以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の画像形成装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付することとする。
[第一実施形態]
図1は、本発明の画像形成装置の第一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。図1に示す画像形成装置100は、電子写真感光体1と、電子写真感光体1を帯電させる帯電手段となる導電性部材2と、導電性部材2に接続された電源3と、導電性部材2により帯電される電子写真感光体1を露光する露光手段となる画像入力装置4と、画像入力装置4により露光された部分を現像する現像手段となる現像装置5と、現像装置5により電子写真感光体1に現像された像を画像出力媒体9に転写する転写手段となる転写部材7及び一次転写部材10と、クリーニング装置6と、定着装置8とから主として構成されている。そして、この画像形成装置100は、上記の帯電から転写までの一連の画像形成のサイクルを連続的に繰り返して行なうことができる。
画像形成装置100に備えられるクリーニング装置6は、感光体1に付着している残存トナーPやゴミ等を除去するための装置である。クリーニング装置6には、感光体1の表面に残存するトナーPを掻き落す回転ブラシ61及び弾性ブレード62と、弾性ブレード62を介して感光体1の表面に対向配置され、弾性ブレード62により掻き落とされるトナーPを回収するトナー回収部材63と、図示しないトナーボトルに接続された、ブラシ61と弾性ブレード62とトナー回収部材63とを覆うカバー64が備えられている。なお、弾性ブレードの先端’(感光体当接部)には、特開平11−327255号公報、又は特開2000−66555公報に記載のDLC層又はFDLC層がコーティングされていてもよい。また、クリーニング装置6のブラシ61は、ロール状の回転式に限られず、固定式であってもよい。なお、本実施形態は、クリーニング装置6を設けない、いわゆるクリーニングレスの画像形成装置も適用できる。
以下、電子写真感光体1(以下、単に、「感光体1」という場合がある)として前述の積層型の構成を採用する場合を例として説明する。
導電性支持体層の構成材料は特に限定されるものではなく公知の材料を使用使用することができる。例えば、不透明及び透明の導電性支持体いずれも用いることができる。具体的には、例えば、1)アルミニウム、銅、亜鉛、ステンレス、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等の金属又はこれらの合金を用いた金属板、金属ドラム、金属ベルト、2)導電性化合物(例えば、導電性ポリマー、酸化インジウム等)、アルミニウム、パラジウム、金等の金属又はこれらの合金を塗布、蒸着、或いはラミネートした紙、プラスチック又はガラス等が挙げられる。また、導電性支持体の形状も特に限定されるものではなく、例えば、ドラム状、シート状、プレート状、無端ベルト状等、適宜の形状とすることができる。また、導電性支持体は、必要に応じて、画質に影響のない範囲で表面処理を行うことができる。該表面処理としては、陽極酸化被膜処理、熱水酸化処理、薬品処理、着色処理、及び乱反射処理(例えば、砂目立て等)等が挙げられる。また、乱反射防止や、電荷注入制御のための層を設けてもよい。
電荷発生層に含有される電荷発生材料は電荷発生能を有するものであれば特に限定されず、公知の材料を使用することができる。具体的には、例えば、i)縮環芳香族系顔料、アゾ系顔料、キノン系顔料、ペリレン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ビスベンゾイミダゾール系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、キノリン系顔料、レーキ系顔料、アゾレーキ系顔料、アントラキノン系顔料、オキサジン系顔料、ジオキサジン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、アズレニウム系染料、スクウェアリウム系染料、ピリリウム系染料、トリアリルメタン系染料、キサンテン系染料、チアジン系染料、シアニン系染料等の種々の有機顔料及び染料、ii)アモルファスシリコン、アモルファスセレン、テルル、セレン−テルル合金、硫化カドミウム、硫化アンチモン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の無機材料等が挙げられる。これらの中でも、感度、電気的安定性、照射光に対する光化学的安定性の観点から、縮環芳香族系顔料、ペリレン系顔料、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料を使用することが好ましい。なお、上記の電荷発生材料は、上記の材料を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、電荷発生層は、導電性基板上に電荷発生材料を真空蒸着法等により直接成膜したり、有機溶剤中に電荷発生材料と結着樹脂とを溶解又は分散させた塗布液を導電性基板上に塗布することにより成膜して形成することができる。
上記の電荷発生層を形成するための塗布液に添加する結着樹脂としては、例えばポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂(例えば、ブチラールの一部がホルマールやアセトアセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルアセタール樹脂等)、ポリアミド系樹脂、ポリエステル樹脂、変性エーテル型ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ポリビニルアントラセン樹脂、ポリビニルピレン等が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアセタール系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、フェノキシ樹脂、及び変性エーテル型ポリエステル樹脂は、電荷発生材料として顔料を用いる場合、顔料を良く分散させ、顔料が凝集せず長期にわたり塗布液を安定にすることができ、また、その塗布液を用いることで均一な被膜を形成させ、電気特性を良くし画質欠陥を少なくすることができるため、好適である。なお、これらの結着樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、電荷発生層を形成するための塗布液に添加する有機溶剤は、使用する電荷発生材料の種類によって適宜最適なものを選択して用いることが好ましい具体的な有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、クロロベンゼン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム等が挙げられる。なお、これら有機溶剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
