JPH11311562A - 水位センサ - Google Patents

水位センサ

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JPH11311562A
JPH11311562A JP10132658A JP13265898A JPH11311562A JP H11311562 A JPH11311562 A JP H11311562A JP 10132658 A JP10132658 A JP 10132658A JP 13265898 A JP13265898 A JP 13265898A JP H11311562 A JPH11311562 A JP H11311562A
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JP
Japan
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water level
electrode
level sensor
pair
conductive line
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Pending
Application number
JP10132658A
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English (en)
Inventor
Hideo Morimoto
森本  英夫
Kazuhiro Okada
和廣 岡田
Hiromichi Itano
弘道 板野
Nobumitsu Taniguchi
伸光 谷口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitta Corp
Wako KK
Original Assignee
Nitta Corp
Wako KK
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Publication date
Application filed by Nitta Corp, Wako KK filed Critical Nitta Corp
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  • Measurement Of Levels Of Liquids Or Fluent Solid Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度や湿度などが変動しても正確な水位測定
ができる単純な構造の水位センサを提供する。 【解決手段】 絶縁材料から構成され、内部に液体が侵
入する空洞部31を有する管状構造体30を用意する。
その中心軸10上に所定間隔をおいて複数の観測点Q1
〜Q7を定義する(便宜上、図の左方に示す)。管状構
造体30の表面に、7組の電極対P1〜P7を形成す
る。各電極対P1〜P7は、空洞部31を挟んで対向す
る位置に形成された電極層E1a〜E7aおよびE1b
〜E7bによって構成される。第i番目の電極対Piの
電極間容量値は、観測点Qiの位置に液体が存在するか
否かで大きく変化するので、各電極対P1〜P7につい
ての静電容量を電気的に測定することにより、どの観測
点位置までが液体で満たされているかを認識することが
でき、観測点の配置間隔の精度で水位測定を行うことが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水位センサに関し、
特に、所定の基準位置から液面に至るまでの任意の水位
を検出することができる水位センサに関する。
【0002】
【従来の技術】水槽やダムなどに蓄積された水量を測定
するために水位センサが利用されている。従来、一般的
に利用されている水位センサとしては、機械式のフロー
トを用いたタイプと、圧力センサを転用したタイプとが
主流である。前者の機械式のフロートを用いたタイプで
は、液面にフロートを浮かした状態にし、このフロート
の上下移動を検出することにより、水位が求められる。
一方、後者の圧力センサを転用したタイプでは、液中に
沈めた圧力センサによって水圧を検出し、この水圧値か
ら間接的に水位が求められる。圧力センサとしては、た
とえば、金属ダイヤフラムが受けた水圧をピエゾ抵抗素
子の抵抗値の変化として検出するセンサなどが利用され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た機械式のフロートを用いたタイプは、機械的な駆動部
を有するために構造が複雑になるという問題がある。ま
た、ゴミなどの浮遊物によってフロートの動作が阻害さ
れるおそれがあり、信頼性にも欠けるという問題があ
る。一方、圧力センサを転用したタイプも、圧力検出部
への水の侵入を防ぐための工夫が必要になるため、構造
は複雑にならざるを得ない。
【0004】このような問題を解決するために、特願平
9−287889号明細書には、一組の電極対からなる
容量素子を用いた新規な水位センサが提案されている。
このセンサでは、一対の平行平板からなる電極対が、平
板面が鉛直を向くようにして水槽内に設置され、電極対
の間が大気で満たされているか、液体で満たされている
か、によって電極対間の誘電率が変化することを利用し
て、水位検出が行われる。すなわち、水槽内の水位レベ
ルが上昇すると、電極対の間には徐々に液体が満たされ
るようになり、電極対間の静電容量値の変化として、こ
の水位レベルを検出することが可能になる。
【0005】ただ、水槽内の液体の誘電率は液体の種類
によって異なり、また、チャンバ内の水位を測定するよ
うな場合には、大気として空気以外のガスが用いられる
こともあるため、大気の誘電率もガスの種類によって異
なってくる。更に、液体や大気の種類が同一であったと
しても、温度や湿度などの条件が異なれば、誘電率も異
なってくる。このため、上述した水位センサには、具体
的な測定環境下における誘電率の変化を考慮した測定を
行わないと正確な測定を行うことができないという問題
がある。
【0006】そこで本発明は、どのような測定環境にお
いても正確な水位測定を行うことができる水位センサを
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】(1) 本発明の第1の態
様は、所定の基準位置から液面に至るまでの水位を測定
する水位センサにおいて、低水位側から高水位側に向か
う基準線に沿って所定間隔で順に定義された複数n個の
観測点位置に配置されたn組の電極対と、n組の電極対
の各電極間容量値が所定の基準値を越えたか否かを判定
するn個の判定手段と、n個の判定手段のうち、第1番
目の判定手段から第i番目の判定手段までが、基準値を
越えた旨の判定結果を示したときに、第i番目の観測点
の位置を水位として出力する水位出力手段と、を設ける
ようにしたものである。
【0008】(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1
の態様に係る水位センサにおいて、基準線に沿って伸
び、内部に液体が侵入する空洞部を有する管状構造体を
用意し、この管状構造体によって各電極対を支持するよ
うにし、空洞部内の各観測点位置に測定対象となる液体
が存在するか否かに応じて、各電極対の電極間容量値が
変化するように、各電極対を配置するようにしたもので
ある。
【0009】(3) 本発明の第3の態様は、上述の第2
の態様に係る水位センサにおいて、各電極対を、空洞部
を挟んで対向する位置に形成された一対の電極層により
構成するようにしたものである。
【0010】(4) 本発明の第4の態様は、上述の第3
の態様に係る水位センサにおいて、各電極対を、管状構
造体の第1の側に配置される第1電極層と、管状構造体
の第2の側に配置される第2電極層とによって構成し、
n個の第1電極層をそれぞれ物理的に独立した個別の電
極層により構成し、n個の第2電極層を物理的に単一の
共通電極層により構成するようにしたものである。
【0011】(5) 本発明の第5の態様は、上述の第1
の態様に係る水位センサにおいて、互いに平行な第1導
電線および第2導電線から構成される導電線対をn組用
意し、これら導電線対の一方の端を検出端とし、第1導
電線の検出端および第2導電線の検出端によって電極対
が形成されるようにし、第1導電線の検出端および第2
導電線の検出端は、周囲の誘電率の変化に起因して、電
極対の電極間容量値に、判定手段によって認識されうる
有意な変化が生じるような十分に薄い絶縁膜によって被
覆状態にするか、もしくは、露出状態にし、少なくとも
第1導電線の側部表面は、周囲の誘電率の変化に起因し
て、電極対の電極間容量値に、判定手段によって認識さ
れうる有意な変化が生じることがない程度に十分に厚い
絶縁膜によって被覆状態にし、n組の導電線対の各検出
端によって形成されるn個の電極対が、各観測点に配置
されるように、各検出端を所定距離だけずらした状態で
各導電線対を固定するようにしたものである。
【0012】(6) 本発明の第6の態様は、上述の第1
の態様に係る水位センサにおいて、1本の共通導電線と
n本の個別導電線とを用意し、これら各導電線が互いに
平行になるように、かつ、共通導電線を中心としてn本
の個別導電線が周囲を取り囲むように配置し、n本の個
別導電線の一方の端を検出端とし、個別導電線の検出端
と、その近傍に位置する共通導電線の側部表面とによっ
て電極対が形成されるようにし、共通導電線の側部表面
および個別導電線の検出端は、周囲の誘電率の変化に起
因して、電極対の電極間容量値に、判定手段によって認
識されうる有意な変化が生じるような十分に薄い絶縁膜
によって被覆状態にするか、もしくは、露出状態にし、
個別導電線の側部表面は、周囲の誘電率の変化に起因し
て、電極対の電極間容量値に、判定手段によって認識さ
れうる有意な変化が生じることがない程度に十分に厚い
絶縁膜によって被覆状態にし、n本の個別導電線の各検
出端と共通導電線の側部表面とによって形成されるn個
の電極対が、各観測点に配置されるように、各検出端を
所定距離だけずらした状態で各個別導電線を固定するよ
うにしたものである。
【0013】(7) 本発明の第7の態様は、上述の第1
の態様に係る水位センサにおいて、各電極対を、低水位
