JPH11318380A - 麦茶風味を有する食品材料の製造方法 - Google Patents

麦茶風味を有する食品材料の製造方法

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JPH11318380A
JPH11318380A JP10152096A JP15209698A JPH11318380A JP H11318380 A JPH11318380 A JP H11318380A JP 10152096 A JP10152096 A JP 10152096A JP 15209698 A JP15209698 A JP 15209698A JP H11318380 A JPH11318380 A JP H11318380A
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JP
Japan
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barley
barley tea
food material
product
weight
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JP10152096A
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Tetsuya Fukaya
哲也 深谷
Akitaka Muraoka
明高 村岡
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Kagome Co Ltd
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Kagome Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】焙煎麦或はこれから麦茶を製造するときに副生
する麦茶殻を可能な限り有効活用して、麦茶風味を有す
る複合的香味の新規食品材料を得ることができる方法を
提供する。 【解決手段】焙煎麦の加水物或は焙煎麦から麦茶を製造
するときに副生する麦茶殻の加水物を加熱し、熱時でス
クリュープレスにより圧搾して、圧搾物を得た後、この
圧搾物を有機酸発酵するか、又は焙煎麦の加水物或は焙
煎麦から麦茶を製造するときに副生する麦茶殻の加水物
を有機酸発酵して、発酵物を得た後、この発酵物を加熱
し、熱時でスクリュープレスにより圧搾した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は麦茶風味を有する食
品材料の製造方法に関する。焙煎麦から麦茶を製造する
ことが行なわれる。そしてかかる麦茶の製造では、その
製造残渣として、大量の麦茶殻が副生する。本発明は上
記のような焙煎麦或は麦茶殻から麦茶風味を有する新規
の食品材料を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のような焙煎麦は、専ら麦茶
の製造原料として利用されているのが実情である。また
上記のような麦茶殻は、特に有効利用の途がなく、その
処分に困っているのが実情である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、専ら麦茶の製造原料として利用されている
焙煎麦或はその処分に困っている麦茶製造残渣としての
麦茶殻を可能な限り有効活用して、麦茶風味を有する新
規の食品材料を得る方法を提供する処にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する本
発明は、焙煎麦の加水物或は焙煎麦から麦茶を製造する
ときに副生する麦茶殻の加水物を加熱し、熱時でスクリ
ュープレスにより圧搾した後、その圧搾物を有機酸発酵
することを特徴とする麦茶風味を有する食品材料の製造
方法に係る。また本発明は、焙煎麦の加水物或は焙煎麦
から麦茶を製造するときに副生する麦茶殻の加水物を有
機酸発酵した後、その発酵物を加熱し、熱時でスクリュ
ープレスにより圧搾することを特徴とする麦茶風味を有
する食品材料の製造方法に係る。
【0005】本発明では、焙煎麦或はこれから麦茶を製
造するときに副生する麦茶殻に加水する。焙煎麦から麦
茶を製造するとき、製造残渣として、焙煎麦のほぼ2重
量倍程度に相当する麦茶殻(水分40〜60重量%程
度)が副生するが、本発明では、焙煎麦だけではなく、
かかる麦茶殻をも利用することができる。本発明では、
後の処理をし易くするため、かかる焙煎麦或は麦茶殻に
加水する。加水の程度は特に制限されないが、焙煎麦に
対しては1.5〜7.0重量倍(焙煎麦を含む全体とし
ては2.5〜8.0重量倍となる量)とするのが好まし
く、また麦茶殻に対しては0.5〜3重量倍(麦茶殻を
含む全体としては1.5〜4重量倍となる量)とするの
が好ましい。
【0006】本発明は、上記のような加水物を加熱し、
熱時でスクリュープレスにより圧搾した後、その圧搾物
を有機酸発酵する場合と、上記のような加水物を有機酸
発酵した後、その発酵物を加熱し、熱時でスクリュープ
レスにより圧搾する場合とを包含する。
【0007】先ず、先に圧搾し、後で有機酸発酵する場
合について説明する。この場合には、上記のような加水
物を通常は55℃以上、好ましくは70〜95℃に加熱
する。焙煎麦或は麦茶殻に由来する澱粉粒を充分に糊化
して、後のスクリュープレスによる圧搾を効率的に行な
うためである。そして加熱した加水物をそのまま熱時で
スクリュープレスに供して圧搾し、溶液分として圧搾物
を得る。加熱した加水物をそのまま熱時で、したがって
焙煎麦或は麦茶殻に由来する澱粉粒を糊化した状態でス
クリュープレスに供することが肝要であり、一旦は澱粉
粒を糊化しても、糊化した澱粉が老化するような温度条
件下でスクリュープレスに供したのでは、得られる圧搾
物の歩留まりが低い。スクリュープレスに代えて例えば
遠心分離機を用いることも考えられるが、この場合には
澱粉含有量の低い圧搾物しか得られず、その歩留まりも
低い。スクリュープレスは、通常はメッシュサイズ0.
