JPH11312677A - アルミニウム含有金属の酸化物皮膜形成用化成液 - Google Patents

アルミニウム含有金属の酸化物皮膜形成用化成液

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JPH11312677A
JPH11312677A JP12042698A JP12042698A JPH11312677A JP H11312677 A JPH11312677 A JP H11312677A JP 12042698 A JP12042698 A JP 12042698A JP 12042698 A JP12042698 A JP 12042698A JP H11312677 A JPH11312677 A JP H11312677A
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aluminum
film
acid
containing metal
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JP12042698A
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Makoto Ue
誠 宇恵
Bunichi Mizutani
文一 水谷
Sachie Takeuchi
佐千江 竹内
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 アルミニウム含有金属の陽極酸化時に使用す
ることによって、絶縁性に優れ、ヒロックが発生しにく
い酸化物皮膜を形成することができる化成液を提供する
こと。 【解決手段】 タングステン酸等の遷移元素を含むオキ
ソ酸の塩を水に溶解してなる、アルミニウム含有金属の
酸化物皮膜形成用化成液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム含有
金属を陽極酸化することによって酸化物皮膜を形成する
技術に関する。より具体的には、アルミニウム含有金属
に酸化物皮膜を形成するための化成液、該化成液を利用
した酸化物皮膜の形成方法、および該化成液を用いて表
面に酸化物皮膜を形成したアルミニウム含有金属に関す
る。本発明は、とくに液晶表示パネルの薄膜半導体(T
FT)素子のゲート配線や集積回路の配線の化成処理に
有効に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】アルミニウムやアルミニウムを主として
含有する合金(以下これらを「アルミニウム含有金属」
という)は、強度が高く軽量で安価であることから様々
な工業的用途に供されている。特に、アルミニウム含有
金属は比抵抗が小さいことから、TFT素子や集積回路
の配線に効果的に使用されている。これらの配線は、他
の配線や電極との間で短絡しないようにするために表面
に絶縁膜を形成しておくことが必要とされる。
【0003】アルミニウム含有金属の表面に絶縁膜を形
成する方法として、陽極酸化による化成処理法がある。
この方法は、アルミニウム含有金属の表面を化成液中で
電気化学的に酸化することによってアルミニウム含有金
属の表面に酸化物皮膜を形成する方法である。この方法
は、化成液中で行うことから不純物混入による欠陥を生
じにくいうえ、緻密で平滑な酸化物皮膜を簡単に形成す
ることができる点で優れている。このため化成処理によ
る酸化物皮膜形成法は、TFT素子や集積回路の配線製
造工程において有効に利用されている。
【0004】アルミニウム含有金属の酸化物皮膜形成に
使用する化成液として、これまでに種々の組成物が提案
されている。例えば特開昭58−147069号公報で
は酒石酸アンモニウム水溶液、特開昭63−164号公
報ではクエン酸および酒石酸ナトリウム水溶液を化成液
として使用している。また、特開昭61−133662
号公報では、1%ホウ酸アンモニウム水溶液、または3
%酒石酸水溶液とプロピレングリコールとを1:3で混
合した化成液を使用している。特開平2−85826号
公報では、3%酒石酸水溶液をエチレングリコールまた
はプロピレングリコールで希釈し、アンモニア水でpH
を7程度に調整した化成液を使用している。特開平6−
216389号公報では、1%酒石酸アンモニウム水溶
