JPH11311329A - 車両の動力回収制御方法 - Google Patents

車両の動力回収制御方法

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JPH11311329A
JPH11311329A JP11931198A JP11931198A JPH11311329A JP H11311329 A JPH11311329 A JP H11311329A JP 11931198 A JP11931198 A JP 11931198A JP 11931198 A JP11931198 A JP 11931198A JP H11311329 A JPH11311329 A JP H11311329A
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vehicle
swash plate
hydraulic
plate angle
pump
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JP11931198A
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Kenji Kinoue
憲嗣 紀ノ上
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Daikin Industries Ltd
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動力回収制御を行なうことのできるHMTに
おいて、制動時に滑らかに車両の停止させることのでき
る車両の動力回収制御方法を提供する。 【解決手段】 車前の減速時に車両の減速度が所定の値
以上になった場合、車両が停止するまで減速度を一定に
保持するため、液圧ポンプ(2)のポンプ斜板角度(θ
p)に対する、液圧モータ(3)のモータ斜板角度(θ
m)の比を一定に維持しながら、液圧ポンプ(2)のポ
ンプ斜板角度(θp)および液圧モータ(3)のモータ
斜板角度(θm)を中立側に傾斜させる制御を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、バス、トラッ
ク、各種建設機械、各種産業機械などに用いられる無段
変速機を備えた車両に関し、より特定的には、ハイドロ
メカニカルトランスミッション(以下、HMTと称す
る。)といわれる無段変速機を有する車両の動力回収制
御方法に関するものである。
【0002】
【背景の技術】従来、入力軸と出力軸とを結ぶ動力伝達
経路に、クラッチ機構および遊星歯車機構を備えたメカ
ニカルトランスミッション(以下、MTと称する。)
と、液圧ポンプおよび液圧モータを備えたハイドロスタ
ティックトランスミッション(以下、HSTと称す
る。)とを併設し、無段階で連続した変速を行なうよう
にしたHMTを有する車両の動力回収装置として、たと
えば特開平9−4709号公報に開示される「車両の動
力回収装置」がある。
【0003】この公報に開示された「車両の動力回収装
置」によれば、作動油を保圧状態で蓄えるための蓄圧器
を備え、この蓄圧器とHSTの閉回路とが開閉機構を持
つ給排ラインを介して接続されており、この開閉機構を
車両の走行状態に応じて切換作動させることによって、
HSTの閉回路から蓄圧器に対して余剰の作動油圧を供
給して蓄えるようにしている。
【0004】したがって、この装置を搭載した車両で
は、動力回収のための油圧ポンプを新たに設けることな
く、車両の減速時にHSTの油圧モータをポンプとして
作動させ、運動エネルギを作動油圧力に変換して動力回
収を行なうことができる。
【0005】しかし、上記車両の動力回収装置における
HMTの制御方法では、HST単独での動力伝達を行う
モード1を除き、機械軸(MT)を介在してエンジン側
と負荷側(車輪側)とが結合されている。そのため、制
動時において、HSTに発生する制動トルクを増加させ
ようとしても、MTを通ってエンジンにトルクが逃げて
しまうので、エンジンが負荷トルクを受けられる範囲で
しか作動油の圧力を上げることができない。
