JP2007121883A - 三次元像表示システムおよび三次元像表示方法 - Google Patents

三次元像表示システムおよび三次元像表示方法 Download PDF

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Abstract

【課題】視域を確保することができシステムの小型化が可能な三次元像表示システムを提供する。
【解決手段】三次元像表示システム1は、空間光変調素子11,レンズ12,マスク13,空間光変調素子21,レンズ22,マスク23,ミラー25およびレンズ31を備える。空間光変調素子11の面はアフォーカル光学系(レンズ12,31)の光軸に垂直である。空間光変調素子21の面はアフォーカル光学系(レンズ22,31)の光軸に垂直な面に対して角度θだけ傾斜している。レンズ12の後焦点面に設けられているマスク13は、空間光変調素子11で発生した再生光のうち高次回折像を除去し、0次再生光のみを通過させる。レンズ22の後焦点面に設けられているマスク23は、空間光変調素子21で発生した再生光のうち高次回折像を除去し、0次再生光のみを通過させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、空間光変調素子にホログラムを呈示するとともに照明光を照射して再生光を発生させ三次元像を表示する三次元像表示システムおよび三次元像表示方法に関するものである。
空間光変調素子を用いて三次元像を表示する三次元像表示システムまたは三次元像表示方法においては、空間光変調素子の各画素の透過率または位相変化量を調整することでホログラムを呈示し、この空間光変調素子に照明光を照射して再生光を発生させ、この再生光を結像することで三次元再生像を形成する。特許文献1に記載された三次元像表示システムは、空間光変調素子が離散的画素構造を有することを積極的に利用して、再生像を観察者が観察する際の視域を拡大することを意図している。
回折格子に平行光が入射した場合に0次回折波,±1次回折波および更に高次の回折波が互いに分離されて出射されることと同様に、空間光変調素子が離散的画素構造を有することに起因して、ホログラムが呈示された空間光変調素子に照明光が入射すると、再生光として0次回折波,±1次回折波および更に高次の回折波が互いに分離されて出射される。
隣接する画素の物体光と参照光との合成波面の位相がπを越えない範囲(折り返し成分が無い範囲)にホログラム表示範囲を限定して計算機ホログラムを表示した場合、照明光照射により発生した再生光の高次の回折波は、0次の回折波と同一波面であるが、空間光変調素子からの出射角がそれぞれ異なるので、空間光変調素子の背後に置かれたレンズの後焦点面で次数ごとにλf/Pの間隔で分離した後に個別に結像する。ここで、Pは空間光変調素子の画素ピッチであり、fはレンズの焦点距離であり、λは照明光の波長である。したがって、レンズ後焦点面で0次回折波が通過する位置に大きさ「λf/P」の開口を有するマスクを設けることにより、他の高次回折波を遮光して、想定した再生像を得ることができる。
一方、隣接する画素の物体光と参照光との合成波面の位相がπから2πまでの範囲(1次の折り返し成分を含む範囲)にホログラム表示範囲を限定して計算機ホログラムを表示した場合、照明光照射により発生した再生光の高次の回折波は0次の物体光と同一波面であり、且つ、0次光を含む全ての回折波は全て計算によって発生させた1次の折り返し成分だけの再生光である。これらの回折波のなかで必要な出射角度を持つ一次の回折波のみを取り出すために、空間光変調素子の背後に置かれたレンズの後焦点面で1次回折波が通過する位置に大きさ「λf/P」の開口を有するマスクを設け、0次回折波と他の高次回折波を遮光して、必要な1次の回折波のみを通過させる。
すなわち、特許文献1に記載された三次元像表示システムは、特定の次数の折り返し成分を含む計算機ホログラムおよびその表示範囲を限定し、且つ、対応した開口のみを選択することで、必要な再生光を取り出している。この手法により、折り返し成分に対応したホログラムの表示および開口の選択を時分割または空間合成により行うことで、レンズによる結像再生像の出射角範囲すなわち視域を拡大する。
特開2000−250387号公報
特許文献1に記載されたものを含めて空間光変調素子を用いた三次元像表示システムおよび三次元像表示方法では、観察者の両眼視で三次元再生像を観察する際の視域を確保することが課題となっている。
しかし、特許文献1に記載された技術では、空間光変調素子から出射される再生光のうちの0次回折光および高次回折光をレンズによって結像し、0次回折光と高次回折光とが交わる位置に再生像を形成する。この為に、隣接する画素の物体光と参照光との合成波面の位相がπから2πまでの範囲(1次の折り返し成分を含む範囲)に計算機ホログラム表示範囲を限定して計算機ホログラムを表示しなければならないので、計算機ホログラムの計算が煩雑であるという問題点がある。また、レンズ後焦点付近に再生像を近づけることができず、レンズ後焦点から離れた位置に再生像を形成することになるので、観察位置も更に離れた場所に位置することとなり、したがって、光学系全体が大きくなるという問題点もがある。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、視域を確保することができシステムの小型化が可能な三次元像表示システムおよび三次元像表示方法を提供することを目的とする。
本発明に係る三次元像表示システムは、(1) 第1ホログラムが呈示され第1照明光の垂直入射により第1再生光を発生する第1空間光変調素子と、この第1空間光変調素子で発生した第1再生光を入力し結像して第1再生像を形成する第1アフォーカル光学系と、を含む第1表示装置と、(2) 第2ホログラムが呈示され第2照明光の垂直入射により第2再生光を発生する第2空間光変調素子と、この第2空間光変調素子で発生した第2再生光を入力し結像して第2再生像を形成する第2アフォーカル光学系と、を含む第2表示装置と、を備えることを特徴とする。更に、本発明に係る三次元像表示システムは、(3) 第1アフォーカル光学系および第2アフォーカル光学系それぞれの後段光学系が共通のものであり、(4) 第1アフォーカル光学系および第2アフォーカル光学系が第1再生像および第2再生像を互いに同一の空間領域に形成し、(5) 第2表示装置において、第2アフォーカル光学系の光軸に垂直な面に対して第2空間光変調素子の面が傾斜しており、(6) 第1表示装置において、第1空間光変調素子の画素ピッチをPとし、第1アフォーカル光学系の前段光学系の焦点距離をfとし、第1照明光の波長をλとしたときに、大きさ「λf/P」以下の開口を有する第1マスクが第1アフォーカル光学系の前段光学系の後焦点面に設けられ、(7) 第2表示装置において、第2空間光変調素子の画素ピッチをPとし、第2アフォーカル光学系の前段光学系の焦点距離をfとし、第2照明光の波長をλとしたときに、大きさ「λf/P」以下の開口を有する第2マスクが第2アフォーカル光学系の前段光学系の後焦点面に設けられていることを特徴とする。
