JPH11314039A - 漂白活性化触媒及び該触媒を含有する漂白剤組成物 - Google Patents

漂白活性化触媒及び該触媒を含有する漂白剤組成物

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JPH11314039A
JPH11314039A JP11046354A JP4635499A JPH11314039A JP H11314039 A JPH11314039 A JP H11314039A JP 11046354 A JP11046354 A JP 11046354A JP 4635499 A JP4635499 A JP 4635499A JP H11314039 A JPH11314039 A JP H11314039A
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manganese
complex
bleaching
catalyst
ligand
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JP11046354A
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Yasuo Nomura
安雄 野村
Takayasu Kubozono
隆康 久保園
Nobuyuki Yamamoto
信之 山本
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Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温でのペルオキシ化合物の漂白性能を充分
に向上させることができ、かつ水溶液中での触媒自身の
安定性に優れ、しかも合成が容易である配位子を有する
漂白活性化触媒及びそれを含有する漂白剤組成物を提供
すること。 【解決手段】 下記一般式(1)で示される構造の配位
子を有するMn三核又は四核錯体からなることを特徴と
する漂白活性化触媒、並びに該触媒を含有する漂白剤組
成物。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衣服についたし
み、食器、陶器、ガラス、プラスチック、義歯等の硬表
面についた汚れの漂白、カビトリ剤、パルプの漂白、染
色排水の処理、洗濯中における染料移動の防止、衣類、
硬表面などの殺菌等を行うために広く用いられているペ
ルオキシ化合物に対する漂白活性化触媒、及び該漂白活
性化触媒を含有する漂白剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】過酸化水素、水溶液中で過酸化水素を遊
離するか又はそれ自体過酸結合を有する無機の過塩、有
機過酸(以下これらの化合物をペルオキシ化合物と略
称)、漂白浴中で過酸化水素と反応して有機過酸を発生
する有機過酸前駆体は漂白剤の有効成分として、これま
でに広く使用されている。ところが、過酸化水素、水溶
液中で過酸化水素を遊離するか又はそれ自体過酸結合を
有する無機の過塩は、低温では比較的漂白効果が低いた
め、低温で十分な漂白効果を得るために、これらの化合
物を活性化する種々の提案がなされている。有機過酸前
駆体により漂白力を向上させる方法では、過酸化水素と
等モル量の有機過酸前駆体が必要であり、経済的、環境
的にも極少量で有効に漂白性能を向上させる剤が望まれ
ていた。
【0003】そのような化合物として種々の配位子と遷
移金属の組み合わせが提案されている。例えば、米国特
許第3,156,654号明細書、米国特許第3,53
2,634号明細書及び英国特許第984,459号明
細書には、EDTA、NTAやピリジンカルボン酸とい
った通常用いられるキレート剤とCo、Cu等の遷移金
属との組み合わせが開示されており、ペルオキシ化合物
の分解を触媒するが実質的な漂白の活性化にはあまり寄
与しない。また、特公平6−33431号公報や特公平
