JPH11316468A - 電子写真感光体、および電子写真画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、および電子写真画像形成装置

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JPH11316468A
JPH11316468A JP26539298A JP26539298A JPH11316468A JP H11316468 A JPH11316468 A JP H11316468A JP 26539298 A JP26539298 A JP 26539298A JP 26539298 A JP26539298 A JP 26539298A JP H11316468 A JPH11316468 A JP H11316468A
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一浩 小関
Tomosumi Kamisaka
友純 上坂
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文夫 小島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面の機械的強度、耐酸化ガス性が高く、光
電特性も安定し、汚れ付着しにくい電子写真感光体及び
それを用いた画像形成装置を提供すること。 【解決手段】 最表面層が及び何れかの架橋硬化膜
からなる電子写真感光体、及びそれを用いた画像形成装
置。少なくともG1 −D−Fで表される化合物、ケイ
素含有微粒子及び架橋性化合物から形成される架橋硬化
膜。少なくともG2 −D−Fで表される化合物及び下
記式(IV)で表される置換基を2以上有する架橋性化合
物から形成される架橋硬化膜。式(IV):−Si
(R3 (3-b) (OR4 b [各式中、G1 はSi含有
ガラス質ネットワークサブユニット、Dは可撓性有機サ
ブユニット、Fは光電特性サブユニット、G2 は−Si
(R1 (3 -a) (OR2 a 、R1 及びR3 は水素、ア
ルキル基、アリール基、R2 及びR 4 は水素、アルキル
基、トリアルキルシリル基、a及びbは1〜3の整
数。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ー、ファクシミリなど、広い分野に適用される電子写真
感光体、および、それを用いた電子写真画像形成装置に
関する。詳しくは、導電性支持体上に感光層を形成し
た、いわゆる有機感光体(OPC)と呼ばれる電子写真
感光体、および、それを用いた電子写真画像形成装置に
関し、感光層の最表面層の機械的強度、耐酸化性ガス
性、および耐汚染物付着性の向上を企図したものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真装置、例えば普通紙複写
機(PPC)、レーザープリンター、LEDプリンタ
ー、液晶プリンター等は、回転ドラム型等の電子写真感
光体(以下、単に「感光体」という場合がある)に、帯
電、露光、および現像の作像プロセスを経て像形成し、
得られた像を転写材に転写し、これを定着して複写物を
得るものである。感光体としては、従来よりセレニウ
ム、ヒ素−セレニウム、硫化カドミウム、酸化亜鉛、a
−Si等の無機系感光体が用いられてきていたが、近
年、安価で製造性および廃棄性の点で優れた有機感光体
(OPC)の研究開発も活発化しており、中でも電荷発
生層と電荷輸送層とを積層した、いわゆる機能分離型積
層感光体が、感度、帯電性、およびかかる特性の繰り返
し使用時の安定性等、電子写真特性の点で優れており種
々の提案がなされ、実用化されている。
【0003】しかしながら、電子写真感光体に要求され
る耐久性のレベルは、年々厳しいものとなっており、耐
久性向上に必要な技術の検討が続けられている。具体的
な耐久性の問題としては、繰り返し使用による表面層の
摩耗および傷や、コロナ帯電器から発生するオゾンなど
の酸化性ガスによる表面層の酸化劣化、等が挙げられ
る。特に、接触帯電方式の帯電手段を用いた場合には、
表面層の摩耗および傷の問題は著しく増長される。
【0004】最近になり、酸化性ガスの発生が少なくな
る、および電源コストが抑えられるなどの理由から、接
触帯電方式の帯電手段を用いた複写機やプリンタが増え
ている。このとき、感光体の帯電電位を安定させるため
に、交流成分を有する印加電圧を電子写真感光体に付与
した場合、感光体表面の摩耗が大きくなってしまうとい
う問題があった。この原因としては、感光体表面と帯電
手段との間に発生する放電により、感光体表面の結着樹
脂の結合が切断して低分子量化すること等が考えられて
いる。感光体表面の結着樹脂が低分子量化すると、クリ
ーニングブレードなどの機械的クリーニング手段により
感光体表面をクリーニング場合、感光体表面の摩耗が著
しく増大してしまうことがわかっている。
【0005】感光体表面の摩耗を防止する方法として、
通常、感光体の表面層を構成している電荷輸送材料のポ
リマー化についての研究が盛んに為されている。例え
ば、米国特許第4,806,443号明細書には、特定
のジヒドロキシアリールアミンとビスクロロホルメート
との重合によるポリカーボネートが開示されており、米
国特許第4,806,444号明細書には特定のジヒド
ロキシアリールアミンとホスゲンとの重合によるポリカ
ーボネートが開示されている。また、米国特許第4,8
01,517号明細書にはビスヒドロキシアルキルアリ
ールアミンとビスクロロホルメートあるいはホスゲンと
の重合によるポリカーボネートが開示されており、米国
特許第4,937,165号明細書および米国特許第
4,959,288号明細書には、特定のジヒドロキシ
アリールアミンあるいはビスヒドロキシアルキルアリー
ルアミンと、ビスクロロホルメートとの重合によるポリ
カーボネート、あるいは、ビスアシルハライドとの重合
によるポリエステルが開示されている。
【0006】さらに、米国特許第5,034,296号
明細書には、特定のフルオレン骨格を有するアリールア
ミンのポリカーボネート、あるいは、ポリエステルが、
また、米国特許第4,983,482号明細書には、ポ
リウレタンが開示されている。さらにまた、特公昭59
−28903号公報には、特定のビススチリルビスアリ
ールアミンを主鎖としたポリエステルが開示されてい
る。また、特開昭61−20953号公報、特開平1−
134456号公報、特開平1−134457号公報、
特開平1−134462号公報、特開平4−13306
5号公報、特開平4−133066号公報などには、ヒ
ドラゾンや、トリアリールアミンなどの電荷輸送性の置
換基をペンダントとしたポリマーおよびそれを用いた感
光体も提案されている。しかし、上記の高分子電荷輸送
材料は、感度、残留電位などの点で十分でなく、感光体
としての耐久性も十分でない。
【0007】また、低分子電荷輸送材料を結着樹脂ある
いはその前駆体中に分散し、その後結着樹脂あるいはそ
の前駆体を反応硬化させる方法が提案されている。かか
る提案としては、例えば、特開昭56−48637号公
報、特公昭56−42863にはアクリル系ポリマーを
用いる例が、特公平5−47104号公報、特公昭60
−22347号公報、特公平7−120051号公報に
はシリコーン系ポリマーあるいはポリマー前駆体を用い
る例が示されている。しかし、電子写真感光体としての
十分な特性を得るためには、低分子電荷輸送材料の濃度
を30〜50%と高くする必要があるため、結着樹脂の
硬化反応が十分に進まず、結着樹脂間から低分子電荷輸
送材料が抜け出し、結局摩耗してしまう場合があり、十
分な問題の解決には至っていない。
【0008】感光体の摩耗を低減させる他の方法とし
て、感光体表面に機械的強度の高い表面保護層を施すと
いう手段があげられる。機械的強度の面からは、架橋硬
化型樹脂が優れているが、この樹脂のみで表面保護層を
構成すると表面保護層は絶縁層となってしまうため、感
光体としての光電特性が犠牲になってしまう。具体的に
は、露光時の明部電位が上昇することにより、現像電位
マージンが狭くなる問題、および除電後の残留電位が上
昇することにより、特に長期の繰り返し印刷を行った場
合に画像濃度が低下する問題、などがあった。
【0009】表面保護層に光電特性を付与する手法とし
て、導電性の金属酸化物微粉末を抵抗制御材として表面
保護層中に分散する方法が報告されている(特開昭57
−128344号公報)。この方法によれば、感光体の
光電特性の低下は小さく、上述の問題は顕著に改善され
る。しかし、一般に導電性微粉末として用いる金属酸化
物の抵抗値は、使用される環境の湿度に大きく依存する
という問題がある。そのため、特に高温高湿下において
感光体の表面抵抗が低下し、静電潜像がぼやけてしま
い、画像品位が大きく低下してしまうという本質的な問
題があった。
【0010】光電特性を改良する他の手法として、結着
樹脂中に電荷輸送物質を分散し、その後結着樹脂を硬化
させて表面保護層を形成するという方法が報告されてい
る(特開平4−15659号公報)。この方法では感光
体の表面抵抗が湿度依存を示すことも無く、画像品位上
の問題も起こらない。しかし、電荷輸送物質という低分
子量成分の添加は、表面保護層を形成時の硬化反応を阻
害し、表面保護層の機械的強度を低下させる。よって、
単独では機械的強度の高い架橋硬化型樹脂を用いたとし
ても、光電特性の改良に必須の電荷輸送物質という低分
子量成分を添加することで、表面保護層の機械強度は大
きく低下してしまうという問題点があった。
【0011】このような観点から、官能基を有する電荷
輸送物質を用いて、これを熱可塑性の結着樹脂と反応さ
せることにより表面層の機械的強度の向上を図るという
報告がされている(特開平6−202354号公報、特
開平5−323630号公報)。この方法によれば、感
光体の光電特性を低下させずに、十分な機械的強度を初
期的には得ることができる。しかし、かかる表面保護層
の構成では、接触帯電方式の帯電手段を用いて長期間使
用された場合、機械的強度の急激な低下が起こるという
問題点があった。この原因は、やはり帯電手段における
交流電圧印加による熱可塑性結着樹脂の結合の切断とい
った強い外的ストレスによるものであると考えられ、ク
リーニングブレードなどの機械的クリーニング手段を採
用すると、表面保護層の摩耗が非常に増大してしまう。
【0012】感光体には、その表面の摩耗性の低下に加
え、酸化性ガスに対する耐性も要求される。接触帯電方
式の帯電手段で発生するオゾンやNOXの量は、スコロ
トロン放電方式の帯電手段に比べてはるかに少ないとは
いえ、交流成分を有する印加電圧を用いる場合には、必
ずこれらが発生する。感光体表面の機械的強度を向上さ
せることで、感光体の寿命を延ばそうとすると、感光体
は、発生した酸化性ガスに、より長い時間晒されるた
め、従来以上の酸化性ガスに対する耐性が求められる。
【0013】さらに、これらの問題点に加えて、表面保
護層の機械的強度を高めようとすると、感光体表面は、
摩耗によりリフレッシュされることがないため、紙粉や
トナー、放電生成物等が蓄積し、これらの付着汚れが顕
在化し、その結果画像品質を低下させてしまうという問
題も生じてくる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、これらの諸問題を解決した電子写真感光体、および
それを用いた画像形成装置を提供することである。即
ち、本発明の目的は、表面の機械的強度が高く、従って
耐摩耗性も高く、酸化性ガスに対する耐性が高く、光電
特性も安定しており、連続使用による紙粉やトナー、放
電生成物等の付着汚れも生じにくい(耐汚染物付着性の
高い)電子写真感光体、およびそれを用いた画像形成装
置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、電子写真
感光体の表面保護層、あるいは、表面層である感光層
(以下、これらを総合して「最表面層」という場合があ
る)を、以下の第1の本発明の構成、または、第2の本
発明の構成とすることで、上記問題が解決できることを
見出した。
【0016】第1の本発明 少なくとも下記一般式(Ia)で表される化合物、ケイ
素含有微粒子、および、架橋性化合物から形成される架
橋硬化膜よりなる構成。
【0017】 G−D−F 一般式(Ia) (式中、GはSi含有ガラス質ネットワークサブユニッ
ト、Dは可撓性有機サブユニット、Fは光電特性サブユ
ニットを表す。)
【0018】第2の本発明 少なくとも下記一般式(Ib)で表される化合物、およ
び、下記一般式(IV)で表される置換基を2以上有する
架橋性化合物から形成される架橋硬化膜よりなる構成。