本発明に係る三次元像表示システムでは、第1表示装置において、第1ホログラムが呈示された第1空間光変調素子に第1照明光が垂直入射されると、その第1空間光変調素子から第1再生光が発生し、第1アフォーカル光学系により第1再生光が結像されて第1再生像が形成される。同様に、第2表示装置において、第2ホログラムが呈示された第2空間光変調素子に第2照明光が垂直入射されると、その第2空間光変調素子から第2再生光が発生し、第2アフォーカル光学系により第2再生光が結像されて第2再生像が形成される。ここで、第1アフォーカル光学系および第2アフォーカル光学系は、各々の後段光学系が共通のものであり、第1再生像および第2再生像を互いに同一の空間領域に形成する。少なくとも第2表示装置においては、第2アフォーカル光学系の光軸に垂直な面に対して第2空間光変調素子の面は傾斜している。また、第1表示装置において第1アフォーカル光学系の前段光学系の後焦点面に設けられた第1マスクは、大きさ「λf/P」以下の開口を有し、第2表示装置において第2アフォーカル光学系の前段光学系の後焦点面に設けられた第2マスクは、大きさ「λf/P」以下の開口を有する。このように、本発明に係る三次元像表示システムでは、複数の表示装置を用いることにより、視域を確保することができるとともに、システムの小型化が可能となる。
なお、本発明に係る三次元像表示システムは、第1表示装置および第2表示装置に加えて、同様の構成を有する他の表示装置を備えていてもよい。また、第2表示装置において第2アフォーカル光学系の光軸に垂直な面に対して第2空間光変調素子の面が傾斜していることに加えて、第1表示装置においても第1アフォーカル光学系の光軸に垂直な面に対して第1空間光変調素子の面が傾斜していてもよい。
また、本発明に係る三次元像表示システムは、(8) 第1表示装置において、第1空間光変調素子で発生した第1再生光に含まれる0次光が第1アフォーカル光学系の前段光学系により集光される点に、第1マスクの開口の中心が位置し、(9) 第2表示装置において、第2空間光変調素子で発生した第2再生光に含まれる0次光が第2アフォーカル光学系の前段光学系により集光される点に、第2マスクの開口の中心が位置するのが好適である。この場合には、0次光により再生像が形成されるので、明るい像が得られ、また、照明光の利用効率がよい。
また、本発明に係る三次元像表示システムは、第2表示装置において、第2アフォーカル光学系の光軸に垂直な面に対する第2空間光変調素子の面の傾斜角度が、光学系の倍率をMとし整数をnとしたときに「tan-1(nλ/MP)」であるのが好適である。この場合にも、視域を確保することができるとともに、システムの小型化が可能となる。
本発明に係る三次元像表示方法は、上記の本発明に係る三次元像表示システムを用いて三次元像を表示する方法であって、第2表示装置において、第2アフォーカル光学系の光軸に垂直な面に対する第2空間光変調素子の面の傾斜角度を、三次元像を観察する観察者の位置および両眼間隔に応じて設定して、第1表示装置により第1再生像を形成し、第2表示装置により第2再生像を形成することを特徴とする。本発明に係る三次元像表示方法は、三次元再生像を観察する観察者の位置および両眼間隔に応じて、上記の本発明に係る三次元像表示システムに含まれる第2表示装置における第2空間光変調素子の面の傾斜角度を設定する。したがって、観察者毎に最適な再生像表示条件を設定することができ、観察者毎に最適な視域を確保することができる。
本発明によれば、視域を確保することができ、システムの小型化が可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
離散的な画素構造を有する空間光変調素子にホログラムを呈示し、この空間光変調素子に照明光を入射させて再生光を発生させると、その再生光の最大の回折角θ,照明光の波長λおよび空間光変調素子の画素ピッチPの間に下記(1)式が成り立つ。したがって、再生光の最大の回折角θは下記(2)式で表される。
Figure 2007121883
Figure 2007121883
多くの空間光変調素子の画素ピッチPは十数μmであり、また、照明光の波長は可視域であるので、回折角θは数度でしかない。したがって、空間光変調素子の近傍に三次元像を再生表示させる場合、その全面積で発生する再生光が観察者の瞳に入射するためには、観察者は1m以上離れて観察する必要がある。さらに両眼での観察ではより離れた距離を確保する必要がある。従来の三次元像表示技術では、このように視域が狭いことが問題であった。
これに対して、本実施形態に係る三次元像表示システムでは、観察者の右眼で観察すべき再生像を形成する右眼用表示装置と、観察者の左眼で観察すべき再生像を形成する左眼用表示装置とを別個に備え、各々の再生像をミラーやハーフミラー等により空間的に重ね合わせることで、観察者が両眼で再生像を観察できるようにする。また、右眼用表示装置および左眼用表示装置それぞれにおいて、空間光変調素子で発生した再生光を結像して再生像を形成する光学系をアフォーカル光学系の構成とし、各々のアフォーカル光学系の後段光学系を共用化する。
アフォーカル光学系の後段光学系の役目は、0次回折波と高次回折波とが交わる位置を前段光学系の側に引き寄せて、空間光変調素子の実像と三次元再生像との距離を短くするというものである。このことから、伝搬関数の計算範囲が少なくなり、1輝点あたりのホログラム計算量を減少させることができ、また、1輝点あたりのホログラムパターン同士の重なりが少なくなることから制限のある空間光変調素子の階調を有効に用いることができるようになるという利点が発生する。
図1は、第1実施形態に係る三次元像表示システム1の平面図である。この図に示される三次元像表示システム1は、空間光変調素子11,レンズ12,マスク13,空間光変調素子21,レンズ22,マスク23,ミラー25およびレンズ31を備える。空間光変調素子11および空間光変調素子21は互いに同等の構成のものである。レンズ12およびレンズ22は、互いに同等の構成のものであり、焦点距離fを有する。レンズ31は、焦点距離fを有する。マスク23とレンズ31との間の光路にミラー25が挿入されており、ミラー25によるレンズ22の虚像はレンズ12に重なる。
空間光変調素子11とレンズ12との間の距離はfであり、レンズ12とマスク13との間の距離はfであり、マスク13とレンズ31との間の距離はfである。レンズ12およびレンズ31は、アフォーカル光学系を構成していて、レンズ31の後焦点面に空間光変調素子11の像14を形成する。空間光変調素子11,レンズ12,マスク13およびレンズ31は、観察者の右眼Eで観察すべき右眼用再生像を形成する右眼用表示装置を構成している。この右眼用表示装置では、空間光変調素子11は、ホログラムが呈示され、平面波である照明光LI1の垂直入射により再生光LR1を発生する。アフォーカル光学系(レンズ12,31)は、空間光変調素子11で発生した再生光LR1を入力し結像して、観察者の右眼Eで観察すべき右眼用再生像を形成する。
また、空間光変調素子21とレンズ22との間の距離はfであり、レンズ22とマスク23との間の距離はfであり、マスク23とレンズ31との間の距離はfである。レンズ22およびレンズ31は、アフォーカル光学系を構成していて、レンズ31の後焦点面に空間光変調素子21の像24を形成する。空間光変調素子21,レンズ22,マスク23およびレンズ31は、観察者の左眼Eで観察すべき左眼用再生像を形成する左眼用表示装置を構成している。この左眼用表示装置では、空間光変調素子21は、ホログラムが呈示され、平面波である照明光LI2の垂直入射により再生光LR2を発生する。アフォーカル光学系(レンズ22,31)は、空間光変調素子21で発生した再生光LR2を入力し結像して、観察者の左眼Eで観察すべき左眼用再生像を形成する。
