称とした織物を用いることにより、成形品とした際に成形品の反りを防止できる。
【0021】
面対称の織物又は積重して面対称とすることができる織物としては、多軸織物を挙げることができる。多軸織物とは、一方向に引き揃えたシート状の繊維強化材を角度を変えて積層し、ナイロン糸、ポリエステル糸、ガラス繊維糸等で編んだ織物をいう。
【0022】
面対称の多軸織物の一例の概略図を図5に示す。この例では多軸織物10は、繊維の引き揃えた方向が順に−45°、+45°、0°、+45°、−45°となるように積層した5層の繊維強化材を厚さ方向にパンチングしてなる。
【0023】
他の面対称の多軸織物の例としては、〔+45/−45/−45/+45〕、〔0/+45/−45/−45/+45/0〕等を挙げることができる。積重して面対称となる多軸織物の組合わせとしては、例えば〔+45/−45〕及び〔−45/+45〕、〔0/+45/−45〕及び〔−45/+45/0〕、〔+45/0/−45/90〕及び〔90/−45/0/+45〕等を挙げることができる。一方向に引き揃えた繊維強化材を積層する角度はこれらに限定されず、任意の角度とすることができる。
【0024】
多軸織物の厚さは、用途により適宜選択するものであるが、通常0.2〜3mmが好ましい。
【0025】
セミ含浸プリプレグの熱硬化性樹脂フィルムに用いる樹脂は、通常のプレプリグ製造に用いる熱硬化性樹脂が使用できる。具体的には、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、マレイミド樹脂、ビニルエステル樹脂、シアン酸エステル樹脂、マレイミド樹脂とシアン酸エステル樹脂を予備重合した樹脂等が挙げられ、本発明においてはこれらの樹脂の混合物を使用することもできる。繊維強化複合材料を用途とする場合には、耐熱性、弾性率、耐薬品性に優れたエポキシ樹脂組成物が好ましい。これらの熱硬化性樹脂には、硬化剤、硬化促進剤等が含まれていてもよい。
【0026】
熱硬化性樹脂は常温である程度の形状保持能を有する程度に高分子化したプレポリマーで、加熱時に粘度が0.1〜10Pa・sに減少するものが好ましい。
【0027】
熱硬化性樹脂の硬化温度は、60〜180℃となるよう調製することが好ましく、70〜130℃に調製することがより好ましい。
【0028】
樹脂フィルムの樹脂量はセミ含浸プリプレグ全重量に対して35〜55%とすることが好ましい。
【0029】
熱硬化性樹脂フィルムに配合する発泡ビーズは、後述するセミ含浸プリプレグの成形時の加熱により発泡して膨張するものであれば使用することができる。発泡ビーズとしては例えば低沸点炭化水素を内包する塩化ビニリデンとアクリロニトリルの共重合体粒子を挙げることができる。かかる発泡ビーズは市販品「マツモトマイクロスフェア」(松本油脂製薬社製)として入手できる。
【0030】
発泡ビーズの加熱前の平均粒径は、1〜150μmが好ましく、10〜20μmがより好ましい。また、加熱による体積膨張倍率が5〜100倍のものを使用することが好ましい。発泡ビーズの発泡温度は70〜150℃が好ましく、80〜130℃がより好ましい。更に熱硬化性樹脂フィルムにおける発泡ビーズの含有量は、熱硬化性樹脂100質量部に対して1〜20質量部とすることが好ましく、1〜5質量部とすることがより好ましい。
【0031】
上記発泡ビーズと加熱溶融した熱硬化性樹脂とを混練し公知の方法を用いて製造したフィルムは、本発明のセミ含浸プリプレグ用フィルムとして好適である。
【0032】