更に、電荷発生層を形成するための塗布液中の電荷発生材料と結着樹脂との配合比は、体積比(電荷発生材料:結着樹脂)で、10:1〜1:3であることが好ましく、8:1〜1:2であることがより好ましく、5:1〜1:1であること更に好ましい。また、電
荷発生層を形成するための塗布液を導電性支持体層上に塗布する方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の塗布法法が挙げられる。更に、電荷発生層の厚みは、一般的に0.01〜5μmであることが好ましく、0.1〜2.0μmであることがより好ましい。厚さが0.01μm未満であると、電荷発生層を均一に形成し難くなり、また、厚さが5μmを越えると電子写真特性が著しく低下する傾向がある。
ここで、導電性支持体と電荷発生層との間には、導電性支持体から電荷発生層への電荷の漏洩を阻止し、また電荷発生層を導電性支持体に対して一体的に接着保持せしめる下引き層を設けてもよい。
このような下引き層は、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ニトロセルロース、カゼイン、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ジルコニウムキレート化合物、チタニルキレート化合物、チタニルアルコキシド化合物、有機チタニル化合物、アルコキシシラン化合物、シランカップリング剤等の公知の結着樹脂を用いて形成することができる。また、これら結着樹脂中には、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、シリコーン樹脂等の微粒子を分散させてもよい。なお、これらの結着樹脂及び微粒子は、それぞれ単独で用いてもよいく、2種以上を併用してもよい。
また、下引き層は、前述の構成材料を適当な溶剤中に溶解又は分散させた塗布液を塗布することにより形成することができる。該塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の塗布方法が挙げられる。更に、下引き層の厚みは、0.01〜10μmであることが好ましく、0.05〜2μmであることがより好ましい。
電荷輸送層に含有される電荷輸送性材料は特に限定されず、公知の如何なるものも用いることができるが、露光時の電位減衰のレスポンスタイムを決定する電荷輸送性の観点から、トリアリールアミン構造(トリフェニルアミン構造、ベンジジン構造等)を含む化合物の少なくとも1種を用いて形成されることが好ましい。トリアリールアミン構造を含む化合物としては、電荷輸送性及び機械的強度の点でトリアリールアミン構造を繰り返し単位として含有する高分子化合物が好適である。
上記トリアリールアミン構造を含む化合物の他の電荷輸送性材料としては、例えば、a)ピレン系、カルバゾール系、ヒドラゾン系、オキサゾール系、オキサジアゾール系、ピラゾリン系、アリールアミン系、アリールメタン系、ベンジジン系、チアゾール系、スチルベン系、ブタジエン系等の電荷輸送性低分子化合物、b)ポリ−N−ビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルアンスラセン、ポリビニルアクリジン、ピレン−ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂、トリフェニルメタンポリマー、電荷輸送性のポリカーボネート、電荷輸送性のポリエステル、電荷輸送性のポリシラン等の電荷輸送性高分子化合物等が挙げられる。これらの中でも、高い電荷移動度を有しているという観点から、トリアリールアミン構造を含む低分子化合物(例えば、アリールアミン系の電荷輸送性低分子化合物等)、及びそれらを高分子化したポリカーボネート、ポリエステル、或いはポリシランを用いることが好ましい。なお、これら電荷輸送性材料は、単独で用いてもよいく、2種以上を併用してもよい。
電荷輸送層は、有機溶剤中に電荷輸送性材料を溶解又は分散させた塗布液を塗布することにより成膜して形成することができる。なお、この塗布液には結着樹脂を必要に応じて更に添加してもよい。この塗布液に用いる有機溶剤としては、使用する電荷輸送性材料の種類に応じて最適なものを選択して用いることが好ましい。具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、クロロベンゼン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム等が挙げられる。なお、これら有機溶剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、電荷輸送層を形成するための塗布液に添加する結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォルマール、ポリスルホン、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、フェノール樹脂、ポリアミド、カルボキシ−メチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリマーラテックス、ポリウレタン等が挙げられる。これらの中でも、高い電荷移動度を有しているという観点から、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンビニレン誘導体、電荷輸送性ポリカーボネート、電荷輸送性ポリエステル等を用いることが好ましい。これら結着樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
電荷輸送層を形成するための塗布液を塗布する方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の塗布方法が挙げられる。また、電荷輸送層の厚みとしては、2〜40μmであることが好ましく、4〜30μmであることがより好ましい。更に、露光時の電位減衰のレスポンスタイムを短縮する観点から、電荷輸送層の厚みは、4〜20μmであることが更に好ましく、4〜19μmであることが最も好ましい。また、電荷輸送層には、必要に応じてフェノール系化合物、硫黄系化合物、リン系化合物、アミン系化合物等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ヒンダードアミン系化合物等の光劣化防止剤等の添加剤を含有させてもよい。
最表面層下層となる表面保護層には、下記式(1)で表される光機能性有機ケイ素化合物を加水分解させることにより得られるシロキサン結合を有する架橋体が含有されていることが好ましい。
W[−D−SiR3-aQa]b …(1)
なお、式(1)中、Wは光機能性有機基を示し、Dは可とう性を有する2価の基を示し、Rは水素原子、アルキル基及び置換又は無置換のアリール基からなる群から選択される何れかを示し、Qは加水分解性基を示し、aは1〜3の整数を示し、bは1〜4の整数を示す。
