JPH11310879A - 薄膜製造方法及び薄膜製造装置 - Google Patents

薄膜製造方法及び薄膜製造装置

Info

Publication number
JPH11310879A
JPH11310879A JP10116790A JP11679098A JPH11310879A JP H11310879 A JPH11310879 A JP H11310879A JP 10116790 A JP10116790 A JP 10116790A JP 11679098 A JP11679098 A JP 11679098A JP H11310879 A JPH11310879 A JP H11310879A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
substrate
wire electrode
plasma space
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10116790A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiro Kinoshita
敏宏 木下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP10116790A priority Critical patent/JPH11310879A/ja
Publication of JPH11310879A publication Critical patent/JPH11310879A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大面積薄膜の製造が可能なプラズマCVD法
を用いた薄膜製造方法及びその製造装置を提供する。 【解決手段】 支持フレーム4により両端が支持された
ワイヤー電極3に高周波電源より高周波電力を供給し、
ワイヤー電極3と基板1の間で局所的にプラズマ空間9
を発生させる。発生したプラズマ空間9内に供給された
反応ガスが分解し、生成した分解生成物を基板1上に堆
積させて薄膜2を形成させる。支持フレーム4を反復移
動させることによりワイヤー電極3を反復移動させて、
発生したプラズマ空間9を反復移動させる。プラズマ空
間9が反復移動することにより、広範囲にわたって分解
生成物を基板1上に堆積させ、大面積薄膜を形成させる
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばアモルファ
スシリコン薄膜の製造方法及び製造装置に関し、詳しく
はプラズマ空間内で反応ガスを分解し基板上に薄膜を形
成する薄膜製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】非晶質シリコン薄膜に代表される非晶質
半導体薄膜は、低コストの太陽電池材料として、あるい
はTFT用の材料として研究開発が盛んに行われてい
る。
【0003】この非晶質半導体薄膜の製造には、プラズ
マCVD法が広く用いられている。このプラズマCVD
法による薄膜製造装置において従来から一般的に知られ
ているものでは、反応容器内に設けられた平行平板電極
の一方の電極に高周波電力または直流電力が供給され、
そして接地された他方の電極との間でプラズマ空間が発
生するように構成されていた。そしてこのプラズマ空間
内で反応ガス(原料ガス)が分解されてその分解生成物
が基板上に堆積して薄膜が形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この従来の薄膜製造装
置においては、平行平板電極と基板との間に発生したプ
ラズマ空間内で反応ガスが分解されてその分解生成物が
基板上に堆積するばかりでなく、分解生成物の一部が反
応容器内壁などにも付着し、フレークと呼ばれる黄褐色
の粉体が形成される。そしてこのフレークが基板上にお
ける膜形成中にその膜中に取り込まれると、膜特性が低
下される不都合が生じる。
【0005】このような不都合が生じる原因となる前述
したフレークの発生のメカニズムは、まず、プラズマ空
間内で例えばSiH4 ガス等の反応ガスが分解されて、
その分解生成物としてSiH、SiH2 、SiH3 等の
ラジカルやこれらのイオン種などが生成される。次にこ
れらの分解生成物がプラズマ空間内から基板へ移動し、
その基板上に薄膜が堆積するわけであるが、分解生成物
