JPH11320546A - コアビットおよびその製造方法 - Google Patents

コアビットおよびその製造方法

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JPH11320546A
JPH11320546A JP10139287A JP13928798A JPH11320546A JP H11320546 A JPH11320546 A JP H11320546A JP 10139287 A JP10139287 A JP 10139287A JP 13928798 A JP13928798 A JP 13928798A JP H11320546 A JPH11320546 A JP H11320546A
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tube
core bit
peripheral surface
inner peripheral
tubular body
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JP10139287A
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English (en)
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Ichiro Miyao
一郎 宮尾
Kazuhisa Kobari
一久 小梁
Shuichiro Koroku
修一郎 小六
Hideo Fujimori
英郎 藤森
Kazuo Totsuka
一夫 戸塚
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Osaka Diamond Industrial Co Ltd
Original Assignee
Osaka Diamond Industrial Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B28WORKING CEMENT, CLAY, OR STONE
    • B28DWORKING STONE OR STONE-LIKE MATERIALS
    • B28D1/00Working stone or stone-like materials, e.g. brick, concrete or glass, not provided for elsewhere; Machines, devices, tools therefor
    • B28D1/02Working stone or stone-like materials, e.g. brick, concrete or glass, not provided for elsewhere; Machines, devices, tools therefor by sawing
    • B28D1/04Working stone or stone-like materials, e.g. brick, concrete or glass, not provided for elsewhere; Machines, devices, tools therefor by sawing with circular or cylindrical saw-blades or saw-discs
    • B28D1/041Working stone or stone-like materials, e.g. brick, concrete or glass, not provided for elsewhere; Machines, devices, tools therefor by sawing with circular or cylindrical saw-blades or saw-discs with cylinder saws, e.g. trepanning; saw cylinders, e.g. having their cutting rim equipped with abrasive particles

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量化により薄肉化されても強度の高いコア
ビットおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】 チューブ2の一端にはフランジ1が溶接
