JPH11320266A - ワイヤ放電加工方法および装置 - Google Patents

ワイヤ放電加工方法および装置

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JPH11320266A
JPH11320266A JP13887298A JP13887298A JPH11320266A JP H11320266 A JPH11320266 A JP H11320266A JP 13887298 A JP13887298 A JP 13887298A JP 13887298 A JP13887298 A JP 13887298A JP H11320266 A JPH11320266 A JP H11320266A
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wire electrode
work
wire
axis
electric discharge
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JP13887298A
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Koji Yoshida
功二 吉田
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Makino Milling Machine Co Ltd
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Makino Milling Machine Co Ltd
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワイヤ電極の垂直出しを自動的にかつ実用性
の高く、ワイヤ電極によるワークの実加工における挙動
を忠実に反映して行なえるようにすること。 【解決手段】 ワイヤ電極18を現在の垂直出し状態に
してワークWを実際に加工し、その加工面Waの垂直度
を位置検出手段20で検出して入力手段36へ入力し、
その検出結果と予め既知量として測定情報記憶手段40
に記憶した既知データとを演算手段38で簡単の幾何学
的相似関係に基づく等式の演算によって求め、従って、
ワイヤ電極18の真の垂直度からの誤差を見出し、補正
手段44を介してワイヤ放電加工機の各送り機構の駆動
でワイヤ電極案内、位置決めヘッド14、16を位置補
正し、ワイヤ電極18を真の垂直出し状態に設定可能に
したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワイヤ放電加工方
法および装置に関し、特に、現在設定されている加工条
件下で加工対象のワークに実際のワイヤ放電加工を施
し、得られたワーク加工面の傾斜度のデータを測定手段
によって直接的に測定して真の傾斜度からの誤差を定量
的に求め、求めた角度誤差量によって既に設定されてい
るワイヤ張設角度を補正して高精度のワイヤ角度出しを
おこない、ワイヤ放電加工の以後の実加工に対して高精
度のワイヤ放電加工をおこない得るようにするワイヤ放
電加工方法および装置に関する。
【0002】なお、上述した傾斜度の測定データを得る
ためのワークの加工においては、ワークの差し支えない
部分に測定用の加工面を実加工するようにしても良く、
またワークの複数の加工面における一つ目の加工面が終
了した時点に、その加工面を用いて傾斜度の測定データ
を求めるようにしても良い。また、上述したワイヤ電極
の所望角度出しは水平面に対して垂直な方向に上下一対
のヘッドを設けてワイヤ電極を該一対の上下ヘッド間を
走行させる縦型のワイヤ放電加工機におけるワイヤ電極
の所望角度出しを行う一般的な場合ばかりでなく、鉛直
面に対して垂直な方向に離間配設した一対の左右ヘッド
を備えた横型のワイヤ放電加工機における該一対の左右
ヘッド間を走行するワイヤ電極の鉛直面に対する傾斜度
を設定する所定角度出しにも適用可能なワイヤ放電加工
方法および装置に関するものである。
【0003】
【従来の技術】従来よりワイヤ放電加工機によるワーク
の加工においては、同ワークに対して水平面に対して垂
直な加工面を形成するワイヤ放電加工並びにワークに例
えば円錐面や角形錐面等のテーパ加工面を形成するワイ
ヤ放電加工がおこなわれており、例えば、通常の縦型の
ワイヤ放電加工機においては、上下ヘッド間に張設され
るワイヤ電極に垂直状態(水平面に対して真に垂直な方
向に関して傾角が0°となる状態)を先ず設定し、この
ような垂直状態に位置決めされたワイヤ電極でワークの
垂直面の加工を行い、或いは同垂直状態を基準位置にし
てワイヤ電極に所定の傾角、つまりテーパ角度を付与、
設定し、円錐面や角錐面等の所要のテーパ加工面を加工
できるようにすることが必要とされ、故にワイヤ電極の
垂直出しはワイヤ放電加工に必須の段取り工程となって
いる。
【0004】ここで、従来の垂直出し方法の具体的な実
行には種々の方法が提供されており、主として下記の三
つの方法が実用されている。すなわち、 (1)一の方法は例えば、特開平2−298432号に
