JPS581900B2 - 白調味液の製造方法 - Google Patents

白調味液の製造方法

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JPS581900B2
JPS581900B2 JP55088541A JP8854180A JPS581900B2 JP S581900 B2 JPS581900 B2 JP S581900B2 JP 55088541 A JP55088541 A JP 55088541A JP 8854180 A JP8854180 A JP 8854180A JP S581900 B2 JPS581900 B2 JP S581900B2
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【発明の詳細な説明】 本発明は白調味液の製造方法に関する。
従来の白醤油はその窒素源は精白小麦4と大豆1の混合
物であり、これを湿熱処理した後、これに麹菌を接種培
養して麹を作り、この麹に食塩水を加えて諸味液とする
斯くして麹中のプロテアーゼ、アミラーゼで麹基質中の
蛋白質、澱粉の分解を行い、更に麹中の乳酸菌、酵母に
よって発酵させ、熟成させて製造される。
この間、数個月を要し、その上使用される小麦中の蛋白
質の含有量が10%前後であるから、白醤油に含まれる
全窒素は高々0.8w/v%(以下単に%と記す)であ
るが、一般に0.4〜0.6%が普通である。
一方、小麦、大豆或いはとうもろこしの蛋白質を塩酸な
どの鉱酸を熱時に作用させて蛋白質をアミノ酸まで加水
分解した後中和精製して作られるアミノ酸味液を更に活
性炭などの脱色剤で所定の色度迄脱色して白調味液が得
られる。
この場合窒素含量は普通の醤油或いはそれ以上のものが
得られるが、植物蛋白質を酸分解する時に副生するレブ
リン酸、ぎ酸等の悪香味物質が混在することは避けられ
ず、脱色工程に於ても除去出来ないので、醸造醤油に比
べて香、風味で劣る。
又脱色工程に於ける脱色剤の再生、即ち着色物質を脱着
した場合、着色した再生液が廃水として多量に排出され
るので、この処理が生産工程、コストの面で不利となる
本発明の目的は、上記不利益な点を除去し、その上とう
もろこし蛋白質を短時日の間に少量の酵素源を利用して
分解、発酵、熟成が完了する様に、予めとうもろこし蛋
白水溶液を麹粕より抽出された酵素液を加えて蛋白質及
び澱粉を前分解し、塩析加熱して濾過精製を行い、更に
澱粉を酵素分解して製造されたぶどう糖液と乳酸菌を加
えて乳酸発酵を、次いでとうもろこしを基質とした麹並
びに酵母を加えて蛋白質及び澱粉の分解とアルコール発
酵を併行させることにより、分解、発酵、熟成に要する
期間を15〜20日間に短縮させることが可能となり、
この製造期間と使用する麹の基質と相俟って着色は極度
に抑制され、しかも窒素含量は0.6〜1.7%と従来
の白醤油にない高濃度であることを特徴とする新規な白
調味液の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、前処理を施して原料から不純物、
不溶解性物質など、おりの生成原因となる無機塩類を予
め除去することによって、短日間で分解、発酵、熟成が
完了すると共に製品の変質を除去し得る新規な白調味液
の製造方法を提供することにある。
本発明の上記諸目的は、とうもろこしから分離された粗
蛋白質水溶液をアルカリ水溶液でpH5.5〜6.0に
中和した後、これに熟成もろみを圧搾濾過して得られる
麹粕に2〜3倍量の20〜25w/v%食塩水を加えて
上記麹粕中の酵素群を抽出後、限外濾過によって濃縮さ
れた酵素液を添加し、15〜25℃で10〜15日間液
中に含まれる蛋白質及び澱粉の前分解、前発酵を行い、
次いでこの液が食塩濃度15w/v%以上飽和以下にな
るように食塩を添加溶解すると同時に、過熱蒸気を吹込
み、液温を75〜90℃に加熱した後、濾過して塩析加
熱により生成凝集する固形分を除去した蛋白質水溶液と