【0019】 G−D−F 一般式(Ib) (式中、Dは可撓性有機サブユニット、Fは光電特性サ
ブユニット、Gは−Si(R1 (3-a) (OR2 a
表し、R1 は水素、アルキル基、置換あるいは未置換の
アリール基を表し、R2 は水素、アルキル基、トリアル
キルシリル基を表し、aは1〜3の整数を表す。)
【0020】 −Si(R3 (3-b) (OR4 b 一般式(IV) (式中、R3 は水素、アルキル基、置換または未置換の
アリール基を表し、R4は水素、アルキル基、トリアル
キルシリル基を表し、bは1〜3の整数を表す。)
【0021】以上のいずれかの構成の最表面層を有する
電子写真感光体を、接触帯電方式の帯電手段、および/
または、機械的クリーニング手段を有する電子写真画像
形成装置に用いた場合、耐刷性を飛躍的に向上させるこ
とができる。
【0022】一般式(Ia)または(Ib)で表される
化合物におけるG−の部分と、架橋性化合物とを架橋重
合反応させて、マトリックス状の最表面層を形成する
と、機械的強度が向上する。そのため、かかる電子写真
感光体を接触帯電方式の帯電手段、および/または、機
械的クリーニング手段を有する電子写真画像形成装置に
用いた場合、特に耐刷性を向上させる効果が大きい。こ
れは、架橋構造をとることにより単位体積当たりの総結
合エネルギーが大きくなり、放電や機械的接触などの強
いストレスに対する耐性が高くなるためであると考えら
れる。また、これらのストレスにより、最表面層におけ
る結合の一部が切断されたとしても、3次元的な架橋構
造が形成されているため、直ちに低分子量化することは
なく、よって高い機械的強度が持続する。
【0023】上記のような架橋構造の最表面層は、それ
自身の硬度が高いが、第1の本発明では、さらにケイ素
含有微粒子を含有させることにより、機械的強度に加え
て、耐汚染物付着性、潤滑性を向上させ、かつ、長期間
にわたってそれを維持することができる。
【0024】ケイ素含有微粒子としては、一般式(I
a)で表される化合物におけるG−の部分と反応可能な
シラノール基を表面に数多く有するコロイダルシリカを
用いることが好ましい。また、ケイ素含有微粒子として
シリコーン微粒子を用いることも好ましく、機械的強度
に加えて、表面潤滑性、耐摩耗性、さらに、撥水性が向
上し、放電生成物等の親水性の汚染物に対する耐付着汚
染性が向上し、かつ、長期間にわたってそれらを維持す
ることができる。
【0025】第2の本発明の構成の最表面層は、一般式
(Ib)で表される化合物中、および、架橋性化合物中
の双方のSiを有する基が、互いに架橋反応して形成さ
れる3次元的な−Si−O−Si−結合(ガラス結合)
に基づく無機マトリクスの中に、一般式(Ib)におけ
るFで表わされる光電特性サブユニット(有機成分)を
結合によって取り込んだ有機無機複合膜の架橋硬化膜と
なる。当該膜は−Si−O−Si−結合の形成方法よ
り、ゾル−ゲル硬化膜の一種ということができる。この
架橋硬化膜の最表面層は、無機マトリクス特有の優れた
表面機械強度を有しているため、感光体に対するストレ
スの大きい接触帯電を用いる電子写真画像形成装置に用
いた場合でも、従来の感光体に比べて極めて高い耐刷性
を示す。
【0026】本発明(以下、単に「本発明」といった場
合には、「第1の本発明」と「第2の本発明」の双方を
指すものとする)の電子写真感光体においては、上記一
般式(Ia)または(Ib)で表される化合物中のFで
表される光電特性サブユニットにより、最表面層が電荷
輸送性を有しいる。この電荷輸送性を担うFで表される
光電特性サブユニットが、最表面層を構成する架橋構造
に直接結合しているため、架橋構造の機械的特性を失う
ことなく、本発明の電子写真感光体に光電特性を付与す
ることが可能となっている。よって、上記構成の最表面
層は、その機械的特性から感光体表面の表面保護層とし
て適用可能なだけでなく、単層型感光体における感光
層、積層型感光体における電荷輸送層、あるいは電荷発
生層としてもそのまま機能させることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態を挙げ
ながら、詳細に説明する。第1の本発明は、電子写真感
光体の最表面層が、少なくとも下記一般式(Ia)で表
される化合物、ケイ素含有微粒子、および、架橋性化合
物から形成される架橋硬化膜よりなることを特徴とす
る。
【0028】 G−D−F 一般式(Ia) (式中、GはSi含有ガラス質ネットワークサブユニッ
ト、Dは可撓性有機サブユニット、Fは光電特性サブユ
ニットを表す。)
【0029】また、第2の本発明は、電子写真感光体の
最表面層が、少なくとも下記一般式(Ib)で表される
化合物、および、下記一般式(IV)で表される置換基を
2以上有する架橋性化合物から形成される架橋硬化膜よ
りなる構成。
【0030】 G−D−F 一般式(Ib) (式中、Dは可撓性有機サブユニット、Fは光電特性サ
ブユニット、Gは−Si(R1 (3-a) (OR2 a
表し、R1 は水素、アルキル基、置換あるいは未置換の
アリール基を表し、R2 は水素、アルキル基、トリアル
キルシリル基を表し、aは1〜3の整数を表す。)
【0031】 −Si(R3 (3-b) (OR4 b 一般式(IV) (式中、R3 は水素、アルキル基、置換または未置換の
アリール基を表し、R4は水素、アルキル基、トリアル
キルシリル基を表し、bは1〜3の整数を表す。)
【0032】電子写真感光体の最表面層を第1の本発明
の構成あるいは第2の本発明の構成のいずれか一方を有
するものとすれば、本発明の上記目的は達成されるが、
双方の構成を併せ持つものとすることも勿論可能であ
る。以下、第1および第2の本発明を、各構成成分に分
けて詳細に説明する。
【0033】〔一般式(Ia)または(Ib)で表され
る化合物〕一般式(Ia)または(Ib)で表される化
合物は、以上の如くG、DおよびFで表される各サブユ
ニットから構成される。GはSi含有ガラス質ネットワ
ークサブユニットであり、アルコキシド、酸、ハライド
およびオキサレートのような加水分解および縮合を受け
得る任意の多くの無機物質から得ることができる。かか
るGで表されるSi含有ガラス質ネットワークサブユニ
ットは、最表面層形成時に、後述の架橋性化合物と架橋
重合反応して、強固な架橋構造を形成する部分である。
【0034】第2の本発明では、Gの構造は、−Si
(R1 (3-a) (OR2 a [式中、R1は水素、アル
キル基、置換あるいは未置換のアリール基を表し、R2
は水素、アルキル基、トリアルキルシリル基を表す。]
となる必要がある。このような構造とすることで、Gの
部分同士互いに、あるいは、後述の架橋性化合物と架橋
反応を起こして、3次元的なSi−O−Si結合、すな
わち無機ガラス質ネットワークを形成する。
【0035】Fは光電特性サブユニットであり、電荷輸
送性を担う部分である。かかるFで表される光電特性サ
ブユニットは、電荷輸送性を有するプレカーサーから得
ることができ、該プレカーサーとしては、例えば、ピラ
ゾリン、オキサジアゾール、ヒドラゾン、トリフェニル
アミン、ベンジジン、トリフェニルメタン誘導体、トリ
ニトロフルオレノン(TNF)、およびブトキシカルボ
ニルフルオレニリデンマロノニトリル(BCFM)のよ
うな(アルコキシカルボニルフルオレニリデン)マロノ
ニトリル等が挙げられる。
【0036】また、Fの構造としては、従来より電荷輸
送物質として知られている構造をそのまま挙げることが
できる。具体的には、トリアリールアミン系化合物、ベ
ンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリー
ル置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アント
ラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物、などの正孔輸送
性を有する化合物骨格、およびキノン系化合物、フルオ
レノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系
化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物、な
どの電荷輸送性を有する化合物骨格を挙げることができ
【0037】Dは可撓性有機サブユニットであり、上記
GおよびFで表されるサブユニットの連結基としての機
能を有する。かかるDで表される可撓性有機サブユニッ
トは、2個以上の反応性基を有し、かつ可撓性を有する
ポリマープレカーサーから得ることができる。Gおよ
びFで表されるサブユニット同士では、直接強固な、か
つ安定的な結合が得られないこと、化合物にある程度
可撓性を付与することにより、成膜時に柔軟にかつ密に
架橋構造を形成することができること、および、得ら
れる膜に可撓性がないと、膜自体がもろくなり、却って
機械的強度が低下してしまうこと、等の理由より、Dで
表される可撓性有機サブユニットを介して、GおよびF
で表されるサブユニットが連結されている。
【0038】Dの具体的な構造としては、−Cx 2x
(xは1〜15の整数)、−Cx' 2x'-2 −(x’は2
〜15の整数)、−Cx"2x"-4 −(x”は2〜15の
整数)で表わされる2価の炭化水素基、2価のアリール
基、−COO−、−S−、−O−、−CH2 −C6 4
−、−N=CH−、−(C6 4 )−(C6 4 )−、
あるいはこれらの組み合わせや、さらに置換基を導入し
たもの等を挙げることができる。
【0039】一般式(Ia)または(Ib)で表される
化合物は、例えば特開平2−333495号に記載のゾ
ル−ゲル法により得ることができる。一般式(Ia)ま
たは(Ib)におけるG−D−で表される置換基として
は、下記一般式(II)で表される構造であることが好ま
しい。
【0040】 −Y−Si(R1 (3-a) (OR2 a 一般式(II) 式中、R1は水素、アルキル基、置換あるいは未置換の
アリール基を表し、R2は水素、アルキル基、トリアル
キルシリル基を表し、aは1〜3の整数を示す。
【0041】一般式(II)中の−Si(R1
(3-a) (OR2 a は、互いに、あるいは後述の架橋性
化合物と架橋反応を起こして、3次元的なSi−O−S
i結合、すなわち無機ガラス質ネットワークを形成す
る。
【0042】Yは、ヘテロ原子に直接結合した水素原子
を含まない、2価の基を表し、具体的には、一般式(I
I)で表される置換基中の−Y−が、−Cx 2x−(x
は1〜15の整数)、−Cx'2x'-2 −(x’は2〜1
5の整数)、−Cx"2x"-4 −(x”は2〜15の整
数)、置換あるいは未置換の2価のアリール基、−CH
=N−、−O−、−COO−からなる群より選ばれる少
なくとも1種以上を有する2価の基が挙げられる。Yが
ヘテロ原子に直接結合した水素原子を含む場合には、電
荷輸送特性の環境変動が大きくなるという問題が生じ、
特に高温高湿環境下では、解像度の低下といった画像特
性の悪化をもたらす。勿論本発明は、これらに限定され
るものではない。Yとしては、以下に示すNo. 1〜11
の構造が例示される。
【0043】
【化7】
【0044】ここで、R4は、水素、炭素数1〜4のア
ルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲンから
選択される。xは1〜10の整数、x’およびx”はそ
れぞれ2〜15の整数、yおよびzはそれぞれ1〜5の
整数、tは1〜3の整数をそれぞれ示す。上記構造の中
でも、特にNo. 1〜7に示した構造が好ましい。
【0045】一般式(Ia)で表される化合物として
は、下記一般式(IIIa) で示される化合物であること
が、電荷輸送特性および酸化耐性の点で、特に望まし
い。 一般式(IIIa)
【0046】
【化8】
【0047】(式中、Ar1〜Ar4はそれぞれ独立に置
換あるいは未置換のアリール基を示し、Ar5は置換あ
るいは未置換のアリール基あるいはアリーレン基を示
し、かつAr1 〜Ar5のうち1〜4個は、G−D−で
表される置換基であり、kは0または1を示す。)
【0048】同様に一般式(Ib)で表される化合物と
しては、下記一般式(IIIb) で示される化合物であるこ
とが、電荷輸送特性および酸化耐性の点で、特に望まし
い。 一般式(IIIb)
【0049】
【化9】
【0050】(式中、Ar1〜Ar4はそれぞれ独立に置
換あるいは未置換のアリール基を示し、Ar5は置換あ
るいは未置換のアリール基あるいはアリーレン基を示
し、かつAr1 〜Ar5のうち1〜4個は、一般式(I
b)におけるG−D−で表される置換基であり、kは0
または1を示す。)
【0051】一般式(IIIa) および(IIIb) において、
