JPH11315501A - パンドロールの固定治具及び固定方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】パンドロールのセット時間及び脱型時間を大幅
に短縮することができ、なおかつ精度的に満足できるパ
ンドロール固定治具を提供することである。 【解決手段】枕木の型枠にセットされるパンドロールの
側壁に嵌合すると共に、変位を受けると復元力が働くＲ
曲げを具備するパンドロールの固定治具により解決す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート製枕
木を生成する型枠におけるパンドロールの固定治具の技
術分野に属する。

【０００２】

【従来の技術】パンドロールはコンクリート製枕木に部
分的に埋め込まれる鋼材として知られているが、枕木製
品にレールを固定するための支持部材として用いられる
ものである。図５は、従来技術の説明図であり、（ａ）
は型枠にセットされたパンドロールについて説明する断
面図であり、（ｂ）はそのパンドロールの固定方法の詳
細を説明する図である。図５（ａ）において、パンドロ
ール６０の脚部６１は筐体５３に載置された型枠５０の
底面５２より頭を出し、型枠５０の上縁５１まで注がれ
るコンクリートに埋め込まれる。パンドロール６０の頭
部６２は生成される枕木の上面から突出する部分であ
り、型枠５０にセットする場合には（ｂ）に示すように
軸５４を中心に回動するレバー５５をパンドロール６０
の溝６３に当てると共に、このレバー５５をピン５６で
固定する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】枕木におけるパンドロ
ールの水平垂直寄りの寸法精度は極めて重要であり、上
記のように従来はその精度を確保するために二重三重の
治具を使ってパンドロールのセットに多くの時間を費や
している。また、従来技術では硬化したコンクリート製
品を型枠から脱型するときにも治具を外す作業を行って
いる。このようにパンドロール固定位置の精度にとらわ
れていると作業負担になるが、作業時間を短縮しようと
すれば精度的におろそかになる不都合が生じる。本発明
の課題は、パンドロールのセット時間及び脱型時間を大
幅に短縮することができ、なおかつ精度的に満足できる
パンドロール固定治具を提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、上述の
課題は前記特許請求の範囲に記載した手段にて達成され
る。即ち、枕木の型枠にセットされるパンドロールの側
壁に嵌合すると共に、変位を受けると復元力が働くＲ曲
げを具備するパンドロールの固定治具、及び前記Ｒ曲げ
にかかる弾性力を調節する手段を有するもの、並びに枕
木に部分的に埋め込まれるパンドロールを型枠の所定の
場所に位置させる方法であって、パンドロールの側方よ
りバネの弾性力を加えると共に、パンドロールの側壁に
嵌合する部材によりパンドロールの垂直方向のずれを防
止するパンドロールの固定方法、などを含む。

【０００５】

【発明の実施の形態】図１は、本発明による金属製板バ
ネの斜視図であり、左右にＲ曲げ１１，１２を形成し、
底面にむくり１３を設けたものである。このような板バ
ネが最も簡素な構造を有する固定治具の一つであると考
えられる。図中、板バネ１０の左右のＲ曲げ１１，１２
は押力を受けて左右方向に開閉すると共に、パンドロー
ル２０の左右の溝に嵌合するように形成されている。ま
た、固定されるパンドロールの傾きを適切に保てるよう
にＲ曲げ１１，１２は図に対して奥方向のＡ方向が高く
なるように傾斜している。この板バネ１０の型枠３０へ
の取り付けは、図４にも示されているように型枠３０底
面に凹の字状に空けた窓３１の下にボルト３２止めで行
うことができる。ボルト３２止めは、板バネ１０底面中
央のボルト穴１４一カ所のみを締めればよい。ボルト３
２を普通に締めると左右のＲ曲げ１１，１２の距離は一
定であるけれども、板バネ１０にはむくり１３が設けら
れているためにボルト３２をきつく締めると左右のＲ曲
げ１１，１２の距離が縮まってＲ曲げ１１，１２にかか
る弾性力が増す。