接合されており、他端にはチップ3がロウ付けなどによ
り接合されている。このチューブ2は、一端から他端に
至る溶接部2bを有しており、この溶接部2bはチュー
ブ2の内周面から半径方向内側へ全長にわたって0.5
mm以下の範囲内で突出している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コアビットおよび
その製造方法に関し、より特定的には、コンクリート、
レンガ、岩石、アスファルトなどの穿孔作業に用いるコ
アビットおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コアビットの構成としては、実開
平7−40017号公報に見られるような、円筒状の台
金およびセグメントチップで構成されるコアビットが知
られている。以下、この公報に開示されたコアビットを
従来例として説明する。
【0003】図10は従来のコアビットの構成を概略的
に示す正面図であり、図11は図10のB−B線に沿う
概略断面図である。主に図10を参照して、コアビット
は、台金とチップ3とを有している。台金は、管状にな
っている本体部分のチューブ102と、このチューブ1
02の一端に溶接接合されたフランジ1とで構成されて
いる。このフランジ1には、穿孔装置に取付けるための
装着部が設けられている。またチップ3は、チューブ1
02の他端にロウ付けなどにより接合されている。
【0004】主に、図11を参照して、チューブ102
は、その一端から他端へ全長にわたって延びる溶接部1
02bを有している。この溶接部102bは、外周面お
よび内周面の双方に沿う滑らかな表面を有しており、外
周面および内周面に対して凸部を構成してはいない。
【0005】この従来のコアビットは以下のように製造
されていた。まず帯鋼がロール成形によって管状に巻か
れた後、突合わせ部が縦継溶接接合されて管状体が得ら
れる。この管状体の溶接部の内周および外周が旋削加工
された後、ダイスおよびプラグに通して引抜くことで引
抜鋼管が得られる。この引抜鋼管を所定の長さに切断し
たものがチューブ102になる。このチューブ102の
一端にはフランジ1が溶接接合され、他端にはチップ3
がロウ付けにより接合されて図10に示すコアビットが
完成する。
【0006】なおフランジには鋼製の丸棒を旋削により
加工されたものが使用される。引抜鋼管は、用途が広
く、最も一般的で安価な材料として多くの分野で使用さ
れている。したがって、縦継溶接接合した部分の影響を
極力小さくするのに強加工が行なわれるため、真円度、
偏肉、外径、内径などの寸法公差が小さく設定されてい
る。
【0007】また引抜き加工前に管の内周および外周に
旋削加工が施されるため、チューブ102の溶接部10
2bは、外周面および内周面に沿う滑らかな表面を有す
ることになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のコアビットは、
上述したように引抜加工により製造されたチューブを使
って製造されるため、以下の(1)〜(4)に示す問題
点があった。以下、そのことについて詳細に説明する。
【0009】(1) 建築工事現場では、穿孔作業前の
機械の設置作業を効率よく行なうため、コアビットが軽
量であることが要求される。コアビットの軽量化は従来
からチューブ102の肉厚を薄くすることで行なわれて
きた。しかし、引抜加工では、引抜き加工の際の管を引
抜く力によって、管の肉厚が薄くなるほど管が変形しや
すくなる。このため、引抜加工では、管の直径が大きく
なるほど肉厚の薄い管を製造することは難しくなり、現
状では直径の2%程度の肉厚に加工することが限界であ
る。したがって、チューブ102に引抜鋼管を使用する
従来例は、コアビットの軽量化に適していないという問
題点があった。
【0010】また、従来、引抜鋼管を用いて肉厚の薄い
管を得るには、肉厚の厚い管の外周面を旋削加工しなけ
ればならない。たとえば、外径が80mm未満の引抜鋼
管では肉厚は2.6mmとなるが、外径が80mm以上
となると肉厚は3.2mm以上となるため、肉厚を2m
mにしようとするとかなりの厚み分を旋削する必要が生
じる。このため、材料の無駄が多くなって歩留りが悪く
なり、かつ加工工程が増えるためコストが高くなるとい
う問題点もあった。
【0011】(2) また引抜鋼管の製造は、上述した
ように鋼の強加工を必要とするため、必然的に装置は大
