JPH113128A - 計算機ホログラム表示装置 - Google Patents

計算機ホログラム表示装置

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JPH113128A
JPH113128A JP9153956A JP15395697A JPH113128A JP H113128 A JPH113128 A JP H113128A JP 9153956 A JP9153956 A JP 9153956A JP 15395697 A JP15395697 A JP 15395697A JP H113128 A JPH113128 A JP H113128A
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  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ない計算量で短時間に陰面消去処理が可能
であって、視点追従方式の場合にも好適に適用できる計
算機ホログラム表示装置を提供する。 【解決手段】 データ記憶部21に予め記憶された物体
の座標値および輝度値は、アフィン変換部22により視
点追従等の処理がなされ、透視変換部23により透視変
換される。内部座標値発生部24、選択部26、輝度値
メモリ27、距離メモリ28および距離比較部29によ
り陰面消去処理が施される。陰面消去処理後の座標値お
よび輝度値は、逆透視変換部30により逆透視変換さ
れ、ホログラム座標変換部31およびホログラム計算部
32により波面計算がなされてホログラムデータが計算
される。ホログラムデータに基づいて空間光変調素子1
3にホログラムが形成され、光源11から出射された可
干渉光が空間光変調素子13に照射されると物体像が再
生される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3次元物体の像を
再生・表示する計算機ホログラム表示装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】計算機ホログラム表示装置において、再
生・表示すべき3次元物体について陰面消去処理を施し
てホログラムを計算し、その陰面消去処理がなされたホ
ログラムに参照波を照射して、3次元物体像を再生して
いる。陰面消去処理は、物体の背面(視点から見えない
面)から発生する波面を消去して、物体の表面(視点か
ら見える面)から発生する波面のみが視点に到達するよ
う計算するものである。この陰面消去処理に関して以下
のような種々の手法が知られている。
【0003】例えば、視点から遠い位置で発生した波面
が、視点に近い側にある物体の部分によって影響を受
け、これにより生じた2次回折波を伴って観測面に到達
するとの考慮の下に、陰面消去を行う技術が知られてい
る(「光学情報処理」、朝倉書店、pp.249-254を参
照)。この技術では、3次元物体を多数の2次元断層の
集合として考え、視点から遠いところにある断層で発生
した波面をフレネル変換することにより、視点側に隣接
する次の断層に到達する波面を求める。そして、その断
層が透過率分布を有するときには、到達した波面と透過
率分布との積を求めて、この積を新たな波面とする。一
方、その断層が不透明である場合であって、且つ、その
断層が発光または反射光を発生するものである場合に
は、その発光または反射光を新たな波面とする。このよ
うにして求めた新たな波面をフレネル変換することによ
り、更に視点側に隣接する次の断層における波面を求め
る。このような処理を全ての断層について行うことによ
り、陰面消去された3次元物体の計算機ホログラムを得
る。
【0004】この手法は、視点を考察する必要がなく、
多視点に対応している点で優れており、また、回折の効
果をも考慮している点でも優れている。しかし、各断層
の各位置においてフレネル変換する必要があることか
ら、計算量が極めて膨大であるという問題点がある。特
に、物体を緻密に表示しようとすれば、断層の数を増や
し、且つ、各断層における計算点の数を増やす必要があ
るが、このことは計算量の爆発的な増大につながる。
【0005】そこで、計算量を削減する手法が幾つか知
られている。例えば、視点から遠い位置で発生した波面
が視点に近い側にある物体の部分により影響を受けて2
次回折波が生じる効果を無視し、コンピュータグラフィ
ックの手法である scan linemethod や ray tracingの
手法による陰面消去処理をホログラム計算に採り入れた
ものが知られている(例えば、M.Yamaguchi, et al., "
Holographic three-dimensional printer: new metho
d", Appl. Opt. Vol.31, No.2, pp.217-222 (1992)、特
開平6−67591号公報、特開平6−102811号
公報、および、特開平6−130881)。
【0006】scan line method や ray tracing の手法
による陰面消去処理では、視点より物体表面の各点を通
る直線を想定し、その直線と物体表面との交点が複数存
在する場合には、その複数の交点について視点からの遠
近を判定し、最も視点に近い交点を採用する。そして、
その採用された交点それぞれで発生してホログラム面ま
で伝搬する波面を計算することにより、陰面消去された
3次元物体の計算機ホログラムを得る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、scan l
ine method や ray tracing の手法による陰面消去処理
の場合であっても、視点からの直線それぞれについて、
その直線と物体との交点の座標値を求めるために方程式
を解く必要があることから、計算量は依然として多い。
【0008】一方、比較的小さいホログラムとすること
で計算量を削減し、その一方で視域を拡大することがで
きる視点追従方式の計算機ホログラム表示装置が知られ
ている(深谷ら、「視点追従方式ホログラフィックディ
スプレイの検討」、画像電子学会誌、第24巻、第5号、
pp.38-43 (1995) 、および、N.Fukaya, et al., "Eye-P
osition Tracking Type Electro-Holographic Display
Using Liquid CrystalDevices", Asia Display '95 Pro
c., S36-5 (1995))。この手法では、視域を拡げたまま
で計算するので、ホログラムの計算方法自体の効率が悪
い。また、陰面消去処理については何等言及していな
い。
【0009】このような視点追従方式の計算機ホログラ
ム表示装置の場合には、視点位置に対応した陰面消去処
理が施されたホログラムを短時間に計算する必要がある
ため、特に、陰面消去処理の際の計算量の削減が求めら
れている。
【0010】本発明は、上記問題点を解消する為になさ
れたものであり、少ない計算量で短時間に陰面消去処理
が可能であって、視点追従方式の場合にも好適に適用で
きる計算機ホログラム表示装置を提供することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の計算
機ホログラム表示装置は、(1) 再生すべき物体像を透視
変換してスクリーン座標系で表現する透視変換手段と、
(2) スクリーン座標系で表された物体像上の各点と視点
との間の距離に基づいて陰面消去する陰面消去手段と、
(3) 陰面消去処理手段により陰面消去されたスクリーン
座標系上の物体像を逆透視変換して実空間上の座標系で
表現する逆透視変換手段と、(4) 逆透視変換手段により
実空間上の座標系で表現された物体像に基づいて波面計
算してホログラムデータを求めるホログラム計算手段
と、(5) ホログラムデータに基づいてホログラムを形成
するホログラム形成手段と、(6) ホログラムに可干渉光
を照射して物体像を再生する再生手段と、を備えること
を特徴とする。
