JPH1131651A - 電子ビーム描画装置 - Google Patents

電子ビーム描画装置

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JPH1131651A
JPH1131651A JP18815297A JP18815297A JPH1131651A JP H1131651 A JPH1131651 A JP H1131651A JP 18815297 A JP18815297 A JP 18815297A JP 18815297 A JP18815297 A JP 18815297A JP H1131651 A JPH1131651 A JP H1131651A
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oblique
drawn
electron beam
writing
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JP18815297A
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English (en)
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Mikio Katsumata
幹生 勝俣
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 斜め線パターンに代表されるパターンの斜め
描画パターンを寸法精度良く、しかも実用的な時間で描
画することができる電子ビーム描画装置を提供する。 【解決手段】 電子銃からの電子ビームを収束させるこ
とによりスポットビームを形成して、被描画材上にパタ
ーンを描画する電子ビーム描画装置において、斜め描画
パターンの輪郭部を抽出する処理と、該パターン輪郭
部の図形配置位置を変更する処理4とを設けて、斜め描
画パターンを描画する。該パターン輪郭部において、
スポットビームを照射する条件を変える機構を設けて、
斜め描画パターンを描画する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子ビーム描画装
置に関し、特に、電子銃からの電子ビームを収束させる
ことによりスポット(点)ビームを形成して、被描画材
試料上にパターンを描画する電子ビーム描画装置に関す
るものである。本発明に係る電子ビーム描画装置は、た
とえばフォトマスク(半導体装置製造等に用いるフォト
マスク等)製造のためのパターン描画に用いる描画装置
として具体化でき、あるいは、半導体装置製造の際のフ
ォトリソグラフィ工程におけるパターン描画に用いる描
画装置として具体化できる。
【0002】
【従来の技術】図8に従来の電子ビーム描画装置の構成
の一例を示す。描画パターンは、外部メモリ51上にて
作成され、コンピュータ52上にて、所望のパターンを
得るための処理が行われた後、メモリ回路53に転送さ
れる。転送されたデータは、図形処理部54上にて、設
計データから、実際の描画に使用されるデータへと変換
される。
【0003】スポットビーム方式の描画装置は、一定の
サイズ及び電流値をもつスポットビームを、垂直あるい
は水平方向に走査させることで、パターン描画を行う。
そのため、描画するパターンの認識は、一定のアドレス
サイズに分割された後、そのアドレスに対して、ビーム
ON、OFFの2段階の判別のみを行う。すなわち、図
9に略示するように、図9(a)のごとく分割された各
最小アドレス(図示では一例として7×7で分割した部
分を示す)について、当該最小アドレス単位内にパター
ンが有る、または無い、の判定を行い、2レベルでパタ
ーン情報とする。図9(a)の太線Iで囲った部分が、
パターン有りの部分とすれば、図9(b)のように、対
応するパターン有りの部分がON(1)、パターン無し
の部分がOFF(0)の情報として、データフォーマッ
ト化される。これは、いわゆるビットマップ法として知
られている手法である。実際の描画では、スポットビー
ムは試料の全面領域において走査がなされ、パターンが
無いと判定される領域をビームが通過する際には、ビー
ムブランカーによって照射ビームは試料手前で遮断さ
れ、これにより、ビームはパターン部にのみ照射される
