JPH11314296A - 積層体、それを用いた吸遮音材および制振材 - Google Patents

積層体、それを用いた吸遮音材および制振材

Info

Publication number
JPH11314296A
JPH11314296A JP10123589A JP12358998A JPH11314296A JP H11314296 A JPH11314296 A JP H11314296A JP 10123589 A JP10123589 A JP 10123589A JP 12358998 A JP12358998 A JP 12358998A JP H11314296 A JPH11314296 A JP H11314296A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
porous material
weight
vibration
butene
porous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10123589A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Imagawa
容 今川
Shigeo Kobayashi
重夫 小林
Atsushi Jinno
敦司 神野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Maxell Kureha Co Ltd
Original Assignee
Kureha Elastomer Co Ltd
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kureha Elastomer Co Ltd, Toyobo Co Ltd filed Critical Kureha Elastomer Co Ltd
Priority to JP10123589A priority Critical patent/JPH11314296A/ja
Publication of JPH11314296A publication Critical patent/JPH11314296A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Building Environments (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波領域だけでなく低周波領域においても
十分な吸遮音効果および制振効果が得られる多孔質材
料、それを用いた吸遮音材および制振材を提供すること
にある。 【解決手段】 厚み50%まで圧縮荷重するのに必要な
エネルギーQA が2×106 〜4×107 erg/cm
2 、圧縮荷重されていない状態から厚み50%まで圧縮
荷重された状態を経て更に圧縮荷重されていない状態に
戻るまでに材料内部で消費されるエネルギーQL とQA
との比率(QL /QA )が20〜45%、通気度が1〜
60cc/cm2 secとなるように多孔質材料を形成
する。結晶性ポリブテン−1および/またはブテン−1
とブテン−1以外のαオレフィンとの共重合体10〜4
0重量%、ブチルゴム60〜90重量%、ポリイソブチ
レン0〜30重量%を混練し、部分架橋して非多孔質材
料を形成する。多孔質材料と非多孔質材料とを積層して
積層体を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は積層体、それを用い
た吸遮音材および制振材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車、家電、産業用機械等から
の騒音、振動は環境問題、健康問題として重要視されて
きており、広範な分野において防音、防振に多くの注意
が払われてきている。そこで、騒音、振動を低減する機
能を持った材料、技術が開発されて、実用に供されてい
る。一般的に、空気伝搬音は騒音と呼ばれており、騒音
に対応する素材としては吸音材や遮音材が挙げられる。
また、固体伝搬音は振動と呼ばれており、振動に対応す
る素材としては制振材、振動絶縁材が挙げられる。
【0003】吸音材は騒音の音響エネルギーの一部を熱
エネルギーへと変換し、音響エネルギーを減衰させる材
料である。吸音材としては、天然繊維、合成繊維、ロッ
クウール、ガラスウール等の繊維を絡めて形成した繊維
集合体や、連続気泡を有する発泡ポリウレタン樹脂など
の材料が挙げられる。これらは、小さな孔や隙間を無数
に持ち、かつ適当な通気性を持った多孔質材料である。
このような材料に音波が入射すると、材料の孔や隙間内
の空気が振動される。この孔や隙間は小さいため、音波
は粘性抵抗を受け、よって音響エネルギーの一部は熱エ
ネルギーへと変換され、散逸される。
【0004】遮音材は、音波が材料内部を透過する際の
内部摩擦によりエネルギーを減衰させる材料であり、変
形抵抗のうえからも質量の大きいものほど効果的であ
る。従って、鉛、鉛複合材およびコンクリートが通常用
いられている。
【0005】制振材は主として高分子材料の動的粘弾性
挙動を利用して、振動エネルギーを熱エネルギーとして
散逸させるものである。振動絶縁材は振動エネルギーを
弾性体の変形で吸収するものであり、例えばゴム、バネ
等が通常用いられている。
【0006】騒音、振動を低減する方法のなかで最も効
果のある方法は、音源や振動源を絶つことであるが、完
全にこれらを絶つのは不可能である。そのため、上記し
た材料を音源や振動源に取り付ける方法、機械構造等を
構成する部材の剛性を高めたり重くする方法、建築物の
壁や間仕切り等に上記した材料を付加する方法が一般的
に用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した方法
によって騒音や振動を低減する効果を高めようとすれ
ば、使用する材料の厚みや重量の増加をもたらし、対象
となる機械等の本来の機能を損ねたり、メンテナンスが
困難になる等の問題が生じてしまう。
【0008】また、一方では地球環境の問題から自動車