【0006】そこで、この問題を解決するために、本願
と同一の出願人によって、平成9年6月18日に「車両
の動力回収装置」が出願(特願平9−160950号)
されている。この特願平9−160950号の「車両の
動力回収装置」によれば、車両の減速時において、動力
回収可能なときに、車両の走行慣性力によりポンプ作動
されるHSTの液圧モータの斜板のモータ斜板角度(θ
m)を減少させるとともに、HSTの液圧ポンプのポン
プ斜板角度(θp)を0°にすることにより、HSTの
閉回路内の作動油圧を高める制御がなされている。
【0007】しかし、この特願平9−160950号の
「車両の動力回収装置」の場合、モード4の高速域にお
いては、HSTの動力分担が小さいため、液圧モータの
モータ斜板角度(θm)を小さく保っても作動油圧を十
分に上げることが出来ない。また、モード4、3、2の
各低速域においては、車両の制動トルクによって駆動さ
れる液圧モータがモータ作用を行うため、回収油量を得
ることができない。その結果、動力再生時に利用できる
高圧の作動油の回収油量は、特に高速域では、非常に小
さいものとなる。
【0008】また、車両のもつ運動エネルギは、車の速
度の平方に比例するため、低速域で回収動力が大きくて
も、低速域では車両が容易に減速するため、回収の持続
時間が短く、圧油としてあまり大きなエネルギを蓄積す
ることができない。
【0009】そこで、さらにこの問題点を解決するため
に、本願と同一の出願人によって、平成10年3月11
日に「車両の動力回収制御方法」が出願(特願平10−
059691号)されている。
【0010】まず、ここで図4を参照して、通常運転時
におけるHSTの液圧ポンプのポンプ斜板角度(θp)
および液圧モータのモータ斜板角度(θm)の制御につ
いて説明する。なお、図中(L)は低速領域、(H)は
高速領域を示す。
【0011】通常運転の加速時のモード1においては、
ポンプ斜板角度(θp)は0°から−17°に移動し、
モータ斜板角度(θm)は+17°に維持されるように
制御される。
【0012】次に、通常運転の加速時のモード2におい
ては、ポンプ斜板角度(θp)は−17°から+17°
に移動し、モータ斜板角度(θm)はそのまま+17°
に維持されるように制御される。
【0013】次に、通常状態の加速時のモード3におい
ては、ポンプ斜板角度(θp)は+17°から−17°
に移動し、モータ斜板角度(θm)はそのまま+17°
に維持されるように制御される。
【0014】次に、通常状態の加速時のモード4におい
ては、ポンプ斜板角度(θp)は−17°から+17°
に移動し、モータ斜板角度(θm)は低速域(L)にお
いてはそのまま+17°に、高速域(H)においては+
17/3°に維持されるように制御される。また、通常
運転の減速時においては、上述の制御と反対の制御が行
なわれる。
【0015】次に、上記特願平10−059691号の
「車両の動力回収制御方法」におけるHSTの液圧ポン
プのポンプ斜板角度(θp)および液圧モータのモータ
斜板角度(θm)の制御について、図5を参照して説明
する。
【0016】まず、動力回収(減速)運転のモード4に
おいては、ポンプ斜板角度(θp)は−17°に、モー
タ斜板角度(θm)は+17/3°に維持されるように
制御される。
【0017】次に、動力回収(減速)運転のモード3に
おいては、ポンプ斜板角度(θp)は+17°に、モー
タ斜板角度(θm)はそのまま+17/3°に維持され
るように制御される。
【0018】次に、動力回収(減速)運転のモード2に
おいては、ポンプ斜板角度(θp)は−17°に、モー
タ斜板角度(θm)はそのまま+17/3°に維持され
るように制御される。
【0019】次に、動力回収(減速)運転のモード1に
おいては、ポンプ斜板角度(θp)は0°に、モータ斜
板角度(θm)は+17°に維持されるように制御され
る。
【0020】これにより、動力回収(減速)運転におけ
るHSTの液圧ポンプのポンプ作用およびモータ作用
は、図6に示すように、モード4からモード2の間にお
いて常にポンプ作用を行なう。その結果、図5に示すよ