開示されているように、ワイヤ垂直出し治具として垂直
出しゲージを用い、これをワーク取付台に固定し、ワイ
ヤガイドで位置決めされたワイヤ電極に対してワーク送
り手段により垂直出しゲージを移動させ、同ゲージの検
出面(センサ部分)とワイヤ電極との接触を検出し、検
出結果の接触位置からワイヤ電極がワーク取付台上面に
対して垂直になるワイヤガイド位置を演算する手法を用
いてワイヤ垂直出しを行うものであり、この場合には、
ワーク取付台に固定される治具(垂直出しゲージ)の精
度に垂直出し精度を担保した方法である。
【0005】(2)二の方法は例えば実開平6−982
4号に開示されているように、予め垂直面を有するワー
クをワーク取付台に搭載し、微弱な実加工をその垂直面
又は該垂直面に取り付けたゲージブロックに施し、放電
状態が該垂直面に均一に発生する状態と成ったとき、ワ
イヤ電極が垂直状態に位置決めされたと結論し、設定す
る方法である。
【0006】(3)三の方法は例えば、特開平9−17
4338号に開示されているように予め極めて高精度な
垂直面を有する接触検知ブロックをワーク載物台に搭載
し、一定の距離だけ、上ヘッドをU軸方向またはV軸方
向に移動してワイヤ電極を倒して接触検知ブロックとの
接触位置を記録し、このような記録データを2か所以上
で記録することにより一定の計算式からワイヤ電極の垂
直位置を求めるようにした方法である。
【0007】然しながら、上述した一の方法では、ワイ
ヤ電極の電極表面もこのワイヤ電極に接触させるワイヤ
垂直出し治具のセンサ部分の表面も何れも完全な鏡面で
はない。このため、ミクロ的には粗い面と粗い面の間に
おける接触を介して検出結果を得るものであることか
ら、垂直出し精度にバラツキが発生してしまい、高精度
の垂直出し位置決めを達成することが一般的には困難で
あり、故に、実際のワークのワイヤ放電加工による垂直
面の形成やテーパ加工による錐面の形成の基準垂直線と
して使用した場合にはテーパ加工の加工精度に好影響を
与えない問題点がある。
【0008】更に、ワイヤ電極表面、ワイヤ垂直出し治
具のセンサ表面上は常に汚れで覆われ易い。然るに接触
感知は、微弱電流を流して接触・非接触を電流のオン・
オフに変換して検出しているから汚れ自体が電気抵抗値
の異なる特性を生ぜしめ、検出にバラツキを発生させる
結果となる。また、二の方法においては、放電電流を流
して接触検出を行うことは、微弱な放電現象を発生させ
たり、空気中の湿気が接触部に付着している場合は、僅
かながら電解現象を生じさせることになる。かくして放
電を利用して接触検出すること自体が接触部の面状態を
荒らす結果となり、垂直面を有するワークやゲージブロ
ックを繰り返しワイヤ電極の垂直出しのために使用する
ことは測定精度上で問題があり、使用の都度、垂直出し
精度が漸減する問題がある。この点は上述した三の方法
の場合も同じく接触検知ブロックとワイヤ電極との接触
による検知信号に基づくものであることから、何度も接
触検知ブロックを使用すると垂直出しの精度が低下して
いると言う危惧の問題があり、かつ、二および三の方法
共に接触検知ブロックとワイヤ電極との接触検知部で、
ワイヤ電極は直線状態に張設してあるが、このワイヤ電
極は一旦ワイヤボビンに巻かれているものから解巻して
張設したものであるから、ワイヤボビンへの巻付け時に
一旦帯びた曲がり癖やワイヤボビン上でワイヤを跨いで
ワイヤが巻かれるとき、或いはボビンの中で折り返すと
きに生じたいわゆる巻癖は、接触感知部に達した時点で
も完全にはゼロには戻らないから、直線状に張設したワ
イヤ電極も所詮はミクロ的には完全な直線状態ではな
く、このため、ワイヤ電極が高精度の垂直面を有したワ
ークと接触する接触感知部は曲がり癖や巻癖に起因して
一定せず、結果的に垂直出しの検出精度も安定化しない
と言う問題点がある。
【0009】他方、従来のワイヤ電極の垂直出し方法は
共通的に垂直出しの位置決め過程において、例えばワイ
ヤ垂直出し治具や垂直面を有したワークに対して加工に
使用するワイヤ電極を直接接触させるものである。然
し、垂直出しの位置決め工程における接触時のワイヤ電
極の挙動とワークを実際にワイヤ放電加工する場合の挙
動との間には大きな差異が有る。即ち、通常のワイヤ垂
直出し工程では、ワイヤ電極は常温状態にあるが、ワー
クを実際にワイヤ放電加工する場合には、ワイヤ電極は
放電加工熱の発生によって高温状態になっており、ワイ
ヤ電極そのものが熱により脆弱化し、また放電に伴って
ワイヤ表面が荒れたり、消耗したりする。更に、実際の
ワイヤ放電加工では、放電加工現象の促進のため等から
ワイヤ電極が加振されている場合もある。このように、
実際にワークをワイヤ放電加工する過程ではワイヤ電極
の挙動は、極めてダイナミックな状態下に置かれてお
り、垂直出し過程の挙動はこれに対比してスタティック
な状態下にあると一般的に理解されている。このことか
ら、このようなスタティック状態のワイヤ電極の挙動に
基づいて測定し、設定されたワイヤ電極の垂直出し状態
によってワークの実際のワイヤ放電加工を進捗させる場