【0012】この第1の計算機ホログラム表示装置によ
れば、再生すべき物体像は、透視変換手段により、透視
変換されてスクリーン座標系で表現され、陰面消去手段
により、そのスクリーン座標系で表された物体像上の各
点と視点との間の距離に基づいて陰面消去される。この
陰面消去されたスクリーン座標系上の物体像は、逆透視
変換手段により、逆透視変換されて実空間上の座標系で
表現され、ホログラム計算手段により、この実空間上の
座標系で表現された物体像に基づいて波面計算されてホ
ログラムデータが求められる。そして、ホログラム形成
手段により、このホログラムデータに基づいてホログラ
ムが形成され、再生手段により、ホログラムに可干渉光
が照射されて物体像が再生される。
【0013】また、本発明に係る第1の計算機ホログラ
ム表示装置は、さらに、(1) 視点の位置または変位を検
出する視点検出手段と、(2) 視点検出手段により検出さ
れた視点の位置または変位に基づいて、再生すべき物体
像をアフィン変換するアフィン変換手段と、(3) 視点検
出手段により検出された視点の位置または変位に基づい
て、再生手段の光軸を制御する制御手段と、を更に備え
ることを特徴とする。この場合には、再生すべき物体像
は、視点検出手段により検出された視点の位置または変
位に基づいてアフィン変換手段によりアフィン変換さ
れ、その後、透視変換手段、陰面消去手段、逆透視変換
手段、ホログラム計算手段、ホログラム形成手段および
再生手段により再生される。このとき、再生手段の光軸
は、視点検出手段により検出された視点の位置または変
位に基づいて制御手段により制御されるので、視点の変
位に追従することができる。
【0014】また、本発明に係る第2の計算機ホログラ
ム表示装置は、(1) レンズの焦点位置に置かれた視点か
ら観たときに再生すべき物体像を結像し得る実像を実空
間上の座標系で求める実像変換手段と、(2) 実像上の各
点と視点との間の距離に基づいて陰面消去する陰面消去
手段と、(3) 陰面消去処理手段により陰面消去された実
像に基づいて波面計算してホログラムデータを求めるホ
ログラム計算手段と、(4) ホログラムデータに基づいて
ホログラムを形成するホログラム形成手段と、(5) ホロ
グラムに可干渉光を照射して実像を再生する再生手段
と、(6) レンズの結像機能と略同等の結像機能を有し、
再生手段により再生された実像に基づいて物体像を結像
する結像光学系と、を備えることを特徴とする。
【0015】この第2の計算機ホログラム表示装置によ
れば、実像変換手段により、レンズの焦点位置に置かれ
た視点から観たときに再生すべき物体像を結像し得る実
像が実空間上の座標系で求められ、陰面消去手段によ
り、その実像上の各点と視点との間の距離に基づいて陰
面消去される。ホログラム計算手段により、この陰面消
去された実像に基づいて波面計算されてホログラムデー
タが求められ、ホログラム形成手段により、このホログ
ラムデータに基づいてホログラムが形成される。そし
て、再生手段により、ホログラムに可干渉光が照射され
て実像が再生され、結像光学系により、再生手段により
再生された実像に基づいて物体像が結像される。
【0016】また、本発明に係る第2の計算機ホログラ
ム表示装置は、さらに、(1) 視点の位置または変位を検
出する視点検出手段と、(2) 視点検出手段により検出さ
れた視点の位置または変位に基づいて、再生すべき物体
像をアフィン変換するアフィン変換手段と、(3) 視点検
出手段により検出された視点の位置または変位に基づい
て、結像光学系の光軸を制御する制御手段と、を更に備
えることを特徴とする。この場合には、再生すべき物体
像は、視点検出手段により検出された視点の位置または
変位に基づいてアフィン変換手段によりアフィン変換さ
れ、その後、実像変換手段、陰面消去手段、ホログラム
計算手段、ホログラム形成手段、再生手段および結像光
学系により再生される。このとき、結像光学系の光軸
は、視点検出手段により検出された視点の位置または変
位に基づいて制御手段により制御されるので、視点の変
位に追従することができる。
【0017】また、本発明に係る第2の計算機ホログラ
ム表示装置では、さらに、結像光学系が、(a) ホログラ
ムとは反対側の焦点面上に配され、0次光を遮光する0
次光遮光手段と、(b) ホログラムとは反対側の焦点面上
に配され、再生手段により再生された実像の共役像の波
面を遮光する共役像遮光手段と、を備えることを特徴と
する。この場合には、再生手段から結像光学系を経て視
点に向かう0次光は、0次光遮光手段により遮光され、
また、再生手段により再生された実像の共役像の波面
は、共役像遮光手段により遮光されるので、 in-line型
に特有の共役像に因る再生像の劣化が防止される。
【0018】また、本発明に係る第1および第2の計算
機ホログラム表示装置それぞれにおいて、さらに、(1)
再生すべき物体像の平行移動、回転または拡大/縮小を
指示する指示手段と、(2) 指示手段により指示された平
行移動、回転または拡大/縮小に基づいて、再生すべき
物体像をアフィン変換するアフィン変換手段と、を更に
備えることを特徴とする。この場合には、再生すべき物
体像の平行移動、回転または拡大/縮小が指示手段によ
り指示され、この指示に基づいて、再生すべき物体像が
アフィン変換手段によりアフィン変換手段されるので、
再生される像は、指示手段に依る指示に基づいて平行移
動、回転または拡大/縮小されたものとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。尚、図面の説明におい
て同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省
略する。
【0020】本実施形態に係る計算機ホログラム表示装
置の説明に先だって、本実施形態において用いる陰面消
去処理の手法であるzバッファ法(zソート法とも呼ば
れる)について説明する。
【0021】このzバッファ法では、先ず、表示すべき
物体の表面を複数の多角形平面で構成し、その複数の多
角形平面それぞれの各頂点の座標値を、その物体の中心
位置を原点とする物体座標系で表示する。次に、各頂点
座標値を、ワールド座標系で表したデータに変換し、さ
らに、実空間上の視点座標系(xe,ye,ze)で表したデータ
に変換する。この視点座標系は、視点(ホログラムを観
る者の目の位置)を原点とし、ホログラム面(ホログラ
ムが形成されるべき面)に垂直であってホログラム面に
向かう方向をze軸とするものである。
【0022】そして、この各頂点座標値で表される複数
の多角形平面で構成される多角形平面体の内部(表面を
も含む。以下同じ。)の各点の座標値を、視点座標系(x
e,ye,ze)で表したデータから、仮想空間上のスクリーン
座標系(x,y,z) で表したデータに変換する。この変換に
際しては、多角形平面体の内部の各点について、
【数1】 なる演算を行う。この変換を透視変換と呼ぶ。このスク
リーン座標系(x,y,z) も、視点を原点とし、ホログラム
面に垂直であってホログラム面に向かう方向を z軸とす
るものである。
【0023】この視点座標系からスクリーン座標系への
透視変換は、 xe,ye座標値についてはze座標値により除
算することにより視野角(視線の方位)へ変換すること
に相当し、また、ze座標値についてはその逆数をとるこ
とにより直線から直線へ変換することに相当する。すな
わち、この透視変換は、視点から見た同一の視線上にあ
る多角形平面体内部の点をスクリーン座標系における同
一の x,y座標値に変換する。また、透視変換は、 x,y座
標値が同一であれば、視点に近い点ほど大きいz座標値
に変換する。
【0024】したがって、スクリーン座標系で表した多
角形平面体内部の各点それぞれについて、同一の x,y座
標値で表される複数の頂点が存在した場合に、そのうち
で最も z座標値が大きい点(すなわち、最も視点に近い
点)を選択することにより、視点から見える点のみが選
択され、陰面消去処理がなされることになる。