うに回収油量および回収動力の改善が可能となる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の特願平
10−059691号の「車両の動力回収制御方法」に
よれば以下に示す問題を有している。この問題につい
て、図7および図8を参照して説明する。
【0022】図7は、横軸に車速軸を採用した場合の動
力回収運転時における各モードのポンプ斜板角度(θ
p)およびモータ斜板角度(θm)に対応した制動トル
ク(図中実線A)、回収動力(図中点線B)および減速
度−G(図中一点鎖線C)の変化を示し、図8は、横軸
に時間軸を採用した場合を示す。したがって、図8中に
は車速(図中二点鎖線D)の変化が示されている。
【0023】特願平10−059691号の「車両の動
力回収制御方法」のように、HMT自体を動力回収装置
として用いる場合、HMT内に設けられたHSTを利用
して制動を行なうため、エンジン回転数を一定に保った
場合、制動馬力は一定となる。その結果、車速の減少に
伴う出力回転数の減少により、図7および図8に示され
るように、駆動輪12、12に対する制動トルク(図中
実線A)はモード2および1において大きくなる。この
制動トルクの上昇に応じて減速度−G(図中一点鎖線
C)も大きくなる。
【0024】したがって、高速走行時に有効な減速がで
きるだけの動力回収(図中点線B)能力を有するHMT
においては、低速速度域であるモード2および1まで減
速した時点で、減速度−Gが過大となる。その結果、車
両は急減速で停車することになる。
【0025】この現象は、車両の運転者の運転感覚、車
両走行の安全性および車両駆動系の強度上の様々な観点
において有害であり、また車両の制動力の制御の観点か
らも、車両の停車時にスムーズに減速できない恐れがあ
る。
【0026】したがって、この発明は上記課題を解決す
るためになされたものであって、動力回収制御を行なう
ことのできるHMTにおいて、制動時に滑らかに車両を
停止させることのできる車両の動力回収制御方法を提供
することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】この発明に基づいた車両
の動力回収制御方法においては、エンジンから駆動輪ま
での動力伝達経路に、MTと、上記エンジン側に連結さ
れた液圧ポンプおよび駆動輪側に連結された液圧モータ
を閉回路により互いに接続してなるHSTとが並列に配
設されたHMTを備える車両を前提とする。
【0028】このような車両において、液圧ポンプおよ
び液圧モータは、それぞれ斜板角度の変更により容量可
変に構成された斜板式ピストンポンプであり、また、車
両の減速時に車両の減速度が所定の値以上になった場
合、車両が停止するまで減速度を一定に保持するため、
液圧ポンプのポンプ斜板角度(θp)に対する、液圧モ
ータのモータ斜板角度(θm)の比を一定に維持しなが
ら、液圧ポンプ(2)のポンプ斜板角度(θp)および
液圧モータのモータ斜板角度(θm)を中立側に傾斜さ
せる制御が行なわれる。
【0029】この発明によれば、車両の減速時に車両の
減速度が所定の値以上になったときに、液圧ポンプのポ
ンプ斜板角度(θp)および液圧モータのモータ斜板角
度(θm)が回収動力が小さくなる方向に傾斜するよう
に制御されることによって、制動トルクおよび減速度を
一定に保持したまま、車両を滑らかに停止させることが
可能になる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形
態における車両の動力回収装置をトラックなどの車両に
適用した一例を示す。
【0031】エンジン1とこのエンジン1からの入力回
転を無段階に変速して左右の駆動輪12,12側に伝達
する無段変速機としてのHMTが設けられている。この
HMTには、クラッチ機構および遊星歯車機構からなる
MT100と、エンジン1側に配置される液圧ポンプ2
と駆動輪12,12側に配置される液圧モータ3とが閉
回路4によって連結されるHST200とを備えてい
る。
【0032】液圧ポンプ2と液圧モータ3とには斜板式
ピストンポンプが用いられ、液圧ポンプ2の斜板2aは