の移動方向は基板方向へ特定されているものではなく、
分解生成物の中には反応容器の内壁へ移動するものもあ
る。特に、電極が基板に対し平行の平板で構成されてい
るために、その電極と基板との間に発生したプラズマ空
間の端の方は基板の端部付近に位置することとなり、そ
のプラズマ空間の端の方で生成された分解生成物は一部
基板の端部に堆積するものの、基板の端部から外れて反
応容器の内壁等へ移動するものが多くなる。そして、反
応容器は通常加熱されていないために、容器内壁に移動
した分解生成物はフレークと呼ばれる粉状の物質を発生
することとなる。
【0006】加えて、スループットの向上のため、基板
上に堆積される薄膜の成膜速度を増大せんとして一方の
電極に供給する電力を増加させると、プラズマ空間内で
分解生成物が過剰に生成され、そしてこれらの分解生成
物同士が重合することによりプラズマ空間内でもフレー
クが発生することとなる。
【0007】また、従来の薄膜製造装置において、製造
コストの低減のために平行平板電極の大面積化を図った
場合には、大面積の平行平板電極に均一に電力を供給す
ることが困難となる。また、平行平板電極を大面積にす
ればその電極と基板との間に発生するプラズマ空間も広
範囲なものとなり、電極と基板間に供給される反応ガス
の濃度を均一に保つことが困難となる。
【0008】本発明はかかる実状に鑑み考え出されたも
のであり、その目的は、前述したフレークの発生を押さ
えることができ、且つ、電力供給の均一性、反応ガス供
給濃度の均一性等の大面積化に伴う種々の都合を解決す
ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の薄膜製
造方法は、反応容器内で電極に高周波電力または直流電
力を供給することによりプラズマ空間を発生させ、該プ
ラズマ空間内で反応ガスを分解して基板上に薄膜を形成
させて製造する方法である。
【0010】請求項1に記載の本発明は、電力が供給さ
れる電極としてワイヤー電極が用いられることを特徴と
している。
【0011】これにより、基板と電極との間に発生する
プラズマ空間をワイヤー電極に沿った局所的なものにす
ることができる。
【0012】請求項2に記載の本発明は、前記プラズマ
空間と前記基板とを、該基板の表面に沿った方向に相対
移動させながら薄膜を形成することを特徴としている。
【0013】これにより、ワイヤー電極を用いながらも
広がりのある平面状の薄膜を形成することができ、プラ
ズマ空間と基板の相対移動の範囲にわたって分解生成物
を基板上に堆積させることができる。
【0014】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明の構成に加えて、前記プラズマ空間と前記基板と
を相対的に反復移動させながら基板上に薄膜を形成する
ことを特徴としている。
【0015】これにより、複数回に分けて無理なく分解
生成物を基板上に堆積させることができる。
【0016】請求項4に記載の発明は、請求項2または
3に記載の発明の構成に加えて、前記ワイヤー電極と前
記基板とのどちらか一方あるいは両方を移動させながら
前記基板上に薄膜を形成することを特徴としている。
【0017】これにより、プラズマ空間を簡単な方法で
基板表面に沿って移動させることができる。
【0018】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の発明の構成に加えて、前記ワイヤー電極の前記基板に
対する相対的な移動速度が102 〜105 m/sである
ことを特徴としている。
【0019】これにより、相対的な移動速度が102
/s未満である場合に生ずる不都合である、プラズマ空
間内における分解生成物の重合によるフレークの発生を
極力防止できる。また、移動速度が105 m/sを超え
る場合に生ずる不都合である薄膜の形成速度(成膜速
度)の低下を極力防止することができる。
【0020】請求項6に記載の発明は、請求項4または
5に記載の発明の構成に加えて、前記ワイヤー電極を前
記基板表面上の0.01〜1mmの範囲で移動させるこ
とを特徴としている。
【0021】これにより、分解生成物を基板へ容易に堆
積させることができる。請求項7に記載の発明は、反応
容器内においてプラズマ空間内で反応ガスを分解し基板
上に薄膜を形成する薄膜製造装置が、前記基板表面の近
傍に前記プラズマ空間発生用の電力が供給されるワイヤ