ことになる。
【0004】このようにスポットビーム方式の描画にお
いては、各アドレスに対して、ビームON、OFFの2
段階の判別のみを行うので、上記図形処理部54上にお
いても、同様な処理が一律になされる。
【0005】図形処理部54で処理されたデータは、描
画制御部55へ転送され、このデータをもとに、パター
ンの描画が行われる。描画を行うための電子ビームは、
ビーム偏向制御57によって、垂直あるいは水平方向に
走査され、パターン描画は、描画データに応じて、ビー
ムブランカー制御56により上記したビームブランカー
を一定の速度で動作させ、ビームを透過あるいは遮断さ
せることにてよって所定の描画がなされる。一定の範囲
の描画後、被描画試料を載置して支持しているステージ
を制御するステージ制御58により、被描画試料を移動
させて描画範囲を別の場所に移動することで、全被描画
試料範囲が描画される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】スポットビーム方式の
描画装置において、実際に描画されるパターンは、描画
時に使用されるアドレスサイズを最小サイズとして認識
される。
【0007】この場合、斜め線については、描画された
パターンが、所望パターンと著しく異なる場合が生じる
ことがある。斜め線とは、図9で説明したようにアドレ
スを図の左右、上下のXY座標系で区画した場合に、斜
め方向に走るパターンである。このような斜め線が、最
小単位アドレス以下からなるパターン形状によって構成
される場合、描画されるパターンが、所望パターンと著
しく異なる場合が生じる。この問題点について、従来装
置における斜め線の描画方法を示す図10を参照して説
明すると、次のとおりである。
【0008】斜め線の所望の設計パターン61が、図1
0に一点鎖線で示されるように、図の右上から左下に走
る線状パターンであるとき、実際に描画されるパターン
は、図10に示されるように円形スポットで構成される
ものとなる。この図から、描画アドレスサイズ62によ
る丸め誤差により、実際に描画されたパターンは所望パ
ターンとは明らかに異なることがわかる。
【0009】この従来の描画装置によって斜め線のパタ
ーンを描画形成した例について、その所望パターンサイ
ズからのずれ量を示すのが、図11である。図11は、
スポットビーム方式の描画装置を用いて、同一のサイズ
のパターンを角度を変えて(すなわち0度または90度
のようにアドレスが区画される方向に沿う場合から、4
5度のように斜めに走る場合を、各角度について)描画
した際の、設定寸法からのずれ量を示すものである。横
軸にパターンの角度(度)、縦軸に所望パターンサイズ
からのずれ量(nm)を示す。
【0010】図11に示されるデータから理解されるよ
うに、パターン角度が変わると、パターンサイズの所望
サイズからのずれ量が変わる。45度方向のように、典
型的な斜め方向の場合、ずれ量が極めて大きい。しか
し、必ずしも角度にリニアに依存するとも言えず、結
局、パターン角度間でのパターンサイズのばらつきが大
きく、良好なパターン精度が得られないことがわかる。
【0011】たとえば実際のフォトマスク製造において
は、要請されるパターン精度は、1G−DRAM世代に
おいて、18nmが要求されており(Proc.SPI
E.Vol.2512(1995)45参照)、したが
って上記したようなばらつきは、製造上著しい問題とな
る。
【0012】ここでの問題点としては、任意の斜め線に
対して、描画データが一律に処理されてしまい、しかも
前記丸め誤差の生じる斜め線輪郭部が、その他の誤差の
生じないパターンと同一条件で描画されてしまうことに
ある。
【0013】この問題点を解決するために、描画アドレ
スサイズを、より小さくする手法があるが、この手法に
は、描画時間を著しく長くしてしまうという問題があ
り、実用的とは言えない。
【0014】本発明は、上記従来技術の問題点を解決し
て、斜め線パターンに代表されるパターンの斜め描画部
(本明細書中、斜め描画パターンと称する)を寸法精度
良く、しかも実用的な時間で描画することができる電子
ビーム描画装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決すべく、電子銃からの電子ビームを収束させること
