JPH11314044A - 回転式分散機 - Google Patents

回転式分散機

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JPH11314044A
JPH11314044A JP13739198A JP13739198A JPH11314044A JP H11314044 A JPH11314044 A JP H11314044A JP 13739198 A JP13739198 A JP 13739198A JP 13739198 A JP13739198 A JP 13739198A JP H11314044 A JPH11314044 A JP H11314044A
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dispersion
rotary
mill
disperser
dispersion chamber
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JP13739198A
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Inventor
Takeshi Asami
剛 浅見
Kazuo Tsubushi
一男 津布子
Aiko Ishikawa
愛子 石川
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第一の目的は、分散、濃縮を同時、あるいは
連続して行なうことができる回転式分散機を提供するこ
と。また、第二の目的は、短時間で高粘性分散液を調整
することのできる回転式分散機を提供すること。また、
第三の目的は、種々の分散条件の分散液を同時に調整す
ることができる回転式分散機を提供すること。また、第
四の目的は、メディアやミル部材の分散液の混入がな
く、分散液の色特性を変化させない回転式分散機を提供
することである。 【解決手段】 メディアを用いた回転式分散機におい
て、分散室を形成する容器内を減圧しながら分散物を分
散、濃縮できる機構を備えていることを特徴とする回転
式分散機。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真液体現像
剤の分散、調整、製造に用いられる回転式分散機に関す
る。この回転式分散機は、固形材料を効率良く微粉砕化
することができるので、感熱液、OPC塗布液、感熱リ
ボン、インクジェットインキ、インク、塗料等の顔料、
染料及び樹脂を主成分とする分散液の製造、調整にも好
適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】電子写真に用いられるトナーのうち、液
体トナーは普通、特開昭62−135842号公報に見
られるように、粒状のメディアを用いた回転式分散機で
製造される。従来、沸点の異なる分散調整液から沸点の
低い溶媒を取り除く場合、分散調整液を分散機から抜き
出し、乾燥機等で低沸点溶媒を除去していた。例えば、
特開平2−306276号公報には、ボールミルで懸濁
分散液を作り、別途乾燥装置により乾燥造粒し、この凝
集物を解砕することで超微粉のない乾式トナーを得るこ
とが紹介されている。しかし、この方法で行なった場合
は、部分的に液体トナーが濃縮されてしまって凝集が発
生したり、液体トナー中の低沸点溶媒を狙いの水準まで
除去できない等の問題があった。
【0003】また、従来、500mPa.s以上の高粘
度分散調整液を充分に分散させるには、直径の大きなメ
ディアを大量に投入したうえで分散時間を延長すること
で対処しなければならない状況にあった。直径の大きな
メディアを大量に投入して、長期間、例えば3日間にわ
たって分散すれば、比較的粘度の高い分散調整液であっ
たとしても2〜3μmの粒径まで分散させることができ
るが、液体現像液(液体トナー)として使用可能な特性
を得るのに必要な1μm以下の粒径まで分散させるに
は、1週間以上の長期にわたって分散させなければなら