合には、両者の間の挙動差異によって結局、ワークのワ
イヤ放電加工において高精度の加工結果を得ることは困
難になるという問題がある。
【0010】ワイヤ電極の垂直出しと同様に、ワイヤ電
極を所定の角度に保持して、傾斜穴や傾斜面をワイヤ放
電加工する場合、ワイヤ電極の所定角度出しを行うこと
もある。このときも垂直出しと同じ問題点がある。ワイ
ヤ電極の垂直出しは、このワイヤ電極の所定角度出しの
一つの例とみることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の技術に
おける問題点に鑑みて、本発明は、ワイヤ電極の所定角
度出しに、ワイヤ電極との直接的な接触検知を介在させ
ることなく、しかも、ワイヤ放電加工による実際のワー
クの加工結果をワイヤ電極の所定角度出しに反映させる
ことにより、実用度の高いワイヤ電極の所定角度出しを
おこない得るようにすることを意図するものである。
【0012】すなわち、本発明の目的は、ワイヤ放電加
工機におけるワイヤ電極の所定角度出しに当たって、ワ
ークに対して実際の加工条件と同じ加工条件の下で加工
したワーク加工面を、そのままワイヤ電極の所定角度出
しをする段取りにおいて別に設けた位置検出手段との接
触面に使用し、検出した加工面の位置データから一定の
幾何学的な演算式に基づいて現在のワイヤ電極の傾斜度
のデータを演算し、真の傾斜度に対して補正することに
より、ワイヤ電極の所定角度出しをおこない得るように
したワイヤ放電加工および装置を提供せんとするもので
ある。
【0013】本発明の他の目的は、上述したワイヤ電極
の所定角度出しの過程を自動的に達成することを可能に
すると共に同所定角度出しの補正量を帰還させてワイヤ
放電加工機の所定角度出し精度を向上させた上でワーク
に対する高精度の本加工を実現可能にするワイヤ放電加
工方法および装置を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の発明の目的を達成
するために、本発明は、ワイヤ放電加工機のZ軸方向に
離間配置された一対のヘッド間に張設、走行させたワイ
ヤ電極とワーク取付台に固定したワークとの間でX、Y
軸方向の相対移動を行わせてワークを加工するワイヤ放
電加工方法において、前記一対のヘッドの少なくとも一
つはX、Y軸にそれぞれ平行な補助送り軸U、V軸を有
し、XY平面に対するワイヤ電極の張設角度を所望角度
に設定してワークの加工を行い、前記加工によって得た
加工面のZ軸方向に離間する少なくとも2位置の座標値
を測定し、前記測定した座標値を取り込み、前記ワーク
の加工面の実角度と前記設定した所望角度との角度誤差
を打ち消すようにU、V軸の位置を補正する補正値を自
動演算し、演算結果に基づいてU、V軸の位置補正を行
ってワイヤ電極の張設角度を設定し直し、ワイヤ放電加
工を行うワイヤ放電加工方法を提供するものである。
【0015】また、本発明によれば、ワイヤ放電加工機
のZ軸方向に離間配置された一対のヘッド間に張設、走
行させたワイヤ電極とワーク取付台に固定したワークと
の間でX、Y軸方向の相対移動を行わせてワークを加工
するワイヤ放電加工装置において、前記一対のヘッドの
少なくとも一つをX、Y軸方向と平行な方向にそれぞれ
移動させる補助送り軸であるU軸およびV軸と、ワイヤ
電極の張設角度を所望角度に設定してワークの加工を行
い、加工した加工面のZ軸方向に離間する少なくとも2
位置で測定した座標値を入力する入力手段と、前記ワー
クの加工面を測定した座標値を取り込み、前記ワークの
加工面の実角度と前記設定した所望角度との角度誤差を
打ち消すように、U、V軸の位置を補正する補正値を自
動的に演算する演算手段と、前記演算手段で演算した補
正値を用いて前記U、V軸の位置補正を行う補正手段
と、を具備したワイヤ放電加工装置が提供される。
【0016】上述のように、本発明の構成によれば、ワ
ークの実際の加工面を用い、同加工面上の予め指定され
た二位置の位置座標を位置検出手段で接触検出し、検出
した上記二位置の位置座標と予め既知量として格納され
た一対のヘッドのそれぞれのワイヤ電極案内位置の座標
値やヘッドのワイヤ電極案内位置座標とワーク取付台の
ワーク搭載面との距離データ等から簡単な幾何学的相似
関係の等式を介して実際に加工したワーク加工面の傾斜
度を演算し、この演算結果に基づいて一対のヘッドの位
置をU軸とV軸を用いて補正し、それによって案内、位
置決めされるワイヤ電極を真の傾斜姿勢の状態に向けて
補正するようにしたから、ワイヤ電極の所定角度出しに
ワイヤ電極自体が関与することはなく、しかも実際にワ
イヤ放電加工したワークの加工面の測定を介してワイヤ
電極の所定角度出しを行うことから、ワイヤ電極の実際
の放電加工における作動状態を取り入れた所定角度出し
を行うことが可能となったものである。故に、このよう
にして所定角度出しをしたワイヤ電極によりワークの実
際の加工を行うことから高精度の放電加工精度を得るこ
とが可能となるのである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に示す実