本発明のセミ含浸プリプレグを製造する場合に使用する樹脂フィルムは高粘度で保形性が悪く、取扱い難い。高粘度樹脂の取扱い性を高めるため、キャリアを使用することが好ましい。キャリアの片面又は両面に樹脂を塗布し樹脂層を形成した樹脂フィルムは保形性が付与され取扱い性に優れる。この樹脂フィルムに繊維強化材を下記の条件で加熱して貼着することによりキャリアを使用したセミ含浸プリプレグを製造できる。キャリアとしては、ガラス繊維シート、炭素繊維シート、アラミド繊維シート、ポリエチレンフィルム、セルロース繊維シートを用いることができる。キャリアを有する樹脂フィルムは、発泡ビーズを配合した熱硬化性樹脂をキャリアの片面又は両面に塗布することにより製造できる。
【0033】
キャリアの片面又は両面に熱硬化性樹脂を塗布した樹脂フィルムには、更に他のキャリアを貼着してもよい。また、キャリアを使用した樹脂フィルムは2枚以上を重ねて使用してもよい。キャリアを有する樹脂フィルムを複数枚積層してキャリアと樹脂層を交互に積層したものを本発明のセミ含浸プリプレグに使用できる。複数層のキャリアとすることによりセミ含浸プリプレグ全重量に対する樹脂の含有量を高めることができる。
【0034】
図1は、本発明のセミ含浸プリプレグの一例を示す概略図である。セミ含浸プリプレグ1は、発泡ビーズ6を含有する熱硬化性樹脂5からなる熱硬化性樹脂フィルム4に繊維強化材2及び3を貼着してなる。図1は熱硬化性樹脂フィルムの両面に繊維強化材を積重し貼着した場合を示すが、片面のみに貼着してもよい。
【0035】
繊維強化材2及び3は、熱硬化性樹脂フィルム4の熱硬化性樹脂5が含浸した樹脂含浸層7及び樹脂が含浸していない未含浸層8からなる。セミ含浸プリプレグ1は表面までは樹脂が含浸しておらず、従ってプリプレグの表面にタックが生じることはない。
【0036】
織物を繊維強化材シートとして用いる場合であって図1に示すように熱硬化性樹脂フィルムの両面に繊維強化材シートを積重したセミ含浸プリプレグを用いる場合にあっては、繊維強化材シート2及び3は樹脂フィルム4に対して互いに面対称であることが好ましい。互いに面対称の織物を用いることにより成形品とした場合に成形品の反りを防止することができる。繊維強化材シート2及び3は、それ自体が面対称であってもよいし、面対称でなくてもよい。
【0037】
図2は本発明のセミ含浸プリプレグの他の例を示すものである。この例にあっては、熱硬化性樹脂フィルム11はキャリア20とキャリア20の両面に形成した樹脂層14及び19からなり、フィルムのほぼ中央にキャリアを介装している。
【0038】
本発明セミ含浸プリプレグの製造方法は、上記発泡ビーズと加熱溶融した熱硬化性樹脂とを混練し、公知の方法により熱硬化性樹脂フィルムとする。次いで、この熱硬化性樹脂フィルムの片面又は両面に繊維強化材を積重し、0.01〜0.5MPaで加圧下、25〜100℃で0.1〜5分間加熱することにより製造することができる。熱硬化性樹脂フィルムにキャリアを用いる場合は、発泡ビーズと加熱溶融した熱硬化性樹脂を混練後キャリアに塗布し、次いで繊維強化材を貼着して製造する。
【0039】
繊維強化材への熱硬化性樹脂フィルムの樹脂の含浸は、プリプレグ表面まで樹脂が含浸しない程度であれば良いが、繊維強化材の厚さの5〜50%とすることが好ましい。
【0040】
なお、熱硬化性樹脂フィルム、セミ含浸プリプレグの製造時に行う加熱はいずれも発泡ビーズの発泡温度と比較して低温で行う加熱であってまた加熱時間も短時間であるため、発泡ビーズは膨張しない。
【0041】
以下、図3を参照して本発明のセミ含浸プリプレグを用いた成形品の製造方法について説明する。
【0042】
まず型24の一面上に繊維強化材2a及び3a、熱硬化性樹脂フィルム4aからなるセミ含浸プリプレグ1aを敷設する。プリプレグを敷設する際には必要によりピールクロス、ブリーダを使用することもできる。セミ含浸プリプレグ1aを敷設した後、バッグ22を重ねて配置し、バッグ22の周縁をシーラント26で型24と気密にシールし、密封する(図3(a))。