ー電極を備え、且つ該ワイヤー電極が前記基板の表面に
対して相対的に移動する、薄膜製造装置であることを特
徴している。
【0022】これにより、基板とワイヤー電極との間に
発生するプラズマ空間をワイヤー電極に沿った局所的な
ものにすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、本発明による実施の形態を
図面に基づいて説明する。
【0024】図1に本発明における薄膜製造方法を説明
するための概略図を示した。図1を参照して、ワイヤー
電極3の両端を支持する電極支持フレーム4によりワイ
ヤー電極3が基板1の上方近傍に設置されている。高周
波電源5により高周波電力が供給されてワイヤー電極3
の周囲にプラズマ空間が発生すると、プラズマ空間内で
反応ガスが分解して生成された分解生成物が基板1上に
堆積して薄膜2が形成されることにより、薄膜2が製造
される。
【0025】本発明における薄膜製造装置の構成の1例
を図2に示した。図2を参照して、反応容器10内にワ
イヤー電極3の両端を支持する電極支持フレーム4によ
りワイヤー電極3が基板1の上方近傍に設置されてい
る。電極支持フレーム4は後述するように水平方向に移
動可能に設けられており、この電極支持フレーム4によ
って両端が支持されたワイヤー電極3も同時に水平方向
に移動させることができる。ワイヤー電極3の下方に
は、ステージ8に取り付けられた基板1が配置されてい
る。ワイヤー電極3には、整合器6と、共振器7とを介
して高周波電源5が接続されている。また、反応容器1
0に反応ガス及び雰囲気ガスを供給するガス供給系11
と、反応容器10内のガスを排気するガス排気系12と
が設けられ、反応容器10にそれぞれの配管が接続され
ている。
【0026】反応容器10内にガス供給系11より反応
ガスが供給され、所定のガス圧に設定される。この状態
で高周波電源5より高周波電力がワイヤー電極3に供給
されると、ワイヤー電極3と基板1の間にプラズマ空間
9が発生する。このワイヤー電極3が電極支持フレーム
4を介して水平方向に反復移動することによりプラズマ
空間9が反復移動する。供給された反応ガスはこのプラ
ズマ空間9内で分解し、生成した分解生成物が基板1上
に堆積して薄膜2が形成される。ワイヤー電極3を移動
させながら薄膜を形成させることにより、凹凸のない良
質な薄膜を製造することができる。
【0027】図3に本発明の実施の形態における薄膜製
造装置の反応容器内部の断面図を示した。図3を参照し
て、モーター(図示せず)より駆動力を得て水平方向に
移動可能に支持された支持フレーム4と、支持フレーム
4に両端を支持されて支持フレーム4とともに水平方向
に移動するワイヤー電極3が反応容器10内に設けられ
ている。基板1を加温可能な熱源(図示せず)を含むス
テージ8に据え付けられており、ステージ8はモーター
(図示せず)より駆動力を得て水平方向に移動可能なよ
うにテーブル13に設置され、基板1を水平方向に移動
可能にしている。高周波電源5から共振器7を介して電
力が供給されたワイヤー電極周囲にプラズマ空間9が発
生し、ワイヤー電極3と基板1とが水平移動することで
基板1上をプラズマ空間9が移動するしくみとなってい
る。
【0028】以下に本発明の内容を実験に基づいてより
具体的に説明する。
【0029】
【実施例】(実験1)実験1では、ワイヤー電極の移動
速度と薄膜の品質の関係を調べた。実験方法としては、
図3に反応容器が示される薄膜製造装置を用いて下記の
条件で薄膜の製造を行い、薄膜の特性を悪化させるフレ
ークの薄膜に含まれる数量を測定した。
【0030】基板を静止状態に保持しながらワイヤー電
極を種々の移動速度で反復移動させて薄膜を製造した。
製造条件を以下に示す。ワイヤー電極として外径0.1
mm、全長10cmのワイヤーが電極支持フレームに支
持されて設置され、基板として5cm×5cmのガラス
板がステージに据え付けられた反応容器内を10-6To
rr程度まで減圧した後、雰囲気圧力が1atmになる
までHeガスにより0.1%に希釈されたSiH4 ガス
が導入された。この後、ガラス板を300℃に加熱保持
し、300W、150MHzの高周波電力を供給したワ
イヤー電極をガラス板上0.1mmに近接させて薄膜の
製造を開始し、30分間ワイヤー電極を反復移動させて
アモルファスシリコン薄膜の製造を行った。
【0031】尚、移動速度0m/s時については、ワイ