し、これに別途にコーンスターチ、甘藷澱粉、馬鈴薯澱
粉等の澱粉をα−アミラーゼ、グルクアミラーゼ等によ
り酵素加水分解して得られた糖液と予め別途培養した乳
酸菌(ラクト・バチルス・デルブルツキー)を加えて乳
酸発酵を行い、この処理液のpHを4.0〜5.2とし
、次いで上記処理液を加熱殺菌して濾過した蛋白消化液
を仕込原料として、これに新たに酵素源として破砕、煮
煎したとうもろこしを基質としてプロテアーゼ、アミラ
ーゼを生産する麹菌を接種培養した固体麹と別途培養し
た酵母を加えて蛋白質及び澱粉の分解とアルコール発酵
の処理を行うことを特徴とする白調味液の製造方法、に
よって達成される。
本発明者等は、種々研究の結果、とうもろこしの蛋白質
を酵素のみでアミノ酸或いはペプタイドにまで分解し、
しかも15〜20日の短時日の発酵、熟成で通常の白醤
油以上の高窒素含量で且つレブリン酸等の悪味悪臭のな
い香味、色沢の優れた白調味液の製造方法の確立に成功
した。
次に本発明をその良好な実施例について詳細に説明しよ
う。
実施例に先立ち先ず本発明を総轄的に説明する。
本発明で使用されるとうもろこし蛋白質水溶液は主とし
て湿式法によるコーンスターチ製造の際、副生産される
蛋白質水溶液であり、液中に少量の澱粉及び蛋白質の微
粒子が分散している。
この蛋白質水溶液は全窒素3.6〜4.5%、全固形分
40〜50%、pH3.8〜4.0である。
上記蛋白液にアルカリ水溶液を加えてpH5.5〜6.
0とする。
このpHを微酸性にするのは後述する酵素前処理を円滑
に行うのみでなくこれらによって液中のリン酸化合物が
析出して来るので、除去可能となる。
本発明に係る調味液の製造工程に於て、分解、発酵、熟
成を経た諸味は圧搾濾過機にかけられて、生揚げの調味
液と麹粕に濾別されるが、この時生成する麹粕の一部を
取り、これに麹粕重量の2〜3倍の20〜25%の食塩
水に20〜24時間浸漬して麹粕中の残存酵素群を抽出
する。
抽出液が高濃度の食塩水であるので抽出操作中雑菌の繁
殖、汚染は充分防止出来る。
次にこの抽出液は半透膜による限外濾過で約1/4量に
濃縮する。
この際採取する麹粕は水分が45〜50%のものであり
、処理すべき蛋白質水溶液に含まれる蛋白質重量の1.
5〜2倍重量の麹粕を抽出に供する抽出温度は室温以下
0℃以上でよいが雑菌汚染防止の点から低温程好ましい
濃縮に使用する半透膜は酢酸繊維素系のもので分子量3
,000〜5,000で分画出来るものが好ましい。
濾過圧は10kg/cm2前後である。濾別回収される
食塩水は低分子ペプタイド、アミノ酸を含んでいるので
、以後仕込の時に窒素濃度及び食塩濃度の調整作用に利
用する。
斯くして得られた酵素抽出液を先述したpH調節後のと
うもろこし蛋白質水溶液に加えて15〜25℃で10〜
15日間前分解、前発酵を行う。
ここで温度は大体、一定に保つことと15〜20℃の間
に維持することが好ましい。
又、処理期間は液中の窒素濃度により増減する。
斯る処理により原料液中に溶解あるいは分散している蛋
白質及び澱粉並びにその膨潤微粒子を分解して分子量を
小さくして溶解性を増加させると同時に、液粘度を下げ
て取扱いを容易にする。
10〜15日の前分解、前発酵の終った処理液に食塩を
直接加えると同時に過熱水蒸気を吹込みつつ攪拌溶解す
る。
斯くして液中の食塩濃度が15%以上飽和以下で液温を
75〜90℃とする。
この処理の目的は塩析により液中の不溶性膨潤粒子を凝
固させることと、難溶性のカルシウム塩、マグネシウム
塩を始めリン酸塩化合物の析出を助長し、本発明に係る
最終製品即ち調味液のおり生成の原因となる挾雑物の除
去にある。
更に加熱により熱変性して不溶化する蛋白質と塩析して
くる塩類、分散微粒子を凝集させて濾別し易くすること
にある。
ここで加えられた食塩の濃度は15%以上であれば本発
明の目的とする塩析の効果は挙げられるが、濃度が高い
程(飽和以下)好ましく、しかも熱による着色の防止効
果も大となる。
しかし、調味液の仕込時の食塩濃度を勘案して塩析時の