ここで、本発明において、「架橋体」とは、(1)式で表される光機能性有機ケイ素化合物の同一又は異なる分子構造を有する複数の分子が、その加水分解性基Qの部分において水と反応して加水分解し、続いで、隣接する分子同士がその加水分解後の加水分解性基Qの部分を利用して脱水縮合することにより形成されるシロキサン結合(O−Si−O結合)により架橋した架橋体を示し、炭素原子及びフッ素原子を有する有機基に2以上のケイ素原子が結合し、さらにそれらのケイ素原子に酸素原子が結合した構造を有するもの(以下、「光機能性有機シリケート骨格」という)である。
なお、(1)式で表される光機能性有機ケイ素化合物と加水分解反応を起すための水は、例えば、感光層の最表面層を形成するための塗布液中に予め含有させていてもよいが、空気中の水分を利用して加水分解が十分に進行する場合には含有させなくてもよい。また、(1)式で表される光機能性有機ケイ素化合物とは異なる分子構造を有する加水分解性基を有する有機ケイ素化合物を更に添加してもよい。
このような光機能性有機シリケート骨格を有する架橋体を感光膜に含有させることによって、水、放電生成物、トナーなどの汚染物質に対する付着防止性が十分に高められるとともに、汚染物質が付着しても表面を損傷することなく汚染物質を除去することができるので、電子写真プロセスにおいて長期にわたって十分に良好な画像品質を得ることが可能となる。
更に、本発明において、「光機能性有機基」とは、光エネルギーの吸収により光異性化(構造変化)、フォトクロミズム、光イオン化、発光(色変化)、非線形光学効果、光電気化学効果、屈折率変化、といった物理変化あるいは物理化学変化を示す有機基をいう。
(1)式中、Dで表される可とう性を有する2価の基としては、好ましくは、−CnH2n−、−CnH2n-2−、−CnH2n-4−(nは1〜15の整数であり、好ましくは2〜10の整数である)、−CH2−C6H4−又は−C6H4−C6H4−で表される2価の炭化水素基、オキシカルボニル基(−COO−)、チオ基(−S−)、オキシ基(−O−)、イソシアノ基(−N=CH−)、或いはこれら2種以上の組み合わせによる2価の基である。なお、これらの2価の基は側鎖にアルキル基、フェニル基、アルコキシ基、アミノ基などの置換基を有していてもよい。Dが上記の好ましい2価の基であると、光機能性有機シリケート骨格に適度な可とう性が付与されて層の強度が向上する傾向にある。また、bは2〜4の整数であることがより好ましい。bが2〜4の整数であると一般式(1)で表される光機能性有機ケイ素化合物中にSi原子を2つ以上含むことになり、光機能性有機シリケート骨格が形成され易くなり、機械的強度をより向上させることができる。
式(1)中、Wで表される光機能性有機基としては、光機能性を示すものである限りにおいて特に制限されないが、芳香環を有する基であることが好ましく、フタロシアニン構造、ポルフィリン構造、アゾベンゼン構造、スチルベン構造、トリス(ビピリジル)−ロジウム構造、アズレン構造、ポリエン構造、ニトロアニリン構造、トリアリールアミン構造、ベンジジン構造、アリールアルカン構造、アリール置換エチレン構造、アントラセン構造、ヒドラゾン構造、キノン構造及びフルオレノン構造からなる群より選ばれる1種を有する基であることがより好ましく、下記式(2)で表される基であることが更に好ましい。
ここで、式(2)中、Ar1、Ar2、Ar3及びAr4はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、置換又は無置換のアリール基を表し、Ar5は置換又は無置換の2価の芳香族炭化水素基を表し、kは0又は1を表し、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5のうちの1〜4個は式(1)中の−D−SiR3-aQaで表される基と結合する結合手を有する。
また、上記式(2)中、Ar1、Ar2、Ar3及びAr4で表される置換又は無置換のアリール基としては、下記式(3)〜(9)で表される構造のうちのいずれかを有するものが好ましい。
ここで、式中、R1は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、炭素数7〜10のアルキルフェニル基、炭素数7〜10のアルコキシフェニル基又は炭素数7〜10のアラルキル基を表し、R2及びR3はそれぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、炭素数7〜10のアルコキシフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はロゲン基を表し、Ar6は置換又は無置換の2価の芳香族炭化水素基を表し、Zは2価の官能基を表し、sは1〜3の整数を表し、・は式(1)中の−D−SiR3-aQaで表される基が結合する場合の結合位置を表
す。
更に、式(9)中のAr6で表される置換又は無置換の2価の芳香族炭化水素基としては、下記式(10)又は(11)で表される構造を有するものが好ましい。
ここで、式(10)及び式(11)中、R4及びR5はそれぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、炭素数7〜10のアルコキシフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はロゲン基を表し、tは1〜3の整数を表す。
また、式(9)中のZで表される2価の基としては、下記式(12)〜(19)で表される構造のうちのいずれかを有するものが好ましい。
ここで、式中、R6及びR7はそれぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、炭素数7〜10のアルコキシフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はロゲン基を表し、Z’は2価の基を表し、q及びrはそれぞれ1〜10の整数を表し、tは1〜3の整数を表す。
更に、式(18)及び(19)中のZ’で表される2価の基としては、下記式(20)〜(28)で表される構造のうちのいずれかを有するものが好ましい。ただし、式(20)〜(28)中、pは0〜3の整数を表す。
更に、式(1)中、Rは、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜5のアルキル基)又は置換若しくは無置換のアリール基(好ましくは炭素数6〜15の置換若しくは無置換のアリール基)を表す。
また、本発明において、式(1)中、Qで表される「加水分解性基」とは、式(1)で表される光機能性有機ケイ素化合物の硬化反応において、加水分解され、次いで脱水縮合されることによりシロキサン結合(O−Si−O)を形成し得る官能基のことをいう。本発明にかかる加水分解性基の好ましい例としては、具体的には、水酸基、アルコキシ基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルアミノ基、アセトキシ基、プロペノキシ基、クロロ基が挙げられるが、これらの中でも、−OR”(R”は炭素数1〜15のアルキル基又はトリメチルシリル基)で表される基がより好ましい。
