JPH1131636A - 電解コンデンサ用電解液 - Google Patents

電解コンデンサ用電解液

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JPH1131636A
JPH1131636A JP20219597A JP20219597A JPH1131636A JP H1131636 A JPH1131636 A JP H1131636A JP 20219597 A JP20219597 A JP 20219597A JP 20219597 A JP20219597 A JP 20219597A JP H1131636 A JPH1131636 A JP H1131636A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 火花電圧および電導度が高く、かつ高温での
安定性のある中高圧用の電解液を提供する。 【解決手段】 有機極性溶媒を主体とする溶媒中に、
(化1)で示される総炭素数13〜17の脂肪族飽和ジ
カルボン酸化合物またはその塩を溶解して電解コンデン
サ用電解液を得ることによって、電解液の火花電圧が向
上し、さらに、電解質濃度を高めて、高火花電圧を維持
したまま、高電導性を得ることができる。 【化1】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基または水素原
子であり、R2 、R3 の一方がメチル基で、他方が水素
原子である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解コンデンサ用
電解液に関し、更に詳しくは中高圧用の電解液に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】電解コンデンサ用電解液は、アルミニウ
ムまたはタンタルなどの表面に絶縁性の酸化皮膜が形成
された弁金属を陽極電極に使用し、前記酸化皮膜層を誘
電体とし、この酸化皮膜層の表面に電解質層となる電解
液を接触させ、さらに通常陰極と称する集電用の電極を
配置して構成されている。
【0003】電解コンデンサ用電解液は、上述のように
誘電体層に直接に接触し、真の陰極として作用する。即
ち、電解液は電解コンデンサの誘電体と集電陰極との間
に介在して、電解液の抵抗分が電解コンデンサに直列に
挿入されていることになる。故に、その電解液の特性が
電解コンデンサ特性を左右する大きな要因となる。
【0004】電解コンデンサの従来技術においては、中
高圧用の電解液として、火花電圧が比較的高く得られる
ことから、エチレングリコールからなる溶媒にほう酸ま
たはほう酸アンモニウムを溶質として溶解した電解液が
用いられていた。しかしながら、このような電解液にお
いては、電導率が低く、さらにエチレングリコールとほ
う酸のエステル化により多量の水が生成するため、10
0℃以上では水の蒸発によって内圧が上昇し、また電極
であるアルミニウムと反応しやすくなるという問題も発
生し、高温での使用に適さなかった。
【0005】このような欠点を解決するために、セバシ
ン酸、やアゼライン酸等の有機ジカルボン酸が用いられ
ることもあるが、これらは溶解性が低いため、低温にお
いて結晶が析出しやすくコンデンサの低温特性を劣化さ
せるという欠点を免れ得なかった。さらに、特公昭60
−13296号公報に示されているようにブチルオクタ
ン二酸を溶質として用いる例や特公昭63−15738
号公報に示されているように5,6−デカンジカルボン
酸を溶質として用いた例がある。これらの二塩基酸ある
いはその塩を用いた電解液では、火花電圧および電導度
が高く、しかもエステル化が非常に遅く水の生成が少な
いので高温での安定性を得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
中高圧用電解コンデンサが使用されるインバーターの動
作速度の高周波化などが進み、さらに火花電圧および電
導度が高く、かつ高温での安定性のある、信頼性の高い
電解液が求められている。
【0007】本発明は、分子数の大きい脂肪族飽和ジカ
ルボン酸を用いれば火花電圧が高くなることに着目し、
特定の脂肪族飽和ジカルボン酸を電解質に用いれば、火
花電圧および電導度が高く、かつ高温で安定な電解液が
得られるということを見出したもので、火花電圧および
電導度が高く、かつ高温での安定性のある中高圧用の電
解液を提供することをその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の電解コンデンサ用電解液は、有機極性溶媒を