や産業用機械といった機械等の軽量化を求める動向が強
まってきている。しかし、軽量化は一般的には騒音や振
動を増加させる場合が多く、騒音や振動の増加なしに軽
量化を図るのは困難である。そのため、重量の増加なし
に、騒音や振動の低減を達成する材料や技術の開発が強
く望まれてきている。
【0009】ところで、一般に上記した材料には、音波
や振動波の周波数が高くなるほど吸遮音効果及び制振効
果が高くなる特性がある。そのため、高周波領域(波長
が短い)の音波や振動波に対しては高い効果が得られる
が、低周波領域(波長が長い)の音波や振動波に対して
は十分な効果が得られないという問題がある。例えば、
前述した吸音材においては、入射する音波が多孔質材料
の孔や隙間内の空気を振動して粘性抵抗を受けるため、
音響エネルギーの一部が熱エネルギーへと変換される。
しかし、入射する音波の波長が長いと振動速度が遅くな
るため、結果、音響エネルギーの熱エネルギーへの変換
率が低くなり、吸音率が悪くなる。
【0010】このように、従来の材料には制約や条件が
ある。本発明の課題は、上記問題を解決し、高周波領域
だけでなく低周波領域においても十分な吸遮音効果およ
び制振効果が得られる積層体、それを用いた吸遮音材お
よび制振材を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者らは、熱
可塑性の部分架橋エラストマーで形成された材料が低周
波領域において良好な減衰能を示すことに着目し、本発
明の積層体を完成するに至った。即ち、本発明において
は、多孔質材料と熱可塑性の部分架橋エラストマーで形
成された非多孔質材料とを積層することにより、高周波
領域に加え、低周波領域においても優れた吸遮音効果及
び制振効果を得ている。
【0012】さらに、本発明の発明者らは、多孔質材料
における振動減衰の主因は材料の粘性抵抗にあることに
着目し、多孔質材料についても低周波領域における振動
減衰能の向上を図るに至っている。これについて以下に
具体的に説明する。
【0013】一般的に、吸音材、遮音材及び制振材の振
動減衰モデルは、振動速度(周波数)に比例する粘性減
衰と、振動振幅に比例する構造減衰とで考えることがで
きる。ここで振動減衰能は、1サイクルの振動で消失す
る振動エネルギーをΔE、1サイクルの振動エネルギー
をEとするとΔE/Eとして定義される。
【0014】一方、振動系の現象は論理的には、マス−
バネ−ダッシュポット系の運動方程式を用いることで解
析される。この運動方程式から導き出される損失係数η
は、加振周波数をf、バネ定数をK、粘性減衰係数をC
とした場合、下記の数1で表せる。損失係数ηは振動減
衰能を表すものであり、前述のΔE/Eと等価である。
従って、ΔE/Eの値が大きいほど材料としての防音効
果、遮音効果、制振効果が大きいこととなる。
【0015】
【数1】
【0016】数1から明らかなように、損失係数ηは加
振周波数fに依存している。即ち、音波や振動波の周波
数が低いほどエネルギーの減衰率は低いといえる。更
に、バネ定数Kが小さいほど、また、粘性減衰係数Cが
大きいほど損失係数が大きくなることも数1から明らか
である。
【0017】実際の多孔質材料の粘性抵抗力の起源であ
る、粘性減衰係数Cに含まれる要素としては、材料自
身(素材、構造)に由来する内部摩擦力と、通気抵抗
に由来する粘性抵抗力、即ち、通気抵抗力とが考えられ
る。多孔質材料が空気伝搬音のみを対象とする場合にお
いては、粘性減衰に関係する要素はの通気抵抗力のみ
であるが、外部から加振力が加わる場合においては、
の内部摩擦力との通気抵抗力とが混在、共存するもの
と考えられる。
【0018】一般的に多孔質材料を吸遮音材として使用
した場合の環境としては、多少にかかわらず加振力が加
わると考えられることから、の内部摩擦力との通気
抵抗力とが共存しているものと考えられる。従って、粘
性減衰係数Cを大きくするには、の内部摩擦力および
の通気抵抗力をそれぞれ大きくすれば良いことが分か
る。このうち、通気抵抗力は多孔質材料の通気度に左右
されるものであるため、通気抵抗力を大きくするには通
気度を小さく設定すれば良い。
【0019】内部摩擦力については、材料が限定された
場合は分子構造そのものによる内部摩擦力付与は考えら
れず、多孔質組織体としての摩擦力付与を考える必要が
ある。組織体としての内部摩擦力の情報は、材料のスト
レス─ストレイン特性より得ることができる。ストレス
−ストレイン特性とは、厚みが50%になるまで圧縮荷
重するのに必要な単位面積当たりのエネルギーQA 、及
び圧縮荷重されていない状態から厚みが50%になるま
で圧縮荷重された状態を経て更に圧縮荷重されていない
状態に戻るまでに材料内部で消費される単位面積当たり
のエネルギーQL とQA との比率(QL /QA )をい
う。ストレス−ストレイン特性は、ストレス−ストレイ
ン曲線から求められる。
【0020】図1は多孔質材料のストレス−ストレイン
曲線の例を示す図であり、試料となる多孔質材料を一定
の厚みまで圧縮荷重し、その後荷重を徐々に零まで小さ
くして測定されたものである。図1において、曲線Pと
横軸とが囲む面積OABは、多孔質材料の厚みが50%
になるまで圧縮荷重するのに必要なエネルギーを示して
いる。この圧縮荷重するのに必要なエネルギーから上記
試料単位面積当たりのエネルギーQA が求められる。曲
線Rと横軸で囲む面積CABは、圧縮荷重された状態に
ある多孔質材料が再度圧縮荷重されていない状態に戻る
のに要したエネルギーを示している。曲線Pと曲線Rと
で囲まれた部分(図1において斜線を施した部分)は、
多孔質材料が、圧縮荷重されていない状態から圧縮荷重
された状態を経て更に圧縮荷重されていない状態に戻る
までに材料内部で消費したエネルギーを示している。こ
の材料内部で消費したエネルギーから上記試料単位面積
当たりのエネルギーQL が求められる。
【0021】一般に、内部摩擦力による振動減衰とは、
材料に入射した音波や振動波が、通過時に構造変形に伴
う内部摩擦力を受け、音や振動のエネルギーが熱エネル
ギーへ変換される現象をいう。従って、内部摩擦力を大
きくするには、図1においてエネルギーQA を小さく