濃度の上限は決定される。
加熱に使用する水蒸気は2kg/cm2〜3kg/cm
2(ゲージ圧)のそれであるが、それ以下の水蒸気でも
差支えない。
温度は75℃以下では十分な熱処理、生成固形物の凝集
効果が得られないので、75℃以上が必要である。
又、温度、加熱時間は液の着色にも関係するので出来る
だけ短時間に所定温度にする必要がある。
発明者等の研究の結果によれば、水蒸気吹込開始後20
分間以内に80〜85℃に達せしめ、直に濾過を開始し
20〜30分間で濾過を終り放冷する様にすれば、所期
の色度より薄いものが得られる。
塩析、加熱によって生成凝集した固形分は高温のまま濾
過分離する。
斯くして得られた精製蛋白質水溶液は全窒素1.5〜2
.5%、食塩15〜25%となる様加熱前の加水量、食
塩添加量を加減する。
又、加熱の場合発生する水蒸気を外部に放出することに
より、原料中に含まれている亜硫酸、酢酸等の揮発性酸
は放出され、以後の工程並びに製品品質に好結果をもた
らす利点がある。
次に上記の如く精製された蛋白質水溶液に別途にコーン
スターチ、甘藷澱粉、馬鈴薯澱粉等の澱粉を公知の方法
に従ってα−アミラーゼ、グルクアミラーゼ等により液
化、糖化してぶどう糖40〜50%に対しオリゴ糖50
〜60%の成分組成をもつ糖濃度BX40〜50の糖液
を蛋白質水溶液量の10〜12%量加え、更に別の培地
で培養した乳酸菌培養液を蛋白質水溶液量の5〜6%加
える。
この時の乳酸菌はラクト・バチルス・デルブルツキーで
あり、添加培養液中の菌数は3〜5×108であること
が好ましい。
斯くして、40〜45℃で24〜48時間乳酸発酵を行
い蛋白質水溶液のpHが4.0〜5.2、好ましくは4
.5〜4.8になった時に70〜80℃、30〜60分
間加熱殺菌後濾過冷却する。
斯る処理によって生成される乳酸で蛋白質水溶液のpH
を以後の分解、発酵工程の至適pHとするだけでなく、
生成された乳酸によって次工程以後の雑菌の汚染を防止
する効果と製品の味の向上、防黴性の向上に効果をもた
らす。
斯る目的のためには発明者等の実験の結果によれば使用
菌はラクト・バチルス・デルブルツキーが最適である。
以上の処理を行ったとうもろこし蛋白質の水溶液は一部
酵素分解されて分子量がもとの蛋白質より低く完全に可
溶化されており、所謂N性反応はマイナスである。
又、液中のフオルモール態窒素/全窒素の値は0.35
〜0.45であるので、発明者はこれをとうもろこし蛋
白消化液と称して後述する調味液製造工程の仕込原料と
した。
本発明に係る調味液はその窒素源は前述の蛋白消化液中
の比較的分子量の小さい水溶性ポリペプタイドである。
これに分解を進める為の酵素源として破砕とうもろこし
粒を基質として製麹した固体麹と、更に麹と同時に別途
培養した酵母を加えて、仕込初期から蛋白質及び澱粉の
分解と旺盛なアルコール発酵を併行させることに本発明
に係る調味液製造法の新規性がある。
本発明に係る固体麹は次の様にして製造される。
即ち、とうもろこしを乾式にて種皮と胚芽を除き、これ
を割砕して4〜8メッシュの破砕粒とする。
これを105〜120℃で水分が1〜2%になる迄煮煎
して澱粉質をアルファ化させると同時に蛋白質の熱変性
粒子の多孔質化を行う。
斯くして得られた煮煎とうもろこし粒に、この重量の4
0〜45%重量の水を散布し、均一に湿潤させた後、澱
粉糖化型8蛋自分解型2の単菌配合による麹菌の胞子を
接種し、製麹室中で40〜45時間培養製麹する。
ここで使用される麹菌はアスペルギルスソヤ、アスペル
ギルスオリゼ等通常の醤油用麹菌を適宜配合する。
又、仕込時に諸味に加える酵母は全窒素0.6〜1.7
%、食塩濃度14〜18%、糖分5.0〜8%の培養液
に馴養したサツカロミセス・ルキシーで30℃で培養液
中の菌数が3〜5×108個迄培養する。
仕込要領は、先ず原料とするとうもろこし蛋白消化液中
の全窒素及び食塩濃度をそれぞれ0.6〜1.7%、1
4〜18%の間で製造目的とする製品組成の濃度の1.