主体とする溶媒中に、一般式:
【0009】
【化4】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基または水素原
子であり、R2 、R3 の一方がメチル基で、他方が水素
原子である。)で示される総炭素数13〜17の脂肪族
飽和ジカルボン酸化合物またはその塩を溶解することを
特徴とする。
【0010】また、前記電解コンデンサ用電解液に、一
般式:
【0011】
【化5】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基または水素原
子であり、R2 、R3 の一方がメチル基で、他方が水素
原子である。)で示される総炭素数18〜22の脂肪族
飽和ジカルボン酸化合物またはその塩、および/または
【0012】
【化6】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基または水素原
子であり、R2 、R3 の一方がメチル基で、他方が水素
原子である。)で示される総炭素数23〜27の脂肪族
飽和ジカルボン酸化合物またはその塩を添加することを
特徴とする。
【0013】さらに、電解液に溶解する脂肪族飽和ジカ
ルボン酸化合物(化4)、(化5)、(化6)のR1
水素原子であることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の、(化4)で示される脂
肪族飽和ジカルボン酸の例としては、2,4,4−トリ
メチル−1,7−オクタンジカルボン酸、2,2,4−
トリメチル−1,7−オクタンジカルボン酸、3,5,
5−トリメチル−2,8−ノナンジカルボン酸、5,
5,7−トリメチル−2,8−デカンジカルボン酸、
5,5,7−トリメチル−2,8−ウンデカンジカルボ
ン酸、5,5,7−トリメチル−2,8−ドデカンジカ
ルボン酸等が挙げられる。
【0015】また、(化5)で示される脂肪族飽和ジカ
ルボン酸の例としては、2,4,4,7−テトラメチル
−7−メトキシカルボニル−1,9−デカンジカルボン
酸、2,2,4,7−テトラメチル−7−メトキシカル
ボニル−1,9−デカンジカルボン酸、3,5,5,8
−テトラメチル−8−メトキシカルボニル−2,10−
ウンデカンジカルボン酸、4,7,7,9−テトラメチ
ル−4−メトキシカルボニル−2,10−ドデカンジカ
ルボン酸、4,7,7,9−テトラメチル−4−メトキ
シカルボニル−2,10−トリデカンジカルボン酸、
4,7,7,9−テトラメチル−4−メトキシカルボニ
ル−2,10−テトラデカンジカルボン酸等が挙げられ
る。
【0016】さらに、(化6)で示される脂肪族飽和ジ
カルボン酸の例としては2,4,4,7,9−ペンタメ
チル−7,9−ジメトキシカルボニル−1,11−ドデ
カンジカルボン酸、2,2,4,7,9−ペンタメチル
−7,9−ジメトキシカルボニル−1,11−ドデカン
ジカルボン酸、3,5,5,8,10−ペンタメチル−
8,10−ジメトキシカルボニル−2,12−トリデカ
ンジカルボン酸、4,6,9,9,11−ペンタメチル
−4,6−ジメトキシカルボニル−2,12−テトラデ
カンジカルボン酸、4,6,9,9,11−ペンタメチ
ル−4,6−ジメトキシカルボニル−2,12−ペンタ
デカンジカルボン酸、4,6,9,9,11−ペンタメ
チル−4,6−ジメトキシカルボニル−2,12−ヘキ
サデカンジカルボン酸等が挙げられる。
【0017】一般に、電解コンデンサの電解液に用いら
れる有機カルボン酸の総炭素数が大きくなると、一定の
濃度に対しては火花電圧は大きくなるが、それにともな
って電導度は小さくなる。さらに、溶解性も小さくなる
ので、濃度を高めて電導度を高めるということができな
くなる。
【0018】しかしながら、本願発明の(化4)で示さ
れる脂肪族飽和ジカルボン酸は、(化4)に示す位置に
側鎖としてアルキル基を有している。そのことによっ
て、溶解性が向上するので、濃度を高めることによって
高電導性が得ることができ、さらにその際に火花電圧が
低下することがない。また、濃度を高めることによって
耐塩素性も向上する。
【0019】さらに、(化4)で示される脂肪族飽和ジ
カルボン酸を溶解した電解コンデンサ用電解液に、(化
5)で示される脂肪族飽和ジカルボン酸、および/また
は、(化6)で示される脂肪族飽和ジカルボン酸を添加
した場合は、より高い火花電圧を得ることができる。こ
れらの(化5)、(化6)の脂肪族飽和ジカルボン酸を
溶解した場合の挙動は、(化4)の場合と同様である
が、総炭素数が大きいので、より高い火花電圧を得るこ
とができる。ただし、添加量が高いと溶解性が悪くな
り、電導度も低下するので、(化5)、(化6)の脂肪