Ar1〜Ar4は、それぞれ独立に置換または未置換のア
リール基を示し、具体的には、以下に示す構造が挙げら
れる。
【0052】
【化10】
【0053】ここで、R3は、水素、炭素数1〜4のア
ルキル基、未置換の、または炭素数1〜4のアルキル基
もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェ
ニル基、炭素数7〜10のアラルキル基から選択され
る。R4は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数
1〜4のアルコキシ基、ハロゲンから選択される。mお
よびsは0または1を表し、tは1から3の整数を示
し、Arは下記から選択される。
【0054】
【化11】
【0055】ここで、R8は、水素、炭素数1〜4のア
ルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲンから
選択される。また、tは0〜3の整数を示す。
【0056】また、Z’は以下に示す構造から選択され
る。
【0057】
【化12】
【0058】さらに、XはG−D−で表される置換基を
表し、既述の如き一般式(II)で表される構造であるこ
とが好ましい。
【0059】一方、前記一般式(IIIa) および(IIIb)
におけるAr5は、置換もしくは未置換のアリール基ま
たは、アリーレン基を示し、具体的には以下に示す構造
が挙げられる。
【0060】一般式(IIIa) および(IIIb) におけるk
が0の時のAr5の具体例としては、
【0061】
【化13】
【0062】一般式(IIIa) および(IIIb) におけるk
が1の時のAr5の具体例としては、
【0063】
【化14】
【0064】ここで、R3は、水素、炭素数1〜4のア
ルキル基、未置換の、または炭素数1〜4のアルキル基
もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェ
ニル基、炭素数7〜10のアラルキル基から選択され
る。R4は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数
1〜4のアルコキシ基、ハロゲンから選択される。sは
0または1を表し、tは1から3の整数を示す。Arは
以下に示す構造から選択される。
【0065】
【化15】
【0066】ここで、R4は、水素、炭素数1〜4のア
ルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲンから
選択される。また、tは1から3の整数を示す。さら
に、Zは以下に示す構造から選択される。
【0067】
【化16】
【0068】ここで、R5は、水素、炭素数1〜4のア
ルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲンから
選択される。また、qおよびrはそれぞれ1〜10の整
数、t’は1または2の整数を示し、Wは以下に示す基
から選択される。
【0069】
【化17】
【0070】ここで、s’は0〜3の整数を示す。
【0071】上記一般式(IIIa) または(IIIb) で表さ
れる化合物の具体例を、各置換基を特定することによ
り、下記表にまとめて示す。勿論本発明は、下記化合物
に限定されるものではない。なお、下記表における化合
物の番号に「III −」を冠した記号を本明細書における
例示化合物の記号とする(例えば、化合物の番号が「2
7」のものは「例示化合物(III −27)」となる)。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
【表4】
【0076】
【表5】
【0077】
【表6】
【0078】
【表7】
【0079】
【表8】
【0080】
【表9】
【0081】
【表10】
【0082】
【表11】
【0083】
【表12】
【0084】
【表13】
【0085】
【表14】
【0086】
【表15】
【0087】
【表16】
【0088】
【表17】
【0089】
【表18】
【0090】
【表19】
【0091】
【表20】
【0092】
【表21】
【0093】
【表22】
【0094】
【表23】
【0095】
【表24】
【0096】
【表25】
【0097】
【表26】
【0098】
【表27】
【0099】
【表28】
【0100】
【表29】
【0101】
【表30】
【0102】
【表31】
【0103】
【表32】
【0104】
【表33】
【0105】
【表34】
【0106】
【表35】
【0107】
【表36】
【0108】
【表37】
【0109】
【表38】
【0110】
【表39】
【0111】
【表40】
【0112】
【表41】
【0113】
【表42】
【0114】
【表43】
【0115】
【表44】
【0116】
【表45】
【0117】
【表46】
【0118】
【表47】
【0119】
【表48】
【0120】
【表49】
【0121】
【表50】
【0122】
【表51】
【0123】
【表52】
【0124】本発明の電子写真感光体における最表面層
中の一般式(Ia)または(Ib)で表される化合物の
含有量は、最表面層の全固形分中の5〜50重量%の範
囲、好ましくは10〜40重量%である。
【0125】〔架橋性化合物〕本発明に用いられる架橋
性化合物とは、前記一般式(Ia)または(Ib)中の
Gで表されるSi含有ガラス質サブユニットの部分と結
合しうる硬化型の化合物である。前記一般式(Ia)ま
たは(Ib)で表される化合物と後述のケイ素含有微粒
子のみで架橋硬化して、ある程度の機械的強度と電荷輸
送性とを併有する最表面層を形成することも可能ではあ
るが、表面性や強度などの膜特性をさらに良好にするた
めに、このような架橋性化合物を用いることが必須とな
る。
【0126】このような架橋性化合物としては、公知の
反応性シリコーン化合物を用いることができる。具体的
には、シリコーンハードコート剤などの市販のコーティ
ング剤、複数の官能基を有する有機系シロキサン化合
物、アルコキシシラン化合物、シランカップリング剤、
およびそれらの混合物、などを用いることができる。
【0127】シランカップリング剤としては、ビニルト
リクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジ
エトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメ
チルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラ
ン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシ
ラン等を挙げることができる。
【0128】市販のハードコート剤としては、KP−8
5、CR−39、X−12−2208、X−40−97
40、X−41−1007、KNS−5300、X−4
0−2239(以上、信越シリコーン社製)、およびA
Y42−440、AY42−441、AY49−208
(以上、東レダウコーニング社製)等を挙げることがで
きる。
【0129】第2の本発明では、架橋性化合物として、
少なくとも下記一般式(IV)で表される置換基を2以上
有する化合物を用いることが必須となる。 −Si(R3 (3-b) (OR4 b 一般式(IV) (式中、R3 は水素、アルキル基、置換または未置換の
アリール基を表し、R4は水素、アルキル基、トリアル
キルシリル基を表し、bは1〜3の整数を表す。)
【0130】第2の本発明では、このような構造の架橋
性化合物を用いるため、該架橋性化合物に含まれる一般
式(IV)の部分が、一般式(Ib)で表される化合物、
あるいは、架橋性化合物自身と反応し、Si−O−Si
結合となって3次元的な架橋硬化膜を形成して行く。
【0131】一般式(Ib)で表される化合物も一般式
(IV)で表される構造と同様の部分を有しているので、
一般式(Ib)で表される化合物自身のみで硬化膜を形
成することも可能であるが、上記構造の架橋性化合物は
2個以上の一般式(IV)の部分を有しているので、該架
橋性化合物を用いることにより、硬化膜の架橋構造が3
次元的になり、より強い機械強度を有するようになると
考えられ、好ましい態様である。また、当該架橋性化合
物には、一般式(Ib)で表される化合物におけるDで
表される可撓性有機サブユニットと同様、架橋硬化膜に
適度な可撓性を与える役割もある。
【0132】上記架橋性化合物における一般式(IV)で
表される置換基の数としては、2以上であることが必須
であるが、より密な架橋構造とし、得られる架橋硬化膜
の機械的強度を高めるためには、3以上であることが好
ましい。
【0133】一般式(IV)で表される置換基を2以上有
する化合物としては、下記一般式(V)で表される化合
物であることが望ましい。 一般式(V)
【0134】
【化18】
【0135】(式中、Aは一般式(IV)で表される置換
基を示し、Bは枝分かれを含んでも良い2価以上の炭化
水素基、2価以上のアリール基、−NH−、の少なくと
も1つ、あるいはそれらを組み合わせて構成され、nは
2以上の整数を表す。) 特に、一般式(V)で表される化合物としては、下記一
般式のいずれかで表される化合物であることが望まし
い。
【0136】
【化19】
【0137】(式中、T1 、T2 は枝分かれしていても
よい2価あるいは3価の炭化水素基を表し、Aは一般式
(IV)で表される置換基を示し、h、i、jは1〜3の
整数であり、かつ、分子内のAの数が2以上となるよう
に選ばれる。)
【0138】下記表に、一般式(V)で表される化合物
の具体例を示す。なお、下記表における化合物の番号に
「V−」を冠した記号を本明細書における例示化合物の
記号とする(例えば、化合物の番号が「7」のものは
「例示化合物(V−7)」となる)。
【0139】
【表53】
【0140】本発明の電子写真感光体における最表面層
中の架橋性化合物の含有量は、最表面層の全固形分中の
20〜80重量%の範囲であり、好ましくは30〜70
重量%の範囲である。
【0141】〔ケイ素含有微粒子〕第1の本発明におい
て必須の構成成分であるケイ素含有微粒子とは、構成元
素にケイ素を含む微粒子であり、具体的には、コロイダ
ルシリカおよびシリコーン微粒子等が挙げられる。コロ
イダルシリカおよびシリコーン微粒子はそれぞれ単独で
用いてもよいし、双方併用してもよい。
【0142】本発明においてケイ素含有微粒子として用
いられるコロイダルシリカは、平均粒子径1〜100n
m、好ましくは10〜30nmの酸性もしくはアルカリ
性の水分散液、あるいはアルコール、ケトン、エステル
等の有機溶媒中に分散させたものから選ばれ、一般に市
販されているものを使用することができる。
【0143】コロイダルシリカを添加することにより、
前記一般式(Ia)で表される化合物と、架橋性化合物
との架橋構造を阻害することなく、電子写真感光体の表
面性状を改善することができる。即ち、電子写真感光体
表面の耐汚染物付着性、潤滑性を向上させ、かつ、該コ
ロイダルシリカが前記一般式(Ia)中のGで表される
Si含有ガラス質サブユニットの部分、あるいは架橋性
化合物と、結合した状態で電子写真感光体表面の最表面
層に保持されているため、長期間にわたって良好な耐汚
染物付着性、潤滑性を維持することができる。
【0144】本発明の電子写真感光体における最表面層
中のコロイダルシリカの固形分の含有量は、最表面層の
全固形分中の1〜50重量%の範囲であり、好ましくは
5〜30重量%の範囲である。
【0145】本発明においてケイ素含有微粒子として用
いられるシリコーン微粒子は、球状で、平均粒子径1〜
500nm、好ましくは10〜100nmの、シリコー
ン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子、シリコーン表面処理
シリカ粒子から選ばれ、一般に市販されているものを使
用することができる。
【0146】シリコーン微粒子は、化学的に不活性で、
樹脂への分散性に優れる小径粒子であり、さらに十分な
特性を得るために必要とされる含有量が低いため、前記
一般式(Ia)で表される化合物と、架橋性化合物との
架橋反応を阻害することなく、電子写真感光体の表面性
状を改善することができる。即ち、強固な架橋構造中に
均一に取り込まれた状態で、電子写真感光体表面の潤滑
性、撥水性を向上させ、長期間にわたって良好な耐摩耗
性、耐汚染物付着性を維持することができる。
【0147】本発明の電子写真感光体における最表面層
中のシリコーン微粒子の含有量は、最表面層の全固形分
中の0.1〜10重量%の範囲であり、好ましくは0.