ず、生産性が非常に悪いという問題があった。また、特
開昭61−51622号公報には多段に連結されたサン
ドミルを用い分散エネルギーを段階的に減少させること
により均一な分散体を得ることが開示されているが、高
粘性液体の場合は長期間にわたり分散させなければなら
ない問題があった。
【0004】また、近年のカラープリンタの急激な普及
に対応して、様々な顧客の要望に応えたカラー塗工液を
調整することが必要になっているが、この要望に応じる
ために各色毎に専用の分散液を用意すること、例えば非
常に需要の少ない色に対して専用の分散機を設置するこ
とは、実際問題として困難であり、このため要請のあっ
た色の塗工液を調整するにはその量の大小にかかわらず
分散機の内部を徹底的に洗浄して混色を防止することが
必要となっていた。勿論、特定の色の塗工液を調整して
いる最中は別の色の塗工液を調整することができず、複
数の色の異なる液を同時に調整することは不可能であ
り、このことは同一色であっても分散液の材料の異なる
ものを少量ずつ調合したい場合、一つの材料について分
散液を分散中は別の材料についての分散液を分散するこ
とができないという不都合があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の目的
は、分散、濃縮を同時、あるいは連続して行なうことが
できる回転式分散機を提供することにある。本発明の第
二の目的は、短時間で高粘性分散液を調整することので
きる回転式分散機を提供することにある。本発明の第三
の目的は、種々の分散条件の分散液を同時に調整するこ
とができる回転式分散機を提供することにある。本発明
の第四の目的は、メディアやミル部材の分散液の混入が
なく、分散液の色特性を変化させない回転式分散機を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の目的は、
メディアを用いた回転式分散機において、分散室を形成
する容器内を減圧しながら分散物を分散、濃縮できる機
構を備えていることを特徴とする回転式分散機によって
達成される。本発明の第二の目的は、分散室を形成する
容器の内壁に、軸線方向に延び、且つ、分散室の内方に
向けて突出する突起板を設けたことを特徴とする回転式
分散機によって達成される。これは、高い粘度の分散液
であったとしても、分散室において突起板によりメディ
アがかき上げられて正常なメディアの流れを生成するこ
とによると考えられる。本発明の第三の目的は、前記回
転容器が隔壁によって軸線方向に複数の分散室に区画さ
れていることを特徴とする回転式分散機によって達成さ
れる。複数の分散室に分割することにより、一度の分散
工程で異なる種類の分散液を同時に分散させることがで
きる。ここでいう異なる種類の分散液とは、色が異なる
場合の他に、同じ色であったとしても、その材料や濃度
の異なる場合を含む。分散室の数としては2〜5程度が
現実的である。本発明の第四の目的は、メディア材質の
からずり摩耗率が10ppm/h以下であることを特徴
とする回転式分散機を提供することによって達成され
る。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、分散室容器内の真空度は5Torr以下まで減
圧できることが望ましく、1Torr以下であれば更に
良い。真空度が5Torrを超えると除去したい溶媒の
沸点が高い場合は、濃縮処理時間、溶剤置換処理時間が
かかり効率が悪くなる。分散液の温度を上げることによ
り、処理時間は短くできるが、分散液の品質が劣化する
場合もあるため真空度は1Torr以下が望ましい。
【0008】本発明における突起板は、回転容器の回転
方向に離置して複数枚設けるのが望ましく、より好まし
くは2〜4枚である。これ以上の数の突起板を設けたと
しても分散時間の短縮効果は一般的にさほど上昇しな
い。突起板は分散室の軸線方向の長さとほぼ等しい長さ
分法を有するのが好ましい。突起板の板幅、つまり分散
室の内壁面から内方への突出幅はメディアの直径の0.
