JPH10125561A - 電解コンデンサ用電解液 - Google Patents

電解コンデンサ用電解液

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JPH10125561A
JPH10125561A JP29564396A JP29564396A JPH10125561A JP H10125561 A JPH10125561 A JP H10125561A JP 29564396 A JP29564396 A JP 29564396A JP 29564396 A JP29564396 A JP 29564396A JP H10125561 A JPH10125561 A JP H10125561A
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JP
Japan
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solvent
dicarboxylic acid
salt
electrolytic capacitor
electrolytic solution
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Pending
Application number
JP29564396A
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English (en)
Inventor
Takahito Ito
隆人 伊藤
Makoto Shimizu
誠 清水
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Nippon Chemi Con Corp
Original Assignee
Nippon Chemi Con Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 火花電圧および電導度が高く、かつ高温での
安定性のある中高圧用の電解液を提供する。 【解決手段】 有機極性溶媒を主体とする溶媒中に、
(化1)で示される総炭素数13〜24の脂肪族飽和ジ
カルボン酸化合物またはその塩を溶解した電解コンデン
サ用電解液。 【化1】 (式中、n=4〜8であり、R1 、R2 、R3 、R4
メチル基、エチル基、または水素原子であり、少なくと
も一つはメチル基またはエチル基である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解コンデンサ用
電解液に関し、更に詳しくは中高圧用の電解液に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】電解コンデンサ用電解液は、アルミニウ
ムまたはタンタルなどの表面に絶縁性の酸化皮膜が形成
された弁金属を陽極電極に使用し、前記酸化皮膜層を誘
電体とし、この酸化皮膜層の表面に電解質層となる電解
液を接触させ、さらに通常陰極と称する集電用の電極を
配置して構成されている。
【0003】電解コンデンサ用電解液は、上述のように
誘電体層に直接に接触し、真の陰極として作用する。即
ち、電解液は電解コンデンサの誘電体と集電陰極との間
に介在して、電解液の抵抗分が電解コンデンサに直列に
挿入されていることになる。故に、その電解液の特性が
電解コンデンサ特性を左右する大きな要因となる。
【0004】電解コンデンサの従来技術においては、中
高圧用の電解液として、火花電圧が比較的高く得られる
ことから、エチレングリコールからなる溶媒にほう酸ま
たはほう酸アンモニウムを溶質として溶解した電解液が
用いられていた。しかしながら、このような電解液にお
いては、電導率が低く、さらにエチレングリコールとほ
う酸のエステル化により多量の水が生成するため、10
0℃以上では水の蒸発によって内圧が上昇し、また電極
であるアルミニウムと反応しやすくなるという問題も発
生し、高温での使用に適さなかった。
【0005】このような欠点を解決するために、セバシ
ン酸、やアゼライン酸等の有機ジカルボン酸が用いられ
ることもあるが、これらは溶解性が低いため、低温にお
いて結晶が析出しやすくコンデンサの低温特性を劣化さ
せるという欠点を免れ得なかった。さらに、特公昭60
−13296号公報に示されているようにブチルオクタ
ン二酸を溶質として用いる例や特公昭63−15738
号公報に示されているように5,6−デカンジカルボン
酸を溶質として用いた例がある。これらの二塩基酸ある
いはその塩を用いた電解液では、火花電圧および電導度
が高く、しかもエステル化が非常に遅く水の生成が少な
いので高温での安定性を得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
中高圧用電解コンデンサが使用されるインバーターの動
作速度の高周波化などが進み、さらに火花電圧および電
導度が高く、かつ高温での安定性のある、信頼性の高い
電解液が求められている。本発明は、分子数の大きい脂
肪族飽和ジカルボン酸を用いれば火花電圧が高くなるこ
とに着目し、特定の脂肪族飽和ジカルボン酸を電解質に
用いれば、火花電圧および電導度が高く、かつ高温で安
定な電解液が得られるということを見出したもので、火
花電圧および電導度が高く、かつ高温での安定性のある
中高圧用の電解液を提供することをその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の電解コンデンサ用電解液は、有機極性溶媒を