なお、右眼用表示装置に含まれるアフォーカル光学系(レンズ12,31)、および、左眼用表示装置に含まれるアフォーカル光学系(レンズ22,31)は、各々の後段光学系としてのレンズ31を共用していて、空間光変調素子11の像14と空間光変調素子21の像24とを互いに同一の空間領域に形成し、また、右眼用再生像と左眼用再生像とを互いに同一の空間領域(像14,24の近傍の空間領域)に形成する。
右眼用表示装置において、空間光変調素子11の面はアフォーカル光学系(レンズ12,31)の光軸に垂直である。一方、左眼用表示装置においては、空間光変調素子21の面はアフォーカル光学系(レンズ22,31)の光軸に垂直な面に対して角度θだけ傾斜している。
右眼用表示装置において、アフォーカル光学系の前段光学系であるレンズ12の後焦点面に設けられているマスク13は、大きさ「λf/P」以下の開口を有し、空間光変調素子11で発生した再生光のうち±1次および±2次等の高次回折像を除去し、0次再生光のみを通過させる。また、左眼用表示装置において、アフォーカル光学系の前段光学系であるレンズ22の後焦点面に設けられているマスク23は、大きさ「λf/P」以下の開口を有し、空間光変調素子21で発生した再生光のうち±1次および±2次等の高次回折像を除去し、0次再生光のみを通過させる。ここで、Pは空間光変調素子11,21の画素ピッチであり、λは照明光LI1,LI2の波長である。
次に、空間光変調素子で発生する再生光から高次回折波を除去する方法について説明する。図2は、空間光変調素子11における再生光の発生の様子を示す平面図である。空間光変調素子11が離散的画素構造を有することから、平面波である照明光が空間光変調素子11に対して垂直入射すると、同図に示されるように、空間光変調素子11で発生する再生光のうちのn次回折波は、レンズ12の後焦点面上の位置Aに集光される。なお、同図は平面図を表していて、水平方向の集光点Aが離散的に示されているが、レンズ12の後焦点面において2次元的に集光点が離散的に存在する。
空間光変調素子11で発生する再生光のうちのn次回折波の回折角をθとすると、この回折角θ、回折次数n、照明光波長λおよび画素ピッチPの間に下記(3)式が成り立つ。したがって、n次回折波の回折角をθは下記(4)式で表される。
Figure 2007121883
Figure 2007121883
凸レンズ12の中心を通過するn次回折波の光線は、そのまま直進し、また、空間光変調素子11の他の位置で発生するn次回折波も、凸レンズ12の中心を通過する光線に平行であることから、n次回折波は凸レンズ12の後焦点面の点Aに集光する。同図では、空間光変調素子11はレンズ12の前焦点面に位置しているが、この位置に拘らず、空間光変調素子11が前後に配置しても回折角は同等であり、平行光はレンズ12の後焦点面上の点Aで集光することになる。レンズ12の後焦点面における光軸から集光点Aまでの距離は下記(5)式で表される。
Figure 2007121883
次数nが小さいときには、上記(5)式の最右辺の分母は略1であるので、上記(5)式は下記(6)式で近似される。この式から判るように、レンズ12の後焦点面において、各次数の回折波の集光点は等間隔に配列される。
Figure 2007121883
図3は、レンズ12の後焦点面における各次数の回折波の集光の様子を示す図である。ホログラムが呈示された空間光変調素子11に照明光が入射したときに発生する再生光の各次数の回折波は、レンズ12の後焦点面において集光点Aを中心とする正方形領域を通過する。各次数の回折波は、同一の波面であるが、異なる光量である。これらの各次数の回折波の波面は、互いに異なった角度を持って進むので、各々が形成する再生像は互いにずれて重なったものとなる。そこで、0次回折光のみを取り出し他の高次の回折光を遮断して像の重なりを除去するため、レンズ12の後焦点面に、一辺の大きさ「λf/P」以下の正方形の開口を有するマスク13を配置し、その開口の中心部に0次透過光の集光点を遮光する遮光板を配置する。なお、空間光変調素子11が光の振幅および位相の双方を変調することが可能である場合には、この0次透過光の集光点を遮光する遮光板は不要である。
図4は、第1実施形態に係る三次元像表示システム1における左眼用表示装置(空間光変調素子21から像24に到る光学系)を示す平面図である。ここでは、図1中のミラー25を省略して、アフォーカル光学系(レンズ22,31)の光軸が一直線上にあるものとする。左眼用表示装置においては、空間光変調素子21の面は、アフォーカル光学系(レンズ22,31)の光軸に垂直な面に対して角度θだけ傾斜しており、平面波である照明光LI2は、この傾斜した空間光変調素子21に対して垂直入射する。
空間光変調素子21で発生する再生光の各次数の回折波は、空間光変調素子11の場合と同様の回折角で空間光変調素子21から出射される。空間光変調素子21で発生する再生光のうちのn次回折波は、レンズ22の後焦点面上の位置Bに集光される。空間光変調素子21で発生する再生光の各次数の回折波は、図2に示した場合と同じ角度を持つ回折波であり、その次数が等しい回折光は平行となるため、レンズ22の後焦点面で集光する集光点の間隔は上記(6)式と同じとなる。ここで、光量の大きいものは0次光であり、レンズ22の後焦点面に、集光点Bを中心に一辺の大きさ「λf/P」以下の正方形の開口を有するマスク23を配置して、0次回折光のみを取り出し、他の高次の回折光を遮断する。0次回折光の強度は高次回折光に比較し通常1桁以上大きいため、再生の光量として光源を有効に使うことができる。
図5は、第1実施形態に係る三次元像表示システム1における右眼用表示装置(空間光変調素子11から像14に到る光学系)と左眼用表示装置(空間光変調素子21から像24に到る光学系)とを互いに重ねて示す平面図である。ここでも、図1中のミラー25を省略して、アフォーカル光学系(レンズ12,31)およびアフォーカル光学系(レンズ22,31)それぞれの光軸が互いに一致するものとする。また、この図では、各々2つの輝点を再生させるホログラムを空間光変調素子11および空間光変調素子21それぞれに呈示し、空間光変調素子11,12で発生する再生光により実像点Cおよび虚像点Dを形成した場合について、これらの光束を重ねて示す。
実像点Cは、レンズ12,22により虚像点Cへ虚像化され、さらにレンズ31により実像点Cとされる。また、虚像点Dは、レンズ12,22,31により虚像点Dへ虚像化され実像点Dとされる。
空間光変調素子11が光軸に対して傾きを持たない場合の再生光の光束は、レンズ12の後焦点面の0次透過光の集光点Aを中心とした少なくとも大きさ「λf/P」の正方形の内部の領域を通過し、実像点C,Dで集光された後、光軸に平行となる中心軸を持つ光束として発散する。
光軸に対して角度θだけ傾斜した空間光変調素子21に対して照明平面波が垂直入射する場合の再生光の光束は、レンズ22の後焦点面の0次透過光の集光点Bを中心とした少なくとも大きさ「λf/P」の正方形の内部の領域を通過し、実像点C,Dで集光された後、光軸に対して角度θの傾きとなる中心軸を持つ光束として発散する。