このような構成を有する光機能性有機ケイ素化合物のうち、Wが式(2)で表される基である化合物におけるAr1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5、D−SiR3-aQaで表される基及び整数kの好ましい組み合わせを下記表1〜6に示す。なお、表1〜6中、XはAr5と結合したD−SiR3-aQaを表し、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Pr(i)はプロピル基を表す。
また、本発明において、感光体1の保護層内に含まれる架橋体は、式(1)で表される光機能性有機ケイ素化合物を加水分解することによって得ることができるが、式(1)中の加水分解性基Qと結合可能な加水分解性基を有する化合物を光機能性有機ケイ素化合物に対して添加しても形成することができる。光機能性有機ケイ素化合物と加水分解性基を有する化合物とから形成される架橋体は、光機能性有機ケイ素化合物のみから形成される架橋体と比較して両者の組成比率により電気特性と機械的強度が調整可能となり好ましい。
光機能性有機ケイ素化合物に加えて添加することのできる加水分解性基を有する化合物は、上記のようにして式(1)中の加水分解性基Qと結合可能であれば特に限定されないが、例えば、以下の表7に示す構造式(III−1)〜(III−16)で表される有機ケイ素化合物、シランカップリング剤及び市販のシリコン系ハードコート剤を挙げることができる。
シランカップリング剤としては、具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等の四官能性アルコキシシラン;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等の三官能性アルコキシシラン;γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等の二官能性アルコキシシラン;等を用いることができる。
また、市販のハードコート剤としては、具体的には、KP−85、X−40−9740、X−40−2239(以上、信越シリコーン社製)及びAY42−440、AY42−441、AY49−208(以上、東レダウコーニング社製)等を用いることができる。また、撥水性等の付与のために、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトシキシラン等の含フッ素化合物を加えてもよい。
シランカップリング剤は任意の量で使用できるが、上記の含フッ素化合物を使用する場合、その含有量は、フッ素を含まない化合物の総質量に対して0.5質量%以下とすることが望ましい。これを超えると、架橋体を十分に形成することが困難となる場合がある。
更に、式(1)中の加水分解性基Qと結合可能な加水分解性基を有する化合物の他の好ましい例としては、下記式(29)で表されるフッ素含有有機ケイ素化合物が挙げられる。
W’[−SiR’3-a’Q’a’]b’ (29)
ここで、式(29)中、W’は炭素原子及びフッ素原子を含有する有機基を表す。また、R’は式(1)中のRの説明において例示された水素原子、アルキル基又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。更に、Q’は式(1)中の説明において例示された加水分解性基Qと同義の加水分解性基を表し、a’は1〜3の整数を表し、b’は2以上の整数を表す。
上記式(29)中、W’で表される炭素原子及びフッ素原子を含有する有機基としては、2価又は3価のフッ化炭化水素基が好ましい。なお、ここでいうフッ化炭化水素基とは、フッ化アルキレン基等の脂肪族フッ化炭化水素基及びフッ化アリーレン基等の芳香族フッ化炭化水素基を包含するものである。そして、脂肪族フッ化炭化水素基の場合にはその炭素数は2〜20であることが好ましく、芳香族フッ化炭化水素基の場合にはその炭素数は6〜20であることが好ましい。このようなフッ化炭化水素基の中でも、下記式(30)〜(46)に示す基のうちのいずれかであることが特に好ましい。
−(CF2)2− (30)
−(CF2)4− (31)
−(CF2)8− (32)
−(CH2)2−(CF2)2−(CH2)2− (33)
−(CH2)2−(CF2)4−(CH2)2− (34)
−(CH2)2−(CF2)6−(CH2)2− (35)
−(CH2)2−(CF2)8−(CH2)2− (36)
式(29)で表されるフッ素含有有機ケイ素化合物のW’と−SiR’3-a’Q’a’との好ましい組み合わせの具体例としては、以下の表8に示すものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。なお、表8中、W’の欄の番号はW’が上記式(30)〜(46)のうちのいずれかであることを意味するものである
本発明にかかる架橋体の材料として、式(29)で表されるフッ素含有有機ケイ素化合物と式(1)で表される光機能性有機ケイ素化合物とを用いる場合の両者の配合比は9:1〜1:9であることが好ましく、8:2〜2:8であることがより好ましい。
本発明にかかる架橋体は、式(29)で表されるフッ素含有有機ケイ素化合物、並びに必要に応じて配合される式(1)で表される光機能性有機ケイ素化合物、表9に示す有機ケイ素化合物、シランカップリング剤、ハードコート剤、フッ素含有化合物といった原料化合物を加水分解することによって得ることができるが、式(29)で表されるフッ素含有有機ケイ素化合物と式(1)で表される光機能性有機ケイ素化合物との総量と、他の原料化合物の配合量との比は1:0.1〜1:2であることが好ましく、1:0.2〜〜1:1であることがより好ましい。原料化合物中の式(29)で表されるフッ素含有有機ケイ素化合物の含有量が前記の範囲外であると、得られる電子写真感光体の感光特性や機械的強度が不十分となる傾向にある。
また、上記の原料化合物を加水分解する際の水の添加量は特に制限されないが、原料化合物が有する全ての加水分解性基を加水分解するために必要な理論量の0.3〜5倍量であることが好ましく、0.5〜3倍量であることがより好ましい。水の添加量が理論量の0.3倍未満であると、未反応化合物の量が増大し、後述する電子写真感光体の製造工程において、架橋体を含む塗工液を用いて成膜する際に相分離を生じたり得られる膜の強度が不十分となる傾向にある。他方、水の添加量が理論量の5倍を超えると、原料化合物が析出したり反応生成物(架橋体)の保存安定性が低下する傾向にある。
さらに、上記の原料化合物の加水分解は、溶媒を用いずに行ってもよく、また、所定の溶媒(好ましくは沸点が100℃以下の溶媒)を用いて行ってもよい。本発明において、加水分解の際に好ましく用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル類、などが挙げられる。これらの溶媒の使用量は、フッ素含有有機ケイ素化合物(29)1重量部に対して好ましくは0.5〜30重量部であることが好ましく、1〜20重量部であることがより好ましい。溶媒の使用量が前記下限値未満であるとフッ素含有有機ケイ素化合物(29)が析出しやすくなる傾向にあり、他方、前記上限値を超えると薄膜のものしか得れれなくなる傾向にある。
