JPH11310738A - 導電性インキ組成物およびそれを用いた面状発熱体 - Google Patents

導電性インキ組成物およびそれを用いた面状発熱体

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JPH11310738A
JPH11310738A JP12152098A JP12152098A JPH11310738A JP H11310738 A JPH11310738 A JP H11310738A JP 12152098 A JP12152098 A JP 12152098A JP 12152098 A JP12152098 A JP 12152098A JP H11310738 A JPH11310738 A JP H11310738A
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conductive ink
low
weight polyethylene
heating element
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JP12152098A
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Takayuki Imai
隆之 今井
Toshifumi Nakajima
敏文 中島
Nobutada Momotake
信忠 百武
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Fujikura Kasei Co Ltd
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Kasei Co Ltd
Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 20〜80℃程度の温度における体積抵抗率
が低く、良好なPTC特性を有し、柔軟性、機械的強度
に優れた塗膜を形成することができ、かつ、容易に製造
でき、塗布あるいは印刷に適した性状を有する導電性イ
ンキ組成物を提供すること、また、この導電性インキ組
成物を用いた面状発熱体を提供すること。 【解決手段】 溶媒と、低分子量ポリエチレン粒子と、
エチレン系共重合体と、導電性物質を含み、前記低分子
量ポリエチレン粒子が、平均粒子径0.5〜500μ
m、分子量500〜5000、融点90〜135℃のも
のであり、前記エチレン系共重合体が、エチレン含有率
15〜75wt%、環球法軟化点90〜200℃のもの
であり、前記低分子量ポリエチレン粒子と前記エチレン
系共重合体との重量比を、60:40〜90:10とし
た導電性インキ組成物とする。また、この導電性インキ
組成物を用いて面状発熱体を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性インキ組成
物およびそれを用いた面状発熱体に関し、 とくに、床
暖房や鏡の結露防止などに使用され、体積抵抗率が低
く、良好なPTC特性を有し、柔軟性および機械的強度
に優れた塗膜を形成することができ、なおかつ、容易に
製造でき、塗布あるいは印刷に適した性状を有する導電
性インキ組成物、およびそれを用いた面状発熱体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】面状発熱体は、基板上に、導電性インキ
組成物を印刷あるいは塗布し、任意の厚さおよび形状の
塗膜を形成することによって得られるものであり、従来
から、特殊な形状や小型の発熱体として使用されている
ものである。この面状発熱体に使用される導電性インキ
組成物として、結晶性高分子や非結晶性高分子などのベ
ースポリマーと、カーボンブラック、金属粉末、グラフ
ァイトなどの導電性物質を溶媒に分散させてなるものな
どが用いられている。
【0003】ベースポリマーにポリエチレンなどの結晶
性高分子を用いた導電性インキ組成物は、温度上昇によ
って、急峻なPTC特性を示す塗膜を形成することがで
きる優れたものである。このPTC特性は、温度変化に
よる結晶性高分子の体積膨張により導電性物質の連鎖が
切断され、それに伴って抵抗が上昇することによって発
現するものである。このため、急峻なPTC特性を示す
結晶性高分子を用いた導電性インキ組成物は、これを塗
布あるいは印刷して得られる面状発熱体において、例え
ば、周辺温度が上昇した場合など、急激な温度上昇によ
る熱暴走を防ぐことができ、焼損を起こりにくくするこ
とができるという利点を有している。
【0004】しかしながら、この結晶性高分子を用いた
導電性インキ組成物は、ベースポリマーが溶媒に溶解し