8〜2.0倍であるのが好ましい。突起板の突出幅がこ
れよりも小さいと分散時間短縮の効果が限られたものと
なり、これよりも大きいとメディアの回転の妨げとなっ
て分散効率が低下する。
【0009】突起板の配置として、例えば2枚の突起板
を設ける場合には分散室の直径方向に対向した位置にそ
れぞれ配置してもよく、分散室の縦断面において、その
一方側に偏倚させて配置させてもよい。対向にした方が
被分散物の粒径分布はシャープになる。あえて粒径分布
を広くしたい場合には、一方側に配置させることもあ
る。
【0010】突起板の材質はメディアと同じ材質であっ
てもよく、特に撥水性の特性を備えていることが分散液
に含まれる樹脂などの付着が少なくなるため、分散を円
滑に進行させる上で好ましいものとなる。突起板の板厚
は特に限定されるものではなく、突起板の材質によって
左右されるが、一般的にはメディアの直径の1.5乃至
4倍程度であるのが好ましい。突起板がこれよりも薄い
と、メディアとの衝突又は接触による衝撃によって破損
し易くなり、他方、これよりも厚いとメディアが引っか
かり難くなって適切な分散を促進することが難しくなる
傾向にある。
【0011】本発明にいう単一及び複数の分散室は、本
発明の効果を有効に発揮させるために、その内径と軸線
方向の長さ寸法との比つまり内径/長さが0.5乃至
1.5であるのが好ましい。内径/長さが0.5よりも
小さい場合、つまり分散室の軸線方向の長さ寸法が内径
に比べて大きすぎると、分散過程でメディアが軸線方向
に広がりすぎて粒子の粉砕効果が希薄化する虞がある。
逆に、内径/長さが1.5よりも大きい場合、つまり分
散室の内径が軸線方向の長さ寸法に比べて大きすぎる
と、分散過程でメディアが径方向に集合しすぎて粒子の
粉砕が適切に行なわれなくなる虞れがある。
【0012】回転容器の回転数は、時間の経過に依存さ
せることなく一定であってもよいが、分散時間の経過に
応じて回転数を変更するようにしてもよい。このように
回転数を分散時間の経過に応じて回転数を変更するよう
にしてもよい。このように回転数を分散の進行度合いに
応じて変更することにより、分散効率を一層向上させる
ことができる。例えば、分散液の特性として、一般的に
は分散の開始直後と、分散の中間段階と、最終段階とで
は、分散液の粘度が異なったものになることが多い。こ
の粘度の差異に応じて、例えば分散開始の当初の粘度が
高(低)いときには回転数を高(低)めに設定し、粘度
が低(高)くなったらこの粘度の変化に応じて回転数を
低(高)めに設定すれば、分散液の粘度に応じた最適な
分散状態が得られ、常に一定回転数で分散させる場合と
比較したときに、短時間で一定の粒径まで粉砕すること
が可能になる。回転数を変更する変速の際の変速ショッ
クを抑えるには、無段変速機構を採用して無段階に変速
するのが好ましい。
【0013】前記回転容器に、作業者が前記分散室の中
の分散液のメディアの流れ状況を確認することのできる
窓を設けるのが好ましい。これにより、作業者が分散液
中のメディアの流れが正常であるか否かを確認すること
ができる。また、分散室の中の温度を抑制するための分
散室温度制御手段を設けることで、例えば季節の変化に
よる外気の温度変化の影響を受けることなく、年間を通
じて管理された所定の温度で分散させることができる。
【0014】本発明の分散機の回転容器の内壁の材料と
しては、メディアとの長時間の接触による摩耗を回避
し、更に、分散に用いられる媒体液例えばアイソバー、
トルエン、メチルエチルケトンなどの有機溶剤や水性媒
体等に対して抵抗力を有するものであれば任意の材料を
選択すればよい。このような材料としては、例えばナイ
ロン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂等があ
る。
【0015】本発明の分散機と一緒に使用することので
きるメディアの条件としては、分散に用いられる溶剤等
によって汚染されず、且つ分散室の内壁、つまり回転容
器の内壁との接触により摩耗しないものであれば任意の
ものを選択することができる。これに反して、摩耗し易
いメディア、分散溶剤に溶解し易いメディアを採用した
ときには、摩耗材料、溶剤に溶解した材料が分散液の中