【0025】このように同一の x,y座標値である各点の
中から最小の z座標値である点を選択するに際して、具
体的には、例えば以下のようにして行う。すなわち、記
憶素子を用意し、多角形平面体の内部の各点について、
その x,y座標値に対応するアドレスにその z座標値を記
憶する。もし、そのアドレス( x,y座標値)にデータ
( z座標値)が既に記憶されている場合には、その記憶
されているデータ( z座標値)と新たな z座標値とのう
ち大きな値を記憶素子に記憶する。このとき、その点に
対応する輝度データをも記憶する。このようにすること
により、視点から見た物体は、スクリーン座標系におい
て陰面消去処理され、 x,y座標値で表された視野角、 z
座標値で表された距離、および、輝度データで表され
る。
【0026】続いて、以上のようにして得られたスクリ
ーン座標系(x,y,z) 上のデータを、再び実空間上の視点
座標系(xe,ye,ze)に変換する。この変換に際しては、ス
クリーン座標系上の各 x,y座標値それぞれ、および、こ
れに対応する z座標値について、
【数2】 なる演算を行う。これを逆透視変換という。この逆透視
変換で得られた視点座標系上のデータは、陰面消去処理
が既に施されたものであるので、直ちに波面伝搬の計算
を行うことができる。したがって、この逆透視変換で得
られた視点座標系上のデータに基づいて、物体からホロ
グラム面までの波面を計算することにより、陰面消去処
理の施されたホログラムを得ることができる。この波面
の計算に際しては、FFT(Fast Fourier Transform)
を用いたフレネル変換法や球面波法が用いられる。
【0027】以上説明したzバッファ法に基づく陰面消
去処理は、従来技術に比べれば、計算量が極めて少ない
ものである。しかし、上記 (1)式に依る透視変換は、表
示すべき物体の表面を構成する複数の多角形平面それぞ
れの各頂点についてのみ行うものであるのに対し、上記
(2)式に依る逆透視変換は、陰面消去処理により得られ
た多角形平面体の表面の全ての点について行うものであ
る。したがって、物体がスクリーン座標系において広い
範囲を占めるものである場合には、上記 (2)式に依る逆
透視変換は、計算を間引くにしても、その計算量が多
い。
【0028】次に、zバッファ法に基づくものであって
逆透視変換が不要である陰面消去処理について説明す
る。この陰面消去処理では、逆透視変換が不要であるの
で、更に計算量が少なくて済む。この陰面消去処理で
は、スクリーン座標系(x,y,z) とホログラム座標系(xh,
yh,zh)とが x,y成分( xh,yh成分)に関して実質的に一
致するよう光学系を工夫し、これにより逆透視変換を不
要とする。図1は、逆透視変換を不要とする光学系の説
明図である。
【0029】この図に示すように、視点1は、焦点距離
fのレンズ2の光軸上の焦点位置にある。その視点1の
位置が、視点座標系(xe,ye,ze)およびスクリーン座標系
(x,y,z) それぞれの原点である。また、視点1からレン
ズ2の中心位置へ向かう方向が、視点座標系(xe,ye,ze)
およびスクリーン座標系(x,y,z) それぞれのze方向およ
び z方向それぞれである。空間光変調素子3は、視点1
とは反対側のレンズ2の光軸上であって、レンズ2の中
心位置から距離pの位置に、光軸に垂直に配されてい
る。そして、空間光変調素子3にホログラムを形成し、
この空間光変調素子3の左方から可干渉平行光を照射し
て、空間光変調素子3の右方に物体の実像(real imag
e)を再生し、視点1からレンズ2を介して虚像(virtu
al image )を観るものとする。
【0030】このとき、物体の虚像の各点のxo,yo,zo座
標値それぞれを視点座標系(xe,ye,ze)で表すと、物体の
実像の対応する点の x,y,z座標値それぞれは、
【数3】 なる変換式により得られる。また、近軸領域では、ガウ
スの結像公式より、
【数4】 なる変換式により近似して変換してもよい。
【0031】この (3)式(または (4)式)と上記 (1)式
とを比較すると、(3)式(または (4)式)で得られる x,
y座標値は、(1)式で得られる x,y座標値に対して、レン
ズ2の焦点距離fを乗じただけの相違しかない。すなわ
ち、 x,y座標成分のみ見れば、スクリーン座標系とホロ
グラム座標系とは、実質的に互いに一致している。そこ
で、 (3)式(または (4)式)で得られた x,y座標値を、
この物体の実像の各点をホログラム座標系(xh,yh,zh)で
表したときの xh,yh座標値とする。ここで、ホログラム
座標系(xh,yh,zh)は、空間光変調素子3とレンズ2の光
軸との交点を原点とし、レンズ2の光軸に平行であって
レンズ2に向かう方向をzh軸とするものである。
【0032】また、 x,y座標値については、 (1)式によ
る変換で得られるスクリーン座標系の空間は仮想上のも
のであるので、波面の伝搬は直接には計算することがで
きない。これに対して、 (3)式による変換で得られるホ
ログラム座標系は実空間上のものであるので、その変換
後に視点座標系に戻すことなく、ホログラム面(空間光
変調素子3が配置されている面)上における波面は、F
FTによるフレネル変換法または球面波法により直接に
計算することができる。
【0033】したがって、物体の実像の各点を視点座標
系(xe,ye,ze)で表した座標値を、ホログラム座標系(xh,
yh,zh)で表した座標値に変換するには、 xh,yh座標値に
ついては、上記 (3)式により得られる x,y座標値から直
ちに求め、一方、zh座標値については、
【数5】 なる変換式で求める。そして、ホログラム座標系(xh,y
h,zh)で表された物体の実像の各点から空間光変調素子
3へ伝搬する波面を計算することにより、ホログラムを
作成することができる。
【0034】(第1の実施形態)次に、第1の実施形態
について説明する。図2は、第1の実施形態に係る計算
機ホログラム表示装置の構成図である。本実施形態は、
zバッファ法を採用し、上述の透視変換および逆透視変
換を行ってホログラムを計算し表示するものである。
【0035】この計算機ホログラム表示装置における表
示部10の構成ならびに各座標系について先ず説明す
る。表示部10は、可干渉光であるレーザ光を出力する
光源11と、そのレーザ光の光束径を拡げて平行光束と
するコリメータ12と、その平行光束とされたレーザ光
を参照波として入力し物体の実像または虚像を再生する
空間光変調素子13とを備えて構成されており、これら
は互いに一体に固定されていて、制御部14により光軸
方向が制御される。
【0036】視点1は、空間光変調素子13について光
源11およびコリメータ12の反対側であって距離pの
位置にある。視点位置検出器15は、視点1の位置を検
出して、その情報を制御部14に与える。制御部14
は、視点位置検出器15により検出された視点1の位置
の情報に基づいて、表示部10の光軸上に視点1が存在
するように表示部10の光軸方向を制御する。これによ
り視域を拡大している。なお、この図では、制御部14
は虚像が再生される位置(物体座標系の原点)を中心に
表示部10を回転する場合について示している。
【0037】視点座標系(xe,ye,ze)は、視点1を原点と
し、空間光変調素子13に向かう方向をze軸とする。ス
クリーン座標系(x,y,z) も同様に、視点1を原点とし、
空間光変調素子13に向かう方向を z軸とする。物体座
標系(xo,yo,zo)は、再生されるべき物体の像(実像およ
び虚像の何れか)に設定された座標系である。ホログラ
ム座標系(xh,yh,zh)は、ホログラムが形成される空間光
変調素子13に設定された座標である。本実施形態で
は、ワールド座標系と視点座標系とを同一のものとして
いる。なお、これらの座標系のうち、スクリーン座標系
は仮想空間上のものであり、その他の座標系は実空間上
のものである。
【0038】なお、表示部10の光軸上に常に視点1が
存在するよう制御部14および視点位置検出器15によ