型のものとなり、ダイスおよびプラグの取換えには時間
がかかるので、大ロットの製造となってしまう。また引
抜加工では、引抜くための握持部は口絞されており、規
格外の寸法公差となっているため、この部分を製品にす
ることはできない。この握持部による歩留りの低下を抑
えて経済性を保つには、引抜鋼管を可能な限り長尺にす
る必要がある。
【0012】しかし、あまりにも長尺となると運搬の問
題などが生ずるため、引抜鋼管は、通常、7〜8mの長
さに製造され、それが規格の長さ、またはユーザの希望
する長さに切断されて販売されている。また、製造時に
は7〜8mの引抜鋼管を1本単位にて製造することはコ
ストの問題からできず、取引単位も大きくなってしま
う。このように、従来の引抜加工は、経済性よくコアビ
ットを数個単位で受注生産することが難しいため、少量
多品種のコアビットの製造に適していないという問題点
もあった。
【0013】(3) また、従来のコアビットの製造方
法では、帯鋼をロール成形により管状体とした後、さら
に引抜加工する必要があり、加工工程が多くなるという
問題点もあった。
【0014】(4) また、溶接ビード部は母材部より
も一般に硬度が高い。このため、ビード部をほぼ円滑に
切削できたとしても、引抜加工により、そのビード部の
変形が母材部の変形に対して変則的になる。よって、内
面ビード部がノッチ状(凹状)となるため、チューブが
軽量化のために薄肉化されると強度が低下してしまう
(特開昭60−37217号公報参照)という問題点も
あった。
【0015】本発明の一の目的は、軽量化により薄肉化
されても強度の高いコアビットを提供することである。
【0016】本発明の他の目的は、軽量化に適し、歩留
りを向上でき、コストを低減でき、少量多品種の生産に
適し、かつ加工工程の少ないコアビットの製造方法を提
供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明のコアビットは、
チューブと、フランジと、チップとを備えている。フラ
ンジは、チューブの一端に接合された、穿孔装置に取付
けるためのものであり、チップは、チューブの他端に接
合された、硬質粒子と金属粉末との焼結体を有するもの
である。チューブは、一端から他端へ延びる溶接部を有
し、溶接部はチューブの内周面から半径方向内側へ突出
しており、溶接部の内周面からの突出は0.5mm以下
である。
【0018】本発明のコアビットでは、溶接部が内周面
に対して凸状となっており、ノッチ状(凹状)となって
いないため、チューブが軽量化のために薄肉化されても
高い強度を保つことができる。
【0019】また、溶接部の突出部(凸部)の突出量が
0.5mm以下と、チップがチューブ内周面から内周側
へ突出する量(クリアランス)よりも小さいため、穿孔
時に、溶接部が障害物となることも防止され、切れ味を
よくすることができる。
【0020】上記のコアビットにおいて好ましくは、溶
接部は、チューブの内周面に一筋のみ形成されている。
【0021】1枚の平板の両端部を突合わせて管とする
と、溶接部は一筋となり、それ以上の溶接は必要ない。
【0022】上記のコアビットにおいて好ましくは、チ
ューブの外径は50mm以上500mm以下である。
【0023】チューブの外径が50mm未満のもので
は、引抜加工でも薄肉のものが容易に得られ、また旋削
加工により外径の調整も容易であるため、本発明の製造
方法による効果が少ない。また、チューブの外径が50
0mmを超えるものでは、金属平板の肉厚を厚くする必
要があり、小型のベンディングロール機などを用いた弱
加工で管状体を製造することができない。
【0024】上記のコアビットにおいて好ましくは、溶
接部はチューブの端面に略垂直な方向に延びている。
【0025】溶接部がチューブの端面とほぼ垂直である
ものは、チューブの材料となる金属平板が長方形のもの
でよく、加工が容易な平板からチューブを得ることがで
きる。
【0026】上記のコアビットにおいて好ましくは、チ
ューブの他端には厚肉部が設けられている。
【0027】チューブの他端に設けられた厚肉部は、チ
ップの接合時の加熱によって軟化する部分の補強とな
り、その他の部分は肉厚を薄くして軽量化を図ることが
できる。
【0028】本発明のコアビットの製造方法は以下の工
程を備えている。まず金属平板が切断される。そして切
断された金属平板が管状に曲げ加工されて管状体とされ
る。そして管状体の突合わせ部がTIG溶接により縦継
溶接接合される。そして溶接された管状体は、その外周