観察者の右眼Eの視線を光軸に対して平行とするとともに観察者の左眼Eの視線を光軸に対して角度θだけ傾けることにより、すなわち、空間光変調素子21の像24の中心を視線交点とすることにより、観察者は両眼で実像点C,Dを観測することが可能となる。この場合、視差、輻輳および目の焦点調節機能を満足する自然な観察が可能となり、角度θを大きく取ることで近距離での三次元再生像の観察が可能となる。単眼で観測できる視野角θeは、アフォーカル光学系の倍率をMとして、下記(7)式または(8)式で表される。この角度範囲に空間光変調素子11,21の全体が結像される倍率Mを選択する。
Figure 2007121883
Figure 2007121883
次に、空間光変調素子21をY1軸の回りに角度θだけ傾けた場合、観察者の眼によって観察される輝点の再生位置から空間光変調素子21上で再生すべき輝点の位置への変換について説明する。観察者の両眼の間隔をEとし、両眼の中心から空間光変調素子11,21の像14,24の中心までの距離(すなわち観察距離)をLとすると、角度θは、下記(9)式または(10)式で表される。
Figure 2007121883
Figure 2007121883
図6は、空間光変調素子21およびその像24を示す平面図である。この図では、空間光変調素子21と像24との間のアフォーカル光学系の図示は省略されており、空間光変調素子21で発生する再生光による虚像点D、および、この虚像点Dに対応する実像点Dが示されている。
この図に示されるように、アフォーカル光学系(レンズ22,31)の後段レンズ31の後焦点位置を原点とするX2-Y2-Z2座標系を設定する。Y2軸は垂直方向であり、Z2軸はアフォーカル光学系の光軸と一致する。空間光変調素子21の中心位置を原点とするX1-Y1-Z1座標系を設定する。Y1軸は垂直方向であり、Z1軸はアフォーカル光学系の光軸と一致する。また、空間光変調素子21の中心位置を原点とするXs-Ys-Zs座標系を設定する。Ys軸は垂直方向であり、Zs軸は空間光変調素子21の面に対して垂直方向である。
照明光入射により空間光変調素子2が形成する虚像点Dの位置をX1-Y1-Z1座標系で(x,y,z)と表し、観察される実像点Dの位置をX2-Y2-Z2座標系で(x,y,z)と表す。これら虚像点Dおよび実像点Dそれぞれの座標値の間には、下記(11)式または(12)式で表される関係がある。ここで、Mはアフォーカル光学系の倍率である。
Figure 2007121883
Figure 2007121883
また、空間光変調素子21の傾斜角θと空間光変調素子21の像24の傾斜角θとの間には、下記(13)式または(14)式で表される関係がある。
Figure 2007121883
Figure 2007121883
X1-Y1-Z1座標系における座標値をXs-Ys-Zs座標系における座標値に変換する回転行列をTθは、下記(15)式で表される。そして、X1-Y1-Z1座標系で表した虚像点Dの位置(x,y,z)は、下記(16)式により、Xs-Ys-Zs座標系で表した虚像点Dの位置(x,y,z)に変換される。
Figure 2007121883
Figure 2007121883
なお、空間光変調素子21とその像24との間にミラーを挿入する場合には、そのミラーの数に留意して、上記(11a),(11b)式および上記(12a),(12b)式に適宜符号を与える必要がある。以上が左眼Eに提示すべき輝点の座標変換についての説明である。右眼Eに提示すべき輝点の座標変換については、(11)式および(12)式を用いるが、回転の変換は不要である。
次に、空間光変調素子11,21に呈示すべきホログラムを計算する方法について説明する。この計算方法は、空間光変調素子が光の振幅および位相の双方を空間的に変調するものであるか、および、空間光変調素子が光の振幅および位相の何れか一方のみを空間的に変調するものであるか、によって異なる。また、この計算方法としては、球面波法と、FFT(Fast Fourier Transform)を用いたフレネル変換法と、がある。以下では4つの場合に分けて計算方法について説明する。
最初に、空間光変調素子が光の振幅および位相の双方を変調するものである場合に球面波法によりホログラムを計算する方法について説明する。
表示すべき三次元再生像がq個の輝点から構成されているものとし、q個の輝点のうちのh番目の輝点が(x,y,z)の位置で振幅Iを持つとし、空間光変調素子の画素数をN×Nとし、空間光変調素子の第m行第n列にある画素における波面の複素振幅分布O(m,n)は下記(17)式で表される。このとき、隣接する画素間の位相がπを越えない(すなわち、輝点と画素位置との間の距離の差がλ/2を超えない範囲)のみで計算することが重要である。
Figure 2007121883
また、座標値zhが負の場合(すなわち、輝点が空間光変調素子に対しアフォーカル光学系の側に位置する場合)は、複素共役をとって、光の向きを修正する必要がある。そして、全ての輝点からの波面を累積加算することにより、波面の局所成分O(m,n)は下記(18)式で表される。
Figure 2007121883
以上のようにして、空間光変調素子が光の振幅および位相の双方を変調するものである場合に空間光変調素子に呈示すべきホログラムが球面波法により計算される。
次に、空間光変調素子が光の振幅および位相の双方を変調するものである場合にフレネル変換法によりホログラムを計算する方法について説明する。
空間光変調素子上の波面O(i,j)は、輝点の波面o(i,j)からの逆フレネル変換やフレネル変換により求められる。また、逆フレネル変換を用いる替わりに、輝点から空間光変調素子までフレネル変換した後、波面の方向を逆にするため複素共役をとってもよい。
フレネル変換を高速に計算するには、フレネル変換は輝点の波面と伝搬関数との畳み込み積分であることから、下記(19)式で表されるように、実像波面o(i,j)のフーリエ変換と伝搬関数((1/r)exp(jkr))のフーリエ変換との積を逆フーリエ変換して計算することと等価である。
Figure 2007121883
ここで、Fはフーリエ変換を表し、kは波数である。また、輝点からホログラムまでのz方向距離をz とすると、rは下記(20)式で表される。
Figure 2007121883
実際の計算では、離散的に実行されるため、常にナイキスト間隔の吟味が必要である。このため、伝搬関数を機械的にフーリエ変換するのではなく、伝搬関数のフーリエ変換を解析的に解いた下記の近似式(21)式を使用してもよい。ここで、μは空間周波数である。
Figure 2007121883
以上の計算を離散的に表現すると、以下のとおりである。伝搬距離をzとし、ホログラムのピッチをPとし、輝点での波面分布をo(Pm,Pn)とし、ホログラム面での波面をO(Pm,Pn)とし、伝搬関数をf(Pm,Pn)とすると、ホログラム面での波面O(Pm,Pn)は下記(22)式で表される。この式により空間光変調素子上の波面が求められる。このとき、隣接する画素間の位相がπを越えない(すなわち、輝点と画素位置との間の距離の差がλ/2を超えない範囲)のみで計算することが重要である。
Figure 2007121883
フレネル伝搬距離zによっては、下記(23)式を用いた方が好ましい。このときも、隣接する画素間の位相がπを越えない(すなわち、輝点と画素位置との間の距離の差がλ/2を超えない範囲)のみで計算することが重要である。
Figure 2007121883