−17°から+17°の間においてその角度を変更する
ことができる。また、液圧モータ3の斜板3aも液圧ポ
ンプ2の斜板2aと同様に、−17°から+17°の間
においてその角度を変更することができる。
【0033】MT100とHST200とは、エンジン
1側においては、歯車24および歯車25によって動力
が伝達され、駆動輪12,12側においては、歯車26
および歯車27によって動力が伝達される。
【0034】次に、動力回収装置の構成について説明す
る。コントローラ10内に設けられた開閉制御により作
動制御される第1から第3方向切換弁6,7,8を有す
る開閉機構を有している。また、給排ラインとしては、
HST200の閉回路4を構成する第1液圧ライン4a
および第2液圧ライン4bと、この第1液圧ライン4a
および第2液圧ライン4bをそれぞれ第1逆止弁9a,
第2逆止弁9bを介して互いに接続する1対の高圧選択
ライン71,72と、第1逆止弁9a,第2逆止弁9b
の下流側と第3方向切換弁8とを接続することにより第
1液圧ライン4aおよび第2液圧ライン4bをそれぞれ
蓄圧器5に接続する第1給排ライン73とを備えてい
る。
【0035】第1方向切換弁6および第2方向切換弁7
を互いに接続する第1接続ライン74と、この第1接続
ライン74の途中と第3方向切換弁8とを接続すること
により第1方向切換弁6および第2方向切換弁7を蓄圧
器5に接続する第2給排ライン75とを備えてる。ま
た、第3方向切換弁8と蓄圧器5とを接続する第3給排
ライン76とを備えている。
【0036】第1方向切換弁6と第2方向切換弁7とに
は、第2接続ライン77が設けられ、この第2接続ライ
ン77は、リザーバタンク78に接続されている。
【0037】第2給排ライン75には第1油圧センサ8
0が配設され、第3給排ライン76には第2油圧センサ
81が配設され、第1給排ライン73には、第3油圧セ
ンサ82が配設されている。また、第2給排ライン75
には、蓄圧器5から閉回路4への作動油量を調節するた
めの流量調整弁11が設けられている。
【0038】HST200の閉回路4側の作動油圧が第
1油圧センサ80および第3油圧センサ82により検出
される一方、蓄圧器5側の作動油圧が第2油圧センサ8
1により検出され、これらの検出値に基づいてコントロ
ーラ10内部に設けられた判定部により動力回収可能な
状態か否かの判定が行なわれる。また、蓄圧器5には、
蓄圧器5内の作動油圧を一定以下の圧力に保持するため
のリリーフ弁13が設けられている。
【0039】コントローラ10には、歯車25の回転数
を検出するための第1回転数検出器83と、歯車26の
回転数を検出するための第2回転数検出器84とからの
信号が入力される。またアクセル検出器22およびブレ
ーキ検出器23からの信号もコントローラ10に入力さ
れる。
【0040】第1方向切換弁6は、4ポート3位置切換
型のものであって、第1液圧ライン4aに設けられ、液
圧ポンプ2と液圧モータ3とを接続する第1切換位置
(同図中間位置)と、液圧ポンプ2、液圧モータ3およ
び第1接続ライン74を接続する第2切換位置(同図上
側位置)と、液圧ポンプ2、液圧モータ3および第2接
続ライン77を接続する第3切換位置(同図下側位置)
とを有し、コントローラ10からの作動指令を受けてソ
レノイドなどの作動により上記各位置のいずれかに切換
えられるようになっている。
【0041】第2方向切換弁7は、4ポート3位置切換
型のものであって、第2液圧ライン4bに設けられ、液
圧ポンプ2と液圧モータ3とを接続する第1切換位置
(同図中間位置)と、液圧ポンプ2、液圧モータ3およ
び第1接続ライン74を接続する第2切換位置(同図下
側位置)と、液圧ポンプ2、液圧モータ3および第2接
続ライン77を接続する第3切換位置(同図上側位置)
と、を有し、コントローラ10からの作動指令を受けて
ソレノイドなどの作動により上記各位置のいずれかに切
換可能になっている。
【0042】第3方向切換弁8は、3ポート3位置切換
型のものであって、第1給排ライン73、第2給排ライ
ン75および第3給排ライン76を遮断する第1切換位
置(同図中央位置)と、第1給排ライン73と第3給排