に混入して分散液自体の変色、分散液の特性に影響を及
ぼすことになる。本発明の分散機と一緒に使用すること
のできるメディアとしては、例えば、ジルコニア、アル
ミナ、非酸化物、シリカ、ガラス又はステンレスからな
るメディア、例えば重質球状メディアがある。代表的な
メディアの特性を次の表1に列挙する。
【0016】
【表1】 表中の「かなずり摩耗率(ppm/h)」とは、HD
A−5ポット分散機(容量2リットル)に直径10mm
ボール仕込量1リットル、水仕込量0.8リットルにて
回転数100rpmで48時間運転したときの単位時間
あたりの平均摩耗率をいう。
【0017】この表1から、耐摩耗性に優れたジルコニ
アが本発明に適したものであることがわかる。メディア
は、その純度が90%以上のものは特に化学的安定性が
高く、分散溶液との反応やメディア同士の接触による反
応が少ないために好ましいものである。95%以上の純
度のメディアは特に優れたメディアといえる。
【0018】上述した耐摩耗性などの特性以外に、分散
球として分散粒径、分散時間などの分散効率に寄与する
ためにメディアに要求される要件として、(1)大きさ
(直径)と、(2)密度とを挙げることができる。本発
明の分散機と一緒に用いることのできるメディアとして
は、メディアの直径が1mm乃至10mm程度であるの
が好ましい。1mmより小さい直径のメディアを採用し
たときには、短時間に分散が細かく行なわれるが塗工液
として使用可能な分散液の収量が減ってしまうと考えら
れる。逆に、10mmよりも大きな直径のメディアで
は、1μm以下の微細分散が困難となり粒径分布が大き
くなり易いと考えられる。
【0019】メディアの密度としては、4.0〜7.0
g/cm3であるのが好ましい。密度が4.0g/cm3
よりも小さいメディアを採用すると分散室の内壁への衝
撃が少なく、これに伴う壁面の摩耗が少なくなるが、軽
すぎて分散液を粉砕する力が弱くなる傾向となる。逆
に、密度が7.0g/cm3よりも大きいメディアを採
用すると分散効率が高いものの、分散室の内壁の摩耗及
び衝撃が大きくなるため壁面の損傷が激しくなるだけで
なく、駆動源及び駆動機構を構成するモータ、動力伝達
ベルトなどの力学的な負荷が大きくなるために、これら
の寿命が短くなる傾向になると考えられる。分散を最適
に行なうには、分散室の大きさ、溶剤の投入量、樹脂な
どの材料、分散室の大きさに対するメディアの投入量の
影響が大きい。メディアの投入量としては、分散室の大
きさ全体の35〜55%程度が好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に基いて本発明の回転
式分散機の例を具体的に説明する。図1及び図2は、本
発明における第1例としてのボールミル分散機を示す。
このボールミル分散機(1)は、垂直支柱(2)に支持
されたミル(3)を有する。ミル(3)は横置きにした
有底円筒状の形状を有し、ミル(3)の水平回転軸
(4)は、歯車列(5)を介して、無段変速機を具備し
たモータ(6)に連結されている。ミル(3)はその側
壁の長手方向中央部に配置されたミル室(7)に通じる
運転蓋(8)と、運転蓋(8)と直径方向に対向した位
置に配置されたバランスウエイト(9)及びエアーベン
ト(10)とを具備している。ミル(3)はその軸方向
に延びる2つの突起板(11)を有し、これら各突起
(11)は互いに直径方向に対向した位置に配設されて
いる。また、ミル内を減圧するには真空ポンプ(50)
を作動させる。ミル内の低沸点溶媒蒸気は真空管(5
3)を通って、コールドトラップ(51)で液化され
る。このとき、マノメータ(52)で真空度をチェック
できる。減圧操作を停止するときは、真空用エアーベン
ト(54)を開放後真空ポンプを止める。任意ではある
が、ミル(3)の側壁に作業者が前記分散室の中の分散
液の状態を確認することのできる窓を付けてもよい。
【0021】図3及び図4は、本発明に伴う第例のとし
てのボールミル分散機を示す。この第2実施例の分散機
(20)は、上述した第1例の分散機(1)の変形例に
相当するものであることから、共通の要素には同一の参
照符号を付してその説明を省略し、以下に第2例の分散