によりスポットビームを形成して、被描画材上にパター
ンを描画する電子ビーム描画装置において、斜め描画パ
ターンの輪郭部を抽出する処理と、該パターン輪郭部の
図形配置位置を変更する処理とを設けることで、該斜め
描画パターンを描画する構成とする。
【0016】また、本発明は、上記問題点を解決すべ
く、電子銃からの電子ビームを収束させることによりス
ポットビームを形成して、被描画材上にパターンを描画
する電子ビーム描画装置において、斜め描画パターンの
輪郭部を抽出する処理と、該パターン輪郭部において、
前記スポットビームを照射する条件を変える機構を設け
ることで、該斜め描画パターンを描画する構成とする。
【0017】本発明にあっては、特に、斜め描画パター
ンの輪郭部を抽出する処理を設け、この輪郭部について
適正な処理を行うことによって、斜め線等の斜め描画パ
ターンを所望の設計通りのパターンで描画するようにす
る。
【0018】第1に、斜め描画パターンの図形配置位置
を変更する処理を設けることで、斜め描画パターンを、
特にその輪郭部について適正に描画することが可能とな
り、斜め線等の斜め描画パターンを所望の設計通りのパ
ターンで描画することが可能ならしめられる。
【0019】たとえば、該パターン輪郭部付近に与えら
れるドーズ量が、該パターン輪郭部を設計寸法通り形成
するために必要な量に近くなるように、該パターン輪郭
部の図形配置を変更する処理を行うことにより、斜め描
画パターンの所望の設計通りの描画が実現できる。
【0020】第2に、斜め描画パターンの輪郭部におい
て、スポットビームを照射する条件を変える機構を設け
ることで、斜め描画パターンを、特にその輪郭部につい
て適正に描画することが可能となり、斜め線等の斜め描
画パターンを所望の設計通りのパターンで描画すること
が可能ならしめられるのである。これは、スポットビー
ムを照射する条件の変更を、該スポットビームのビーム
エネルギーを変えるように、たとえば走査速度や、照射
のタイミング条件を定めるビームブランカーの制御速度
を変えるようにすることによって、斜め描画パターンの
所望の設計通りの描画が実現できる。
【0021】あるいは第3に、スポットビームを照射す
る条件を変える機構により、該斜め描画パターンの輪郭
部を除くパターンを描画し、その前または後に(つまり
順不同に)、該輪郭部をそのパターン描画とは異なるビ
ームエネルギー条件、たとえばビーム電流条件で描画す
ることによって、斜め描画パターンの所望の設計通りの
描画が実現できる。
【0022】本発明では、上記各手法により、斜め線を
含むパターン等の斜め描画パターンを寸法精度良く、し
かも描画時間を低下させることなく得ることが可能とな
る。本発明により、たとえば半導体装置や、フォトマス
クの製造手段を改良することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の具
体的実施の形態を説明する。ただし、当然のことではあ
るが、本発明は以下説明する実施の形態例により限定を
受けるものではない。
【0024】実施の形態例1 描画装置の回路動作をわかりやすくするために、具体的
な例を用いる。図1は、本発明の描画装置を実現するた
めの描画装置回路の一例を示すものである。
【0025】この描画装置回路は、一般的な通常の描画
装置回路に、新たに論理反転回路1、論理和回路2、外
部入力回路3、斜め線図形処理回路4、論理差分回路
5、論理和回路6を付加した図形処理回路である。図1
中、符号53はメモリ回路、54は図形処理部、55は
描画制御部である。
【0026】図形データは、ワード線31を介して、論
理反転回路1で、データ反転がなされ、図形処理部54
で、描画データに置き換えられる。
【0027】この際、斜め線パターンの輪郭部は、デー
タが充填されるため、ワード線32を介する図形データ
との論理和を論理和回路2においてとることで、該輪郭
部が抽出される。
【0028】抽出されたデータは、斜め線図形処理回路
4において、所望の加工が行われる。所望の加工を行う
ために、適宜、加工アルゴリズムを設定しておくことが
できる。
【0029】この加工アルゴリズムは、必ずしも単一で
はなく、複数のアルゴリズムを用意しておくことができ
る。たとえば外部入力3により、フォトリソグラフィに