以上のフレネル変換を空間光変調素子との距離の異なる輝点の数だけ繰り返し、求めた波面を累積加算して、空間光変調素子に書き込むホログラムを求める。以上のようにして、空間光変調素子が光の振幅および位相の双方を変調するものである場合に空間光変調素子に呈示すべきホログラムがフレネル変換方により計算される。
次に、空間光変調素子が光の振幅および位相の何れか一方のみを変調するものである場合に球面波法によりホログラムを計算する方法について説明する。前述したような光の振幅および位相の双方を変調する空間光変調素子を用いる場合と比較して、光の振幅および位相の何れか一方のみを変調する空間光変調素子を用いる場合には、波面計算に際して以下の2点に留意することが重要である。
第1の留意点として、輝点から空間光変調素子上に伝搬する波面の半分についてのみ波面を計算し、残りの半分についてはデータとして0を与える。すなわち、輝点を通過する空間光変調素子からの法線を中心としたホログラム表示領域において、その法線とXs軸に平行に仮定した線分を線対称軸として、Ys軸の正の向きの領域(以下「Ys領域」という。)と、Ys軸の負の向きの領域(以下「Ys領域」という。)とに2分する。そして、Ys領域のみに伝搬関数を計算する場合と、Ys領域のみに伝搬関数を計算する場合と、の2種類を実施する。
第2の留意点として、アフォーカル光学系の前段レンズ12,22の後焦点面に置かれたマスク13,23の開口それぞれは、0次光透過光の集光点を通りXs軸に平行な線分を線対称とした半分の開口に制限される。すなわち、右眼用表示装置のマスク13については、A点より下の開口を塞ぎ上の開口を残す場合と、A点より上の開口を塞ぎ下の開口を残す場合との2種類を実施する。また、左眼用表示装置のマスク23については、B点より下の開口を塞ぎ上の開口を残す場合と、B点より上の開口を塞ぎ下の開口を残す場合との2種類を実施する。
表示すべき三次元再生像がq個の輝点から構成されているものとし、q個の輝点のうちのh番目の輝点が(x,y,z)の位置で振幅Iを持つとし、空間光変調素子の画素数をN×Nとする。Ys領域のみで伝搬関数を計算する場合には、空間光変調素子の第m行第n列にある画素における波面の複素振幅分布O(m,n)は、下記(24)式および(25)式で表される。一方、Ys領域のみで伝搬関数を計算する場合には、空間光変調素子の第m行第n列にある画素における波面の複素振幅分布O(m,n)は、下記(26)式および(27)式で表される。このとき、隣接する画素間の位相がπを越えない(すなわち、輝点と画素位置との間の距離の差がλ/2を超えない範囲)のみで計算することが重要である。
Figure 2007121883
Figure 2007121883
Figure 2007121883
Figure 2007121883
また、座標値zhが負の場合(すなわち、輝点が空間光変調素子に対しアフォーカル光学系の側に位置する場合)は、複素共役をとって、光の向きを修正する必要がある。そして、全ての輝点からの波面を累積加算することにより、波面の局所成分O(m,n)は下記(28)式で表される。
Figure 2007121883
さらに、この(28)式の実数成分を下記(29)式により抽出することで、光の振幅および位相の何れか一方のみを変調する空間光変調素子に呈示すべきホログラム分布ON(i,j)を求める。また、実数成分のみを抽出する別の手法として、上記(24)式以降を実数のみで計算してもよい。
Figure 2007121883
以上のようにして、空間光変調素子が光の振幅および位相の何れか一方のみを変調するものである場合に空間光変調素子に呈示すべきホログラムが球面波法により計算される。
次に、空間光変調素子が光の振幅および位相の何れか一方のみを変調するものである場合にフレネル変換法によりホログラムを計算する方法について説明する。この場合にも、上述した第1および第2の留意点に留意することが重要である。
空間光変調素子上の波面O(i,j)は、輝点の波面o(i,j)からの逆フレネル変換やフレネル変換により求められる。また、逆フレネル変換を用いる替わりに、輝点から空間光変調素子までフレネル変換した後、波面の方向を逆にするため複素共役をとってもよい。
フレネル変換を高速に計算するには、フレネル変換は輝点の波面と伝搬関数との畳み込み積分であることから、下記(30)式で表されるように、実像波面o(i,j)のフーリエ変換と伝搬関数((1/r)exp(jkr))のフーリエ変換との積を逆フーリエ変換して計算することと等価である。
Figure 2007121883
ここで、Fはフーリエ変換を表し、kは波数である。また、輝点からホログラムまでのz方向距離をz とすると、rは下記(31)式で表される。
Figure 2007121883
空間光変調素子により形成される虚像再生像および実像再生像のうちの何れを用いるかを、後述する開口内の遮光部分によって切り替えるために、2つの場合分けを利用して、Ysの場合またはYsの場合において、下記(32)式で表されるように伝搬関数の値を0とする。
Figure 2007121883
伝搬関数を機械的にフーリエ変換するのではなく、伝搬関数のフーリエ変換を解析的に解いた下記の近似式(33)式を使用してもよい。ここで、μは空間周波数である。
Figure 2007121883
以上の計算を離散的に表現すると、以下のとおりである。伝搬距離をzとし、ホログラムのピッチをPとし、輝点での波面分布をo(Pm,Pn)とし、ホログラム面での波面をO(Pm,Pn)とし、伝搬関数をf(Pm,Pn)とすると、ホログラム面での波面O(Pm,Pn)は下記(34)式で表される。この式により空間光変調素子上の波面が求められる。ただし、伝搬関数f(Pm,Pn)について、Ysの場合には下記(35)式とし、Ysの場合には下記(36)式とする。このとき、隣接する画素間の位相がπを越えない(すなわち、輝点と画素位置との間の距離の差がλ/2を超えない範囲)のみで計算することが重要である。
Figure 2007121883
Figure 2007121883
Figure 2007121883
フレネル伝搬距離zによっては、下記(37)式を用いた方が好ましい。ただし、伝搬関数を半平面とすると、そのフーリエ変換も半平面となるから、伝搬関数f(Pm,Pn)のフーリエ変換について、Ysの場合には下記(38)式とし、Ysの場合には下記(39)式とする。このときも、隣接する画素間の位相がπを越えない(すなわち、輝点と画素位置との間の距離の差がλ/2を超えない範囲)のみで計算することが重要である。
Figure 2007121883
Figure 2007121883
Figure 2007121883
以上のフレネル変換を空間光変調素子との距離の異なる輝点の数だけ繰り返し、求めた波面を累積加算して、空間光変調素子に書き込むホログラムを求める。以上のようにして、空間光変調素子が光の振幅および位相の何れか一方のみを変調するものである場合に空間光変調素子に呈示すべきホログラムがフレネル変換法により計算される。
次に、光の振幅および位相の何れか一方のみを変調する空間光変調素子を用いた場合であって上記のように半平面のみで伝搬関数を利用したときにおけるマスク13,23による遮光について説明する。