また、上記の加水分解においては、原料化合物、反応生成物、溶媒及び水のいずれにも不溶である固体触媒を用いることが好ましい。このような固体触媒としては、アンバーライト15E、アンバーライト200C、アンバーリスト15(以上、ローム・アンド・ハース社製);ダウエックスMWC−1−H、ダウエックス88、ダウエックスHCR−W2(以上、ダウ・ケミカル社製);レバチットSPC−108、レバチットSPC−118(以上、バイエル社製);ダイヤイオンRCP−150H(三菱化成社製);スミカイオンKC−470、デュオライトC26−C、デュオライトC−433、デュオライト−464(以上、住友化学工業社製);ナフィオン−H(デュポン社製)などの陽イオン交換樹脂;アンバーライトIRA−400、アンバーライトIRA−45(以上、ローム・アンド・ハース社製)などの陰イオン交換樹脂;Zr(O3PCH2CH2SO3H)2,Th(O3PCH2CH2COOH)2などのプロトン酸基を含有する基が表面に結合されている無機固体;スルホン酸基を有するポリオルガノシロキサンなどのプロトン酸基を含有するポリオルガノシロキサン;コバルトタングステン酸、リンモリブデン酸などのヘテロポリ酸;ニオブ酸、タンタル酸、モリブデン酸などのイソポリ酸;シリカゲル、アルミナ、クロミア、ジルコニア、CaO、MgOなどの単元系金属酸化物;シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、ゼオライト類などの複合系金属酸化物;酸性白土、活性白土、モンモリロナイト、カオリナイトなどの粘土鉱物;LiSO4,MgSO4などの金属硫酸塩;リン酸ジルコニア、リン酸ランタンなどの金属リン酸塩;LiNO3,Mn(NO3)2などの金属硝酸塩;シリカゲル上にアミノプロピルトリエトキシシランを反応させて得られた固体などのアミノ基を含有する基が表面に結合されている無機固体;アミノ変性シリコーン樹脂などのアミノ基を含有するポリオルガノシロキサン、などが挙げられる。これらの固体触媒の使用量は、加水分解性基を有する原料化合物100重量部に対して0.1〜20重量部であることが好ましい。また、これらの固体触媒を用いて加水分解を行う際の反応温度及び反応時間は原料化合物や固体触媒の種類によって適宜選択されるが、反応温度は好ましくは0〜100℃、より好ましくは10〜70℃、さらに好ましくは15〜50℃であり、反応時間は好ましくは10分〜100時間である。なお、反応時間が100時間を超えると反応生成物がゲル化しやすくなる傾向にある。
また、上記の固体触媒以外にも、塩酸、酢酸、リン酸、硫酸などのプロトン酸;アンモニア、トリエチルアミンなどの塩基;ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、オクタン酸第一錫などの有機錫化合物;テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソプロピルチタネートなどの有機チタン化合物;アルミニウムトリブトキシド、アルミニウムトリアセチルアセトナートなどの有機アルミニウム化合物;有機カルボン酸の鉄塩、マンガン塩、コバルト塩、亜鉛塩、ジルコニウム塩などの有機カルボン酸塩、などの硬化触媒を用いて加水分解を行うことができる。これらの硬化触媒の中でも、反応生成物の保存安定性の点で金属化合物が好ましく、金属のアセチルアセトナート又はアセチルアセテートが好ましい。これらの硬化触媒の使用量は、反応生成物の保存安定性や強度の点から、加水分解性基を有する原料化合物100重量部に対して0.1〜20重量部であることが好ましく、0.3〜10重量部であることが好ましい。また、上記の硬化触媒を用いて加水分解を行う際の反応温度及び反応時間は用いる原料化合物や硬化触媒の種類に応じて適宜選択されるが、反応温度ましくは60℃以上、より好ましくは80〜170℃であり、反応時間は好ましくは10分〜5時間である。なお、反応温度が前記下限値未満であると得られる架橋体の機械的強度が不十分となる傾向にある。
また、必要に応じて、得られた反応生成物について、ヘキサメチルジシラザンやトリメチルクロロシランなどを用いて疎水化処理を行うこともできる。
さらに、本発明にかかる電子写真感光体1の製造工程において本発明にかかる架橋体を含む感光膜を形成する場合、予め合成された架橋体を所定の溶剤に加えて得られる塗工液を用いて感光膜を成膜してもよく、また、上記式(1)で表されるフッ素含有有機ケイ素化合物などの原料化合物を所定の溶剤に加えて得られる塗工液を、上記の加水分解を行った後でそのまま感光膜の成膜に用いてもよい。
塗工液の塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を採用することができ、膜厚は任意に設定することができる。表面に塗布した後、先に述べた条件のもとで加熱することにより、加水分解と脱水縮合反応を進行させることにより架橋体を形成させ、塗布膜を硬化して硬化膜を形成する。
そして、表面保護層上に低摩擦処理として、ダイアモンドライクカーボン(DLC)からなる最表面層、フレキシブルダイアモンドライクカーボン(FDLC)又は四面体結合性アモルファスカーボン(ta−C:Tetrahedral Amorphous Carbon)からなる最表面層を設けている。また、この最表面層は、これら2種以上からなる複合材料で構成されていてもよい。本発明では、四面体結合性アモルファスカーボン(ta−C:Tetrahedral Amorphous Carbon)からなる最表面層が採用される。
ここで、DLCは炭素から構成される材料であって、DLCからなる層はダイアモンドとグラファイトの中間の性質を有し、低摩擦係数を実現し、かつ、耐摩耗性に優れている。FDLC又はta−Cは、DLCのこの性質を有し、低温で成膜可能かつ伸縮性を有するように改良された材料である。このため、DLC層、FDLC層又はta−C層を設けることで、感光体1は低摩擦係数を実現し、かつ、耐摩耗性に優れている。
DLC層FDLC層及びta−C(Tetrahedral Amorphous Carbon)層を形成する方法としては特に限定されないが、プラズマ化学気相蒸着法または、カソーディックアーク法により形成されることが好ましい。DLC層、又はFDLC層の厚さは0.5〜5μmであることが好ましい。0.5μm未満であると、強度不足で摺動、回転接触により摩耗することがあり、5μmを超えると、変形追従性が不充分で、弾性体自身の柔軟性を損なうとともに、成膜に長時間を要し経済的でないことがある。