施形態に基づいて更に詳細に説明する。なお、本実施形
態では、ワイヤ電極の所定角度出しとして垂直出しを例
にあげて説明するが、他の任意角度出しでも考え方は同
じである。図1は、本発明に係るワイヤ電極垂直出し機
能を備えたワイヤ放電加工機の要部の構成を示したブロ
ック図、図2は、ワイヤ放電加工機の一対の位置決めヘ
ッドにより真の垂直出し状態からずれた状態に保持、設
定されているワイヤ電極がワークを放電加工した状態を
示すワイヤ放電加工部における略示断面図、図3(イ)
および(ロ)は、図2のワイヤ電極で加工したワークの
加工面の測定を介してワイヤ電極の垂直出し方法を実施
する場合の測定、演算原理を説明する図2と同様の断面
図、図4は、ワークの加工面がテーパ状に加工された場
合の断面図、図5は、ワーク加工面の垂直度の測定を介
してワイヤ電極垂直出し過程を実施するための自動測
定、演算フローを説明するフローチャートである。
【0018】まず、図1を参照すると、同1図は、縦型
のワイヤ放電加工機として構成された実施形態を示して
おり、このワイヤ放電加工機は、ワーク取付台10を挟
んだ上下の位置に一対のワイヤ電極位置決め用のヘッド
14、16(以下、単に上ヘッド14および下ヘッド1
6と記載する)を有し、ワーク取付台10の上面10a
が加工対象である被加工物、すなわちワークWの搭載面
を成している。そして、このワーク搭載面10a上に搭
載されたワークWは周知の適宜のクランプ装置によって
放電加工々程では不動に固定される。
【0019】通常、ワーク取付台10は互いに直交する
二軸、X軸およびY軸の方向に沿って送り移動可能に構
成され、この二軸方向におけるワーク取付台10の送り
移動は、送りモータMxを備えたX軸送り機構(図示
略)および送りモータMyを備えたY軸送り機構(図示
略)の駆動によっておこなわれ、従って、該ワーク取付
台10の上面10aに固定されたワークWはX軸、Y軸
によって定まる平面内を移動し得るように構成されてい
る。
【0020】他方、本実施形態においては、上下ヘッド
14、16は、ワイヤ電極18を例えば、上ヘッド14
から下ヘッド16に向けて案内、走行させ、この間にワ
ーク取付台10のワークWに放電加工を施す放電加工領
域を通過するように設けられており、ワイヤ電極18自
体は、図示されていない供給リールから適宜数の案内ロ
ーラ等を経て上ヘッド14に達し、また下ヘッド16を
通過後に再び適宜の案内ローラを経てワイヤ放電加工機
の機側に設けられた回収箱等に回収されるような周知の
構成で設けられている。ここで、図示のように、一対の
上下ヘッド14、16における一方のヘッド、本例では
上ヘッド14が上記の直交配置のX軸、Y軸によって形
成される平面に対して垂直に直交するZ軸方向に移動可
能に、かつ同X軸、Y軸と平行なU軸およびV軸の両方
向にも移動可能に構成されている。この上ヘッド14の
Z軸方向に送る移動は、ワイヤ放電加工機の機台に設け
られZ軸方向のガイド(図示なし)に沿って遂行され、
このZ軸方向の送り移動は駆動モータMzを有したZ軸
送り機構(図示なし)によって駆動される。このような
上ヘッド14の上下送り移動は、下ヘッド16との間の
相互距離をワークWのワーク搭載面10aからの高さ寸
法等に応じて適正なワイヤ電極18の緊張状態を得るた
めに付与されるもので、下ヘッド16は、不動位置に維
持される構成となっている。
【0021】更に上ヘッド14のU軸およびV軸の二軸
方向の送り移動は、U軸駆動モータMuおよびV軸駆動
モータMvを備えたU軸送り機構およびV軸送り機構
(図示なし)を介して駆動され、上ヘッド14を、X
軸、Y軸によって形成される平面と平行なU軸、V軸に
よって形成される他の平面内で移動されることにより、
周知のようにワイヤ電極18に垂直状態からの傾角を付
与してワークWに対してワイヤ放電加工による傾斜加工
やテーパ加工を行うことができるようになっている。
【0022】さて、本発明においては、上ヘッド14に
位置検出手段、例えば、接触検知型のタッチセンサから
成る位置検出手段20が備えられ、この位置検出手段2
0は接触センサ部22と検出信号送出部24とを具備し
て構成され、上ヘッド14の例えば、一側面に矢印Rで
示すように、測定位置(図1に図示の位置)と退避位置
(図1に図示の位置から上方に後退した位置)との間で
進退可能に設けられ、この進退動作は、手動によっても
良く或いは適正な駆動モータを内蔵した構成で上ヘッド
14に装着されても良い。
【0023】さて、上述のワイヤ放電加工機は、上述し
た上下ヘッド14、16によって案内、位置決めされる
ワイヤ電極18が放電加工領域を通過する間に、ワーク
取付台10に固定されたワークWとの間で放電現象を利
用して放電加工を遂行し、かつワーク取付台10のX
軸、Y軸の両方向送り移動に応じてワークWに対して所
定のNC加工プログラム34に従う送り移動を与え、所
望の加工面をワークWに加工、形成するようになってい
る。そして、NC加工プログラム34は、周知のごとく
NC装置30を介して実行され、同NC装置30は、上
記X軸、Y軸の両方向送り移動に加えて、Z軸、U軸、