し、且つ、エネルギーQL とエネルギーQA との比(Q
L /QA )を大きくすれば良い。なお、QL /QA を大
きくすることは振動減衰上望ましいが、多孔質材料の繰
り返し耐久性に問題が生じてくるため、ある一定範囲内
に抑えておく必要がある。
【0022】ところで、従来からの一般的な多孔質材料
においては、ストレス−ストレイン特性と通気度とは二
律相反の関係にある。例えば、内部摩擦力を大きくする
ためQA を小さくし、且つ、QL /QA を大きくする
と、逆に通気度が大きくなり、通気抵抗力が小さくなっ
てしまう。そのため、却って損失係数ηは小さくなり、
多孔質材料に有効な振動減衰能を付与できない場合があ
る。
【0023】そこで、本発明の発明者らは鋭意検討を重
ね、多孔質材料に有効な振動減衰能を付与し得るストレ
ス−ストレイン特性および通気度の特定範囲を見出すに
至った。更に、本発明の発明者らは、多孔質材料を多層
構造とすれば、ストレス−ストレイン特性および通気度
の特定範囲内への設定が容易にでき、単一層構造の多孔
質材料では得ることができない振動減衰能を得ることが
できることも見出すに至った。
【0024】即ち、本発明の積層体は、次の特徴を有す
るものである。 (1) 多孔質材料と非多孔質材料とを積層してなり、
多孔質材料は、厚みが50%になるまで圧縮荷重するの
に必要な単位面積当たりのエネルギーQA が2×106
erg/cm2 〜4×107 erg/cm2 となり、圧
縮荷重されていない状態から厚みが50%になるまで圧
縮荷重された状態を経て更に圧縮荷重されていない状態
に戻るまでに材料内部で消費される単位面積当たりのエ
ネルギーQL と前記QA との比率(QL /QA )が20
%〜45%となり、通気度が1cc/cm2 sec〜6
0cc/cm2 secとなるものであり、非多孔質材料
は、結晶性ポリブテン−1および/またはブテン−1と
ブテン−1以外のαオレフィンとの共重合体10重量%
〜40重量%と、ブチルゴム60重量%〜90重量%
と、ポリイソブチレン0重量%〜30重量%とを含有
し、部分架橋されたものであることを特徴とする積層
体。
【0025】(2) 上記多孔質材料がポリエステル硬
綿で構成されている上記(1)記載の積層体。
【0026】(3) 上記多孔質材料がポリエステル硬
綿で形成された層と、発泡ポリウレタンで形成された層
とで構成されている上記(1)記載の積層体。
【0027】(4) 上記非多孔質材料が、結晶性ポリ
ブテン−1および/またはブテン−1とブテン−1以外
のαオレフィンとの共重合体の連続相中にブチルゴムが
分散した部分を有する熱可塑性エラストマー組成物であ
る上記(1)記載の積層体。
【0028】(5) 上記ブテン−1以外のαオレフィ
ンがポリプロピレンである上記(1)記載の積層体。
【0029】また、本発明の吸遮音材は次の特徴を有す
るものである。 (6) 上記(1)〜(5)のいずれかに記載の積層体
からなることを特徴とする吸遮音材。
【0030】更に、本発明の制振材は次の特徴を有する
ものである。 (7) 上記(1)〜(5)のいずれかに記載の積層体
からなることを特徴とする制振材。
【0031】
【作用】本発明の積層体は上記の特徴を有しているた
め、低周波から高周波までの広い領域で、従来に比べて
振動減衰能が向上されている。本発明の積層体を吸遮音
材や制振材として用いれば低周波領域においても十分な
吸遮音効果及び制振効果を得ることができる。
【0032】また、本発明の積層体を構成する多孔質材
料を多層構造とすれば、ストレス−ストレイン特性及び
通気度の設定が容易に行うことができる。さらに、この
場合においては、単一層構造の多孔質材料では得られな
い振動減衰能を得ることもできる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明の積層体は、多孔質材料と非多孔質材料とを
積層して構成したものであれば良く、多孔質材料で形成
された層と非多孔質材料で形成された層とを少なくとも
一層ずつ有したものであれば良い。層の数や積層順位な
どは特に限定されるものではない。積層方向も特に限定
されるものではなく、音波や振動波の入射方向に対し、
どのような角度をなす方向であっても良い。
【0034】多孔質材料で形成された層は、単一の材料
によって形成された単一層であっても良いし、バネ定数
や通気度が異なる二以上の材料を積層して形成された多
層であっても良い。後者の場合においては、例えば、多
孔質材料Aと多孔質材料Bとを用いて、A−Bと積層し
ても良いし、A−B−Aと積層しても良い。なお、前述
したようにストレス−ストレイン特性および通気度の特
定範囲内への設定が容易に行え、振動減衰能を高めるこ
とができる点から、多孔質材料で形成された層は多層で
あるのが好ましい。また、この場合においても積層の方
向は音波や振動波の入射方向に対して、どのような角度
をなす方向であっても良く、特に限定されるものではな
い。
【0035】また、非多孔質材料で形成された層におい
ても、多孔質材料で形成された層と同様に、単一の材料
で形成された単一層であっても良いし、配合比などの異
なる二以上の材料を積層して形成された多層であっても
良い。
【0036】本発明の積層体を形成する多孔質材料にお
いては、ストレス−ストレイン特性は、QA が2×10
6 erg/cm2 〜4×107 erg/cm2 、好まし
くは1.5×107 erg/cm2 〜3.0×107
rg/cm2 、QL とQA との比率(QL /QA )が2
0%〜45%、好ましくは22%〜40%となるように
設定する。QA 及びQL /QA を上記のような範囲内と
することにより、多孔質材料の低周波領域での振動減衰
能力を高めることができる。
【0037】また、通気度は、1cc/cm2 sec〜
60cc/cm2 sec、好ましくは2cc/cm2
ec〜50cc/cm2 secとなるように設定する。
通気度を上記のような範囲内とすることにより、音波や
振動波が多孔質材料を透過する際の粘性抵抗を大きくで
き、更に、これに由来する音響エネルギーから熱エネル