主体とする溶媒中に、一般式:
【化2】 (式中、n=4〜8であり、R1 、R2 、R3 、R4
メチル基、エチル基、または水素原子であり、少なくと
も一つはメチル基またはエチル基である。)で示される
総炭素数13〜24の脂肪族飽和ジカルボン酸化合物ま
たはその塩を溶解することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の、脂肪族飽和ジカルボン
酸の例としては、2,11─ジメチル─1,12─ドデ
カンジカルボン酸、2─エチル─10─メチル─1,1
1─ウンデカンジカルボン酸、2,9─ジエチル─1,
10─デカンジカルボン酸、2,12─ジメチル─1,
13─トリデカンジカルボン酸、2─エチル─11──
メチル─1,12─ドデカンジカルボン酸、2,10─
ジエチル─1,11─ウンデカンジカルボン酸、2,1
3─ジメチル─1,14─テトラデンカジカルボン酸、
2─エチル─12─メチル─1,13─トリデカンジカ
ルボン酸、2,11─ジエチル─1,12─トリデカン
ジカルボン酸、2,9─ジエチル─1,10─デカンジ
カルボン酸、3,8─ジエチル─1,10─デカンジカ
ルボン酸、2,3,12,13─テトラエチル─1,1
4─テトラデカンジカルボン酸、2─メチル─1,10
─デカンジカルボン酸、2,3,8,9─テトラメチル
─1,10─デカンジカルボン酸、2,3,12,13
─テトラメチル─1,14─テトラデカンジカルボン酸
等が挙げられる。
【0009】一般に、電解コンデンサの電解液に用いら
れる有機カルボン酸の総炭素数が大きくなると、一定の
濃度に対しては火花電圧は大きくなるが、それにともな
って電導度は小さくなる。さらに、溶解性も小さくなる
ので、濃度を高めて電導度を高めるということができな
くなる。しかしながら、本願発明の(化2)で示される
脂肪族飽和ジカルボン酸は、(化2)に示す位置に側鎖
としてメチル基またはエチル基を有している。そのこと
によって、溶解性が向上するので、濃度を高めることに
よって高電導性が得ることができ、さらにその際に火花
電圧が低下することがない。また、濃度を高めることに
よって耐塩素性も向上する。本発明の脂肪族飽和ジカル
ボン酸の総炭素数は13〜24、好ましくは13〜16
である。本発明の脂肪族飽和ジカルボン酸においても、
総炭素数が24を越えると濃度を高めても高電導度が得
られない。また、総炭素数が13より小さいと高い火花
電圧が得られない。火花電圧、電導度のバランスを考え
ると、総炭素数は13〜16のものが好ましい。
【0010】本発明の脂肪族飽和ジカルボン酸塩として
は、脂肪族飽和ジカルボン酸のアンモニウム塩、アミン
塩、4級アンモニウム塩および環状アミジン化合物の四
級塩が挙げられる。アミン塩を構成するアミンとしては
1級アミン(メチルアミン、エチルアミン、プロピルア
ミン、ブチルアミン、エチレンジアミン等)、2級アミ
ン(ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミ
ン、メチルエチルアミン、ジフェニルアミン等)、3級
アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプ
ロピルアミン、トリフェニルアミン、1,8─ジアザビ
シクロ(5,4,0)─ウンデセン─7等)が挙げられ
る。第4級アンモニウム塩を構成する第4級アンモニウ
ムとしてはテトラアルキルアンモニウム(テトラメチル
アンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロ
ピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、メチル
トリエチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウ
ム等)、ピリジウム(1─メチルピリジウム、1─エチ
ルピリジウム、1,3─ジエチルピリジウム等)が挙げ
られる。また、環状アミジン化合物の四級塩を構成する
カチオンとしては、以下の化合物を四級化したカチオン
が挙げられる。すなわち、イミダゾール単環化合物(1
─メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾー
ル、1,4─ジメチル─2─エチルイミダゾール、1─
フェニルイミダゾール等のイミダゾール同族体、1−メ
チル−2−オキシメチルイミダゾール、1−メチル−2
−オキシエチルイミダゾール等のオキシアルキル誘導
体、1−メチル−4(5)−ニトロイミダゾール、1,
2−ジメチル−4(5)−ニトロイミダゾール等のニト
ロおよびアミノ誘導体)、ベンゾイミダゾール(1−メ
チルベンゾイミダゾール、1−メチル−2−ベンジルベ
ンゾイミダゾール等)、2−イミダゾリン環を有する化
合物(1─メチルイミダゾリン、1,2−ジメチルイミ
ダゾリン、1,2,4−トリメチルイミダゾリン、1,
4−ジメチル−2−エチルイミダゾリン、1−メチル−
2−フェニルイミダゾリン等)、テトラヒドロピリミジ
ン環を有する化合物(1−メチル−1,4,5,6−テ
トラヒドロピリミジン、1,2−ジメチル−1,4,
5,6−テトラヒドロピリミジン、1,8−ジアザビシ
クロ〔5.4.0〕ウンデセン−7、1,5−ジアザビ
シクロ〔4.3.0〕ノネン等)等である。これらのう
ちで好ましいものはアンモニウム塩である。
【0011】有機極性溶媒はプロトン性極性溶媒のグリ
コール類を主として組み合わせた溶媒が一般的である