ヤー電極を静止状態に保持して薄膜製造時間が5分間で
ある以外は上記と同一の条件で薄膜の製造を行ったとこ
ろ、形成される薄膜は表面に凹凸を有する膜厚約0.5
μmの薄膜であり、評価対象となるような薄膜は形成さ
れなかった。
【0032】この結果を図4に示す。図4にはワイヤー
電極の移動速度が異なるアモルファスシリコン薄膜の単
位面積当たりのフレーク密度(個/cm3 )を示した。
【0033】図4において移動速度が102 m/s未満
でフレーク密度が増加していることがわかる。移動速度
が102 m/s未満では、分解生成物であるSiH3
ジカル等がプラズマ空間内で重合してフレークが発生
し、このフレークが薄膜中に取り込まれたことが原因と
して考えられる。このことから、フレーク密度の低い高
品質な薄膜を製造するためには、ワイヤー電極の移動速
度が102 m/s以上必要であることがわかる。
【0034】(実験2)実験2では、ワイヤーの移動速
度と、薄膜との成膜速度の関係を調べた。実験方法とし
ては、前述の薄膜製造条件にて薄膜を製造して、成膜速
度(nm/min)を測定した。
【0035】この結果を図5に示す。図5にはワイヤー
電極の移動速度が異なるアモルファスシリコン薄膜の成
膜速度(nm/min)を示した。図5においてワイヤ
ー電極の移動速度が105 m/sを超えると成膜速度は
著しく低下することがわかる。これはSiH3 ラジカル
等の分解生成物が基板表面に到達する前にプラズマ空間
が移動してしまうことが考えられる。このことから、薄
膜を効率よく製造するためのワイヤー電極の移動速度は
105 m/s以下であることがわかる。
【0036】次に、以上説明した実施の形態の変形例や
特徴点を以下に説明する。反応容器内には反応ガス以外
に雰囲気ガスを含有させてもよい。このような雰囲気ガ
スとしては不活性ガスである、He、Ne、Ar、K
r、及びXe等が挙げられる。
【0037】反応容器内には、更に水素ガスを含有させ
てもよい。水素ガスの分圧としては、1Torr以上が
好ましく、より好ましくは1〜50Torrである。反
応容器内に水素ガスを添加することにより、反応ガスの
分解により生じる微粒子の生成を減少させることができ
る。水素ガスの添加により微粒子の生成が減少する詳細
な理由については明らかでないが、以下のように推測さ
れる。
【0038】第1には、添加した水素ガスがプラズマ中
で分解することにより、原子状水素が生成し、この原子
状水素がシランガス(SiH4 )等の反応ガスからの分
解生成物、例えばSiHn (n=1〜3)と反応するこ
とにより、分解生成物同士の重合が妨げられるものと考
えられる。
【0039】第2には、水素ガスを添加することによ
り、投入電力の一部が水素の分解等に消費されるため、
シランガス等の反応ガスの分解に利用される電力は実質
的に減少し、その結果シランガス等の反応ガスの分解量
が減少するものと考えられる。以上の理由により、反応
ガスの分解により生じる分解生成物の生成が減少し、こ
のため分解生成物同士の重合により生じる微粒子の生成
が減少するものと推測される。
【0040】ワイヤー電極と基板との間の距離は、反応
ガスの平均自由行程程度がよい。従って、シランガス等
を反応ガスとして用いる場合は0.01〜0.3mmが
好ましく、更に好ましくは0.05〜0.3mmであ
る。
【0041】本発明において、ワイヤー電極に高周波電
力を供給する場合、パルス上に供給することが好まし
い。高周波電力をパルス上に供給することにより、安定
したプラズマを広範囲に維持することができる。更に
は、反応ガスの分解による微粒子の発生を抑制し、薄膜
の品質を向上させることができる。パルス状に供給する
高周波電力のデューティ比としては、1/100以上が
好ましい。また、パルス状に変調する変調周波数として
は、100kHz以上が好ましい。
【0042】また、本発明においてワイヤー電極に高周
波電力を供給する場合の高周波電力の周波数としては、
13.56MHz以上が好ましく、更に好ましくは15
0MHz以上である。
【0043】また、本発明において高周波電力の投入電
力密度としては10W/cm2 以上が好ましく、より好
ましくは10〜100W/cm2 であり、更に好ましく
は30〜100W/cm2 である。
【0044】本発明において薄膜形成の際の基板温度と
しては、室温〜500℃が好ましく、より好ましくは室
温〜300℃である。
【0045】本発明の薄膜製造装置においては、ワイヤ
