JPH11311052A - 錠、イスパニア錠等の操作部材用復帰装置及びケ―シング - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造及び取り付けが簡単な錠の操作部材用復
帰装置を提供することを課題とする。 【解決手段】 前面（12）に協同手段（13）を有する本
体（11）を含み、協同手段（13）は、ナット（６）上の
相補手段（14）と協同して、ナット（６）の自己の軸線
回りの回転を、本体（11）の縦方向の運動に変換する。
本体（11）の端部は、その縦軸方向（Ｄ）に伸びるフォ
ークを形成する分岐部（15、16）の各々の対を含む。本
体（11）は、スプリング（18）を収容するように構成さ
れ、本体（11）の両端で開口する縦開口部（17）を有す
る。その幅は、フォークの分岐部（15、16）間の隔たり
よりも大である。縦開口部（17）は、少なくとも一つの
裏面開口部（17ａ）を有する。当該裏面開口部（17ａ）
は、本体（11）の裏面に開口し、スプリング（18）が通
過することができるように構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、開閉パネルの壁内
に埋め込まれる錠の操作部材用復帰装置に関するもので
ある。本発明はまた、ドアや、窓や、フランスドア用の
上記タイプの錠や、イスパニア錠等のためのケーシング
にも関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、上記タイプのイスパニア錠に
は多くの種類がある。一般的に言って、イスパニア錠
は、複数の部材を同時に操作するように構成される。当
該複数の部材に含まれるものとしては、キャッチボルト
と、ロックボルトと、少なくとも一つのロッキングロッ
ド（鎖錠用ロッド）、即ち、固定フレームのキーパー
（保持部材）と協同するローラのようなロッキングアク
セサリーのアクチュエータロッドとがある。

【０００３】本出願人名義のフランス特許出願番号第９
６ ０４ ５９４号に記載されている通り、上記タイプ
のイスパニア錠の場合、ナットは、ドアハンドルのよう
な操作部材に取り付けられる。当該操作部材は、上記ナ
ットの中央部において、少なくとも一つの操作用四角ピ
ンと係合する。

【０００４】上記ナットを一方向に回転させることによ
って、上記キャッチボルトを、復帰スプリングに逆らっ
て操作することができる。当該復帰スプリングは、上記
キャッチボルトを、錠前面プレートから突き出した状態
で保持する。

【０００５】上記ナットはまた、端部にイスパニアボル
トを固着させたブラケットと協同することによって、上
記イスパニアボルトを、当該ナットの回転方向に従っ
て、突き出したり、引っ込めたりする。上記操作部材が
一回転する度に、当該操作部材と、当該操作部材と共に
回転する上記ナットとは、自己の元の位置に復帰する必
要がある。

【０００６】この目的のために、上記フランス特許出願
は、一つの可動部材と協同する一つのスプリングを記載
している。当該可動部材は、錠ケーシング内で可動であ
る。即ち、上記ナットが自己の軸線の回りに回転する
時、当該可動部材は、縦軸方向に動くように構成され
る。ピニオン手段は、自己の中心を上記ナットの軸線に
一致させており、且つ、上記可動部材に取り付けられた
ラックの歯と噛合するように構成される。

【０００７】上記スプリングは、スプリングハウジング
の内部に配置される。当該ハウジングは、上記ケーシン
グ内に形成される。上記可動部材は、二つの突出部を有
する。当該二つの突出部は、上記スプリングの各々の端
に係合するように配置される。上記スプリングハウジン
グは、上記可動部材の上記ラックを支持すると共に、一
つのプレートを含む。当該プレートは、上記錠ケーシン
グの背面にある対応開口部に係合するように構成され
る。

【０００８】しかしながら、上記タイプの操作部材用の
復帰装置は、極めて多くの数のパーツ（即ち、ハウジン
グや、スプリングや、上記ラックを担持する可動部材な
ど）を有するので、上記イスパニア錠のケーシング内に
上記パーツを取り付けるためには極めて多くの組立作業
を必要とする。