側と内周側との双方から加圧されることで真円度が高め
られてチューブとされる。そしてチューブの一端に、穿
孔装置に取付けるためのフランジが接合される。そして
チューブの外周面が旋削される。そしてチューブの他端
に、硬質粒子と金属粉末との焼結体を有するチップが接
合される。
【0029】本発明のコアビットの製造方法では、引抜
加工をしないため、肉厚の薄い管を容易に得ることがで
き、容易に軽量なコアビットを製造することができる。
【0030】また、肉厚の薄い管を容易に得ることがで
きるため、肉厚の厚い管の外周面を旋削加工して管の薄
肉化を図る必要はなく、旋削加工による材料の無駄をな
くすことができるとともに、加工工数の増大を防止する
ことができる。
【0031】また引抜加工のような強加工を行なわない
ので、加工装置は小型のもので足り、また引抜加工のよ
うな握持部も不要となるため、少量多品種のコアビット
の製造に適している。
【0032】また、一旦、管状体に加工した後に引抜加
工することもないため、従来例よりも加工工数を少なく
することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図に基づいて説明する。
【0034】図1は本発明の一実施の形態におけるコア
ビットの構成を概略的に示す正面図であり、図2は図1
のA−A線に沿う概略断面図であり、図3は図2の溶接
部を拡大して示す概略断面図である。
【0035】主に図1を参照して、本実施の形態のコア
ビットは、フランジ1と、チューブ2と、チップ3とを
有している。チューブ2の一端には、穿孔装置に取付け
るための挿着部が設けられたフランジ1が溶接接合され
ており、他端には硬質粒子と金属粉末との焼結体よりな
るチップ3がロウ付けなどにより接合されている。
【0036】チューブ2は、その一端から他端まで全長
にわたって延びる溶接部2bを有している。またチュー
ブ2の他端には、厚肉部2aが設けられており、この部
分2aの厚みTB は、その他の部分の厚みTA よりも厚
くなっている。
【0037】主に図2と図3とを参照して、溶接部2b
はチューブ2の外周面ではその外周面に沿って滑らかな
表面を有しており、内周面では全長にわたって半径方向
内側に突出した突出部を有している。この突出部の突出
量TD は0.5mm以下である。つまり溶接部2bは、
チューブ2の外周面に対して凹凸を構成してはおらず、
かつ内周面に対しては凸部を構成している。
【0038】この溶接部2bは、チューブ2に一筋のみ
形成されていることが好ましいが、これに限定されるも
のではなく、幾筋か形成されていてもよい。
【0039】またチューブ2の外径は50mm以上50
0mm以下であることが好ましい。チューブ2の外径が
50mm未満では、引抜加工でも薄肉のものが容易に得
られ、また旋削加工による外径の調整も容易であるた
め、本発明の製造方法による効果が少なくなるからであ
る。またチューブ2の外径が500mmを超えると、鋼
板の肉厚を厚くする必要があり、小型のベンディングロ
ール機などを用いた弱加工では管状体を製造することが
できなくなるからである。
【0040】溶接部2bは、チューブ2の端面に略垂直
な方向に延びていることが好ましい。つまり、溶接部2
bがチューブ2の端面とほぼ垂直であるということは、
チューブ2の材料となる平板が長方形のものでよく、加
工が容易な平板からチューブ2を得ることができること
になるからである。
【0041】またチューブ2の他端には厚肉部2aが設
けられていることが好ましい。チューブ2の他端に設け
られた厚肉部2aは、チップ3接合時の加熱により軟化
する部分の補強となり、その他の部分は肉厚を薄くする
ことで軽量化に寄与することができる。
【0042】次に本実施の形態のコアビットの製造方法
について説明する。図4は、本発明の一実施の形態にお
けるコアビットの製造方法を示す工程図である。図4を
参照して、まずチューブの外径、長さ、肉厚などに概略
対応した鋼板(定尺板材)が切出される(ステップS
1)。この鋼板の切出しには、シャーリングや通常の回
転カッターを用いることができる。シャーリングを用い
た場合には、切断面は直線とはならず、シャーリング特
有の押し切られたような端面となる。また回転カッター
では、切断面は直線となる。
【0043】このような鋼板がベンディングロール機な
どによる弱加工で曲げ加工されて管状体とされる(ステ
ップS2)。管状体の突合わせ部が図5に示すようにT