また、ta−C層は、例えば、アーク放電を用いてカーボン(グラファイト)よりC+を抽出することで、成膜することが好適である。本手法がカソーディックアーク法と呼ばれるものであり、例えばインターナショナルカンファレンス オン マイクロメカトロニクス フォー インフォメーションアンド プリシジョン イクイップメント (1997年、 東京)の予稿集第357頁から第362頁(International Conference on Micromechatronics for Information and Precision Equipment(Tokyo、July、20−23、1997)PP.357ー362)に記載されるような特性を持ち、反応性スパッタ法、イー・シー・アール−・シー・ブイ・ディー(Electron Cycletoron Resonance−ChemicalVaper Deposition;ECR−CVD)法のような他の方法で成膜したDLC膜と比べsp3結合性が強く、被覆材料として使用した場合、硬質でかつ摩擦係数が低いという利点を持つ。
以下、DLC層、FDLC層、ta−C層の体表的な特性値を表9に示す。また、天然ダイヤモンドの代表的な特性値も合わせて示す。
このDLC層、FDLC層、及びta−C層は下層(本実施形態の場合、表面保護層)にフッ素が含まれていると、プラズマ処理されることにより、フッ素原子が脱離し、強固な接着点となるため好適である。
以上説明した本発明の好適な実施形態では、感光体1の表面に低摩擦処理を行っているため、表面の微細構造(凹凸)が消失しており、感光体1周囲の部材(回転ブラシ61、弾性ブレード62、導電性部材2(接触式の帯電装置))の損傷(磨耗)や剥がれを防止している。また、結露が防止されるため、ドラムヒータレスの感光体1となる。
そして、低摩擦処理として、DLC層、FDLC層又はta−C(Tetrahedral Amorphous Carbon)を形成しているため、低摩擦化と共にその機械的強度も向上しており、電子写真感光体1へのストレスが大きい接触帯電を用いた場合や、弾性ブレードにDLC(或いはFDLC)コーティングしてあっても優れた耐久性を示す。
また、帯電手段の帯電方式は特に限定されず、公知のコロトロン、スコロトロンによる非接触帯電方式、接触帯電方式のいずれを用いてもよいが、オゾン発生量の少ない接触帯電方式が好ましい。接触帯電方式は、感光体1の表面に接触させた導電性部材2に電圧を印加することにより該表面を帯電させる方式である。導電性部材2の形状はブラシ状、ブレード状、ピン電極状、あるいはローラー状等何れでもよいが、帯電均一性の観点から特にローラー状部材を用いることが好ましい。
これらの導電性部材2を用いて感光体1を帯電させる方式としては、導電性部材2に電圧を印加するときの印加電圧を直流電圧とする方式、或いは直流電圧に交流電圧を重畳させる方式の何れかが好ましい。印加電圧の大きさは直流電圧を印加する場合には要求される感光体帯電電位に応じて正又は負の50〜2000Vであることが好ましく、100〜1500Vがより好ましい。交流電圧を重畳させる場合は、ピーク間電圧が400〜1800Vであることが好ましく、800〜1600Vであることがより好ましく、1200〜1600Vであることが更に好ましい。また、交流電圧の周波数は50〜20000Hzであることが好ましく、100〜5000Hzであることがより好ましい。
以下、導電性部材2としてローラー状部材を使用する場合について説明する。通常、ローラー状部材は感光体1に接触する抵抗層と、その内部の弾性層と、芯材とから構成される。さらに必要に応じて抵抗層の外側に保護層を設けることもできる。ローラー状部材は、感光体に接触させることにより特に駆動手段を有しなくとも感光体と同じ周速度で回転し、帯電手段として機能する。しかし、ローラー部材に何らかの駆動手段を取り付け、感光体とは異なる周速度で回転させ、帯電させてもよい。
芯材の構成材料としては導電性を有するものであれば特に限定されないが、一般には鉄、銅、真鍮、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等が用いられる。またその他導電性粒子等を分散した樹脂成形品等を用いることができる。
弾性層の構成材料としては導電性あるいは半導電性を有するものであれば特に限定されないが、一般にはゴム材に導電性粒子あるいは半導電性粒子を分散したものが使用される。このゴム材としてはEPDM、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソブチレン、SBR、CR、NBR、シリコンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、SBS、熱可塑性エラストマー、ノルボーネンゴム、フロロシリコーンゴム、エチレンオキシドゴム等が用いられる。また、ゴム材に分散する導電性粒子あるいは半導電性粒子としてはカーボンブラック、亜鉛、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、クロム、チタニウム等の金属、ZnO−Al2O3、SnO2−Sb2O3、In2O3−SnO2、ZnO−TiO2、MgO−Al2O3、FeO−TiO2、TiO2、SnO2、Sb2O3、In2O3、ZnO、MgO等の金属酸化物;を用いることができる。なお、上記の材料は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
抵抗層及び保護層の低効率は結着樹脂に導電性粒子あるいは半導電性粒子を分散することにより制御することができる。抵抗層及び保護層の低効率としては、一般的には103〜1014Ωcmの範囲であればよく、105〜1012Ωcmであることが好ましく、107〜1012Ωcmであることがより好ましい。また、抵抗層及び保護層の厚さとしては、一般的には0.01〜1000μmであればよく、0.1〜500μmであることが好ましく、0.5〜100μmであることがより好ましい。
上記の結着樹脂としては、アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、メトキシメチル化ナイロン、エトキシメチル化ナイロン、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリチオフェン樹脂、PFA、FEP、PET等のポリオレフィン樹脂、スチレンブタジエン樹脂等が用いられる。
また、上記の導電性粒子あるいは半導電性粒子としては、弾性層と同様のカーボンブラック、金属、金属酸化物が用いられる。また必要に応じてヒンダードフェノール、ヒンダードアミン等の酸化防止剤、クレー、カオリン等の充填剤や、シリコーンオイル等の潤滑剤を添加することができる。
これらの層を形成する手段としてはブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等を用いることができる。
なお、帯電手段として接触帯電方式の導電性部材2を適用する場合を説明したが、本実施形態では、帯電手段として非接触帯電方式を適用してもよい。帯電手段として非接触帯電方式を適用、例えば、帯電に支障の無い範囲で、帯電部材を感光体1から数10〜数100μm離して非接触帯電を施すことで、感光体1の表面の摩擦係数が低下するため、本実施形態では特に好適である。
具体的には、例えば、特開平7−301973号公報に準じて、106〜1014(Ω・cm)の抵抗値を有する帯電部材を感光体から30〜240μm離して設置し、帯電部材に直流電圧(1800V前後)を供給し、画像形成を行う。これにより、感光体1の長寿命化、帯電安定性、帯電部材の高耐久性が向上すると共に、感光体表面が低摩擦化する。