り制御されるので、視点座標系(xe,ye,ze)のxe,ye,ze軸
それぞれ、スクリーン座標系(x,y,z) の x,y,z軸それぞ
れ、物体座標系(xo,yo,zo)のxo,yo,zo軸それぞれ、およ
び、ホログラム座標系(xh,yh,zh)のxh,yh,zh軸それぞれ
は、常に互いに平行である。
【0039】また、実像を再生する場合には、物体座標
系(xo,yo,zo)の原点は、ホログラム座標系(xh,yh,zh)の
原点から視点1の方向に距離lの位置(視点1から距離
mの位置)にあるものとし、虚像を再生する場合には、
物体座標系(xo,yo,zo)の原点は、ホログラム座標系(xh,
yh,zh)の原点から光源11の方向に距離lの位置(視点
1から距離m+2lの位置)にあるものとする。
【0040】指示部16は、再生される物体の実像また
は虚像の平行移動、回転または拡大/縮小を指示するも
のであり、例えば、キーボード、マウスまたはジョイス
ティック等が好適に用いられる。また、データ記憶部2
1は、再生すべき物体を表す多角形平面体の各頂点それ
ぞれについて物体座標系(xo,yo,zo)で表した座標値およ
び輝度値(色情報をも含む。以下同じ。)を記憶してい
る。
【0041】アフィン変換部22は、データ記憶部21
に記憶されている多角形平面体の各頂点を物体座標系(x
o,yo,zo)で表した座標値および輝度値、指示部16を介
して指示された再生像の平行移動、回転または拡大/縮
小に関する情報、ならびに、視点位置検出器15により
検出された視点1の変位量を入力して、
【数6】 なる演算を行って、多角形平面体の各頂点を視点座標系
(xe,ye,ze)で表した座標値を出力する。
【0042】ここで、行列Tdは、再生像を平行移動さ
せるためのものであり、行列Trxは、再生像をxo軸の
回りに回転させるためのものであり、行列Tryは、再
生像をyo軸の回りに回転させるためのものであり、行列
Trzは、再生像をzo軸の回りに回転させるためのもの
であり、行列Tsは、再生像を拡大/縮小させるための
ものである。
【0043】指示部16より入力された再生像のxo,yo,
zo軸方向それぞれの平行移動量をtx,ty,tzそれぞれと
し、xo,yo,zo軸それぞれの回りの回転量をrx,ry,rzそれ
ぞれとし、xo,yo,zo軸方向それぞれの拡大縮小率をsx,s
y,szそれぞれとする。また、視点位置検出器15により
検出された視点1のxe,ye,ze軸方向それぞれの変位量を
Δex,Δey,Δezそれぞれとする。このとき、行列Td,
Trx,Try,TrzおよびTsそれぞれは以下のよ
うに表される。
【0044】すなわち、行列Tdは、
【数7】 で表される。
【0045】行列Trxは、
【数8】 で表される。
【0046】行列Tryは、
【数9】 で表される。
【0047】行列Trzは、
【数10】 で表される。
【0048】また、行列Tsは、
【数11】 で表される。
【0049】透視変換部23は、アフィン変換部22か
ら出力された多角形平面体の各頂点を視点座標系(xe,y
e,ze)で表した座標値および輝度値を入力し、
【数12】 なる変換式で表される透視変換を行って、多角形平面体
の各頂点をスクリーン座標系(x,y,z) で表した座標値お
よび輝度値を出力する。
【0050】内部座標値発生部24は、透視変換部23
から出力された多角形平面体の各頂点をスクリーン座標
系(x,y,z) で表した座標値および輝度値を入力し、その
多角形平面体の内部の全ての点の x,y,z座標値それぞれ
を順次に発生して出力し、また、輝度値をシェーディン
グ処理やビットマップ処理して出力する。この多角形平
面体の内部の全ての点の座標値の発生に際しては、多角
形平面体を構成する複数の多角形平面それぞれを適宜2
分割し、それぞれの端の2点を順次更新し、その2点の
座標値の差を(Δx,Δy,Δz) をスクリーン座標系上のホ
ログラムのピッチで除算したものを定数として逐次加算
し、内部の全ての画素の x,y,z座標値を求める。
【0051】なお、本実施形態は、透視変換部23の後
段に内部座標値発生部24を設けて、多角形平面体の各
頂点それぞれについてのみ透視変換するものであるが、
視点座標系における直線は透視変換後でもスクリーン座
標系における直線となるので、内部座標値発生部24の
後段に透視変換部23を設けてもよい。
【0052】スクリーン座標値発生部25は、スクリー
ン座標系における x,y平面上の全ての点の x,y座標値そ
れぞれを順次に発生し出力する。
【0053】アドレス選択部26は、内部座標値発生部
24から出力された x,y座標値と、スクリーン座標値発
生部25から出力された x,y座標値とを入力し、それら
の何れか一方を選択して出力する。このアドレス選択部
26から出力された x,y座標値は、輝度値メモリ27お
よび距離メモリ28それぞれにアドレスとして入力す
る。
【0054】輝度値メモリ27は、内部座標値発生部2
4から出力された輝度値を、アドレス選択部26から出
力された x,y座標値で示されるアドレスに記憶する。距
離メモリ28は、内部座標値発生部24から出力された
z座標値を、アドレス選択部26から出力された x,y座
標値で示されるアドレスに記憶する。また、輝度値メモ
リ27および距離メモリ28それぞれは、二重バンク構
造となっており、一方のバンクでその記憶内容を更新
し、同時に、他方のバンクでその記憶内容を読み出すこ
とができる。
【0055】すなわち、アドレス選択部26は、内部座
標値発生部24から出力された x,y座標値を、輝度値メ
モリ27および距離メモリ28それぞれの一方のバンク
の更新記憶時のアドレスとし、スクリーン座標値発生部
25から出力された x,y座標値を、他方のバンクの読出
時のアドレスとする。
【0056】距離比較部29は、アドレス選択部26か
ら出力された x,y座標値で示されるアドレスに距離メモ
リ28が既に記憶している z座標値と、内部座標値発生
部24から新たに出力された z座標値とを大小比較す
る。そして、距離比較部29は、後者の値が大きい(す
なわち、視点1に近い)と判断した場合には、輝度値メ
モリ27および距離メモリ28それぞれに対して書込許
可信号を出力し、内部座標値発生部24から新たに出力
された輝度値および z座標値それぞれを更新記憶するこ
とを指示する。距離比較部29は、この操作を多角形平
面体の内部の全ての点について行う。なお、距離メモリ
28は、初期状態においては、距離比較部29が書込許
可信号を必ず出力し得る内容を全てのアドレスに記憶し
ている。
【0057】このようにして、多角形平面体の内部の全
ての点について距離比較部29により内容が更新記憶さ
れた輝度値メモリ27および距離メモリ28それぞれ
は、zバッファ法に基づく陰面消去処理がなされた輝度
値およびスクリーン座標系で表した z座標値それぞれを
保持している。そこで、輝度値メモリ27および距離メ
モリ28それぞれは、スクリーン座標値発生部25から
出力されアドレス選択部26を経て到達した x,y座標値
をアドレスとして順次入力し、そのアドレスに記憶され
ている輝度値および z座標値それぞれを順次出力する。
【0058】逆透視変換部30は、スクリーン座標値発
生部25から出力された x,y座標値、ならびに、その
x.y座標値に応じて輝度値メモリ27および距離メモリ
28それぞれから出力された輝度値および z座標値それ
ぞれを入力し、
【数13】 なる変換を行って、視点座標系(xe,ye,ze)で表された座
標値に逆透視変換する。
【0059】さらに、ホログラム座標変換部31は、逆
透視変換部30から出力された視点座標系(xe,ye,ze)で
表された座標値および輝度値を入力し、
【数14】 なる変換を行って、ホログラム座標系(xh,yh,zh)で表さ
れた座標値に変換する。
【0060】そして、ホログラム計算部32は、ホログ
ラム座標変換部31から出力されたホログラム座標系(x
h,yh,zh)で表された座標値および輝度値を入力し、これ
らのデータに基づいて波面伝搬の計算を行い、空間光変