機(20)の特徴部分について説明する。分散機(2
0)のミル(3)は軸線方向に並置された第1〜第3の
3つのミル室(21)を有し、これらミル室(21)は
軸線方向に離間して配置された2つの隔壁(22)によ
って区画されている。また、ミル(3)は上述した第1
例と同様に軸線方向に延びる2つの突起板(11)を有
し、これら各突起板(11)は、バランスウエイト
(9)の側に寄って配置されている。
【0022】図5に示される装置例においては、回転容
器の回転数を、時間の経過に伴って変更することのでき
る回転数制御システム(32)を有し、この制御システ
ム(32)はタイマ(30)及びリングコーン変速機
(31)を付設してなる。
【0023】図6には、図1の装置に熱交換機(41)
及び温水タンク(42)を付加した構成のシステム(4
0)を有する装置例が示されている。この装置によって
分散、濃縮温度をコントロールすることにより、効率よ
く分散液を製造することができる。
【0024】図7(a)は、突起板を付けないで、高粘
度の分散液を分散しているときの不適正な分散状態を表
わしたものであり、ボールミル横方向から見た図であ
る。また、図7(b)は、突起板を付けた場合の適切な
分散を表わしたものであり、メディア(ボール)、分散
液が適正な高さまで引き上げられ、なだれ状態で分散で
きるため効率よく分散が行なわれる。
【0025】
【実施例】以下に、本発明の好ましい実施例について説
明する。初めに、上記の第1装置例の分散機(1)又は
第2装置例の分散機(20)を用いた試験結果を説明す
る。 試験例1 試料:下記の組成からなる電子写真用液体現像剤を試料
にした。 (a)樹脂 50重量部 (b)着色剤(イエロー) 20重量部 (c)アイソバーH 50重量部 (d)アイソバーV(高沸点) 50重量部 メディア:クロムからなる比重7.8の球体を使用し
た。メディアの直径は10mmであった。 分散機:第1装置例の分散機(1)を使用した。分散機
(1)の内容量は50リットルであった。突起板(1
1)はSUS314から作られ、その板幅は8mmであ
り(板幅/メディア径:0.8)、板厚は5mmであっ
た。ミル室(7)の内壁の材料はSUS314であっ
た。分散機(1)は40rpmのミル回転数で運転し
た。
【0026】以上の条件で、(a)、(b)、(c)を
24時間分散後、(d)を投入、分散しながら8Tor
rで減圧濃縮し、アイソバーHをアイソバーVに置換
し、固形分15%の分散液を得た。分散液温度は45℃
で処理時間は3時間であった。試料の分散時の粘度は約
800mPa・sであった。
【0027】比較例1 この比較試験として、(a)、(b)、(c)を24時
間分散後、(d)を投入、3時間分散した後、分散液を
ミルより抜き出して、真空乾燥機で8Torr、固形分
15%になるまで処理を行なった。処理時間は45℃で
8時間かかった。分散液の粒径測定結果を表2に示す。
表中の粗大粒子とは、2.0μm以上の粒子をいう。粒
径分布の測定は島津製作所のSA−CP3を使用して行
なった。結果からもわかるように、本発明に伴う分散機
(1)は、分散しながら減圧濃縮できるため、分散液の
凝集を防止し、効率よく濃縮できる。
【0028】試験例2 分散機の突起板無しのもので、試験例1と同様に試料を
調整した。表2に示したように、試験例1に比べて粗大
粒子割合が多く、平均粒径も大きかった。このように、
分散機に突起板がついている方が短時間で所定の粒径ま
で分散できる。
【0029】試験例3 真空度を1Torrにした以外は試験例1と同様の条件
で試料を調整した。狙いの固形分15%になるまでの処
理時間は、1時間と試験例1の1/3に短縮できた。ま
た、粒径も表2に示したように試験例1と同等レベルで
あった。
【0030】試験例4 分散機の突起板(11)の板幅を15mmに変更(板幅
/メディア:1.5)以外は、試験例1と同一の条件で
分散液を製造した。表2に示したように、突起板(1
1)の板幅を8mmから15mmに拡大することで、更
に良好な結果が得られることがわかる。
【0031】試験例5 分散機のメディアをからずり摩耗率1000ppm/h
のクロム球から、からずり摩耗率1ppm/hのジルコ