ギーへの変換効率を高めることができる。また、特に中
〜高周波領域での振動減衰能力を向上させることができ
る。
【0038】多孔質材料としては、天然繊維、ポリエス
テル繊維といった合成繊維、ロックウール、ガラスウー
ル等から形成された繊維集合体や、連続気泡を有する発
泡ポリウレタン樹脂などの材料が挙げられるが、特に限
定されるものではない。但し、永久歪みの小さいバネの
実現が容易という点から、ポリエステル短繊維をフェル
ト化したポリエステル硬綿、ポリウレタン発泡樹脂が好
適な材料として挙げられる。多孔質材料を多層とする場
合においては、上記のポリエステル硬綿とポリウレタン
発泡樹脂との積層構造とするのが好ましい。この場合、
音波や振動波の入射方向に対する積層順位は任意であ
り、特に定めるものではない。
【0039】ストレス−ストレイン特性は、JIS K
6401−1980に規定されている条件、設備に準
拠して算出、評価する。即ち、ストレス−ストレイン特
性は、多孔質材料を厚みが50%になるまで圧縮荷重
し、その後、多孔質材料に加えている荷重を徐々に小さ
くしていき、この間の荷重及び変位(歪み)を測定する
ことで求めることができる。
【0040】具体的には、任意の厚みHの多孔質材料を
縦225mm×横225mmの矩形に打ち抜き、これを
測定用試料とする。次に、テンシロン(例えば、オリエ
ンテック社製)を用い、測定用試料を試料台にセット
し、直径150mmの円盤状の板材を介して測定用試料
の厚みが50%になるまで(測定用試料の厚みが初期の
厚みHの1/2となるまで)圧縮荷重を行う。厚みが5
0%に達した後、逆に荷重を徐々に零まで小さくする。
この圧縮荷重されていない状態から、圧縮荷重された状
態を経て、更に圧縮荷重されていない状態に戻るまでの
荷重と変位(歪み)を測定することで、図1に示すよう
なストレス−ストレイン曲線が得られる。ストレス−ス
トレイン特性は、得られたストレス−ストレイン曲線か
ら直接数値を読み取ることで算出する。
【0041】通気度は、JIS L1004、L101
8、L1046に準じて測定する。具体的には、厚み1
0mm又は20mm、直径60mmの円盤状の多孔質材
料を試料とし、これを例えば東洋精機製作所(株)製の
通気度測定装置等で測定する。
【0042】多孔質材料のストレス−ストレイン特性及
び通気度の値は、例えば多孔質材料が繊維集合体の場合
においては、繊維径(デニール)、目付、低融点繊維の
配合比、繊維の断面形状、中実・中空・バイコン等とい
った繊維の種類、ヒートセット温度をパラメータとし、
これらのパラメータを適宜設定することにより制御する
ことができる。具体的にはQA を小さくし、且つ、QL
/QA を大きくするのであれば、繊維径及び目付を小さ
くし、低融点繊維の配合比を大きくすれば良い。通気度
を小さくするのであれば、繊維径を小さくし、目付及び
低融点繊維の配合比を大きくすれば良い。また、前述し
たように多孔質材料を多層構造とすることによっても、
ストレス−ストレイン特性及び通気度の値を制御でき
る。
【0043】本発明の非多孔質材料は、結晶性ポリブテ
ン−1及び/又はブテン−1とブテン−1以外のαオレ
フィンとの共重合体といった樹脂成分、ブチルゴムとい
ったゴム成分、およびポリイソブチレンを混練し、この
混練したものを有機過酸化物で部分架橋して形成され
る。非多孔質材料はポリオレフィン系であることから、
耐久性にも優れており、使用後、再成形により同一用途
又は他用途への転用やリサイクルが可能である。
【0044】本発明において非多孔質材料は、熱可塑性
エラストマーである。好ましくは樹脂成分の連続相中に
ブチルゴムが分散した相構造をとり、この反転相構造は
本発明の非多孔質材料を構成する各成分を混練すること
により相反転が生じて形成される。部分架橋は、得られ
る非多孔質材料が熱可塑性を示し、溶融成形可能な程度
に行う。
【0045】樹脂成分における上記ブテン−1以外のα
オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−へキ
セン、4−メチル−1−ペンテン等が例示されるが、エ
チレンおよびプロピレンが好ましい。特にプロピレンを
用いた場合では、他のαオレフィンに比べて非多孔質材
料の反発弾性が小さくなり、非多孔質材料が有する振動
減衰能を一層向上させることができる。
【0046】上記樹脂成分の配合量、即ち、結晶性ポリ
ブテン−1の配合量、ブテン−1とブテン−1以外のα
オレフィンとの共重合体の配合量、または結晶性ポリブ
テン−1と該共重合体との混合物の配合量は、10重量
%〜40重量%、好ましくは15重量%〜35重量%で
ある。このような範囲内で配合量を加減することによ
り、非多孔質材料の硬度が広範囲で調整され、しかも強
度が実用範囲に維持される。
【0047】但し、上記配合量が10重量%未満では、
混練による相反転が起こり難く、得られる非多孔質材料
のマトリックスがゴムのままとなる。従って、前述の熱
可塑性エラストマー組成物が得られなくなり、成型上好
ましくない。
【0048】なお、樹脂成分のメルトフローレイトは、
0.3gr/10分〜60gr/10分、特には1gr
/10分〜40gr/10分が好ましい。0.3gr/
10分未満では前記の相反転が起こり難く、前述の熱可
塑性エラストマー組成物が得られないので好ましくな
い。また、この場合、溶融成形の際の流動性が悪くな
り、均一な成型品が得られ難く好ましくない。60gr
/10分を越えると、非多孔質材料の強度特性が不十分
となるので好ましくない。
【0049】上記ブチルゴムは、イソブチレン・イソプ
レン共重合体ゴムであり、イソプレンの含有量0.3〜
3.0モル%のものが好ましい。ブチルゴムは、上記の
樹脂成分と混合する際、未架橋状態または部分架橋状態
のいずれであっても良いが、部分架橋の状態にあるのが
好ましい。この場合は、ブチルゴムを上記の樹脂成分と
混練し有機過酸化物を添加して行う架橋工程において、
分子切断による物性低下が軽減される。ブチルゴムの配
合量は60重量%〜90重量%、好ましくは65重量%
〜85重量%に設定する。90重量%を超えると前記の
相反転が起き難くなり、前述の熱可塑性エラストマーが