調素子13の位置における波面すなわちホログラムデー
タを計算する。この波面計算に際して、虚像を再生する
場合には、フレネル変換法や球面波法を用いて空間光変
調素子13上の波面を求め、実像を再生する場合には、
フレネル逆変換法や球面波法による計算の後に複素共役
をとって空間光変調素子13上の波面を求め、これをホ
ログラムデータとする。また、ホログラム計算部32
は、振幅および位相の双方または一方の変調が可能な空
間光変調素子13に、このホログラムデータを表示す
る。そして、空間光変調素子13は、光源11から出力
されたレーザ光がコリメータ12を介して照射される
と、物体の実像または虚像を再生する。
【0061】以上のように、本実施形態に係る計算機ホ
ログラム表示装置では、多角形平面体の各頂点の座標値
および輝度値は、データ記憶部21により、物体座標系
(xo,yo,zo)で表されて予め記憶されており、アフィン変
換部22により、平行移動、回転、拡大/縮小および視
点追従がなされて視点座標系(xe,ye,ze)で表され、透視
変換部23により透視変換されてスクリーン座標系(x,
y,z) で表される。さらに、内部座標値発生部24、選
択部26、輝度値メモリ27、距離メモリ28および距
離比較部29により、zバッファ法に基づく陰面消去処
理が施され、その陰面消去処理がなされた後の座標値お
よび輝度値は、距離メモリ28のアドレス( x,y座標
値)およびその記憶内容( z座標値)ならびに輝度値メ
モリ27の記憶内容として保持される。陰面消去処理後
の座標値および輝度値は、スクリーン座標値発生部25
により距離メモリ28および輝度値メモリ27から読み
出され、逆透視変換部30により視点座標系(xe,ye,ze)
に逆透視変換され、ホログラム座標変換部31によりホ
ログラム座標系(xh,yh,zh)に変換され、ホログラム計算
部32により波面計算がなされてホログラムデータが計
算される。そして、このホログラムデータに基づいて空
間光変調素子13にホログラムが形成され、光源11か
ら出射された可干渉光が空間光変調素子13に照射され
ると物体像(実像および虚像の何れか)が再生される。
【0062】このように、zバッファ法を採用したこと
により、従来技術に比べて計算量が少ないので、短時間
にホログラムを計算することができる。したがって、再
生像の平行移動、回転または拡大/縮小をスムーズに行
うことができ、また、高速に視点追従することができる
計算機ホログラム表示装置を実現することができる。
【0063】(第2の実施形態)次に、第2の実施形態
について説明する。図3は、第2の実施形態に係る計算
機ホログラム表示装置の構成図である。本実施形態は、
zバッファ法を採用し、上述の透視変換を行うが、光学
系を工夫して逆透視変換を行うことなく、ホログラムを
計算し表示するものである。
【0064】この計算機ホログラム表示装置における表
示部の構成ならびに各座標系について先ず説明する。こ
の表示部は、右視点1Rおよび左視点1Lそれぞれに対
応して設けられている。表示部のうち右視点1Rに対応
する部分は、可干渉光であるレーザ光を出力する光源1
1Rと、そのレーザ光の光束径を拡げて平行光束とする
コリメータ12Rと、その平行光束とされたレーザ光を
反射させるミラー41Rと、ミラー41Rにより反射さ
れたレーザ光を直線偏光にする偏光板42Rと、その直
線偏光とされたレーザ光を参照波として入力し物体の実
像を再生する空間光変調素子13Rと、空間光変調素子
13Rから出力された光のうちの所定方位の直線偏光成
分を透過させる偏光板43Rと、偏光板43Rから出力
された光を入力し物体の虚像を結像するレンズ44R
と、その光を順次反射させ視点1Rに到達させるミラー
45Rおよび46Rとを備えて構成されている。
【0065】これらのうち、光源11R、コリメータ1
2R、ミラー41R、偏光板42R、空間光変調素子1
3R、偏光板43Rおよびレンズ44Rは、互いに一体
にされ、位置が固定されている。一方、ミラー45Rお
よび46Rは、制御部14Rにより、視点位置検出器1
5Rにより検出された視点1Rの位置の情報に基づい
て、レンズ44Rの焦点位置に視点1Rが存在するよう
に制御される。
【0066】表示部のうちの左視点1Lに対応する部分
も、同様に、光源11Lと、コリメータ12Lと、ミラ
ー41Lと、偏光板42Lと、空間光変調素子13L
と、偏光板43Lと、レンズ44Lと、ミラー45Lお
よび46Lとを備えて構成されている。また、同様に、
これらのうち、光源11L、コリメータ12L、ミラー
41L、偏光板42L、空間光変調素子13L、偏光板
43Lおよびレンズ44Lは、互いに一体にされ、位置
が固定されている。一方、ミラー45Lおよび46L
は、制御部14Lにより、視点位置検出器15Lにより
検出された視点1Lの位置の情報に基づいて、レンズ4
4Lの焦点位置に視点1Lが存在するように制御され
る。これにより視域を拡大している。
【0067】右視点1Rについての視点座標系(xer,ye
r,zer) は、右視点1Rを原点とし、レンズ44Rの光
軸に平行であってレンズ44Rに向かう方向を zer軸と
する。また、同様に、左視点1Lについての視点座標系
(xel,yel,zel) は、左視点1Lを原点とし、レンズ44
Lの光軸に平行であってレンズ44Lに向かう方向を z
el軸とする。物体座標系(xo,yo,zo)は、再生されるべき
物体の虚像に設定された座標系であり、右視点1Rにつ
いての視点座標系の zer軸方向と左視点1Lについての
視点座標系の zel軸方向との交点を原点とし、右視点1
Rと左視点1Lとの中点に向かう方向をzo軸とする。ホ
ログラム座標系(xhr,yhr,zhr) および(xhl,yhl,zhl) そ
れぞれは、ホログラムが形成される空間光変調素子13
Rおよび13Lそれぞれに設定された座標である。本実
施形態では、ワールド座標系と物体座標系とを同一のも
のとしている。なお、これらの座標系は全て実空間上の
ものである。
【0068】右視点1Rと左視点1Lとの間の距離は、
初期状態では距離Wであるものとする。空間光変調素子
13Rとレンズ44Rとの距離をpとし、また、空間光
変調素子13Lとレンズ44Lとの距離もpとする。物
体座標系(xo,yo,zo)の原点から右視点1Rと左視点1L
との中点までの距離をmとする。
【0069】指示部16は、再生される物体の虚像の平
行移動、回転または拡大/縮小を指示するものであり、
例えば、キーボード、マウスまたはジョイスティック等
が好適に用いられる。また、データ記憶部21は、再生
すべき物体を表す多角形平面体の各頂点それぞれについ
て物体座標系(xo,yo,zo)で表した座標値および輝度値
(色情報をも含む。以下同じ。)を記憶している。
【0070】このデータ記憶部21に記憶されている座
標値および輝度値は、アフィン変換部22Rおよび22
Lそれぞれに入力し、これ以降、右視点1Rおよび左視
点1Lそれぞれに対応してホログラムが計算されるまで
の処理は、互いに独立した構成により行われる。以下で
は、先ず、右視点1Rに対応したホログラムを計算する
構成について説明する。
【0071】アフィン変換部22Rは、データ記憶部2
1に記憶されている多角形平面体の各頂点を物体座標系
(xo,yo,zo)で表した座標値および輝度値、指示部16を
介して指示された再生虚像の平行移動、回転または拡大
/縮小に関する情報、ならびに、視点位置検出器15R
により検出された右視点1Rの変位量を入力して、
【数15】 なる演算を行って、多角形平面体の各頂点を視点座標系
(xer,yer,zer) で表した座標値を出力する。
【0072】ここで、行列Trdは、再生虚像を平行移
動させるためのものであり、行列Trrxは、再生虚像
をxo軸の回りに回転させるためのものであり、行列Tr
ryは、再生虚像をyo軸の回りに回転させるためのもの
であり、行列Trrzは、再生虚像をzo軸の回りに回転
させるためのものであり、行列Trsは、再生虚像を拡
大/縮小させるためのものである。