【０００６】図２は、パンドロールをセットする方法を
説明する正面断面図であり、板バネ１０との接点１５に
位置するセッティング前のパンドロール２０を点線で、
型枠３０にセットされた状態にあるパンドロール２０を
斜線で塗り潰して示している。また、点線で示される位
置にあるパンドロール２０を下向きに押すと板バネ１０
は左右に押し広げられるが、左右に広がった状態にある
板バネ１０は点線で示している。図示するように、本発
明ではパンドロール２０を下向きに押し込むだけでセッ
ティング作業が終了するので、パンドロール２０のセッ
ティングに要する作業時間は従来技術に比べると比較に
ならないほど短縮する。また、脱型は硬化したコンクリ
ートを持ち上げればパンドロール２０が板バネ１０のＲ
曲げ１１，１２を押し広げて外れるので固定したパンド
ロール２０を固定治具から開放する作業は要らなくな
る。

【０００７】図３は、型枠にセットされた状態にあるパ
ンドロールの側方断面説明図である。図示するように、
パンドロール２０の溝２１にはまった板バネ１０のＲ曲
げ１１はＡ方向が高くなるように傾斜しており、溝２１
とＲ曲げ１１との固定ライン１６もＡ方向が高くなるよ
うに傾斜していて、パンドロール２０の位置精度を的確
に保っている。なお、繰り返し使用していると板バネ１
０は所望の精度を保てなくなるおそれがあるが、その場
合には型枠３０を交換する必要はなく板バネ１０のみを
新しいものに交換すればよい。ここでの交換作業も一本
のボルト３２を外すことによって行えるので極めて容易
である。

【０００８】図４は、板バネが取り付けられた型枠の全
体説明図である。図示するように型枠３０底面にはパン
ドロール２０をセットするための凹字状の窓３１が四カ
所設けられていて、その窓３１の下側に板バネ１０がボ
ルト３２一本で取り付けられている。精度的な事情によ
り、パンドロール２０はＡ方向に押し当てながら窓３１
に挿入する。パンドロールがＡ方向にある壁面にしっか
りと押し当てられるように、型枠３０底面の凹字状の窓
３１に向き合う凸字状底板の断片部分をＡ方向に下向き
に傾斜させている。

【０００９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
バネの弾性力を利用してパンドロールを枕木の型枠に固
定するので、パンドロールのセッティング作業における
型枠底面下方側からの作業が一切不要になり作業時間が
大幅に短縮されると共に、型枠の部品点数が減って型枠
構造が非常に簡素化される。その一方で、Ｒ曲げによる
位置決め及びむくりによる調節が効くので必要な精度、
パンドロールの浮き上がり防止効果及びずれ防止効果を
得ることができる。さらに、老朽化した固定治具は容易
に交換することもできるので、長期的にも安心して使用
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】板バネの斜視図である。

【図２】パンドロール及び板バネの正面断面図である。

【図３】パンドロール及び板バネの側面断面図である。

【図４】型枠の斜視図である。

【図５】従来技術の説明図である。

【符号の説明】

１０ 板バネ， １１，１２ Ｒ曲げ， １３ むく
り， １４ ボルト穴，１５ 接点， １６ 固定ライ
ン， ２０，６０ パンドロール， ２１，６３ 溝，
３０，５０ 型枠， ３１ 窓， ３２ ボルト，
５１ 上縁，５２ 底面， ５３ 筐体， ５４ 軸，
５５ レバー， ５６ ピン， ６１ 脚部， ６２
頭部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】枕木の型枠にセットされるパンドロールの
   側壁に嵌合すると共に、変位を受けると復元力が働くＲ
   曲げを具備するパンドロールの固定治具。
2. 【請求項２】前記Ｒ曲げにかかる弾性力を調節する手段
   を有する請求項１記載のパンドロールの固定治具。
3. 【請求項３】枕木に部分的に埋め込まれるパンドロール
   を型枠の所定の場所に位置させる方法であって、パンド
   ロールの側方よりバネの弾性力を加えると共に、パンド
   ロールの側壁に嵌合する部材によりパンドロールの垂直
   方向のずれを防止するパンドロールの固定方法。