得られないので好ましくない。60重量%未満では非多
孔質材料が硬くなり、振動減衰能が低下するため好まし
くない。
【0050】上記の樹脂成分およびブチルゴムには、ポ
リイソブチレンが所望により添加される。ポリイソブチ
レンは、ブチルゴムの一成分と分子構造的に同一である
ため、部分架橋したブチルゴムの粘度調整に最適であ
る。ポリイソブチレンは、分子量15000〜3000
00のもの、特に90000〜250000のものが好
ましい。その配合量は、樹脂成分、ゴム成分およびポリ
イソブチレンの合計量に対して0重量%〜30重量%、
好ましくは0重量%〜10重量%とする。配合量が30
重量%を超えると粘度が低くなり過ぎて実用的でない。
【0051】非多孔質材料の部分架橋は、本発明の非多
孔質材料を構成する各成分を混練中に有機過酸化物を適
用することによって行うことが出来る。使用する有機過
酸化物としては、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−
ブチルパーオキシ)へキサン、2,5−ジメチル−2,
5−ジ(t−ブチルパーオキシ)へキシン−3、1,3
−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼ
ン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)3,5,5−
トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(パーオキシベンゾイル)へキシン−3、ジクミル
パーオキシド等が挙げられる。この内、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)へキサンは、
臭気が少ない点で好ましい。
【0052】上記有機過酸化物の配合量は、樹脂成分、
ゴム成分およびポリイソブチレンの合計100重量部に
対し0.01重量部〜2.0重量部、特に0.05重量
部〜1.0重量部が好ましい。部分架橋を行うことによ
り、非多孔質材料に適度な耐熱性と成型性を持たせるこ
とができる。なお、部分架橋が不足している場合、即ち
上記有機過酸化物の配合量が0.01重量部未満の場合
では、非多孔質材料は柔らかくなり過ぎ、熱をかけると
流れやすくなる、又組成物全体としての耐熱性が不良と
なるので好ましくない。また、部分架橋が行き過ぎた場
合、即ち、上記有機過酸化物の配合量が2.0重量部を
越えた場合では、有機過酸化物がブチルゴムを分解し強
度低下をもたらすので好ましくない。
【0053】架橋工程においては、上記有機過酸化物と
共に多官能性化合物を併用するのが好ましい。多官能性
化合物により、均一かつ緩和な架橋反応が可能となり、
非多孔質材料の機械的特性を向上させることも可能とな
る。多官能性化合物としては、N,N’−m−フェニレ
ンビスマレイミド、トルイレンビスマレイミド、P−キ
ノンジオキシム、ニトロベンゼン、ジフェニルグアニジ
ン、トリメチロールプロパン、ジビニルベンゼン、エチ
レングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコ
ールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメ
タクリレート、アリルメタクリレート等が例示される。
【0054】多官能性化合物の配合量は、上記樹脂成
分、ブチルゴムおよびポリイソブチレンの合計100重
量部に対し0.01重量部〜4.0重量部、特に0.0
5重量部〜2.0重量部が好ましい。多官能性化合物が
少ない場合、即ちその配合量が0.01重量部未満であ
る場合では、均一な架橋が困難となるので好ましくな
い。また、多官能性化合物が多すぎる場合、即ちその配
合量が4.0重量部を越える場合は、多官能性化合物が
高価であるためコスト上昇を招いてしまう。
【0055】前記の結晶性ポリブテン−1を含む樹脂成
分、ブチルゴム、ポリイソブチレン、有機過酸化物およ
び架橋助剤を前記の特定割合で混練するための装置とし
ては、バンバリーミキサー、加圧ニーダーおよび二軸押
出機等の公知の混練装置が挙げられる。混練温度は14
0℃〜260℃が、混練時間は1分〜30分がそれぞれ
好ましい。なお、上記の配合材料に、必要に応じて無機
充填剤、酸化防止剤、耐候剤、帯電防止剤、着色剤等の
副資材を添加しても良い。
【0056】得られた非多孔質材料は、通常の熱可塑性
樹脂で用いられている押出成形、カレンダー成形および
射出成形等の成形方法で任意の形状(例えば、シート
状)に成形することができる。得られた成形品は、樹脂
成分として結晶性ポリブテン−1、ブテン−1とブテン
−1以外のαオレフィンとの共重合体、または結晶性ポ
リブテン−1と該共重合体との混合物を用いているた
め、硬度および反発弾性率が低く、低周波領域において
優れた振動減衰能を有している。
【0057】本発明の多孔質材料は、吸遮音材や制振材
として使用でき、その用途としては、例えば自動車、家
電、OA機器、建築・土木用機械、産業用機械といった
各種機械要素や構造体が挙げられる。
【0058】
【実施例】〔非多孔質材料の作成〕最初に、実施例又は
比較例に用いる非多孔質材料を作成する。樹脂成分、ゴ
ム成分、ポリイソブチレン、有機過酸化物および架橋助
剤として表1に示すものを準備した。
【0059】
【表1】
【0060】表1に示す樹脂成分、ゴム成分、ポリイソ
ブチレン、有機過酸化物および架橋助剤を表2に示す配
合比で配合し、混練して非多孔質材料を作成した(非多
孔質試料1〜5)。なお、表2では、ブテン−1とプロ
ピレンとの共重合体を「B1・P共重合体」と、ブテン
−1とエチレンとの共重合体を「B1・E共重合体」と
して示している。
【0061】
【表2】
【0062】具体的には、混練機としてはブラベンダー
型混練機(東洋精機社製)を使用し、温度を180℃に
設定した後、ゴム成分およびポリイソブチレンを投入し
て2分間混練し、次いで樹脂成分を投入して3分間混練
し、上記のゴム成分と樹脂成分とを均一に混合した後、
有機過酸化物および架橋助剤を投入して混練し、トルク