V軸の三軸方向の送り移動も制御する構成を有してい
る。
【0024】ここで、本発明によるワイヤ放電加工機
は、ワイヤ電極18の垂直出し、つまり、本実施形態の
縦型のワイヤ放電加工機の場合には、ワークWが載置、
固定されるワーク取付台10のワーク取付け面(上面)
10aを含むX軸、Y軸により形成される平面(縦型で
は水平面)と平行な水平面に対して垂直方向に交叉する
垂直方向にワイヤ電極18が上ヘッド14から下ヘッド
16に向けて走行するように設定するための垂直出しを
簡単に自動的に遂行する機能が設けられいる。
【0025】すなわち、本実施形態では、既述した位置
検出手段20に加えて同位置検出手段に接続した入力手
段36、同入力手段36に接続され後述する一定の幾何
学的相似関係に基づく演算式に従ってワイヤ電極垂直出
しのための演算をおこなう演算手段38、ワイヤ電極1
8の垂直出しを実行するための既知データを上記の演算
手段38および後述する測定制御部に供給するために記
憶している測定情報記憶手段40、ワイヤ電極18の垂
直出しの測定工程を一定の測定プログラムに従って制御
する測定制御手段42、上記の演算手段38の後段に設
けられ、演算結果からワイヤ電極18の真の垂直状態か
らの誤差ないしずれ分を補正するための補正量を見出
し、これをNC装置30に送入する補正手段44等を備
え、これらの諸手段によって以下に詳述するワイヤ電極
の垂直出しが実行可能に構成されている。
【0026】なお、NC装置30にはディスプレイ32
が備えられ、同ディスプレイ32にはワークWの加工面
の垂直度を測定することを介してワイヤ電極18の垂直
出しの補正量を見だす過程で必要なデータ量を表示し、
また、補正値を表示し得るようになっている。また、位
置検出手段20をワークWの被測定箇所に自動的に接触
させるのではなく、作業者がダイヤルゲージや電気マイ
クロメータ等の測定器を上ヘッド14に取付けて、ワー
クWの被測定箇所に手動操作で接触させ、位置座標を測
定する場合もある。この場合は、位置検出手段20から
の検出座標値の入力手段36への自動入力に代えて、手
動測定座標値を入力手段36へキーインすることもでき
る。
【0027】以下に、上述したワイヤ電極18の垂直出
し機能を遂行するための諸手段を用いた本発明の実施形
態に係るワイヤ電極垂直出し方法の作用原理を説明す
る。先ず、本発明の重要な特徴点として、ワイヤ放電加
工機のワイヤ電極18を上下ヘッド14、16間で垂直
出しを行うに当たり、ワークWを現在上下ヘッド14、
16間に現状の垂直出し条件の下で垂直状態に設定、保
持されて走行送りされるワイヤ電極18を用いて一つの
縦加工面を実際にワークWを加工する時に実行する加工
プログラムに従って、放電加工により加工を施す。この
縦加工面は、ワイヤ電極18が現状の垂直出し条件の下
で真の垂直度を有した状態に設定されていれば、当然に
X軸、Y軸の二軸で形成される平面に対して垂直な縦平
面として加工されている。然しながら、現状の条件下で
設定されたワイヤ電極18の垂直出し状態が真の垂直度
からずれて倒れた状態に設定されていれば、このような
ワイヤ電極18によって実加工されたワークWの加工面
は真に垂直な縦平面としては加工、形成されていないこ
とになる。そして、この場合には、ワイヤ電極18の垂
直度が真の垂直方向から倒れて設定されていれば、その
倒れ角度に呼応して垂直な縦平面から倒れた平面として
形成されていることに着目し、この加工面としての縦平
面の真の垂直度からの倒れを先ず、位置検出手段20に
よって接触検出する方法をとるものである。
【0028】図2は、このように上下ヘッド14、16
の内部において通常、宝石軸受等から形成されたワイヤ
電極通路の開口位置として設けられるワイヤ電極案内位
置決め点G1、G2における上ヘッド14のワイヤ電極
案内位置決め点G1が図示の破線で示した真の垂直度に
よりワイヤ電極18を案内、保持する設定位置から実線
で示す微小な誤差を有した設定位置にずれて位置決めさ
れ、その結果、ワイヤ電極18によって実際の加工プロ
グラムに従って放電加工されたワークWの加工面Wa
は、真に垂直な縦平面からは倒れて形成されていること
を分かり易くすべく、極端に図示したものである。な
お、ワークWはワーク取付台10の上面10a(水平な
基準平面を成している)に適宜のクランプ装置10bを
用いて固定され、実際の放電加工工程と同様な加工条件
下で加工されており、このため、ワイヤ電極18も実際
のワーク放電加工の場合と同様な動作過程を経ているも
のである。
【0029】このようなワークWに対する加工面Waの
形成後に先ず、この加工面Waの垂直度の測定が実行さ
れ、次いで、その測定結果からワイヤ電極18の真の垂
直度からのずれ量を見だす垂直出し工程が実行される。
図3の(イ)および(ロ)は、このワークWの加工面W
aの垂直度の測定結果に基づいてワイヤ電極18の垂直
度からのずれを見出し、次いで、上下ヘッド14、16
に対してワイヤ電極18を真の垂直状態に垂直出しする
過程の原理を説明するための略示断面図である。
【0030】まず、ワークWの加工面Waの垂直度は、