液、1%アジピン酸アンモニウム水溶液、1%シュウ酸
アンモニウム水溶液または1%クエン酸アンモニウム水
溶液とエチレングリコールとを体積比3:7で混合した
化成液を使用している。特開平8−50304号公報で
は、3%酒石酸水溶液、15%酢酸およびエチレングリ
コールを9:1:10で混合した化成液を使用してい
る。特開平8−286209号公報では、四ホウ酸アン
モニウム、五ホウ酸アンモニウムおよびホウ酸アンモニ
ウムから選択された無機酸アンモニウム塩の水溶液と、
酒石酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、アジピン
酸アンモニウム、フタル酸アンモニウム、シュウ酸アン
モニウム、サリチル酸アンモニウムおよび炭酸アンモニ
ウムから選択された有機酸アンモニウム塩の水溶液を化
成液として使用している。
【0005】このように従来から種々の化成液が提案さ
れているが、これらの化成液を使用してアルミニウム含
有金属を陽極酸化しても十分な絶縁性を有する酸化物皮
膜を形成することはできない。このため、絶縁破壊を防
ぐためには、形成した酸化物皮膜のうえに別の絶縁膜を
さらに形成しなければならない。特にTFT素子の製造
に際しては、CVD法によって酸化物皮膜の上に厚いS
iN膜を形成して絶縁性を補っている。CVD法は高温
で行うことから、このときにアルミニウム含有金属表面
に生じているヒロックと呼ばれる針状微小突起が成長し
てゲート絶縁膜を突き破り表示パネルに欠陥を生じさせ
るという問題も派生している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明はこれ
らの従来技術の問題点を解決することを課題とした。す
なわち本発明は、アルミニウム含有金属に十分な絶縁性
を有する酸化物皮膜を形成することができる新しい化成
液を提供することを解決すべき課題とした。また本発明
は、アルミニウム含有金属の陽極酸化に使用することに
よって該金属表面のヒロック発生を抑制することができ
る化成液を提供することをも解決すべき課題とした。併
せて本発明は、絶縁性が良好な酸化物皮膜を形成する方
法、およびヒロック発生が抑制された高絶縁性酸化物皮
膜を有するアルミニウム含有金属を提供することも解決
すべき課題とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を進めた結果、遷移元素を含む
オキソ酸塩の水溶液を化成液としてアルミニウム含有金
属の陽極酸化を行えば、極めて良好な性質を有する酸化
物皮膜を形成することができることを見出し、本発明を
完成するに至った。すなわち本発明は、遷移元素を含む
オキソ酸の塩を水に溶解してなる、アルミニウム含有金
属の酸化物皮膜形成用化成液を提供する。オキソ酸とし
ては、タングステン酸、モリブデン酸、クロム酸、バナ
ジン酸、過レニウム酸および過マンガン酸を使用するの
が好ましく、タングステン酸を使用するのが特に好まし
い。
【0008】本発明は、これらの化成液中でアルミニウ
ム含有金属を陽極酸化する工程を含む、アルミニウム含
有金属に酸化物皮膜を形成する方法も提供する。この方
法は、特にアルミニウムと希土類元素とを含有する合金
に対して好ましく適用される。さらに本発明は、基板上
にパターニングされたアルミニウム含有金属配線に上記
方法により酸化物皮膜を形成した素子も提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の内容を詳
細に説明する。本発明の化成液は、遷移元素を含むオキ
ソ酸の塩を水に溶解したものである。溶質として用いる
オキソ酸はプロトンとして解離しうる水素が酸素原子に
結合している無機酸であり、中心原子は遷移金属であ
る。具体的には、タングステン酸、モリブデン酸、クロ
ム酸、バナジン酸、過レニウム酸および過マンガン酸を
例示することができる。中でも、タングステン酸、モリ
ブデン酸、クロム酸およびバナジン酸を使用するのが好
ましく、タングステン酸を使用するのが最も好ましい。
また、本発明で使用する無機オキソ酸はポリ酸であって
もよく、そのポリ酸はイソポリ酸であってもヘテロポリ
酸であってもよい。
【0010】これらの酸の塩を形成するための陽イオン
は、特に制限されない。例えば、アンモニウムイオン、
アルカリ金属イオン、1,2,3または4級アルキルア