【０００９】エタブリッスマン ドゥルヴェ エ シエ
の名義になるフランス特許第８４１３ ６８７号は、ド
ア用等の錠を開示している。当該錠は、ナットを中に含
むケーシングを有する。当該ナットは、キャッチボルト
を操作するためのものである。当該キャッチボルトは、
スプリング部材によって、リセット位置に復帰させられ
る。スライド部材は、ラックを担持する。当該ラック
は、上記ナットに取り付けられるピニオンの歯と噛合す
るように構成される。

【００１０】上記スライド部材は、ハウジングを含む。
当該ハウジングは、上記スプリング部材を格納する。当
該スプリング部材は、上記ハウジングの背面と、横軸と
の間に配置される。当該横軸は、上記ケーシングに固着
される。当該ケーシングは、上記スライド部材が、上記
ナットの回転に応じて縦方向に動く時、上記スプリング
部材を圧縮するように構成される。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、自己の
軸線の回りで両方向に回転できるナット用の復帰スプリ
ングとしては、上記タイプのナット復帰装置は適してい
ない。更にその上、上記スプリング部材は、上記スライ
ド部材が上記ケーシングに固定された際、当該スプリン
グ部材の上記ハウジングから逃れることができない。な
ぜならば、上記ケーシングの上記横軸が、上記スライド
部材の開口端と協同するからである。当該開口端を通し
て、上記スプリング部材が挿入される。従って本発明の
目的は、上記欠点を克服することによって、製造および
取り付けが簡単な錠の操作部材用復帰装置を提供するこ
とにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明は、下記構成から
なる復帰装置に存する。すなわち、ナットと係合する操
作部材用の復帰装置であって、当該装置は本体を含み、
当該本体は、前面に協同手段を有し、当該協同手段は、
上記ナット上の相補手段と協同して、当該ナットの自己
の軸線回りの回転を、上記本体の縦方向の運動に変換
し、当該本体の端部は、当該本体の縦軸方向に伸びるフ
ォークを形成する分岐部の各々の対を含み、上記本体
は、スプリングを収容するように構成された縦開口部を
有し、当該縦開口部は、上記本体の両端で開口し、上記
縦開口部の幅は、上記フォークの上記分岐部間の隔たり
よりも大であり、上記縦開口部は、少なくとも一つの裏
面開口部を有し、当該裏面開口部は、上記本体の裏面に
開口し、上記スプリングが上記裏面開口部を通過するこ
とができるように当該裏面開口部が構成される、該操作
部材用の復帰装置である。

【００１３】上記ラックを支持する上記本体はまた、上
記復帰スプリングのためのハウジングを形成する。上記
復帰装置は、ただ二つのパーツを有する。即ち、上記本
体と、上記スプリングである。当該スプリングは、スラ
イドする際、当該スプリングを保持する上記ケーシング
の壁の部分から隔てられる。上記本体の上記縦開口部の
幅と、上記フォークの上記分岐部間の隔たりとの間には
相違があるため、上記フォークは、直角の肩部を、当該
フォークの基部、すなわち上記縦開口部の端部に形成す
る。これらの肩部は、当該開口部に格納される上記スプ
リング用のスプリング受け部として働く。

【００１４】従って、上記スプリングは、上記復帰装置
が、錠の上記ケーシングに取り付けられているか、又は
いないかに拘わらず、当該復帰装置の上記本体内に収容
され、保持される。その上更に、上記本体が、対称的な
端部を有すると共に、二つの上記フォークを有するた
め、上記ナットの回転方向に拘わらず、それ故、上記復
帰装置の上記本体の縦軸方向の移動の方向に拘わらず、
上記スプリングを圧縮することができる。

【００１５】上記縦開口部の有利な変形例において、当
該縦開口部は、上記本体の裏面に開口する切り欠き部で
あって、且つ、上記本体の縦軸方向と実質的に交差する
方向に伸びる少なくとも一つのブリッチ部と交差し、上
記縦開口部の端に肩部が形成され、当該肩部は、スプリ
ング受け部を、上記フォークの上記分岐部の基部に形成
して、上記縦開口部内に上記スプリングを保持するよう
に構成される。

【００１６】上記スプリングを、上記縦開口部内に、上
記本体の裏面から容易に挿入することができる。更にそ
の上、上記ブリッチ部は、上記スプリングが圧縮される
際に、上記ラックの上記本体から、上記スプリングが撓
み出すのを防止する。