おいて次工程となるレジストプロセスに合わせて、最適
なアルゴリズムを選択することが可能である。
【0030】また、抽出された斜め線データの配列情報
を検索することで、パターンの角度を認識することがで
き、その角度に応じて対応するアルゴリズムを選択する
ことが可能である。
【0031】斜め線図形処理回路4を経たデータは、論
理差分回路5によって、該斜め線輪郭部を取り除かれた
データと、論理和回路6において、再び結合される。
【0032】以上により、該斜め線の輪郭部を、設計寸
法通りに形成できるように、図形加工処理を行えるた
め、該斜め線を含むパターンを、高い寸法精度で得るこ
とができる。
【0033】次に、本例において、実際のパターン形成
を行う場合について、説明する。以下においては、説明
をより簡単とするために、斜め線部のパターン判定を、
描画アドレスの1/2以上の面積を占める場合とし、特
に45度の斜め線に有効な条件を用いて、説明する。た
だし、実施の形態例における説明に使用する斜め線部の
パターン判定条件については、あくまで一例であり、こ
れにより制約されるものではない。また、ここではフォ
トマスク製造工程を例にとって説明するが、これに限定
されず、半導体デバイスの製造等についても、同様に適
用できる。
【0034】本例でパターン形成に用いた条件は、次の
とおりである。被描画材は、試料として、5インチサイ
ズ、厚さ0.09インチの、クォーツガラスから成る基
板を使用し、この基板上に、100nm厚程度の2層ク
ロム層を蒸着したものを用意した。
【0035】レジストとしては、PMMA(ポリメチル
メタクリレート)系樹脂より成るポジ型レジストを使用
し、上述の基板上に、500nm厚に塗布した。
【0036】描画は、加速電圧10kVを有するスポッ
トビーム方式の描画装置を使用し、描画アドレスを0.
10μm、ビームスポットサイズを0.13μmとし
て、線幅1.0μmの斜め線パターンの描画を行った。
【0037】描画後の基板は、24℃のケトン系有機現
像液にて、4分のスプレー現像を行い、現像後、エッチ
ングを行った。
【0038】線幅は、レジストパターン除去後、透過型
の線幅測定器を用いて、その測定を行った。
【0039】上記図1を参照して説明した図形処理回路
を用いて(斜め線の具体的図形処理アルゴリズムについ
ては後述)、本実施の形態例において上記パターン形成
条件で形成した斜め線のパターン形成精度を、図2に示
す。図2は、前記説明した図11に対応するもので、0
度〜90度の各斜め線についてデータを作成し、描画形
成を行ったものである。図2から理解されるように、得
られた結果は、たとえば45度斜めパターンにおいての
線幅エラー量は、18nmとなり、従来技術の62nm
(図11参照)に対して、約30%にまで低減できるこ
とが確認された。
【0040】本実施の形態例では、斜め線の図形処理ア
ルゴリズムを、描画アドレスサイズを一定としたまま
で、輪郭部パターンのデータを2個おきに空とする設定
とした。この処理により、たとえば図10を用いて模式
的に説明すれば、輪郭部でのスポット描画につき、符号
63,64の描画を行い、次の符号65の部分は描画せ
ず、次に符号66,67の描画を行い、次は空にする、
という描画動作を行う。これにより、丸め誤差による膨
張が緩和され、所望パターンに近い精度の良い描画が達
成される。
【0041】本実施の形態例で、図1の図形処理回路と
組み合わせて使用できる斜め線図形処理アルゴリズムの
一例を、図3にフローチャートで示す。
【0042】前述したように、スポットビーム方式のデ
ータフォーマットとしては、パターンデータを最小アド
レス単位に分割し、そのアドレス内にパターンが有る
(1)、もしくは無い(0)の2段階判定を行ういわゆ
るビットマップ法が一般に用いられるが、ここでは分割
するアドレスごとに番地設定をおこなって、この番地を
利用する。
【0043】すなわち、図3に示すように、斜め線輪郭
部抽出パターン41について、各データアドレス毎の番
地割付け42を行い、斜め方向に対する番地情報の抽出
43を行い、番地情報からの斜め線角度判定44をし
て、角度に対応したパターン描画データの加工45を行
うのである。つまり、アドレス番地を調べることで、該
当番地の規則性を認識し、それに応じた描画データの加
工を行うわけである。これにより、具体的に説明した4