ンモニウムイオン、ホスホニウムイオンおよびスルホニ
ウムイオンなどを用いることができる。中でも、アンモ
ニウムイオンまたは1,2,3または4級アルキルアン
モニウムイオンを用いるのが好ましい。アルキルアンモ
ニウムイオンを用いる場合のアルキル基の大きさは、溶
媒への溶解性を考慮して選択することができる。通常は
炭素数1〜4のアルキル基を選択する。
【0011】これらの溶質は1種を単独で使用してもよ
いし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、
これらの溶質とこれら以外の溶質を組み合わせて使用し
てもよい。本発明の化成液の溶質濃度は、0.01〜3
0重量%の範囲内に設定するのが一般的であり、1〜1
5重量%の範囲内に設定するのが好ましい。
【0012】本発明の化成液は、従来の化成液とは異な
る新しい組成を有する点に特徴がある。すなわち、従来
から提案されている化成液の大半は水溶液であるが、使
用している溶質は酒石酸塩、アジピン酸塩、シュウ酸
塩、クエン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、五ホウ酸塩な
どの少数の化合物に限られている。また、アルコール性
水酸基を有する溶媒に溶解した化成液も少数提案されて
いるが、溶質は酒石酸等に限定されている。本発明者ら
は、このような従来の化成液組成の枠組みにとらわれ
ず、新しい溶質と溶媒の組み合わせについて化成液とし
ての適性評価をしたところ、驚くべきことに従来試みら
れていなかった溶質と溶媒の組み合わせに優れた効果が
あることを見出したものである。
【0013】すなわち、本発明の化成液を用いてアルミ
ニウム含有金属を陽極酸化すれば、従来の化成液を用い
て陽極酸化した場合に比べて絶縁性が高い酸化物皮膜を
形成することができる。また、本発明の化成液を用いて
酸化物皮膜を形成しておけば、その後の工程における高
温処理によるヒロックの発生と成長を抑制することもで
きる。したがって、本発明の化成液を用いれば耐電圧が
高い酸化物皮膜を効率良く形成することができる。ま
た、本発明の化成液を用いて形成される酸化物皮膜は、
不純物遮断性皮膜、配線や基板の保護皮膜、防食皮膜、
着色皮膜、吸湿性皮膜としても機能しうるものである。
【0014】本発明の化成液を用いてアルミニウム含有
金属を陽極酸化する条件は、特に制限されない。陽極酸
化時の温度は、化成液が安定に液体として存在する温度
範囲に限定され、一般的に−20〜150℃の範囲内で
あり、好ましくは10〜100℃の範囲内である。陽極
酸化時の電流および電圧の制御方法は特に限定されず、
アルミニウム含有金属表面に酸化物皮膜が形成される条
件を適宜組み合わせることができる。通常は、あらかじ
め定められた化成電圧(Vf)まで定電流で化成し、化
成電圧に達した後にその電圧に一定時間保持して陽極酸
化する。この際の電流密度は0.001〜100mA/
cm2 の範囲内にし、好ましくは0.01〜10mA/
cm2 の範囲内にする。また、Vfは通常20〜200
Vの範囲内に設定し、好ましくは50〜150Vの範囲
内にする。なお、化成電圧に至るまで直流電源の代わり
にピーク電流値が一定の交流を使用し、化成電圧に達し
たところで直流電圧に切り替えて一定時間保持する方法
を採用してもよい。
【0015】また、本発明の化成液を用いた陽極酸化
は、アルミニウム含有金属の全体にわたって行ってもよ
いし、その一部のみに行ってもよい。アルミニウム含有
金属の一部にのみ酸化物皮膜を形成する場合は、フォト
レジストなどの方法によってあらかじめ陽極酸化すべき
部分を選択しておく。
【0016】本発明の化成液を用いて陽極酸化したアル
ミニウム含有金属は、さらに酸化物皮膜の絶縁性を高め
るために熱処理してもよい。例えば、200〜400℃
程度に加熱することによって絶縁性を高めることができ
る。また、陽極酸化によって形成した酸化物皮膜以外の
絶縁膜を形成することによって、さらに絶縁性を強化し
てもよい。例えば、TFT素子においてはSiN膜やS
iO2 膜を形成することができる。これらの膜は200
℃以上の高温で形成するが、このような高温下において
も本発明の化成液で酸化物皮膜を形成している限りヒロ
ックの発生は抑制される。
【0017】本発明の化成液を用いれば、アルミニウム