ないことから塗布あるいは印刷に適した性状が得られな
いため、これを用いた面状発熱体の生産性が低下する、
また、低温貯蔵時にゲル化しやすいなどの問題があっ
た。さらに、これを基板上に印刷あるいは塗布して得ら
れた塗膜は、機械的強度および柔軟性が不十分であり、
問題となっていた。
【0005】また、ベースポリマーにエチレン−プロピ
レンゴムなどの非結晶性高分子を用いた導電性インキ組
成物もある。この導電性インキ組成物は、ベースポリマ
ーが溶媒に溶解しているため、塗布あるいは印刷に適し
た性状を有するものであり、塗布あるいは印刷時の作業
性に優れたものである。しかしながら、この非結晶性高
分子を用いた導電性インキ組成物は、温度上昇による熱
膨張が緩やかであるので、これを用いて得られる塗膜の
PTC特性も緩やかである。このため、例えば、周辺温
度が上昇した場合や、面状発熱体が不測に断熱条件下に
さらされた場合、発熱温度が上昇して熱暴走による焼損
などを起こす恐れがあり、問題となっていた。したがっ
て、 これを用いた面状発熱体には、使用環境に対応す
る過熱防止機構などを具備する必要があり、問題となっ
ていた。
【0006】また、ベースポリマーとして、結晶性高分
子と非結晶性高分子の両者を用いた導電性インキ組成物
が提案されている。具体的には、天然ゴムあるいは合成
ゴムなどの非結晶性高分子、前記非結晶性高分子と相溶
性のないポリエチレンあるいはポリプロピレンなどの結
晶性高分子粒子、導電性カーボンブラック、グラファイ
トおよび無機充填材からなる導電性インキ組成物などが
提案されている。この導電性インキ組成物は、結晶性高
分子粒子の有する利点と、非結晶性高分子の有する利点
を併せ持つものであり、とくに、極寒環境下においても
抵抗の低下が小さく安定した作動を示す優れたものであ
る。しかしながら、この導電性インキ組成物は、これを
基板上に印刷あるいは塗布して得られた塗膜の体積抵抗
率が高いため、希望の発熱量を得るために電極間隔を1
mm程度と狭くする必要があるなどの不都合があり、問
題となっていた。
【0007】この問題に対応しうる体積抵抗率の低い導
電性インキ組成物としては、ベースポリマーに融点10
0〜130℃のポリエチレンを用いたものが挙げられ
る。この導電性インキ組成物は、これを用いた面状発熱
体が通常用いられる温度である20〜80℃程度の温度
において、体積抵抗率が十分に低い塗膜を得ることがで
きる優れたものである。しかしながら、この融点が10
0〜130℃のポリエチレンは、結晶性高分子の一つで
あるため、上述の結晶性高分子を用いた場合と同様の問
題があった。とくに、融点100〜130℃のポリエチ
レンは、溶媒への溶解度が低く、これを用いた導電性イ
ンキ組成物の調製が困難であるという不都合が生じて問
題となっていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記事情を
鑑みてなされたもので、20〜80℃程度の温度におけ
る体積抵抗率が低く、良好なPTC特性を有し、柔軟性
および機械的強度に優れた塗膜を形成することができ、
なおかつ、容易に製造でき、塗布あるいは印刷に適した
性状を有する導電性インキ組成物を提供することを課題
としている。また、この導電性インキ組成物を用いた面
状発熱体を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題は、溶媒と、低
分子量ポリエチレン粒子と、エチレン系共重合体と、導
電性物質を含み、前記低分子量ポリエチレン粒子が、平
均粒子径0.5〜50μm、分子量500〜5000、
融点90〜135℃のものであり、また、エチレン系共
重合体が、エチレンモノマー含有率15〜75wt%、
環球法軟化点90〜200℃ものであり、さらに、前記
低分子量ポリエチレン粒子と前記エチレン系共重合体の
重量比を、60:40〜90:10とした導電性インキ
組成物によって解決できる。また、前記課題は、この導
電性インキ組成物を用いた面状発熱体とすることによっ
て解決できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
前記組成の導電性インキ組成物を塗布し、乾燥させた際
に、低分子量ポリエチレン粒子とエチレン系共重合体の
適度な相溶性により、低分子量ポリエチレン粒子が適度
に凝集してゆくことにより、導電性物質をその内部に包
含し、理想的なPTC組成物となり得る。本発明の導電
性インキ組成物に使用される低分子量ポリエチレン粒子
としては、平均粒子径が0.5〜50μm、好ましく
は、1〜30μmのものが使用される。前記平均粒子径
を0.5μm未満とした場合、インキの粘度が上昇し、
塗布あるいは印刷に適さないものとなり、これを用いた