ー電極の表面全体が絶縁膜により被覆されていることが
好ましい。ワイヤー電極の表面全体を絶縁膜で被覆する
ことにより、基板が金属等の導電性材料であっても安定
してプラズマ空間を広範囲に発生し維持することができ
る。絶縁膜の材質としては、絶縁性のセラミックスまた
はダイヤモンド及びダイヤモンド状炭素被膜などの硬質
炭素被膜が好ましい。絶縁性のセラミックスとしては、
Al2 3 、SiO2 、ZrO2 、ZrO2 、Y
2 3 、CaO、MgO、BaO等の酸化物、Ca
2 、MgF2 等の弗化物、CaTiO3 、BaTiO
3 等のチタン酸塩やその他の化合物、並びにSiの炭化
物及び窒化物等が好ましい。
【0046】絶縁膜の厚みとしては、1μm〜1mmが
好ましい。絶縁膜の厚みが薄すぎると絶縁膜の破壊が生
じ絶縁膜による被覆の効果が得られない場合があり、絶
縁膜の厚みが厚すぎると安定したプラズマを発生するこ
とができない場合がある。また、ワイヤー電極の外径が
1mm以下の場合、ワイヤー電極自身が前記絶縁物より
構成されていてもよい。
【0047】尚、本発明の薄膜製造装置は、更に反応容
器10内のガスを循環させ、ガス内の微粒子を回収して
ガスから除去する設備を備えていることが好ましい。図
6に本発明の実施例における薄膜製造装置のガス循環系
を説明するための構成図を示した。図6を参照して、ガ
ス循環系30が反応容器に接続されている。このような
ガス循環系を備えることにより、反応容器10内のガス
中の微粒子を減少させることができ、より良好な品質の
薄膜を製造することが可能となる。
【0048】ガス循環系30に送られる反応容器10内
のガスは、反応容器10内に設けたガス排出口35aか
らガス循環系30に送ることができる。このようなガス
排出口35aは、ワイヤー電極と基板の間に存在する微
粒子を除くため、ワイヤー電極と基板の間に吸引口を位
置させるよう設けられることが好ましい。また、このよ
うなガス排出口35aの材質としては、高周波誘電損失
の少ない材質が好ましく、例えばテフロン、アルミナ等
を用いることが好ましい。
【0049】本発明に従い製造可能な薄膜としては、例
えば、Si、C(ダイヤモンドを含む)、SiC、Si
2 、Si3 4 、Al2 3 、AlN等を挙げること
ができる。
【0050】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって、制限的なものではないと考えるべきであ
る。本発明の範囲は、上記した説明ではなく特許請求の
範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び
範囲内ですべての変更が含まれることが意図される。
【0051】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、基板と
ワイヤー電極の間に発生するプラズマ空間がワイヤー電
極に沿った局所的なものになるために、プラズマ空間内
で生成される分解生成物の絶対量を従来のものより少な
くすることができ、基板端部から外れて反応容器内壁に
移動する分解生成物が減少して分解生成物の大部分が基
板上に堆積することとなる。その結果、分解生成物の利
用効率が高まるとともに、フレークの発生を極力防止す
ることができる。
【0052】また、プラズマ空間がワイヤー電極に沿っ
た局所的なものであり、従来の平行平板電極方式に比べ
てプラズマ空間の大きさが極めて小さいため、電極に供
給する電力を増加させたとしてもプラズマ空間内で分解
生成物同士の重合により生じるフレークの絶対量を少な
くすることができる。
【0053】しかも、電極が平板状のものではなくワイ
ヤー状のものであるために、電力供給の均一性を保ちや
すく、しかも、プラズマ空間が局所的であるため、その
局所的なプラズマ空間内において、反応ガスの供給濃度
の均一性を保つことが容易となる。
【0054】請求項2に記載の発明によれば、プラズマ
空間と基板との相対移動の範囲にわたって分解生成物を
基板上に堆積させることができ、その相対移動の範囲を
広い範囲にすることにより大面積基板への大面積薄膜の
形成が可能となる。
【0055】請求項3に記載の発明によれば、請求項2
に記載の発明の効果に加えて、複数回に分けて無理なく
分解生成物を基板上に堆積させることにより、凹凸の少
ない薄膜を形成させることができる。
【0056】請求項4に記載の発明によれば、請求項2