【0073】指示部16より入力された再生虚像のxo,y
o,zo軸方向それぞれの平行移動量をtx,ty,tzそれぞれと
し、xo,yo,zo軸それぞれの回りの回転量をrx,ry,rzそれ
ぞれとし、xo,yo,zo軸方向それぞれの拡大縮小率をsx,s
y,szそれぞれとする。また、視点位置検出器15Rによ
り検出された右視点1Rの xer,yer,zer軸方向それぞれ
の変位量をΔerx,Δery,Δerz それぞれとする。このと
き、行列Trd,Trrx,Trry,Trrzおよび
Trsそれぞれは以下のように表される。
【0074】すなわち、行列Trdは、
【数16】 で表される。
【0075】行列Trrxは、
【数17】 で表される。
【0076】行列Trryは、
【数18】 で表される。
【0077】行列Trrzは、
【数19】 で表される。
【0078】また、行列Trsは、
【数20】 で表される。
【0079】内部座標値発生部24Rは、アフィン変換
部22Rから出力された多角形平面体の各頂点を視点座
標系(xer,yer,zer) で表した座標値および輝度値を入力
し、その多角形平面体の内部の全ての点の xer,yer,zer
座標値それぞれを順次に発生して出力し、また、輝度値
をシェーディング処理やビットマップ処理して出力す
る。この多角形平面体の内部の全ての点の座標値の発生
に際しては、多角形平面体を構成する複数の多角形平面
それぞれを適宜2分割し、それぞれの端の2点を順次更
新し、その2点の座標を一旦実像変換し、その2点のホ
ログラム座標系上での差を(Δxhr,Δyhr,Δzhr) をホロ
グラムのピッチで除算したサンプリング数を計算してこ
れを分割定数とし、実像変換以前の視点座標系(xer,ye
r,zer) での差(Δxer,Δyer,Δzer) をその分割定数で
除算し、これを定数として逐次加算し、内部の全ての画
素の xer,yer,zer座標値を求める。
【0080】実像変換部51Rは、内部座標値発生部2
4Rから出力された多角形平面体の内部の全ての点を視
点座標系(xer,yer,zer) で表した座標値および輝度値を
入力し、
【数21】 なる変換を行う。ここで、fは、レンズ44Rの焦点距
離である。この実像変換で得られた x,y座標値それぞれ
は、ホログラム座標系(xhr,yhr,zhr) における xhr,yhr
座標値それぞれと同一である。なお、近軸領域では、ガ
ウスの結像公式より、
【数22】 なる変換式により近似して変換してもよい。
【0081】ホログラム座標値発生部52Rは、ホログ
ラム座標系(xhr,yhr,zhr) におけるxhr,yhr平面上の全
ての点の xhr,yhr座標値それぞれを順次に発生し出力す
る。輝度値メモリ27Rおよび距離メモリ28Rそれぞ
れは、二重バンク構造となっており、一方のバンクでそ
の記憶内容を更新し、同時に、他方のバンクでその記憶
内容を読み出すことができる。輝度値メモリ27Rおよ
び距離メモリ28Rそれぞれは、実像変換部51Rから
出力された xhr,yhr座標値を更新記憶時のアドレスとし
て入力し、ホログラム座標値発生部52Rから出力され
た xhr,yhr座標値を読出時のアドレスとして入力する。
また、輝度値メモリ27Rは、実像変換部51Rから出
力された輝度値を更新記憶し又は読み出し、距離メモリ
28Rは、実像変換部51Rから出力された z座標値を
更新記憶し又は読み出す。
【0082】距離比較部29Rは、実像変換部51Rか
ら出力された xhr,yhr座標値で示されるアドレスに距離
メモリ28Rが既に記憶している z座標値と、実像変換
部51Rから新たに出力された z座標値とを大小比較す
る。そして、距離比較部29Rは、後者の値が大きい
(すなわち、右視点1Rに近い)と判断した場合には、
輝度値メモリ27Rおよび距離メモリ28Rそれぞれに
対して書込許可信号を出力し、実像変換部51Rから新
たに出力された輝度値および z座標値それぞれを更新記
憶することを指示する。距離比較部29Rは、この操作
を多角形平面体の内部の全ての点について行う。なお、
距離メモリ28Rは、初期状態においては、距離比較部
29Rが書込許可信号を必ず出力し得る内容を全てのア
ドレスに記憶している。
【0083】このようにして、多角形平面体の内部の全
ての点について距離比較部29Rにより内容が更新記憶
された輝度値メモリ27Rおよび距離メモリ28Rそれ
ぞれは、zバッファ法に基づく陰面消去処理がなされた
輝度値および z座標値それぞれを保持している。そこ
で、輝度値メモリ27Rおよび距離メモリ28Rそれぞ
れは、ホログラム座標値発生部52Rから出力された x
hr,yhr座標値をアドレスとして順次入力し、そのアドレ
スに記憶されている輝度値および z座標値それぞれを順
次出力する。
【0084】そして、ホログラム計算部32Rは、ホロ
グラム座標値発生部52Rから出力された xhr,yhr座標
値、および、その xhr,yhr座標値をアドレスとして距離
メモリ28Rおよび輝度値メモリ27Rそれぞれから読
み出された z座標値および輝度値それぞれを入力し、
【数23】 なる演算を行って、入力した z座標値を、ホログラム座
標系(xhr,yhr,zhr) 上のzhr座標値に変換する。さら
に、ホログラム計算部32Rは、これらのデータに基づ
いて波面伝搬の計算を行い、空間光変調素子13Rの位
置における波面すなわちホログラムデータを計算する。
この波面計算に際して、フレネル変換法や球面波法を用
いて空間光変調素子13R上の波面を求め、これをホロ
グラムデータとする。また、ホログラム計算部32R
は、振幅および位相の双方または一方の変調が可能な空
間光変調素子13Rに、このホログラムデータを表示す
る。そして、空間光変調素子13Rは、光源11Rから
出力されたレーザ光がコリメータ12R等を介して照射
されると、空間光変調素子13Rとレンズ44Rとの間
に物体の実像を再生し、更に、レンズ44Rは、右視点
1Rと左視点1Lとの交点の位置に物体の虚像を結像す
る。
【0085】次に、左視点1Lに対応したホログラムを
計算する構成について説明する。アフィン変換部22L
は、データ記憶部21に記憶されている多角形平面体の
各頂点を物体座標系(xo,yo,zo)で表した座標値および輝
度値、指示部16を介して指示された再生虚像の平行移
動、回転または拡大/縮小に関する情報、ならびに、視
点位置検出器15Lにより検出された左視点1Lの変位
量を入力して、
【数24】 なる演算を行って、多角形平面体の各頂点を視点座標系
(xel,yel,zel) で表した座標値を出力する。
【0086】ここで、行列Tldは、再生虚像を平行移
動させるためのものであり、行列Tlrxは、再生虚像
をxo軸の回りに回転させるためのものであり、行列Tl
ryは、再生虚像をyo軸の回りに回転させるためのもの
であり、行列Tlrzは、再生虚像をzo軸の回りに回転
させるためのものであり、行列Tlsは、再生虚像を拡
大/縮小させるためのものである。
【0087】指示部16より入力された再生虚像のxo,y
o,zo軸方向それぞれの平行移動量をtx,ty,tzそれぞれと
し、xo,yo,zo軸それぞれの回りの回転量をrx,ry,rzそれ
ぞれとし、xo,yo,zo軸方向それぞれの拡大縮小率をsx,s
y,szそれぞれとする。また、視点位置検出器15Lによ
り検出された左視点1Lの xel,yel,zel軸方向それぞれ
の変位量をΔelx,Δely,Δelz それぞれとする。このと
き、行列Tld,Tlrx,Tlry,Tlrzおよび
Tlsそれぞれは以下のように表される。
【0088】すなわち、行列Tldは、
【数25】 で表される。
【0089】行列Tlrxは、
【数26】 で表される。
【0090】行列Tlryは、
【数27】 で表される。
【0091】行列Tlrzは、
【数28】 で表される。
【0092】また、行列Tlsは、
【数29】 で表される。
【0093】内部座標値発生部24Lは、アフィン変換
部22Lから出力された多角形平面体の各頂点を視点座