ライン76とを接続する第2切換位置(同図左側位置)
と、第2給排ライン75と第3給排ライン76とを接続
する第3切換位置(同図右側位置)とを有し、コントロ
ーラ10からの作動指令を受けてソレノイドなどの作動
により上記各位置のいずれかに切換可能になっている。
【0043】次に、図2および図3を参照して、上記構
成よりなる車両の動力回収運転時(減速時)の液圧ポン
プ2の斜板2aの角度制御(θp)および液圧モータ3
の斜板3aの角度制御(θm)について説明する。
【0044】図2は、横軸に車速軸を採用した場合の動
力回収運転時における各モードのポンプ斜板角度(θ
p)およびモータ斜板角度(θm)に対応した制動トル
ク(図中実線A)、回収動力(図中点線B)および減速
度−G(図中一点鎖線C)の変化を示し、図3は、横軸
に時間軸を採用した場合を示す。したがって、図3中に
は車速(図中二点鎖線D)の変化が示されている。
【0045】[動力回収運転時(減速時)]モード4 車両のモード4の動力回収運転時においては、液圧ポン
プ2の斜板2aは、θpに示すように−17°に、液圧
モータ3の斜板3aは、θmに示すように+17/3°
に維持されるように制御される。このとき、制動トルク
(A)および減速度−Gは、徐々に上昇する。一方、回
収動力(B)は一定値に維持されている。
【0046】モード3 車両のモード3の動力回収運転時においては、液圧ポン
プ2の斜板2aは、θpに示すように+17°に、液圧
モータ3の斜板3aは、θmに示すように+17/3°
に維持されるように制御される。このとき、制動トルク
(A)および減速度−G(C)は、徐々に上昇する。一
方、回収動力(B)は一定値に維持されている。
【0047】モード2 モード3とモード2との切換ポイントにおいて、減速度
−G(C)が所定の値に達し場合、減速度−G(C)が
一定の値を維持しながら、車両が停止するように、液圧
ポンプ2の斜板2aの角度および液圧モータ3の斜板3
aの角度制御を行なう。
【0048】液圧ポンプ2の斜板2aの角度(θp)お
よび液圧モータ3の斜板3aの角度(θm)制御につい
ては、(θp)および(θm)を中立(0°)側に傾斜
さて、回収動力が小さくなる方向に制御する。その結
果、制動トルクおよび減速度を一定値に保持することが
可能になる。
【0049】ここで、(θp)および(θm)の制御に
よって、回収動力を小さくする方法としては、θmを大
きくする(回収油圧を下げて回収動力を低下させる)方
法と、θpを小さくする(液圧ポンプ2側からの回収油
量を下げて回収動力を低下させる)方法とが考えられ
る。
【0050】しかし、前者の方法は、作動油圧の低下を
伴い、作動油圧が蓄圧油圧を下回れば、それ以上の回収
動力を蓄えることができず、次回の車両発進時の再生能
力を積み上げることができない。また、HST側とMT
側とのトルク分担比率を維持するためには、θpの調整
が必要である。しかし、このθpの調整範囲が狭いた
め、HST側とMT側とのトルクの均衡を維持すること
ができなくなり、不均衡な制動トルクがエンジンにかか
り、エンジン停止のおそれがある。
【0051】また、後者の方法によれば、所定の範囲を
超えて能力を調整するとHST側とMT側とのトルクの
分担比率が狂い、エンジンにトルクがかかるようにな
る。その結果、エンジンの制動トルクを超えた時点で、
制動トルク自体が低下するとともに、作動油圧も低下し
蓄圧ができなくなる。
【0052】そこで、本実施の形態においては、上述し
た不都合の発生を回避すべく、(θp):(θm)の比
をモード毎に(本実施の形態においてはモード2および
1)、その時の制動トルクと必要制動トルクの比に対応
して所定の比に保ちながら、図2および図3に示すよう
に、(θp)および(θm)の両者を中立(0°)側に
傾斜させる。
【0053】具体的には、モード3とモード2との切換
ポイントにおいて減速度−Gが所定の値(たとえば、−
0.3G)に達し、モード2の全域でこの−Gを維持す
るとして、モード3とモード2との切換ポイントにおけ
るθmを+5.7°、θPを−17°とすれば、モード
2とモード1との切換ポイントにおいてはθmを+2.