または3に記載の発明の効果に加えて、プラズマ空間を
簡単な方法で基板表面に沿って移動させることができ、
簡単内同機構でプラズマ空間の移動を実現できる。
【0057】請求項5に記載の発明によれば、請求項4
に記載の発明の効果に加えて、フレークの発生を抑制し
ながら薄膜を短時間で製造することが可能となる。
【0058】請求項6に記載の発明によれば、請求項4
または5に記載の発明の効果に加えて、分解生成物を基
板へ容易に堆積させることができる。
【0059】請求項7に記載の発明によれば、反応容器
内においてプラズマ空間内で反応ガスを分解し基板上に
薄膜を形成する薄膜製造装置が、前記基板表面の近傍に
前記プラズマ空間発生用の電力が供給されるワイヤー電
極を備え、且つ該ワイヤー電極が前記基板の表面に対し
て相対的に移動する、薄膜製造装置であるため、基板と
ワイヤー電極との間に発生するプラズマ空間をワイヤー
電極に沿った局所的なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における薄膜製造方法を説明す
るための概略図である。
【図2】本発明の実施例における薄膜製造装置の1例の
構成図である。
【図3】本発明の実施例における薄膜製造装置の反応容
器の断面図である。
【図4】ワイヤー移動速度が異なる薄膜のフレーク密度
を示すグラフである。
【図5】ワイヤー移動速度が異なる薄膜の成膜速度を示
すグラフである。
【図6】本発明の実施例における薄膜製造装置のガス循
環系を説明するための構成図である。
【符号の説明】
1 基板 2 薄膜 3 ワイヤー電極 4 電極支持フレーム 5 電源の一例である高周波電源 8 ステージ 9 プラズマ空間 10 反応容器 13 テーブル 30 ガス循環系 31 粉末除去フィルタ 32 ドライポンプ 33 反応物質除外装置 34 水吸着筒 35a ガス排出口 35b ガス供給口 36 反応ガス容器

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応容器内で電極に高周波電力または直
    流電力を供給することによりプラズマ空間を発生させ、
    該プラズマ空間内で反応ガスを分解して基板上に薄膜を
    形成する薄膜製造方法において、 前記電極としてワイヤー電極を用いる、薄膜製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ワイヤー電極と前記基板との間に発
    生させる前記プラズマ空間と、前記基板とを、該基板の
    表面に沿った方向に相対移動させながら該基板上に薄膜
    を形成する、請求項1記載の薄膜製造方法。
  3. 【請求項3】 前記プラズマ空間と前記基板とを相対的
    に反復移動させながら基板上に薄膜を形成する、請求項
    2に記載の薄膜製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ワイヤー電極と前記基板とのどちら
    か一方あるいは両方を移動させながら前記基板上に薄膜
    を形成する、請求項2または3に記載の薄膜製造方法。
  5. 【請求項5】 前記ワイヤー電極の前記基板に対する相
    対的な移動速度が102 〜105 m/sである、請求項
    4に記載の薄膜製造方法。
  6. 【請求項6】 前記ワイヤー電極を前記基板表面上の
    0.01〜1mmの範囲で移動させる、請求項4または
    5に記載の薄膜製造方法。
  7. 【請求項7】 反応容器内においてプラズマ空間内で反
    応ガスを分解し、基板上に薄膜を形成する薄膜製造装置
    であって、 前記基板表面の近傍に前記プラズマ空間発生用の電力が
    供給されるワイヤー電極を備え、且つ該ワイヤー電極が
    前記基板の表面に対して相対的に移動する、薄膜製造装
    置。
JP10116790A 1998-04-27 1998-04-27 薄膜製造方法及び薄膜製造装置 Pending JPH11310879A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10116790A JPH11310879A (ja) 1998-04-27 1998-04-27 薄膜製造方法及び薄膜製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10116790A JPH11310879A (ja) 1998-04-27 1998-04-27 薄膜製造方法及び薄膜製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11310879A true JPH11310879A (ja) 1999-11-09