上ヘッド14の側面等に装着された前述の位置検出手段
20(図1参照)によって遂行される。すなわち、この
場合には、ワークWの加工面Waにおける予め指定され
た縦方向に隔たる二点の位置a、bの座標値を位置検出
手段20によって測定することから開始される。
【0031】この場合に、指定された二点の位置a、b
の位置データにおける両位置の隔たり量のデータは、例
えば、基準面となるワーク取付台10の上面10aから
Z軸に沿った上方への高さデータA、Bとして予め既述
した測定情報記憶手段40に格納されている。そして、
測定情報記憶手段40から測定制御手段42により上記
A、Bの値が読み出され、測定制御手段42はNC装置
30を介して上ヘッド14およびワーク取付台10を相
対的にX軸、Y軸、Z軸方向に沿って駆動し、最初に位
置検出手段20の測定子22を基準位置である所定の測
定開始点に位置決めする。この測定開始点からそれぞれ
の指定された測定位置a、bへ位置検出手段20の測定
子22の先端を接触させるべく上ヘッド14を駆動して
該位置検出手段20を移動させ、測定位置a、bに接触
した場合(図3の(イ)はこのような測定子22の点
a、bでの接触状態を示している)の位置座標のデータ
を入力手段36に入力するものである。このとき、実際
には、高さデータA、Bは、Z軸方向の座標値として既
知量であるから、実際にはX軸座標、Y軸座標のデータ
の読取りを行う。なお、位置測定手段20の測定子22
をワーク加工面Waの二点位置a、bに接触させる場合
には、上述したX軸、Y軸、Z軸方向に沿ってそれぞれ
の軸送り機構により送り移動させることに代えて、上ヘ
ッド14のみをZ軸送り機構、U軸送り機構、V軸送り
機構を用いてワーク取付台10上のワークWに対して相
対的に移動させるようにしても良い。その場合の各軸の
移動量は、Z軸スケールおよびU軸スケールおよびV軸
スケール(図示なし)からワーク加工面Waの二点の位
置の座標データを読み取ることになる。
【0032】なお、位置検出手段20は、ワイヤ放電加
工機の機体に備えられてワーク取付台10のX軸、Y軸
方向の送り量を示すX軸、Y軸スケール(図示なし)お
よび上ヘッド14のZ軸方向の送り量を示すZ軸スケー
ル、同じく該上ヘッド14のU軸およびV軸方向の送り
量を示すU軸スケール、V軸スケール等のスケール値を
位置検出手段20の測定子22がワーク加工面Wa上の
指定された二点a、bに接触したときに発する接触検出
信号を受信した時にスケール読み出しを行う手段も含ん
でおり、検出した座標データを入力手段36に入力す
る。
【0033】さて、測定情報記憶手段40には、既述し
たワーク加工面Waの指定された二点位置a、bの高さ
データA、Bと共に、既知量として位置検出手段20の
測定子の長さデータ、同測定子22が検出位置にある場
合に同位置の上ヘッド14に対する相対的な装着位置、
ワークWの加工面Waを実際に加工する際の上、下ヘッ
ド14、16のワイヤ電極案内位置決め点G1、G2の
ワーク取付台10の上面10aからのそれぞれの距離デ
ータPu、Pd(図3(ロ)参照)、ワークWの最上面
の上面10aに対する高さデータH(図3(ロ)参
照)、既述した測定開始点の座標値(X,Y,Z)、測
定子22が測定開始点からワーク加工面Waに向けて測
定移動する場合の座標系における正逆方向(±X,±
Y,±Z)、ワーク加工面Waの測定点の測定回数等の
諸データ、後述する演算式等が格納されている。
【0034】上述したワーク加工面Waにおける指定さ
れた二点位置a、bの接触検出による位置測定によって
同二点位置a、bの座標データが検出されると、この二
点位置a、bの得られた座標データに従って同加工面W
aの垂直度が演算される。ここで、図3の(ロ)に示す
ように、上下ヘッド14、16がワークWを加工した際
のそれぞれのワイヤ電極案内位置決め点G1、G2の位
置をd点、e点、上ヘッド14のワイヤ電極案内位置決
め点G1が真の垂直出し状態にある場合の位置をf点、
点bから点aと同じ高さ位置まで引き上げた位置を点c
とすると、△abc∝△defのように、相似三角形の
関係があることは明らかである。
【0035】従って、この相似三角形の関係から、 (ac)/(bc)=(df)/(ef) ・・・・(1) ∴ (df)=(ac)×(ef)/ bc ・・・・(2) (2)式において、(bc)=A−B(既知量)、 (ac)=測定によって求まる加工面Waの真の垂直面
からの倒れ量に相当し、測定値、 (ef)=Pd+Pu(既知量)、 をそれぞれ代入すると、(df)の値が求まる。
【0036】この場合に、(df)は、ワイヤ電極18
をワークWの加工時の垂直出し状態からワーク加工面W
aの垂直度の測定結果に基づいて真の垂直出し状態とな
る位置に修正するために、上ヘッド14のワイヤ電極案
内位置決め点G1をU軸およびV軸の軸各方向における
移動送りを利用して修正すべき量Cを示す。かくして、
上記の三角形の相似条件の関係から得た等式(1)、
(2)を予め測定情報記憶手段40に記憶し、上述した
既知量と共に演算手段38に読み出して演算を実行す
る。この場合に、上記(ac)の測定値は、位置検出手