族飽和ジカルボン酸の総添加量は、電解液に対して5重
量%以下であることが望ましい。また、この場合、(化
4)ないし(化6)のR1 ないしR3 はそれぞれ同一で
あることが好ましい。
【0020】また、(化4)ないし(化6)において、
カルボキシル基に結合している炭素原子の一方について
いる、R1 が水素原子である場合は、カルボキシル基の
反応性が低下せず、解離度が低減しないので、さらに高
電導度を得ることができる。
【0021】また、このようなカルボキシル基を有する
有機酸においては、エチレングリコール等の水酸基を有
する溶媒を用いた場合に、通常高温保存中にカルボキシ
ル基と水酸基によるエステル化反応が進行し、電導度が
低下するという現象がある。
【0022】しかしながら、本発明の(化4)ないし
(化6)に示す脂肪族飽和ジカルボン酸においては、カ
ルボキシル基に結合している炭素原子の他方に、メチル
基が結合しているので、このメチル基の立体障害によっ
て、カルボキシル基の反応性が低減する。このことによ
って、エチレングリコール等の水酸基を有する溶媒を用
いた場合にも、カルボキシル基と水酸基によるエステル
化反応がおこりにくくなり、高温保存中の電導度の低下
を抑制することができる。したがって、この電解液を用
いた電解コンデンサにおいては、高温保存後のtanδ
の上昇を抑制することができる。
【0023】本発明の(化4)の脂肪族飽和ジカルボン
酸の総炭素数は13〜17、好ましくは13〜15であ
る。また、(化5)の脂肪族飽和ジカルボン酸の総炭素
数は18〜22、好ましくは18〜20、(化6)の脂
肪族飽和ジカルボン酸の総炭素数は23〜27、好まし
くは23〜25である。これらの脂肪族飽和ジカルボン
酸においても、総炭素数が上限を越えると濃度を高めて
も高電導度が得られない。また、総炭素数が下限より小
さいと高い火花電圧が得られない。
【0024】本発明の電解コンデンサ用電解コンデンサ
における(化4)で示される脂肪族飽和ジカルボン酸の
含有量は、電解液の重量に基づいて通常0.1〜30重
量%、好ましくは3〜20%である。
【0025】本発明の脂肪族飽和ジカルボン酸塩として
は、脂肪族飽和ジカルボン酸のアンモニウム塩、アミン
塩、4級アンモニウム塩および環状アミジン化合物の四
級塩が挙げられる。アミン塩を構成するアミンとしては
1級アミン(メチルアミン、エチルアミン、プロピルア
ミン、ブチルアミン、エチレンジアミン等)、2級アミ
ン(ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミ
ン、メチルエチルアミン、ジフェニルアミン等)、3級
アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプ
ロピルアミン、トリフェニルアミン、1,8─ジアザビ
シクロ(5,4,0)─ウンデセン─7等)が挙げられ
る。第4級アンモニウム塩を構成する第4級アンモニウ
ムとしてはテトラアルキルアンモニウム(テトラメチル
アンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロ
ピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、メチル
トリエチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウ
ム等)、ピリジウム(1─メチルピリジウム、1─エチ
ルピリジウム、1,3─ジエチルピリジウム等)が挙げ
られる。また、環状アミジン化合物の四級塩を構成する
カチオンとしては、以下の化合物を四級化したカチオン
が挙げられる。すなわち、イミダゾール単環化合物(1
─メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾー
ル、1,4─ジメチル─2─エチルイミダゾール、1─
フェニルイミダゾール等のイミダゾール同族体、1−メ
チル−2−オキシメチルイミダゾール、1−メチル−2
−オキシエチルイミダゾール等のオキシアルキル誘導
体、1−メチル−4(5)−ニトロイミダゾール、1,
2−ジメチル−4(5)−ニトロイミダゾール等のニト
ロおよびアミノ誘導体)、ベンゾイミダゾール(1−メ
チルベンゾイミダゾール、1−メチル−2−ベンジルベ
ンゾイミダゾール等)、2−イミダゾリン環を有する化
合物(1─メチルイミダゾリン、1,2−ジメチルイミ
ダゾリン、1,2,4−トリメチルイミダゾリン、1,
4−ジメチル−2−エチルイミダゾリン、1−メチル−
2−フェニルイミダゾリン等)、テトラヒドロピリミジ