面状発熱体の生産性が低下するため、また、塗膜形成時
におけるエチレン系共重合体との分散状態が悪くなり、
良好な塗膜を得ることができなくなるため、好ましくな
い。一方、50μmを越える平均粒子径のものを使用し
た場合、これを用いて得られる塗膜にピンホールなどの
不具合を生じやすく、好ましくない。
【0011】また、ここでの低分子量ポリエチレン粒子
としては、分子量が500〜5000のものが好ましく
使用される。分子量が500未満のものを使用した場
合、常温、あるいは40℃未満の低温で溶媒に溶解しや
すく、常温での取扱い性が悪くなり、導電性インキ組成
物を製造する際の作業性が悪くなるため好ましくない。
また、5000を越える分子量のものを使用した場合、
140℃を越える高温下においても溶媒と相溶状態とな
りにくいため、塗膜形成時におけるエチレン系共重合体
との分散状態が悪くなり、体積抵抗率が高くなるため、
また、良好なPTC時性を有する塗膜を得ることができ
なくなるため好ましくない。
【0012】また、低分子量ポリエチレン粒子として
は、融点が90〜135℃のものが使用される。融点が
90℃未満のものを使用した場合、80℃未満の温度に
おける体積抵抗率が高くなるため、好ましくない。ま
た、135℃を越える融点のものを使用した場合、塗膜
形成時におけるエチレン系共重合体との分散状態が悪く
なり、 良好なPTC特性を有する塗膜を得ることがで
きなくなるため好ましくない。
【0013】低分子量ポリエチレンとしては、溶媒への
溶解性やエチレンモノマーを含む共重合体との相溶性を
考慮すると、例えば、酸化変性してある低分子量ポリエ
チレン、カルボン酸あるいはフェニル基などで変性して
ある低分子量ポリエチレン、あるいは酢酸ビニル、アク
リル酸、アクリル酸エステルなどの極性モノマーとエチ
レンとの共重合により合成されたものなどが好ましく使
用されるが、これに限ったものではない。
【0014】また、ここでのエチレン系共重合体として
は、前記低分子量ポリエチレンに適度な相溶性を示し、
かつ、この低分子量ポリエチレンを適度な粒子サイズで
分散させることができるとともに、該エチレン系共重合
体自体はPTC特性に顕著な効果を示さないものである
ことが好ましい。このようなエチレン系共重合体は、エ
チレンモノマーの含有率が、15〜75wt%のものが
好ましく使用される。前記含有率が15wt%未満のも
のを用いた場合、低分子量ポリエチレンとの相溶性が悪
くなるため好ましくない。また、75wt%を越える含
有率のものを用いた場合、溶媒への溶解性が悪くなり、
塗布あるいは印刷に適した性状の導電性インキ組成物を
得ることができないため好ましくない。
【0015】ここでのエチレン系共重合体としては、軟
化点が90〜200℃のものが好ましく使用される。軟
化点が90℃未満のものを使用した場合、これを用いて
得られる塗膜が高温となった場合、 低分子量ポリエチ
レンの凝集が起こりやすくなり、塗膜のPTC特性に悪
影響を与え、前記低分子量ポリエチレンの融点付近の温
度での使用に適さないものとなるため好ましくない。ま
た、軟化点が、200℃以上のものは、溶媒への溶解性
が悪くなり、塗布あるいは印刷に適した性状の導電性イ
ンキ組成物を得ることができないため好ましくない。
【0016】エチレン系共重合体としては、 例えば、
エチレンと、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸エス
テル、マレイン酸などとの共重合体などが好ましく使用
される。
【0017】また、導電性物質としては、導電性カーボ
ンブラック、グラファイト、金属粉末などが使用され
る。ここでの導電性カーボンブラックとしては、ストラ
クチャーが小さく、粒径が約30〜150nm程度と比
較的大きいもの、 例えば、HAF、SRF,GPF,
FEF,FTなどのタイプ名で分類されるものが好まし
く用いられる。また、グラファイトとしては、天然黒鉛
および人造黒鉛のリン片状のもの、土塊状のものなどが
使用される。
【0018】また、溶媒としては、エチレン系共重合体
を良く溶解し、かつ、低分子量ポリエチレン粒子を安定
して分散させることができるものが好ましい。具体的に
例えば、トルエン、キシレン、ミネラルスピリット、ソ
ルベントナフサ、テトラリンなどの炭化水素系溶剤や、
ブチルセロソルブ、酢酸セロソルブ、ブチルカルビトー
ル、酢酸カルビトールなどの多価アルコール誘導体系溶
剤、酢酸n−ブチル、酢酸メトキシブチル、γーブチロ
ラクトンなどのエステル系溶剤などが好ましく使用され
る。
【0019】このような導電性インキ組成物の調製は、
溶媒中に、低分子量ポリエチレン粒子と、エチレン系共
重合体と、導電性物質を添加し、分散させることによっ