05〜1.1倍の濃度になるよう水及び食塩を加えて調
製する。
この時のpHは4.8〜5.2であることが望ましく、
これは予め前処理の乳酸発酵の終点で調節することが出
来る。
斯る組成調整を終った仕込原液となる蛋白消化液に前述
のとうもろこし麹をこの仕込原液量の15〜20%重量
加え、次いで前述の酵母液を同じく5%量加えて25〜
30℃の温度に保持する。
先ず麹中の澱粉の分解と酵母の増殖が行われる。
仕込後24〜48時間で旺盛なアルコール発酵が開始さ
れる。
この間は30℃を保持し以後25〜27℃に保持するこ
とが好ましい。
麹中のプロテアーゼにより液中に溶解されている蛋白質
は仕込当初より分解され、アルコール発酵の開始と共に
促進される。
斯くして発酵は7〜10日で終り、以後熟成期に入る。
この時期アルコール濃度は3〜5%となる。
仕込後15〜20日間で蛋白質はアミノ酸、ヂペプタイ
ド或いはトリペプタイド迄分解し旨味が十分発揮され、
澱粉分解による糖分の増加、アルコールの生成、酸の量
が調和のとれた組成になり、香味優れた調味液が得られ
る。
ここで使用される麹はとうもろこしを基質としており、
しかも種皮部は除かれているので、ペントザン含量が極
めて少なく、従ってペントーズとアミノ酸の反応に原因
する着色は極めておこりにくい条件にあるので、出来た
調味液は極淡黄色であることが本発明に係る調味液の特
徴の一つである。
上述の如くして分解、発酵、熟成を終った諸味を圧搾濾
過して後、濾液を70〜75℃で殺菌、濾過、冷却すれ
ば高窒素濃度の防腐、防黴性に富む香味のすぐれた極淡
黄色の白調味液が得られる。
本発明に係る前記方法によって製造された白調味液は、
全窒素0.6〜1.7%、フオルモール態窒素0.3〜
1.0%、アルコール2〜5%、糖2〜6%、食塩15
〜18%の成分割合で組成されており、しかも液のpH
は4.5〜5.5、緩衝能は0.5〜1.0で、色度が
No.28以上の極淡黄色であることを特徴としている
なお、香並びに味がより良好であり且つ防腐性のすぐれ
た特性を保持させるためには、上記組成のうちアルコー
ル3〜5%、糖4〜6%であることが好ましい。
以下は本発明の各実施例についての説明である。
実施例1 コーンスターチ製造の際副産物として分離されたとうも
ろこし蛋白質水溶液を原料とした。
これには15%程度膨潤した蛋白質微粒子と澱粉微粒子
が浮遊分散して含まれている。
水溶液中の全窒素は4.0%、全固形分47%、pH3
.8である。
この原料液600lに28%カセイソーダ80lを加え
てpH6.0とした。
一方調味液の熟成諸味を圧搾して得られた水分47%の
麹粕300kgを25%食塩水900lに浸漬し10℃
にて24時間粕中の酵素を抽出した。
抽出後液を濾別して得られた730lの抽出液をUOP
社製UF#215膜ユニット(膜面積1.55m2)を
用いて、圧力10.5kg/cm2、循還流量8l/分
で限外濾過によって液量180l迄濃縮した。
濃縮速度は18.4l/Hr・m3である。
前述の中和した原料液680lにこの酵素抽出液180
lを加えて室温16〜18℃で14日間前分解、前発酵
を行った。
14日後にこの処理液に100kg食塩を投入すると同
時に2kg/cm2の水蒸気を吹込んで80度に昇温し
た時液量は980lとなった。
引続きこれを濾過して800lの濾液則ち、精製蛋白質
水溶液を得た。
濾別された濾滓は170kgで水分43.4%、蛋白1
9.2%、食塩8.8%であった。
得られた蛋白質水溶液の組成は全窒素2.26%、食塩
18.1%、pH5.9であった。
次にこの蛋白質水溶液にコーンスターチをα−アミラー