段20によって得た点a、bの座標データから引算によ
り簡単に求められる値であって、演算手段38で簡単に
算出することができる値である。
【0037】入力手段20にワーク加工面Waの二位置
a、bの手動測定座標値を入力する方法であっても、演
算手段38内の演算は同様に自動的に行われる。また、
一般的に、ワーク加工面WaのZ軸方向に離間した二位
置a、bの座標測定は、XZ平面およびYZ平面でそれ
ぞれ行い、計4ケ所で行う。しかし、ワーク加工面Wa
が、例えばワイヤ電極を垂直に設定して正方形断面の穴
を加工したとき、図4のように、テーパ状に加工される
ことがある。この場合は、XZ平面において、対向する
二点a、bおよびa’、b’点の4ケ所を測定し、傾斜
角度の平均値を求めてZ軸方向二位置の座標値として採
用する。YZ平面においても4ケ所を測定し、平均化し
て採用する。このようにワーク加工面Wa上の位置測定
は、計8ケ所測定することもある。
【0038】以上の演算手段38による演算結果に基づ
いて上下ヘッド14、16における上ヘッド14のワイ
ヤ電極案内位置決め点G1の位置を修正する補正量が補
正手段14に送られる。この補正手段44は、NC装置
30に補正指令を送り、同NC装置30を介して上ヘッ
ド14をU軸送り機構およびV軸送り機構の各駆動モー
タMu、Mvの駆動によってワイヤ電極18の真の垂直
出し位置へ修正送り動作させる。同時に、この修正結果
に基づく上下ヘッド14、16の位置は、NC装置30
内のRAM手段(図示なし)等からなる記憶手段に従前
のワイヤ電極垂直出しデータを書き換えるデータとして
格納される。
【0039】なお、上述したワークWの加工面Waの垂
直度を測定し、演算手段38の演算により究極的に上下
ヘッド14、16によるワイヤ電極18の垂直出しのた
めの補正量を求める測定工程におけるワーク取付台10
のX軸、Y軸方向における送り移動または上ヘッド14
のU軸、V軸方向における送り移動やそれぞれの手段間
における信号の授受は、測定制御手段42によって一括
的に自動的に制御される構成になっている。
【0040】また、NC装置30のディスプレイ32
は、上述したワイヤ電極垂直出しの補正データを現在の
上下ヘッド14、16の位置決めデータとして作業者に
表示することが可能である。なお、図5は、上述したワ
イヤ電極18の垂直出しを、ワークWの実際の加工面W
aを加工し、その加工面Waの垂直度を測定することに
より、ワイヤ電極18の案内、保持する上下ヘッド1
4、16のそれぞれの位置決め点G1、G2の位置関係
を修正してワイヤ電極を現在の垂直出し状態から真の垂
直出し状態へ位置決めする測定、演算過程をフローチャ
ートで示したものである。以上の実施形態の説明におい
て、ワイヤ電極の垂直出しを行う過程でワークWの加工
面Waをワイヤ電極をそのまま用いて加工する場合に、
同ワークの加工面Waは、ワイヤ電極の垂直出しをおこ
なうための測定用途に供するために加工した加工面であ
っても、ワークWに実際に加工を施す際に、複数の加工
面を加工する段階で、最初に加工した加工面をワイヤ電
極の垂直出しのための測定用途に流用するものであって
も良い。
【0041】また、上述の説明はワイヤ電極が縦方向に
上下のヘッド間に張設される場合のワイヤ電極垂直出し
について記載したが、ワイヤ電極が水平面に平行に一対
の左右ヘッドによって張設される場合の横型ワイヤ放電
加工機におけるワイヤ電極を鉛直面に対して垂直な方向
に位置決めする垂直出しにも同様に適用可能であること
は自明である。
【0042】
【発明の効果】以上の実施形態の記載を介して明らかな
ように、本発明によれば、ワイヤ電極の所定角度出しを
ワークに、現在ワイヤ電極案内位置決めヘッドで安定、
保持したワイヤ電極の所定角度出し状態のままで実際の
ワーク加工工程と同じ加工プログラムに従って実加工を
施し、その加工結果の加工面の傾斜度を測定することを
介してワイヤ電極の位置決めヘッドの位置を補正し、ワ
イヤ電極を現在の所定角度出し状態から真の所定角度出
し状態に向けて補正するようにしたことから、ワイヤ電
極が実際に放電加工を遂行する際のダイナミックな作動
状態を確実に反映したワイヤ電極の所定角度出しが達成
可能となる。そして、所定角度を垂直と見たててワイヤ
電極の垂直出しをおこなったワイヤ電極の垂直出し状態
は、ワークの垂直面を加工する場合のワイヤ電極のワー
クに対する垂直性を向上させて加工面の倒れ誤差を防止
し得ると共に、このような高精度の垂直出し状態を基準
にしてU軸、V軸による所定の傾角θをワイヤ電極に付
与することにより、高精度の傾斜加工やテーパ加工をワ
ークに施すことが可能になる。故に、かかるワイヤ電極
所定角度出し結果を利用して遂行されるワークの加工精
度を全体的に著しく向上させることが可能になり、実用
度の高いワイヤ電極所定角度出しが得られることにな
る。
【0043】しかも、本発明によれば、ワイヤ電極の所
定角度出しを作業者の手操作をほとんど介在させない
で、また完全に自動的に遂行し得ることから、ワイヤ放
電加工のワークの加工条件の変更、ワーク材質の変更、