6−70240号公報には、ヒドロキシカルボン酸を配
位子とするマンガン錯体が、特公平6−99719号公
報にはポリヒドロキシ化合物を配位子とするマンガン錯
体が、特開昭52−155279号公報、特開平1−9
7267号公報、特開平2−261547号公報、特表
平8−503247号公報及び特表平8−503248
号公報にはポルフィリン又はフタロシアニンを配位子と
する鉄又はマンガン錯体が、特公平7−12437号公
報、同7−65074号公報、同7−68543号公
報、同7−122076号公報、特開平5−26309
8号公報及び特開平6−121933号公報等には環状
ポリアミンを配位子とするマンガン錯体が、特開平8−
67687号公報にはサリチルアルデヒドと多価アミン
から合成されるシッフ塩基を配位子とするマンガン錯体
が、米国特許第5,021,187号明細書には置換さ
れたジアミンを配位子とする銅錯体が開示されている
が、これらはいずれも漂白性能の向上、錯体の安定性、
製造のし易さを共に満足するものではない。
【0004】また、上記特公平7−12437号公報等
の環状ポリアミンを配位子とするマンガン錯体とは別
に、鎖状ポリアミンを配位子とするジマンガン錯体から
なる漂白活性化触媒が、特開平9−194398号公
報、特開平9−194886号公報及び特開平9−32
494号公報に開示されている。これらの鎖状ポリアミ
ン配位子を持つジマンガン錯体は、環状のポリアミン配
位子を持つマンガン錯体と比較すると、配位子の合成が
容易であり、製造コストも安く、配位子構造を変化させ
やすいという特徴を有する。しかしながら、これらの鎖
状ポリアミン配位子を持つジマンガン錯体も、低温での
漂白性能や水溶液中での錯体自身の安定性などの面で、
未だ不充分である。
【0005】従って、本発明の課題は、低温でのペルオ
キシ化合物の漂白性能を充分に向上させることができ、
かつ水溶液中での触媒自身の安定性に優れ、しかも合成
が容易である配位子を有する漂白活性化触媒及びそれを
含有する漂白剤組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、合成容易な鎖状ポ
リアミンを配位子として用い、かつ錯体の核数を二核で
はなく、更に多核化し、三核、四核のマンガン錯体とす
ることで、前記の課題を解決し得ることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明によれば、第一に、下記一般
式(1)で示される構造の配位子を有するMn三核又は
四核錯体からなることを特徴とする漂白活性化触媒が提
供される。
【化2】 (式中、Rは低級アルキル基を表す。) 第二に、上記第一に記載した漂白活性化触媒とペルオキ
シ化合物とを含有することを特徴とする漂白剤組成物が
提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。本発明の漂白活性化触媒は、下記一般式(1)で示
される構造の配位子を有するMn三核又は四核錯体から
なることを特徴とする。
【化3】 (式中、Rは低級アルキル基を示す。)
【0009】上記一般式(1)において、Rは低級アル
キル基を表し、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、
特にメチル基、エチル基が好ましい。
【0010】本発明の上記一般式(1)で示される配位
子とマンガンとからなるトリ−又はテトラ−マンガン錯
体は、既知の場合もあるし、新規の場合もある。例え
ば、一般式(1)において、R=C25である配位子を
用いた場合についてはArmstrongらによって合成が報告
されている既知錯体である(Mn三核錯体:Armstron
g,W.H.J.Am.Chem.Soc.1992,
114,6398−6406;Mn四核錯体:Armstron
g,W.H.J.Am.Chem.Soc.1998,
120,3704−3716)。
【0011】本発明の錯体を製造する場合のマンガン源
としては、例えば、硝酸マンガン、硫酸マンガン、塩化