側に配された低水位電極と、高水位側に配された高水位
電極とによって構成し、低水位側から第k番目(1≦k
<n)の電極対を構成する高水位電極と、第(k+1)
番目の電極対を構成する低水位電極とを物理的に同一の
電極で構成することにより、(n+1)個の電極によっ
てn組の電極対を形成するようにしたものである。
【0014】(8) 本発明の第8の態様は、上述の第7
の態様に係る水位センサにおいて、基準線に沿って伸
び、内部に液体が侵入する空洞部を有する管状構造体を
用意し、管状構造体上に、基準線に沿って所定間隔で配
された(n+1)個の電極層を形成し、上下に隣接する
一対の電極層により1組の電極対を構成することにより
合計n組の電極対を形成するようにしたものである。
【0015】(9) 本発明の第9の態様は、上述の第7
の態様に係る水位センサにおいて、(n+1)本の導電
線を互いに平行になるようにして、第1番目の導電線か
ら第(n+1)番目の導電線に至るまで順に二次元的に
隣接配置し、各導電線の一方の端を検出端としたとき
に、第i番目(1≦i≦n)の導電線の検出端よりも第
(i+1)番目の導電線の検出端の方が、基準線に沿っ
て所定距離だけ高水位側に位置するように、各検出端を
所定距離だけ順次ずらした状態で各導電線を固定し、第
i番目の導電線の検出端と第(i+1)番目の導電線の
検出端とによって、第i番目の電極対が形成されるよう
にし、各検出端は、周囲の誘電率の変化に起因して、電
極対の電極間容量値に、判定手段によって認識されうる
有意な変化が生じるような十分に薄い絶縁膜によって被
覆状態にするか、もしくは、露出状態にし、各導電線の
側部表面は、周囲の誘電率の変化に起因して、電極対の
電極間容量値に、判定手段によって認識されうる有意な
変化が生じることがない程度に十分に厚い絶縁膜によっ
て被覆状態にしたものである。
【0016】(10) 本発明の第10の態様は、上述の第
1〜第9の態様に係る水位センサにおいて、電極対によ
って形成される容量素子と所定の抵抗素子とによって遅
延回路を構成し、この遅延回路に供給した信号の遅延時
間と所定の基準時間とを比較することにより、判定手段
による判定を行うようにしたものである。
【0017】(11) 本発明の第11の態様は、上述の第
7〜第9の態様に係る水位センサにおいて、第i番目
(ただし、iは偶数)の電極について、第(i−1)番
目の電極との組み合わせからなる低水位側電極対と、第
(i+1)番目の電極との組み合わせからなる高水位側
電極対とを定義し、低水位側電極対によって形成される
容量素子と高水位側電極対によって形成される容量素子
とを並列接続して合成容量素子を形成し、この合成容量
素子と所定の抵抗素子とによって第i番目の電極につい
ての遅延回路を構成し、遅延回路に供給した信号の遅延
時間と所定の基準時間とを比較して、遅延時間が第1の
基準時間を越えた場合には、第(i−1)番目の観測点
の位置を水位として出力し、遅延時間が第1の基準時間
より大きい第2の基準時間を越えた場合には、第i番目
の観測点の位置を水位として出力するようにしたもので
ある。
【0018】(12) 本発明の第12の態様は、上述の第
1〜第11の態様に係る水位センサにおいて、測定対象
となる液体の種類に応じて、判定手段の基準値を調整で
きるようにしたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する実施形態
に基づいて説明する。
【0020】§1. 本発明の基本的な実施形態 図1は、本発明に係る水位センサの基本的な実施形態を
示す原理図である。この水位センサは、水槽1内の所定
の基準位置(例えば、水槽底面)から液面Lに至るまで
の水位を測定するセンサである。ここでは、この水位セ
ンサによる水位測定の基本原理を説明するために、図に
破線で示すような基準線10を定義する。この基準線1
0は、水槽の低水位側から高水位側に向かって定義され
た仮想線であり、この基準線10に沿って、複数n個の
観測点Qが所定間隔で配置されることになる。いわば、
基準線10は、n個の観測点Qの配置位置を示す線とし
て機能することになる。図1に示す例では、n=7とし
て、7つの観測点Q1〜Q7が基準線10上に等間隔に
定義されている。各観測点は、後述するように、その位
置に液体が存在するか否かを観測するための位置を示す
ものであり、必ずしも等間隔に配置する必要はない。た
だ、この観測点は水位を示す目盛りとしての働きをする
ため、実用上は、等間隔に定義するのが好ましい。
【0021】また、図示の例では、基準線10を鉛直方
向に伸びる直線として定義しているが、後述するよう
に、基準線10の向きは必ずしも鉛直方向にする必要は
なく、斜め方向に伸びる線として定義してもかまわな
い。要するに、一方が低水位側、他方が高水位側と定義
することができれば(別言すれば、水平方向でなけれ
ば)、どのような方向に基準線10を定義してもかまわ
ない。また、基準線10は必ずしも直線である必要はな
く、一方が低水位側、他方が高水位側と定義することが
できれば(別言すれば、線上を辿ることにより、水位が
単調増加もしくは単調減少することになれば)、曲線で
あってもかまわない。後述する実施形態では、螺旋状の
基準線10を定義した例が示されている。
【0022】観測点Qの数nは、水位測定に必要な精度
を考慮して定めればよい。本発明では、各観測点位置に
ついて、それぞれ液体が存在するか否かという二値情報
が得られることになる。すなわち、水位というアナログ
量は、個々の観測点によって量子化され、デジタル量と
して測定値が得られることになる。たとえば、図1の例
の場合、一点鎖線で示す液面Lの水位は、「観測点Q1
〜Q4の位置には液体が存在するが、観測点Q5〜Q7
の位置には液体は存在しない」という量子化された値と
して得られることになり、「実際の液面Lの位置が、観
測点Q4〜Q5の間のどのあたりにあるか」という情報
は得られない。結局、より精度の高い測定を行うのであ
れば、観測点Qの配置間隔を小さくする必要があり、よ
り多数の観測点Qを定義する必要がある。したがって、
実際には、センサの用途に応じて、どの程度の間隔で観
測点Qを配置すればよいか、水位検出範囲をどの程度の
長さに設定すればよいか、を考慮して、観測点Qの数n
が決定されることになる。
【0023】さて、上述したように、本発明に係るセン
サでは、各観測点位置について、それぞれ液体が存在す
るか否かという二値情報を得る必要があるが、そのため
にn個の観測点位置にそれぞれ一組の電極対が配置さ
れ、合計n組の電極対が配置されることになる。図1に
示す例では、各観測点Q1〜Q7の位置に、それぞれ電
極対P1〜P7が配置されている。なお、本願におい
て、「観測点Qの位置に電極対Pを配置する」という表
現は、必ずしも「点Q上に電極対Pが位置する」ことだ
けを意味するものではなく、「観測点Qの位置に液体が
存在するか否かを検出することが可能な位置に電極対P
が位置する」ことを意味するものである。たとえば、図
1に示す例では、電極対P1〜P7は、観測点Q1〜Q
7の上に正確に配置されているわけではなく、やや右へ
ずれた位置に配置されているが、電極対P1〜P7によ
って、観測点Q1〜Q7の位置に液体が存在するか否か
を検出する機能という観点からは、観測点Q1〜Q7の
上に正確に配置されている場合と等価であり、本願では
このような場合も含めて、「観測点Q1〜Q7の位置に
電極対P1〜P7が配置されている」と表現することに
する。
【0024】電極対P1〜P7には、それぞれ判定手段
11〜17が設けられている。この判定手段11〜17
は、それぞれ電極対P1〜P7の各電極間容量値C1〜
C7が、所定の基準値を越えたか否かを判定する機能を
有する。本発明では、観測点Qに位置する電極対Pの電
極間容量値Cが、所定の基準値を越えていた場合には、
当該観測点Qの位置に液体が存在するとの認定がなさ
れ、所定の基準値を越えていなかった場合には、当該観
測点Qの位置に液体が存在しないとの認定がなされる。
【0025】このような認定方法は、次のような原理に
基づくものである。いま、図2(a)に示すように、同一
サイズの平板からなる電極EaおよびEbを所定距離d
だけ離して平行に向かい合わせて電極対Pを形成し、こ
れを水槽内の観測点Qの位置に配置したものとしよう。
このように一対の電極を対向して配置した場合、両電極
によって容量素子が形成され、その静電容量値Cは、電
極間の誘電率をε、電極の面積をS、電極間隔をdとす
れば、 C=εS/d (1) で与えられる。ここで、空気の誘電率をεα、液体の誘
電率をεβとすれば、上式のεは、εαもしくはεβに
なる。すなわち、液面Lが図2(a) の位置にある場合、
電極対の液体に浸っている部分の静電容量値は液体の誘
電率εβに基づいて定まり、空気中に出ている部分の静
電容量値は空気の誘電率εαに基づいて定まることにな
る。ところが、空気の誘電率εαに比べれば、液体の誘
電率εβはかなり大きいため、電極対P全体としての静
電容量値Cは、図2(b) のグラフに示すように、液体の
水位上昇とともに大きくなる。たとえば、図2(a) のよ
うに、水位が液面Lの位置であったとすると、図2(b)
のグラフに示すように、静電容量値はCLとなる。そこ
で、たとえば、図2(b) のグラフの横軸上の所定位置
に、観測点Qの水位LQに対応する基準値Cthを定義し
ておけば、電極対P全体の静電容量値Cを測定し、C>
Cthであれば、液面Lが観測点Qに到達していると判断
することができる。
【0026】原理的には、水位と静電容量値との間に
は、図2(b) に示すような線形関係が得られるため、電
極対Pの電極間容量値Cを正確に測定することができれ
ば、「観測点Qの位置に液体が存在するか否か」という
二値情報だけでなく、より精度の高いアナログ情報を得
ることは可能である。実際、特願平9−287889号
明細書に開示されている水位センサでは、このような電
極間容量値Cのアナログ情報に基づいて、水位測定が行
われている。しかしながら、測定で得られた電極間容量
値Cを用いて、前掲の式(1) を利用して実際の水位を正
確に算出するためには、測定環境下における空気の誘電
率εαおよび液体の誘電率εβを正確に知る必要があ
る。もちろん、空気の誘電率εαおよび水の誘電率εβ
の代表値を予め定めておき、この代表値を用いた演算を
行えば、ある程度の精度をもった水位を算出することは