IG(Tungsten Inert Gas)溶接により縦継溶接接合さ
れてチューブ2が形成される(ステップS3)。
【0044】図5を参照して、TIG溶接は、管状体2
の突合わせ部がずれないようにチューブ内面押え22と
チューブ外周押え21とで強制的に押え、かつ突合わせ
部の隙間を小さくする方向に加圧しながら行なわれる。
このように加圧しながら溶接するのは、上記のいずれの
切断方法でも、突合わせ部全面を接触させた状態で溶接
することができないからである。TIG溶接は、電源の
1極に非消耗のタングステン電極20を、他極に管状体
2を接続し、雰囲気に不活性ガスを用いて行なわれる。
【0045】なお、チューブ内面押え22内には冷却水
路22aが設けられており、これによりチューブ内面押
え22はチューブ2を冷却する役割をもなす。またチュ
ーブ外周押え21は、装置本体に取付けられたアーム2
3に固定されており、そのアームの動作により図中矢印
方向へ動作可能である。
【0046】なお、溶接には、TIG溶接の他にアーク
などを用いた肉盛り溶接もあるが、本発明のように寸法
精度を高める必要がある場合は望ましい方法ではない。
TIG溶接では鋼を外部から供給することなく、鋼板自
体から供給することで、チューブ2の寸法精度をより高
めることができる。
【0047】この溶接時にチューブ2の外径はほぼ定ま
り、出発時の鋼板の寸法精度にほぼ対応した外径精度を
得ることができる。しかし、このままでは真円度、外径
寸法公差が悪いため、チューブ2が外周側および内周側
の双方から加圧されて精度が高められる(ステップS
4:図4)。この加圧は、たとえば図6に示すようにチ
ューブ2の外周を下金型10aと上金型10bとで押圧
するとともに、チューブ2の内周をチューブ2内に挿入
した内拡マンドレル11で押圧することにより行なわれ
る。
【0048】内拡マンドレル11によるチューブ2の内
周の押圧は以下のように行なわれる。
【0049】図7を参照して、内拡マンドレル11の貫
通孔内へ両端側からテーパコーン12が徐々に差し込ま
れる。これはボルト13とナット14とを用いて手動で
行なわれる。内拡マンドレル11の貫通孔端部とテーパ
コーン12との双方はテーパ形状を有している。このた
め、テーパコーン12が差し込まれると、3つに分割さ
れた内拡マンドレル11の各部が外周側へ径を拡大する
よう力を受ける。これにより図8に示すように内拡マン
ドレル11はチューブ2の内周面を押圧することにな
る。
【0050】また図9に示すようにテーパコーン12が
油圧シリンダ15によって内拡マンドレル11内に差し
込まれてもよい。この場合には、たとえば3分割されて
いる内拡マンドレル11の各部材がばらばらにならない
ようステー16によって固定される。
【0051】なお、上記TIG溶接後の外径は目的とす
るチューブの外径より若干小径とすることが望ましい。
内周側の加圧により、若干拡管して所定寸法とすること
ができるからである。
【0052】この加工では、チューブの強度が一番弱い
部分である溶接部2bが伸ばされることになる。この工
程での加工は、チューブ2自体を強加工するのではな
く、わずかな加工度とする必要がある。そうしないと、
外周側および内周側からの加圧加工に大きな力が必要と
なり、加工装置が大型化し、本発明の目的を達成するこ
とができないからである。したがって、切出す鋼板の寸
法精度を高める必要がある。
【0053】次に、このチューブ2とは別個に鋼製丸棒
を旋削加工することによりフランジ1が製造される(ス
テップS5:図4)。
【0054】上記で得られたチューブ2では、引抜加工
法によって得られた引抜鋼管と比較すると、やはり真円
度および外径精度が劣ることは否めない。そこで、外周
面の寸法精度を高めるために、フランジ1をチューブ2
の一端に溶接接合した(ステップS6:図4)後、フラ
ンジ1およびチューブ2の他端をチャックした状態でチ
ューブ2の外周面が旋削される(ステップS7:図
4)。これにより、チューブ2の外周面の凹凸はなくな
る。
【0055】引抜鋼管を用いる場合にも外周面を旋削す
るが、購入した鋼管を目的とするチューブの外周径に合
わせるための旋削であるため本実施の形態の旋削とは目
的が全く異なる。その上、引抜鋼管では内周面も軽量化
のために旋削する場合もある。本実施の形態では、所定
の寸法のチューブにほぼ仕上がっているため、内周面は
旋削されない。
【0056】このようにして得られたチューブ2の他端
が平坦加工された(ステップS7:図4)後、チップ3