マンガン、酢酸マンガン、過塩素酸マンガン、マンガン
アセチルアセトナート等の水溶性塩を用いるのが好まし
いが、有機溶媒可溶性塩や過マンガン酸カリウム等を用
いることもできる。一方、錯体の好ましい対イオンとし
ては、Cl-、Br-、I-、NO3 -、ClO4 -、NC
-、PF6 -、OAc-、BPh4 -、CF3SO3 -、R1
3 -やR1SO4 -などが挙げられる。ここで、R1として
は炭素数1〜3のアルキル基が挙げられる。なお、マン
ガンには一般式(1)で示される配位子の他に、水、水
酸基、フェノール性水酸基、アミノ基、カルボン酸基、
チオール基、ハロゲン原子などが配位してもよい。本錯
体の架橋種としては酸素、硫黄、ハロゲン原子、アセテ
ート、ブチラート、アルコキシド、チオラート、アミ
ド、チオール、ペルオキシド、水酸基等が挙げられる。
【0012】本発明の漂白活性化触媒は、前述した一般
式(1)で表される配位子とトリ−又はテトラ−マンガ
ンとの錯体からなるが、その具体例としては、次の表1
で示されるものが挙げられる。
【0013】
【表1】(1)テトラ(μ−オキソ)−モノ(ヒドロキ
ソ)−トリス[N,N−ビス(2−ピリジルメチル)−
N−メチルアミン]−トリマンガン(IV、IV、IV)過塩
素酸塩 [Mn3(μ−O)4(OH)(BPMA)3](ClO4)3 (2)ヘキサ−(μ−オキソ)−テトラ[N,N−ビス
(2−ピリジルメチル)−N−メチルアミン]−テトラ
マンガン(IV、IV、IV、IV)過塩素酸塩 [Mn4(μ−O)6(BPMA)4](ClO4)4 (3)テトラ(μ−オキソ)−モノ(ヒドロキソ)−ト
リス[N,N−ビス(2−ピリジルメチル)−N−エチ
ルアミン]−トリマンガン(IV、IV、IV)過塩素酸塩 [Mn3(μ−O)4(OH)(BPEA)3](ClO4)3 (4)ヘキサ−(μ−オキソ)−テトラ[N,N−ビス
(2−ピリジルメチル)−N−エチルアミン]−テトラ
マンガン(IV、IV、IV、IV)過塩素酸塩 [Mn4(μ−O)6(BPEA)4](ClO4)4 (5)テトラ(μ−オキソ)−モノ(ヒドロキソ)−ト
リス[N,N−ビス(2−ピリジルメチル)−N−プロ
ピルアミン]−トリマンガン(IV、IV、IV)過塩素酸塩 [Mn3(μ−O)4(OH)(BPPA)3](ClO4)3 (6)ヘキサ−(μ−オキソ)−テトラ[N,N−ビス
(2−ピリジルメチル)−N−プロピルアミン]−テト
ラマンガン(IV、IV、IV、IV)過塩素酸塩 [Mn4(μ−O)6(BPPA)4](ClO4)4 (7)テトラ(μ−オキソ)−モノ(ヒドロキソ)−ト
リス[N,N−ビス(2−ピリジルメチル)−N−イソ
プロピルアミン]−トリマンガン(IV、IV、IV)過塩素
酸塩 [Mn3(μ−O)4(OH)(BPIA)3](ClO4)3 (8)ヘキサ−(μ−オキソ)−テトラ[N,N−ビス
(2−ピリジルメチル)−N−イソプロピルアミン]−
テトラマンガン(IV、IV、IV、IV)過塩素酸塩 [Mn4(μ−O)6(BPIA)4](ClO4)4
【0014】本発明の漂白活性化触媒は、漂白浴中にマ
ンガンの量が金属として0.001〜1000ppmと
なるように添加するのが好ましく、より好ましくは0.
005〜200ppm、最も好ましくは0.01〜10
0ppmである。また、マンガンの添加量はペルオキシ
化合物に対して0.00001重量%(以下%と略称す
る)〜10%とするのが好ましく、より好ましくは0.
0001%〜1%である。
【0015】本発明の漂白剤組成物は、上記漂白活性化
触媒とペルオキシ化合物とを含有することを特徴とす
る。ペルオキシ化合物としては、(a)過酸化水素、
(b)水溶液中で過酸化水素を遊離するかまたはそれ自
体過酸結合を有する無機の過塩、及び、(c)有機過酸
が挙げられる。(b)無機の過塩としては、例えば、ア
ルカリ金属の過炭酸塩、過ほう酸塩、過燐酸塩、過珪酸
塩、過硫酸塩などが挙げられる。これらのうち、過酸化
水素、過炭酸ナトリウム、過ほう酸ナトリウム、過硫酸