【0043】
バッグの材質は特に制限されず、通常用いられる公知のものを使用することができる。更に、バッグの形状としては特に制限されず、型や目的とする成形品の形状によりシート状、袋状等の形状を適宜選択して用いることができる。また、バッグのシールは減圧によりセミ含浸プリプレグが型に密着するように行うことができればよい。例えば、図3に示すようにバッグをシーラントで型に直接シールする方法、セミ含浸プリプレグを敷設した型を袋状のバッグに挿入しバッグ周縁を型にシールする方法、セミ含浸プリプレグ上に重ねて配置した一のバッグと型の他面に配置した他のバッグをシーラントで気密にシールする方法等を例示できる。バッグ同士をシールして型全体をバッグで覆う方法は、型を貫通する治具取付け孔があって型に直接シールしても密封できない場合や、型が通気性材料で形成されている場合等に特に有効である。
【0044】
バッグを用いてセミ含浸プリプレグを密封した後、型24とバッグ22間の気体を排気して減圧にする(図3(b))。型24とバッグ22間を減圧にすることにより、セミ含浸プリプレグ1aは型24に密着する。
【0045】
更に、オーブン等を用いて加熱することにより熱硬化性樹脂フィルムを溶融させると同時に発泡ビーズを膨張させ6bとして繊維強化材に熱硬化性樹脂を含浸させる。この状態で繊維強化材に含浸させた熱硬化性樹脂を加熱硬化させ硬化層2b、3bとして成形品を製造する(図3(c))。オーブン等による加熱温度は80〜130℃が好ましい。また、加熱を行う際には、型24とバッグ22間の気体を排気しながら行うことが好ましい。
【0046】
本発明の成形品の製造方法は、加熱により熱硬化性樹脂フィルムに配合した発泡ビーズを膨張させプリプレグの内側から加圧して溶融した熱硬化性樹脂を繊維強化材に含浸させやすくするものである。発泡ビーズの作用により熱硬化性樹脂を繊維強化材に含浸させる時間を短縮することができるうえ、従来のセミ含浸プリプレグでは避けられなかったボイドやピンホールの発生を抑制することができる。
【0047】
また、本発明は真空バッグ成形を利用して成形を行うので型に強い圧力がかからず、成形用型としては、金型のほか、FRP樹脂製等の比較的剛性の低い型を用いることができる。
【0048】
更に、本発明の製造方法においては発泡コア材を内部に挿入してもよい。発泡コア材を使用した製造方法の一例を図5に示す。
【0049】
型34上にセミ含浸プリプレグ41、発泡コア材38、セミ含浸プリプレグ40を順に敷設する。その後、バッグ32で密封した後、図3に示す場合と同様にバッグ内を減圧し、加熱成形を行う。発泡コア材としては、ウレタンフォーム、塩化ビニルフォーム、ポリメタアクリルイミドフォーム、アクリルフォーム、フェノールフォーム、ポリスチレンフォーム等が例示できる。また、バルサ材等も使用できる。
【0050】
本発明の成形品の製造方法においては、上記セミ含浸プリプレグに代えて、熱硬化性樹脂フィルムと繊維強化材シートとを用いてもよい。この場合、熱硬化性樹脂フィルム及び繊維強化材は上記のセミ含浸プリプレグに用いたものと同様のものを使用できる。
【0051】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
【0052】
実施例1