5度以外の斜め線についても、その規則性により、適正
な図形処理が行える。たとえば20度の斜め線であれ
ば、たとえばいくつおきに空にするドーズ条件を選べば
適正かを判断して、そのような判断にしたがった描画デ
ータの加工を行う。
【0044】上記のように、本実施の形態例によって、
斜め線パターン等の斜め描画パターンについても、所望
の設計寸法に近いパターン描画が実現できた。したがっ
て、本例のようなフォトマスク形成について、あるいは
また半導体装置等の製造において、適正なパターン描画
を達成することができる。
【0045】なお、ここに説明したアルゴリズムの条件
は一例であって、本発明を限定するものではなく、異な
る描画アドレスサイズにしてもよいことは当然であり、
また、ことなるデータ処理方法を組み合わせても、同様
な効果を得られるものである。
【0046】実施の形態例2 次に図4を参照して、第2の実施の形態例を説明する。
図4は、本例の描画装置回路を示すものである。
【0047】この描画装置回路は、一般的な通常の描画
装置回路に、新たに論理反転回路1、論理和回路2、デ
ータ出力バッファ11,12、クロックジェネレータ1
3、ビームブランカー変調回路14を付加した図形処理
回路である。図4中、符号53はメモリ回路、54は図
形処理部、55は描画制御部である。
【0048】本例の描画装置回路では、論理和回路2を
介して、予め抽出された斜め線輪郭部のデータは、デー
タ出力バッファ11に貯えられ、また、斜め線輪郭部を
含む通常のデータが、データ出力バッファ12に貯えら
れる。
【0049】データ出力バッファ11,12は、クロッ
クジェネレータ13によって同期されており、これによ
って各描画パターンのデータ出力のタイミングは、同一
に合わせられる。
【0050】また、データ出力バッファ11は、電子ビ
ームを被描画材試料に照射する際に、描画アドレス当た
りのビーム照射量を決めるファクターとなるビームブラ
ンカー周波数を制御するビームブランカー変調回路14
に接続され、これにより、斜め線輪郭部のデータをトリ
ガ信号として、該パターン部分においてビームブランカ
ーの周波数を変調させるものとした。
【0051】以上により、データ出力バッファ12から
出力される通常データを描画する際において、該斜め線
輪郭部のみのビーム照射量を変えることを可能とした。
これによって、該斜め線を含むパターンを、高い寸法精
度で得ることが可能になるものである。
【0052】上記図4を参照して説明した図形処理回路
を用いて、本実施の形態例において、実施の形態例1と
同様の被描画材試料、及びパターン形成条件で、斜め線
のパターンを形成した。
【0053】本実施の形態例では、次のようにして、輪
郭部のビーム照射エネルギーを変えて、適正な斜め線の
描画を行うようにした。ビーム照射エネルギーは、ビー
ム電流値と、ビーム照射時間との積によって定義される
が、ここでは、ビームブランカーのタイミングを変える
ことで1描画アドレス当たりの照射時間を制御し、結果
として、ビーム照射エネルギーを変えるようにした。す
なわち本例では、ビームブランカーをON(ビーム遮断
状態)からOFF(ビーム通過状態)、もしくはOFF
からONへ切り換える際のスピードを変化させる。言い
換えれば、1描画アドレスに入射させるスポットビーム
の立ち上がり時間、もしくは立ち下がり時間を制御す
る。このような制御によって、斜め線輪郭部を描画する
際のビームブランカーの速度を、ビームブランカー変調
回路14を用いて、照射エネルギーが他のパターンの9
3%となるように、設定した。この処理により、輪郭部
でのスポット描画については、他の部分よりやや小さい
エネルギーでの描画がなされ、これによって、丸め誤差
による膨張が緩和され、所望パターンに近い精度の良い
描画が達成される。
【0054】上記図4を参照して説明した図形処理回路
を用いて、上記のように本実施の形態例において、実施
の形態例1と同様の被描画材試料、及びパターン形成条
件で形成した斜め線のパターン形成精度を、図5に示
す。図5は、前記説明した図11に対応するものであ
る。図5から理解されるように、得られた結果は、たと
えば45度斜めパターンにおいての線幅エラー量は、6
nmとなり、従来技術の62nm(図11参照)に対し
て、その約10%にまで低減できることが確認された。