図7は、第1実施形態に係る三次元像表示システム1における右眼用表示装置(空間光変調素子11から像14に到る光学系)を示す斜視図である。同図(a)は、その斜視図を示す。同図(b)は、マスク13の正面図を示す。この図は、1個の輝点対してYsの半平面伝搬関数を畳み込んだ計算結果であるホログラムを空間光変調素子11に提示し、空間光変調素子11に垂直に入射した照明平面波による再生像を示している。輝点1個に対して半平面伝搬関数を畳み込んだ計算結果は、余弦波ゾーンプレートを中心対称に半分としたものとなる。
余弦波ゾーンプレートのうち照明されている一部を拡大して考えると、回折格子が記録されているものとみなせる。この回折格子にビーム状の微小な平面波が入射すると、0次透過光(0次光)が発生するだけでなく、角度を伴って回折される±1次光も発生する。+1次回折光は実像点Cを発生させ、−1次回折光は虚像点Dを発生させる。ホログラム全体が照明されているため、それぞれの微小部分でこの様な±1次回折光が発生し、実像点Cおよび虚像点Dを形成する。実像点Cおよび虚像点Dは、レンズ12,31によるアフォーカル光学系により伝送され、実像点C,Dを形成する。
図7の余弦波ゾーンプレート上において、輝点(実像点C,虚像点D)から遠い(すなわち、中心から離れた)入射位置では、余弦波ゾーンプレートの間隔が小さいため、回折格子としての間隔も狭く、したがって、回折角は大きくなる。反対に、輝点(実像点C,虚像点D)に近い(すなわち、中心に近い)入射位置では、余弦波ゾーンプレートの間隔が大きいため、回折格子としての間隔も大きく、したがって、回折角は小さくなる。
そして、+1次回折光および−1次回折光それぞれの回折角は互いに等しいことから、ホログラム面から実像点Cまでの距離と、ホログラム面から虚像点Dまでの距離とは、互いに等しい。したがって、実像点Cおよび虚像点Dはは、ホログラム面を対称面とする互いに面対称の位置に再生されることになる。マスク13の開口は、0次回折波を透過させるが、更にこの開口を集光点より上下に2分し片方を遮光する遮光板を加えることにより、以下に説明する空間光変調素子11が再生する実像点Cおよび虚像点Dの何れか一方を選択する機能を有する。
図8および図9は、第1実施形態に係る三次元像表示システム1における右眼用表示装置(空間光変調素子11から像14に到る光学系)において、Ysの半平面伝搬関数を利用した場合の光束を示す側面図である。図8は虚像点Dの光束を示し、図9は実像点Cの光束を示す。Ysの半平面伝搬関数による再生の場合には、虚像再生像Dからの光線は光軸に対して下向きであり、実像再生像Cからの光線は光軸に対して上向きである。したがって、レンズ12の後焦点面で光軸より上の光線を遮光すると、ホログラムの虚像再生像がレンズによって結像した実像が得られ(図8)、レンズ12の後焦点面で光軸より下の光線を遮光すると、ホログラムの実像再生像がレンズによって虚像化した像が得られる(図9)。
図10および図11は、第1実施形態に係る三次元像表示システム1における右眼用表示装置(空間光変調素子11から像14に到る光学系)において、Ysの半平面伝搬関数を利用した場合の光束を示す側面図である。図10は虚像点Dの光束を示し、図11は実像点Cの光束を示す。Ysの半平面伝搬関数による再生の場合には、虚像再生像Dからの光線は光軸に対して上向きであり、実像再生像Cからの光線は光軸に対して下向きである。したがって、レンズ12の後焦点面で光軸より下の光線を遮光すると、ホログラムの虚像再生像がレンズによって結像した実像が得られ(図10)、レンズ12の後焦点面で光軸より上の光線を遮光すると、ホログラムの実像再生像がレンズによって虚像化した像が得られる(図11)。
再生物体が複数の輝点によって構成されていても、ホログラム面上では、畳み込み積分の性質上、1点の半平面伝搬関数を複数重ね合わせたものとなるため、再生の様子も1点の半平面伝搬関数によるホログラムと同様になる。
以上のように、第1実施形態に係る三次元像表示システムおよび当該システムを用いた三次元表示方法では、右眼用表示装置および左眼用表示装置を用いることにより、視域を確保することができるとともに、システムの小型化が可能となる。また、空間光変調素子で発生する再生光のうち0次回折波を利用することから、明るい像が得られ、また、照明光の利用効率がよい。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る三次元像表示システムの第2実施形態について説明する。第2実施形態でも、0次回折波を複数用いて視域を広げるに際して、少なくとも2枚のレンズで構成されるアフォーカル光学系の後段のレンズを共用化して部品数を削減する。
図12は、第2実施形態に係る三次元像表示システム2の平面図である。この三次元像表示システム2は3組の表示装置を備える。この図では、ミラーやハーフミラー等の図示を省略して、3組の表示装置それぞれに含まれるアフォーカル光学系を互いに重ねて表示している。
3組の表示装置のうち、第1表示装置は、空間光変調素子51から像54までの光学系を含み、アフォーカル光学系としてレンズ52およびレンズ81を含む。第2表示装置は、空間光変調素子61から像64までの光学系を含み、アフォーカル光学系としてレンズ62およびレンズ81を含む。また、第3表示装置は、空間光変調素子71から像74までの光学系を含み、アフォーカル光学系としてレンズ72およびレンズ81を含む。像54,64,74は、アフォーカル光学系による空間光変調素子51,61,71の像である。
3個の空間光変調素子51,61,71は、アフォーカル光学系に対して特定の角度を持って互いに傾斜して配置されている。また、3個の空間光変調素子51,61,71それぞれは、平面波である照明光が垂直入射する。ここで、上記の空間光変調素子の特定の角度は、n次回折波の進行方向とアフォーカル光学系の光軸とを一致させ得るものあり、n番目の空間光変調素子の配置角度θは下記(40)式で示される。
Figure 2007121883
空間光変調素子が光軸に対し角度を持っていても、照明平面波が空間光変調素子に垂直に入射し回折波を発生させるが、その回折波の角度は(40)式に従うため、レンズ52,62,72に入射する高次回折光は、互いに平行であり、レンズ52,62,72の後焦点面で上記(5)式および(6)式と同様の振る舞いを示す。
図12において、光軸に垂直な面に対し角度θで配置された空間光変調素子に垂直に照明平面波を入射させると、その空間光変調素子で発生する0次回折光は、図2中の集光点Aの様に、角度0で配置された空間光変調素子に垂直に照明平面波を入射させた場合のn次回折波の集光点に集光する。
例えば、角度θを与えられた空間光変調素子に照明平面波を垂直に入射させると、0次回折光は集光点Aに集光し、−1次回折光は集光点Aに集光し、+1次回折光は集光点Aに集光する。このとき、−1次回折光は、角度を与えずに配置した空間光変調素子に対して照明平面波を垂直に入射させた場合の0次回折光と同一の光束をたどることになる。
さらに例えば、角度θを与えられた空間光変調素子に照明平面波を垂直に入射させると、0次回折光は集光点Aに集光し、−1次回折光は集光点Aに集光し、−2次回折光は集光点Aに集光する。このとき、−2次回折光は、角度を与えずに配置した空間光変調素子に対して照明平面波を垂直に入射させた場合の0次回折光と同一の光束をたどることになる。