5〜5重量%の範囲である。
【0148】〔最表面層に添加し得るその他の成分〕最
表面層を構成する架橋硬化膜は、既述の如き各構成成分
からなるが、さらに目的に応じてその他種々の成分を添
加してもよい。
【0149】感光体表面ヘのトナーや紙粉などの付着防
止効果をさらに高めるため、フッ素含有化合物を加えて
もよい。フッ素含有化合物としては、具体的には、(ト
リデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチ
ル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロ
プロピル)トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロ
イソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,
1H,2H,2H−パーフルオロアルキルトリエトキシ
シラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシル
トリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフ
ルオロオクチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0150】フッ素含有化合物が、前記一般式(Ia)
または(Ib)で表される化合物と架橋重合反応可能な
アルコキシシリル基やシラノール基などを有すること
は、該フッ素含有化合物の添加による最表面層の機械的
強度の低下が少なく、さらに望ましい。
【0151】これらフッ素含有化合物の添加量として
は、架橋硬化膜の成膜性に問題が生じる場合があるた
め、最表面層の全固形分中20重量%以下とすることが
望ましく、15重量%以下とすることがより望ましい
が、前記一般式(Ia)または(Ib)で表される化合
物と架橋重合反応可能なフッ素含有化合物である場合に
は、40重量%程度添加することも可能である。
【0152】さらに、帯電手段で発生するオゾン等の酸
化性ガスによる劣化をより効果的に防止する目的で、酸
化防止剤を添加してもよい。感光体表面の機械的強度を
高めると、感光体が酸化性ガスにより長い間接触するこ
とになるため、最表面層には従来より高い耐酸化性が要
求される。最表面層は、酸化防止剤を添加することによ
って十分な耐酸化性が付与されるが、本発明の電子写真
感光体では、前記一般式(Ia)または(Ib)で表さ
れる化合物におけるFで表されるサブユニットの構造と
して、耐酸化性のあるものを採用することにより、より
高い耐酸化性を有するものとなる。
【0153】酸化防止剤としては、ヒンダードフェノー
ル系あるいはヒンダードアミン系のものが望ましく、有
機イオウ系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤、
ジチオカルバミン酸塩系酸化防止剤、チオウレア系酸化
防止剤、ベンズイミダゾール系酸化防止剤、などの公知
の酸化防止剤を用いてもよい。これら酸化防止剤の添加
量としては、最表面層の全固形分中15重量%以下が望
ましく、10重量%以下がさらに望ましい。
【0154】〔電子写真感光体の導電性支持体〕本発明
の電子写真感光体に用いられる導電性支持体としては、
従来から電子写真感光体の導電性支持体として使用され
ている如何なる素材も使用することができ、不透明また
は実質的に透明であるものが使用できる。例えば、アル
ミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属
類、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ニッケル、
クロム、ステンレス鋼、金、白金、酸化銀、酸化インジ
ウム、ITO等の薄膜を設けたプラスチックフィルム、
ガラスおよびセラミックス等、あるいは導電性付与剤を
塗布または含浸させた紙、プラスチックフィルム、ガラ
スおよびセラミックス等を挙げることができる。導電性
基体の形状は、ドラム状、シート状、プレート状等、使
用目的に合わせて適宜選択することができる。
【0155】また、導電性支持体の表面は、必要に応じ
てかつ画質に影響のない範囲で、各種の処理を行うこと
ができる。例えば、表面の酸化処理(陽極酸化処理
等)、薬品処理、液体ホーニング、砂目立て等による粗
面化処理や、その他薬品処理、着色処理等を行うことが
できる。導電性支持体表面の酸化処理や粗面化処理は、
導電性支持体の表面を粗面化するのみならず、その上に
塗布される層の表面をも粗面化し、露光用光源としてレ
ーザー等の可干渉光源を用いた場合に問題となる導電性
支持体表面および/または積層膜界面での正反射による
干渉縞の発生を防止するという効果を発揮し得る。
【0156】〔電子写真感光体の層構成〕本発明の電子
写真感光体は、その層構成に関わらず、最表面層が既述
の通り、第1の本発明の構成、または、第2の本発明の
構成(以下、総合して「本発明の構成を為す層」という
場合がある)となっており、また層構成としては、以下
のものが挙げられる。
【0157】導電性支持体上に、電荷輸送層および電
荷発生層からなる積層型の感光層が設けられ、さらにそ
の上層に表面保護層が設けられてなる層構成。この場
合、電荷輸送層および電荷発生層の積層順序としては、
いずれが上層であっても良く、さらにそれぞれが積層さ
れた構成であってもよい。そして、最上層である表面保
護層が、本発明の構成を為す層となっている。
【0158】導電性支持体上に、電荷輸送層および電
荷発生層からなる積層型の感光層が設けられてなる層構
成。この場合、電荷輸送層および電荷発生層の積層順序
としては、いずれが上層であっても良く、さらにそれぞ
れが積層された構成であってもよい。そして、電荷輸送
層が上層である場合には、該電荷輸送層(電荷輸送層が
積層されている場合には、このうちの最上層の電荷輸送
層)が、電荷発生層が上層である場合には、該電荷発生
層(電荷発生層が積層されている場合には、このうちの
最上層の電荷発生層)が、本発明の構成を為す層となっ
ている。
【0159】導電性支持体上に、電荷輸送機能および
電荷発生機能の双方を併せ持つ単層型の感光層が設けら
れ、さらにその上層に表面保護層が設けられてなる層構
成。この場合、最上層である表面保護層が、本発明の構
成を為す層となっている。
【0160】導電性支持体上に、電荷輸送機能および
電荷発生機能の双方を併せ持つ単層型の感光層のみが設
けられてなる層構成。この場合、当該感光層が、本発明
の構成を為す層となっている。
【0161】尚、本発明の電子写真感光体は、上記層構
成において、少なくとも最表面層が本発明の構成を為す
層であることが必須であるが、その他の層が本発明の構
成を為す層であることも一向に差し支えなく、電子写真
感光体表面の層全体としての機械的強度向上を図る上で
は、むしろ好ましい態様といえる。
【0162】導電性支持体と感光層との間には、必要に
応じて下引き層を設けてもよい。下引き層は、導電性支
持体からの不必要な電荷の注入を阻止するために有効な
ものであり、感光体の帯電性を向上させる作用を有して
いる。さらに、感光層と導電性支持体との接着性を向上
させる作用も有している。
【0163】この下引き層に用いる結着樹脂は、ポリエ
チレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタ
クリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビ
ニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹
脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、水溶性ポリエ
ステル樹脂、ニトロセルロース、カゼイン、ゼラチン、
ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ
澱粉、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ジルコニ
ウムキレート化合物、チタニルキレート化合物、チタニ
ルアルコキシド化合物、有機チタニル化合物、シランカ
ップリング剤等の公知の材料を用いることができ、これ
らの材料は単独で、または2種以上を混合して用いるこ
とができる。
【0164】また、この下引き層には、酸化チタン、酸
化ケイ素、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、シリ
コーン樹脂等の微粒子を配合することができる。下引き
層の乾燥膜厚としては、0.01〜10μmの範囲が適
当であり、より好ましくは0.05〜2μmの範囲であ
る。
【0165】下引き層の塗布方法としては、ブレードコ
ーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレー
コーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティ
ング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーテ
ィング法等の通常の方法を用いることができる。
【0166】〔表面保護層〕本発明の構成を為す表面保
護層は、前記本発明の必須構成成分に、必要に応じて、
フッ素含有化合物、酸化防止剤、溶剤等を混合した塗布
液を調合し、該塗布液を導電性支持体上に形成された感
光層の上に塗布した後、加熱して架橋硬化させることに
より形成することができる。尚、感光層の形成について
は後述する。
【0167】液粘度調整のためなど、必要に応じて塗布
液調合時に使用する溶剤としては、メタノール、エタノ
ール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルア
ルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセ
トン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メ
チル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、メチレンクロライド、クロロホルム等の通常の有機
溶剤を、単独あるいは2種以上混合して用いることがで
きる。
【0168】塗布方法としては、ブレードコーティング
法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティン
グ法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エ
アーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等
の通常の方法を採用することができる。表面保護層の乾
燥膜厚としては、1〜10μm程度とするのが好まし
い。
【0169】架橋硬化反応を行う際には無触媒で行って
もよいが、適切な触媒を用いてもよい。触媒としては、
塩酸、硫酸、蟻酸、酢酸、リン酸、トリフルオロ酢酸等
の酸触媒、アンモニア、トリエチルアミン等の塩基、ジ
ブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、オ
クエ酸第一錫等の有機錫化合物、テトラ−n−ブチルチ
タネート、テトライソプロピルチタネート等の有機チタ
ン化合物、有機カルボン酸の鉄塩、マンガン塩、コバル
ト塩、亜鉛塩、ジルコニウム塩等が挙げられる。また、
架橋硬化反応の際の温度は、特に制限はないが、好まし
くは、室温〜150℃の範囲に設定する。
【0170】〔表面保護層を設けた場合の感光層〕本発
明の構成を為す表面保護層を設けた場合、その下層に形
成される感光層は、従来から公知のあらゆる感光体の感
光層を採用することができ、電荷発生層と電荷輸送層を
積層した積層型の感光層でもよいし、電荷発生材料を含
有する単層型感光体でもよい。以下、積層型と単層型と
に分けて説明する。
【0171】1.積層型の感光層 積層型の感光層における電荷発生層は、少なくとも電荷
発生材料および結着樹脂から形成される。
【0172】電荷発生材料としては、非晶質セレン、結
晶性セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合金、その他セ
レン化合物およびセレン合金、酸化亜鉛、酸化チタン等
の無機系光導電性材料、フタロシアニン系化合物、スク
アリリウム系化合物、アントアントロン系化合物、ペリ
レン系化合物、アゾ系化合物、アントラキノン系化合
物、ピレン系化合物、ピリリウム塩、チアピリリウム塩
等の有機顔料あるいは染料が用いられる。これらの中で
もフタロシアニン系化合物は光感度が高い為好適であ
り、具体的には、無金属フタロシアニン、オキシチタニ
ウムフタロシアニン、ハロゲン化ガリウムフタロシアニ
ン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、ハロゲン化錫
フタロシアニンが好ましい。
【0173】特に、X線回折スペクトルにおけるブラッ
グ角(2q±0.2°)の7.4°、16.6°、2
5.5°、28.3°に強い回折ピークを持つ特定の結
晶形を有するクロロガリウムフタロシアニン、あるい
は、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2q±
0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.