3〜5mm、好ましくは0.5〜1.5mmのバレルを着装
したものを用いる。澱粉含有量が高く、焙煎麦或は麦茶
殻の断片等を含まない、麦茶風味を有する高品質の圧搾
物を高歩留まりで得るためである。
【0008】本発明においてメッシュサイズとはバレル
に開けた孔の直径を意味する。スクリュープレスに着装
するバレルにはその全表面に対する開孔率5〜50%程
度で多数の固液分離用の孔が穿設されているが、本発明
においてメッシュサイズはかかる孔の直径である。加熱
した加水物をそのまま熱時で、通常はメッシュサイズ
0.3〜5mm、好ましくは0.5〜1.5mmのバレルを
着装したスクリュープレスに供し、通常はその出口圧力
0.1〜20kgf/cm2で圧搾して、溶液分として圧搾物
を得るのである。
【0009】焙煎麦或は麦茶殻から圧搾物を得るときに
副生する製造残渣(スクリュープレスから排出される固
形分)は、焙煎麦から麦茶を製造するときに副生する製
造残渣(麦茶殻)に比べ、重量換算でほぼ1/4以下と
なる。したがって焙煎麦或は麦茶殻の大半を圧搾物とし
て有効活用でき、この圧搾物は、澱粉含有量が高く、麦
茶特有の風味を有する。
【0010】かくして得た圧搾物を有機酸発酵する。有
機酸発酵の種類、形態、条件等は特に制限されないが、
コウジ酸発酵或は乳酸発酵が好ましく、コウジ酸発酵は
コウジ菌としてアスペルギルス オリーゼ、例えばIF
O4075、4078、4079等を用い、また乳酸発
酵は乳酸菌としてリゾープス オリーゼ、例えばIFO
4705、4716、4804等を用いるのが特に好ま
しい。圧搾物を、アスペルギルス オリーゼでコウジ酸
発酵すると、一般にトウモロコシ澱粉を同様にコウジ酸
発酵する場合に比べ、コウジ酸の生成が多い。また圧搾
物を、リゾープス オリーゼで乳酸発酵すると、一般に
トウモロコシ澱粉を同様に乳酸発酵する場合に比べ、乳
酸以外のリンゴ酸やフマル酸の生成が特異的に多い。か
かる有機酸発酵に際しては、圧搾物に予め緩衝剤、例え
ば炭酸カルシウムを加えておくのが好ましく、また必要
に応じて他の発酵助材、例えば糖類を加えておくのが好
ましい。
【0011】次に、先に有機酸発酵し、後で圧搾する場
合について説明する。この場合には、前記のような加水
物を有機酸発酵する。有機酸発酵それ自体は、圧搾物を
有機酸発酵する場合について前述したことと同様であ
る。そして有機酸発酵した発酵物を加熱し、熱時でスク
リュープレスにより圧搾する。かかる圧搾それ自体も、
加水物を圧搾する場合について前述したことと同様であ
る。圧搾により、焙煎麦或は麦茶殻の断片等を含まな
い、麦茶風味を有する食品材料を高歩留まりで得ること
ができる。
【0012】焙煎麦或は麦茶殻の加水物を加熱し、熱時
でスクリュープレスにより圧搾した後、その圧搾物を有
機酸発酵する場合も、また焙煎麦或は麦茶殻の加水物を
有機酸発酵した後、その発酵物を加熱し、熱時でスクリ
ュープレスにより圧搾する場合も、麦茶風味を有する複
合的香味の新規食品材料を得ることができる。この食品
材料は新規の食品素材として利用価値が高い。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係る麦茶風味を有する食
品材料の製造方法としては、次の1)〜18)が挙げら
れる。 1)焙煎麦から麦茶を製造するときに副生する製造残渣
としての麦茶殻100重量部に水100重量部を加え
(麦茶殻に対し1重量倍加水)、混合して加水物を調製
する。この加水物を90℃に加熱し、そのまま熱時で、
メッシュサイズ0.5mmのバレルを着装したスクリュー
プレスで圧搾し、圧搾物を得る。この圧搾物に緩衝剤と
して炭酸カルシウム水性液を加え、加熱殺菌して冷却し
た後、予め馴養しておいたリゾープス オリーゼを加え
て、雑菌汚染を防止しつつ、常温下で数日間の振とう培
養により乳酸発酵し、麦茶風味を有する食品材料を得る
方法。
【0014】2)麦茶殻100重量部に水150重量部
