JPH11315125A - ポリマー、無機材料用表面改質剤、無機材料改質物及び塗料組成物 - Google Patents

ポリマー、無機材料用表面改質剤、無機材料改質物及び塗料組成物

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JPH11315125A
JPH11315125A JP12328098A JP12328098A JPH11315125A JP H11315125 A JPH11315125 A JP H11315125A JP 12328098 A JP12328098 A JP 12328098A JP 12328098 A JP12328098 A JP 12328098A JP H11315125 A JPH11315125 A JP H11315125A
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JP
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inorganic material
polymer
group
resin
main chain
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JP12328098A
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English (en)
Inventor
Masatoshi Ohata
正敏 大畑
Toru Nakatsuka
徹 中塚
Nariyuki Sasaki
成幸 佐々木
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 無機材料を経済的に省プロセスで有機分散媒
への分散性を向上させる処理を行うことができ、かつ、
工業的に安価に製造することができるポリマー及び無機
材料用表面改質剤、該無機材料用表面改質剤により処理
された無機材料改質物、並びに、該無機材料改質物を用
い、沈降安定性、塗膜外観に優れ、塗膜の色相変動を抑
制することができる塗料組成物を提供する。 【解決手段】 主鎖が少なくともα,β−エチレン性不
飽和化合物の重合体からなり、かつ、主鎖の片末端に下
記一般式(1)で表される基を有してなるポリマー。 式中、Rは、シアノ基、水素又は炭素数1〜3のアル
キル基を表す。Rは、炭素数1〜3のアルキル基を表
す。R、Rは、同一又は異なって、炭素数1〜5の
2価の炭化水素基を表す。R、Rは、同一又は異な
って、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を
表す。nは、1,2又は3を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機材料の表面改
質に用いることができるポリマー、無機材料用表面改質
剤、無機材料改質物及び塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】無機材料は、樹脂成分に光輝性や磁性等
を付与するために使用されている。とりわけ、メタリッ
ク塗料の分野においては、無機材料による光輝性、つや
感等が非常に重要であるため、この無機材料は欠かせな
い材料の一つである。
【0003】しかしながら、無機材料は、樹脂成分にそ
のまま添加すると、比重等の関係から、樹脂中に分散せ
ずに沈降したり、塗膜表面の光輝材料の配向が悪くな
り、表面平滑性を失うことに伴う外観不良(以下、「チ
カ感」ともいう)になったりする問題がある。また、無
機材料を含む塗料をスプレー塗装する場合には、エア圧
やスプレーガンから被塗物までの距離によってメタリッ
クベースの色相変動が起こるため、大型で複雑な形状の
被塗物への塗装では、色相のムラが生じるおそれがあ
る。
【0004】無機材料を樹脂等の有機分散媒中に均一に
分散させるためには、無機材料間に働く結合力を弱める
か、又は、無機材料と塗料等の有機分散媒との親和性を
向上させる必要がある。そこで、無機材料の表面に分散
媒と親和性のよい樹脂をグラフトさせることが行われて
いる。
【0005】一般に、無機材料の分散性の改良を目的と
して樹脂で無機材料を処理する場合、無機材料と反応す
る部分がランダムに存在する樹脂よりも、分子鎖の末端
に選択的に存在する樹脂のほうが好ましいことが知られ
ている。これは、無機材料に吸着又は反応した樹脂の高
分子鎖が分散媒中に有効に広がることに起因している。
【0006】特公平6−19080号公報には、塗膜の
耐水性や表面の光輝性、つや等の塗膜外観を向上させた
メタリック塗料組成物が開示されている。しかしなが
ら、この技術では、近年の塗膜外観に対する要求に伴っ
て、溶剤型メタリック塗料、水性メタリック塗料におけ
る沈降防止性、塗膜外観、及び、塗装条件の変化に起因
する塗膜の色相変動の抑制等の諸性能が不充分となって
いる。
【0007】米国特許第5288826号明細書には、
末端に数個のアルコキシシリル基を有する樹脂が開示さ
れている。しかしながら、この樹脂は、リビングアニオ
ン重合法で合成されており、高価であるため、メタリッ
ク塗料組成物に用いるには経済的に不利である。