カリウムが特に好ましい。(c)の有機過酸としては、
ペルオキシ安息香酸及び環置換ペルオキシ安息香酸(ペ
ルオキシ−α−ナフトール酸)や脂肪族、置換脂肪族及
びアリールアルキルモノペルオキシ酸(ペルオキシラウ
リン酸、ペルオキシステアリン酸、N,N−フタロイル
アミノペルオキシカプロン酸)などのモノペルオキシ
酸;アルキルジペルオキシ酸及びアリールジペルオキシ
酸(1,12−ジペルオキシドデカンジオン酸、1,4
−ジオン酸、4,4−スルホニルビスペルオキシ安息香
酸)などのジペルオキシ酸が挙げられる。
【0016】また、過酸化水素や水溶液中で過酸化水素
を遊離する無機の過酸と共に用いられ、漂白浴中で有機
過酸を生成する有機過酸前駆体としては、例えばアシル
フェノールスルホネート、アシルアルキルフェノールス
ルホネート、アシルフェノールカルボキシレート、アシ
ル化クエン酸エステル、アシルアルキルフェノールカル
ボキシレート、芳香族二価カルボン酸と四級化アミンを
有するアルコールとのエステル等のエステル類、具体的
には、ナトリウム−4−ベンゾイルオキシベンゼンスル
ホネート、ナトリウム−1−メチル−2ベンゾイルオキ
シベンゼン−4−スルホネート、ナトリウムオクタノイ
ルオキシベンゼンスルホネート、ナトリウムノナノイル
オキシベンゼンスルホネート、ナトリウムドデカノイル
オキシベンゼンスルホネート、ナトリウム−3,5,5
−トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホネー
ト、ナトリウムオクタノイルオキシベンゼンスルホネー
ト、ナトリウムノナノイルオキシベンゼンカルボキシレ
ート、ナトリウムドデカノイルオキシベンゼンカルボキ
シレート、ナトリウム−3,5,5−トリメチルヘキサ
ノイルオキシベンゼンカルボキシレート、アセチルトリ
エチルシトレート、2−(4−メトキシカルボニルベン
ゾイルオキシ)−N,N,N−トリメチルエタンアルミ
ニウムメトサルフェート;アシルアミド類、具体的にペ
ルオキシ酸前駆体、具体的には、N,N,N−トリメチ
ルアンモニウムトルイルオキシベンゼンスルホネート、
2−(N,N,N−トリメチルアンモニウム)エチル−
4−スルホフェニルカルボネートが挙げられる。
【0017】ペルオキシ化合物を含む漂白剤組成物中に
本錯体を一緒に配合してもよいし、別々に添加して漂白
浴中で所望濃度となるよう調整されてもよい。漂白剤組
成物中、マンガンを0.001〜1000ppm、ペル
オキシ化合物を0.0001〜15%含有するのがよ
く、有機過酸前駆体を用いる場合には、ペルオキシ化合
物100重量部あたり10〜100重量部使用するのが
よい。漂白剤組成物は粒状でも液体でもよく、本錯体が
組成物中で安定性を保持するために適宜それらは造粒又
はマイクロカプセル化されてもよい。ペルオキシ化合物
の量は使用目的により異なるが、漂白浴中に一般に0.
0001〜15%となるようにするのがよく、好ましく
は0.001〜10%である。本発明の漂白剤組成物に
は、漂白浴中のpHが7〜12、好ましくは8〜11と
なるように、無機、有機ビルダーやpH緩衝剤等を含有
させるのが好ましい。また、各種界面活性剤、キレート
剤、酵素、香料等と併用使用することができる。
【0018】例えば、界面活性剤としては、アルキルベ
ンゼンスルホン酸、アルキル硫酸、アルキルポリエトキ
シエーテル硫酸、アルキルフェニルエーテル硫酸エステ
ル、パラフィンスルホン酸、α−オレフィンスルホン
酸、α−スルホカルボン酸及びそれらのエステル等の水
溶性塩、石鹸等のアニオン界面活性剤;ポリオキシアル
キルエーテル、ポリオキシアルキルフェニルエーテル等
のエトキシ化ノニオン、シュガーエステル、グルコシド
エステル、メチルグルコシドエステル、エチルグルコシ
ドエステル、アルキルポリグルコキシド等の糖系活性
剤、アルキルジエタノールアミド、脂肪酸N−アルキル
グルカミド等のアミド系活性剤等のノニオン界面活性
剤;アルキルカルボキシベタイン、アルキルスルホキシ
ベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキル
アラニネート等のアミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘
導体、アルキルアミンオキシド等の両性界面活性剤;ア
ルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチル
アンモニウム塩等のカチオン界面活性剤が挙げられる。
これらの界面活性剤は、本発明の漂白剤組成物中、0〜
40%含有させるのがよい。
【0019】ビルダーとしては、ゼオライト等のアルミ
ノケイ酸塩、層状珪酸塩、アルカリ金属の炭酸塩、炭酸
水素塩、ほう酸塩、燐酸塩、ポリ燐酸塩、トリポリ燐酸
塩等の無機ビルダー、ニトリロトリ酢酸、乳酸、クエン
酸、グリコール酸、コハク酸、ポリアクリル酸等のポリ
カルボン酸塩等の有機ビルダーがあげられる。これらの
ビルダーは、本発明の漂白剤組成物中、0〜40%含有
させるのがよい。エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸等の
キレート剤の多量の使用は漂白浴中で生成した錯体中の
マンガンをキレートしてしまうので好ましくなく、一定
量以下、例えば2%以下にとどめることが好ましい。酵
素としてはアルカラーゼやリパーゼ等が挙げられる。そ
の他、香料、蛍光剤、シリコーン等の抑泡剤、過酸化物
の安定化剤等や、他の金属イオン、Ca、Mg、Si、
Al、Zn等を含んでいてもよい。
【0020】本発明の漂白剤組成物は、特に低温〜ぬる
ま湯程度、例えば5〜40℃で優れた漂白効果を示す。
被漂白物としては、衣類、ふきん、じゅうたん、食器、
陶器、ガラス、プラスチック、義歯等についたしみ、有
機物汚れ、黄ばみ物質、ステインの漂白、特に染みとし
てカレー、ワイン、果汁、トマトケチャップ、ソース、
醤油、血液、草汁、紅茶、コーヒー等、洗濯浴中に衣類
から溶出した染料(移染防止)、染料廃液やパルプ、
紙、織物、糸等が挙げられる。
【0021】
【発明の効果】本発明の漂白活性化触媒を用いると、衣
類などに付いた各種のしみや有機物汚れ、黄ばみ、ステ
インに対して、室温かつ中性〜アルカリ領域でペルオキ
シ化合物の漂白を活性化し、有効な漂白を行うことがで
きる。従って、本発明の漂白活性化触媒を含む漂白剤組
成物は、各種衣料用の漂白剤、トイレ洗浄剤、自動食器
洗浄剤、義歯洗浄剤などの硬表面の洗浄漂白剤・カビ取
り剤・パルプの漂白剤、染色排水の処理剤、洗濯中にお
ける染料移動の防止剤、衣類、硬表面などの殺菌剤など
として幅広く使用することが出来る。
【0022】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるも
のではない。
【0023】実施例1(錯体Aの合成) <テトラ(μ−オキソ)−モノ(ヒドロキソ)−トリス
[N,N−ビス(2−ピリジルメチル)−N−メチルア
ミン]−トリマンガン(IV、IV、IV)過塩素酸塩の合成
>1g(4.69mmol)のN,N−ビス(2−ピリ
ジルメチル)−N−メチルアミンを40mlのエタノー
ルに溶解した。次いで、Mn(OAc)3・2H2Oを1.
26g(4.7mmol)加え室温で15分撹拌後、濾
過を行った。得られた濾液に過塩素酸(70%)4.8
mlをゆっくりと10分かけて滴下、更に室温で一時間
撹拌を行い沈殿物を得た。これをエタノールで洗浄し、
アセトニトリル/エーテルの混合物(3:1)に溶解し
て再結晶を行った。析出した結晶を濾取することによ
り、目的の錯体テトラ(μ−オキソ)−モノ(ヒドロキ
ソ)−トリス[N,N−ビス(2−ピリジルメチル)−
N−メチルアミン]−トリマンガン(IV、IV、IV)過塩
素酸塩の暗赤色の結晶が0.60g得られた。
【0024】実施例2(錯体Bの合成) <ヘキサ−(μ−オキソ)−テトラ[N,N−ビス(2
−ピリジルメチル)−N−メチルアミン]−テトラマン
ガン(IV、IV、IV、IV)過塩素酸塩の合成>1g(4.