がロウ付けされて(ステップS8:図4)、本実施の形
態のコアビットが得られる。
【0057】チューブの外周面は旋削加工され、内周面
は旋削加工されていないので、肉厚を詳細に調べると均
一にはなっていない。しかしながら、図1のコアビット
では、チューブ2とチップ3とのクリアランスTC1、T
C2が設けられているので、多少の肉厚の不均一性は性能
に影響しない。
【0058】本実施の形態のコアビットでは、溶接部2
bがチューブ2の内周面に対して凸状となっており、ノ
ッチ状(凹状)となっていない。このため、チューブ2
が軽量化のために薄肉化されても高い強度を保つことが
できる。
【0059】また、TIG溶接を用いているため、溶接
部2bの内周側への突出量を0.5mm以下と、チップ
3とチューブ2とのクリアランスTC1よりも小さくする
ことができる。このため、穿孔時に、溶接部2bが障害
物となることも防止され、切れ味をよくすることができ
る。
【0060】本実施の形態のコアビットの製造方法で
は、引抜加工しないため、肉厚の薄い管を容易に得るこ
とができ、容易に軽量なコアビットを製造することがで
きる。また、肉厚の薄い管を容易に得ることができるた
め、肉厚の厚い管の外周面を旋削加工して管の薄肉化を
図る必要がない。つまり、引抜加工のような強加工を必
要としないため、すべての外径サイズのコアビットの製
造においてたとえば2.3mmもしくはそれ以下の薄い
鋼板から管を作成することができ、旋削量を0もしくは
極めて少なくすることができる。このため、旋削加工に
より材料の無駄をなくすことができるとともに加工工数
の増大を防止することができる。
【0061】また引抜加工のような強加工を行なわない
ので、加工装置は小型のもので足り、また引抜加工のよ
うな握持部も不要となるため、少量多品種のコアビット
の製造に適している。
【0062】また、一旦、管状体に加工した後は引抜加
工することもないため、従来例よりも加工工数を少なく
することもできる。
【0063】また、本実施の形態では、TIG溶接を用
いているため以下の効果も奏する。TIG溶接では溶融
金属の表面が酸化されにくく、溶接後スラグを除去する
必要がほとんどないため、表面処理なしで真円矯正をす
ることができる。
【0064】肉盛り溶接の場合は、内周面にも肉が盛ら
れるので、使用時に障害となるが、肉盛り部を除去する
必要がない点でも、TIG溶接は優れている。
【0065】またTIG溶接では電極をマイナスにつな
ぐかプラスにつなぐかで母材の溶け込み形状を変えるこ
とができる。マイナスにつなぐと、幅が狭く深い溶け込
みとなるが、プラスにつなぐと幅が広く浅い溶け込みと
なり、チューブに合せた条件を選択することができる。
【0066】また、TIG溶接では入熱量のコントロー
ルが容易で、突合わせ溶接で安定した裏側ビードが得ら
れやすいため、外側からしか溶接できないものにも多用
される。本実施の形態では、チューブ2の内周側からも
溶接することが可能であるが、溶接条件をコントロール
してチューブ2の外周側からのみの溶接にすることで簡
単に溶接を行なうことができる。
【0067】またTIG溶接は高価なガスを用いるた
め、安価な材料の溶接にはあまり用いられない。しか
し、本実施の形態では溶接する管状体2が短く、使用す
るガスの量が少量で足りる。このため、高価なガスの使
用によるコストの上昇よりも材料や加工コストの低減の
方がはるかに大きくなるため、TIG溶接を低コストで
使用することが可能となる。
【0068】また本実施の形態で使用する薄板では溶化
剤が不要で、電流の調整により溶接ビード部2bを小さ
くすることができる。よって、チューブ2の内外周の加
圧によって真円矯正とともに溶接ビード部2bの圧縮も
行なうことができる。
【0069】またTIG溶接を用いているため、チュー
ブ2の内径の小さいものも溶接可能である。
【0070】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。ここでは、一般によく使用されている110mm
の孔をあけるためのコアビットを例に挙げて説明する。
【0071】図1を参照して、チューブ2にはSS40
0が用いられ、チップ3にはダイヤモンド、CBN、S
iC等の硬質砥粒と、銅、コバルト、鉄などの金属粉末
とを焼結したものが用いられる。
【0072】直径110mm、最大350mmの深さの
孔をあけるためには、チップ3の外周の直径D1 は11
0mmとなり、チューブ2とのクリアランスTC1、TC1