【0008】特開平2−197102号公報及びポリマ
ー・ジャーナル(Polym.J.)22巻、827
頁、1990年には、無機材料の表面にグリシジル基を
有するシランカップリング剤を反応させ、更にアゾビス
シアノバレリックアシッド等の重合開始剤を反応させた
後、モノマーを重合させることにより無機顔料表面に樹
脂をグラフトする方法が開示されている。しかしなが
ら、これらの方法は、工程が複雑であり、工業的には不
向きである。
【0009】特開平4−112893号公報には、アル
コキシシリル基を有するアゾ化合物を用いてモノマーを
重合させることにより、末端にアルコキシシリル基を有
する樹脂を製造する方法が開示されている。この技術で
は、使用する重合開始剤の合成が複雑であり、その結果
として重合開始剤が高価になるため、メタリック塗料へ
の利用は経済的に不利である。
【0010】特開平5−295052号公報には、無機
微粒子の表面に導入されたペルオキシ基又はアゾ基を含
む重合開始剤として、ペルオキシカーボネート基を有す
るビニルモノマーを重合して得られるビニルポリマーを
無機微粒子の表面にグラフト重合した後、該グラフトさ
れたビニルポリマーのペルオキシカーボネート基を重合
開始剤としてビニルモノマーをラジカル重合してなるグ
ラフト化ビニルポリマーの製造方法が開示されている。
この技術では、無機材料と樹脂とのグラフト効率は向上
するが、工程が複雑であり、製造コストが高くなる問題
がある。
【0011】特開平8−104711号公報には、分子
内にエポキシ基を有するアルコキシシラン類とエポキシ
基と反応する官能基を有するアゾ系ラジカル開始剤とを
反応させて得られるアルコキシシリル基末端アゾラジカ
ル開始剤を用いて、ビニル基含有単量体をラジカル重合
し、ゾルゲル法により加水分解、縮重合してけい素系ハ
イブリッド材料を製造する方法が開示されている。この
技術では、アルコキシシリル基末端アゾラジカル開始剤
が分子鎖の両末端に存在しているので、無機材料と反応
して凝集しやすい。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、無機材料を経済的に省プロセスで有機分散媒への分
散性を向上させる処理を行うことができ、かつ、工業的
に安価に製造することができるポリマー及び無機材料用
表面改質剤、該無機材料用表面改質剤により処理された
無機材料改質物、並びに、該無機材料改質物を用い、沈
降安定性、塗膜外観に優れ、塗膜の色相変動を抑制する
ことができる塗料組成物を提供することを目的とするも
のである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、主鎖が少なく
ともα,β−エチレン性不飽和化合物の重合体からな
り、かつ、主鎖の片末端に下記一般式(1)で表される
基を有してなるポリマーである。
【0014】
【化2】
【0015】式中、R1 は、シアノ基、水素又は炭素数
1〜3のアルキル基を表す。R2 は、炭素数1〜3のア
ルキル基を表す。R3 、R4 は、同一又は異なって、炭
素数1〜5の2価の炭化水素基を表す。
【0016】R5 、R6 は、同一又は異なって、炭素数
1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す。nは、
1、2又は3を表す。
【0017】また、本発明は、上記本発明のポリマーを
含んでなる無機材料用表面改質剤である。更に、本発明
は、無機材料を、上記本発明の無機材料用表面改質剤に
より改質してなる無機材料改質物である。また、本発明
は、上記本発明の無機材料改質物を含んでなる塗料組成
物である。更に、本発明は、表面に、上記本発明の塗料
組成物が塗装された基材である。以下に本発明を詳述す
る。
【0018】本発明のポリマーは、主鎖が少なくとも
α,β−エチレン性不飽和化合物の重合体からなる。本
明細書中、「主鎖が少なくともα,β−エチレン性不飽
和化合物の重合体からなる」とは、主鎖を構成する主成
分がα,β−エチレン性不飽和化合物の重合体であるこ
とを意味する。
【0019】上記α,β−エチレン性不飽和化合物は、
一般的に、下記一般式(2); CH2 =CXR (2) (式中、Xは、置換されているか又は置換されていない
フェニル基、炭素数2〜4のアルケニル基又は−COO
Qを表す。Qは、炭素数1〜7のアルキル基を表す。R
は、水素原子又はメチル基を表す。)で表される化合物
である。具体的には、例えば、スチレン、p−メチルス
チレン、t−ブチルスチレン等のスチレン誘導体;メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メ
タ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、
イソブチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボロニル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリ
レート、FM−1、(メタ)アクリロニトリル等の(メ
タ)アクリル酸エステル類;ブタジエン、イソプレン等
のジエン誘導体等を挙げることができる。これらは単独