85°、θPを−8.5程度となるように制御する。
【0054】モード1 モード1の場合、背景技術はθpは0°、θmは+17
°に制御される。しかし、本実施の形態においては上記
モード2と同様に、減速トルクが過大となる場合の弊害
を避けるために、減速トルクを小さくする必要がある。
そこで、θmを中立側に傾斜させる。具体的には、モー
ド3とモード2との切換ポイントにおいて所定の値(た
とえば、−0.3G)に達した減速度−Gを、モード1
でも維持するとすれば、モード2とモード1との切換ポ
イントにおけるθmは+5.7°程度となる。また、モ
ード1では制動馬力が駆動輪12、12の回転数に比例
して減少するため、θmはこの値を一定に維持するよう
に制御する。
【0055】以上、車両の動力回収運転においては、図
2および図3に示すように(θp):(θm)の比を、
モード毎に(本実施の形態においてはモード2および
1)、その時の制動トルクと必要制動トルクとの比に対
応して所定の比に保ちながら、(θp)および(θm)
の両者を中立(0°)側に傾斜させることにより、動力
回収による蓄圧油量を低下させることなく制動トルクを
任意の値に設定することが可能になる。その結果、従
来、HMTを動力回収機構として使用する際に問題とな
っていた、車両の低速走行領域、特に停止直前の急減
速、急停車、または制御遅れに基づく車両の逆走を未然
に防止することが可能になる。
【0056】また、制動トルクの制御を運転者のブレー
キ操作量と連動させることにより、運転者の意図をより
一層反映した、車両の減速が可能になる。
【0057】なお、上記実施の形態は、4モード機に適
用した場合について説明しているが、必ずしもこの機種
に限定されるものではなく、3モード機、5モード機そ
の他多モード機に対しても同様の技術的思想を適用する
ことが可能である。
【0058】また、上記実施の形態においては、HMT
を動力回収機構として使用する場合についてのみ説明し
たが、HMTをリターダ機構として使用する場合につい
ても同様の作用、効果を得ることが可能である。
【0059】したがって、今回開示した上記実施の形態
はすべての点で例示であって制限的なものではないと考
えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明では
なくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲
と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる
ことが意図される。
【0060】
【発明の効果】この発明に基づいた車両の動力回収制御
方法によれば、車両の減速時に車両の減速度が所定の値
以上になったときに、車両が停止するまで減速度を一定
に保持するため、液圧ポンプのポンプ斜板角度(θp)
および液圧モータのモータ斜板角度(θm)を中立側に
傾斜するように角度制御が行なわれる。
【0061】このように、それぞれの斜板角度を回収動
力が小さくなる方向に傾斜するように制御することによ
って制動トルクおよび減速度を一定に保持したまま、車
両を滑らかにに停止させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態における車両の動力回収装置をト
ラックなどの車両に適用した一例を示す図である。
【図2】本実施の形態における車両の動力回収運転にお
ける、横軸に車速軸を採用した場合の各モードのポンプ
斜板角度(θp)およびモータ斜板角度(θm)に対応
した制動トルク(図中実線A)、回収動力(図中一点鎖
線B)および減速度−G(図中二点鎖線C)の変化を示
す図である。
【図3】本実施の形態における車両の動力回収運転にお
ける、横軸に時間軸を採用した場合の各モードのポンプ
斜板角度(θp)およびモータ斜板角度(θm)に対応
した制動トルク(図中実線A)、回収動力(図中点線
B)、減速度−G(図中一点鎖線C)および車速(図中
二点鎖線D)の変化を示す図である。