【００１７】本発明のもう一つの態様に従って、錠、又
は、イスパニア錠、又は、これらの錠と同等の物のため
のケーシングは、本発明の復帰装置を含む。上記ケーシ
ングの裏面縁部は、二つのフランジ部を有し、当該フラ
ンジ部は、上記ケーシングの内部に向かって伸び、上記
ケーシングの上記背面部材に対して実質的に平行に配置
され、且つ、上記復帰装置の上記本体の各々のフォーク
を形成する上記分岐部の間に導入されるように構成され
る。

【００１８】上記ケーシングの上記フランジ部は、上記
復帰装置の上記スプリングを含むと共に、上記本体が縦
軸方向に動く際、上記ラックを担持する当該本体をガイ
ドする。

【００１９】更にその上、上記復帰装置を上記ケーシン
グに取り付ける作業は、極めて容易である。即ち、当該
取り付け作業は、上記本体を、上記ケーシングの背面に
平行にスライドさせて、上記裏面縁部の上記フランジ部
を、上記本体の上記端部のフォーク内に導入するだけで
完了する。本発明のその他の特徴および利点は、下記の
説明によって、より一層明らかにされる。

【００２０】

【発明の実施の形態】図１を参照すると、イスパニア錠
のケーシング１は、ドアや、窓や、フレンチドア等の開
閉パネルの溝内に装着可能に構成される。当該ケーシン
グ１は、操作機構を格納する。当該操作機構を構成する
ものは、キャッチボルト２と、ロックボルト３と、イス
パニアロッド４ａである。当該イスパニアロッド４ａ
は、それ自体既知の方法で、ブラケット部４の端部に取
り付けられる。

【００２１】キー穴５も設けられ、当該キーによって、
上記ロックボルト３を突き出したり、引っ込めたりする
ことが可能にされる。ナット６は、ケーシング１内に、
回転自在に取り付けられ、且つ、当該ナット６の中心７
に固着された四角形ピンによって、ドアハンドルのよう
な操作部材に係合させられる。

【００２２】上記構成について以下に、更に詳しく説明
する。ナット６を、矢印Ｆで表示される第一方向に回転
させると、ナット６は、上記キャッチボルト２のテール
部８に作用して、ケーシング１の前面プレートから突き
出す当該キャッチボルト２を保持する復帰スプリング９
の作用に逆らう。ナット６はまた、ブラケット部４にも
作用し、当該ナット６の回転方向に従って、イスパニア
ロッド４ａを引っ込めたり、突き出したりする。

【００２３】図４、５、６及び７は、ナット６を復帰さ
せるための装置、従って、上記操作用のドアハンドルを
休止位置に復帰させるための装置を詳細に示す。復帰装
置１０は、本体１１を有する。当該本体１１は、協同手
段１３を担持する前面部１２を有する。当該協同手段１
３は、ナット６に取り付けられた相補手段１４と協同し
て、ナット６の自己の軸線回りの回転を、本体１１の縦
軸方向の運動に変換する。本体１１の端部は、フォーク
を形成する各々の分岐部１５、１６を有する。当該分岐
部１５、１６は、本体１１の縦軸方向Ｄに伸びる。

【００２４】上記本体１１は、スプリング１８を収容す
るための縦開口部１７を有する。当該縦開口部１７は、
本体１１の両端部に開口する。縦開口部１７の幅Ｌは、
上記フォークの分岐部１５、１６間の隔たりｌよりも大
である。当該縦開口部１７は、本体１１の裏面部１９に
開口する部分１７ａ、１７ｂ、１７ｃ、１７ｄを有す
る。当該部分の少なくとも一つ、望ましくは、本体１１
の一端に隣接する部分１７ａを介して、スプリング１８
が、縦開口部１７内に挿入される。

【００２５】当該実施例において、縦開口部１７は、本
体１１の裏面部１９に開口する切り欠き部１７であっ
て、且つ、本体１１の縦軸方向Ｄと実質的に交差する方
向に伸びる少なくとも一つのブリッチ部２０と交差す
る。例えば、本体１１は、３本のブリッチ部２０を、本
体１１の裏面部１９に規則正しく分布させて、上記切り
欠き部１７内にスプリング１８を保持することができ
る。縦開口部１７の横断面形状は、望ましくは、半円形
であって、通常のコイルスプリング１８を収容する。