で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0020】上記α,β−エチレン性不飽和化合物とし
ては、塗料の基体樹脂等との相溶性を良好にするため
に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するものを使用
することが好ましい。
【0021】また、得られるポリマーのうち、以下に詳
述する構造を複数個有するものが存在すると、無機材料
間の橋かけを起こす可能性があるので、上記α,β−エ
チレン性不飽和化合物としては、再結合停止反応を起こ
しやすいスチレン誘導体の使用を避けることが好まし
い。
【0022】本発明のポリマーは、主鎖の片末端に上記
一般式(1)で表される基を有してなる。
【0023】上記R1 は、シアノ基、水素又は炭素数1
〜3のアルキル基を表す。上記炭素数1〜3のアルキル
基としては特に限定されず、例えば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基等を挙げることができる。
【0024】上記R2 は、炭素数1〜3のアルキル基を
表す。上記炭素数1〜3のアルキル基としては特に限定
されず、上述したもの等を挙げることができる。
【0025】上記R3 、上記R4 は、同一又は異なっ
て、炭素数1〜5の2価の炭化水素基を表す。上記炭素
数1〜5の2価の炭化水素基としては特に限定されず、
例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テ
トラメチレン基、プロピレン基等を挙げることができ
る。
【0026】上記R5 、上記R6 は、同一又は異なっ
て、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表
す。上記炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基
としては特に限定されず、例えば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
t−ブチル基、sec−ブチル基等を挙げることができ
る。
【0027】本発明のポリマーは、上記一般式(1)で
表される基によって、無機材料表面にグラフトすること
ができる。本発明のポリマーは、上記一般式(1)で表
される基を、主鎖の片末端のみに有している。上記一般
式(1)で表される基がポリマーの主鎖の両末端に存在
したり、主鎖にランダムに存在したりすると、無機材料
と反応させた場合、無機材料間の橋かけを起こし、無機
材料を核として凝集する可能性があるため、無機材料の
表面改質を充分に行うことができない。
【0028】上記一般式(1)で表される基は、例え
ば、以下の方法等により主鎖の片末端に導入することが
できる。まず、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤を
用いて上記α,β−エチレン性不飽和化合物を重合さ
せ、主鎖の末端に上記カルボキシル基を有するアゾ系開
始剤に由来する構造を導入した後、上記カルボキシル基
を有するアゾ系開始剤に由来するカルボキシル基にエポ
キシ基及びアルコキシシリル基を有する化合物を反応さ
せることにより導入する。本方法によれば、2段階の反
応で効率的に上記一般式(1)で表される基をポリマー
の主鎖の片末端に導入することができる。
【0029】上記カルボキシル基を有するアゾ系開始剤
としては特に限定されず、例えば、アゾビスシアノバレ
リックアシッド、下記式で表される化合物等を挙げるこ
とができる。
【0030】
【化3】
【0031】上記カルボキシル基を有するアゾ系開始剤
の配合量は、合成しようとするポリマーの数平均分子量
により異なるが、上記α,β−エチレン性不飽和化合物
100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましく
は、0.5〜5重量部を用いることが一般的である。
【0032】上記α,β−エチレン性不飽和化合物の重
合は、溶媒中で行われる。上記溶媒としては特に限定さ
れず、例えば、キシレン、トルエン、エチルベンゼン等
の芳香族系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂
肪族系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、(ジ)
エチレングリコールジアルキル類、プロピレングリコー
ルジアルキル類等のエーテル系溶媒;ジメチルカーボネ
ート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、
プロピレンカーボネート等の炭酸エステル類;メタノー
ル、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、ブタノール、(ジ)エチレングリコー
ル、(ジ)エチレングリコールのモノアルキル類、プロ
ピレングリコール、プロピレングリコールのモノアルキ
ル類等のアルコール系溶媒;プロピレングリコールモノ
アルキルエーテルモノエステル類等のエステル系溶媒等
を挙げることができる。
【0033】上記重合は、40〜190℃、好ましく
は、60〜90℃で反応が行われることが好ましい。反