エピコート828(ジャパンエポキシレジン社製)を80質量部、エピコート1001(ジャパンエポキシレジン社製)を20質量部、ジシアンジアミド(ジャパンエポキシレジン社製)を5質量部、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルユリア(保士谷化学工業社製)を5質量部、発泡ビーズマツモトマイクロフェアー F‐30(松本油脂製薬社製)を3質量部計量し、70℃でロールミルで混錬し、樹脂組成物を得た。その後、70℃でドクターブレード法により樹脂目付1000g/mの樹脂フィルムを作製し、樹脂フィルムの片面にガラス織物WP03(日東紡績社製)を貼り付け、キャリア付き樹脂フィルムを得た。
【0053】
キャリア付き樹脂フィルムの両面に、炭素繊維HTA−12K(東邦テナックス社製)を使用した多軸織物(〔0/+45/−45〕:CF目付 600g/m)と(〔−45/+45/0〕:CF目付600g/m)とを70℃に加熱した加熱ローラーで、圧力0.01MPaで、2m/分の速度で貼りあわせ、[0/+45/−45〕/樹脂フィルム/〔−45/+45/0〕のセミ含浸プリプレグを得た。
【0054】
離型処理をした平らなアルミ板の上に、寸法300mm×400mmの上記セミ含浸プリプレグ〔0/+45/−45〕/樹脂フィルム/〔−45/+45/0〕を積層し、その上にピールクロスを積層した。その後、積層した材料全体をナイロンバッグ(WRIGHTLON #7400、AIRTECH社製)で覆い、型とナイロンバッグをシーラントテープでシールし、バッグ内を真空ポンプで減圧した。
【0055】
その後、硬化炉内で130℃で2時間、真空ポンプで減圧しながらセミ含浸プリプレグを加熱硬化し、板圧1.5mmのCFRP板を得た。成形物表面には樹脂の未含浸によるカスレは無く、良好な板が得られた。
【0056】
比較例1
エピコート828(ジャパンエポキシレジン社製)を80質量部、エピコート1001(ジャパンエポキシレジン社製)を20質量部、ジシアンジアミド(ジャパンエポキシレジン社製)を5質量部、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルユリア(保士谷化学工業社製)を5質量部計量し、70℃でロールミルで混錬し、樹脂組成物を得た。その後、70℃でドクターブレード法により樹脂目付1000g/mの樹脂フィルムを作製し、樹脂フィルムの片面にガラス織物WP03(日東紡績社製)を貼り付け、キャリア付き樹脂フィルムを得た。
【0057】
キャリア付き樹脂フィルムの両面に、炭素繊維HTA−12K(東邦テナックス社製)を使用した多軸織物(〔0/+45/−45〕:CF目付 600g/m)と(〔−45/+45/0〕:CF目付600g/m)とを70℃に加熱した加熱ローラーで、圧力0.01MPaで、2m/分の速度で貼りあわせ、[0/+45/−45〕/樹脂フィルム/〔−45/+45/0〕のセミ含浸プリプレグを得た。
【0058】
離型処理をした平らなアルミ板の上に、寸法300mm×400mmの上記セミ含浸プリプレグ0/+45/−45〕/樹脂フィルム/〔−45/+45/0〕を積層し、その上にピールクロスを積層した。その後、積層した材料全体をナイロンバッグ(WRIGHTLON #7400、AIRTECH社製)で覆い、型とナイロンバッグをシーラントテープでシールし、バッグ内を真空ポンプで減圧した。
【0059】
その後、硬化炉内で130℃で2時間、真空ポンプで減圧しながらセミ含浸プリプレグを加熱硬化し、板圧1.5mmのCFRP板を得た。 成形物表面には1cmの樹脂未含浸によるカスレが2箇所発生した。
【0060】
【発明の効果】
本発明のセミ含浸プリプレグは、熱硬化性樹脂フィルムに加熱により膨張する発泡ビーズが含有されるので、従来のセミ含浸プリプレグに比較して熱硬化性樹脂フィルムの樹脂が繊維強化材に含浸しやすい。
【0061】