【００２６】本体１１の縦開口部１７の幅Ｌと、上記フ
ォークの分岐部１５、１６間の隔たりｌとの間には相違
があるため、肩部２１、２２が、当該フォークの基部に
形成される。これらの肩部２１、２２は、縦開口部１７
の端部間にスプリング１８を保持するためのスプリング
受け部を、上記フォークの基部に形成する。

【００２７】本体１１の前面部１２は、歯１３a を有す
るラック１３を含む。当該ラック１３の歯１３ａは、図
１に示される通り、ナット６の歯１４と噛合するように
構成される。本体１１は、長円形開口部２３を含む。当
該長円形開口部２３は、ラック１３の歯１３ａの列に沿
って配置され、本体１１の側面２４と同一平面にされる
（図５参照）。

【００２８】復帰装置１０がロックケーシング１内に取
り付けられると、長円形開口部２３は、ナット６の中心
７と同軸になる。更にその上、ラック１３の歯１３ａ
は、図６に示される通り、本体１１の第二側面２５に隣
接する。

【００２９】ラック１３の正中平面は、図４において一
点鎖線Ｄによって表示される。従って、当該正中平面
は、上記フォークの分岐部１５、１６に関しては、非対
称的に表示される。従って、上記正中平面Ｄと、本体１
１の第二側面２５との間の距離ｅは、上記正中平面Ｄ
と、上記第一側面２４との間の距離ｆよりも小である。
このことによって、後で説明される通り、ケーシング１
の背面に上記復帰装置を容易に取り付けられるようにな
る。

【００３０】本体１１の側面２４、２５は、ガイド手段
２６を含む。当該ガイド手段２６は、上記背面の相補的
ガイド手段２７と、ナット６を収容するケーシング１の
上記カバーとの双方と協同するように構成される。上記
復帰装置は、一体構造のものであって、鋳造工場におい
て鋳造される。

【００３１】スプリング１８は、当該スプリング１８
を、本体１１の一方の端部の裏面１９の開口部１７ａか
ら本体１１内に挿入することによって、当該本体１１内
に取り付けられる。スプリング１８の他端部は、当該ス
プリング１８を、軽く圧縮することによって、縦開口部
１７内に押し込められる。スプリング１８は弾性を有す
るので、当該スプリング１８が解放されると、スプリン
グ１８上記他端部は、当該スプリング１８が挿入された
上記端部において、肩部２１、２２と一列に整列され
る。

【００３２】上記縦開口部１７の長さは、裏面１９の切
り欠き部の長さよりも僅かに大であるので、肩部２１、
２２は、スプリング１８の各々の端部を覆う。ただ二つ
のコンポーネントのみを有する上記デザインは、ストレ
スが、パーツの間で蓄積されることを制限する。従っ
て、一段と強く、且つ、金属疲労に対しても一段と大き
な抵抗力を有するスプリング１８を使用することが可能
にされる。その結果、操作部材は、長期にわたって、自
己の元の休止位置に復帰することができる。即ち、操作
部材は、自己の正しい元の休止位置に復帰する。遊びが
累積することを制限することによって、操作部材が、正
しい休止位置に復帰することが保証される。

【００３３】復帰装置１０を受け入れるように構成され
た錠のケーシングを、特に図２、図３および図６を参照
しながら説明する。ケーシング１の裏面縁部２８は、二
つのフランジ部２９を内蔵する。当該フランジ部２９
は、ケーシング１の内部に向かって伸び、当該ケーシン
グ１の背面部材３０に対して実質的に平行に配置され、
且つ、復帰装置１０の本体の各々のフォークを形成する
分岐部１５、１６の間に導入されるように構成される。

【００３４】図９に示される通り、ケーシング１の背面
部材３０のフランジ部２９の間の距離ｐは、復帰装置１
０の本体１１のフオークの一方の分岐部１６の厚さｑ
と、ガイドピン２６の厚さｒとの、本体１１の側面２５
に対して直角の方向の合計厚さと等しいか、又は、当該
合計厚さよりも大きい。