ニアに変更し、突起板をナイロン系樹脂に変更した以外
は、試験例1と同一の条件で分散液を製造した。表2に
示したように、粗大粒子の割合は若干多くなったのもの
の、原材料の色差変化が少なかった。クロム球の場合は
摩耗したメディア部材の混入により色が若干変化したも
のと思われる。
【0032】
【表2】
【0033】試験例6 この試験例は、ミル室の内径と長さとの比が分散性に及
ぼす影響を考察するために、第1実施例のボールミル分
散機(1)において、ミル室(7)の内径/長さの比を
変えた3種類の分散機を用意して、試験例1と同一の条
件で試験を行なった。その結果を表3に示す。表中の粗
大粒子とは、2.0μm以上の粒子をいう。表3から、
内径/長さの比1.2のものは、0.4及び2.0のも
のと比較して、粒径分布の点で優れた結果が得られるこ
とがわかった。また、分散性については、内径/長さの
比が小さいほど優れた結果が得られることがわかった。
【0034】
【表3】
【0035】試験例7 この試験例は、図5に示したタイマ(30)及びリング
コーン変速機(31)を付設したシステム(32)を有
する装置を用いて、ミル回転数を段階的に変更した場合
の分散性の影響を試験したものである。変速パターンは
0〜12時間の当初の12時間は35rpmの回転速度
に設定し、12〜18時間の6時間は40rpmに設定
し、18〜24時間までは45rpmに設定した。メデ
ィアは直径10mmのジルコニアからなる球体を使用し
た。比較例2として試験例5のもの(35rpm低速回
転)を採用した。結果を表4に示す。表4から、ミル回
転数を段階的に変更することで、効率的に分散液を製造
できることがわかった。
【0036】
【表4】
【0037】試験例8 図6の例の装置は、先に記述してように、図1の装置に
熱交換機(41)及び温水タンク(42)を付加した構
成のシステム(40)を有するものであるが、この装置
により分散、濃縮温度をコントロールすることにより、
効率よく分散液を製造することができた。
【0038】
【発明の効果】以上、詳細且つ具体的な説明より明らか
なように、本発明の請求項1の回転式分散機において
は、メディアを用いた回転式分散機において、分散室を
形成する容器内を減圧しながら分散物を分散、濃縮でき
る機構を備えているため、高品質の分散液を効率的に得
ることができる。また、請求項2の回転式分散機におい
ては、分散室容器内の真空度が5Torr以下にまで減
圧できるため、高沸点の溶媒であっても、低温で、効率
的に分散液の品質を損なわずに、高品質の分散液を得る
ことができる。また、請求項3の回転式分散機において
は、分散室を形成する容器の内壁に、軸線方向に延び、
且つ分散室の内方に向けて突出する突起板を設けてある
ため、高粘度の分散液でも短時間で分散することができ
る。また、請求項4の回転式分散機においては、突起板
の板幅がメディアの直径の0.8〜2.0倍の寸法であ
るため、高粘度の分散液でも短時間で分散することがで
きる。また、請求項5の回転式分散機においては、突起
板が撥水性材料又は撥油性材料から作られているため、
分散機内の清掃が容易である。また、請求項6の回転式
分散機においては、メディア材質のからずり摩耗率が1
0ppm/h以下であるため、メディア部材の摩耗によ
る混入がなく、分散液の色特性を変化させることがな
い。また、請求項7の回転式分散機においては、回転容
器が隔壁によって軸線方向に複数の分散室に区画されて
いるため、種々の分散液を同時に調整することができ
る。また、請求項8の回転式分散機においては、分散室
の内径の長さとの比(内径/長さ)が0.5〜1.5で
あるため、効率的に高品質の分散液を得ることができ
る。また、請求項9の回転式分散機においては、回転容
器の回転数を時間の経過に伴って変更することのできる
回転数制御手段を有しているため効率的に高品質の分散
液を得ることができる。また、請求項10の回転式分散
機においては、回転容器に作業者が前記分散室の中の分
散液のメディアの流れ状況を確認することのできる窓が
設けられているため作業性が向上する。また、請求項1
1の回転式分散機においては、分散室内の温度を制御す