て行われる。これらの操作は、湿式分散装置、例えば、
ダイノーミルや3本ロールなどを用いて行われる。ま
た、導電性インキ組成物の分散度合いは、粒ゲージなど
を用いて確認される。なお、低分子量ポリエチレン粒子
は、こうした分散装置を使用したのち、溶媒中に添加す
ることが好ましい場合もある。
【0020】この調製に際し、溶媒中における低分子量
ポリエチレン粒子とエチレン系共重合体の重量比は、6
0:40〜90:10が好ましい。さらに好ましくは、
50:50〜85:15とされる。前記重量比を60:
40未満とした場合、良好なPTC特性が得られないた
め好ましくない。また、90:10を越える場合、塗布
あるいは印刷に適した性状が得られないため、また、こ
れを基板上に印刷あるいは塗布して得られた塗膜の機械
的強度および柔軟性が不十分なものとなるため好ましく
ない。
【0021】また、溶媒中に添加される導電性物質の量
は、低分子量ポリエチレン粒子とエチレン系共重合体と
を合わせたもの100重量部に対して5〜70重量部の
範囲とするのが好ましい。さらに、ここで使用される溶
媒の量は、とくに限定されないが、低分子量ポリエチレ
ン粒子とエチレン系共重合体とを合わせたもの100重
量部に対して、80〜400重量部程度が好ましい。
【0022】このような導電性インキ組成物は、低分子
量ポリエチレン粒子が、平均粒子径0.5〜50μmの
ものであるため、塗布あるいは印刷に適した性状のもの
となり、これを用いた面状発熱体の製造に際し、印刷あ
るいは塗布作業が容易となるので、生産性を向上させる
ことができる。また、これを用いて得られる塗膜は、ピ
ンホールなどの不具合が生じにくく、良好な塗膜が得ら
れるものとなる。
【0023】また、低分子量ポリエチレン粒子が、分子
量500〜5000のものであるため、常温では溶解せ
ず、 40〜140℃の温度で溶媒と相溶状態となるこ
とから、常温での取扱い性に優れ、導電性インキ組成物
を製造する際の作業が容易なものとなり、また、溶媒を
加熱して乾燥させて塗膜を形成するに際し、低分子量ポ
リエチレン粒子とエチレン系共重合体との分散状態が良
好になることから、体積抵抗率が低く、良好なPTC特
性を有する塗膜を形成することができるものとなる。
【0024】さらに、低分子量ポリエチレン粒子が、
融点90〜135℃のものであるため、溶媒を加熱して
乾燥させて塗膜を形成するに際し、低分子量ポリエチレ
ン粒子とエチレン系共重合体との分散状態が良好になる
ことから、20〜80℃の温度における体積抵抗率が低
いものとなる。また、前記低分子量ポリエチレンの融点
付近の温度において、急激な体積膨張を示す塗膜となる
ことから、急峻なPTC特性を有する塗膜を形成するこ
とができるものとなる。
【0025】また、エチレン系共重合体が、エチレンモ
ノマー含有率15〜75wt%のものであるため、低分
子量ポリエチレンとの相溶性がよく、なおかつ、溶媒へ
の溶解性がよいことから、塗布あるいは印刷に適した性
状の導電性インキ組成物を得ることができる。さらに、
エチレン系共重合体が、環球法軟化点90〜200℃の
ものであるため、これを用いて得られる塗膜が高温とな
った場合、低分子量ポリエチレンの凝集が起こりにく
く、前記低分子量ポリエチレンの融点付近の温度におけ
る導電性インキ組成物の劣化が小さい塗膜を得ることが
でき、良好なPTC特性を有する塗膜を得ることができ
るものとなる。
【0026】さらに、低分子量ポリエチレン粒子とエチ
レン系共重合体の重量比を、60:40〜90:10と
したため、それらの相溶性が良く、前記低分子量ポリエ
チレン粒子の有する利点を生かすことができ、なおか
つ、欠点を改善することができる。したがって、体積抵
抗率が低く、良好なPTC特性を有する塗膜を形成する
ことができ、なおかつ、容易に製造でき、 塗布あるい
は印刷に適した性状を有し、柔軟性および機械的強度に
優れた塗膜を形成することができる導電性インキ組成物
となる。
【0027】本発明の面状発熱体は、前記導電性インキ
組成物を用いた面状発熱体である。この面状発熱体は、
電極を設けた基板上に、前記導電性インキ組成物からな
る塗膜を形成してなるものである。
【0028】ここで使用される基板としては、一般に厚
さが約10〜100μm程度のポリエチレンテレフタレ
ート(PET)、ポリイミド、ポリ塩化ビニルなどの樹
脂フィルムなどが用いられ、発熱体としての使用を考え
たとき、耐熱温度の高い材料が望ましい。
【0029】また、この基板上に設けられる電極として
は、銀、銅、カーボンなどの導電性粒子を含むインキ状
組成物を、基板上に所定のパターンでスクリーン印刷に
より形成した電極、前記基板上に接着剤を介し、厚さ約
10〜50μm程度の銅箔、アルミニウム箔、銀箔など