可能であるが、空気の誘電率εαや水の誘電率εβは、
温度や不純物の濃度などにより変化するため、得られる
水位の精度には限界がある。また、このようなアナログ
式の測定方法は、測定対象となる液体が水以外である場
合や、空気以外のガスで満たされたチャンバ内で測定を
行う場合には正確な測定が困難である。
【0027】本発明の基本原理は、1組の電極対Pの静
電容量値Cに基づいて、敢えて、「観測点Qの位置に液
体が存在するか否か」という二値情報だけを得るように
した点にある。たとえば、標準的な温度環境において標
準的な空気および水を用い、図2(a) に示す観測点Qの
水位LQまで水を満たしたときに、電極対Pの静電容量
値Cとして、測定値Cthが得られたとしよう。この場
合、再度の測定で測定値Cthが得られたとしても、その
ときの実際の水位は必ずしも観測点Qの水位LQである
とは限らない。温度条件が異なったり、液体が水でなか
ったりした場合には、実際の水位は水位LQより上また
は下になる。しかしながら、本発明では、「観測点Qの
位置に液体が存在するか否か」という二値情報だけが利
用されるので、多少の誤差が含まれていても本質的な問
題にはならない。たとえば、図1の例では、実際の水位
が観測点Q4〜Q5の間のどの位置にあっても、その正
確な位置情報はそもそも測定結果として取り出すことが
できないのであるから、たかだか1組の電極対の占める
位置範囲程度の誤差であれば、測定結果に大きな影響は
及ぼさないことになる。別言すれば、生じる誤差はたか
だか隣接する観測点間隔にすぎない。
【0028】図1に示す水位出力手段20は、n個の判
定手段のうち、第1番目の判定手段から第i番目の判定
手段までが、基準値を越えた旨の判定結果を示したとき
に、第i番目の観測点の位置を水位として出力する機能
を有する。たとえば、図示の例の場合、7個の判定手段
11〜17のうち、判定手段11〜14が基準値を越え
た旨の判定結果を示し、判定手段15〜17が基準値を
越えない旨の判定結果を示した場合、水位出力手段20
は、第4番目の観測点Q4の位置(もしくは観測点Q5
の位置でもよい)を水位として出力することになる。こ
のセンサが正常に機能している限りは、静電容量値が基
準値を越えた電極対の集合(図示の例では、電極対P1
〜P4)と、越えない電極対の集合(図示の例では、電
極対P5〜P7)との境界が必ず存在することになる。
水位出力手段20は、この境界位置を水位として出力す
る機能を果たす。
【0029】なお、図1および図2に示す例では、電極
対Pを構成する各平板電極Ea,Ebは、互いに水平方
向に所定間隔dを保って配置されているが、一対の電極
の配置形態はどのような向きであってもかまわない。た
とえば、図3(a) に示す例では、一対の平板電極Ea,
Ebを垂直方向に所定間隔dを保って配置することによ
り電極対Pを構成している。また、図3(b) に示す例で
は、一対の平板電極Ea,Ebを斜め方向に所定間隔d
を保って配置することにより電極対Pを構成している。
いずれの場合も、液面Lが上昇するに従って、電極間容
量値Cは増加することになるので、電極対Pの近傍に液
体が存在するか否かを検出することが可能である。以
下、一対の電極を水平方向に並らべた具体的な実施形態
(図2(a)に示すような電極の配置形態を採るもの)を
§2で述べることにし、一対の電極を垂直方向に並らべ
た具体的な実施形態(図3(a) に示すような電極の配置
形態を採るもの)を§3で述べることにする。
【0030】§2. 一対の電極を水平方向に並べた実
施形態 図4は、管状構造体30を利用した水位センサを示す斜
視図である。管状構造体30は、絶縁材料から構成され
た円筒状の構造体であり、内部に液体が侵入する空洞部
31を有する。ここでは、この管状構造体30の中心軸
上に基準線10を定義しているが、図示の便宜上、この
基準線10を図の左方に移動して基準線10′として示
してある。基準線10′上には、等間隔に7個の観測点
Q1〜Q7が、低水位側から高水位側に向かって配置さ
れている(実際には、これら観測点Q1〜Q7は、空洞
部31内に定義されている)。
【0031】管状構造体30の表面には、7組の電極対
P1〜P7が形成されている。各電極対P1〜P7は、
空洞部31を挟んで対向する位置に形成された電極層E
1a〜E7aおよびE1b〜E7bによって構成されて
いる。たとえば、電極対P1は、電極層E1aとこれに
対向する電極層E1bによって構成されており、一対の
電極層E1aとE1bとが水平方向に所定間隔をおいて
配置されていることになる。ここで、管状構造体30
は、各電極対を支持するための支持部材として機能して
いる。このような管状構造体30を、水槽などに設置し
ておけば、水槽内の液体が空洞部31内へと侵入するこ
とになるので、空洞部31内の液体の水位を測定するこ
とにより、水槽内の水位を得ることができる。各電極対
P1〜P7は、空洞部31を挟むように配置されている
ので、空洞部31内の各観測点Q1〜Q7位置に液体が
存在するか否かを、これら電極対P1〜P7の電極間容
量値の変化に基づいて検出することが可能である。
【0032】図5(a) は、図4に示す水位センサの変形
例を示す斜視図であり、図5(b) はその等価回路であ
る。図4の実施形態では、管状構造体30の右側に7枚
の電極層E1a〜E7aが配置され、管状構造体30の
左側に7枚の電極層E1b〜E7bが配置されている。
別言すれば、それぞれ物理的に独立した合計14枚の個
別の電極層によって7組の電極対が形成されている。こ
れに対し、図5の変形例では、管状構造体30の右側に
物理的に独立した7枚の個別電極層E1a〜E7aが形
成されている点は同様であるが、管状構造体30の左側
には、7枚の個別電極層E1b〜E7bの代わりに、単
一の共通電極層Exbが形成されている。この共通電極
層Exbは、電気的には、7枚の個別電極層E1b〜E
7bと同等の機能を果たすことになる。たとえば、この
共通電極層Exbを接地するとともに、個別電極層E1
a〜E7aをそれぞれ検出端子T1〜T7に接続すれ
ば、図5(a) に示すセンサ本体は、図5(b) に示す等価
回路で示すことができる。この等価回路において、可変
容量素子C1〜C7は、それぞれ電極対P1〜P7の電
極間容量素子に対応し、空洞部31内の水位によって容
量値が決定される。このように、一方の電極を単一の共
通電極層Exbで構成したとしても、図5(b) に示す等
価回路から明らかなように、検出端子T1〜T7を利用
して7組の電極対P1〜P7についての静電容量値をそ
れぞれ別個独立して検出することができる。したがっ
て、図5(a) に示す水位センサは、図4に示す水位セン
サと同等に機能する。
【0033】なお、図4あるいは図5(a) に示すセンサ
では、管状構造体30の外面に各電極層を形成している
が、各電極層は管状構造体30の内面(空洞部31側)
に形成してもよい。もっとも、製造プロセスを考慮する
と、外面に形成した方が容易であり、また、電極層が液
体によって腐蝕するのを防ぐ意味でも、実用上は外面に
形成するのが好ましい。
【0034】本発明を実施するにあたり、電極対は必ず
しも平板電極や電極層によって構成する必要はない。た
とえば、原理的には、図6に示すように、導体球からな
る電極Ec,Edを用意し、これを観測点Qの近傍に所
定間隔をおいて配置することにより、電極対Pを構成す
ることも可能である。この場合でも、図6(a) に示すよ
うに、観測点Qに水位が達しない状態に比べて、図6
(b) に示すように、観測点Qに水位が達した状態では、
電極対Pの静電容量値に急激な変化がみられるため、観
測点Qの位置に液体が存在するか否かを検出することが
できる。
【0035】もっとも、検出結果を外部に取り出すため
には、各電極Ec,Edに何らかの配線が必要である。
そこで、実用上は、図7に示すような導電線対PPを利
用するのが好ましい。この導電線対PPは、互いに平行
な第1導電線W1および第2導電線W2から構成されて
おり、これら導電線W1,W2は、それぞれ厚みθ1,
θ2を有する絶縁膜I1,I2によって被覆されてい
る。そして、この導電線対PPの一方の端は検出端とな
っており、第1の導電線W1および第2の導電線W2
は、この検出端において外部に露出している。このよう
な導電線対PPは、電気配線に利用されている一対のリ
ード線を切断することにより用意に得ることができる。
しかも、一対の導電線W1,W2の検出端における露出
面に着目し、この露出面をそれぞれ電極Ec,Edと考
えれば、検出端において、図6(a) に示すような電極対
Pと同等の電極構造が得られていることがわかる。すな
わち、導電線W1,W2の露出面からなる電極Ec,E
dによって容量素子が形成されることになり、その静電
容量値は、この検出端に液体が存在するか否かによって
変化する。
【0036】なお、図7に示す例では、導電線対PPの
検出端は露出しており、導電線W1,W2の端部がむき
出しの状態になっているが、液体が導電線W1,W2の
端部に直接触れると、導電線W1,W2が腐蝕するよう
な弊害が生じる場合には、検出端を薄い絶縁膜によって
被覆状態にしてもかまわない。図8は、導電線対PPの
検出端を絶縁膜I3で被覆した例を示す上面図である。
このように、検出端を絶縁膜I3で被覆状態にする場合
には、用いる絶縁膜I3の厚みθ3に配慮する必要があ
る。すなわち、導電線W1,W2の端部は、電極Ec,
Edからなる電極対Pとして、液体が存在するか否かを
検知する機能を有していなければならない。したがっ
て、第1導電線W1の検出端(電極Ec)および第2導
電線W2の検出端(電極Ed)を被覆する絶縁膜I3の
厚みθ3の条件として、「周囲の誘電率の変化に起因し
て、電極Ec,Edの電極間容量値に、判定手段によっ
て認識されうる有意な変化が生じる程度に十分に薄いこ
と」という条件が課されることになる。要するに、両導
電線W1,W2間に電界をかけた場合、図8に示すよう
に、電極Ec,Ed間に電気力線fが生じ、この電気力
線fの強度が液体の有無によって影響を受ける程度に、
絶縁膜θ3の厚みを十分に薄くすればよい。
【0037】これに対し、導電線W1,W2の側部表面
を被覆している絶縁膜I1,I2の厚みθ1,θ2につ
いては、「周囲の誘電率の変化に起因して、電極Ec,
Edの電極間容量値に、判定手段によって認識されうる
有意な変化が生じることがない程度に十分に厚いこと」