標系(xel,yel,zel) で表した座標値および輝度値を入力
し、その多角形平面体の内部の全ての点の xel,yel,zel
座標値それぞれを順次に発生して出力し、また、輝度値
をシェーディング処理やビットマップ処理して出力す
る。この多角形平面体の内部の全ての点の座標値の発生
に際しては、内部座標値発生部24Rにおける場合と同
様にして行う。
【0094】実像変換部51Lは、内部座標値発生部2
4Lから出力された多角形平面体の内部の全ての点を視
点座標系(xel,yel,zel) で表した座標値および輝度値を
入力し、
【数30】 なる変換を行う。ここで、fは、レンズ44Lの焦点距
離である。この実像変換で得られた x,y座標値それぞれ
は、ホログラム座標系(xhl,yhl,zhl) における xhl,yhl
座標値それぞれと同一である。なお、近軸領域では、ガ
ウスの結像公式より、
【数31】 なる変換式により近似して変換してもよい。
【0095】ホログラム座標値発生部52Lは、ホログ
ラム座標系(xhl,yhl,zhl) におけるxhl,yhl平面上の全
ての点の xhl,yhl座標値それぞれを順次に発生し出力す
る。輝度値メモリ27Lおよび距離メモリ28Lそれぞ
れは、二重バンク構造となっており、一方のバンクでそ
の記憶内容を更新し、同時に、他方のバンクでその記憶
内容を読み出すことができる。輝度値メモリ27Lおよ
び距離メモリ28Lそれぞれは、実像変換部51Lから
出力された xhl,yhl座標値を更新記憶時のアドレスとし
て入力し、ホログラム座標値発生部52Lから出力され
た xhl,yhl座標値を読出時のアドレスとして入力する。
また、輝度値メモリ27Lは、実像変換部51Lから出
力された輝度値を更新記憶し又は読み出し、距離メモリ
28Lは、実像変換部51Lから出力された z座標値を
更新記憶し又は読み出す。
【0096】距離比較部29Lは、実像変換部51Lか
ら出力された xhl,yhl座標値で示されるアドレスに距離
メモリ28Lが既に記憶している z座標値と、実像変換
部51Lから新たに出力された z座標値とを大小比較す
る。そして、距離比較部29Lは、後者の値が大きい
(すなわち、左視点1Lに近い)と判断した場合には、
輝度値メモリ27Lおよび距離メモリ28Lそれぞれに
対して書込許可信号を出力し、実像変換部51Lから新
たに出力された輝度値および z座標値それぞれを更新記
憶することを指示する。距離比較部29Lは、この操作
を多角形平面体の内部の全ての点について行う。なお、
距離メモリ28Lは、初期状態においては、距離比較部
29Lが書込許可信号を必ず出力し得る内容を全てのア
ドレスに記憶している。
【0097】このようにして、多角形平面体の内部の全
ての点について距離比較部29Lにより内容が更新記憶
された輝度値メモリ27Lおよび距離メモリ28Lそれ
ぞれは、zバッファ法に基づく陰面消去処理がなされた
輝度値および z座標値それぞれを保持している。そこ
で、輝度値メモリ27Lおよび距離メモリ28Lそれぞ
れは、ホログラム座標値発生部52Lから出力された x
hl,yhl座標値をアドレスとして順次入力し、そのアドレ
スに記憶されている輝度値および z座標値それぞれを順
次出力する。
【0098】そして、ホログラム計算部32Lは、ホロ
グラム座標値発生部52Lから出力された xhl,yhl座標
値、および、その xhl,yhl座標値をアドレスとして距離
メモリ28Lおよび輝度値メモリ27Lそれぞれから読
み出された z座標値および輝度値それぞれを入力し、
【数32】 なる演算を行って、入力した z座標値を、ホログラム座
標系(xhl,yhl,zhl) 上のzhl座標値に変換する。さら
に、ホログラム計算部32Lは、これらのデータに基づ
いて波面伝搬の計算を行い、空間光変調素子13Lの位
置における波面すなわちホログラムデータを計算する。
この波面計算に際して、フレネル変換法や球面波法を用
いて空間光変調素子13L上の波面を求め、これをホロ
グラムデータとする。また、ホログラム計算部32L
は、振幅および位相の双方または一方の変調が可能な空
間光変調素子13Lに、このホログラムデータを表示す
る。そして、空間光変調素子13Lは、光源11Lから
出力されたレーザ光がコリメータ12L等を介して照射
されると、空間光変調素子13Lとレンズ44Lとの間
に物体の実像を再生し、更に、レンズ44Lは、右視点
1Rと左視点1Lとの交点の位置に物体の虚像を結像す
る。
【0099】本実施形態に係る計算機ホログラム表示装
置の具体的な実施例としては、光源11R,11Lは、
He−Neレーザ光源が用いられ、レンズ44R,44
Lは、焦点距離30cmのものが用いられ、空間光変調
素子13R,13Lは、TN型液晶表示素子(ソニー社
製LCX012AL、画素数640×480画素、ピッ
チ41.4μm)が用いられ、レンズ44R,44Lの
前側焦点面に置かれ、両面に偏光板が置かれる。この場
合、空間光変調素子13R,13Lそれぞれは、入射し
たレーザ光(参照波)の振幅および位相の双方を変調す
るものではないので、物体の再生虚像は共役像をも伴
う。
【0100】この不要な共役像を以下のようにして除去
する。図4は、共役像の除去方法の説明図である。な
お、この図では、空間光変調素子13Rから右視点1R
に到るまでの光学系を簡略化して記してある。今、空間
光変調素子13Rには、半円の余弦波ゾーンプレート6
0Rが書き込まれているものとし、可干渉光であるレー
ザ光(参照波)を左方から入力して、その光の振幅およ
び位相の何れかを変調する。この余弦波ゾーンプレート
60Rによる再生像として、虚像71および実像72が
得られる。虚像71は、レンズ44Rの後側焦点面にお
いては一方の半平面にあり、実像72は、他方の半平面
にある。そこで、レンズ44Rの後側焦点面に、0次光
を遮光する0次光遮光マスク61Rと、一方の半平面に
ついて遮光する共役像遮光マスク62Rとを設け、そし
て、これらの背後に右視点1Rを置く。このようにする
ことにより、実像および虚像の一方を選択することがで
き、in-line型に特有の共役像に因る再生像の劣化を防
止することができる。この図では、虚像71を除去する
よう共役像遮光マスク62Rが配置されており、視点1
Rからは、実像72のレンズ44Rによる虚像73のみ
が観察され得る。
【0101】この手法を図3に示す構成に適用するに
は、再生すべき物体の表面の各輝点ごとに半円の余弦波
ゾーンプレートを対応させて累積加算して空間光変調素
子13Rおよび13Lそれぞれに表示すべきホログラム
データを作成し、右視点1Rの直前に0次光遮光マスク
61Rと共役像遮光マスク62Rとを置き、左視点1L
の直前に0次光遮光マスク61Lと共役像遮光マスク6
2Lとを置けばよい。
【0102】以上のように、本実施形態に係る計算機ホ
ログラム表示装置では、多角形平面体の各頂点の座標値
および輝度値は、データ記憶部21により、物体座標系
で表されて予め記憶されており、アフィン変換部22
R,22Lにより、平行移動、回転、拡大/縮小および
視点追従がなされて視点座標系で表される。さらに、内
部座標値発生部24R,24Lおよび実像変換部51
R,51Lにより、再生すべき物体の虚像を結像し得る
実像が実空間上の座標系で求められ、輝度値メモリ27
R,27L、距離メモリ28R,28Lおよび距離比較
部29R,29Lにより、zバッファ法に基づく陰面消
去処理が施され、その陰面消去処理がなされた後の座標
値および輝度値は、距離メモリ28R,28Lのアドレ
スおよびその記憶内容ならびに輝度値メモリ27R,2
7Lの記憶内容として保持される。陰面消去処理後の座
標値および輝度値は、ホログラム座標値発生部52R,
52Lにより距離メモリ28R,28Lおよび輝度値メ
モリ27R,27Lから読み出され、ホログラム計算部
32R,32Lにより波面計算がなされてホログラムデ
ータが計算される。そして、このホログラムデータに基
づいて空間光変調素子13R,13Lにホログラムが形
成され、光源11R,11Lから出射された可干渉光が