るための分散室温度制御手段を有しているため効率的に
高品質の分散液を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転式分散機の1例を表わした図であ
る。
【図2】本発明の回転式分散機における分散室例を表わ
した図である。
【図3】本発明の回転式分散機の別の1例を表わした図
である。
【図4】本発明の回転式分散機における別の分散室例を
表わした図である。
【図5】本発明の回転式分散機のまた別の1例を表わし
た図である。
【図6】本発明の回転式分散機の更にまた別の1例を表
わした図である。
【図7】本発明における分散室の内方に向けて突出する
突起板の作用を説明する図である。
【符号の説明】
1 分散機 2 垂直支柱 3 ミル(分散室) 4 水平回転軸 5 歯車列 6 モータ 7 ミル(分散室) 8 運転蓋 9 バランスウエイト 10 エアーベント 11 突起板 20 分散機 21 ミル室 22 隔壁 30 タイマ 31 リングコーン変速機 32 回転数制御システム 40 分散室温度制御手段 41 熱交換機 42 温水タンク 50 真空ポンプ 51 コールドトラップ 52 マノメータ 53 真空管 54 真空用エアーベント

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メディアを用いた回転式分散機におい
    て、分散室を形成する容器内を減圧しながら分散物を分
    散、濃縮できる機構を備えていることを特徴とする回転
    式分散機。
  2. 【請求項2】 前記分散機の分散室容器内の真空度が、
    5Torr以下まで減圧できることを特徴とする請求項
    1に記載の回転式分散機。
  3. 【請求項3】 前記分散機の分散室を形成する容器の内
    壁に、軸線方向に延び、且つ、分散室の内方に向けて突
    出する突起板を設けたことを特徴とする請求項1に記載
    の回転式分散機。
  4. 【請求項4】 前記突起板の板幅が、メディアの直径の
    0.8〜2.0倍の寸法を有することを特徴とする請求
    項3に記載の回転式分散機。
  5. 【請求項5】 前記突起板が、撥水性材料または撥油性
    材料から作られていることを特徴とする請求項1乃至4
    のうちいずれか1に記載の回転式分散機。
  6. 【請求項6】 前記分散機のメディア材質のからずり摩
    耗率が10ppm/h以下であることを特徴とする請求
    項1乃至5のうちいずれか1に記載の回転式分散機。
  7. 【請求項7】 前記回転容器が隔壁によって軸線方向に
    複数の分散室に区画されていることを特徴とする請求項
    1乃至6のうちいずれか1に記載の回転式分散機。
  8. 【請求項8】 前記分散室の内径と長さとの比(内径/
    長さ)が、0.5〜1.5であることを特徴とする請求
    項1乃至7のうちいずれか1に記載の回転式分散機。
  9. 【請求項9】 前記回転容器の回転数を時間の経過に伴
    って変更することのできる回転数制御手段を有すること
    を特徴とする請求項1乃至8のうちいずれか1に記載の
    回転式分散機。
  10. 【請求項10】 前記回転容器に作業者が前記分散室の
    中の分散液のメディアの流れ状況を確認することのでき
    る窓が設けられていることを特徴とする請求項1乃至9
    のうちいずれか1に記載の回転式分散機。
  11. 【請求項11】 前記分散室内の温度を制御するための
    分散室温度制御手段を有することを特徴とする請求項1
    乃至10のうちいずれか1に記載の回転式分散機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010201290A (ja) * 2009-02-27 2010-09-16 Doshisha 製粉方法
CN111841769A (zh) * 2020-07-21 2020-10-30 常德市正邦建筑装饰材料有限公司 一种球磨机负压除尘净化系统

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