以上のように、上記(40)式で表される角度θを与えられて配置された空間光変調素子に垂直な照明平面波を入射させたとき、その空間光変調素子で発生する0次回折波は、アフォーカル光学系により異なった経路をたどり再結像するが、その異なった経路とは上記(5)式または(6)式で示す位置を経たものとなる。ホログラムによって発生した波面はn次回折波にそれぞれ等しく含まれるが、そのうち0次回折波の強度が最大となるため、この0次回折波を用いて三次元物体の再生を行うことが光源の有効利用となる。
ここで、図4と同様に、アフォーカル光学系の後段レンズ81の後焦点位置を原点とするX2-Y2-Z2座標系を設定する。Y2軸は垂直方向であり、Z2軸はアフォーカル光学系の光軸と一致する。空間光変調素子の中心位置を原点とするX1-Y1-Z1座標系を設定する。Y1軸は垂直方向であり、Z1軸はアフォーカル光学系の光軸と一致する。また、空間光変調素子の中心位置を原点とするXs-Ys-Zs座標系を設定する。Ys軸は垂直方向であり、Zs軸は空間光変調素子の面に対して垂直方向である。
照明光入射により空間光変調素子が形成する虚像点Dの位置をX1-Y1-Z1座標系で(x,y,z)と表し、観察される実像点Dの位置をX2-Y2-Z2座標系で(x,y,z)と表す。これら虚像点Dおよび実像点Dそれぞれの座標値の間には、上記(11)式または(12)式で表される関係がある。
X1-Y1-Z1座標系における座標値をXs-Ys-Zs座標系における座標値に変換する回転行列をTθは、下記(41)式で表される。そして、X1-Y1-Z1座標系で表した虚像点Dの位置(x,y,z)は、下記(42)式により、Xs-Ys-Zs座標系で表した虚像点Dの位置(x,y,z)に変換される。
Figure 2007121883
Figure 2007121883
また、空間光変調素子の像の傾きθonは、空間光変調素子の傾きθnに対して、下記(43)式または(44)式で表される関係がある。さらに、この(44)式に上記(40)式を代入して近似すると、下記(45)式が得られる。
Figure 2007121883
Figure 2007121883
Figure 2007121883
ホログラムを計算する方法は第1実施形態の場合と同様である。
次に、図13を用いて、再生輝点の発散角が増加して視域が拡大されることを説明する。図13は、第2実施形態に係る三次元像表示システム2における再生光の発生の様子を示す平面図である。この図でも、ミラーやハーフミラー等の図示を省略して、3組の表示装置それぞれに含まれるアフォーカル光学系を互いに重ねて表示している。また、この図では、各々2つの輝点を再生させるホログラムを空間光変調素子51,61,71それぞれに呈示し、空間光変調素子51,61,71で発生する再生光により実像点Cおよび虚像点Dを形成した場合について、これらの光束を重ねて示す。
実像点Cは、レンズ52,62,72により虚像点Cへ虚像化され、さらにレンズ81により実像点Cとされる。また、虚像点Dは、レンズ52,62,72,31により虚像点Dへ虚像化され実像点Dとされる。
空間光変調素子51が光軸に対して傾きを持たない場合の再生光の光束は、レンズ52の後焦点面の0次透過光の集光点Aを中心とした少なくとも大きさ「λf/P」の正方形の内部の領域を通過し、実像点C,Dで集光された後、光軸に平行となる中心軸を持つ光束として発散する。
光軸に対して角度θだけ傾斜した空間光変調素子61に対して照明平面波が垂直入射する場合の再生光の光束は、レンズ62の後焦点面の0次透過光の集光点A+1を中心とした少なくとも大きさ「λf/P」の正方形の内部の領域を通過し、実像点C,Dで集光された後、光軸に対して角度θo1の傾きとなる中心軸を持つ光束として発散する。
光軸に対して角度(−θ)だけ傾斜した空間光変調素子71に対して照明平面波が垂直入射する場合の再生光の光束は、レンズ72の後焦点面の0次透過光の集光点A−1を中心とした少なくとも大きさ「λf/P」の正方形の内部の領域を通過し、実像点C,Dで集光された後、光軸に対して角度θo-1の傾きとなる中心軸を持つ光束として発散する。
レンズ52,62,72の後焦点面での大きさ「λf/P」の開口が連続して配置しているため、実像点C,Dからの発散光束は、連続したものとなり、連続した視域の拡大となる。したがって、第1実施形態の様に視点を固定する必要が無くなる。
図12および図13では空間光変調素子51,61,71が同一空間領域に存在するかの如く表示した。空間光変調素子および照明光源を一体にして1組だけ設けて、これらの方位を時系列的に変化させるとともに、その方位に応じて、ホログラムを空間光変調素子に呈示し、アフォーカル光学系の前段レンズの後焦点面における開口の位置を例えば電磁シャッタで変化させてもよい。しかし、より好適かつ簡便には、図14に示されるような構成とすればよい。
図14は、第2実施形態に係る三次元像表示システム2の平面図である。この図に示される三次元像表示システム2は、空間光変調素子51,レンズ52,マスク53,空間光変調素子61,レンズ62,マスク63,ミラー65,空間光変調素子71,レンズ72,マスク73,ミラー75およびレンズ81を備える。空間光変調素子51,61,71は互いに同等の構成のものである。レンズ52,62,72は、互いに同等の構成のものであり、焦点距離fを有する。レンズ81は、焦点距離fを有する。マスク63とレンズ81との間の光路にミラー65が挿入されており、ミラー65によるレンズ62の虚像はレンズ52に重なる。マスク73とレンズ81との間の光路にミラー75が挿入されており、ミラー75によるレンズ72の虚像はレンズ52に重なる。
空間光変調素子51とレンズ52との間の距離はfであり、レンズ52とマスク53との間の距離はfであり、マスク53とレンズ81との間の距離はfである。レンズ52およびレンズ81は、アフォーカル光学系を構成していて、レンズ81の後焦点面に空間光変調素子51の像54を形成する。空間光変調素子51,レンズ52,マスク53およびレンズ81は、1つの表示装置を構成している。この表示装置では、空間光変調素子51は、ホログラムが呈示され、平面波である照明光の垂直入射により再生光を発生する。アフォーカル光学系(レンズ52,81)は、空間光変調素子51で発生した再生光を入力し結像して再生像を形成する。
空間光変調素子61とレンズ62との間の距離はfであり、レンズ62とマスク63との間の距離はfであり、マスク63とレンズ81との間の距離はfである。レンズ62およびレンズ81は、アフォーカル光学系を構成していて、レンズ81の後焦点面に空間光変調素子61の像64を形成する。空間光変調素子61,レンズ62,マスク63およびレンズ81は、1つの表示装置を構成している。この表示装置では、空間光変調素子61は、ホログラムが呈示され、平面波である照明光の垂直入射により再生光を発生する。アフォーカル光学系(レンズ62,81)は、空間光変調素子61で発生した再生光を入力し結像して再生像を形成する。
また、空間光変調素子71とレンズ72との間の距離はfであり、レンズ72とマスク73との間の距離はfであり、マスク73とレンズ81との間の距離はfである。レンズ72およびレンズ81は、アフォーカル光学系を構成していて、レンズ81の後焦点面に空間光変調素子71の像74を形成する。空間光変調素子71,レンズ72,マスク73およびレンズ81は、1つの表示装置を構成している。この表示装置では、空間光変調素子71は、ホログラムが呈示され、平面波である照明光の垂直入射により再生光を発生する。アフォーカル光学系(レンズ72,81)は、空間光変調素子71で発生した再生光を入力し結像して再生像を形成する。