ン環を有する化合物(1−メチル−1,4,5,6−テ
トラヒドロピリミジン、1,2−ジメチル−1,4,
5,6−テトラヒドロピリミジン、1,8−ジアザビシ
クロ〔5.4.0〕ウンデセン−7、1,5−ジアザビ
シクロ〔4.3.0〕ノネン等)等である。これらのう
ちで好ましいものはアンモニウム塩である。
【0026】有機極性溶媒はプロトン性極性溶媒のグリ
コール類を主として組み合わせた溶媒が一般的である
が、非プロトン性極性溶媒も用いることができる。プロ
トン性の有機極性溶媒としては、一価アルコール類(エ
タノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、
ヘキサノール、シクロブタノール、シクロペンタノー
ル、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多
価アルコール類およびオキシアルコール化合物類(エチ
レングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、
メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メトキシプロピ
レングリコール、ジメトキシプロパノール等)などが挙
げられる。非プロトン性の有機極性溶媒としては、アミ
ド系(N−メチルホルムアミド、N,N─ジメチルホル
ムアミド、N─エチルホルムアミド、N,N─ジエチル
ホルムアミド、N─メチルアセトアミド、N,N─ジメ
チルアセトアミド、N─エチルアセトアミド、N,N−
ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミ
ド等)、ラクトン類、環状アミド系(γ─ブチロラクト
ン、N─メチル─2─ピロリドン、エチレンカルボネイ
ト、プロピレン─カルボネート、イソブチレンカルボネ
ート、イソブチレンカルボネート等)、ニトリル系(ア
セトニトリル等)、オキシド系(ジメチルスルホキシド
等)などが代表として挙げられる。
【0027】さらに、本発明の電解コンデンサ用電解液
に、ほう酸、マンニット、ノニオン性界面活性剤、コロ
イダルシリカ等を添加することによって、その効果の向
上をはかることができる。
【0028】また、漏れ電流の低減や水素ガス吸収等の
目的で種々の添加剤を添加することができる。添加剤と
しては、例えば、芳香族ニトロ化合物、リン酸、亜リン
酸、ポリリン酸、酸性リン酸エステル化合物、等を挙げ
ることができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0030】(表1)ないし(表3)は、本発明例の各
実施例及び、比較例の電解コンデンサ用電解液の組成
と、火花電圧および電導度を示したものである。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】(表1)ないし、(表3)から明らかなよ
うに、(化4)の脂肪族飽和ジカルボン酸を溶解した、
実施例1〜3では比較例1,2に比べて、火花電圧が高
く維持され、かつ、電導度の高いものが得られている。
さらに、前記電解液に(化5)、(化6)の脂肪族飽和
ジカルボン酸を添加した、実施例4〜7では、より高い
火花電圧が得られている。また、(化4)ないし(化
6)のR1 が水素原子である、実施例2〜4、6、7で
は、R1 がメチル基である、実施例1、5に比べて、さ
らに高い電導度が得られている。
【0035】(表4)は、(表1)ないし(表3)で示
した電解コンデンサ用電解液を用いたアルミニウム電解
コンデンサをそれぞれ20個ずつ用意し、これらのアル
ミニウム電解コンデンサについて寿命試験を行った結果
を示したものである。ここで使用したアルミニウム電解
コンデンサの定格は、いずれも450WV180μFで
あり、450V印加した条件で、105℃、1000時
間、保存処理した。
【0036】
【表4】
【0037】(表4)から明らかなように、本発明の実
施例1〜7の電解液を使用したアルミニウム電解コンデ
ンサは、初期のtanδ、保存処理後の静電容量変化、
tanδ変化のいずれもが小さく、本発明の電解液を用
いたアルミニウム電解コンデンサは、初期のtanδが
小さく、寿命特性に優れた信頼性の高いアルミニウム電
解コンデンサである。
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明の電解コンデンサ用
電解液は、有機極性溶媒を主体とする溶媒中に、(化
4)で示され、R1 は炭素数1〜4のアルキル基または
水素原子であり、R2 、R3 の一方がメチル基で、他方
が水素原子である、総炭素数13〜17の脂肪族飽和ジ