ゼで液化し、更にグルクアミラーゼにて糖化したDE7
0のBX50の糖液80lと乳酸菌ラクト・バチルス・
デルブルツキーの培養液40lを加えて43℃で24時
間発酵させてpHを4.8とした。
ここで火入機を通して75℃で殺菌後濾過冷却した。
濾液は900lとなった。これの全窒素は1.92%、
フオルモール態窒素0.77%、食塩16.2%、pH
4.9であった。
斯くして出来た蛋白消化液900lに水76l、食塩3
2.5kgを加えて990lの全窒素1.75%、食塩
18.0%、pH5.0の仕込原液とした。
一方、既述の方法で調製されたとうもろこし麹(種麹菌
はアスペルギルスオリゼ、アスペルギルスソヤ)200
kgと酵母液(サツカミセス・ルキシー)50lを上記
仕込原液に加えて30℃で72時間発酵させ次に27℃
に温度を下げて以後15日間分解、発酵、熟成を行った
熟成後(仕込後18日目)の諸味液量は1200lとな
った。
これを圧搾濾過して生揚の調味液1010lが得られ、
75℃で火入殺菌濾過して990lの白調味液が得られ
た。
この白調味液の組成は次の通りであった。
全窒素 1.62w/v% フオルモール態窒素 0.89w/v% 食塩 16.8w/v% アルコール 8.1w/v% 糖 4.5w/v% pH 5.0 緩衝能 0.7 色度 #46以上 実施例2 実施例1と同様にコーンスターチ製造の副産物として分
離された微粒子を含む蛋白質水溶液を原料とした。
この時の液中の全窒素は3.8%、全固形分46.5%
、pH3.9である。
この原料液425lに28%カセイソーダ液39lを加
えてpHを5.9にした。
一方、調味液の熟成諸味を圧搾濾過して得られた水分4
8.7%の麹粕160kgを20%食塩水400lに室
温(15℃)で40時間浸漬して粕中の残存酵素を抽出
した。
抽出後これを濾別して得られた360lの抽出液をUO
P社製UF#215の膜ユニットで実施例1と同一条件
で液量100l迄濃縮した。
前述の中和した原料蛋白質水溶液464lにこの酵素抽
出濃縮液100lを加えて20℃で14日間前分解、前
発酵を行った。
14日後にこの処理液に食塩148kg、水100lを
加えて2kg/cm2圧の水蒸気を吹込んで液温を90
℃とする。
この時の最終液量を900lとする。
これを濾過して濾液即ち、精製蛋白質水溶液760lを
得た。
濾滓は115kgで水分42%、蛋白20.1%、食塩
8.6%であった。
得られた蛋白質水溶液の組成は全窒素1.7%、食塩2
2.5%、pH5.8であった。
次に上記の精製された蛋白質水溶液760lに実施例1
に記載されたと同じ糖液80lと乳酸菌培養液40lを
加えて30時間40℃で乳酸発酵を行い処理液のpHを
4.9とした。
ここで75℃に加熱殺菌濾過冷却して860lの蛋白消
化液を得た。
これの全窒素は1.5%、フオルモール態窒素は0.5
9%、食塩は19.5%、pH4.9であった。
斯くして得られた蛋白消化液860lに実施例1に記載
されたと同じとうもろこし麹150kgと実施例1と同
じ酵母培養液50lを加え、更に前処理で使用したと同
じ糖液90lを添加して仕込を完了する。
30℃で2日間保ち、以後27℃を保持して20日間で
分解、発酵、熟成を終った。
熟成終了時の諸味量は110lであった。
これを圧搾濾過して950lの生揚調味液が得られ、更
に75℃で火入、殺菌、濾過して930lの白調味液が
得られた。
上記の白調味液の組成は次の通りである。
全窒素 1.25% フオルモール態窒素 0.65% 食塩 15.2% アルコール 3.8% 糖 4.1% pH 5.0 緩衝能 0.7 色度 #46以上 実施例3 実施例1,2と同じくコーンスターチ製造の副産物とし