が極大値を示してから更に2分間混練した。しかるの
ち、温度180℃のプレス機を用い、上記の混練で得ら
れた組成物に熱プレスを施して厚さ2mmのシートを作
り、非多孔質試料1〜5を得た。
【0063】次に、上記で作成した非多孔質試料1〜5
を用い、実際に本発明の積層体を形成し、その評価を行
なった。
【0064】実施例1 ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと称する)
の0.7d(デニール)×51mm(繊維長)の中空断
面短繊維と、PETの4d×51mmの低融点短繊維と
を重量比70%:30%で混繊し、カードマシーンでス
ライバー化し、その後175℃で熱圧着することで、厚
み10mm、目付410g/m2 の硬綿を得た。これを
多孔質試料1とする。次いで、PETの6d×64mm
の中空断面短繊維と、PETの5d×51mmの低融点
短繊維とを重量比で70%、30%で混繊し、同様の方
法で処理し、厚み20mm、目付660g/m2 の硬綿
を得た。これを多孔質試料2とする。
【0065】多孔質試料1と多孔質試料2とを積層し、
前述した方法でこの多孔質材料の積層体のストレス−ス
トレイン曲線を求め、QA を算出したところ2.7×1
7erg/cm2 であった。また、QL /QA は38
%であった。次いで、前述した方法により通気度を測定
したところ18.3cc/cm2 secであった。この
多孔質材料の積層体に非多孔質試料1を積層して本発明
の積層体を完成させた。
【0066】上記で得られた本発明の積層体材料につい
て音響特性、即ち、制振、吸音性能を測定する。図2は
制振、吸音性能を測定するための測定装置を示す図であ
る。図2に示す装置は、加振機3、加振枠4、加振パネ
ル5、加速度ピックアップ(1、2)、FFT(Fast Fo
urier Transform)6、振動解析装置(図示せず)および
データー処理装置(図示せず)で構成されている。加速
度ピックアップ(1、2)は、それぞれ増幅器(7a、
7b)を介してFFT6に接続されている。加振機3に
はフィルター8、増幅器9、ノイズ発生器10が順に接
続されている。加速度ピックアップ2は、加振パネル5
上の上記で得られた積層体11に固定されている。加速
度ピックアップ1は加振枠4に固定されている。
【0067】次に、加振機3を振動させ、加速度ピック
アップ1の信号X1と、加速度ピックアップ2の信号X
2とを測定する。この測定した信号X1と信号X2とか
ら信号比を求め、上記の積層体11の制振、吸音性能を
評価する。具体的には信号X1と信号X2とから振動倍
率〔dB〕を求めて評価を行っている。振動倍率は、下
記の数2から求めている。振動倍率が小さい場合、すな
わち、負の絶対値が大きい場合に制振、吸音性能が良好
なものとなる。結果を表3に示す。
【0068】
【数2】
【0069】実施例2 厚み20mm、目付1200g/m2 の発泡ポリウレタ
ン樹脂を多孔質試料3とする。次に、PETの15d×
64mmの中空断面短繊維と、PETの5d×51mm
の低融点短繊維とを重量比70%:30%で混繊し、実
施例1と同様の方法で処理し、厚み10mm、目付41
0g/m2 の硬綿を得た。これを多孔質試料4とする。
【0070】多孔質試料3と多孔質試料4とを積層し、
前述した方法でこの多孔質材料の積層体のストレス−ス
トレイン曲線を求め、QA を算出したところ1.1×1
7erg/cm2 であった。また、QL /QA は22
%であった。次いで、前述した方法により通気度を測定
したところ1.9cc/cm2 secであった。この多
孔質材料の積層体に非多孔質試料2を積層して本発明の
積層体を完成させた。次に、実施例1と同様にして振動
倍率を測定し、その結果を表3に示す。
【0071】実施例3 PETの2d×51mmの中空断面短繊維と、5d×5
1mmの低融点短繊維とを重量比70%:30%で混繊
し、実施例1と同様の処理をし、175℃で熱圧着し
て、厚み10mm、目付400g/m2 の硬綿を得た。
これを多孔質試料5とする。
【0072】次に、この多孔質試料5と実施例1で得ら
れた多孔質試料2とを積層し、前述した方法でこの多孔
質材料の積層体のストレス−ストレイン曲線を求め、Q
A を算出したところ2.5×107 erg/cm2 であ
った。また、QL /QA は35%であった。前述した方
法で通気度を測定したところ、23.5cc/cm2
ecであった。この多孔質材料の積層体に非多孔質試料
3を積層して本発明の積層体を完成させた。次に、実施
例1と同様にして振動倍率を測定し、その結果を表3に
示す。
【0073】実施例4 PETの5d×44mmの中実断面短繊維と、5d×5
1mmの低融点短繊維とを重量比70%:30%で混繊
し、実施例1と同様に処理をし、厚み30mm、目付1
300g/m2 の硬綿を得た。これを多孔質試料6とす
る。
【0074】次に、この多孔質試料6について、前述し
た方法でこの積層体のストレス−ストレイン曲線を求
め、QA を算出したところ3.3×107 erg/cm
2 であった。また、QL /QA は31%であった。前述
した方法で通気度を測定したところ、29cc/cm2
secであった。これに非多孔質試料4を積層して本発
明の積層体を完成させた。次に、実施例1と同様にして
振動倍率を測定し、その結果を表3に示す。
【0075】実施例5 実施例1で得られた多孔質試料1と非多孔質試料5とを
積層して本発明の積層体を完成させた。なお、多孔質試
料1において、ストレス−ストレイン曲線は、QA が
2.7×107 erg/cm2 、QL /QA が38%で
あった。通気度は、前述した方法で測定したところ、1
8.3cc/cm2 secであった。次に、実施例1と
同様にして振動倍率を測定し、その結果を表3に示す。
【0076】比較例 PETの3d×51mmの中空断面短繊維と、5d×5
1mmの低融点短繊維とを、重量比70%:30%で混
繊し、実施例1と同様の処理を行い、厚み25mm、目
付1000g/m2 の硬綿を得た。これを比較用多孔質
試料とする。
【0077】この比較用多孔質試料について、前述した