という条件が課されることになる。すなわち、導電線W
1,W2間の静電容量は、検出端の位置に液体が存在す
るか否かで有意差を生じるが、それ以外の位置(単なる
配線として機能する部分)における液体の有無によって
は有意差が生じないようにしておかねばならない。さも
なければ、所定の観測点Qの位置(この場合、検出端の
位置)に液体が存在するか否かを検出する、という本発
明で用いる電極対として必要な機能を果たすことができ
ない。
【0038】もっとも、この条件は、絶縁膜I1の厚み
θ1か、絶縁膜I2の厚みθ2か、の少なくともいずれ
か一方について満たされていれば足りるので、理論的に
は、たとえば、図7に示す絶縁膜I2は省略しても、も
う一方の絶縁膜I1の厚みθ1が上述の条件を満たして
いればよい。したがって、図7に示す導電線対PPの代
わりに、図9に示すような導電線対PPを用いること
もできる。導電線対PPは、やはり互いに平行な第1
導電線W1および第2導電線W3から構成されている。
ただ、第1導電線W1の側部表面は絶縁膜I1によって
被覆されているが、第2導電線W3は絶縁膜I1と同じ
径の太い導電線から構成されており、被覆用絶縁膜を有
していない。このような導電線対PPを用いても、検
出端には、電極Ec(第1導電線W1の露出部分)と電
極Ee(第2導電線W2の端部)とによって電極対Pが
形成されるので、絶縁膜I1の厚みを上述した条件を満
たす程度に厚く設定しておけば、導電線対PPと同等の
機能を果たすことができる。もちろん、この場合も、検
出端に厚みθ3を有する薄い絶縁膜I3を形成してもか
まわない。
【0039】さて、本発明に係る水位センサは、上述し
たような導電線対PP(もしくは導電線対PP)をn
組用意し、これらn組の導電線対の各検出端によって形
成されるn個の電極対が、各観測点に配置されるよう
に、各検出端を所定距離だけずらした状態で各導電線対
を固定することにより構成することができる。たとえ
ば、図10は、n=7として、7組の導電線対PP1〜
PP7を用いて本発明に係る水位センサを構成した例を
示す上面図である。この例では、図に破線で示すよう
に、斜め方向に基準線10が定義されており、この基準
線10上に7個の観測点Q1〜Q7が定義されている。
そして、7組の導電線対PP1〜PP7の検出面(図の
下端面)は、これら観測点Q1〜Q7の位置に配置され
ている。たとえば、第1番目の導電線対PP1の検出面
には、観測点Q1を挟んで一対の電極Ec,Ed(導電
線対PP1の下端面に露出した導電線の端部)が配置さ
れており、この電極Ec,Ed間の静電容量値を測定す
ることにより、観測点Q1の位置に液体が存在するか否
かの二値情報が得られることになる。
【0040】図10に示す例では、各導電線対PP1〜
PP7の第1導電線は、それぞれ検出端子T1〜T7に
接続されており、第2導電線はいずれも接地されてい
る。したがって、たとえば、観測点Q1の位置に液体が
存在するか否かの判定は、検出端子T1と接地端子との
間の静電容量値に基づいて行われることになる。図11
は、図10に示す水位センサの変形例を示す断面図であ
る。この例では、平板状の絶縁構造体40の中に、14
本の導電線が埋め込まれている。すなわち、導電線対P
P1〜PP7は、それぞれ第1導電線W1と第2導電線
W2とから構成されており、平板状の絶縁構造体40が
個々の導電線についての絶縁膜として機能している。こ
のような構造を採れば、個々の導電線W1,W2のそれ
ぞれに絶縁膜I1,I2を形成する必要はなくなり、平
板状の絶縁構造体40が絶縁膜I1,I2として機能す
ることになる。
【0041】図12は、図10に示す水位センサの別な
変形例を構成する部品を示す。まず、図12(a) の平面
図に示すように、12本の導電線51〜62を用意す
る。これら12本の導電線は、いずれも図13の斜視図
に示すような構造を有する。すなわち、中心部分に導電
線本芯Wが配され、その側部表面は絶縁膜Iによって被
覆されている。ここでは、このような構造を有する12
本の導電線51〜62を個別導電線と呼ぶことにする。
この個別導電線の一方の端は検出端となり、この検出端
において導電線本芯Wの端部が露出しており、この露出
端が電極Eとして機能することになる。図12(a) の平
面図に示すように、12本の個別導電線51〜62はそ
れぞれ長さが異なり、個別導電線51が最も長く、以
下、個別導電線52,53,54…と徐々に短くなり、
個別導電線62が最も短くなっている。これは、各個別
導電線の検出端(図12(a) における各個別導電線の下
端)の位置を少しずつずらすためである。
【0042】一方、図12(b) に示すような共通導電線
50を1本用意する。この共通導電線50は、個別導電
線51〜62の検出端に位置する電極Eに対する共通の
対向電極として機能する導電線であり、この例では、各
個別導電線51〜62に比べて径の大きな円柱状の導体
から構成されている。ここで、図12(a) に示す12本
の個別導電線51〜62を、この共通導電線50の周囲
を取り囲むように配置すると、図14に示すような構造
が得られる。すなわち、1本の共通導電線50を中心と
して、12本の個別導電線51〜62が互いに平行状態
を保ちつつ取り囲んでいる。しかも、各個別導電線51
〜62の下端がそれぞれ検出端となっており、導電線本
芯Wの露出端がそれぞれ電極Eを構成している。いま、
各個別導電線51〜62の下端に露出した電極Eの位置
を、それぞれ観測点Q1〜Q12と定義すれば、図14
に示されているように、観測点Q1〜Q12は、共通導
電線50の周囲を螺旋状に取り巻く基準線上に所定間隔
で配置されていることになる。
【0043】ここで、たとえば、観測点Q1付近に着目
すると、個別導電線51の検出端(導電線本芯Wの下端
の露出部分)と、その近傍に位置する共通導電線50の
側部表面とによって電極対が形成されていることがわか
る。同様に、観測点Q2付近では、個別導電線52の検
出端と、その近傍に位置する共通導電線50の側部表面
とによって電極対が形成されている。結局、共通導電線
50の周囲を螺旋状に取り巻く基準線上に配置された1
2個の観測点Q1〜Q12の位置に、それぞれ電極対が
形成されており、合計12組の電極対が形成されている
ことになる。これら12組の電極対の一方は、個別導電
線51〜62の検出端であり、他方は、共通導電線50
の側部表面ということになる。したがって、たとえば、
共通導電線50を接地し、個別導電線51〜62をそれ
ぞれ検出端子T1〜T12に接続すれば、12組の電極
対の電極間容量値C1〜C12を、各検出端子T1〜T
12を利用して測定することが可能になる。これら容量
値C1〜C12によって、各観測点Q1〜Q12の位置
に液体が存在するか否かを判定することができる点は既
に述べたとおりであり、各観測点Q1〜Q12の配置間
隔に応じた精度で水位の検出が可能になる。
【0044】なお、上述の例では、各個別導電線51の
検出端(導電線本芯Wの下端)を露出状態にしている
が、液体が導電線本芯Wの端部に直接触れると、導電線
本芯Wが腐蝕するような弊害が生じる場合には、検出端
を薄い絶縁膜によって被覆状態にしてもかまわない。た
だし、被覆に用いる絶縁膜の厚みには留意する必要があ
る。すなわち、導電線本芯Wの端部は、共通導電線50
の側部表面とともに電極対を構成し、観測点Qの位置に
液体が存在するか否かを検知する機能を有していなけれ
ばならない。したがって、この絶縁膜には、「周囲の誘
電率の変化に起因して、形成される電極対(導電線本芯
Wの端部とその近傍に位置する共通導電線50の側部と
によって形成される電極対)の電極間容量値に、判定手
段によって認識されうる有意な変化が生じる程度に十分
に薄いこと」という条件が課されることになる。
【0045】これに対し、図13において、導電線本芯
Wの側部表面を被覆している絶縁膜Iの厚みθは、「周
囲の誘電率の変化に起因して、形成される電極対(導電
線本芯Wの端部とその近傍に位置する共通導電線50の
側部とによって形成される電極対)の電極間容量値に、
判定手段によって認識されうる有意な変化が生じること
がない程度に十分に厚いこと」という条件が課されるこ
とになる。このような条件下では、たとえば、個別導電
線51と共通導電線50との間の静電容量は、観測点Q
1の位置に液体が存在するか否かで有意差を生じるが、
それ以外の位置における液体の有無によっては有意差は
生じない。したがって、図14において、水位が下方か
ら上方へと徐々に上昇していった場合を考えると、個別
導電線51と共通導電線50との間の静電容量は、水位
が観測点Q1の位置を通過したときに急激な変化を示す
が、以後は、有意な変化は示さないことになる。
【0046】§3. 一対の電極を垂直方向に並べた実
施形態 これまで§2で述べた種々の実施形態は、いずれも、図
2(a) に示すように、一対の電極を水平方向に並べてな
る電極対を各観測点に配置したものであった。ここで
は、図3(a) に示すように、一対の電極を垂直方向に並
べてなる電極対を各観測点に配置した具体的な実施形態
を述べることにする。
【0047】図15は、この§3で述べる水位センサの
基本的な実施形態を示す原理図である。この水位センサ
と、既に述べた図1に示す水位センサとの相違は、7組
の電極対P1〜P7を構成する個々の電極の配置であ
る。すなわち、図1に示す水位センサでは、7組の電極
対P1〜P7はいずれも一対の電極を水平方向に並べる
ことにより構成されているが、図15に示す水位センサ
では、7組の電極対P1〜P7はいずれも一対の電極を
垂直方向に並べることにより構成されている。具体的に
は、図15に示す水位センサの場合、7組の電極対P1
〜P7は、それぞれ低水位側に配された低水位電極E1
L〜E7Lと、高水位側に配された高水位電極E1H〜
E7Hとによって構成されている。このように、各電極
対を構成する電極の配置方向を変えても、本発明の基本
原理に基づく水位測定を支障なく行うことができる。た
とえば、図15に示す液面Lまで液体で満たされていた
場合、電極対P1〜P4を構成する電極間の誘電率は高
くなるため、観測点Q1〜Q4については液体が存在す
る旨の判定がなされ、観測点Q4の位置が水位として出
力されることになる。
【0048】既に述べたように、原理的には、電極対を
構成する一対の電極の配置方向は、どのような方向にと