【００３５】更にその上、本体１１のフオークの一方の
分岐部１５、１６間の隔たりｌは、フランジ部２９の厚
さｔと、本体１１の側面２５に対して垂直な方向のガイ
ドピン２６の厚さｒとの合計厚さに等しいか、又は、当
該合計厚さよりも大である。

【００３６】図２に示される通り、ケーシング１の裏面
縁部２８のフランジ部２９の間の距離ｕは、本体１１の
休止位置にあるスプリング１８の長さに等しいか、又
は、当該長さよりも小である。フランジ部２９は、裏面
縁部２８の材料をカットして、フランジ部２９を、上記
ケーシングの内部に向けて曲げることによって形成され
る。

【００３７】図９及び図１０は、ケーシング１に復帰装
置１０を取り付ける作業を示す。フランジ部２９と、ケ
ーシング１の背面部材３０との間の距離ｐは、上記フォ
ークの一方の分岐部１６とガイドピン２６とを充分に受
け入れる大きさであるので、図１０に示される通り、本
体１１の裏面１９が、ケーシング１の裏面縁部２８と接
触するまで、本体１１を、ケーシング１の背面３０上を
スライドさせることによって、挿入することができる。

【００３８】開口部２７がケーシングの背面３０に設け
られることによって、フランジ部２９に沿った本体１１
の運動の終わりに、本体１１のガイドピン２６は、当該
開口部２７と一列に整列される。上記フォークの分岐部
１５、１６間の隔たりｌが充分に大きい場合、ガイドピ
ン２６は、開口部２７内に収容される。その際、フラン
ジ部２９は、上記フォークの分岐部１５、１６の間で、
横方向に動く。

【００３９】次いで、ケーシング１のカバー３１が、当
該ケーシング１に固着される。当該カバー３１は、ケー
シング１の背面部材３０上のそれらと同じ開口部２７を
内蔵し、本体１１の他の側面２４上のガイドピン２６の
平行運動をガイドする。

【００４０】ガイドピン２６と協同する開口部２７は、
本体１１の縦軸方向Ｄに長さａを有する。当該長さａ
は、上記フォークの分岐部１５、１６の長さｂと、縦軸
方向Ｄの上記フランジ部２９の高さｃとの合計量と等し
いか、又は、当該合計量よりも短い。従って、復帰装置
１０は、ケーシング１内の本体１１の縦軸方向の運動の
終了時においても、上記フォークの分岐部１５、１６か
らフランジ部２９を外すことなく、自由に作動化され
る。

【００４１】図１に示される通り、復帰装置１０が不作
動化される時、ガイドピン２６は、実質的に開口部２７
の中央に位置する。復帰装置１０は、ナット６の回転方
向ＦまたはＧに従って、ケーシング１の上方または下方
に向かって動く。

【００４２】次いで、スプリング１８は、フランジ部２
９と、当該フランジ部２９と向かい合う肩部２１、２２
との間で、圧縮される。復帰装置１０がケーシング１に
取り付けられると、本体１１の側面２４と同一平面の長
円形開口部２３は、ケーシング１のカバー３１に整列す
る。上記ナット６は、開口部２３内で自由に回転するよ
うに構成される外縁円形フランジ部３２を有する。

【００４３】外縁円形フランジ部３２の直径は、ナット
６の本体の直径よりも大である。当該フランジ部３２
は、ナット６の一方の面上に鋳造される。このことによ
って、ナット６は、イスパニア錠の各種の部材を動かす
ために当該ナット６に加えられる外力に対し、大きな耐
久性を有することになる。ナット６は、望ましくは、単
純化されたデザインのものにされる。ナット６は、一体
化された構造を有する。当該構造は、円形フランジ部３
２と、歯１４を含む。歯１４は、円形フランジ部３２に
よって形成される平面と平行な平面内で、ナット６の外
縁リング部の上方に部分的に伸びる（図11参照）。

【００４４】外縁円形フランジ部３２と、歯１４を担持
する上記外縁リング部とは、ナット６の中心７に対し
て、同軸的に配置される。ナット６はまた、歯１４の外
縁リング部と同一の平面内に、扇形部材３６を有する。
当該扇形部材３６は、ナット６の中心７と、ケーシング
１の前面プレート３３との間の距離に実質的に等しい半
径を有する。