を加えること以外は前記1)と同様にして麦茶風味を有
する食品材料を得る方法。 3)麦茶殻100重量部に水200重量部を加えること
以外は前記1)と同様にして麦茶風味を有する食品材料
を得る方法。
【0015】4)加水物を75℃に加熱すること以外は
前記1)と同様にして麦茶風味を有する食品材料を得る
方法。 5)加水物を85℃に加熱すること以外は前記1)と同
様にして麦茶風味を有する食品材料を得る方法。
【0016】6)メッシュサイズ1.0mmのバレルを着
装したスクリュープレスで圧搾すること以外は前記1)
と同様にして麦茶風味を有する食品材料を得る方法。 7)メッシュサイズ1.5mmのバレルを着装したスクリ
ュープレスで圧搾すること以外は前記1)と同様にして
麦茶風味を有する食品材料を得る方法。
【0017】8)圧搾物に緩衝剤として炭酸カルシウム
水性液及び他の発酵助剤としてコーンスティプリカ水性
液を加えること以外は前記1)と同様にして麦茶風味を
有する食品材料を得る方法。
【0018】9)焙煎麦から麦茶を製造するときに副生
する製造残渣としての麦茶殻100重量部に水100重
量部を加え(麦茶殻に対し1重量倍加水)、混合して加
水物を調製する。この加水物を90℃に加熱し、そのま
ま熱時で、メッシュサイズ0.5mmのバレルを着装した
スクリュープレスで圧搾し、圧搾物を得る。この圧搾物
に水を加え、加熱殺菌して冷却した後、予め馴養してお
いたアスペルギルスオリーゼを加えて、雑菌汚染を防止
しつつ、常温下で数日間の振とう培養によりコウジ酸発
酵し、麦茶風味を有する食品材料を得る方法。
【0019】10)圧搾物に水を加え、クエン酸でpH
4.0に調整してから、加熱殺菌して冷却すること以外
は前記9)と同様にして麦茶風味を有する食品材料を得
る方法。
【0020】11)焙煎麦100重量部に水280重量
部を加え(焙煎麦に対し2.8重量倍加水)、混合して
加水物を調製する。この加水物を90℃に加熱し、その
まま熱時で、メッシュサイズ0.5mmのバレルを着装し
たスクリュープレスで圧搾し、圧搾物を得る。この圧搾
物に緩衝剤として炭酸カルシウム水性液を加え、加熱殺
菌して冷却した後、予め馴養しておいたリゾープス オ
リーゼを加えて、雑菌汚染を防止しつつ、常温下で数日
間の振とう培養により乳酸発酵し、麦茶風味を有する食
品材料を得る方法。
【0021】12)圧搾物に緩衝剤として炭酸カルシウ
ム水性液及び他の発酵助剤としてコーンスティプリカ水
性液を加えること以外は前記11)と同様にして麦茶風
味を有する食品材料を得る方法。
【0022】13)焙煎麦100重量部に水280重量
部を加え(焙煎麦に対し2.8重量倍加水)、混合して
加水物を調製する。この加水物を90℃に加熱し、その
まま熱時で、メッシュサイズ0.5mmのバレルを着装し
たスクリュープレスで圧搾し、圧搾物を得る。この圧搾
物に水を加え、加熱殺菌して冷却した後、予め馴養して
おいたアスペルギルス オリーゼを加えて、雑菌汚染を
防止しつつ、常温下で数日間の振とう培養によりコウジ
酸発酵し、麦茶風味を有する食品材料を得る方法。
【0023】14)圧搾物に水を加え、クエン酸でpH
4.0に調整してから、加熱殺菌して冷却すること以外
は前記13)と同様にして麦茶風味を有する食品材料を
得る方法。
【0024】15)焙煎麦から麦茶を製造するときに副
生する製造残渣としての麦茶殻100重量部に水100
重量部を加え(麦茶殻に対し1重量倍加水)、混合して
加水物を調製する。この加水物に緩衝剤として炭酸カル
シウム水性液を加え、加熱殺菌して冷却した後、予め馴
養しておいたリゾープス オリーゼを加えて、雑菌汚染
を防止しつつ、常温下で数日間の振とう培養により乳酸
発酵し、発酵物を得る。この発酵物を90℃に加熱し、
そのまま熱時で、メッシュサイズ0.5mmのバレルを着
装したスクリュープレスで圧搾し、麦茶風味を有する食
品材料を得る方法。
【0025】16)焙煎麦から麦茶を製造するときに副