カルボン酸化合物またはその塩を溶質として溶解したも
のである。
【0039】この脂肪族飽和ジカルボン酸は(化4)に
示す位置に側鎖としてアルキル基を有している。そのこ
とによって、溶解性が向上するので、濃度を高めること
によって高電導性が得ることができ、さらにその際に火
花電圧が低下することがない。したがって、火花電圧お
よび電導度を高く維持することができる。
【0040】さらに、前記電解液に、(化5)で示さ
れ、R1 は炭素数1〜4のアルキル基または水素原子で
あり、R2 、R3 の一方がメチル基で、他方が水素原子
である、総炭素数18〜22の脂肪族飽和ジカルボン
酸、および/または、(化6)で示され、R1 は炭素数
1〜4のアルキル基または水素原子であり、R2 、R3
の一方がメチル基で、他方が水素原子である、総炭素数
23〜27の脂肪族飽和ジカルボン酸を添加した場合
は、(化5)、(化6)の脂肪族飽和ジカルボン酸の総
炭素数が(化4)より大きいので、より高い火花電圧を
得ることができる。
【0041】また、(化4)ないし、(化6)で示され
る脂肪族飽和ジカルボン酸において、R1 が水素原子の
場合は、より高い電導度が得られる。
【0042】さらに、(化4)ないし(化6)に示す脂
肪族飽和ジカルボン酸の、カルボキシル基に結合してい
る炭素原子の一方にメチル基を有しているので、立体障
害によってカルボキシル基の反応性が低減し、そのこの
ことによって、エチレングリコール等の水酸基を有する
溶媒を用いた場合にも、カルボキシル基と水酸基による
エステル化反応がおこりにくくなり、電導度の低下が抑
制され、高温での安定性が得られる。
【0043】したがって、本発明の電解液を用いること
によって、tanδが低く、信頼性の高い中高圧用電解
コンデンサを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 正夫 東京都新宿区西新宿4丁目1番地の10 日 本アドテック株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機極性溶媒を主体とする溶媒中に、一般
    式: 【化1】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基または水素原
    子であり、R2 、R3 の一方がメチル基で、他方が水素
    原子である。)で示される総炭素数13〜17の脂肪族
    飽和ジカルボン酸化合物またはその塩を溶解した電解コ
    ンデンサ用電解液。
  2. 【請求項2】請求項1記載の電解コンデンサ用電解液
    に、一般式: 【化2】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基または水素原
    子であり、R2 、R3 の一方がメチル基で、他方が水素
    原子である。)で示される総炭素数18〜22の脂肪族
    飽和ジカルボン酸化合物またはその塩、および/また
    は、一般式: 【化3】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基または水素原
    子であり、R2 、R3 の一方がメチル基で、他方が水素
    原子である。)で示される総炭素数23〜27の脂肪族
    飽和ジカルボン酸化合物またはその塩を添加した、電解
    コンデンサ用電解液。
  3. 【請求項3】(化1)ないし(化3)の、R1 が水素原
    子である、請求項1または請求項2記載の電解コンデン
    サ用電解液。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1005053A3 (en) * 1998-11-26 2004-01-07 Okamura Oil Mills, Ltd. Composition comprising long chain dibasic acids and electrolytic solution using thereof

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EP1005053A3 (en) * 1998-11-26 2004-01-07 Okamura Oil Mills, Ltd. Composition comprising long chain dibasic acids and electrolytic solution using thereof

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