【００４５】扇形部材３６の展開角度は、一般的に、４
５乃至９０度の範囲内の角度である。扇形部材３６の単
一の開口部３４は、ピン３５と協同する。当該ピン３５
は、ブラケット４に取り付けられており、イスパニアロ
ッド４ａを作動させる。扇形部材３６の配置は、鎖錠位
置において、即ち、イスパニアロッド４ａがケーシング
１から突き出ており、作動部材３９とナット６とが休止
している状態で、ブラケット４のピン３５は、扇形部材
３６の開口部３４の一端部に突き当たる。

【００４６】ナット６の四角形ピン７の中心に対しても
同軸的な円弧に沿った開口部３４の長さは、解錠位置に
おいて、上記ブラケットのピン３５が、開口部３４の中
心に位置するような長さである。更にその上、ナット６
が、第一方向Ｆに回転すると、操作部材３９が、降下し
て、扇形部材３６の側壁３７が、フィンガー部を形成す
る切り欠き部３８を内蔵する。当該フィンガー部は、キ
ャッチボルト３のテール部のフィンガー部と協同して、
当該キャッチボルト３を、復帰スプリングに逆らって動
かすように構成される。

【００４７】前面壁部３７と、キャッチボルト３のフィ
ンガー部との間の距離は、扇形部材３６の開口部３４の
長さの半分に等しいか、又は、当該長さの半分よりも大
である。通常は、ブラケット４に取り付けられるイスパ
ニアロッド４ａ、及び／又は、ロックボルト２は、ブラ
ケット４を操作することなく、解錠可能である。

【００４８】更にその上、解錠位置において、ブラケッ
ト４のピン３５を、開口部３４の中心に位置させると、
キャッチボルト３が解放され、それによって、仮にそれ
が、例えば、上記キーパー（保持部際）の開口部によっ
て未だ保持されており、ドアが閉じられ、当該機構に何
らの障害も無い場合には、錠の前面プレート３３から、
それが突き出る。

【００４９】開閉パネルを再び鎖錠する上で必要な総て
のことは、ドアハンドルを持ち上げて、操作部材３９
を、反対方向Ｇに回すことだけである。そうすると、ブ
ラケット４が、イスパニアロッド４ａとロックボルト２
の双方を、それ自体既知の方法で鎖錠する。

【００５０】上記の錠のケーシングは、ナットと、当該
ナットを再回転させて操作部材と組合わさった休止位置
にたどり着くための装置との双方に関して、イスパニア
錠に必要とされるパーツの数を軽減させる。従って、当
該ケーシングの単価は、安価である。

【００５１】更にその上、製造過程における取り付けと
組立が単純化され、生産ラインの生産性が向上する。当
然のことながら、本発明は、上記実施例のみに限定され
ない。多くの変形例を、本発明の範囲から逸脱すること
なく作り出すことができる。本発明は、イスパニア錠と
の関連で説明されたが、本発明の復帰装置は、開閉パネ
ルに取り付けられる通常の錠のケーシングにも同様に取
り付けられる。

【００５２】

【発明の効果】本発明は上述した通りであって、本発明
によれば、製造及び取り付けが容易で確実に動作する錠
の操作部材用復帰装置並びに当該錠のケーシングが得ら
れる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 カバーをケーシングから外した本発明のイス
パニア錠の上記ケーシングの正面図である。