生する製造残渣としての麦茶殻100重量部に水100
重量部を加え(麦茶殻に対し1重量倍加水)、混合して
加水物を調製する。この加水物に水を加え、加熱殺菌し
て冷却した後、予め馴養しておいたアスペルギルス オ
リーゼを加えて、雑菌汚染を防止しつつ、常温下で数日
間の振とう培養によりコウジ酸発酵し、発酵物を得る。
この発酵物を90℃に加熱し、そのまま熱時で、メッシ
ュサイズ0.5mmのバレルを着装したスクリュープレス
で圧搾し、麦茶風味を有する食品材料を得る方法。
【0026】17)焙煎麦100重量部に水280重量
部を加え(焙煎麦に対し2.8重量倍加水)、混合して
加水物を調製する。この加水物に緩衝剤として炭酸カル
シウム水性液を加え、加熱殺菌して冷却した後、予め馴
養しておいたリゾープス オリーゼを加えて、雑菌汚染
を防止しつつ、常温下で数日間の振とう培養により乳酸
発酵し、発酵物を得る。この発酵物を90℃に加熱し、
そのまま熱時で、メッシュサイズ0.5mmのバレルを着
装したスクリュープレスで圧搾し、麦茶風味を有する食
品材料を得る方法。
【0027】18)焙煎麦100重量部に水280重量
部を加え(焙煎麦に対し2.8重量倍加水)、混合して
加水物を調製する。この加水物に水を加え、加熱殺菌し
て冷却した後、予め馴養しておいたアスペルギルス オ
リーゼを加えて、雑菌汚染を防止しつつ、常温下で数日
間の振とう培養によりコウジ酸発酵し、発酵物を得る。
この発酵物を90℃に加熱し、そのまま熱時で、メッシ
ュサイズ0.5mmのバレルを着装したスクリュープレス
で圧搾し、麦茶風味を有する食品材料を得る方法。
【0028】
【実施例】試験区分1 ・試験例1 焙煎麦から麦茶を製造するときに副生した製造残渣とし
ての麦茶殻100重量部(水分54重量%)に水100
重量部を加え、混合して加水物を調製した。この加水物
を90℃に加熱し、そのまま熱時で、メッシュサイズ
0.5mmのバレル(開孔率12%)を着装したスクリュ
ープレスに供し、圧搾して(出口圧力2kgf/cm2)、圧
搾物176重量部を得た。加水物に対する圧搾物の歩留
まりは88重量%であり、圧搾物を得るときに副生した
残渣(スクリュープレスの出口から排出された固形分)
は24重量部であった。ここで得た圧搾物は、麦茶特有
の風味を有しており、澱粉含有量14重量%で、麦茶殻
の断片等を含まないものであった。
【0029】・試験例2〜7 加水量、加熱温度或はバレルのメッシュサイズを表1記
載のように変え、その他は試験例1と同様にして、圧搾
物を得た。
【0030】・試験例8 焙煎麦100重量部に水280重量部を加え、混合して
加水物を調製した。この加水物を90℃に加熱し、その
まま熱時で、メッシュサイズ0.5mmのバレル(開孔率
12%)を着装したスクリュープレスに供し、圧搾して
(出口圧力2kgf/cm2)、圧搾物355重量部を得た。
加水物に対する圧搾物の歩留まりは93重量%であり、
圧搾物を得るときに副生した残渣(スクリュープレスの
出口から排出された固形分)は25重量部であった。こ
こで得た圧搾物は、麦茶特有の風味を有しており、澱粉
含有量14重量%で、焙煎麦の断片等を含まないもので
あった。
【0031】各例の製造条件及び結果を表1にまとめて
示した。
【0032】
【表1】
【0033】表1において、 歩留まり:加水物に対する圧搾物の歩留まり 残渣:スクリュープレスの出口から排出された固形分 澱粉含有量:圧搾物中の澱粉含有量 総合評価:下記の基準により評価した ○;麦茶特有の風味を有しており、歩留まりが80重量
%以上且つ澱粉含有量が10重量%以上であって、麦茶
殻或は焙煎麦の断片等を含まないもの
【0034】試験区分2 ・実施例1 試験区分1の試験例1で得た圧搾物350容量部に30
重量%炭酸カルシウム水性液100容量部を加え、12
1℃で15分間加熱殺菌した後、32℃に冷却した。こ
れに予め馴養しておいたリゾープス オリーゼ(IFO
4705)の馴養液45容量部を加え、雑菌汚染を防止