応時間は、適宜設定することができるが、4〜10時間
が好ましい。
【0034】上記エポキシ基及びアルコキシシリル基を
有する化合物としては特に限定されず、例えば、3−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシド
キシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプ
ロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を挙げ
ることができる。
【0035】上記エポキシ基及びアルコキシシリル基を
有する化合物としては、市販品を使用することもでき
る。上記市販品としては、例えば、KBE−403(信
越化学工業社製)等を挙げることができる。
【0036】上記カルボキシル基に上記エポキシ基及び
アルコキシシリル基を有する化合物を反応させる場合、
触媒を用いることが好ましい。上記触媒としては特に限
定されず、例えば、テトラブチルアンモニウムブロマイ
ド等のアルキルアンモニウム塩等を挙げることができ
る。
【0037】上記エポキシ基及びアルコキシシリル基を
有する化合物の配合量は、上記カルボキシル基を有する
アゾ系開始剤のカルボキシル基1当量に対して、1〜5
当量が好ましい。1当量未満であると、上記一般式
(1)で表される基に変換されるポリマーが少なく、5
当量を超えると、エポキシ基及びアルコキシシリル基を
有する化合物が未反応のまま残存する量が増加するの
で、コスト的に不利である。
【0038】上記カルボキシル基と上記エポキシ基及び
アルコキシシリル基を有する化合物との反応は、70〜
90℃、好ましくは、120〜170℃で行われること
が好ましい。反応時間は、適宜設定することができる
が、4〜15時間が好ましい。
【0039】上記反応は、アルコール性溶媒中で行うこ
とが好ましい。上記アルコール性溶媒として特に限定さ
れず、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピル
アルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、
(ジ)エチレングリコール、(ジ)エチレングリコール
のモノアルキル類、プロピレングリコール、プロピレン
グリコールのモノアルキル類等を挙げることができる。
【0040】上述のようにして得られる本発明のポリマ
ーは、数平均分子量が1000〜1000000が好ま
しい。1000未満であると、未反応モノマーや溶媒か
らポリマーを精製することが困難であり、100000
0を超えると、無機材料の表面改質の効果を充分に得る
ことができない。より好ましくは、6000〜1000
00である。
【0041】なお、上述の方法により本発明のポリマー
を製造した場合、上記一般式(1)で表される基を有し
ないポリマーが存在する可能性がある。しかし、上記
α,β−エチレン性不飽和化合物として、水酸基を有す
るものを使用した場合には、得られるポリマーが水酸基
を有しているので、塗料の基体樹脂と混合しても相溶性
が良好であり、形成される塗膜の物性に悪影響を及ぼす
ことがない。
【0042】本発明においては、上記本発明のポリマー
を使用して、無機材料用表面改質剤を調製することがで
きる。上記本発明のポリマーは、主鎖の片末端に上記一
般式(1)で表される基を有しているので、無機材料の
表面にグラフトしやすく、無機材料用表面改質剤の主成
分として好適である。具体的には、BET比表面積が2
00m2 /gのシリカの表面に、上記本発明のポリマー
が1.8mg/m2 程度グラフトすることができる。
【0043】本発明の無機材料用表面改質剤は、上記ポ
リマーに、必要に応じて、酸触媒又は塩基触媒を添加し
て、調製することができる。本発明の無機材料用表面改
質剤は、上記酸触媒、上記塩基触媒が添加されることに
よって、上記一般式(1)で表される基の末端部のアル
コキシル基を攻撃してシラノール基を生じさせ、無機材
料の表面に存在する水酸基や表面吸着水と反応すること
ができ、無機材料表面を表面改質剤で強固に被覆するこ
とができるので、より優れた表面改質効果を発揮するこ
とができる。
【0044】上記酸触媒としては特に限定されず、例え
ば、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、n−ブチル
りん酸等を挙げることができる。これらは単独で使用し
てもよく、2種以上を併用してもよい。
【0045】上記塩基触媒としては特に限定されず、例
えば、カリウムメトキシド、ナトリウムメトキシド等の
金属アルコキシド;水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等の金属水酸化物;水酸化テトラブ
チルアンモニウム等を挙げることができる。これらは単
独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0046】上記酸触媒又は上記塩基触媒の添加量は、
上記ポリマー100重量部に対して、0.01〜10重
量部が好ましい。0.01重量部未満であると、表面改
質効果を向上させる効果が小さく、10重量部を超える
と、塗膜強度や耐久性に悪影響を及ぼす。