を含有する金属を広く陽極酸化することができる。対象
となる金属はアルミニウムのみからなる金属であっても
よいし、アルミニウムを含有する合金であってもよい。
アルミニウムを含有する合金の場合、アルミニウムと組
み合わせる金属の種類と数は特に制限されない。したが
って、TFT素子や集積回路の配線に用いることができ
るアルミニウム含有金属はすべて本発明の化成液によっ
て有効に陽極酸化することができる。純粋アルミニウム
は比較的高活性でヒロックが発生しやすいことから、ア
ルミニウム以外の元素を微量含有する合金が配線材料と
して好ましく使用される。例えば、アルミニウムにS
c、Y、La、Pr、Nd、Gd、Dy、Ho、Er等
の希土類元素を混合した合金(特開平8−250494
号公報)、Si、Cu、Pdを混合した合金、Ti、T
a、Zr、Hf、Nb、W、Mo等のバルブ金属を混合
した合金(特開平8−286209号公報)などを使用
することができる。アルミニウムにこれらの元素を添加
すると一般に電気抵抗は著しく増大する。このためこれ
らの元素の添加量は0.01%〜3%程度にとどめ、電
気抵抗を通常10μΩ・cm以下、好ましくは5μΩ・
cm以下にするのが一般的である。また、添加金属とア
ルミニウムとを混合した後に300〜450℃程度に加
熱することによって添加金属とアルミニウムとの金属間
化合物として析出させたものを使用することもできる。
【0018】本発明の化成液を用いた酸化物皮膜形成
は、様々な技術分野において広く利用することができ
る。例えば、耐食性や耐候性を持たせることを目的とし
て、航空機、船舶、車両、建築物などの構造材料、家庭
用品、光学機器などに利用することができる。また、電
気的、電子的、磁気的特性を持たせることを目的とし
て、アルマイト電線、プリント配電基板、電解コンデン
サ−、磁気記録ディスク、スイッチング素子、湿度セン
サーなどに利用することもできる。また、光、熱的特性
を持たせることを目的として、太陽熱吸収板、反射板、
多色アルマイト、感光性アルマイト、発光素子、蛍光素
子、IC放熱板などに利用することもできる。また、特
定の機械的性質を持たせることを目的として、潤滑アル
マイト、硬質アルマイト、スピーカー振動板などに利用
することもできる。さらに、印刷、装飾、デザイン上の
特徴を持たせることを目的として、PS印刷板、ネーム
プレート、装飾パネル、転写ドラムなどに利用すること
もできる。その他に、触媒、調湿アルマイト、吸着剤、
イオン選択透過膜、濾過膜に利用することもできる。
【0019】本発明の化成液を用いた酸化物皮膜形成
は、TFT素子や集積回路の配線のように酸化物皮膜に
高い絶縁性が要求される場合に特に有用である。中でも
液晶表示素子に用いられるTFT素子のゲート配線の絶
縁膜形成に利用すれば極めて効果的である。現在実用化
されているTFT素子には、ゲート配線の積層順序によ
り、図1に示すボトムゲート型と、図2に示すトップゲ
ート型の2種類がある。本発明はいずれの構造のTFT
素子にも利用しうるが、陽極酸化を行うためにボトムゲ
ート型により有効に適用される。
【0020】図1に示すボトムゲート型TFT素子を製
造するには、まず通常無アルカリガラスでできた基板1
上にゲート配線(ゲート電極)2をスパッタリング法で
堆積しパターニングする。このとき堆積するゲート配線
が、次の工程で陽極酸化する金属になる。したがって本
発明では、純粋アルミニウム、または上記の希土類金属
含有金属、バルブ金属、Si、Cu、Pd等を微量含有
するアルミニウム合金をゲート配線として堆積する。そ
の後、本発明の化成液を用いて陽極酸化することによっ
て、ゲート電極2の表面に絶縁性に優れた酸化物皮膜3
を形成し、必要に応じて熱処理を行って皮膜を安定化さ
せる。さらにゲート電極と半導体層との間の絶縁性を高
める必要があるときには、CVD法によってSiN膜を
堆積し、ゲート絶縁膜4を形成する。このとき酸化物皮
膜3の熱処理やCVDによる高温下でも、ヒロックの発
生および成長は抑制される。ゲート絶縁膜4の上にはさ
らに半導体層5を形成する。半導体層には従来より45
0℃以上で熱処理した非晶質または多結晶のシリコン膜
が用いられてきたが、最近では、350℃以下の低温で
熱処理した多結晶シリコン膜が開発されている。最後
に、半導体層5の上にソース電極6およびドレイン電極