しつつ、32℃で8日間振とう培養(220rpm)に
より乳酸発酵し、食品材料を得た。ここで得た食品材料
は、麦茶特有の風味を有する複合的香味の新規食品材料
であった。
【0035】・実施例2 試験区分1の試験例1で得た圧搾物350容量部に30
重量%炭酸カルシウム水性液100容量部及び10重量
%コーンスティプリカ水性液10容量部を加えたこと以
外は実施例1と同様にして、実施例1と同様の食品材料
を得た。
【0036】・比較例1 試験区分1の試験例1で得た圧搾物350容量部に代え
て15重量%トウモロコシ澱粉水性液350容量部を用
いたこと以外は実施例1と同様にして食品材料を得た。
ここで得た食品材料は、いうまでもなく麦茶特有の風味
を有せず、香味バランスも悪いものであった。
【0037】各例について、発酵日数3日及び8日にお
ける乳酸、リンゴ酸及びフマル酸の濃度を表2に示し
た。
【0038】
【表2】
【0039】・実施例3 試験区分1の試験例8で得た圧搾物500容量部に水4
00容量部を加え、121℃で15分間加熱殺菌した
後、32℃に冷却した。これに予め馴養しておいたアス
ペルギルス オリーゼ(IFO4075)の馴養液90
容量部を加え、雑菌汚染を防止しつつ、32℃で5日間
振とう培養(220rpm)によりコウジ酸発酵し、食
品材料を得た。ここで得た食品材料は、麦茶特有の風味
を有する複合的香味の新規食品材料であった。
【0040】・実施例4 試験区分1の試験例8で得た圧搾物500容量部に水4
00容量部を加え、クエン酸でpH4.0に調整したこ
と以外は実施例3と同様にして、実施例3と同様の食品
材料を得た。
【0041】・比較例2 試験区分1の試験例8で得た圧搾物500容量部に代え
て15重量%トウモロコシ澱粉水性液500容量部を用
いたこと以外は実施例3と同様にして食品材料を得た。
ここで得た食品材料は、いうまでもなく麦茶特有の風味
を有せず、香味バランスも悪いものであった。
【0042】各例について、発酵日数2日及び5日にお
けるコウジ酸の濃度を表3に示した。
【0043】
【表3】
【0044】・実施例5 焙煎麦から麦茶を製造するときに副生した製造残渣とし
ての麦茶殻100重量部(水分54重量%)に水100
重量部を加え、混合して加水物を調製した。この加水物
350容量部に30重量%炭酸カルシウム水性液100
容量部を加え、121℃で15分間加熱殺菌した後、3
2℃に冷却した。これに予め馴養しておいたリゾープス
オリーゼ(IFO4705)の馴養液45容量部を加
え、雑菌汚染を防止しつつ、32℃で8日間振とう培養
(220rpm)により乳酸発酵し、発酵物を得た。こ
の発酵物を90℃に加熱し、そのまま熱時で、メッシュ
サイズ0.5mmのバレル(開孔率12%)を着装したス
クリュープレスに供し、圧搾して(出口圧力2kgf/c
m2)、食品材料を得た。発酵物に対する食品材料の歩留
まりは90重量%であった。ここで得た食品材料は、麦
茶殻の断片等を含まない、麦茶特有の風味を有する複合
的香味の新規食品材料であった。
【0045】・実施例6 焙煎麦100重量部に水280重量部を加え、混合して
調製した加水物を用い、この加水物350容量部に30
重量%炭酸カルシウム水性液100容量部及び10重量
%コーンスティプリカ水性液10容量部を加えたこと以
外は実施例5と同様にして、実施例5と同様の食品材料
を得た。
【0046】各例について、発酵日数3日及び8日にお
ける乳酸、リンゴ酸及びフマル酸の濃度を表4に示し
た。
【0047】
【表4】
【0048】・実施例7 実施例5と同じ加水物500容量部に水400容量部を
加え、121℃で15分間加熱殺菌した後、32℃に冷
却した。これに予め馴養しておいたアスペルギルス オ
リーゼ(IFO4075)の馴養液90容量部を加え、
雑菌汚染を防止しつつ、32℃で5日間振とう培養(2
20rpm)によりコウジ酸発酵し、発酵物を得た。こ
の発酵物を、以下実施例5と同様にして圧搾し、食品材