【0047】本発明の無機材料用表面改質剤は、溶媒で
希釈されていてもよい。上記溶媒としては特に限定され
ず、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベ
ンゼン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジ
エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;シクロヘ
キサン等を挙げることができる。
【0048】本発明の無機材料用表面改質剤を適用する
ことができる無機材料としては特に限定されず、例え
ば、光輝材として用いられるマイカ系顔料、アルミフレ
ーク等を挙げることができる。なかでも、メタリック塗
料に広く用いられているマイカ系顔料が好ましい。
【0049】上記無機材料としては、これらのほか、チ
タニア、シリカ、アルミナ、ベンガラ、カーボンブラッ
ク、鉛丹、カドミウムイエロー、硫化亜鉛、リトボン、
硫酸バリウム、硫酸鉛、炭酸バリウム、鉛白等の塗料組
成物中で沈降しやすい無機顔料等を使用してもよい。
【0050】上記無機材料の粒径は、特に限定されるも
のではないが、0.001〜100μmであることが好
ましい。また、上記無機材料の形状としては、特に限定
されず、粒子状、偏平粒子状、板状、鱗片状、不定形で
あってもよい。更に、鉄、アルミニウム、ステンレス等
からなる鋼板等の鋼材も適用することができる。
【0051】本発明の無機材料用表面改質剤の使用量
は、無機材料の比表面積1m2 あたりに対して、0.0
01〜1.0gが好ましい。0.001g未満である
と、無機材料の表面改質効果が不充分であり、1.0g
を超えると、無機材料と反応することができない余剰の
表面改質剤が存在することになるので、コスト的に不利
である。より好ましくは、0.002〜0.1gであ
る。
【0052】本発明の無機材料用表面改質剤を用いて上
記無機材料の表面改質を行う方法としては特に限定され
ず、例えば、無機材料が粉体状である場合、溶媒に本発
明の無機材料用表面改質剤を溶解又は分散させ、これに
無機材料を混合して、ロールミル、コロイドミル、ボー
ルミル、サンドグラインダー、アトライター等の分散装
置を用いて分散操作を行い、必要に応じて、酸触媒又は
塩基触媒を添加する方法等を挙げることができる。ま
た、無機材料が偏平粒子状や板状のものである場合に
は、溶媒に溶解させた本発明の無機材料用表面改質剤中
に、無機材料を浸漬する方法等により、上記無機材料の
表面改質を行うことができる。
【0053】上記表面改質処理の処理条件としては特に
限定されず、使用される無機材料に応じて適宜設定する
ことができるが、例えば、処理温度30〜110℃、処
理時間1分〜24時間で行うことができる。
【0054】上記表面改質処理によって、本発明の無機
材料用表面改質剤に含まれるポリマーが上記無機材料表
面にグラフトするので、上記ポリマーと塗料等の有機分
散媒との相互作用により、有機分散媒中での分散性が向
上する。
【0055】本発明においては、上記表面改質処理の
後、例えば、乾燥、洗浄等の通常の後処理を行うことに
よって、無機材料改質物を得ることができる。このよう
にして得られる無機材料改質物もまた、本発明の一つで
ある。
【0056】本発明の塗料組成物は、上記本発明の無機
材料改質物を含んでなるものである。上記無機材料改質
物は、無機材料の表面改質処理を施した後、後処理を行
ったものであっても、後処理を行っていないものであっ
てもよい。上記無機材料改質物は、顔料等に使用される
無機材料を上述した本発明のポリマーを含んでなる無機
材料用表面改質剤により処理しており、上記無機材料表
面に上記ポリマーがグラフトしているので、塗料組成物
中での分散性が向上し、無機材料の沈降が抑制される。
なお、本発明においては、上記無機材料改質物として、
無機材料と無機材料用表面改質剤との混合物を用いても
よい。
【0057】上記無機材料改質物の配合量は、基体樹脂
100重量部に対して、3〜20重量部が好ましい。3
重量部未満であると、無機材料が有する光輝性等の性能
を充分に発揮することができず、20重量部を超える
と、つやびけ等、塗膜外観に異常をきたす。
【0058】本発明の塗料組成物の基体樹脂としては特
に限定されず、例えば、アクリル樹脂、メラミン樹脂、
アクリル−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化型樹
脂、常温硬化型樹脂等を使用することができる。
【0059】本発明の塗料組成物は、通常の塗装方法、
例えば、スプレー塗装、ロールコーター塗装、フローコ
ーター塗装等を用いることにより塗装することができ
る。本発明の塗料組成物が、自動車車体等の塗装に用い
られるメタリック塗料である場合には、スプレー塗装が
好適である。
【0060】本発明の塗料組成物は、上記無機材料改質
物を用いているので、無機材料が沈降することなく、均
一に分散しており、また、無機材料表面にグラフトして
いるポリマーが基体樹脂と相互作用し、光輝材として使
用されているマイカ系顔料やアルミフレーク等の偏平粒
子の配向を制御することができる。従って、本発明の塗
料組成物が水性塗料組成物である場合には、塗膜の表面