を0.5mmにするためチューブ2の厚肉部2aの外径
2 は109mmとなる。外径D2 が109mm、厚肉
部の厚さTB が2.0mm、その他の厚さTA が1.5
mm、長さLが370mmのチューブ2を製造するため
には、図4に示したようにまず厚さ2.3mmの定尺板
材がシャーリングにより370mm×336mmの寸法
に切断される。この定尺板材がベンディングロール機に
より内周面がR=52.5mmになるように曲げられ
て、板材の端部同士を加圧接触させた状態で、TIG溶
接により板材の一端から他端まで接合されて管状体とさ
れる。管状体の形状の修正および精度を向上させるた
め、リストライク機に金型が取付けられ、この金型に管
状体2がセットされる。管状体2の内周側には直径が拡
大可能なマンドレルがセットされ、外周側と内周側から
同時に加圧して、これがチューブ2とされる。また、フ
ランジ1は、直径110mmの鋼製の丸棒を旋削加工
し、フランジ1の形状に仕上げる。
【0073】以上のようにして製造されたフランジ1と
チューブ2とがTIG溶接により同軸に接合され、一体
化される。この後、チューブ2の他端断面および外周面
が旋削加工され、精度が向上される。チューブ2の外周
面を旋削加工する際にチューブ2の他端には厚肉部2a
が設けられるが、厚肉部2aにも旋削加工が行なわれ真
円度が高められる。これは、厚肉部2aの外周を基準に
チップ3を接合するためである。チューブ2の他端には
複数のチップ3がロウ付けにより固定される。
【0074】チューブ2の接合にTIG溶接を用いるこ
とで溶接部2bの盛り上がりは最小限に抑えられるが、
母材の溶け方により多少の凹凸は存在し、加圧により修
正されている。これにより溶接部2bの内周面から内周
側への突出量は、チューブ2とチップ3とのクリアラン
スである0.5mm以下に制御できるため、被切削物と
突出部とが接触することなく穿孔作業を行なうことがで
きる。
【0075】次に、TIG溶接条件による溶接ビードの
量について試験を行なった結果を記す。
【0076】溶接条件は溶接速度と電流値の2要素で決
まる。溶接ビードを大きくするには、ベース電流を大き
くすることが効果的である。板厚が厚くなった場合は、
溶接電流を大きくすることが効果的である。上記のベー
ス電流を70Aにすると溶接部に凹んだ部分が発生し、
0.2mm程度の凹みとなった。一方、ベース電流を1
10Aにすると、0.4〜0.5mmの高さの溶接ビー
ドとなった。また溶接速度を300mm/min.にす
ると、0.4mm程度の高さの溶接ビードになり、50
0mm/min.にすると溶接ビードは出ず、0.1〜
0.2mmの凹みが生じた。
【0077】以上より、2.3mm厚の板を溶接する場
合のTIG溶接の適正条件は、溶接電流が140A、ベ
ース電流が90Aのパルス電流、溶接速度が400mm
/min.であることが判明した。この条件では、裏面
(チューブの内周面)に0.2〜0.3mmの高さの溶
接ビードが生じた。
【0078】今回開示された実施の形態および実施例は
すべての点で例示であって制限的なものではないと考え
られるべきである。本発明の範囲は上述の実施の形態や
実施例ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許
請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更
が含まれることが意図される。
【0079】
【発明の効果】本発明のコアビットでは、溶接部が内周
面に対して内周側に突出しており、ノッチ状(凹状)と
なっていないため、チューブが軽量化のために薄肉化さ
れても高い強度を保つことができる。
【0080】また、溶接部の突出量が0.5mm以下
と、チップがチューブ内周面から内周側へ突出する量よ
りも小さくできるため、穿孔時に溶接部が障害物となる
ことも防止され、切れ味をよくすることができる。
【0081】本発明のコアビットの製造方法では、引抜
加工をしないため、肉厚の薄い管を容易に得ることがで
き、容易に軽量なコアビットを製造することができる。
【0082】また、肉厚の薄い管を容易に得ることがで
きるため、肉厚の厚い管の外周面を旋削加工して管の薄
肉化を図る必要はなく、旋削加工による材料の無駄をな
くすことができるとともに加工工数の増大を防止するこ
とができる。
【0083】また引抜加工のような強加工を行なわない
ので、加工装置は小型のもので足り、また引抜加工のよ