ってもよく、図3(b) に示すように、斜め方向に配置し
てもかまわない。ただ、図3(a) に示すように、一対の
電極を垂直方向に配置すると、上下に隣接する電極を単
一の電極に併合することができるというメリットが得ら
れる。たとえば、図15に示す構造では、各電極対ごと
に2枚ずつの電極が配置され、合計14枚の電極によっ
て7組の電極対P1〜P7が形成されている。具体的に
は、たとえば、観測点Q1における液体の有無を検出す
るための電極対P1は、低水位電極E1Lと高水位電極
E1Hとによって構成されており、同様に、観測点Q2
における液体の有無を検出するための電極対P2は、低
水位電極E2Lと高水位電極E2Hとによって構成され
ている。
【0049】これに対して、図16に示すような電極構
成を考えてみる。この図16の例では、合計8枚の電極
E1〜E8しか配置されていないにもかかわらず、合計
7組の電極対P1〜P7を形成することが可能である。
その理由は、電極E2〜E7のそれぞれが、図15にお
いて上下に隣接する2枚分の電極を兼ねた機能を果たす
ためである。すなわち、電極E2〜E7は、各観測点Q
1〜Q7の中間点位置に配置されており、下方に位置す
る観測点に関する高水位電極として機能するとともに、
上方に位置する観測点に関する低水位電極として機能す
ることになる。たとえば、電極E2は、観測点Q1に関
しては高水位電極として機能し、図15における高水位
電極E1Hと同等の働きをする。したがって、最下端に
配置された電極E1(この電極は、図15における低水
位電極E1Lとしての機能のみを果たす)と電極E2と
により、観測点Q1における液体の有無を検出するため
の電極対P1が形成されることになる。一方、この電極
E2は、観測点Q2に関しては低水位電極として機能
し、図15における低水位電極E2Lと同等の働きをす
る。したがって、電極E3(この場合は、図15におけ
る高水位電極E2Hとして機能する)と電極E2とによ
り、観測点Q2における液体の有無を検出するための電
極対P2が形成されることになる。
【0050】このように、電極E2は、観測点Q1につ
いては電極対P1の高水位側の電極として機能し、観測
点Q2については電極対P2の低水位側の電極として機
能することになる。同様に、電極E3は、観測点Q2に
ついては電極対P2の高水位側の電極として機能し、観
測点Q3については電極対P3の低水位側の電極として
機能することになる。以下、同様に、電極E4,E5,
E6,E7は、いずれも高水位電極と低水位電極との両
方の機能を果たすことになる。なお、最上端に配置され
た電極E8は、電極対P7についての高水位電極E7H
としての機能のみを果たす。
【0051】結局、図15に示すように、n組の電極対
(この例ではn=7)を、低水位側に配された低水位電
極E1L〜EnLと、高水位側に配された高水位電極E
1H〜EnHとによって構成した場合に、低水位側から
第k番目(1≦k<n)の電極対Pkを構成する高水位
電極PkHと、第(k+1)番目の電極対P(k+1)
を構成する低水位電極P(k+1)Lとを物理的に同一
の兼用電極E(k+1)で構成することにより、(n+
1)個の電極E1〜E(n+1)によってn組の電極対
P1〜Pnを形成することができる。このように、上下
に隣接する電極を物理的に同一の兼用電極に併合すれ
ば、より効率的な電極配置が可能になり、製造コストを
低減させる効果も得られる。
【0052】図17は、このような兼用電極を利用した
一実施形態を示す斜視図である。管状構造体70は、絶
縁材料から構成された円筒状の構造体であり、内部に液
体が侵入する空洞部71を有する。ここでは、この管状
構造体70の中心軸上に基準線10を定義しているが、
図示の便宜上、この基準線10を図の左方に移動して基
準線10′として示してある。基準線10′上には、等
間隔に10個の観測点Q1〜Q10が、低水位側から高
水位側に向かって配置されている(実際には、これら観
測点Q1〜Q10は、空洞部71内に定義されてい
る)。
【0053】管状構造体70の表面には、11枚の電極
層E1〜E11が基準線10に沿って所定間隔(この例
では等間隔)をおいて配置されている。ここで、各電極
層E1〜E11は、管状構造体70の周囲を取り巻くよ
うな円筒構造を有している。この合計11枚の電極層E
1〜E11のうち、電極層E2〜E10は兼用電極とし
て機能し、上下に隣接する一対の電極層により1組の電
極対が構成される。また、観測点Q1〜Q10は、それ
ぞれ上下に隣接する一対の電極層の中間に位置する(た
とえば、観測点Q1は、電極E1とE2との中間に位置
する)。こうして、合計11枚の電極層E1〜E11に
よって、合計10組の電極対P1〜P10が形成され
る。たとえば、電極層E1とE2とによって、その中間
に位置する観測点Q1に液体が存在するか否かを検出す
るための電極対P1が形成され、電極層E2とE3とに
よって、その中間に位置する観測点Q2に液体が存在す
るか否かを検出するための電極対P2が形成される。
【0054】各電極層E1〜E11は、空洞部71を取
り囲むような円筒構造をした電極ではあるものの、その
基本的な機能は、図16に示す電極E1〜E8と同等で
あり、水位の測定が可能になる。たとえば、観測点Q1
の位置に液体が存在するか否かは、電極層E1,E2間
の静電容量値が所定の基準値を越えているか否かによっ
て判定することができ、観測点Q2の位置に液体が存在
するか否かは、電極層E2,E3間の静電容量値が所定
の基準値を越えているか否かによって判定することがで
きる。
【0055】図18は、兼用電極を利用した別な実施形
態を示す平面図である。この例では、11本の導電線8
1〜91が互いに平行になるようにして、第1番目の導
電線81から第11番目の導電線91に至るまで順に二
次元的に隣接配置されている。各導電線は、図13に示
す個別導電線と同じ構造、すなわち、導電線本芯Wの側
部表面を厚みθの絶縁層Iで被覆した構造を有する。各
導電線81〜91の下端は検出端となっており、導電線
本芯Wの端部が露出し、この露出端は電極Eとして機能
する。また、図に破線で示すような基準線10が定義さ
れており、第i番目(1≦i≦10)の導電線の検出端
よりも第(i+1)番目の導電線の検出端の方が、基準
線10に沿って所定距離だけ高水位側に位置するよう
に、各検出端を所定距離だけ順次ずらした状態で各導電
線は固定されている。
【0056】このような構造を有するセンサでは、第i
番目の導電線の検出端と第(i+1)番目の導電線の検
出端とによって、第i番目の電極対Piが形成される。
たとえば、第1番目の導電線81の検出端(図の下端)
と第2番目の導電線82の検出端(図の下端)とによっ
て、第1番目の電極対P1が形成される。結局、合計1
1本の導電線によって、合計10組の電極対P1〜P1
0が形成されることになる(図18では、奇数番目の電
極対P1,P3,P5…を示す符号を図の上方に記述し
ているが、これは図示の便宜上、すべての符号P1〜P
10を図の下方に記述することができないためであり、
実際には、すべての電極対P1〜P10は各導電線81
〜91の下端部に形成されている)。
【0057】ここで、図示のように、基準線10上に1
0個の観測点Q1〜Q10を定義すれば、各電極対P1
〜P10は、それぞれ観測点Q1〜Q10の位置におけ
る液体の有無を検出するのに適した位置に配置されてい
ることがわかる。たとえば、電極対P1は、第1番目の
導電線81内の導電線本芯Wの下端からなる電極と、第
2番目の導電線82内の導電線本芯Wの下端からなる電
極とによって構成されているが、これら両電極は、観測
点Q1を挟む位置に配置されており、観測点Q1の位置
における液体の有無によって、両電極間の静電容量値に
変化が生じることになる。結局、10組の電極対P1〜
P10のそれぞれについての電極間容量値を測定するこ
とにより、各観測点Q1〜Q10の位置における液体の
有無を判定することが可能になり、水位を決定すること
ができる。
【0058】なお、これまでの例でも述べたとおり、各
導電線81〜91の下方の検出端は、露出状態にしてお
いてもよいし、液体の接触による腐蝕を防ぐために薄い
絶縁膜によって被覆状態にしてもよい。ただ、被覆する
絶縁膜の厚みは、観測点の周囲の誘電率の変化に起因し
て、当該観測点についての電極対の電極間容量値に、判
定手段によって認識されうる有意な変化が生じるように
十分に薄くしておく必要がある。また、各導電線81〜
91の側部表面を被覆する絶縁膜Iの厚みは、各導電線
81〜91の側部表面の周囲の誘電率の変化に起因し
て、電極対の電極間容量値に、判定手段によって認識さ
れうる有意な変化が生じることがない程度に十分に厚く
しておく必要がある。
【0059】§4.判定手段を構成する回路 これまで述べてきたように、本発明に係る水位センサで
は、所定の基準線10に沿って定義された複数の観測点
付近に電極対を設け、各電極対の電極間容量値が所定の
基準値を越えるか否かによって、当該観測点位置に液体
が存在するか否かを判定している。そのため、たとえば
図1,図15,図16に示す例では、各電極対P1〜P
7のそれぞれについて、判定手段11〜17が設けられ
ている。ここでは、これら判定手段11〜17を実現す
るための具体的な回路例を述べることにする。
【0060】図19は、このような回路の一例を示す回
路図である。ここで、一点鎖線で囲った回路110,1
20,…は、それぞれ1つの判定手段を構成する。これ
らの判定手段の回路構成はいずれも同一である。たとえ
ば、図1に示す例に適用する場合には、判定手段11〜
17として、回路110,120,…,170が並列に
設けられることになる。回路110は、図19に示すよ
うに、抵抗素子111,112、可変容量素子C1、排
他的論理和ゲート113、抵抗素子114、容量素子1
15、コンパレータ116、抵抗素子117,118,
119によって構成されている。回路120も全く同様
に、構成要素121〜129によって構成されている。
図示されていない回路130〜170についても同様で
ある。なお、回路110内の可変容量素子C1は、図
1,図15,図16などに示されている水位センサにお
ける電極対P1に相当する素子である。回路図中、電極
対P1を可変容量素子C1として示したのは、観測点Q
1における液体の有無によって容量値が変化することを
考慮したためである。