7を形成することによってTFT素子を製造することが
できる。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。以下の実施例に示す成分、割合、操作手順
等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更するこ
とができる。したがって、本発明の範囲は以下の実施例
に示す具体例に制限されるものではない。
【0022】ガラス基板上に厚さ400nmの合金薄膜
(98.5%Al、1.0%Si、0.5%Cu)をス
パッタリング法により堆積した。この薄膜を表1に記載
される各化成液中にて電流密度0.1mA/cm2 で1
00Vまで定電流化成し、その後約2時間定電圧化成す
ることによって、酸化物皮膜を形成した。さらに、窒素
雰囲気下にて350℃で熱処理を行なって皮膜を安定化
させた。その後、スパッタリング法によりAlを約40
0nm堆積して電極薄膜を形成し、1mmφのパターン
を有するMIM型素子を作成した。このMIM型素子の
合金薄膜をグラウンドとし、Al薄膜を作用電極とし
て、0Vから1V刻みで電圧を印加して漏れ電流を測定
した。両電極間に0.1A以上の電流が流れた電圧を耐
電圧として記録した。結果を表1に示す。なお、顕微鏡
観察を行ったところ、各酸化物皮膜にヒロックはほとん
ど認められなかった。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】表1から明らかなように、本発明の化成
液を用いた場合は従来の化成液を用いた場合に比べて形
成される酸化物皮膜の絶縁性が高い。また、本発明の化
成液を用いて形成した酸化物皮膜は、その後の高温処理
においてもヒロックの成長を阻止することができる。こ
のため、本発明の化成液を用いれば、絶縁性が高くてヒ
ロックを有効に抑制しうる酸化物皮膜を製造することが
できる。本発明の化成液は、アルミニウム含有金属の陽
極酸化が必要とされる製品および部品に広く利用するこ
とが可能である。特にTFT素子のゲート配線の絶縁膜
形成に利用すれば、SiN絶縁膜を不要または薄くする
ことができるうえ、素子の信頼性も高めることができ
る。また、集積回路の配線に利用した場合も、絶縁耐圧
を高くすることができるため信頼性を高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ボトムゲート型TFT素子の断面図である。
【図2】 トップゲート型TFT素子の断面図である。
【符号の説明】
1: 基板 2: ゲート電極 3: 酸化物皮膜 4: ゲート絶縁膜 5: 半導体層 6: ソース電極 7: ドレイン電極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遷移元素を含むオキソ酸の塩を水に溶解
    してなる、アルミニウム含有金属の酸化物皮膜形成用化
    成液。
  2. 【請求項2】 前記オキソ酸がタングステン酸、モリブ
    デン酸、クロム酸、バナジン酸、過レニウム酸および過
    マンガン酸からなる群から選択される1以上の化合物で
    ある請求項1の化成液。
  3. 【請求項3】 前記オキソ酸がタングステン酸である請
    求項2の化成液。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの化成液中でア
    ルミニウム含有金属を陽極酸化する工程を含む、アルミ
    ニウム含有金属に酸化物皮膜を形成する方法。
  5. 【請求項5】 前記金属がアルミニウムと希土類元素と
    を含有する合金である請求項4の方法。
  6. 【請求項6】 請求項4または5の方法によって表面に
    酸化物皮膜を形成したアルミニウム含有金属。
JP12042698A 1998-04-30 1998-04-30 アルミニウム含有金属の酸化物皮膜形成用化成液 Pending JPH11312677A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007205576A (ja) * 2007-04-16 2007-08-16 Shimano Inc 釣り用リールの軸受

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