3°、18.6°、25.1°、28.3°に強い回折
ピークを持つ特定の結晶形を有するヒドロキシガリウム
フタロシアニンは、可視光から近赤外光の広い領域の光
に対して高い電荷発生効率を有しており、特に好ましい
ものである。
【0174】電荷発生層の結着樹脂としては、ポリビニ
ルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部分変
性ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩
化ビニルー酢酸ビニル共重合体、シリコーン樹脂、フェ
ノール樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。これら
の結着樹脂は、単独あるいは2種以上混合して用いるこ
とができる。
【0175】電荷発生材料と結着樹脂との配合比(重量
比)は、10:1〜1:10の範囲が好ましい。電荷発
生層は、電荷発生材料と結着樹脂とを適当な溶剤に溶
解、分散した塗布液を調製し、該塗布液を導電性支持体
上、あるいは、導電性支持体上に形成された後述の電荷
輸送層の上に塗布した後、加熱乾燥することにより形成
することができる。
【0176】塗布液調製時に用いる溶剤としては、メタ
ノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノー
ル、ベンジルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセ
ロソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テ
トラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム
等の通常の有機溶剤を、単独あるいは2種以上混合して
用いることができる。
【0177】塗布方法としては、ブレードコーティング
法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティン
グ法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エ
アーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等
の通常の方法を採用することができる。電荷発生層の乾
燥膜厚は、一般的には0.1〜5μmが適当であり、よ
り好ましくは0.2〜2.0μmである。
【0178】積層型の感光層における電荷輸送層は、少
なくとも電荷輸送材料および結着樹脂から形成される
か、あるいは、高分子電荷輸送材料からなる。電荷輸送
材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマ
ニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシア
ノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフル
オレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合
物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、
エチレン系化合物等の電子吸引性物質、トリアリールア
ミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン
系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン
系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物
などが挙げられる。これらの電荷輸送材料は、単独また
は2種以上混合して用いることができる。
【0179】特に、下記一般式(VI)で表されるベンジ
ジン系化合物、および下記一般式(VII) で表されるトリ
フェニルアミン系化合物は、高い電荷(ホール)輸送能
と優れた安定性を有しているため、特に好ましく用いる
ことができる。 一般式(VI)
【0180】
【化20】
【0181】上記式中、R6 およびR6 ’は同一であっ
ても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭
素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基
を表す。R7 、R7 ’、R8 およびR8 ’は同一であっ
ても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭
素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ
基、炭素数1〜2のアルキル基で置換されたアミノ基を
表し、mおよびnは0〜2の整数を表す。 一般式(VII)
【0182】
【化21】
【0183】上記式中、R9 は、水素原子またはメチル
基、nは1または2を表す。Ar6Ar7 は、置換また
は未置換のアリール基を表し、該置換基としてはハロゲ
ン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のア
ルコキシ基、炭素数1〜2のアルキル基で置換されたア
ミノ基を表す。
【0184】上記一般式(VI)で表されるベンジジン系
化合物の化合物例を、各置換基を特定することにより、
下記表にまとめて示す。なお、下記表における化合物の
番号に「VI−」を冠した記号を本明細書における例示化
合物の記号とする(例えば、化合物の番号が「27」の
ものは「例示化合物(VI−27)」となる)。
【0185】
【表54】
【0186】
【表55】
【0187】また、上記一般式(VII) で表されるトリフ
ェニルアミン系化合物の化合物例を、各置換基を特定す
ることにより、下記表にまとめて示す。なお、下記表に
おける化合物の番号に「VII −」を冠した記号を本明細
書における例示化合物の記号とする(例えば、化合物の
番号が「27」のものは「例示化合物(VII −27)」
となる)。
【0188】
【表56】
【0189】
【表57】
【0190】
【表58】
【0191】これらの電荷輸送材料は、単独または2種
以上混合して用いることができる。
【0192】電荷輸送層の結着樹脂としては、ポリカー
ボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、ア
クリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン
樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、
スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アク
リロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合
体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フ
ェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アクリル
樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカ
ルバゾール、ポリシランなどの公知の樹脂を用いること
ができる。
【0193】一方、高分子電荷輸送材料としては、ポリ
−N−ビニルカルバゾール、ポリシランなどの電荷輸送
性を有する公知のものを用いることができる。例えば、
米国特許第4,801,517号明細書等に示されてい
るポリエステル系高分子電荷輸送材料は、高い電荷輸送
性を有しており、好ましいものである。電荷輸送層に
は、帯電装置で発生するオゾン等の酸化性ガスによる劣
化を防止する目的で、酸化防止剤を添加してもよい。た
とえ表面保護層があったとしても、酸化性ガスが表面保
護層を透過して電荷輸送層まで浸入することがあり、こ
れによる酸化劣化を防止するため酸化防止剤を添加する
ことが好ましい。酸化防止剤としては、前記表面保護層
に用いるものと同様のものを用いることができる。酸化
防止剤の添加量としては電荷輸送層の全固形分の15重
量%以下が望ましく、10重量%以下がさらに望まし
い。
【0194】電荷輸送材料と結着樹脂との配合比(重量
比)は、1:9〜7:3の範囲が好ましい。電荷輸送層
は、電荷輸送材料と結着樹脂と、さらに必要に応じて酸
化防止剤とを適当な溶剤に溶解、分散した塗布液を調製
し、該塗布液を導電性支持体上、あるいは、導電性支持
体上に形成された電荷発生層の上に塗布した後、加熱乾
燥することにより形成することができる。
【0195】塗布液調製時に用いる溶剤としては、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族
炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩
化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン
化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエー
テル、ジオキサン等の環状もしくは直鎖状のエーテル類
等の通常の有機溶剤を、単独あるいは2種以上混合して
用いることができる。
【0196】電荷輸送層の塗布方法は、表面保護層や電
荷発生層で挙げたものと同じ公知の方法を採用すること
ができる。電荷輸送層の乾燥膜厚は5〜50μmであ
り、好ましくは10〜40μmである。
【0197】2.単層型の感光層 単層型の感光層の場合は、前記の電荷発生材料と結着樹
脂を含有して形成される。結着樹脂としては、前記電荷
発生層および電荷輸送層に用いられる結着樹脂と同様の
ものを用いることができる。単層型の感光層中の電荷発
生材料の含有量は、感光層の全固形分の10〜85重量
%程度、好ましくは20〜50重量%とする。
【0198】単層型の感光層には、必要に応じて電荷輸
送材料を添加してもよい。その添加量は感光層の全固形
分の5〜50重量%とすることが好ましい。さらに単層
型の感光層には、必要に応じて電荷輸送層の場合と同様
の理由から酸化防止剤を添加してもよい。その添加量は
感光層の全固形分の15重量%以下が好ましく、より好
ましくは10重量%以下である。
【0199】単層型の感光層は、電荷発生材料と結着樹
脂と、さらに必要に応じて電荷輸送材料と酸化防止剤と
を適当な溶剤に溶解、分散した塗布液を調製し、該塗布
液を導電性支持体上に塗布した後、加熱乾燥することに
より形成することができる。塗布に用いる溶剤や塗布方
法は、電荷発生層や電荷輸送層のところで述べたものと
同様のものを用いることができる。単層型の感光層の膜
厚は5〜50μm程度であり、10〜40μmとするこ
とがさらに好ましい。
【0200】〔表面保護層を設けない場合の感光層〕表
面保護層を設けない場合には、既述の如く、導電性支持
体表面に形成された感光層の最表面層が本発明の構成を
為す層となる。感光層としては、積層型および単層型の
2通りがある。
【0201】積層型の感光層の場合、電荷輸送層が表面
であれば電荷輸送層が、電荷発生層が表面であれば電荷
発生層が、本発明の構成を為す層となる。この場合、最
表面層に、上記〔表面保護層を設けた場合の感光層〕と
して説明した電荷輸送層あるいは電荷発生層の構成に代
えて、本発明の構成を為す層の構成が採用され、他の層
は、上記〔表面保護層を設けた場合の感光層〕として説
明した構成がそのまま採用される。
【0202】但し、電荷発生層が、本発明の構成を為す
層となる場合には、当該層中には、電荷発生材料を添加
することが必要となる。電荷発生材料としては、上記
〔表面保護層を設けた場合の感光層〕で説明した電荷発
生層の場合と同様の材料を用いることができ、その添加
量としては、電荷発生層の全固形分の10〜60重量%
が好ましく、より好ましくはの20〜50重量%であ
る。
【0203】また、電荷輸送層が、本発明の構成を為す
層となる場合には、上記一般式(Ia)または(Ib)
で表される化合物中のFで表される光電特性サブユニッ
トが電荷輸送性を有するため、当該層に電荷輸送材料を
添加することは、必須でない。勿論、電荷輸送材料を添
加することも可能である。電荷輸送材料を添加する場
合、上記〔表面保護層を設けた場合の感光層〕で説明し
た電荷輸送層の場合と同様の材料を用いることができ、
その添加量としては、電荷輸送層の全固形分の5〜50
重量%が好ましく、より好ましくはの10〜40重量%
である。
【0204】一方、単層型の感光層の場合には、当該感
光層自体が本発明の構成を為す層となる。但し、当該単
層型の感光層中には、電荷発生材料を添加することが必
要となる。電荷発生材料としては、上記〔表面保護層を
設けた場合の感光層〕で説明した電荷発生層の場合と同
様の材料を用いることができ、その添加量としては、感
光層の全固形分の10〜60重量%が好ましく、より好
ましくはの20〜50重量%である。
【0205】これら表面保護層を設けない場合の感光層
における最表面層を形成するには、前記本発明の必須構
成成分に、必要に応じて、電荷発生材料、電荷輸送材
料、フッ素含有化合物、酸化防止剤、溶剤等を混合した
塗布液を調合し、該塗布液を導電性支持体上に形成され
た感光層の上に塗布した後、加熱して架橋硬化させるこ
とにより形成することができる。
【0206】液粘度調整のためなど、必要に応じて塗布
液調合時に使用する溶剤としては、メタノール、エタノ
ール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルア
ルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセ
トン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メ
チル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、メチレンクロライド、クロロホルム等の通常の有機
溶剤を、単独あるいは2種以上混合して用いることがで
きる。
【0207】塗布方法としては、ブレードコーティング
法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティン
グ法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エ
アーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等
の通常の方法を採用することができる。
【0208】架橋硬化反応を行う際には無触媒で行って
もよいが、適切な触媒を用いてもよい。触媒としては、
塩酸、硫酸、蟻酸、酢酸、リン酸、トリフルオロ酢酸等
の酸触媒、アンモニア、トリエチルアミン等の塩基、ジ
ブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、オ
クエ酸第一錫等の有機錫化合物、テトラ−n−ブチルチ
タネート、テトライソプロピルチタネート等の有機チタ
ン化合物、有機カルボン酸の鉄塩、マンガン塩、コバル
ト塩、亜鉛塩、ジルコニウム塩等が挙げられる。また、
架橋硬化反応の際の温度は、特に制限はないが、好まし
くは、室温〜150℃の範囲に設定する。
【0209】〔電子写真画像形成装置〕以上の如き本発
明の電子写真感光体は、従来公知のあらゆる電子写真画
像形成装置に適用することができる。特に、本発明の電
子写真感光体は、帯電手段により発生する酸化性ガスに
対する耐性が高く、また、機械的なクリーニング手段を
有する場合にも、機械的な強度の高い感光層を有するも
のであり、これら過酷な条件において使用される場合に
も、良好な感光体特性を長期にわたり持続することがで
きる。
【0210】具体的な電子写真画像形成装置の一例とし
ては、少なくとも上記本発明の電子写真感光体、帯電手
段、および機械的なクリーニング手段を有する電子写真
方式の画像形成装置であり、かつ帯電手段が接触帯電方
式であることを特徴とするものである。その他、レーザ
ー光学系やLEDアレイなどの露光手段、トナーなどを
用いて像を形成する現像手段、トナー像を紙などの媒体
に写し取る転写手段、トナー像を紙などの媒体に定着さ
せる定着手段、感光体表面に残留している静電潜像を除
去する除電手段、なども必要に応じて公知の方法で有し
てよい。
【0211】図1は、本発明の電子写真感光体を適用し
た電子写真画像形成装置の一例を示す概略構成図であ
る。本発明の電子写真感光体である感光体10、接触帯
電方式の帯電手段である帯電ロール12、レーザー露光
光学系14、粉体トナーを用いた現像器16、転写用ロ
ール18、除電装置19、機械的なクリーニング手段で
あるクリーニングブレード20、定着ロール22を有し
ている。
【0212】尚、機械的なクリーニング手段とは、感光
体表面に直接接触し、表面に付着しているトナー、紙
粉、ゴミなどを除去するものであり、クリーニングブレ
ード20のようなブレード形式の他、ブラシ、ロールな
ど公知の形式のものを適用することができる。
【0213】接触帯電方式の帯電手段とは、感光体10
の表面に接触させた導電性部材に電圧を印加することに
より感光体表面を帯電させるものであり、該導電性部材
の形状としては、図1中の帯電ロール12のようなロー
ル状の他、ブラシ状、ブレード状、あるいは、ピン電極
状等何れでもよいが、特にロール状の導電性部材が好ま
しい。通常、ロール状導電性部材は、芯材としてのロー
ル表面に弾性層が形成され、さらにその上に抵抗層が形
成されて構成される。さらに必要に応じて抵抗層の外側
に保護層を設けることもできる。
【0214】芯材の材質としては導電性を有するもの
で、一般には鉄、銅、真鍮、ステンレス、アルミニウ
ム、ニッケル等が用いられる。またその他導電性粒子等
を分散した樹脂成形品等を用いることもできる。弾性層
の材質としては導電性あるいは半導電性を有する弾性体
で、一般にはゴム材に導電性粒子あるいは半導電性粒子
を分散したものである。
【0215】ゴム材としては、EPDM、ポリブタジエ
ン、天然ゴム、ポリイソブチレン、SBR、CR、NB
R、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリ
ンゴム、SBS、熱可塑性エラストマー、ノルボーネン
ゴム、フロロシリコーンゴム、エチレンオキシドゴム等
が用いられる。
【0216】導電性粒子あるいは半導電性粒子として
は、カーボンブラック、亜鉛、アルミニウム、銅、鉄、
ニッケル、クロム、チタニウム等の金属、ZnO−Al
23、SnO2−Sb23、In23−SnO2、ZnO
−TiO2、MgO−Al23、FeO−TiO2、Ti
2、SnO2、Sb23、In23、ZnO、MgO等
の金属酸化物が用いることができ、これらの材料は単独
あるいは2種以上混合して用いても良い。
【0217】抵抗層および保護層は、結着樹脂に導電性
粒子あるいは半導電性粒子を分散し、その抵抗を制御し
たものであり、結着樹脂としてはアクリル樹脂、セルロ
ース樹脂、ポリアミド樹脂、メトキシメチル化ナイロ
ン、エトキシメチル化ナイロン、ポリウレタン樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン
樹脂、ポリビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリチオ
フェン樹脂、PFA、FEP、PET等のポリオレフィ
ン樹脂、スチレンブタジエン樹脂等が用いられる。導電
性粒子あるいは半導電性粒子としては、弾性層と同様の
カーボンブラック、金属、金属酸化物が用いられる。抵
抗層および保護層の抵抗率としては、10 3 〜1014Ω
cm、好ましくは105 〜1012Ωcm、さらに好まし
くは107〜1012Ωcmがよい。また、抵抗層および
保護層の膜厚としては、0.01〜1,000μm、好
ましくは0.1〜500μm、さらに好ましくは0.5
〜100μmがよい。また必要に応じてヒンダードフェ
ノール、ヒンダードアミン等の酸化防止剤、クレー、カ
オリン等の充填剤や、シリコーンオイル等の潤滑剤を添
加することができる。
【0218】これらの層を形成する方法としては、上記
各材料を適当な溶剤に溶解、分散させて塗布液を調製
し、これを被塗布物に塗布することにより行うことがで
きる。塗布する手段としては、ブレードコーティング
法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティン
グ法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エ
アーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等
従来公知の手段を採用することができる。
【0219】上記帯電手段の導電性部材により、感光体
を帯電させるには、導電性部材に電圧を印加する必要が
あるが、印加電圧は、直流電圧、あるいは直流電圧に交
流電圧を重畳したものが好ましく、特に直流電圧に交流
電圧を重畳することは、帯電の均一化および環境安定化
の点から好ましい。
【0220】電圧の大きさとしては、直流電圧は要求さ
れる感光体帯電電位に応じて正または負の50〜2,0
00Vが好ましく、特に100〜1,500Vが好まし
い。交流電圧を重畳する場合は、ピーク間電圧が400
〜3,000Vとすることが好ましく、より好ましくは
800〜2,500V、さらに好ましくは1,200〜
2,500Vである。交流電圧の周波数としては、50
〜20,000Hz、好ましくは100〜 5,000
Hzである。
【0221】
【実施例】(実施例1)ホーニング処理を施したアルミ
ニウムパイプ(長さ340mm、外径30mm)の外周
表面にジルコニウム化合物(商品名:オルガノチックス
ZC540、マツモト製薬社製)10部およびシラン化
合物(商品名:A1110、日本ユニカー社製)1部と
イソプロパノール40部およびブタノール20部からな
る溶液を浸漬コーティング法で塗布し、150℃におい
て10分間加熱乾燥し、膜厚0.1μmの下引き層を形
成した。
【0222】X線回折スペクトルにおけるブラッグ角
(2θ±0.2°)が、7.4°、16.6°、25.
5°、28.3°に強い回折ピークを持つクロロガリウ
ムフタロシアニン1部を、ポリビニルブチラール(エス
レックBM−S、積水化学)1部、および酢酸n−ブチ
ル100部と混合し、ガラスビーズとともにペイントシ
ェーカーで1時間処理して分散して塗布液を調製し、得
られた塗布液を前記下引き層上に浸漬コーティング法に
より塗布し、100℃で10分間加熱乾燥して膜厚約
0.15μmの電荷発生層を形成した。
【0223】例示化合物(VII −28)のトリフェニル
アミン化合物2部、下記基本単位(VIII)で示される高
分子化合物(粘度平均分子量39,000)3部をクロ
ロベンゼン20部に溶解させて塗布液を調製し、得られ
た塗布液を前記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗
布し、110℃、40分の加熱を行って膜厚20μmの
電荷輸送層を形成した。 基本単位(VIII)
【0224】
【化22】
【0225】例示化合物(III −249)6部、イソプ
ロパノール分散コロイダルシリカ(日産化学製、IPA
−ST、固形分濃度30%)10部、シリコーンハード
コート・コーティング剤(信越シリコン製、X−40−
2239)10部を混合して塗布液を調製し、得られた
塗布液を20℃で二日間保管、熟成した後、前記電荷輸
送層上にスプレーコーティング法で塗布した。30分放
置して指触乾燥後、120℃、60分の加熱処理を行
い、膜厚3μmの表面保護層を形成し、本発明の電子写
真感光体を得た。
【0226】(実施例2)実施例1と同様にして電荷輸
送層まで形成した。例示化合物(III −270)35
部、シリコーン処理シリカ微粒子(KP−X−100、
球状、平均粒径100nm 、信越化学社製)1部、シ
リコーンハードコート・コーティング剤(信越シリコン
製、X−40−2239)50部、ジブチルエーテル8
0部を混合し、ガラスビーズとともにペイントシェーカ
ーで1時間分散処理して塗布液を調製し、得られた塗布
液に2%硫酸水6部を加えた後、前記電荷輸送層上にス
プレーコーティング法で塗布した。30分放置して指触
乾燥後、120℃、60分の加熱処理を行い、膜厚3μ
mの表面保護層を形成し、本発明の電子写真感光体を得
た。
【0227】(比較例1)電荷輸送層の膜厚を23μm
と厚くし、表面保護層を形成しないことを除いては、実
施例1と同様にして、比較例1の電子写真感光体を得
た。
【0228】(比較例2)表面保護層の形成において、
イソプロパノール分散コロイダルシリカを添加しないこ
とを除いては、実施例1と同様にして、比較例2の電子
写真感光体を得た。
【0229】(比較例3)表面保護層の形成において、
シリコーン処理シリカ微粒子を添加しないことを除いて
は、実施例2と同様にして、比較例3の電子写真感光体
を得た。
【0230】(比較例4)表面保護層の形成において、
例示化合物(III −249)を添加しないことを除いて
は、実施例1と同様にして、比較例4の電子写真感光体
を得た。
【0231】(比較例5)表面保護層の形成において、
例示化合物(III −270)を添加しないことを除いて
は、実施例2と同様にして、比較例5の電子写真感光体
を得た。
【0232】<耐刷性テスト>以上のようにして得られ
た実施例1〜2および比較例1〜5の各電子写真感光体
を、富士ゼロックス製LaserPress 4160
改造機(感光体のみを、上記実施例1〜2および比較例
1〜5の各電子写真感光体に置き換え可能としたもの)
に装着し、高温高湿環境(28℃,85%RH)におい
て、耐刷性テストを行った。このLaserPress
4160改造機は、接触方式の帯電手段である帯電ロ
ール、レーザー露光光学系、トナー現像器、転写ロー
ル、機械的なクリーニング手段としてのクリーニングブ
レード、定着ロールを有している。
【0233】耐刷性の評価は、階調再現性および解像度
再現性評価用テストパターンを5万枚印刷し、その印刷
前後における画質評価、感光体表面の目視観察および感
光体の表面層の摩耗量を測定することにより行った。な
お、用紙としては酸性紙を用いた。これは、感光体表面
への紙粉の付着による画質劣化を検出しやすくするため
である。結果を下記表59に示す。
【0234】
【表59】
【0235】実施例1および2の電子写真感光体では、
5万枚印刷後の感光体の表面層の摩耗量は小さく、感光
体の表面状態にも変化が見られなかった。また、初期お
よび5万枚印刷後のいずれの画質も、階調および解像度
ともに良好であった。
【0236】比較例1の電子写真感光体では、画像濃度
の低下が観測された。これは、5万枚印刷後の感光体の
摩耗量が大きいため、光電特性が変化し、レーザー露光
光学系により露光されても表面電位が十分に下がらなか
ったためと推測される。また、現像剤、転写紙などの接
触によるものと思われる筋状・点状の傷が感光体表面に
多数発生しており、これが原因となって画像欠陥が発生
するようになっていた。
【0237】比較例2および3の電子写真感光体では、
5万枚印刷後の感光体表面に褐色の付着物が見られ、高
温高湿環境下の画質評価では解像度パターンに画像ボケ