【図２】 図１と同様の図であり、上記ケーシングの背
面および裏面縁部を示す図である。

【図３】 図２の上記ケーシングの側面図である。

【図４】 本発明の上記復帰装置の正面図である。

【図５】 図４の上記復帰装置の右側面図である。

【図６】 図４の上記復帰装置の左側面図である。

【図７】 図４の上記復帰装置の背面図である。

【図８】 図３のVIII−VIII線に沿って取られた、上記
ケーシングの断面図である。

【図９】 本発明の錠の上記ケーシングに、上記復帰装
置を取り付ける方法を示す図である。

【図10】 本発明の錠の上記ケーシングに、上記復帰装
置を取り付ける方法を示す図である。

【図11】 ナットを操作部材に取り付けるための従来の
方法を示す図である。

【符号の説明】

１ ケーシング ２ キャッチボルト ３ ロックボルト ４ ブラケット部 ４ａ イスパニアロッド ５ キー穴 ６ ナット ７ 中心 ８ テール部 ９ スプリング 10 復帰装置 11 本体 12 前面部 13 協同手段 14 相補手段 15 分岐部 16 分岐部 17 縦開口部 18 スプリング 19 裏面部 20 ブリッチ部 21 肩部 22 肩部 23 長円形開口部 24 側面 25 第二側面 26 ガイド手段 27 開口部 28 裏面縁部 29 フランジ部 30 背面部材 32 円形フランジ部 34 開口部 35 ピン 36 扇形部材 37 前面壁部 39 操作部材