【0061】さて、これらの回路の入力段には、図にCL
OCK として示した矩形波信号が与えられる。ここでは、
このような矩形波信号が与えられた場合の回路110の
動作を説明する。回路110に与えられた矩形波信号
は、2つの伝達路に分岐して伝播する。すなわち、図示
のとおり、上方の伝達路は、抵抗素子111および可変
容量素子C1(電極対P1)の直列接続からなる経路で
あり、下方の伝達路は、抵抗素子112からなる経路で
ある。結局、下方の伝達路は単なる抵抗素子から構成さ
れるのに対し、上方の伝達路はCR遅延回路から構成さ
れることになる。したがって、2つの伝達路に分岐した
矩形波信号を比べると、下方の伝達路を通った信号に比
べ、上方の伝達路を通った信号は遅延を生じることにな
る。この遅延時間は、可変容量素子C1の容量値に応じ
て変化する。すなわち、可変容量素子C1の容量値が大
きくなればなるほど、遅延時間は長くなる。そこで、こ
の遅延時間を予め設定した所定の基準時間と比較すれ
ば、可変容量素子C1の容量値が所定の基準値を越えた
か否かの判定、別言すれば、観測点Q1の位置に液体が
存在するか否かの判定を行うことができる。これが、回
路110による判定動作の基本原理である。
【0062】さて、この遅延時間と基準時間との比較を
行うために、回路110では次のような信号処理を行っ
ている。すなわち、2つの伝達路に分岐して伝播した矩
形波信号は、排他的論理和ゲート113の各入力端子に
与えられ、その出力端子からは、両矩形波信号の排他的
論理和に相当する信号が出力される。この出力信号のデ
ューティー比は、上方の伝達路における遅延時間に依存
したものになる。続いて、この出力信号は、平滑用のC
R回路、すなわち、抵抗素子114および容量素子11
5からなる回路を介して、コンパレータ116の第1の
入力端子に与えられる。上述したように、この出力信号
のデューティー比は遅延時間に依存したものになるた
め、遅延時間が長くなればなるほど、コンパレータ11
6の第1の入力端子に与えられる電圧は高くなる。別言
すれば、コンパレータ116の第1の入力端子の入力電
圧は、可変容量素子C1の容量値に依存した値となり、
観測点Q1に液体が存在していない場合に比べて、観測
点Q1に液体が存在している場合の方が電圧は高くな
る。
【0063】コンパレータ116の第2の入力端子に与
えられる電圧は、所定の基準値に相当する基準電圧であ
り、2つの抵抗素子117,118の抵抗値の比を選択
することによって任意に設定することが可能である。か
くして、コンパレータ116において、第1の入力端子
に与えられる電圧と、第2の入力端子に与えられる基準
電圧とが比較され、前者が後者を越えない場合には、コ
ンパレータ116から出力ノードB1にデジタル値
“0”が出力され、観測点Q1には液体が存在しないと
の判定がなされ、逆に、前者が後者を越えた場合には、
コンパレータ116から出力ノードB1にデジタル値
“1”が出力され、観測点Q1には液体が存在するとの
判定がなされることになる。
【0064】他の観測点Q2〜Q7についての回路12
0〜170においても同様の判定がなされ、結局、回路
110〜170の各出力ノードB1〜B7には、それぞ
れ“0”または“1”のいずれかのデジタル出力(二値
情報)が得られることになる。水位出力手段20は、こ
れら各出力ノードB1〜B7に得られるデジタル出力に
基づいて、求める水位レベルを出力する。たとえば、出
力ノードB1〜B7のデジタル出力が、1111000
となっていれば、第1番目の観測点Q1〜第4番目の観
測点Q4について液体が存在するとの判定がなされたこ
とになるので、観測点Q4の位置を水位レベルとして出
力すればよい(もちろん、観測点Q5の位置を水位レベ
ルとしたり、観測点Q4とQ5との中間点位置を水位レ
ベルとしたりすることも可能である)。
【0065】続いて、図20の回路を説明する。この回
路は、図16、図17、図18に示す実施形態に係る水
位センサ用の判定手段としての利用に適した回路であ
る。前述したように、図16、図17、図18に示す実
施形態に係る水位センサでは、1つの電極が、上下に隣
接した2組の電極対の兼用電極として利用されるため、
判定手段としての回路構成に若干の工夫が必要になる。
ここでは、図17に示す水位センサに適用するための回
路構成を説明する。
【0066】図17に示す水位センサでは、既に述べた
ように、合計11枚の電極層E1〜E11によって、合
計10組の電極対P1〜P10を形成している。ここ
で、電極層E2〜E10はいずれも兼用電極として機能
し、上下に隣接した2組の電極対に関与する。そこで、
これら11枚の電極層E1〜E11に対して、図21に
示すような配線を施す。この例では、奇数番目の電極層
E1,E3,E5,…,E11は接地され、偶数番目の
電極層E2,E4,…,E10は、それぞれノードN
2,N4,…,N10に接続される。図22は、このよ
うな配線の等価回路である。この等価回路を見れば、電
極層E2〜E10が兼用電極として機能し、上下に隣接
した2組の電極対に関与していることがわかる。
【0067】図20に示す回路は、上述した5つのノー
ドN2,N4,…,N10に関する信号を処理するため
の回路である。すなわち、図20に示されている回路2
10は、ノードN2に関する信号を処理する回路であ
り、図示されている回路220は、ノードN4に関する
信号を処理する回路である。また、図20には図示が省
略されているが、実際には、ノードN3に関する信号を
処理するための回路230、ノードN4に関する信号を
処理するための回路240、ノードN5に関する信号を
処理するための回路250が設けられている。これら5
つの回路210〜250の構成は全く同様である。
【0068】回路210は、抵抗素子211,212、
可変容量素子C1,C2、排他的論理和ゲート213、
抵抗素子214、容量素子215、コンパレータ206
a,206b、抵抗素子217,218,219によっ
て構成されている。回路220も全く同様に、構成要素
221〜229によって構成されている。図示されてい
ない回路230〜250についても同様である。
【0069】ここで、回路210内の可変容量素子C1
は、図17に示す水位センサにおける電極対P1に相当
する素子であり、可変容量素子C2は、電極対P2に相
当する素子である。図21に示すように、電極層E2
が、ノードN2に接続されており、電極層E1,E3が
接地されている状態を考慮すれば、回路210内の可変
容量素子C1,C2が電極対P1,P2に相当すること
が理解できるであろう。なお、回路図中、電極対P1,
P2を可変容量素子C1,C2として示したのは、観測
点Q1,Q2における液体の有無によって容量素子C
1,C2の容量値が変化することを考慮したためであ
る。
【0070】この図20に示す回路の動作原理は、前述
した図19に示す回路の動作原理と全く同様である。す
なわち、容量素子の容量値を遅延時間として検出し、こ
の遅延時間を所定の基準値と比較することにより、観測
点における液体の有無を判定することになる。ただ、こ
の図20に示す回路では、1つの回路によって、2つの
観測点についての判定がなされる点に特徴がある。
【0071】まず、各回路210〜250の入力段に
は、図にCLOCK として示した矩形波信号が与えられる。
ここでは、このような矩形波信号が与えられた場合の回
路210の動作を説明する。回路210に与えられた矩
形波信号は、2つの伝達路に分岐して伝播する。すなわ
ち、図示のとおり、上方の伝達路は、抵抗素子211,
可変容量素子C1,C2(電極対P1,P2)からなる
経路であり、CR遅延回路を構成し、下方の伝達路は、
抵抗素子212からなる経路である。ただ、このCR遅
延回路では、2つの可変容量素子C1,C2が並列接続
されているため、遅延時間は、この2つの可変容量素子
C1,C2の容量値の和によって定まることになる。
【0072】こうして2つの伝達路に分岐して伝播した
矩形波信号は、排他的論理和ゲート213の各入力端子
に与えられ、その出力端子からは、両矩形波信号の排他
的論理和に相当する信号が出力される。前述したよう
に、この出力信号のデューティー比は、上方の伝達路に
おける遅延時間に依存したものになる。続いて、この出
力信号は、平滑用のCR回路、すなわち、抵抗素子21
4および容量素子215からなる回路を介して、ノード
NNを通り、コンパレータ216aおよび216bのそ
れぞれ第1の入力端子に与えられる。一方、コンパレー
タ216aの第2の入力端子には、「抵抗素子217の
抵抗値と抵抗素子218の抵抗値との和」と、「抵抗素
子219の抵抗値」と、の比によって定まる第1の基準
電圧Vr1が与えられ、コンパレータ216bの第2の
入力端子には、「抵抗素子217の抵抗値」と「抵抗素
子218の抵抗値と抵抗素子219の抵抗値との和」
と、の比によって定まる第2の基準電圧Vr2(Vr2
>Vr1)が与えられる。なお、これら各基準電圧Vr
1,Vr2は、3つの抵抗素子217,218,219
の抵抗値の比を選択することによって任意に設定するこ
とが可能である。
【0073】いま、図17に示す水位センサを水槽など
に設置した状態において、水位が観測点Q1に達してい
ない場合を考える。この場合、観測点Q1,Q2の位置
には液体は存在しないので、電極対P1,P2の容量値
C1,C2はともに所定の基準値より小さな値になり、
遅延回路の遅延時間も所定の基準値より小さな値にな
る。このときのノードNNの電圧を、便宜上、電圧V1
と呼ぶことにする。続いて、水位が観測点Q1とQ2の
中間地点まで上昇した場合を考える。この場合、観測点
Q1の位置には液体が存在するが、観測点Q2の位置に
は液体は存在しない。したがって、電極対P2の容量値
C2は所定の基準値より小さな値になるが、電極対P1
の容量値C1は所定の基準値を越える値になる。このた
め、ノードNNの電圧は、前述の状態に比べて上昇す
る。このときのノードNNの電圧を、便宜上、電圧V2
と呼ぶことにする。更に、水位が観測点Q2の位置まで
上昇した場合を考える。この場合、観測点Q1の位置お
よび観測点Q2の位置には、いずれも液体が存在するの
で、電極対P1,P2の容量値C1,C2はともに所定
の基準値を越えることになる。このため、ノードNNの
電圧は、前述の状態に比べて更に上昇する。このときの
ノードNNの電圧を、便宜上、電圧V3と呼ぶことにす
る。