うな握持部も不要となるため、少量多品種のコアビット
の製造に適している。
【0084】また、一旦、管状体に加工した後に引抜加
工をすることもないため、従来例よりも加工工数を少な
くすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるコアビットの構
成を概略的に示す正面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う概略断面図である。
【図3】図2の溶接部を拡大して示す概略断面図であ
る。
【図4】本発明の一実施の形態におけるコアビットの製
造方法を示す工程図である。
【図5】管状体をTIG溶接する様子を示す概略斜視図
である。
【図6】チューブを内周側および外周側の双方から加圧
する方法を説明するための図である。
【図7】内拡マンドレルの径を拡大する一の方法を示す
概略断面図である。
【図8】チューブが外周面および内周面から圧縮される
様子を示す図である。
【図9】内拡マンドレルの径を拡大する他の方法を示す
概略断面図である。
【図10】従来のコアビットの構成を概略的に示す正面
図である。
【図11】図10のB−B線に沿う概略断面図である。
【符号の説明】
1 フランジ 2 チューブ 2a 厚肉部 2b 溶接部 3 チップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤森 英郎 大阪府堺市鳳北町2丁80番地 大阪ダイヤ モンド工業株式会社内 (72)発明者 戸塚 一夫 大阪府堺市鳳北町2丁80番地 大阪ダイヤ モンド工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チューブと、 前記チューブの一端に接合された、穿孔装置に取付ける
    ためのフランジと、 前記チューブの他端に接合された、硬質粒子と金属粉末
    との焼結体を有するチップとを備え、 前記チューブは、一端から他端へ延びる溶接部を有し、
    前記溶接部は前記チューブの内周面から半径方向内側へ
    突出しており、前記溶接部の前記内周面からの突出量は
    0.5mm以下である、コアビット。
  2. 【請求項2】 前記溶接部は前記チューブの内周面に一
    筋のみ形成されている、請求項1に記載のコアビット。
  3. 【請求項3】 前記チューブの外径は50mm以上50
    0mm以下である、請求項1に記載のコアビット。
  4. 【請求項4】 前記溶接部は、前記チューブの端面に略
    垂直な方向に延びている、請求項1に記載のコアビッ
    ト。
  5. 【請求項5】 前記チューブの他端には厚肉部が設けら
    れている、請求項1に記載のコアビット。
  6. 【請求項6】 金属平板を切断する工程と、 切断された前記金属平板を管状に曲げ加工して管状体と
    する工程と、 前記管状体の突合わせ部をTIG溶接により縦継溶接接
    合する工程と、 溶接された前記管状体の外周側と内周側との双方から加
    圧して真円度を高めてチューブとする工程と、 前記チューブの一端に、穿孔装置に取付けるためのフラ
    ンジを接合する工程と、 前記チューブの外周面を旋削する工程と、 前記チューブの他端に、硬質粒子と金属粉末との焼結体
    を有するチップを接合する工程とを備えた、コアビット
    の製造方法。
JP10139287A 1998-05-21 1998-05-21 コアビットおよびその製造方法 Withdrawn JPH11320546A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104400916A (zh) * 2014-11-25 2015-03-11 江苏锋菱超硬工具有限公司 一种低速干打钎焊小孔钻
JP2020516786A (ja) * 2016-12-23 2020-06-11 ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト 湿式コアドリル用ビットのためのドリルシャフトを製造する方法

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CN104400916B (zh) * 2014-11-25 2016-03-09 江苏锋菱超硬工具有限公司 一种低速干打钎焊小孔钻
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