料を得た。発酵物に対する食品材料の歩留まりは94重
量%であった。ここで得た食品材料は、麦茶殻の断片等
を含まない、麦茶特有の風味を有する複合的香味の新規
食品材料であった。
【0049】・実施例8 実施例6と同じ加水物500容量部に水400容量部を
加え、クエン酸でpH4.0に調整したこと以外は実施
例6と同様にして、実施例6と同様の食品材料を得た。
【0050】各例について、発酵日数2日及び5日にお
けるコウジ酸の濃度を表5に示した。
【0051】
【表5】
【0052】
【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には、焙煎麦或はこれから麦茶を製造するときに副生
する麦茶殻を可能な限り有効活用して、麦茶風味を有す
る複合的香味の新規食品材料を得ることができるという
効果がある。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焙煎麦の加水物を加熱し、熱時でスクリ
    ュープレスにより圧搾した後、その圧搾物を有機酸発酵
    することを特徴とする麦茶風味を有する食品材料の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 焙煎麦から麦茶を製造するときに副生す
    る麦茶殻の加水物を加熱し、熱時でスクリュープレスに
    より圧搾した後、その圧搾物を有機酸発酵することを特
    徴とする麦茶風味を有する食品材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 焙煎麦の加水物を有機酸発酵した後、そ
    の発酵物を加熱し、熱時でスクリュープレスにより圧搾
    することを特徴とする麦茶風味を有する食品材料の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 焙煎麦から麦茶を製造するときに副生す
    る麦茶殻の加水物を有機酸発酵した後、その発酵物を加
    熱し、熱時でスクリュープレスにより圧搾することを特
    徴とする麦茶風味を有する食品材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 加水物が焙煎麦に1.5〜7.0重量倍
    加水したものである請求項1又は3記載の麦茶風味を有
    する食品材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 加水物が麦茶殻に0.5〜3.0重量倍
    加水したものである請求項2又は4記載の麦茶風味を有
    する食品材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 加水物又は発酵物を70〜95℃に加熱
    する請求項1、2、3、4、5又は6記載の麦茶風味を
    有する食品材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 スクリュープレスがメッシュサイズ0.
    5〜1.5mmのバレルを着装したものである請求項1、
    2、3、4、5、6又は7記載の麦茶風味を有する食品
    材料の製造方法。
  9. 【請求項9】 有機酸発酵が乳酸発酵である請求項1、
    2、3、4、5、6、7又は8記載の麦茶風味を有する
    食品材料の製造方法。
  10. 【請求項10】 リゾープス オリーゼで乳酸発酵する
    請求項9記載の麦茶風味を有する食品材料の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021053633A (ja) * 2019-09-26 2021-04-08 サントリーホールディングス株式会社 茶粕処理装置および茶粕処理方法

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