が発生し、解像度の低下が確認された。これは、帯電時
に接触帯電ロールから発生する親水性の放電生成物が感
光体表面に付着し、この付着物が高湿環境下で吸湿して
表面抵抗を低下させたことによると推定される。
【0238】比較例4および5真感光体では、5万枚印
刷後の感光体の表面層の摩耗量は小さいものの、1万枚
印刷したあたりから画像濃度が低下し、5万枚印刷時に
はほとんど画像が得られなかった。これは、表面保護層
が電荷輸送特性を持たないため、明部電位が上昇し、光
電特性が低下したことによると思われる。
【0239】(実施例3)ホーニング処理を施したアル
ミニウムパイプ(長さ340mm、外径30mm)の外
周表面にジルコニウム化合物(商品名:オルガノチック
スZC540、マツモト製薬社製)10部およびシラン
化合物(商品名:A1110、日本ユニカー社製)1部
とイソプロパノール40部およびブタノール20部から
なる溶液を浸漬コーティング法で塗布し、150℃にお
いて10分間加熱乾燥し、膜厚0.1μmの下引き層を
形成した。
【0240】X線回折スペクトルにおけるブラッグ角
(2θ±0.2°)が、7.5°、9.9°、12.5
°、16.3°、18.6°、25.1°、28.3°
に強い回折ピークを持つヒドロキシガリウムフタロシア
ニン1部を、塩ビ酢ビ共重合樹脂(ユニオンカーバイド
社製、ビニライトVMCH)1部、およびクロロベンゼ
ン100部と混合し、ガラスビーズとともにペイントシ
ェーカーで1時間処理して分散して塗布液を調製し、得
られた塗布液を前記下引き層上に浸漬コーティング法に
より塗布し、100℃で10分間加熱乾燥して膜厚約
0.15μmの電荷発生層を形成した。
【0241】例示化合物(VI−27)のベンジジン化合
物2部、下記基本単位(VIII)で示される高分子化合物
(粘度平均分子量39,000)3部をクロロベンゼン
20部に溶解させて塗布液を調製し、得られた塗布液を
前記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布し、11
0℃、40分の加熱を行って膜厚20μmの電荷輸送層
を形成した。
【0242】
【化23】
【0243】例示化合物(III −255)6部、メチル
イソブチルケトン分散コロイダルシリカ(日産化学製、
MIBK−ST、固形分濃度30%)10部、シリコー
ンハードコート・コーティング剤(信越シリコン製、X
−40−2239)10部、ジブチルエーテル10部を
混合して塗布液を調製し、得られた塗布液を20℃で二
日間保管、熟成した後、前記電荷輸送層上にスプレーコ
ーティング法で塗布した。30分放置して指触乾燥後、
120℃、60分の加熱処理を行い、膜厚3μmの表面
保護層を形成し、本発明の電子写真感光体を得た。
【0244】(実施例4〜7)表面保護層の形成におい
て、例示化合物(III −249)の代わりに、実施例4
では(III −3)、実施例5では(III −31)、実施
例6では(III −145)、実施例7では(III −17
8)をそれぞれ用いたことを除き実施例1と同様にして
本発明の電子写真感光体を得た。
【0245】(実施例8)実施例1と同様にして電荷輸
送層まで形成した。例示化合物(III −249)6部、
イソプロパノール分散コロイダルシリカ(日産化学製、
IPA−ST、固形分濃度30%)10部、メチルトリ
メトキシシラン9部、ジメチルポリシロキサン(分子
量:1500)1部を混合して塗布液を調製し、得られ
た塗布液を20℃で二日間保管、熟成した後、前記電荷
輸送層上にスプレーコーティング法で塗布した。30分
放置して指触乾燥後、120℃、60分の加熱処理を行
い、膜厚3μmの表面保護層を形成し、本発明の電子写
真感光体を得た。
【0246】(実施例9)実施例3と同様にして電荷輸
送層まで形成した。例示化合物(III −255)25
部、シリコーン処理シリカ微粒子(KP−X−50、球
状、平均粒径50nm、信越化学社製)1部、シリコー
ンハードコート・コーティング剤(信越シリコン製、X
−40−2239)50部、ジブチルエーテル80部を
混合し、ガラスビーズとともにペイントシェーカーで1
時間分散処理して塗布液を調製し、得られた塗布液に1
N塩酸水3部を加えた後、前記電荷輸送層上にスプレー
コーティング法で塗布した。30分放置して指触乾燥
後、120℃、60分の加熱処理を行い、膜厚3μmの
表面保護層を形成し、本発明の電子写真感光体を得た。
【0247】(実施例10〜13)表面保護層の形成に
おいて、例示化合物(III −270)の代わりに、実施
例10では(III −3)、実施例11では(III −3
1)、実施例12では(III−145)、実施例13で
は(III −178)をそれぞれ用いたことを除き実施例
2と同様にして本発明の電子写真感光体を得た。
【0248】(実施例14)実施例1と同様にして電荷
輸送層まで形成した。例示化合物(III −270)35
部、球状シリコーン処理シリカ微粒子(KP−X−10
0、平均粒径100nm、信越化学社製)1部、メチル
トリメトキシシラン45部、ジメチルポリシロキサン
(分子量:1500)5部、イソプロパノール50部を
混合し、ガラスビーズとともにペイントシェーカーで1
時間分散処理して塗布液を調製し、得られた塗布液に2
%硫酸水6部を加えた後、前記電荷輸送層上にスプレー
コーティング法で塗布した。30分放置して指触乾燥
後、120℃、60分の加熱処理を行い、膜厚3μmの
表面保護層を形成し、本発明の電子写真感光体を得た。
【0249】<耐刷性テスト>このようにして得られた
実施例3〜14の各電子写真感光体について、上記実施
例1と同様にして耐刷性テストを行った。結果を下記表
60に示す。
【0250】
【表60】
【0251】実施例3〜14の電子写真感光体では、5
万枚印刷後の感光体の表面層の摩耗量は小さく、光電特
性も安定しており、また、現像剤、転写紙などの接触に
よるものと思われる筋状・点状の傷や、放電生成物の付
着によるものと思われる画像ボケ、解像度の低下等も発
生しなかった。従って、5万枚印刷後の画質において
も、階調および解像度ともに良好であった。
【0252】(実施例15)実施例1と同様にして電荷
発生層まで形成した。例示化合物(VI−27)のベンジ
ジン化合物2部、下記基本単位で示される高分子化合物
(粘度平均分子量39,000)3部をクロロベンゼン
20部に溶解させた塗布液を前記電荷発生層上に浸漬コ
ーティング法で塗布し、110℃、40分の加熱を行っ
て膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0253】例示化合物(III −3)10部、例示化合
物(V−1)5.5部、シリコーンハードコート・コー
ティング剤(信越シリコン製、X−40−2239)1
8部、酢酸7部、1N塩酸0.001部を混合して得ら
れた塗布液を、前記電荷輸送層上に浸漬塗布し、30分
放置して指触乾燥後、120℃、2時間の加熱処理を行
い、膜厚約5μmの表面保護層を形成し、本発明の電子
写真感光体を得た。
【0254】(比較例6)表面保護層を形成しないこと
を除いては、実施例15と同様にして、比較例6の電子
写真感光体を得た。
【0255】(比較例7)表面保護層の形成において、
例示化合物(III −3)を添加しないことを除いては、
実施例15と同様にして、比較例7の電子写真感光体を
得た。
【0256】(比較例8)例示化合物(III −1)の代
わりにフェニルトリメトキシシランを用いたことを除い
ては、実施例15と同様にして、比較例8の電子写真感
光体を得た。なお、フェニルトリメトキシシランとは、
前記一般式(IV)で表される置換基を1つだけ有する化
合物である。
【0257】<耐刷性テスト>以上のようにして得られ
た実施例15および比較例6〜8の各電子写真感光体
を、富士ゼロックス製LaserPress 4160
改造機(感光体のみを、上記実施例15および比較例6
〜8の各電子写真感光体に置き換え可能としたもの)に
装着し、20℃,40%RHの環境において、耐刷性テ
ストを行った。このLaserPress 4160改
造機は、接触方式の帯電手段である帯電ロール、レーザ
ー露光光学系、トナー現像器、転写ロール、機械的なク
リーニング手段としてのクリーニングブレード、定着ロ
ールを有している。
【0258】耐刷性の評価は、階調再現性および解像度
再現性評価用テストパターンを10万枚印刷し、初期、
5万枚、および10万枚の印刷後における画質評価、感
光体表面の目視観察および感光体の表面層の摩耗量を測
定することにより行った。なお、用紙としては富士ゼロ
ックス製PPC用紙(L、A4)を用いた。結果を下記
表61に示す。
【0259】
【表61】
【0260】実施例15の電子写真感光体では、初期か
ら10万枚印刷まで、256階調パターンおよび400
dpi解像度パターンともに良好であり、摩耗量も小さ
く、また、感光体表面に大きな筋状の傷などはみられな
かったことから、十分な機械強度を有していることがわ
かる。
【0261】比較例6の電子写真感光体では、初期画質
は良好だったものの、5万枚印刷後は感光体表面に筋状
・点状の傷が多発し、これが原因となって画像欠陥が発
生するようになっていた。また、膜厚減少によると考え
られる画像濃度低下が生じていた。よって、これ以上の
印刷テストは行わなかった。
【0262】比較例7の電子写真感光体では、表面保護
層が光電特性を有していない、すなわちキャリア輸送性
能を有していないため、初期の数枚は印刷できるもの
の、十数枚の印刷で表面電位が減衰しなくなり印刷不能
となる。表中の摩耗量の値は、画像が出なくなった状態
のまま5万枚の印刷処理を行ったものである。
【0263】比較例8の電子写真感光体では、5万枚印
刷後の画像特性に問題はなかったが、この段階で表面保
護層は全て摩滅しており、10万枚印刷の後は、感光体
表面に発生した傷による画像欠陥、および、膜厚減少に
よる画像濃度低下が見られた。
【0264】(実施例16〜21)表面保護層の形成に
おいて、例示化合物(III −3)の代わりに、実施例1
6では(III −13)、実施例17では(III −3
1)、実施例18では(III −32)、実施例19(II
I −145)、実施例20では(III −178)、実施
例21では(III −255)をそれぞれ用いたことを除
き実施例15と同様にして本発明の電子写真感光体を得
た。このようにして得られた実施例16〜21の各電子
写真感光体について、上記実施例15と同様にして耐刷
性テストを行った(ただし、5万枚までの耐久試験とし
た)。結果を下記表62に示す。
【0265】
【表62】
【0266】(実施例22)実施例1と同様にして電荷
発生層まで形成した。例示化合物(VI−27)2部、例
示化合物(VII −28)1部、実施例15で電荷輸送層
の形成に用いたのと同じ高分子化合物(粘度平均分子量
39,000)3部をクロロベンゼン24部に溶解させ
た塗布液を前記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗
布し、110℃、40分の加熱を行って膜厚20μmの
電荷輸送層を形成した。
【0267】例示化合物(III −270)10部、例示
化合物(V−1)5.5部、シリコーンハードコート・
コーティング剤(信越シリコン製、X−40−223
9)18部、酢酸7部、1N塩酸0.001部を混合し
て得られた塗布液を、前記電荷輸送層上に浸漬塗布し、
30分間放置して指触乾燥後、120℃、2時間の加熱
処理を行い、膜厚約5μmの表面保護層を形成し、本発
明の電子写真感光体を得た。
【0268】(実施例23)実施例22と同様にして電
荷輸送層まで形成した。例示化合物(III −270)1
0部、例示化合物(V−1)5.5部、シリコーンハー
ドコート・コーティング剤(信越シリコン製、X−40
−2239)18部、フッ素含有シランカップリング剤
(信越シリコン、KBM−7803)2部、ヒンダード
フェノール系酸化防止剤(スミライザー、MDP−S)
1部、酢酸7部、および、1N塩酸0.001部を混合
して得られた塗布液を、前記電荷輸送層上に浸漬塗布
し、30分間放置して指触乾燥後、120℃、2時間の
加熱処理を行い、膜厚約5μmの表面保護層を形成し、
本発明の電子写真感光体を得た。
【0269】(実施例24)実施例22における電荷発
生層を形成する際に用いるクロロガリウムフタロシアニ
ンの代わりに、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角
(2θ±0.2°)が7.5°、9.9°、12.5
°、16.3°、18.6°、25.1°、28.3°
に強い回折ピークを持つ特定の結晶形を有するヒドロキ
シガリウムフタロシアニンを用いたことを除いては、実
施例22と同様にして電荷発生層を形成し、本発明の電
子写真感光体を得た。
【0270】(実施例25)実施例23における電荷発
生層を形成する際に用いるクロロガリウムフタロシアニ
ンの代わりに、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角
(2θ±0.2°)が7.5°、9.9°、12.5
°、16.3°、18.6°、25.1°、28.3°
に強い回折ピークを持つ特定の結晶形を有するヒドロキ
シガリウムフタロシアニンを用いたことを除いては、実
施例23と同様にして電荷発生層を形成し、本発明の電
子写真感光体を得た。
【0271】(実施例26〜28)表面保護層の形成に
おいて、例示化合物(V−1)の代わりに、実施例26
では(V−3)、実施例27では(V−5)、実施例2
8では(V−7)をそれぞれ用いたことを除き実施例2
2と同様にして本発明の電子写真感光体を得た。なお、
実施例28における例示化合物(V−7)としては、1