方法でストレス−ストレイン曲線を求め、QA を算出し
たところ5.6×107 erg/cm2 であった。ま
た、QL /QA は46%であった。また、前述した方法
でこの多孔質材料の通気度を測定したところ、63cc
/cm2 secであった。
【0078】次に、塩素化ポリエチレン(日本合成ゴム
社製:H−135)80重量%と、可塑剤となるフタル
酸ビス(2−エチルヘキシル)20重量%とを、卓上ニ
ーダー(入江商会社製)にて110℃、10分間混練
し、熱可塑性樹脂を形成した。この熱可塑性樹脂をヒー
トプレス機により厚み2mmのシート状に成形し、比較
用非多孔質試料とした。
【0079】上記で得られた比較用多孔質試料と比較用
非多孔質試料とを積層し、この積層体について実施例1
と同様に振動倍率を測定し、その結果を表3に示す。
【0080】
【表3】
【0081】〔評価〕表3より実施例1〜5に示した本
発明の積層体は、比較例に示した従来の材料に比べて、
低周波領域における振動倍率が小さくなっており、優れ
た制振、吸音効果を示している。このことから本発明の
積層体においては、低周波領域における振動減衰能が高
められていると考えられる。
【0082】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
積層体では、低周波領域から高周波領域までの広い帯域
において、吸遮音効果および制振効果が向上されてい
る。また、従来の吸遮音材や制振材に比べて低周波領域
においても十分な吸遮音効果及び制振効果を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は多孔質材料のストレス−ストレイン曲線
の例を示す図である。
【図2】制振、吸音性能を測定するための測定装置を示
す図である。
フロントページの続き (72)発明者 神野 敦司 三重県津市観音寺町255番地 クレハエラ ストマー株式会社津工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質材料と非多孔質材料とを積層して
    なり、 多孔質材料は、厚みが50%になるまで圧縮荷重するの
    に必要な単位面積当たりのエネルギーQA が2×106
    erg/cm2 〜4×107 erg/cm2 となり、圧
    縮荷重されていない状態から厚みが50%になるまで圧
    縮荷重された状態を経て更に圧縮荷重されていない状態
    に戻るまでに材料内部で消費される単位面積当たりのエ
    ネルギーQL と前記QA との比率(QL /QA )が20
    %〜45%となり、通気度が1cc/cm2 sec〜6
    0cc/cm2 secとなるものであり、 非多孔質材料は、結晶性ポリブテン−1および/または
    ブテン−1とブテン−1以外のαオレフィンとの共重合
    体10重量%〜40重量%と、ブチルゴム60重量%〜
    90重量%と、ポリイソブチレン0重量%〜30重量%
    とを含有し、部分架橋されたものであることを特徴とす
    る積層体。
  2. 【請求項2】 上記多孔質材料がポリエステル硬綿で構
    成されている請求項1記載の積層体。
  3. 【請求項3】 上記多孔質材料がポリエステル硬綿で形
    成された層と、発泡ポリウレタンで形成された層とで構
    成されている請求項1記載の積層体。
  4. 【請求項4】 上記非多孔質材料が、結晶性ポリブテン
    −1および/またはブテン−1とブテン−1以外のαオ
    レフィンとの共重合体の連続相中にブチルゴムが分散し
    た部分を有する熱可塑性エラストマー組成物である請求
    項1記載の積層体。
  5. 【請求項5】 上記ブテン−1以外のαオレフィンがポ
    リプロピレンである請求項1に記載の積層体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の積層体
    からなることを特徴とする吸遮音材。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかに記載の積層体
    からなることを特徴とする制振材。
JP10123589A 1998-05-06 1998-05-06 積層体、それを用いた吸遮音材および制振材 Pending JPH11314296A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10123589A JPH11314296A (ja) 1998-05-06 1998-05-06 積層体、それを用いた吸遮音材および制振材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10123589A JPH11314296A (ja) 1998-05-06 1998-05-06 積層体、それを用いた吸遮音材および制振材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11314296A true JPH11314296A (ja) 1999-11-16

Family

ID=14864348

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10123589A Pending JPH11314296A (ja) 1998-05-06 1998-05-06 積層体、それを用いた吸遮音材および制振材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11314296A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007249091A (ja) * 2006-03-18 2007-09-27 Seed:Kk 消音器具
JPWO2015146743A1 (ja) * 2014-03-27 2017-04-13 三井化学株式会社 遮音材