また、特開平9−26685号公報に準じて、スペーサコロ等の隔離用部材を104Ω以上の抵抗値を有するローラーやプレート或いはブラシ状の帯電部材に使用して、有機感光体、セレン感光体、a−Siなどの感光体表層から20〜200μm離し、帯電部材に交番電流(1800〜2500V)を重畳した直流電圧(400〜800V)、若しくは直流電圧(1000〜2000V)のみを印加することによって帯電を行い、画像を形成する。これにより、簡単な構成で環境安定性の良好な帯電処理をすることできると共に、感光体表面が低摩擦化する。
また、特開2002−229241(P2002−229241A)号公報に準じて、感光層の最表層面に無機微粒子分散の被覆層を形成してなる感光体を、非接触帯電部材により帯電させ、デジタル交換した原稿像を感光体に照射することによって、画像形成を行う。これにより、感光体に、非接触帯電部材からの電荷が供給されるので、感光体表面が低摩擦化する。
画像入力装置4は、帯電後の感光体1を露光することにより静電潜像を形成する露光手段として機能する装置である。その光源は特に限定されるものではなく、例えば、半導体レーザー光の他、LED光、液晶シャッタ光等の公知の光源を用いることができる。そして、露光手段となる画像入力装置4としては、例えば、上記の半導体レーザー光、LED光、液晶シャッタ光等の光源からの光により所望の像様に露光できる光学系機器を用いることができる。
現像装置5は、静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段として機能する装置である。特に、露光手段が半導体レーザー光、LED光、液晶シャッタ光等の公知の光源を用いてイメージ部分を露光する方式の場合には、現像装置5の方式としては露光部分を現像する反転現像方式を用いることが好ましい。このような現像装置5としては、例えば、磁性又は非磁性の一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラー等を用いることにより電子写真感光体1に付着させる機能を有するものを使用することができる。
転写部材7及び一次転写部材10は、トナー像を紙等の被転写体に転写する転写手段として機能する部材である。転写部材7としては、例えば、ローラを用いた接触型帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器などの公知の転写帯電器を用いることができる。なお、図1においては、転写部材7に加えて一次転写部材10を用いる例について説明したが、一次転写部材10は必ずしも必要ではなく、転写手段を一次転写部材10を備えない転写部材7のみの構成とし、転写部材7を用いて電子写真感光体1から画像入力媒体9に画像を直接転写してもよい。
定着装置8は、トナー像を紙等の被転写体に定着させる装置である。なお、本実施形態の画像形成装置においては、上記の構成要素に加えてクリーニング装置6と導電性部材2との間に、電子写真感光体1の表面に残留している静電潜像を除去する除電装置(図示せず)を更に配置してもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記の実施形態においては、感光体の表面保護層に架橋体を含有させる場合について説明したが、先に述べたように、本発明において感光体に含有される架橋体を含有させる層は、感光体の導電性支持体層から最も離れた最表面に形成された層であれば特に限定されない。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
先ず、外径30mmφのED管アルミニウム基体を準備し、この表面を研磨剤(昭和タイタニウム社製、商品名;アルミナビーズCB−A30S、平均粒径D50=30μm)を用いて液体ホーニング処理することにより粗面化し、中心線平均粗さRaが0.18μmである表面を有する導電性支持体層を作製した。
次に、ジルコニウム化合物(マツモト製薬社製、商品名:オルガノチックスZC540)20重量部、シラン化合物(日本ユニカー社製、商品名:A1100)2.5重量部、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製、商品名:エスレックBM−S)4重量部、ブタノール45重量部からなる下引き層形成用の塗布液を調製した。浸漬塗布装置を用いて導電性支持体層上に上記の下引層形成用の塗布液を浸漬コーティング法で塗布し、150℃の温度条件のもとで10分間の加熱乾燥処理を行い、導電性支持体層上に膜厚が1.0μmの下引層を形成した。
次にCuKα線を用いたX線回折スペクトルによるキャラクタリゼーションの結果、ブラッグ角(2θ±0.2°)が、7.4°、16.6°、25.5°、28.3°である位置に回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニンと;1重量部、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製、商品名:エスレックBM−S);1重量部、酢酸n−ブチル;100重量部からなる混合物をガラスビーズとともペイントシェーカーで1時間処置して顔料であるクロロガリウムフタロシアニンを上記混合物中において十分に分散させ、電荷発生層形成用の塗布液を調製した。この液を上記下引層上に浸漬塗布・乾燥して、膜厚が約0.15μmの電荷発生層を形成した。
次に、電荷輸送物質として下記式(47)に示す高分子化合物2重量部と、粘度平均分子量が3万9000の下記式(48)に示す高分子化合物(ポリカーボネート樹脂);3重量部と、クロロベンゼン;20重量部に溶解させ、電荷輸送層形成用の塗布液を調製した。この液を電荷発生層上に塗布し、110℃の乾燥温度で40分間乾燥させることにより膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。このようにして、三層からなる電子写真感光体(以下、ベース感光体という)を作製した。
次に、下記式(49)で表される化合物;2重量部と、下記式(50)で表される化合物;2重量部とを、イソプロピルアルコール;5重量部、テトラヒドロフラン;3重量部、蒸留水;0.3重量部に溶解させ、イオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社製、商品名:アンバーリスト15E);0.05重量部を加え、室温で攪拌することにより式(49)で表される化合物と式(50)で表される化合物の加水分解を24時間行った。次に、式(49)で表される化合物と式(50)で表される化合物を加水分解したものからイオン交換樹脂を濾過分離した液体;2重量部に対し、アルミニウムトリスアセチルアセトナートを0.04重量部を添加して、表面保護層形成用の塗布液を調製した。この塗布液を上記ベース感光体の上にリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で30分間風乾した後、120℃で1時間加熱処理して硬化させ、膜厚約3μmの表面保護層を形成した。