69mmol)のN,N−ビス(2−ピリジルメチル)
−N−メチルアミンを50mlのアセトニトリルに溶解
し、Mn(ClO4)2・6H2O1gを加えた。更に、2
0mlのアセトニトリルに溶解したn−Bu4NMnO4
0.66gをゆっくりと滴下し、1時間撹拌を行った。
エバポレータで溶媒を留去した後、MeOH80ml加
え50℃で1時間撹拌した。濾別した沈殿物からアセト
ニトリルで抽出を行い、トルエンを加えて再結晶を行っ
た。析出した結晶を濾取することにより、目的の錯体ヘ
キサ−(μ−オキソ)−テトラ[N,N−ビス(2−ピ
リジルメチル)−N−メチルアミン]−テトラマンガン
(IV、IV、IV、IV)過塩素酸塩の暗緑色の結晶が0.5
1g得られた。
【0025】実施例3(錯体Cの合成) <テトラ(μ−オキソ)−モノ(ヒドロキソ)−トリス
[N,N−ビス(2−ピリジルメチル)−N−エチルア
ミン]−トリマンガン(IV、IV、IV)過塩素酸塩の合成
>1g(4.40mmol)のN,N−ビス(2−ピリ
ジルメチル)−N−エチルアミンを40mlのエタノー
ルに溶解した。次いで、Mn(OAc)3・2H2Oを1.
17g(4.4mmol)加え室温で15分撹拌後、濾
過を行った。得られた濾液に過塩素酸(70%)4.8
mlをゆっくりと10分かけて滴下、更に室温で一時間
撹拌を行い沈殿物を得た。これをエタノールで洗浄し、
減圧下で乾燥した。得られた化合物を40mlのアセト
ニトリルに溶解し、200mlの水を加え1.5時間撹
拌、続けて過塩素酸ナトリウム一水和物3gを40ml
の水溶液とし、これを加え更に3.5時間撹拌、赤褐色
の微細結晶が析出した結晶が生成した。濾取することに
より、目的の錯体テトラ(μ−オキソ)−モノ(ヒドロ
キソ)−トリス[N,N−ビス(2−ピリジルメチル)
−N−エチルアミン]−トリマンガン(IV、IV、IV)過
塩素酸塩の赤褐色の結晶が0.46g得られた。
【0026】実施例4(錯体Dの合成) <ヘキサ−(μ−オキソ)−テトラ[N,N−ビス(2
−ピリジルメチル)−N−エチルアミン]−テトラマン
ガン(IV、IV、IV、IV)過塩素酸塩の合成>1g(4.
40mmol)のN,N−ビス(2−ピリジルメチル)
−N−エチルアミンを50mlのアセトニトリルに溶解
し、Mn(ClO4)2・6H2O1gを加えた。更に、2
0mlのアセトニトリルに溶解したn−Bu4NMnO4
0.64gをゆっくりと滴下し、1時間撹拌を行った。
エバポレータで溶媒を留去した後、MeOH80ml加
え50℃で1時間撹拌した。濾別した沈殿物からアセト
ニトリルで抽出を行い、トルエンを加えて再結晶を行っ
た。析出した結晶を濾取することにより、目的の錯体ヘ
キサ−(μ−オキソ)−テトラ[N,N−ビス(2−ピ
リジルメチル)−N−エチルアミン]−テトラマンガン
(IV、IV、IV、IV)過塩素酸塩の暗緑色の結晶が0.5
5g得られた。
【0027】比較例1(錯体Eの合成) <ビス−(μ−アセタト)−(μ−オキソ)−ビス
[(2−2’−ジピコリルメチルアミン)マンガン(II
I)]過塩素酸塩の合成>超音波で脱気したエタノール
−水混合溶液(50vol%)中に、N,N−ビス(2
−ピリジルメチル)−N−メチルアミン1.00g
(4.69mmol)、酢酸マンガン2水和物(III)
1.26g(4.69mmol)、酢酸ナトリウム1.