のチカ感を抑制することができ、本発明の塗料組成物が
溶剤型塗料組成物である場合には、塗装条件、例えば、
スプレーガンのエア圧、スプレーガンから被塗物への距
離等の変化に起因する色相変動を抑制することができ
る。
【0061】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0062】調製例1〜4 片末端にアルコキシシリル
基を有するポリマーの調製 攪拌機、冷却管、デカンター及び温度計を備えた容器
に、53.5gのブチルセロソルブを入れて90℃に保
った後、アゾビスシアノバレリックアシッド(ACV
A)2gを30gのジオキサンに溶解させた溶液、及
び、表1に示したモノマー混合物を3時間で滴下し、更
に3時間反応させた。その後、デカンターで溶媒を留去
しながら、150℃まで昇温した。留去された溶媒と同
重量のブチルセロソルブ、テトラブチルアンモニウムブ
ロマイド(TBABr)0.02gのブチルセロソルブ
(7g)溶液、5.2gの3−グリシジルオキシプロピ
ルトリエトキシシラン(KBE−403、信越化学工業
社製)を加えて12時間反応させて、目的とするアルコ
キシシリル基を末端に有する樹脂(1)〜(4)を得
た。エポキシ基に対する樹脂末端のカルボキシル基の反
応率(%)は、水酸化カリウムのエタノール溶液を用い
た電位差滴定により酸量を求めて算出した。反応率、得
られた樹脂のポリスチレン換算数平均分子量(Mn)及
び分子量分布(MWD)をゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー(GPC)で求め、その値を表1に示し
た。また、各樹脂の樹脂固形分(%)も表1に示した。
【0063】
【表1】
【0064】比較調製例1 末端にアルコキシシリル基
を有しない樹脂の調製 ACVAの代わりにアゾビスイソブチロニトリル(AI
BN)を用い、TBABrの存在下におけるKBE−4
03との反応を行わなかったこと以外は、調製例1と同
様にして、末端にアルコキシシリル基を有しない樹脂
(5)を得た。得られた樹脂の数平均分子量は1580
0、分子量分布は2.56、樹脂固形分は55%であっ
た。
【0065】比較調製例2 アルコキシシリル基をラン
ダムに有する樹脂の調製 調製例1と同様の容器にブチルセロソルブ53.5gを
入れ、温度を90℃に保った後、ジメチル−2,2−ア
ゾビスイソブチレート1.6gのキシレン(30g)溶
液と、メチルメタクリレート(27.7g)/n−ブチ
ルアクリレート(15.2g)/エチルヘキシルメタク
リレート(38.1g)/2−ヒドロキシエチルメタク
リレート(14.0g)/メタクリロイルプロピルトリ
エトキシシラン(KBE−503、信越化学工業社製、
5.0g)の混合物とを3時間で加えて、更に3時間反
応させて、主鎖中のランダムな位置にトリエトキシシリ
ル基を有する樹脂(6)を得た。得られた樹脂の数平均
分子量は18000、分子量分布は2.75、樹脂固形
分は55%であった。
【0066】実施例1 無機材料の表面改質処理効率 100mlのサンプル管に3.0gの微粉末シリカ(A
erosil200、日本アエロジル社製、BET比表
面積200m2 /g)、調製例1で得られた樹脂(1)
2.0g、モノ−n−ブチルりん酸0.2g、及び、ト
ルエン80mlを入れ、テフロン製マグネット及びマグ
ネットスターラーを用いて室温で2時間攪拌した。10
000回転で1時間遠心分離し、上澄みの溶媒をデカン
テーション後、更にトルエンとイソプロピルアルコール
との混合溶液(50/50体積%)を50ml加えて、
2時間攪拌した。この洗浄工程は、樹脂のグラフトによ
るシリカの重量増加分が恒量になるまで繰り返した。シ
リカのグラフト量は、各工程におけるデカンテーション
後のシリカを50℃で24時間真空乾燥した後、DSC
で500℃まで昇温させたときの重量減少量から求め
た。洗浄工程を2回繰り返すことによりシリカの重量増
加は一定になった。表2にシリカの分散状態、及び、4
回洗浄後の樹脂グラフト量(シリカの重量増加量)を示
した。
【0067】比較例1 調製例1で得られた樹脂(1)の代わりに、比較調製例
1で得られた樹脂(5)を用いたこと以外は、実施例1
と同様にして、分散状態とグラフト量(シリカの重量増
加量)とを評価した。結果を表2に示した。 比較例2 調製例1で得られた樹脂(1)の代わりに、比較調製例
2で得られた樹脂(6)を用いたこと以外は、実施例1
と同様にして、分散状態とグラフト量(シリカの重量増
加量)とを評価した。結果を表2に示した。
【0068】比較例3 調製例1で得られた樹脂(1)2.0gの代わりに、樹
脂(1)中に残存するKBE−403(信越化学工業社
製)と同量(カルボキシル基に対して2倍モル量)のK
BE−403を用いたこと以外は、実施例1と同様にし
て、分散状態とグラフト量(シリカの重量増加量)とを
評価した。結果を表2に示した。 比較例4 調製例1で得られた樹脂(1)を用いなかったこと以外
は、実施例1と同様にして、分散状態とグラフト量(シ
リカの重量増加量)とを評価した。結果を表2に示し
た。
【0069】
【表2】
【0070】以上の結果から、アルコキシシリル基を有
しない樹脂やアルコキシシリル基を有している低分子で