そして、この表面保護層上に、アノードとカソード間に電圧を印加し、高真空状態においてアーク放電を生じさる。カソードターゲットは、カーボン(グラファイト)で構成されているが、非常に高温の状態(アーク溶接と同様)になり、表面より+に帯電したカーボンイオン(C+)が生成される。このC+は、初期運動エネルギーのみ、あるいは必要に応じた基板バイアス電圧により打ちこみ、ta−C(Tetrahedral Amorphous Carbon)を形成する。得られる膜質としては強固な共有結合(sp3:85%)、ダイヤモンドに近い屈折率、硬度をもった緻密なta−C(Tetrahedral Amorphous Carbon)が膜厚10nmで生成された。これを最表面層とした。この低摩擦処理後の感光体の表面を測定したところ、摩擦係数が0.1であった。
得られた上記の電子写真感光体を、図1に示した画像形成装置と同様の構成を有する接触帯電方式プリンターに搭載した。このとき、搭載した感光体の表面に潤滑剤としてPMMA(ポリメチルメタクリレート)粉体を充分にまぶした。なお、この接触帯電方式プリンターは、富士ゼロックス社製プリンター(商品名:Docu Color 1250)のクリーニングブレード部(回転ブラシ61、弾性ブレード62、トナー回収部63)を図1に示したクリーニング装置6と同様の構成に改造し、更に、接触帯電方式の導電性部材2としてローラー状を用いこれに直流に交流を重畳した電圧が供給されるよう改造したものである。また、クリーニングブレード(弾性ブレード62)先端には、感光体と同様にta−C(Tetrahedral Amorphous Carbon)を形成してある。
(参考例2)
プラズマ化学気相蒸着法(PECVD;plasma enhanced chemical vapor deposition)に従って、ヘリウムをキャリヤーガスとして用いた炭化水素を、平行平板型のプラズマCVD装置の内に導入し、13.56MHzの高周波で放電させ、表面保護層上に厚さ1μmのFDLCを蒸着し、これを最表面層とした以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、装置に搭載した。なお、低摩擦処理後の感光体の表面を測定したところ、摩擦係数が0.12であった。
(参考例3)
次に示すように、アモルファスシリコンからなる感光層を有する感光体(アモルファスシリコン感光体)を作製し、これに、参考例2と同様なプラズマ化学気相蒸着法により厚さ2μmのFDLCを蒸着した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、得られた感光体を装置に装着した。なお、低摩擦処理後の感光体の表面を測定したところ、摩擦係数が0.12であった。
―アモルファスシリコン感光体の作製―
〈感光層〉
次のようにしてグロー放電によりアルミニウムドラム支持体上にアモロファスシリコン感光層を形成した。
まず、平滑な表面を持つ清浄な支持体をグロー放電装置の反応(真空)槽内に設置した。反応槽内を10-6Torr程度の高真空度に排気し、支持体温度を200℃に加温して後、高純度Arガスを導入し、0.5Torrの背圧のもとで周波数13.56MHz、電流密度0.004W/cm2の高周波電力を印加し、15分間の予備放電を行った。
次いでSiH4とCH4からなる反応ガスを導入し、流量比3:1:0.5〜0.05の(Ar+SiH4+CH4)混合ガス及びB2H6ガスをグロー放電分解することにより、キャリア注入を防止するa−Si:H層、更には電位保持及び電荷輸送機能を担うa−Si:H層を350Å/minの堆積速度で成膜した。
このa−Si:H層中の炭素含有率はオージェ電子分光分析の結果15atomic%であった。反応槽を一旦排気した後、CH4は供給せず、SiH4とB2H6を放電分解し、ボロンドープa−Si:H感光層を形成した後、再びCH4と及びB2H6を供給した。今度は流量比5:1:4〜0.5の(Ar+SiH4+CH4)混合ガスをグロー放電分解し、ボロンドープa−Si:H表面改質層を更に設け、電子写真感光層を形成した。
このようにして、アモルファスシリコン感光体を作製した。なお、得られたa−Si:H表面改質層の光学的エネルギーギャップは2.5〜2.0eVであった。また炭素組成が50〜20atomc%であることが分析により判明した。
(比較例1)
最表面層を形成しない以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、装置に搭載した。なお、感光体の表面を測定したところ、摩擦係数が0.6であった。
(比較例2)
最表面層を形成しない以外は、参考例3と同様に電子写真感光体を作製し、装置に搭載した。なお、感光体の表面を測定したところ、摩擦係数が0.4であった。
[プリントテスト]
上記の実施例1、参考例2〜3、比較例1〜2の画像形成装置において、22℃、55%RHの作動環境においてそれぞれの画像形成装置を作動させ、10000枚のプリントテストを行った。また、画像を形成させる紙としては富士ゼロックス社製PPC用紙(V602)を使用した。
その結果、実施例1、参考例2〜3の画像形成装置においては、回転ブラシ61、弾性ブレード62、接触帯電方式の導電性部材2の損傷、弾性ブレードの反転(めくれ)等のトラブルは発生しなかった。また、得られる画像の画質は、10000枚の使用した全ての紙についてクリーニング不良による筋状むら等の画像欠陥も認められず良好な画像品質を有する画像を得ることができた。また、結露も見られず、ドラムヒータも不要だった。また、回転ブラシ61、弾性ブレード62、接触帯電方式の導電性部材2など感光体に当接する部材による、感光体の傷も見られなかった。
一方、比較例1〜2の画像形成装置においては、3枚目のプリントにおいて弾性ブレード62反転(めくれ)が発生し、それ以後のプリントテストが続行不能となった。また、このままたプリントを続行するれば、回転ブラシ61、弾性ブレード62、接触帯電方式の導電性部材2に損傷が生じると共に、感光体の傷も生じることが予想された。特に、弾性ブレード先端にはFDLC層が形成されていたため、比較例1では感光体の表面保護層(オーバーコート層)が磨耗し、比較例2ではのアモルファスシリコン感光体の表面微細構造(凹凸)により弾性ブレードが磨耗してしまう。このように、感光体の表面が十分な低摩擦性を有していないので、このような現象が生じることがわかる。
また、実施例1、参考例2〜3において、接触帯電方式の導電性部材2の代わりに、非接触帯電部材による非接触帯電方式を適用すると、感光体の摩擦係数は、ほぼ同等から小さくなる傾向になり、回転ブラシ61、弾性ブレード62の損傷、弾性ブレードの反転(めくれ)等のトラブル発生がより効果的に防止されることもわかった。
1…電子写真感光体、2…導電性部材、3…電源、4…画像入力装置、5…現像装置、6,6a,6b…クリーニング装置、7…転写部材、8…定着装置、9…画像出力媒体、10…一次転写部材、61…回転ブラシ、62…弾性ブレード、63…トナー回収部材、64…カバー、P…トナー、R…トナー保持領域