なお、アフォーカル光学系(レンズ52,81)、アフォーカル光学系(レンズ62,81)、および、アフォーカル光学系(レンズ72,81)は、各々の後段光学系としてのレンズ81を共用していて、空間光変調素子51,61,71の像54,64,74を互いに同一の空間領域に形成し、また、各々の再生像を互いに同一の空間領域(像54,64,74の近傍の空間領域)に形成する。
空間光変調素子61の面は、アフォーカル光学系(レンズ62,81)の光軸に垂直な面に対して角度(−θ)だけ傾斜している。また、空間光変調素子71の面は、アフォーカル光学系(レンズ72,81)の光軸に垂直な面に対して角度θだけ傾斜している。ここで、角度θは上記(40)式で表される。
レンズ52の後焦点面に設けられているマスク53は、大きさ「λf/P」以下の開口を有し、空間光変調素子51で発生した再生光のうち±1次および±2次等の高次回折像を除去し、0次再生光のみを通過させる。レンズ62の後焦点面に設けられているマスク63は、大きさ「λf/P」以下の開口を有し、空間光変調素子61で発生した再生光のうち±1次および±2次等の高次回折像を除去し、0次再生光のみを通過させる。また、レンズ72の後焦点面に設けられているマスク73は、大きさ「λf/P」以下の開口を有し、空間光変調素子71で発生した再生光のうち±1次および±2次等の高次回折像を除去し、0次再生光のみを通過させる。ここで、Pは空間光変調素子51,61,71の画素ピッチであり、λは照明光の波長である。
以上のように構成される第2実施形態に係る三次元像表示システムでも、複数の表示装置を用いることにより、視域を確保することができるとともに、システムの小型化が可能となる。また、空間光変調素子で発生する再生光のうち0次回折波を利用することから、明るい像が得られ、また、照明光の利用効率がよい。
第1実施形態に係る三次元像表示システム1の平面図である。 空間光変調素子11における再生光の発生の様子を示す平面図である。 レンズ12の後焦点面における各次数の回折波の集光の様子を示す図である。 第1実施形態に係る三次元像表示システム1における左眼用表示装置(空間光変調素子21から像24に到る光学系)を示す平面図である。 第1実施形態に係る三次元像表示システム1における右眼用表示装置(空間光変調素子11から像14に到る光学系)と左眼用表示装置(空間光変調素子21から像24に到る光学系)とを互いに重ねて示す平面図である。 空間光変調素子21およびその像24を示す平面図である。 第1実施形態に係る三次元像表示システム1における右眼用表示装置(空間光変調素子11から像14に到る光学系)を示す斜視図である。 第1実施形態に係る三次元像表示システム1における右眼用表示装置(空間光変調素子11から像14に到る光学系)において、Ysの半平面伝搬関数を利用した場合の光束を示す側面図である。 第1実施形態に係る三次元像表示システム1における右眼用表示装置(空間光変調素子11から像14に到る光学系)において、Ysの半平面伝搬関数を利用した場合の光束を示す側面図である。 第1実施形態に係る三次元像表示システム1における右眼用表示装置(空間光変調素子11から像14に到る光学系)において、Ysの半平面伝搬関数を利用した場合の光束を示す側面図である。 第1実施形態に係る三次元像表示システム1における右眼用表示装置(空間光変調素子11から像14に到る光学系)において、Ysの半平面伝搬関数を利用した場合の光束を示す側面図である。 第2実施形態に係る三次元像表示システム2の平面図である。 第2実施形態に係る三次元像表示システム2における再生光の発生の様子を示す平面図である。 第2実施形態に係る三次元像表示システム2の平面図である。
符号の説明
1,2…三次元像表示システム、11…空間光変調素子、12…レンズ、13…マスク、14…像、21…空間光変調素子、22…レンズ、23…マスク、24…像、25…ミラー、31…レンズ、51…空間光変調素子、52…レンズ、53…マスク、54…像、61…空間光変調素子、62…レンズ、63…マスク、64…像、65…ミラー、71…空間光変調素子、72…レンズ、73…マスク、74…像、75…ミラー、81…レンズ。

Claims (4)

  1. 第1ホログラムが呈示され第1照明光の垂直入射により第1再生光を発生する第1空間光変調素子と、この第1空間光変調素子で発生した第1再生光を入力し結像して第1再生像を形成する第1アフォーカル光学系と、を含む第1表示装置と、
    第2ホログラムが呈示され第2照明光の垂直入射により第2再生光を発生する第2空間光変調素子と、この第2空間光変調素子で発生した第2再生光を入力し結像して第2再生像を形成する第2アフォーカル光学系と、を含む第2表示装置と、
    を備え、
    前記第1アフォーカル光学系および前記第2アフォーカル光学系それぞれの後段光学系が共通のものであり、
    前記第1アフォーカル光学系および前記第2アフォーカル光学系が前記第1再生像および前記第2再生像を互いに同一の空間領域に形成し、
    前記第2表示装置において、前記第2アフォーカル光学系の光軸に垂直な面に対して前記第2空間光変調素子の面が傾斜しており、
    前記第1表示装置において、前記第1空間光変調素子の画素ピッチをPとし、前記第1アフォーカル光学系の前段光学系の焦点距離をfとし、前記第1照明光の波長をλとしたときに、大きさ「λf/P」以下の開口を有する第1マスクが前記第1アフォーカル光学系の前段光学系の後焦点面に設けられ、
    前記第2表示装置において、前記第2空間光変調素子の画素ピッチをPとし、前記第2アフォーカル光学系の前段光学系の焦点距離をfとし、前記第2照明光の波長をλとしたときに、大きさ「λf/P」以下の開口を有する第2マスクが前記第2アフォーカル光学系の前段光学系の後焦点面に設けられている、
    ことを特徴とする三次元像表示システム。
  2. 前記第1表示装置において、前記第1空間光変調素子で発生した第1再生光に含まれる0次光が前記第1アフォーカル光学系の前段光学系により集光される点に、前記第1マスクの開口の中心が位置し、
    前記第2表示装置において、前記第2空間光変調素子で発生した第2再生光に含まれる0次光が前記第2アフォーカル光学系の前段光学系により集光される点に、前記第2マスクの開口の中心が位置する、
    ことを特徴とする請求項1記載の三次元像表示システム。
  3. 前記第2表示装置において、前記第2アフォーカル光学系の光軸に垂直な面に対する前記第2空間光変調素子の面の傾斜角度が、前記光学系の倍率をMとし整数をnとしたときに「tan-1(nλ/MP)」である、ことを特徴とする請求項1記載の三次元像表示システム。
  4. 請求項1記載の三次元像表示システムを用いて三次元像を表示する方法であって、
    前記第2表示装置において、前記第2アフォーカル光学系の光軸に垂直な面に対する前記第2空間光変調素子の面の傾斜角度を、前記三次元像を観察する観察者の位置および両眼間隔に応じて設定して、
    前記第1表示装置により第1再生像を形成し、前記第2表示装置により第2再生像を形成する、
    ことを特徴とする三次元像表示方法。
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