て分離された蛋白質、澱粉の微粒子を含む蛋白質水溶液
を原料とした。
この原料液中の全窒素は4.15%、全固形分46.5
%、pH3.8である。
この原料液230lに28%カセイソーダ液25lを加
えてpHを5.7とした。
一方、実施例1及び2と同様調味液の熟成諸味からの麹
粕(この場合水分48.3%)100kgを25%食塩
水300lに浸漬して室温18℃で48時間粕中の残存
酵素を抽出した。
これを濾別して得られた抽出液270lを実施例1及び
2と同じ装置、方法で90lに濃縮しこれを前述の中和
原料蛋白質水溶液255lに加えて25℃で10日間前
分解、前発酵を行った。
10日後にこの処理液に食塩75kg、水22lを加え
て2kg/cm3圧の加熱水蒸気を吹込んで85℃とし
た。
この時の液量は458lであった。これを濾過して40
4lの濾液と55kgの濾滓に分離した。
濾滓の水分は39%、蛋白20.2%、食塩8.7%で
あった。
得られた蛋白質水溶液の組成は全窒素1.80%、食塩
28.2%、pH5.5であった。
次に上記の精製された蛋白質水溶液404lに実施例1
及び2と同じ乳酸菌培養液と糖液をそれぞれ20Aと4
0l加えて43℃で30時間乳酸発酵を行い処理液のp
Hを4.5とした。
ここで75℃に加熱、殺菌、濾過冷却して455lの蛋
白消化液を得た。
これの全窒素は1.55%、フオルモール態窒素は0.
68%、食塩は20.2%であった。
斯くして得られた蛋白消化液455lに食塩88kg、
水450lを加えて全窒素0.75%、食塩19.1%
、pH4.9の仕込原液とした。
更に実施例1及び2で使用したと同じとうもろこし麹1
80kgと酵母培養液50lを加えて仕込を完了する。
仕込後2日間は諸味液を30℃に保ち、以後25℃にて
13日間分解、発酵、熟成を行う。
仕込後15日目に1130lの諸味を圧搾濾過して生揚
げ白調味液940lが得られた。
これを75℃で火入、濾過して920lの白調味液が得
られた。
上記の白調味液の組成は次の通りである。
全窒素 0.68% フオルモール態窒素 0.35% 食塩 17.8% アルコール 4.2% 糖 4.1% pH 5.0 緩衝能 0.8 色度 #46以上 実施例4 実施例1〜3と同じくコーンスターチ製造の副産物とし
て分離された蛋白質、澱粉の微粒子を含む蛋白質水溶液
を原料とした。
この原料液中の全窒素は4.25%、全固形分48.2
%、pH3.5であった。
この原料液415lに28%カセイソーダ液45lを加
えてpHを6.0とした。
一方、実施例1〜3と同様調味液の熟成諸味からの麹粕
(この場合水分49.0%)150kgを22%食塩水
400lに浸漬して5℃で48時間粕中の残存酵素を抽
出した。
これを濾過して得られた抽出液350lを実施例1〜3
と同じ装置、方法で100lに濃縮しこれを前述の中和
原料蛋白質水溶液460lに加えて25℃で10日間前
分解前発酵を行った。
10日後にこの処理液に食塩120kgを加えて溶解す
ると同時に2kg/cm2圧の水蒸気を吹込んで90℃
とした。
この時の液量は720lであった。これを濾過して61
3lの濾液と108kgの濾滓に分離した。
濾滓の水分は40.1%、蛋白19.8%、食塩8.1
%であった。
得られた蛋白質水溶液の組成は全窒素2.01%、食塩
20.4%、pH5.9であった。
次に上記の精製された蛋白質水溶液613lに実施例1
〜3と同じ乳酸菌培養液と糖液をそれぞれ30lと70
lを加えて40℃で24時間乳酸発酵を行いpHを5.