【図4】通常運転時におけるHSTの斜板角度の制御を
示す図である。
【図5】特願平10−059691号の「車両の動力回
収制御方法」における回収油量、回収動力および斜板角
度の変化を示す図である。
【図6】特願平10−059691号の「車両の動力回
収制御方法」における斜板角度の変化に応じた、HST
のポンプ作用およびモータ作用を示す図である。
【図7】特願平10−059691号の「車両の動力回
収制御方法」における、横軸に車速軸を採用した場合の
各モードのポンプ斜板角度(θp)およびモータ斜板角
度(θm)に対応した制動トルク(図中実線A)、回収
動力(図中一点鎖線B)および減速度−G(図中二点鎖
線C)の変化を示す図である。
【図8】特願平10−059691号の「車両の動力回
収制御方法」における、横軸に時間軸を採用した場合の
各モードのポンプ斜板角度(θp)およびモータ斜板角
度(θm)に対応した制動トルク(図中実線A)、回収
動力(図中点線B)、減速度−G(図中一点鎖線C)お
よび車速(図中二点鎖線D)の変化を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 液圧ポンプ 2a 斜板 3 液圧モータ 3a 斜板 4 閉回路 4a 第1液圧ライン 4b 第2液圧ライン 5 蓄圧器 6 第1方向切換弁 7 第2方向切換弁 8 第3方向切換弁 9a 第1逆止弁 9b 第2逆止弁 10 コントローラ 11 流量調整弁 12 車輪 13 リリーフ弁 22 アクセル検出器 23 ブレーキ検出器 24,25,26,27 歯車 50 方向切換弁 51 油冷却器 71 高圧選択ライン 72 高圧選択ライン 73 第1給排ライン 74 第1接続ライン 75 第2給排ライン 76 第3給排ライン 77 第2接続ライン 78 リザーバタンク 80,81,82 第1,第2,第3圧力センサ 83 第1回転数検出器 84 第2回転数検出器 100 クラッチ機構 200 遊星歯車機構

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン(1)から駆動輪(12,1
    2)までの動力伝達経路に、メカニカルトランスミッシ
    ョン(100)と、前記エンジン(1)側に連結された
    液圧ポンプ(2)および前記駆動輪(12,12)側に
    連結された液圧モータ(3)を閉回路(4)により互い
    に接続してなるハイドロスタティックトランスミッショ
    ン(200)とが並列に配設されたハイドロメカニカル
    トランスミッション(HMT)において、前記閉回路
    (4)に開閉機構(6,7,8)を有する給排ライン
    (71,72…)を介して接続された蓄圧手段(5)を
    備え、車両の減速時に前記閉回路(4)から前記蓄圧手
    段(5)に高圧の作動液を回収して蓄えるようにした車
    両の動力回収制御方法であって、 前記液圧ポンプ(2)および前記液圧モータ(3)は、
    それぞれ斜板角度の変更により容量可変に構成された斜
    板式ピストンポンプであり、 前記車両の減速時に前記車両の減速度が所定の値以上に
    なった場合、前記車両が停止するまで前記減速度を一定
    に保持するため、前記液圧ポンプ(2)のポンプ斜板角
    度(θp)に対する、前記液圧モータ(3)のモータ斜
    板角度(θm)の比を一定に維持しながら、前記液圧ポ
    ンプ(2)のポンプ斜板角度(θp)および前記液圧モ
    ータ(3)のモータ斜板角度(θm)を中立側に傾斜さ
    せる制御を行なう、車両の動力回収制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP4015871A1 (en) * 2020-12-17 2022-06-22 Kubota Corporation Work vehicle
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