ワークの加工寸法の変更等、種々の加工変更場面で簡単
にワイヤ電極の所定角度出しを行うことが可能となる。
しかもワークに試し加工により形成した加工面や多数の
加工面領域における最初の一つの加工面領域を利用する
ことで、現在のワイヤ電極の所定角度出し状態が真の傾
斜状態からどれ程ずれているかを簡単に測定し、かつ補
正をすることが可能であることから、高精度のワーク加
工製品を安価なコストで得ることが可能となる。
【0044】また、本発明によるワイヤ電極の所定角度
出し方法では、ワイヤ電極自体をワイヤ電極の傾斜度の
測定に用いていないことから、ワイヤ電極に不可避的に
内在する曲がり癖や折れ癖等に起因した測定誤差要因の
介在が低減でき、故に、ワイヤ電極の所定角度出しの高
精度化を達成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るワイヤ電極垂直出し機能を備えた
ワイヤ放電加工機の要部の構成を示したブロック図であ
る。
【図2】ワイヤ放電加工機の一対の位置決めヘッドによ
り真の垂直出し状態からずれた状態に保持、設定されて
いるワイヤ電極がワークを放電加工した状態を示すワイ
ヤ放電加工部における略示断面図である。
【図3】(イ)および(ロ)の図は、図2に示したワイ
ヤ電極で加工したワークの加工面の測定を介してワイヤ
電極の垂直出し方法を実施する場合の測定と演算原理を
説明する図2と同様の断面図である。
【図4】ワークの加工面がテーパ状に加工された場合の
断面図である。
【図5】ワーク加工面の垂直度の測定を介してワイヤ電
極垂直出し工程を実施するための自動的な測定、演算フ
ローを説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10…ワーク取付台 10a…ワーク搭載面(上面) 14…上ワイヤ電極位置決めヘッド 16…下ワイヤ電極位置決めヘッド 18…ワイヤ電極 20…位置検出手段 22…測定子 30…NC装置 36…入力手段 38…演算手段 40…測定情報記憶手段 42…測定制御手段 44…補正手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤ放電加工機のZ軸方向に離間配置
    された一対のヘッド間に張設、走行させたワイヤ電極と
    ワーク取付台に固定したワークとの間でX、Y軸方向の
    相対移動を行わせてワークを加工するワイヤ放電加工方
    法において、 前記一対のヘッドの少なくとも一つはX、Y軸にそれぞ
    れ平行な補助送り軸U、V軸を有し、XY平面に対する
    ワイヤ電極の張設角度を所望角度に設定してワークの加
    工を行い、 前記加工によって得た加工面のZ軸方向に離間する少な
    くとも2位置の座標値を測定し、 前記測定した座標値を取り込み、前記ワークの加工面の
    実角度と前記設定した所望角度との角度誤差を打ち消す
    ようにU、V軸の位置を補正する補正値を自動演算し、 演算結果に基づいてU、V軸の位置補正を行ってワイヤ
    電極の張設角度を設定し直し、ワイヤ放電加工を行うこ
    とを特徴としたワイヤ放電加工方法。
  2. 【請求項2】 前記U、V軸の位置を補正する補正値の
    自動演算は、前記一対のヘッドの各ワイヤ電極案内装置
    と前記ワーク取付台のワーク固定面とのそれぞれの距離
    データを予め既知のデータとして取り込み、 前記測定した位置データと前記予め取り込んだ既知デー
    タとを幾何学的相似関係から定まる等式に導入して算出
    する請求項1に記載のワイヤ放電加工方法。
  3. 【請求項3】 ワイヤ放電加工機のZ軸方向に離間配置
    された一対のヘッド間に張設、走行させたワイヤ電極と
    ワーク取付台に固定したワークとの間でX、Y軸方向の
    相対移動を行わせてワークを加工するワイヤ放電加工装
    置において、 前記一対のヘッドの少なくとも一つをX、Y軸方向と平
    行な方向にそれぞれ移動させる補助送り軸であるU軸お
    よびV軸と、 ワイヤ電極の張設角度を所望角度に設定してワークの加
    工を行い、加工した加工面のZ軸方向に離間する少なく
    とも2位置で測定した座標値を入力する入力手段と、 前記ワークの加工面を測定した座標値を取り込み、前記
    ワークの加工面の実角度と前記設定した所望角度との角
    度誤差を打ち消すように、U、V軸の位置を補正する補
    正値を自動的に演算する演算手段と、 前記演算手段で演算した補正値を用いて前記U、V軸の
    位置補正を行う補正手段と、を具備することを特徴とし
    たワイヤ放電加工装置。
  4. 【請求項4】 ワークに対してX、Y、Z軸方向の相対
    移動が可能な部位に設けられ、ワークの加工面上の位置
    座標を自動的に検出可能な位置検出手段を更に具備し、
    前記位置検出手段の検出結果を前記入力手段に入力する
    ように構成した請求項3に記載のワイヤ放電加工装置。
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