は、シリカの分散性を向上させることができず、主鎖の
片末端にアルコキシシリル基を有する樹脂(1)のみ
が、シリカの表面にグラフトして、シリカの分散性を向
上させていることが判った。一方、アルコキシシリル基
をランダムに有する樹脂は、一分子の樹脂が多くのシリ
カと反応して、シリカ間に橋かけを生じさせてしまい、
結果的にシリカを凝集させることが判った。
【0071】実施例2 溶剤型メタリック塗料の調製 下記の組成のアクリルメラミン塗料用メタリック塗料を
調製した。 アルミペースト1100NA(東洋アルミニウム社製、アルミフレーク含量65 %) 5重量部 マイカ顔料(イリオジン504WII、メルク社製) 2.5重量部 調製例1で得られた樹脂(1) 1重量部 アルマテックスNT−U−448(熱硬化型アクリル樹脂ワニス、固形分45% 、三井東圧化学社製) 66.9重量部 ユーバン20N−60(メラミン樹脂ワニス、固形分60%、三井東圧化学社製 ) 13.5重量部 トルエン 6.4重量部 n−ブタノール 2.0重量部 トリエチルアミン 0.5重量部
【0072】アルミペースト、マイカ顔料に調製例1で
得られた樹脂(1)を攪拌しながら加え、50℃で6時
間放置した。その後、残りの材料を加えて、ソルベッソ
#120でスプレー粘度に調整し、メタリック塗料を得
た。
【0073】得られたメタリック塗料を、エアスプレー
を用いてスプレーガンの吐出口と被塗物との距離が25
cm及び30cmの条件で塗布し、更に、アクリルメラ
ミン塗料用クリヤ塗料(スーパーラックO−150クリ
ヤ、アクリルメラミン樹脂硬化系塗料、日本ペイント社
製)をエアスプレーで塗布した。140℃で30分焼き
付けた後、塗膜の色差を色差計を用いて測定した。結果
を表3に示した。
【0074】比較例5 調製例1で得られた樹脂(1)の代わりに、KBE−4
03を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、塗膜
を作成し、評価した。結果を表3に示した。 比較例6 調製例1で得られた樹脂(1)を用いなかったこと以外
は、実施例2と同様にして、塗膜を作成し、評価した。
結果を表3に示した。
【0075】
【表3】
【0076】以上の結果から、調製例1で得られた樹脂
(1)を用いて顔料を処理した実施例2では、スプレー
ガンの吐出口から被塗物までの距離が異なっていても、
大きな色相の変化がなく、マイカ顔料やアルミフレーク
が塗膜表面に均一に配向していることが判った。
【0077】実施例3 水性メタリック塗料の調製 下記の組成で水性メタリック塗料を調製した。 マイカ顔料(イリオジン504WII、メルク社製) 10重量部 調製例1で得られた樹脂(1) 3.8重量部 フォスフォレックスA−108L(イソステアリルフォスフェート、堺化学工業 社製) 2重量部 サイメル303(メラミン樹脂、三井東圧化学社製) 30重量部 水性アクリル樹脂ワニス 112重量部 ウレタンエマルション(固形分33%、酸化16.2mgKOH/g) 43重量部
【0078】上記水性アクリル樹脂ワニスは、下記モノ
マーの混合物を重合して得られた固形分50%、数平均
分子量12000、水酸基価70mgKOH/g、酸価
58mgKOH/gのアクリルアミド含有アクリル樹脂
の水性ワニスを用いた。 エチレングリコールモノブチルエーテル 76重量部 スチレン 15重量部 メタクリル酸メチル 63重量部 メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 48重量部 アクリル酸n−ブチル 117重量部 メタクリル酸 27重量部 アクリルアミド 30重量部 アゾビスイソブチロニトリル 3重量部 ジメチルエタノールアミン 28重量部 脱イオン水 200重量部
【0079】上記水性メタリック塗料をエアスプレー塗
装後、更に、アクリルメラミン塗料用クリヤ塗料(スー
パーラックO−150クリヤ、アクリルメラミン樹脂硬
化系塗料、日本ペイント社製)をエアスプレー塗装し
た。140℃で20分焼き付けた後、得られた塗膜のチ
カ感、及び、塗料の沈降安定性を評価した。
【0080】チカ感の評価 塗膜表面の平滑性を以下の基準に従って、被験者5人に
よって評価した。被験者の得点の平均点を塗膜の評価点
とした。結果を表4に示した。 5点:表面に微細な凹凸に基づくチカつきが全くない 4点:表面に微細な凹凸に基づくチカつきがごくわずか
にある 3点:表面に微細な凹凸に基づくチカつきがわずかにあ
る 2点:表面に微細な凹凸に基づくチカつきが多い 1点:表面に微細な凹凸に基づくチカつきが非常に多い
【0081】沈降安定性の評価 塗料を1週間静置した後、顔料の分散状態から沈降安定
性を評価した。 ○:分離なし △:2層分離 ×:ハードケーキ(固い沈殿状態)
【0082】実施例4 調製例1で得られた樹脂(1)の代わりに、調製例2で
得られた樹脂(2)を用いたこと以外は、実施例3と同
様にして塗膜を得た。得られた塗膜のチカ感、及び、塗
料の沈降安定性を評価した。結果を表4に示した。 実施例5 調製例1で得られた樹脂(1)の代わりに、調製例3で
得られた樹脂(3)を用いたこと以外は、実施例3と同
様にして塗膜を得た。得られた塗膜のチカ感、及び、塗