−置換、および3−置換の混合物を用いた。
【0272】このようにして得られた実施例22〜28
の各電子写真感光体について、上記実施例15と同様に
して耐刷性テストを行った(ただし、5万枚までの耐久
試験とした)。結果を下記表63に示す。
【0273】
【表63】
【0274】
【発明の効果】第1の本発明の電子写真感光体は、最表
面層に一般式(Ia)で示される化合物とともにケイ素
含有微粒子を含んでいるため、表面強度が高く光電特性
も安定しており、同時に連続使用におけるトナーや紙
粉、放電生成物等の付着汚染に対しても耐性が高い。
【0275】一方、第2の本発明の電子写真感光体は、
最表面層が一般式(Ib)で表わされる化合物、およ
び、一般式(IV)で表される置換基を2以上有する架橋
性化合物をからなる、シロキサン系架橋硬化膜より形成
されているため、光電特性を有しながら強い機械強度を
実現している。そのため、電子写真方式の画像形成装置
として用いた場合に高い耐久性を有しており、印刷のラ
ンニングコストを抑える効果がある。
【0276】これら本発明の電子写真感光体は、特に接
触帯電方式、なかでも交流成分を有する接触帯電方式を
採用した帯電手段や、機械的クリーニング手段を有する
電子写真画像形成装置において用いた場合、その効果が
著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を適用した電子写真画
像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10:感光体 12:帯電ロール(帯電手段) 14:レーザー露光光学系 16:現像器 18:転写用ロール 19:除電装置 20:クリーニングブレード(クリーニング手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03G 5/147 502 G03G 5/147 502 503 503

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、感光層が、少なくとも下記一般式
    (Ia)で表される化合物、ケイ素含有微粒子、およ
    び、架橋性化合物から形成される架橋硬化膜よりなるこ
    とを特徴とする電子写真感光体。 G−D−F 一般式(Ia) (式中、GはSi含有ガラス質ネットワークサブユニッ
    ト、Dは可撓性有機サブユニット、Fは光電特性サブユ
    ニットを表す。)
  2. 【請求項2】 導電性支持体上に、少なくとも電荷発生
    層および電荷輸送層を積層した感光層を有する電子写真
    感光体において、最表面である電荷輸送層、または、最
    表面である電荷発生層が、少なくとも下記一般式(I
    a)で表される化合物、ケイ素含有微粒子、および、架
    橋性化合物から形成される架橋硬化膜よりなることを特
    徴とする電子写真感光体。 G−D−F 一般式(Ia) (式中、GはSi含有ガラス質ネットワークサブユニッ
    ト、Dは可撓性有機サブユニット、Fは光電特性サブユ
    ニットを表す。)
  3. 【請求項3】 導電性支持体上に、少なくとも感光層お
    よび表面保護層を順次積層した電子写真感光体におい
    て、最表面である表面保護層が、少なくとも下記一般式
    (Ia)で表される化合物、ケイ素含有微粒子、およ
    び、架橋性化合物から形成される架橋硬化膜よりなるこ
    とを特徴とする電子写真感光体。 G−D−F 一般式(Ia) (式中、GはSi含有ガラス質ネットワークサブユニッ
    ト、Dは可撓性有機サブユニット、Fは光電特性サブユ
    ニットを表す。)
  4. 【請求項4】 ケイ素含有微粒子が、コロイダルシリカ
    および/またはシリコーン微粒子であることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれか1に記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 一般式(Ia)で表される化合物中のG
    −D−で表される置換基が、下記一般式(II)で表され
    る置換基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か1に記載の電子写真感光体。 −Y−Si(R1 (3-a) (OR2 a 一般式(II) (式中、R1 は水素、アルキル基、置換あるいは未置換
    のアリール基を表し、R 2 は水素、アルキル基、トリア
    ルキルシリル基を表し、aは1〜3の整数を表し、Y
    は、ヘテロ原子に直接結合した水素原子を含まない、2
    価の基を示す。)
  6. 【請求項6】 一般式(II)で表される置換基中の−Y
    −が、−Cx 2x−(xは1〜15の整数)、−Cx'
    2x'-2 −(x’は2〜15の整数)、−Cx"2x"-4
    (x”は2〜15の整数)、置換あるいは未置換の2価
    のアリール基、−CH=N−、−O−、−COO−から
    なる群より選ばれる少なくとも1種以上を有する2価の
    基であることを特徴とする請求項5に記載の電子写真感
    光体。
  7. 【請求項7】 一般式(Ia)で表される化合物が、下
    記一般式(IIIa) で表される化合物であることを特徴と
    する請求項1〜6のいずれか1に記載の電子写真感光
    体。 一般式(IIIa) 【化1】 (式中、Ar1〜Ar4はそれぞれ独立に置換あるいは未
    置換のアリール基を示し、Ar5は置換あるいは未置換
    のアリール基あるいはアリーレン基を示し、かつAr1
    〜Ar5のうち1〜4個は、一般式(Ia)におけるG
    −D−で表される置換基を有し、kは0または1を示
    す。
  8. 【請求項8】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、感光層が、少なくとも下記一般式
    (Ib)で表される化合物、および、下記一般式(IV)
    で表される置換基を2以上有する架橋性化合物から形成
    される架橋硬化膜よりなることを特徴とする電子写真感
    光体。 G−D−F 一般式(Ib) (式中、Dは可撓性有機サブユニット、Fは光電特性サ
    ブユニット、Gは−Si(R1 (3-a) (OR2 a
    表し、R1 は水素、アルキル基、置換あるいは未置換の
    アリール基を表し、R2 は水素、アルキル基、トリアル
    キルシリル基を表し、aは1〜3の整数を表す。) −Si(R3 (3-b) (OR4 b 一般式(IV) (式中、R3 は水素、アルキル基、置換または未置換の
    アリール基を表し、R4は水素、アルキル基、トリアル
    キルシリル基を表し、bは1〜3の整数を表す。)
  9. 【請求項9】 導電性支持体上に、少なくとも電荷発生
    層および電荷輸送層を積層した感光層を有する電子写真
    感光体において、最表面である電荷輸送層、または、最
    表面である電荷発生層が、少なくとも下記一般式(I
    b)で表される化合物、および、下記一般式(IV)で表
    される置換基を2以上有する架橋性化合物から形成され
    る架橋硬化膜よりなることを特徴とする電子写真感光
    体。 G−D−F 一般式(Ib) (式中、Dは可撓性有機サブユニット、Fは光電特性サ
    ブユニット、Gは−Si(R1 (3-a) (OR2 a
    表し、R1 は水素、アルキル基、置換あるいは未置換の
    アリール基を表し、R2 は水素、アルキル基、トリアル
    キルシリル基を表し、aは1〜3の整数を表す。) −Si(R3 (3-b) (OR4 b 一般式(IV) (式中、R3 は水素、アルキル基、置換または未置換の
    アリール基を表し、R4は水素、アルキル基、トリアル
    キルシリル基を表し、bは1〜3の整数を表す。)
  10. 【請求項10】 導電性支持体上に、少なくとも感光層
    および表面保護層を順次積層した電子写真感光体におい
    て、最表面である表面保護層が、少なくとも下記一般式
    (Ib)で表される化合物、および、下記一般式(IV)
    で表される置換基を2以上有する架橋性化合物から形成
    される架橋硬化膜よりなることを特徴とする電子写真感
    光体。 G−D−F 一般式(Ib) (式中、Dは可撓性有機サブユニット、Fは光電特性サ
    ブユニット、Gは−Si(R1 (3-a) (OR2 a
    表し、R1 は水素、アルキル基、置換あるいは未置換の
    アリール基を表し、R2 は水素、アルキル基、トリアル
    キルシリル基を表し、aは1〜3の整数を表す。) −Si(R3 (3-b) (OR4 b 一般式(IV) (式中、R3 は水素、アルキル基、置換または未置換の
    アリール基を表し、R4は水素、アルキル基、トリアル
    キルシリル基を表し、bは1〜3の整数を表す。)
  11. 【請求項11】 架橋性化合物が、下記一般式(V)で
    表される化合物であることを特徴とする請求項8〜10
    のいずれか1に記載の電子写真感光体。 一般式(V) 【化2】 (式中、Aは一般式(IV)で表される置換基を示し、B
    は枝分かれを含んでも良い2価以上の炭化水素基、2価
    以上のアリール基、−NH−、の少なくとも1つ、ある
    いはそれらを組み合わせて構成され、nは2以上の整数
    を表す。)
  12. 【請求項12】 一般式(V)で表される化合物が、下
    記一般式のいずれかで表される化合物であることを特徴
    とする請求項11に記載の電子写真感光体。 【化3】 (式中、T1 、T2 は枝分かれしていてもよい2価ある
    いは3価の炭化水素基を表し、Aは一般式(IV)で表さ
    れる置換基を示し、h、i、jは1〜3の整数であり、
    かつ、分子内のAの数が2以上となるように選ばれ
    る。)
  13. 【請求項13】 一般式(Ib)で表される化合物が、
    下記一般式(IIIb)で表される化合物であることを特徴
    とする請求項8〜12のいずれか1に記載の電子写真感
    光体。 一般式(IIIb) 【化4】 (式中、Ar1〜Ar4はそれぞれ独立に置換あるいは未
    置換のアリール基を示し、Ar5は置換あるいは未置換
    のアリール基あるいはアリーレン基を示し、かつAr1
    〜Ar5のうち1〜4個は、一般式(Ib)におけるG
    −D−で表される置換基を有し、kは0または1を示
    す。
  14. 【請求項14】 架橋硬化膜が、さらにフッ素含有化合
    物および/または酸化防止剤を含有してなることを特徴
    とする請求項1〜13のいずれか1に記載の電子写真感
    光体。
  15. 【請求項15】 感光層中に、ハロゲン化ガリウムフタ
    ロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、オキ
    シチタニウムフタロシアニン、ハロゲン化錫フタロシア
    ニンからなる群より選ばれる少なくとも1種の電荷発生
    材料を含有することを特徴とする、請求項1〜14のい
    ずれか1に記載の電子写真感光体。
  16. 【請求項16】 感光層中に、下記一般式(VI)で表さ
    れるベンジジン系化合物、および/または、一般式(VI
    I) で表されるトリフェニルアミン系化合物を含有する
    ことを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1に記載
    の電子写真感光体。 一般式(VI) 【化5】 (式中、R6 およびR6 ’は同一であっても異なってい
    てもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のア
    ルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基を表す。R7
    7 ’、R8 およびR8 ’は同一であっても異なってい
    てもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のア
    ルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜2
    のアルキル基で置換されたアミノ基を表し、mおよびn
    は0〜2の整数を表す。) 一般式(VII) 【化6】 (式中、R9 は、水素原子またはメチル基、nは1また
    は2を表す。Ar6 Ar 7 は、置換または未置換のアリ
    ール基を表し、該置換基としてはハロゲン原子、炭素数
    1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭
    素数1〜2のアルキル基で置換されたアミノ基を表
    す。)
  17. 【請求項17】 少なくとも電子写真感光体、帯電手
    段、および機械的なクリーニング手段を有する電子写真
    画像形成装置において、電子写真感光体が請求項1〜1
    6のいずれか1に記載の電子写真感光体であり、かつ、
    帯電手段が接触帯電方式の帯電手段であることを特徴と
    する電子写真画像形成装置。
  18. 【請求項18】 帯電手段が、直流電圧に交流電圧を重
    畳した印加電圧を電子写真感光体に付与する手段である
    ことを特徴とする請求項17に記載の電子写真画像形成
    装置。
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