が、非プロトン性極性溶媒も用いることができる。プロ
トン性の有機極性溶媒としては、一価アルコール類(エ
タノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、
ヘキサノール、シクロブタノール、シクロペンタノー
ル、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多
価アルコール類およびオキシアルコール化合物類(エチ
レングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、
メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メトキシプロピ
レングリコール、ジメトキシプロパノール等)などが挙
げられる。非プロトン性の有機極性溶媒としては、アミ
ド系(N−メチルホルムアミド、N,N─ジメチルホル
ムアミド、N─エチルホルムアミド、N,N─ジエチル
ホルムアミド、N─メチルアセトアミド、N,N─ジメ
チルアセトアミド、N─エチルアセトアミド、N,N−
ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミ
ド等)、ラクトン類、環状アミド系(γ─ブチロラクト
ン、N─メチル─2─ピロリドン、エチレンカルボネイ
ト、プロピレン─カルボネート、イソブチレンカルボネ
ート、イソブチレンカルボネート等)、ニトリル系(ア
セトニトリル等)、オキシド系(ジメチルスルホキシド
等)などが代表として挙げられる。
【0012】本発明の電解コンデンサ用電解コンデンサ
における(化1)で示される脂肪族飽和ジカルボン酸の
含有量は、電解液の重量に基づいて通常0.1〜30重
量%、好ましくは3〜20%である。
【0013】さらに、本発明の電解コンデンサ用電解液
に、ほう酸、マンニット、ノニオン性界面活性剤、コロ
イダルシリカ等を添加することによって、その効果の向
上をはかることができる。
【0014】また、漏れ電流の低減や水素ガス吸収等の
目的で種々の添加剤を添加することができる。添加剤と
しては、例えば、芳香族ニトロ化合物、酸性リン酸エス
テル化合物、等を挙げることができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0016】(表1)は、本発明例の各実施例の電解コ
ンデンサ用電解液の組成と、火花電圧および電導度を、
(表2)は比較例の電解コンデンサ用電解液の組成と、
火花電圧および電導度を示したものである。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】(表1)、(表2)から明らかなように、
実施例1〜5では比較例1〜4に比べて、火花電圧が高
く維持され、かつ、電導度の高いものが得られている。
(表3)は、(表1)、(表2)で示した電解コンデン
サ用電解液を用いたアルミニウム電解コンデンサをそれ
ぞれ20個ずつ用意し、これらのアルミニウム電解コン
デンサについて寿命試験を行った結果を示したものであ
る。ここで使用したアルミニウム電解コンデンサの定格
は、いずれも450WV180μFであり、450V印
加した条件で、105℃、1000時間、保存処理し
た。
【0020】
【表3】
【0021】(表3)から明らかなように、本発明の実
施例1〜5の電解液を使用したアルミニウム電解コンデ
ンサは静電容量変化、tanδ変化のいずれもが小さ
く、寿命特性に優れた信頼性の高いアルミニウム電解コ
ンデンサである。
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明の電解コンデンサ用
電解液は、有機極性溶媒を主体とする溶媒中に、(化
2)で示される総炭素数13〜24の脂肪族飽和ジカル
ボン酸化合物またはその塩を溶質として溶解したもの
で、この脂肪族飽和ジカルボン酸は(化2)に示す位置
に側鎖としてメチル基またはエチル基を有している。そ
のことによって、溶解性が向上するので、濃度を高める
ことによって高電導性が得ることができ、さらにその際
に火花電圧が低下することがない。したがって、火花電
圧および電導度を高く維持することができる。また、高
温での安定性も良好であり、この電解液を用いることに
よって、信頼性の高い中高圧用電解コンデンサを得るこ
とができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機極性溶媒を主体とする溶媒中に、一般
    式: 【化1】 (式中、n=4〜8であり、R1 、R2 、R3 、R4
    メチル基、エチル基、または水素原子であり、少なくと
    も一つはメチル基またはエチル基である。)で示される
    総炭素数13〜24の脂肪族飽和ジカルボン酸化合物ま
    たはその塩を溶解した電解コンデンサ用電解液。
JP29564396A 1996-10-17 1996-10-17 電解コンデンサ用電解液 Pending JPH10125561A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012009653A (ja) * 2010-06-25 2012-01-12 Mie Univ 電解コンデンサの駆動用電解液及びそれを用いた電解コンデンサ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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