空間光変調素子13R,13Lに照射されると実像が再
生され、その実像に基づいてレンズ44R,44Lによ
り虚像が結像される。
【0103】このように、zバッファ法を採用したこと
により、従来技術に比べて計算量が少ないので、短時間
にホログラムを計算することができる。したがって、再
生虚像の平行移動、回転または拡大/縮小をスムーズに
行うことができ、また、高速に視点追従することができ
る計算機ホログラム表示装置を実現することができる。
また、本実施形態では、空間光変調素子13R、13L
により再生された実像をレンズ44R,44Lにより虚
像に変換することにより、逆透視変換を不要としたの
で、第1の実施形態に比べて、さらに計算量が少ない。
【0104】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり、本発明に
係る第1の計算機ホログラム表示装置によれば、再生す
べき物体像は、透視変換手段により、透視変換されてス
クリーン座標系で表現され、陰面消去手段により、その
スクリーン座標系で表された物体像上の各点と視点との
間の距離に基づいて陰面消去される。この陰面消去され
たスクリーン座標系上の物体像は、逆透視変換手段によ
り、逆透視変換されて実空間上の座標系で表現され、ホ
ログラム計算手段により、この実空間上の座標系で表現
された物体像に基づいて波面計算されてホログラムデー
タが求められる。そして、ホログラム形成手段により、
このホログラムデータに基づいてホログラムが形成さ
れ、再生手段により、ホログラムに可干渉光が照射され
て物体像が再生される。このようにしたことにより、陰
面消去処理のなされたホログラムを少ない計算量で短時
間に求めることができる。したがって、視点の変位に対
応した物体像を表示する視点追従方式の場合や、平行移
動、回転または拡大/縮小して物体像を表示する場合の
ように、ホログラムを高速に計算する必要がある場合に
好適に適用できる。
【0105】また、本発明に係る第2の計算機ホログラ
ム表示装置によれば、実像変換手段により、レンズの焦
点位置に置かれた視点から観たときに再生すべき物体像
を結像し得る実像が実空間上の座標系で求められ、陰面
消去手段により、その実像上の各点と視点との間の距離
に基づいて陰面消去される。ホログラム計算手段によ
り、この陰面消去された実像に基づいて波面計算されて
ホログラムデータが求められ、ホログラム形成手段によ
り、このホログラムデータに基づいてホログラムが形成
される。そして、再生手段により、ホログラムに可干渉
光が照射されて実像が再生され、結像光学系により、再
生手段により再生された実像に基づいて物体像が結像さ
れる。この場合には、第1の計算機ホログラム表示装置
と比べて更に少ない計算量で短時間に、陰面消去処理の
なされたホログラムを求めることができるので、視点追
従方式の場合や平行移動、回転または拡大/縮小して表
示する場合に適用するのに更に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】逆透視変換を不要とする光学系の説明図であ
る。
【図2】第1の実施形態に係る計算機ホログラム表示装
置の構成図である。
【図3】第2の実施形態に係る計算機ホログラム表示装
置の構成図である。
【図4】共役像の除去方法の説明図である。
【符号の説明】
1,1R,1L…視点、2…レンズ、3…空間光変調素
子、4…再生実像、5…再生虚像、10…表示部、1
1,11R,11L…光源、12,12R,12L…コ
リメータ、13,13R,13L…空間光変調素子、1
4,14R,14L…制御部、15,15R,15L…
視点位置検出器、16…指示部、21…データ記憶部、
22,22R,22L…アフィン変換部、23…透視変
換部、24…内部座標値発生部、25…スクリーン座標
値発生部、26…アドレス選択部、27,27R,27
L…輝度値メモリ、28,28R,28L…距離メモ
リ、29,29R,29L…距離比較部、30…逆透視
変換部、31…ホログラム座標変換部、32,32R,
32L…ホログラム計算部、41R,41L…ミラー、
42R,42L,43R,43L…偏光板、44R,4
4L…レンズ、45R,45L,46R,46L…ミラ
ー、51R,51L…実像変換部、52R,52L…ホ
ログラム座標値発生部。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 再生すべき物体像を透視変換してスクリ
    ーン座標系で表現する透視変換手段と、 前記スクリーン座標系で表された前記物体像上の各点と
    視点との間の距離に基づいて陰面消去する陰面消去手段
    と、 前記陰面消去処理手段により陰面消去された前記スクリ
    ーン座標系上の前記物体像を逆透視変換して実空間上の
    座標系で表現する逆透視変換手段と、 前記逆透視変換手段により実空間上の座標系で表現され
    た前記物体像に基づいて波面計算してホログラムデータ
    を求めるホログラム計算手段と、 前記ホログラムデータに基づいてホログラムを形成する
    ホログラム形成手段と、 前記ホログラムに可干渉光を照射して前記物体像を再生
    する再生手段と、 を備えることを特徴とする計算機ホログラム表示装置。
  2. 【請求項2】 視点の位置または変位を検出する視点検
    出手段と、 前記視点検出手段により検出された前記視点の位置また
    は変位に基づいて、再生すべき物体像をアフィン変換す
    るアフィン変換手段と、 前記視点検出手段により検出された前記視点の位置また
    は変位に基づいて、前記再生手段の光軸を制御する制御
    手段と、 を更に備えることを特徴とする請求項1記載の計算機ホ
    ログラム表示装置。
  3. 【請求項3】 レンズの焦点位置に置かれた視点から観
    たときに再生すべき物体像を結像し得る実像を実空間上
    の座標系で求める実像変換手段と、 前記実像上の各点と視点との間の距離に基づいて陰面消
    去する陰面消去手段と、 前記陰面消去処理手段により陰面消去された前記実像に
    基づいて波面計算してホログラムデータを求めるホログ
    ラム計算手段と、 前記ホログラムデータに基づいてホログラムを形成する
    ホログラム形成手段と、 前記ホログラムに可干渉光を照射して前記実像を再生す
    る再生手段と、 前記レンズの結像機能と略同等の結像機能を有し、前記
    再生手段により再生された前記実像に基づいて前記物体
    像を結像する結像光学系と、 を備えることを特徴とする計算機ホログラム表示装置。
  4. 【請求項4】 視点の位置または変位を検出する視点検
    出手段と、 前記視点検出手段により検出された前記視点の位置また
    は変位に基づいて、再生すべき物体像をアフィン変換す
    るアフィン変換手段と、 前記視点検出手段により検出された前記視点の位置また
    は変位に基づいて、前記結像光学系の光軸を制御する制
    御手段と、 を更に備えることを特徴とする請求項3記載の計算機ホ
    ログラム表示装置。
  5. 【請求項5】 前記結像光学系は、 前記ホログラムとは反対側の焦点面上に配され、0次光
    を遮光する0次光遮光手段と、 前記ホログラムとは反対側の焦点面上に配され、前記再
    生手段により再生された前記実像の共役像の波面を遮光
    する共役像遮光手段と、 を備えることを特徴とする請求項3記載の計算機ホログ
    ラム表示装置。
  6. 【請求項6】 再生すべき物体像の平行移動、回転また
    は拡大/縮小を指示する指示手段と、 前記指示手段により指示された平行移動、回転または拡
    大/縮小に基づいて、再生すべき物体像をアフィン変換
    するアフィン変換手段と、 を更に備えることを特徴とする請求項1および請求項3
    の何れか1項に記載の計算機ホログラム表示装置。
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