【0055】上記のように、本実施の形態例によって、
斜め線パターン等の斜め描画パターンについても、所望
の設計寸法に近いパターン描画が実現できた。したがっ
て、本例のようなフォトマスク形成について、あるいは
また半導体装置等の製造において、適正なパターン描画
を達成することができる。
【0056】実施の形態例3 次に図6を参照して、第3の実施の形態例を説明する。
図6は、本例の描画装置回路を示すものである。
【0057】この描画装置回路は、一般的な通常の描画
装置回路に、新たに論理反転回路1、論理和回路2、論
理差分回路5、パターンメモリ21、描画エンド信号発
生器22、パラメータファイル23を付加した図形処理
回路である。図6中、符号53はメモリ回路、54は図
形処理部、55は描画制御部である。
【0058】本例の描画装置回路では、論理和回路2を
介して、予め抽出された斜め線輪郭部のデータが、一旦
パターンメモリ21上に格納される。
【0059】他方、論理差分回路5を介して抽出され
た、斜め線輪郭部を除く描画データは、ワード線34を
介して描画制御部55へと送られ、被描画材試料上に描
画される。
【0060】描画終了後、描画エンド信号発生器22か
ら、トリガ信号が送られ、前記パターンメモリ21上に
格納されていたデータが、描画制御部55へ転送され、
斜め線輪郭部のみの描画が行われる。
【0061】この斜め線輪郭部を描画する際に、たとえ
ばビーム電流値や、ビームスポットサイズを変更させる
機能を付加することで、該斜め線輪郭部のビーム照射エ
ネルギーを変え、これにより適正な斜め線輪郭部の描画
が可能となる。これによって、斜め線を含むパターン
を、高い寸法精度で得ることができる。
【0062】上記図6を参照して説明した図形処理回路
を用いて、本実施の形態例において、実施の形態例1と
同様の被描画材試料、及びパターン形成条件で、斜め線
のパターンを形成した。ここでは上記ビーム照射エネル
ギーを変える手法のうち、ビーム電流値を変更する機能
を持たせるようにした。
【0063】すなわち本実施の形態例では、斜め線輪郭
部を描画する際の条件を、描画スポットサイズを同一と
し、ビーム電流値を他のパターン描画の際の93%とな
るように、設定した。この処理により、輪郭部でのスポ
ット描画については、他の部分よりやや小さいエネルギ
ーでの描画がなされ、これによって、丸め誤差による膨
張が緩和され、所望パターンに近い精度の良い描画が達
成される。
【0064】上記図6を参照して説明した図形処理回路
を用いて、上記のように本実施の形態例において、実施
の形態例1と同様の被描画材試料、及びパターン形成条
件で形成した斜め線のパターン形成精度を、図7に示
す。図7は、前記説明した図11に対応するものであ
る。図7から理解されるように、得られた結果は、たと
えば45度斜めパターンにおいての線幅エラー量は、−
3nmとなり、従来技術の62nm(図11参照)に対
して、その約5%にまで低減できることが確認された。
【0065】なお、斜め線輪郭部の描画条件は、異なる
アドレスサイズ、描画スポットサイズ、ビーム電流値を
組み合わせても、同様な効果を得ることができる。
【0066】上記のように、本実施の形態例によって、
斜め線パターン等の斜め描画パターンについても、所望
の設計寸法に近いパターン描画が実現できた。したがっ
て、本例のようなフォトマスク形成について、あるいは
また半導体装置等の製造において、適正なパターン描画
を達成することができる。
【0067】
【発明の効果】本発明の電子ビーム描画装置によれば、
斜め線パターンに代表されるパターンの斜め描画部を寸
法精度良く、しかも実用的な時間で描画することがで
き、電子ビーム描画によりたとえばフォトマスクやある
いはまた半導体装置等を製造する場合に極めて有効であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の描画装置を実現するための描画装置
回路の一例を示し、特に実施の形態例1で用いる図形処
理回路の構成を示す図である。
【図2】 実施の形態例1におけるパターン描画の精度
を示す図である。
【図3】 実施の形態例1で用いることができる斜め線
図形処理アルゴリズムの一例を示すフロー図である。
【図4】 本発明の描画装置を実現するための描画装置