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62290713A (ja) * 1986-06-09 1987-12-17 Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd 防音防振材
JPH02142841A (ja) * 1988-11-22 1990-05-31 Tatsuta Electric Wire & Cable Co Ltd 遮音パテ
JPH06259080A (ja) * 1993-03-03 1994-09-16 Nissan Motor Co Ltd 新規な遮音材
JPH08246652A (ja) * 1995-03-13 1996-09-24 Achilles Corp 床緩衝用圧縮ポリウレタンフォーム
JPH1180462A (ja) * 1997-09-08 1999-03-26 Kureha Elastomer Kk 熱可塑性エラストマー組成物
JPH11240978A (ja) * 1997-12-22 1999-09-07 Toyobo Co Ltd 多孔質材料、それを用いた吸遮音材および制振材

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62290713A (ja) * 1986-06-09 1987-12-17 Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd 防音防振材
JPH02142841A (ja) * 1988-11-22 1990-05-31 Tatsuta Electric Wire & Cable Co Ltd 遮音パテ
JPH06259080A (ja) * 1993-03-03 1994-09-16 Nissan Motor Co Ltd 新規な遮音材
JPH08246652A (ja) * 1995-03-13 1996-09-24 Achilles Corp 床緩衝用圧縮ポリウレタンフォーム
JPH1180462A (ja) * 1997-09-08 1999-03-26 Kureha Elastomer Kk 熱可塑性エラストマー組成物
JPH11240978A (ja) * 1997-12-22 1999-09-07 Toyobo Co Ltd 多孔質材料、それを用いた吸遮音材および制振材

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007249091A (ja) * 2006-03-18 2007-09-27 Seed:Kk 消音器具
JPWO2015146743A1 (ja) * 2014-03-27 2017-04-13 三井化学株式会社 遮音材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5430070A (en) Functional insulation resin composition
Abdel-Hakim et al. Acoustic, ultrasonic, mechanical properties and biodegradability of sawdust/recycled expanded polystyrene eco-friendly composites
Aykanat et al. Production of basalt/wood fiber reinforced polylactic acid hybrid biocomposites and investigation of performance features including insulation properties
JP2004018670A (ja) 制振性と成形性に優れた制振塗料
Kim et al. Sound transmission properties of mineral-filled high-density polyethylene (HDPE) and wood-HDPE composites
JPH11314296A (ja) 積層体、それを用いた吸遮音材および制振材
JP3581940B2 (ja) 遮音制振材
CN107443845A (zh) 一种软硬交替层状降噪高分子材料及其制备方法
JPH11314295A (ja) 積層体、それを用いた吸遮音材および制振材
Chauhan et al. Damping behavior of wood filled polypropylene composites
KR20020047937A (ko) 자동차용 흡음재와 그 제조방법
TW201130908A (en) High decay composition
JP2000273435A (ja) 有機ハイブリッド系制振材料およびその製造方法
CN105904803A (zh) 一种多层复合隔音材料
CN105882053A (zh) 汽车用多层吸声隔音复合材料
JPH11219186A (ja) 吸遮音構造体
KR100407780B1 (ko) 충격음 저감용 고분자 복합재 및 그 제조방법
JPWO2002053647A1 (ja) 制振材
JPH11240978A (ja) 多孔質材料、それを用いた吸遮音材および制振材
CN105856722A (zh) 汽车用吸声隔音复合材料
JPH05262918A (ja) 振動エネルギー吸収能に優れる加硫ゴム組成物
JP2632602B2 (ja) 防音床材
CN105922679A (zh) 一种吸声隔音复合材料
JP2008302882A (ja) 自動車用制振防音材
JPH11242487A (ja) 多孔質材料、それを用いた吸遮音材および制振材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050406

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070730

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070803

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071204