また、上記のセミ含浸プリプレグ、又はセミ含浸プリプレグに代えて発泡ビーズを含有する熱硬化性樹脂フィルム及び繊維強化材シートを用いた成形品の製造方法は、真空バッグ成形を行っても、発泡ビーズの作用により熱硬化性樹脂を繊維強化材に含浸させる時間を短縮することができるうえ、従来のセミ含浸プリプレグでは避けられなかったボイドやピンホールの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセミ含浸プリプレグの一例を示す概略斜視図である。
【図2】本発明のセミ含浸プリプレグの他の例を示す概略斜視図である。
【図3】本発明の成形品の製造方法の一例を示すフロー図で、(a)はセミ含浸プリプレグをバッグと型との間にシールした状態を示す断面図、(b)はバッグと型との間を減圧した状態を示す断面図、(c)は発泡ビーズが膨張し繊維強化材に樹脂を含浸させた状態を示す断面図である。
【図4】本発明のセミ含浸プリプレグに用いられる多軸織物の一例を示す概略斜視図である。
【図5】本発明の成形品の製造方法の他の例を示す図で、セミ含浸プリプレグと発泡コア材とをバッグと型との間にシールした状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1、1a、10、40、41  セミ含浸プリプレグ
2、2a、3、3a、12、13、42、43  繊維強化材
2b、3b  硬化層
4、4a、11、44、45  熱硬化性樹脂フィルム
5、5a、15、15a、46、47  熱硬化性樹脂
6、6a、6b、16、48  発泡ビーズ
7、17  樹脂含浸層
8、18  未含浸層
14、19  樹脂層
20  キャリア
22、32  バッグ
24、34  型
26、36  シーラント
30  多軸織物
38  発泡コア材

Claims (8)

  1. 発泡ビーズを含有する熱硬化性樹脂フィルムからなるセミ含浸プリプレグ用フィルム。
  2. 内部にキャリアを含有する請求項1記載のセミ含浸プリプレグ用フィルム。
  3. 発泡ビーズを含有する熱硬化性樹脂フィルムの片面又は両面に繊維強化材を貼着したセミ含浸プリプレグ。
  4. 発泡ビーズの含有量が、熱硬化性樹脂100質量部に対して1〜20質量部である請求項3に記載のセミ含浸プリプレグ。
  5. 型の一面上に請求項3に記載のセミ含浸プリプレグを敷設し、次いで敷設したセミ含浸プリプレグ上にバッグを重ねて当該バッグ周縁を型に気密にシールしてバッグと型との間を排気し、加熱することによりセミ含浸プリプレグを硬化させる成形品の製造方法。
  6. 型の一面上に請求項3に記載のセミ含浸プリプレグを敷設し、これらの上に一のバッグを重ねると共に当該バッグ周縁を型の他面を被覆した他のバッグに気密にシールし、次いでバッグと型との間を排気し、加熱することによりセミ含浸プリプレグを硬化させる成形品の製造方法。
  7. 型の一面上に繊維強化材シート及び発泡ビーズを含有する熱硬化性樹脂フィルムを積重し、次いで積重した繊維強化材シート及び熱硬化性樹脂フィルム上にバッグを重ねて当該バッグ周縁を型に気密にシールしてバッグと型との間を排気し、繊維強化材シート及び熱硬化性樹脂フィルムを加熱する成形品の製造方法。
  8. 型の一面上に繊維強化材シート及び発泡ビーズを含有する熱硬化性樹脂フィルムを積重し、次いで積重した繊維強化材シート及び熱硬化性樹脂フィルム上に一のバッグを重ねると共に当該バッグ周縁を型の他面を被覆した他のバッグに気密にシールし、次いでバッグと型との間を排気し、繊維強化材シート及び熱硬化性樹脂フィルムを加熱する成形品の製造方法。
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