【0074】ここで、第1の基準電圧Vr1が、V1<
Vr1<V2となり、第2の基準電圧Vr2が、V2<
Vr2<V3となるように、3つの抵抗素子217,2
18,219の抵抗値の比を適宜設定しておくようにす
れば、結局、コンパレータ216aおよび216bから
各出力ノードB1,B2へのデジタル出力は次のように
なる。まず、水位が観測点Q1に達していない場合に
は、コンパレータ216aからの出力ノードB1へのデ
ジタル出力は“0”、コンパレータ216bからの出力
ノードB2へのデジタル出力も“0”となる。ところ
が、水位が観測点Q1とQ2の中間地点にある場合に
は、コンパレータ216aからの出力ノードB1へのデ
ジタル出力は“1”、コンパレータ216bからの出力
ノードB2へのデジタル出力は“0”となる。更に、水
位が観測点Q2の位置まで上昇した場合には、コンパレ
ータ216aからの出力ノードB1へのデジタル出力は
“1”、コンパレータ216bからの出力ノードB2へ
のデジタル出力も“1”となる。
【0075】以上、回路210による観測点Q1,Q2
に関する判定処理について述べたが、同様にして、回路
220により、観測点Q3,Q4に関する判定処理が行
われる。すなわち、回路220では、電極対P3,P4
の容量値C3,C4の和が遅延時間として検出されるこ
とになり、水位が観測点Q3に達していない場合には、
コンパレータ226aからの出力ノードB3へのデジタ
ル出力は“0”、コンパレータ226bからの出力ノー
ドB4へのデジタル出力も“0”となる。ところが、水
位が観測点Q3とQ4の中間地点にある場合には、コン
パレータ226aからの出力ノードB3へのデジタル出
力は“1”、コンパレータ226bからの出力ノードB
4へのデジタル出力は“0”となる。更に、水位が観測
点Q4の位置まで上昇した場合には、コンパレータ22
6aからの出力ノードB3へのデジタル出力は“1”、
コンパレータ226bからの出力ノードB4へのデジタ
ル出力も“1”となる。
【0076】他の観測点Q5〜Q10についても、回路
230,240,250によって同様の判定がなされ、
結局、全出力ノードB1〜B10には、それぞれ“0”
または“1”のいずれかのデジタル出力(二値情報)が
得られることになる。水位出力手段20は、これら各出
力ノードB1〜B10に得られるデジタル出力に基づい
て、求める水位レベルを出力する。
【0077】結局、図20の回路構成を一般論で定義す
ると、図17に示す水位センサにおける各電極層のう
ち、第i番目(ただし、iは偶数)の電極層について、
第(i−1)番目の電極層との組み合わせからなる低水
位側電極対と、第(i+1)番目の電極層との組み合わ
せからなる高水位側電極対とを定義し(たとえば、i=
2の場合、電極層E2とE1との組み合わせからなる低
水位側電極対P1と、電極層E2とE3との組み合わせ
からなる高水位側電極対P2とが定義される)、低水位
側電極対によって形成される容量素子と高水位側電極対
によって形成される容量素子とを並列接続して合成容量
素子を形成し(上例の場合、容量素子C1とC2の並列
接続により得られる容量素子)、この合成容量素子と所
定の抵抗素子とによって第i番目の電極についての遅延
回路を構成し、この遅延回路に供給した信号の遅延時間
と所定の基準時間とを比較して、遅延時間が第1の基準
時間を越えた場合には、第(i−1)番目の観測点(上
例の場合、観測点Q1)の位置を水位として出力し、遅
延時間が第1の基準時間より大きい第2の基準時間を越
えた場合には、第i番目の観測点(上例の場合、観測点
Q2)の位置を水位として出力するような回路を用意す
ればよいことになる。
【0078】このように、本発明に係る水位センサで
は、複数の観測点について、液体が存在するか否かが二
値情報として検出されることになり、この二値情報に基
づいて、観測点の配置間隔に応じた精度で変位検出が可
能になる。各観測点における液面の検出は、電極対の静
電容量値に基づいて行われるが、所定の基準値を越えた
か否かの二値情報として判定がなされるため、基準値を
適当な値に設定しておけば、温度や湿度あるいは不純物
の添加などによって大気や液体の誘電率に変動が生じた
としても、誤差のない正確な検出が可能になる。
【0079】以上、本発明を図示するいくつかの実施形
態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施形態に
限定されるものではなく、この他にも種々の形態で実施
可能である。特に、上述した個々の実施形態における各
電極の形状や形態は、いずれも一例を示したものであ
り、本発明はこれらの形状や形態に限定されるものでは
ない。特に、上述の実施形態では、水位の測定対象物と
して液体を用いる例を述べてきたが、本発明に係る水位
センサは、液体のレベル測定への利用に限定されるもの
ではなく、粘性体や粉体など、ある程度の流動性をもっ
た対象物の量を測定する分野にも応用可能である。たと
えば、米や麦などの穀物を収納する倉庫で利用すれば、
穀物の量を測定することが可能である。また、集合的に
流体とみなされるような多数の固体についても適用可能
である。たとえば、チップ状の抵抗素子やコンデンサと
いった小さな電子部品の量(収納庫内での収納高さ)を
測定することも可能である。説明の便宜上、本願明細書
では、「水位センサ」なる文言を用いているが、ここで
いう「水位」とは、液体のレベルだけでなく、粘性体、
粉体、集合的に流体とみなされるような多数の固体につ
いてのレベルも広く含むものである。
【0080】なお、水などの液体、粘性体や粉体、米や
麦などの穀物、電子部品といった多種多様な測定対象物
について広く適用が可能な水位センサを実現する上で
は、各観測点に測定対象物が存在するか否かを判定する
ための基準値を調整できる機能を設けておくのが好まし
い。本来、この基準値は、当該測定対象物の有無を明確
に判定できるような値に設定すべきである。たとえば、
標準的な条件において、観測点に特定の測定対象物が存
在しない場合は100、存在する場合は200、という
検出値が得られるのであれば、基準値を150に設定し
ておけば、多少の条件変動があったとしても、誤差のな
い正確な判定が期待できる。ところが、測定対象物の種
類が異なると、必ずしも同一の基準値で正確な判定を行
うことは期待できなくなる。たとえば、測定対象物が存
在しない場合には100、測定対象物Xが存在する場合
には150、測定対象物Yが存在する場合には200、
という検出値が得られる場合、共通の基準値として13
0というような値を設定するよりも、測定対象物Xにつ
いての測定を行う場合には基準値を125に設定し、測
定対象物Yについての測定を行う場合には基準値を15
0に設定する、というように基準値を調節できるように
しておく方がより正確な測定が可能になる。
【0081】前述した図19および図20に示す回路の
場合、抵抗素子の値を調整することによって、各基準値
を調整することができるので、調整が必要な抵抗素子に
ついては、たとえば可変抵抗器を用いるようにすれば、
このような調整機能を容易に付加することが可能にな
る。
【0082】
【発明の効果】以上のとおり本発明に係る水位センサに
よれば、低水位側から高水位側に向かう基準線に沿って
複数の観測点を定義し、各観測点位置における液体の有
無を電極対の容量値に基づいて二値情報として得るよう
にしたため、どのような測定環境においても正確な水位
測定を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水位センサの基本的な実施形態を
示す原理図である。
【図2】図1に示す水位センサにおいて、各観測点Qの
位置おける液体の存否認定の原理を示す図およびグラフ
である。
【図3】一対の平板電極Ea,Ebを垂直方向あるいは
斜め方向に間隔dだけ隔てて配置することにより、電極
対Pを構成した例を示す図である。
【図4】管状構造体30を利用した水位センサの一例を
示す斜視図である。
【図5】図4に示す水位センサの変形例を示す斜視図お
よびその等価回路図である。
【図6】一対の導体球によって、電極対Pを構成した例
を示す図である。
【図7】端部において電極対Pが形成された導電線対P
Pを示す斜視図である。
【図8】図7に示す導電線対PPの端部に絶縁膜I3を
形成した状態を示す平面図である。
【図9】図7に示す導電線対PPの変形例を示す斜視図
である。
【図10】図7に示す導電線対PPを7組用意して構成
した水位センサの平面図である。
【図11】図10に示す水位センサの変形例を示す断面
図である。
【図12】導電線を用いた別な形態の水位センサを構成
する部品を示す平面図および斜視図である。
【図13】図12に示す導電線51〜62の構造を示す
斜視図である。
【図14】図12に示す部品を用いて構成された水位セ
ンサの斜視図である。
【図15】電極を垂直方向に配置してなる水位センサの
基本的な実施形態を示す原理図である。
【図16】図15に示す水位センサと等価な水位センサ
の基本構造を示す図である。
【図17】図16に示す基本構造をもった水位センサの
一実施形態を示す斜視図である。
【図18】図16に示す基本構造をもった水位センサの
別な一実施形態を示す斜視図である。
【図19】本発明に係る水位センサにおける判定回路の
具体例を示す回路図である。
【図20】本発明に係る水位センサにおける判定回路の
別な具体例を示す回路図である。
【図21】図17に示す水位センサについての配線例を
示す図である。
【図22】図21に示す配線の等価回路を示す回路図で
ある。
【符号の説明】