01g(14.0mmol)を添加した。続いて、過塩
素酸を用いてpHを5に調整し、過塩素酸ナトリウム
1.60g(13.1mmol)を添加した。ここまで
の操作は窒素気流下で行った。この溶液を室温で4日間
放置し、析出した結晶を濾取することにより、目的の錯
体ビス−(μ−アセタト)−(μ−オキソ)−ビス
[[N,N−ビス(2−ピリジルメチル)−N−メチル
アミン]マンガン(III)]過塩素酸塩の黒色針状結晶
を得た。
【0028】構造解析例 4軸単結晶解析計(siemens smart)及び構造解析ソフ
ト(shelxtl)を用いて錯体A,B,C,D,Eの結晶
構造を解析した。その結果、A,Cは4つの酸素に架橋
されたMn(IV)の三核錯体であり、三つのMnのうち
ひとつには水酸基が配位し、三つの配位子はそれぞれの
Mnに対しfacに配位していた。また、B,Dは6つ
の酸素に架橋されたMnの四核錯体であり、三核錯体同
様配位子がMnにfacで配位していた。錯体Eは複核
錯体であり、架橋配位子として酸素をひとつ、アセテー
トを二つ持つ構造であった。得られた解析結果のうち、
錯体中の主要結合距離を表2〜表6に、また錯体A,
B,EのORTEP図を図1〜図3に示す。
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】実施例5 過酸化水素0.17%、実施例1、2及び比較例で得ら
れた錯体A、B及びEのそれぞれを所定量調整し、pH
調整剤として炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムを用
いてpH10の漂白溶液を調整した。調整後に紅茶染み
で汚染した木綿の試験布を室温で30分浸漬した。30
分経過後、水洗いし、乾燥した。布の色差測定から下記
のようにして漂白向上度を求めた。
【0035】 漂白向上度=(A−B)−(A−C)=C−B A:染み汚染後の試験布と染み汚染前の試験布との色差
(ΔE*ab) B:漂白試験後の試験布と染み汚染前の試験布との色差 C:過酸化水素のみでの漂白試験後の試験布と染み汚染
前の試験布との色差
【0036】錯体中の含入Mn量を表7に、また漂白向
上度を表8に示す。表8から明らかなように、本発明の
漂白剤組成物は、比較例の本発明と同様な配位子を持っ
たマンガン二核錯体含有組成物に比べ、漂白率向上に著
しい効果を奏することが分かる。
【0037】
【表7】
【0038】
【表8】
【0039】実施例6 過酸化水素0.17%、実施例3、4及び比較例で得ら
れた錯体C、D及びEのそれぞれを所定量調整し、pH
調整剤として炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムを用
いてpH10の漂白溶液を調整した。調整後に紅茶染み
で汚染した木綿の試験布を室温で30分浸漬した。30
分経過後、水洗いし、乾燥した。布の色差測定から実施
例5と同様にして漂白向上度を求めた。錯体中の含入M
n量を表9に、また漂白向上度を表10に示す。表10
から明らかなように、本発明の漂白剤組成物は、比較例
のマンガン二核錯体含有組成物に比べ、漂白率向上に著
しい効果を奏することがわかる。
【0040】
【表9】
【0041】
【表10】
【0042】実施例7 実施例1〜4及び比較例で得られた錯体A〜Eのそれぞ
れの錯体の含入Mn量が0.05mMとなるよう調整し
た水溶液20mlをスクリューバイアル瓶中で蓋をし、
室温にて静置した。水溶液の色調の変化、析出物の有無
から水溶液中での錯体の安定性を下記基準で評価した。
その結果を表11に示す。表11から明らかなように、
本発明の錯体は比較例のマンガン二核錯体に比べ、著し
く水溶液中での安定性が向上していることがわかる。 ○・・・・・変化なし △・・・・・溶液が濁っている ×・・・・・析出物確認
【0043】
【表11】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた錯体AのORTEP図であ
る。
【図2】実施例2で得られた錯体BのORTEP図であ
る。
【図3】比較例で得られた錯体EのORTEP図であ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示される構造の配位
    子を有するMn三核又は四核錯体からなることを特徴と
    する漂白活性化触媒。 【化1】 (式中、Rは低級アルキル基を表す。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の漂白活性化触媒とペルオ
    キシ化合物とを含有することを特徴とする漂白剤組成
    物。
JP11046354A 1998-02-24 1999-02-24 漂白活性化触媒及び該触媒を含有する漂白剤組成物 Pending JPH11314039A (ja)

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