Claims (12)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ナット（６）と係合する操作部材用の復
   帰装置であって、該装置は本体（11）を含み、当該本体
   （11）は、前面（12）に協同手段（13）を有し、当該協
   同手段（13）は、該ナット（６）上の相補手段（14）と
   協同して、該ナット（６）の自己の軸線回りの回転を該
   本体（11）の縦方向の運動に変換し、該本体（11）の端
   部は、当該本体（11）の縦軸方向（Ｄ）に伸びるフォー
   クを形成する分岐部（15、16）の各々の対を含み、該本
   体（11）は、スプリング（18）を収容するように構成さ
   れた縦開口部（17）を有し、当該縦開口部（17）は、該
   本体（11）の両端で開口し、該縦開口部（17）の幅
   （Ｌ）は、該フォークの該分岐部（15、16）間の隔たり
   （ｌ）よりも大であり、該縦開口部（17）は、少なくと
   も一つの裏面開口部（17ａ）を有し、当該裏面開口部
   （17ａ）は、該本体（11）の裏面に開口し、該スプリン
   グ（18）が該裏面開口部（17ａ）を通過することができ
   るように該裏面開口部（17ａ）が構成される、錠の操作
   部材用の復帰装置。
2. 【請求項２】 該縦開口部（17）は、該本体（11）の裏
   面（19）に開口する切り欠き部（17）であって、且つ、
   該本体（11）の縦軸方向（Ｄ）と実質的に交差する方向
   に伸びる少なくとも一つのブリッチ部（20）と交差し、
   該縦開口部（17）の端に肩部（21、22）が形成され、当
   該肩部（21、22）は、スプリング受け部を、該フォーク
   の該分岐部（15、16）の基部に形成して、該縦開口部
   （17）内に該スプリング（18）を保持するように構成さ
   れる、請求項１に記載の錠の操作部材用の復帰装置。
3. 【請求項３】 該前面（12）は、該本体（11）の側面
   （25）に隣接するラック（13）を含み、当該ラック（1
   3）は、歯（13ａ）を有し、且つ、該ナット（６）上の
   歯（14）と噛合するように構成される、請求項１又は２
   に記載の錠の操作部材用の復帰装置。
4. 【請求項４】 該本体（11）は、長円形開口部（23）を
   含み、当該長円形開口部（23）は、該ラック（13）の歯
   （13ａ）の列に沿って配置され、該本体（11）の側面
   （24）と同一平面にされ、且つ、該ナット（６）の回転
   中心（７）上にその中心を配置する、請求項３に記載の
   錠の操作部材用の復帰装置。
5. 【請求項５】 該本体（11）の側面（24、25）は、ガイ
   ド手段（26）を含み、当該ガイド手段（26）は、背面部
   材（30）上の相補的ガイド手段（27）と、ケーシング
   （１）のカバー（31）との双方と協同するように構成さ
   れ、該ケーシング（１）は、該ナット（６）を収容す
   る、請求項１に記載の錠の操作部材用の復帰装置。
6. 【請求項６】 該ケーシング（１）の裏面縁部（28）
   は、二つのフランジ部（29）を有し、当該フランジ部
   （29）は、該ケーシング（１）の内部に向かって伸び、
   該ケーシング（１）の該背面部材（30）に対して実質的
   に平行に配置され、且つ、該復帰装置（10）の該本体
   （11）の各々のフォークを形成する該分岐部（15、16）
   の間に導入されるように構成され、該ケーシング（１）
   の裏面縁部（28）の該フランジ部（29）の間の距離
   （ｕ）は、該本体（11）に収容された非圧縮状態の該ス
   プリング（18）の長さに等しいか、又は当該長さよりも
   短い、請求項１、２、３、４、５、６、又は７に記載
   の、錠、又は、イスパニア錠、又は、これらの錠と同等
   の物のためのケーシング。
7. 【請求項７】 該復帰装置（10）の該本体（11）の該側
   面（24、25）は、少なくとも一つのガイドピン（26）を
   含み、当該ガイドピン（26）は、背面部材（30）に形成
   された開口部（27）と、該ケーシング（１）の該カバー
   （31）との双方と協同するように構成され、該ケーシン
   グ（１）の該背面部材（30）の該フランジ部（29）の間
   の距離（ｐ）は、該復帰装置（10）の該本体（11）の該
   フォークの一方の分岐部（16）の厚さ（ｑ）と、該ガイ
   ドピン（26）の厚さ（ｒ）との、該本体（11）の該側面
   （25）に対して直角の方向の合計厚さと等しいか、又
   は、当該合計厚さよりも大きい、請求項６に記載のケー
   シング。
8. 【請求項８】 該本体（11）の該フォークの二つの該分
   岐部（15、16）の間の該隔たり（ｌ）は、該フランジ部
   （29）の厚み（ｔ）と、該ガイドピン（26）の厚さ
   （ｒ）との、該本体（11）の該側面（25）に対して直角
   の方向の合計厚さと等しいか、又は、当該合計厚さより
   も大きい、請求項７に記載のケーシング。
9. 【請求項９】 該ガイドピン（26）と協同する該開口部
   （27）の該縦軸方向（Ｄ）の長さは、長さ（ａ）であ
   り、該縦軸方向（Ｄ）に該本体（11）が動ける距離は、
   該フォークの該分岐部（15、16）の長さ（ｂ）と、該縦
   軸方向（Ｄ）の該フランジ部（29）の高さ（ｃ）との合
   計と等しいか、又は、当該合計よりも短い、請求項７、
   又は８に記載のケーシング。
10. 【請求項10】 該復帰装置（10）が操作されていない
    時、該ガイドピン（26）は、実質的に該開口部（27）の
    中間に位置する、請求項７、８又は９に記載のケーシン
    グ。
11. 【請求項11】 該復帰装置（10）の該本体（11）は、長
    円形開口部（23）を有し、当該長円形開口部（23）は、
    該本体（11）の側面（24）と同一の平面内にあり、該ケ
    ーシング（１）の該カバー（31）と対面するように構成
    され、該ナット（６）は、円形外縁フランジ部（32）を
    有し、当該円形外縁フランジ部（32）は、該長円形開口
    部（23）内に収容されて、当該開口部（23）内で自由回
    転可能にされる、請求項６、７、８、９又は１０に記載
    のケーシング。
12. 【請求項12】 該ケーシング（１）は、ナット（６）を
    含み、該ナット（６）は、キャッチボルト（２）を平行
    移動させると共に、ブラケット（４）を平行移動させる
    ように構成され、該ブラケット（４）は、少なくとも一
    つのイスパニアロッド（４ａ）と協同し、該イスパニア
    ロッド（４ａ）は、該ケーシング（１）から突出し、該
    ブラケット（４）は、ロックボルト（３）と協同可能で
    あり、該ナット（６）は、開口部（34）を内蔵する扇形
    部材（36）を有し、当該扇形部材（36）は、側壁（37）
    を有すると共に、ピン（35）と協同し、当該ピン（35）
    は、該ブラケット（４）に取り付けられており、該キャ
    ッチボルト（２）のテール部（８）のフィンガー部と協
    同する該ナット（６）が、第一回転方向（Ｆ）に回転す
    ると、該キャッチボルト（２）が、復帰スプリング
    （９）の作用に逆らって動かされ、該側壁（37）と、該
    テール部（８）フィンガー部との間の距離は、該開口部
    （34）の長さの半分と等しいか、又は、当該長さの半分
    よりも大である、請求項８、９、１０又は１１に記載の
    ケーシング。