1…水槽 10,10′…基準線 11〜17…判定手段 20…水位出力手段 30…管状構造体 31…空洞部 40…平板状の絶縁構造体 50…共通導電線 51〜62…個別導電線 70…管状構造体 71…空洞部 81〜91…導電線 110…判定手段を構成する回路 111,112…抵抗素子 113…排他的論理和ゲート 114…平滑用の抵抗素子 115…平滑用の容量素子 116…コンパレータ 117,118,119…抵抗素子 120…判定手段を構成する回路 121,122…抵抗素子 123…排他的論理和ゲート 124…平滑用の抵抗素子 125…平滑用の容量素子 126…コンパレータ 127,128,129…抵抗素子 210…判定手段を構成する回路 211,212…抵抗素子 213…排他的論理和ゲート 214…平滑用の抵抗素子 215…平滑用の容量素子 216a,216b…コンパレータ 217,218,219…抵抗素子 220…判定手段を構成する回路 221,222…抵抗素子 223…排他的論理和ゲート 224…平滑用の抵抗素子 225…平滑用の容量素子 226a,226b…コンパレータ 227,228,229…抵抗素子 B1〜B4…出力ノード C…静電容量値 C1〜C10…容量素子 CL…水位がLのときに得られる静電容量値 Cth…静電容量の基準値 d…電極間隔 E1〜E11…電極層 E1a〜E7a,E1b〜E7b…電極層 E1L〜E7L,E1H〜E7H…電極 E,Ea,Eb,Ec,Ed,Ee…電極 Exb…共通電極層 f…電気力線 I,I1〜I3…絶縁膜 L…液面 LQ…液面レベル NN,N1〜N10…ノード P,P1〜P10…電極対 PP,PP,PP1〜PP7…導電線対 Q,Q1〜Q12…観測点 T1〜T7…検出端子 Vr1,Vr2…基準電圧 W…導電線本芯 W1〜W3…導電線 εα…大気の誘電率 εβ…液体の誘電率 θ,θ1〜θ3…絶縁膜の厚み
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 板野 弘道 埼玉県上尾市菅谷4丁目73番地 株式会社 ワコー内 (72)発明者 谷口 伸光 埼玉県上尾市菅谷4丁目73番地 株式会社 ワコー内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の基準位置から液面に至るまでの水
    位を測定する水位センサにおいて、 低水位側から高水位側に向かう基準線に沿って所定間隔
    で順に定義された複数n個の観測点位置に配置されたn
    組の電極対と、 前記n組の電極対の各電極間容量値が所定の基準値を越
    えたか否かを判定するn個の判定手段と、 前記n個の判定手段のうち、第1番目の判定手段から第
    i番目の判定手段までが、基準値を越えた旨の判定結果
    を示したときに、第i番目の観測点の位置を水位として
    出力する水位出力手段と、 を備えることを特徴とする水位センサ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の水位センサにおいて、 基準線に沿って伸び、内部に液体が侵入する空洞部を有
    する管状構造体を用意し、 前記管状構造体によって各電極対を支持するようにし、 前記空洞部内の各観測点位置に測定対象となる液体が存
    在するか否かに応じて、各電極対の電極間容量値が変化
    するように、各電極対を配置したことを特徴とする水位
    センサ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の水位センサにおいて、 各電極対を、空洞部を挟んで対向する位置に形成された
    一対の電極層により構成したことを特徴とする水位セン
    サ。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の水位センサにおいて、 各電極対を、管状構造体の第1の側に配置される第1電
    極層と、管状構造体の第2の側に配置される第2電極層
    とによって構成し、 n個の第1電極層をそれぞれ物理的に独立した個別の電
    極層により構成し、n個の第2電極層を物理的に単一の
    共通電極層により構成したことを特徴とする水位セン
    サ。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の水位センサにおいて、 互いに平行な第1導電線および第2導電線から構成され
    る導電線対をn組用意し、これら導電線対の一方の端を
    検出端とし、 前記第1導電線の検出端および前記第2導電線の検出端
    によって電極対が形成されるようにし、 前記第1導電線の検出端および前記第2導電線の検出端
    は、周囲の誘電率の変化に起因して、前記電極対の電極
    間容量値に、判定手段によって認識されうる有意な変化
    が生じるような十分に薄い絶縁膜によって被覆状態にす
    るか、もしくは、露出状態にし、 少なくとも前記第1導電線の側部表面は、周囲の誘電率
    の変化に起因して、前記電極対の電極間容量値に、判定
    手段によって認識されうる有意な変化が生じることがな
    い程度に十分に厚い絶縁膜によって被覆状態にし、 前記n組の導電線対の各検出端によって形成されるn個
    の電極対が、各観測点に配置されるように、各検出端を
    所定距離だけずらした状態で各導電線対を固定したこと
    を特徴とする水位センサ。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の水位センサにおいて、 1本の共通導電線とn本の個別導電線とを用意し、これ
    ら各導電線が互いに平行になるように、かつ、前記共通
    導電線を中心として前記n本の個別導電線が周囲を取り
    囲むように配置し、前記n本の個別導電線の一方の端を
    検出端とし、 前記個別導電線の検出端と、その近傍に位置する前記共
    通導電線の側部表面とによって電極対が形成されるよう
    にし、 前記共通導電線の側部表面および前記個別導電線の検出
    端は、周囲の誘電率の変化に起因して、前記電極対の電
    極間容量値に、判定手段によって認識されうる有意な変
    化が生じるような十分に薄い絶縁膜によって被覆状態に
    するか、もしくは、露出状態にし、 前記個別導電線の側部表面は、周囲の誘電率の変化に起
    因して、前記電極対の電極間容量値に、判定手段によっ
    て認識されうる有意な変化が生じることがない程度に十
    分に厚い絶縁膜によって被覆状態にし、 前記n本の個別導電線の各検出端と前記共通導電線の側
    部表面とによって形成されるn個の電極対が、各観測点
    に配置されるように、各検出端を所定距離だけずらした
    状態で各個別導電線を固定したことを特徴とする水位セ
    ンサ。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の水位センサにおいて、 各電極対を、低水位側に配された低水位電極と、高水位
    側に配された高水位電極とによって構成し、 低水位側から第k番目(1≦k<n)の電極対を構成す
    る高水位電極と、第(k+1)番目の電極対を構成する
    低水位電極とを物理的に同一の電極で構成することによ
    り、(n+1)個の電極によってn組の電極対を形成し
    たことを特徴とする水位センサ。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の水位センサにおいて、 基準線に沿って伸び、内部に液体が侵入する空洞部を有
    する管状構造体を用意し、 前記管状構造体上に、前記基準線に沿って所定間隔で配
    された(n+1)個の電極層を形成し、上下に隣接する
    一対の電極層により1組の電極対を構成することにより
    合計n組の電極対を形成したことを特徴とする水位セン
    サ。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の水位センサにおいて、 (n+1)本の導電線を互いに平行になるようにして、
    第1番目の導電線から第(n+1)番目の導電線に至る
    まで順に二次元的に隣接配置し、各導電線の一方の端を
    検出端としたときに、第i番目(1≦i≦n)の導電線
    の検出端よりも第(i+1)番目の導電線の検出端の方
    が、前記基準線に沿って所定距離だけ高水位側に位置す
    るように、各検出端を所定距離だけ順次ずらした状態で
    各導電線を固定し、 第i番目の導電線の検出端と第(i+1)番目の導電線
    の検出端とによって、第i番目の電極対が形成されるよ
    うにし、 前記各検出端は、周囲の誘電率の変化に起因して、前記
    電極対の電極間容量値に、判定手段によって認識されう
    る有意な変化が生じるような十分に薄い絶縁膜によって
    被覆状態にするか、もしくは、露出状態にし、 前記各導電線の側部表面は、周囲の誘電率の変化に起因
    して、前記電極対の電極間容量値に、判定手段によって
    認識されうる有意な変化が生じることがない程度に十分
    に厚い絶縁膜によって被覆状態にしたことを特徴とする
    水位センサ。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の水位
    センサにおいて、 電極対によって形成される容量素子と所定の抵抗素子と
    によって遅延回路を構成し、この遅延回路に供給した信
    号の遅延時間と所定の基準時間とを比較することによ
    り、判定手段による判定を行うことを特徴とする水位セ
    ンサ。
  11. 【請求項11】 請求項7〜9のいずれかに記載の水位
    センサにおいて、 第i番目(ただし、iは偶数)の電極について、第(i
    −1)番目の電極との組み合わせからなる低水位側電極
    対と、第(i+1)番目の電極との組み合わせからなる
    高水位側電極対とを定義し、前記低水位側電極対によっ
    て形成される容量素子と前記高水位側電極対によって形
    成される容量素子とを並列接続して合成容量素子を形成
    し、この合成容量素子と所定の抵抗素子とによって第i
    番目の電極についての遅延回路を構成し、 前記遅延回路に供給した信号の遅延時間と所定の基準時
    間とを比較して、前記遅延時間が第1の基準時間を越え
    た場合には、第(i−1)番目の観測点の位置を水位と
    して出力し、前記遅延時間が前記第1の基準時間より大
    きい第2の基準時間を越えた場合には、第i番目の観測
    点の位置を水位として出力することを特徴とする水位セ
    ンサ。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかに記載の水
    位センサにおいて、 測定対象となる液体の種類に応じて、判定手段の基準値
    を調整できるようにしたことを特徴とする水位センサ。
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