0とした。
ここで75℃に加熱、殺菌、濾過冷却して690lの蛋
白消化液を得た。
これの全窒素は1.74%、フオルモール態窒素は0.
69%、食塩17.8%であった。
斯くして得られた蛋白消化液690lをそのまま仕込原
液とした。
これに実施例1〜3で使用したと同じとうもろこし麹1
30kgと酵母培養液40lを加えて仕込を完了する。
仕込後2日間は諸味液を30℃に保ち以後27℃にて1
8日間分解、発酵、熟成を行う。
仕込後20日目に820lの諸味を圧搾濾過して生揚げ
白調味液710lが得られた。
これを75℃で火入、濾過して690lの白調味液が得
られた。
上記の白調味液の組成は次の通りである。
全窒素 1.62% フオルモール態窒素 0.84% 食塩 16.4% アルコール 2.3% 糖 2.5% pH 5.2 緩衝能 1.0 色度 #28以上#48以下 本発明は以上の如く構成されており、本発明に従えば以
下の如き諸効果が発生する。
本発明に係る製造方法によれば、前処理を施すことによ
って、原料中の蛋白質を予め部分分解すると共に、原料
から不純物、不溶解性物質等、おりの生成原因となる無
機塩類が予め除去され、しかも可溶性蛋白質が利用され
ているので、わずかほぼ20〜30日という短期間にて
完全分解、発酵、熟成すると共に、変質のおそれのない
香味の優れた白調味液が得られる。
本発明に係る製造方法によれば、亦、炭水化物類の過分
解等によるレブリン酸、ぎ酸等の悪香味物質の副生はな
く、香味の優れた白調味液が得られる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 とうもろこしから分離された粗蛋白質水溶液をアル
    カリ水溶液でpH5.5〜6.0に中和した後、これに
    熟成もろみを圧搾濾過して得られる麹粕に2〜3倍量の
    20〜25w/v%食塩水を加えて上記麹粕中の酵素群
    を抽出後、限外濾過によって濃縮された酵素液を添加し
    、15〜25℃で10〜15日間液中に含まれる蛋白質
    及び澱粉の前分解、前発酵を行い、次いでこの液が食塩
    濃度15w/v%以上飽和以下になるように食塩を添加
    溶解すると同時に、過熱蒸気を吹込み、液温を75〜9
    0℃に加熱した後、濾過して塩析加熱により生成凝集す
    る固形分を除去した蛋白質水溶液とし、これに別途にコ
    ーンスターチ、甘藷澱粉、馬鈴薯澱粉等の澱粉をα−ア
    ミラーゼ、グルクアミラーゼ等により酵素加水分解して
    得られた糖液と予め別途培養した乳酸菌(ラクト・バチ
    ルス・デルブルツキー)を加えて乳酸発酵を行い、この
    処理液のpHを4.0〜5.2とし、次いで上記処理液
    を加熱殺菌して濾過した蛋白消化液を仕込原料として、
    これに新たに酵素源として破砕、煮煎したとうもろこし
    を基質としてプロテアーゼ、アミラーゼを生産する麹菌
    を接種培養した固体麹と別途培養した酵母を加えて蛋白
    質及び澱粉の分解とアルコール発酵の処理を行うことを
    特徴とする白調味液の製造方法。 2 前記糖化液が、ぶどう糖40〜50%、オリゴ糖5
    0〜60%の成分組成をもつ濃度ブリツクス40〜50
    のものである特許請求の範囲第1項記載の白調味液の製
    造方法。 3 前記乳酸発酵が、40〜45℃で24〜48時間行
    なわれる特許請求の範囲第1項記載の白調味液の製造方
    法。 4 前記麹が、破砕、煮煎したとうもろこしを基質とし
    て澱粉糖化型8蛋自分解型2の麹菌の単菌配合による胞
    子を接種、培養したとうもろこし麹である特許請求の範
    囲第1項記載の白調味液の製造方法。 5 前記酵母が、全窒素0.6〜1.7w/v%、食塩
    濃度14〜18w/v%、糖分5〜8w/v%の培養液
    に馴養したものである特許請求の範囲第1項記載の白調
    味液の製造方法。
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