料の沈降安定性を評価した。結果を表4に示した。 実施例6 調製例1で得られた樹脂(1)の代わりに、調製例3で
得られた樹脂(4)を用いたこと以外は、実施例3と同
様にして塗膜を得た。得られた塗膜のチカ感、及び、塗
料の沈降安定性を評価した。結果を表4に示した。
【0083】比較例7 調製例1で得られた樹脂(1)の代わりに、比較調製例
1で得られた樹脂(5)を用いたこと以外は、実施例3
と同様にして塗膜を得た。得られた塗膜のチカ感、及
び、塗料の沈降安定性を評価した。結果を表4に示し
た。 比較例8 調製例1で得られた樹脂(1)の代わりに、比較調製例
2で得られた樹脂(6)を用いたこと以外は、実施例3
と同様にして塗膜を得た。得られた塗膜のチカ感、及
び、塗料の沈降安定性を評価した。結果を表4に示し
た。 比較例9 処理剤を全く用いないで塗膜を得た。得られた塗膜のチ
カ感、及び、塗料の沈降安定性を評価した。結果を表4
に示した。
【0084】
【表4】
【0085】
【発明の効果】本発明のポリマーは、上述の構成よりな
るので、無機材料の表面にグラフトしやすく、また、無
機材料と反応しても、分散媒中で凝集を起こすことがな
いので、無機材料用表面改質剤の主成分として好適に使
用することができる。更に、本発明のポリマーは、少な
い工程で製造することができるので、工業的に安価に製
造することが可能である。
【0086】本発明のポリマーを含んでなる無機材料用
表面改質剤は、浸漬等の簡単な方法で無機材料表面に本
発明のポリマーをグラフトさせる処理を行うことができ
るので、無機材料の表面改質処理の省プロセス化を実現
することができる。
【0087】本発明の無機材料改質物は、本発明のポリ
マーが無機材料の表面にグラフトしているので、塗料等
の有機分散媒中で沈降することなく、均一に分散するこ
とができる。従って、本発明の無機材料改質物を用いた
塗料組成物は、沈降安定性に優れ、塗膜外観のチカ感を
抑制することができ、また、塗装条件に起因する塗膜の
色相変動を抑制することができるので、メタリック塗料
として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 236/04 C08F 236/04 C08K 9/04 C08K 9/04 C09C 1/40 C09C 1/40 1/64 1/64 3/10 3/10 C09D 7/12 C09D 7/12 Z 157/10 157/10 // C08F 230/08 C08F 230/08 C09D 5/36 C09D 5/36 5/38 5/38

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主鎖が少なくともα,β−エチレン性不
    飽和化合物の重合体からなり、かつ、主鎖の片末端に下
    記一般式(1)で表される基を有してなることを特徴と
    するポリマー。 【化1】 式中、R1 は、シアノ基、水素又は炭素数1〜3のアル
    キル基を表す。R2 は、炭素数1〜3のアルキル基を表
    す。R3 、R4 は、同一又は異なって、炭素数1〜5の
    2価の炭化水素基を表す。R5 、R6 は、同一又は異な
    って、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を
    表す。nは、1、2又は3を表す。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリマーを含んでなるこ
    とを特徴とする無機材料用表面改質剤。
  3. 【請求項3】 無機材料を、酸触媒若しくは塩基触媒の
    存在下、又は、非存在下で、請求項2記載の無機材料用
    表面改質剤により改質してなることを特徴とする無機材
    料改質物。
  4. 【請求項4】 無機材料は、マイカ系顔料である請求項
    3記載の無機材料改質物。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4記載の無機材料改質物を
    含んでなることを特徴とする塗料組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006282762A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Fuji Photo Film Co Ltd インク組成物、それを用いた画像形成方法、及び記録物
JP2010509471A (ja) * 2006-11-15 2010-03-25 ビーエーエスエフ コーティングス アクチェンゲゼルシャフト 溶媒含有顔料着色塗料組成物、および複層塗装系を製造するためのその使用、ならびに効果塗装系のフロップ値を向上させるための方法
JP2010519355A (ja) * 2007-02-20 2010-06-03 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 結合剤
JP2021070796A (ja) * 2019-11-01 2021-05-06 ユニチカ株式会社 樹脂組成物および該樹脂組成物からなるエラストマー材料

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