Family

ID=14695767

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10116790A Pending JPH11310879A (ja) 1998-04-27 1998-04-27 薄膜製造方法及び薄膜製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11310879A (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08218176A (ja) * 1995-02-09 1996-08-27 Mitsubishi Heavy Ind Ltd プラズマcvd装置
JPH09104985A (ja) * 1995-08-08 1997-04-22 Sanyo Electric Co Ltd 回転電極を用いた高速成膜方法及びその装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08218176A (ja) * 1995-02-09 1996-08-27 Mitsubishi Heavy Ind Ltd プラズマcvd装置
JPH09104985A (ja) * 1995-08-08 1997-04-22 Sanyo Electric Co Ltd 回転電極を用いた高速成膜方法及びその装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2737720B2 (ja) 薄膜形成方法及び装置
Kakiuchi et al. Atmospheric-pressure low-temperature plasma processes for thin film deposition
JP3801730B2 (ja) プラズマcvd装置及びそれを用いた薄膜形成方法
JPH09148322A (ja) シリコン酸化膜の成膜方法及びプラズマcvd成膜装置
WO2006033268A1 (ja) 透明導電膜
JPH05275345A (ja) プラズマcvd方法およびその装置
WO2006043433A1 (ja) プラズマcvd装置
JP2000260721A (ja) 化学的気相成長装置、化学的気相成長方法および化学的気相成長装置のクリーニング方法
JP3293912B2 (ja) 酸化物薄膜の形成方法
JP3529466B2 (ja) 薄膜形成方法
JP2000054145A (ja) 表面処理装置
JPH11310879A (ja) 薄膜製造方法及び薄膜製造装置
JP2002064064A (ja) プラズマ処理装置
JP4809973B2 (ja) 半導体素子の製造方法及びその装置
JP2000096239A (ja) 誘導結合型プラズマcvd方法及びそのための誘導結合型プラズマcvd装置
JPH09275092A (ja) プラズマ処理装置
JP4908918B2 (ja) 撥水性薄膜及び撥水性薄膜の製造方法
JP2001210594A (ja) 薄膜堆積装置および薄膜堆積方法
JP3581813B2 (ja) 薄膜製造方法並びに薄膜太陽電池の製造方法
JP2956640B2 (ja) プラズマ処理装置
JPH07330488A (ja) プラズマcvd装置
JP2001185494A (ja) マグネトロンプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
JP2002353209A (ja) 半導体装置用の低誘電率絶縁膜を形成する方法
JP3802990B2 (ja) プラズマcvd装置
JPH1050614A (ja) プラズマcvd装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050726

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050802

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20051129