回路の一例を示し、特に実施の形態例2で用いる図形処
理回路の構成を示す図である。
【図5】 実施の形態例2におけるパターン描画の精度
を示す図である。
【図6】 本発明の描画装置を実現するための描画装置
回路の一例を示し、特に実施の形態例3で用いる図形処
理回路の構成を示す図である。
【図7】 実施の形態例3におけるパターン描画の精度
を示す図である。
【図8】 従来技術に係る描画装置の構成の一例を示す
図である。
【図9】 ビットマップ法を説明する図である。
【図10】 スポットビームを用いた描画装置による斜
め線の描画方法を示す図である。
【図11】 従来技術に係る描画装置の問題点を示す図
である。
【符号の説明】
1・・・論理反転回路、2・・・論理和回路、3・・・
外部入力回路、4・・・斜め線図形処理回路、5・・・
論理差分回路、6・・・論理和回路、11,12・・・
データ出力バッファ、13・・・クロックジェネレー
タ、14・・・ビームブランカー変調回路、21・・・
パターンメモリ、22・・・描画エンド信号発生器、2
3・・・パラメータファイル、53・・・メモリ回路、
54・・・図形処理部、55・・・描画制御部。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子銃からの電子ビームを収束させるこ
    とによりスポットビームを形成して、被描画材上にパタ
    ーンを描画する電子ビーム描画装置において、 斜め描画パターンの輪郭部を抽出する処理と、 該パターン輪郭部の図形配置位置を変更する処理とを設
    けることで、 該斜め描画パターンを描画することを特徴とする電子ビ
    ーム描画装置。
  2. 【請求項2】 前記パターン輪郭部の図形配置位置を変
    更する処理により、該パターン輪郭部の近傍に与えられ
    るドーズ量が、該パターン輪郭部を設計寸法通りに形成
    するために必要な量に近くなるようにすることを特徴と
    する請求項1に記載の電子ビーム描画装置。
  3. 【請求項3】 電子銃からの電子ビームを収束させるこ
    とによりスポットビームを形成して、被描画材上にパタ
    ーンを描画する電子ビーム描画装置において、 斜め描画パターンの輪郭部を抽出する処理と、 該パターン輪郭部において、前記スポットビームを照射
    する条件を変える機構を設けることで、 該斜め描画パターンを描画することを特徴とする電子ビ
    ーム描画装置。
  4. 【請求項4】 前記スポットビームを照射する条件を変
    える機構を、該スポットビームのビームエネルギーを変
    える機構としたことを特徴とする請求項3に記載の電子
    ビーム描画装置。
  5. 【請求項5】 該スポットビームの照射タイミング条件
    を制御するビームブランカーの制御速度を変える機構と
    したことを特徴とする請求項4に記載の電子ビーム描画
    装置。
  6. 【請求項6】 前記スポットビームを照射する条件を変
    える機構により、前記輪郭部を除くパターンを描画し、
    その前または後に、前記輪郭部を該パターン描画とは異
    なるビームエネルギー条件で描画するものとしたことを
    特徴とする請求項3に記載の電子ビーム描画装置。
  7. 【請求項7】 前記輪郭部を前記パターン描画とは異な
    るビーム電流条件で描画するものとしたことを特徴とす
    る請求項3に記載の電子ビーム描画装置。
JP18815297A 1997-07-14 1997-07-14 電子ビーム描画装置 Pending JPH1131651A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009147254A (ja) * 2007-12-18 2009-07-02 Jeol Ltd 電子ビーム描画装置の描画方法及び電子ビーム描画装置

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JP2009147254A (ja) * 2007-12-18 2009-07-02 Jeol Ltd 電子ビーム描画装置の描画方法及び電子ビーム描画装置

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