の金属箔、好ましくは銅箔を貼り合わせ、エッチング加
工を施して、くし形あるいはジグザグ状などの細かいパ
ターンや複雑なパターンなどの所望のパターンを形成さ
せてなる電極などが挙げられる。
【0030】このような面状発熱体を製造するには、電
極を設けた基板上に、導電性インキ組成物を、塗布ある
いは印刷し、塗膜を形成させることによって行われる。
この塗布あるいは印刷は、均一な厚さの塗膜が得られる
任意の方法を使用して行うことができ、例えば、スクリ
ーン印刷、ナイフコータ、グラビアコータを用いる方法
などを用いて好ましく行われる。この製造に際し、使用
された導電性インキ組成物は、ヒーターや炉などを使用
して約80〜150℃の温度で約1〜30分間程度乾燥
させることによって、厚み約10〜50μm程度の塗膜
とされる。
【0031】このような面状発熱体は、前記導電性イン
キ組成物を用いたものであるため、導電性インキ組成物
の印刷あるいは塗布時の作業性に優れ、容易に製造する
ことができるものとなる。また、 20〜80℃程度の
温度における体積抵抗率が低く、良好なPTC特性を有
し、なおかつ、柔軟性および機械的強度に優れた面状発
熱体となる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例を示して詳しく説明す
る。 (試験例1〜試験例17)ソルベッソ200重量部中
に、表1に示す分子量、酸価、融点、変性タイプ、平均
粒子径の異なる低分子量ポリエチレンあるいは結晶性ポ
リアミド(融点117℃)と、表2に示すコモノマー、
エチレン含有率、環球法軟化点の異なるエチレンモノマ
ーを含む共重合体あるいはポリエステルとを表3に示す
配合部数(重量部)分散させ、ついで、 調製後の導電
性インキ組成物を用いて得られる塗膜が、常温(20
℃)で体積抵抗率100Ωcm程度となるように、カー
ボンブラック(商品名:デンカブラック、電気化学工業
製)を添加し、攪拌したのち3本ロールミルで混練して
導電性インキ組成物を調製した。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】この導電性インキ組成物を、あらかじめ間
隔50mmの銀の電極パターンを設けたポリエチレンテ
レフタレートからなる基板上に、10×60mm2の面
積で厚み20±3μm塗布し、150℃の温度で30分
乾燥して塗膜を形成し、面状発熱体を作成した。
【0036】このようにして得られた試験例1〜試験例
17の面状発熱体のうち、試験例1〜試験例7は、本発
明の実施例であり、試験例8〜試験例12および試験例
14〜試験例16は、比較例であり、 試験例13およ
び試験例17は、従来例である。
【0037】これら試験例1〜試験例17の面状発熱体
それぞれについて、次の各項目の測定および評価を行っ
た。 [体積抵抗率]常温(20℃)の体積抵抗率を測定し
た。また、80℃の体積抵抗率を測定した。 [PTC抵抗変化倍率]温度20〜150℃の体積抵抗
率を測定し、ついで、常温(20℃)の体積抵抗率に対
する20〜150℃の温度範囲で得られた体積抵抗率の
最大値の比(PTC抵抗変化倍率)を求めた。 [ピンホールの有無]目視により、面状発熱体のピンホ
ールの有無を調べた。 [巻付けによる抵抗変化]面状発熱体と、これを外径1
0mmの棒に半周巻き付けた面状発熱体の電気抵抗値を
測定し、面状発熱体の柔軟性および機械的強度を調べ
た。巻き付けていない状態での電気抵抗値に対して、棒
に巻き付けた状態の電気抵抗値が、変化率±20%以上
である場合、 巻付けにより抵抗が変化したと判定し、
柔軟性および機械的特性が弱いものとした。結果を表3
に示す。
【0038】
【表3】
【0039】表3より、本発明の実施例である試験例1
〜試験例7は、高いPTC抵抗変化倍率を有し、ピンホ
ールが無く、柔軟性および機械的強度に優れているとい
う結果となった。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の導電性イ
ンキ組成物は、低分子量ポリエチレン粒子が、平均粒子
径0.5〜50μm、分子量500〜5000、融点9
0〜135℃のものであり、エチレン系共重合体が、エ
チレンモノマー含有率15〜75wt%、環球法軟化点
90〜200℃のものであり、前記低分子量ポリエチレ
ン粒子と前記エチレン系共重合体の重量比を、60:4
0〜90:10としたものであるので、 前記低分子量
ポリエチレン粒子の有する利点を生かすことができ、な
おかつ、欠点を改善することができることから、20〜
80℃程度の温度における体積抵抗率が低く、良好なP
TC特性を有する塗膜を形成することができ、かつ、容
易に製造でき、塗布あるいは印刷に適した性状を有し、
柔軟性および機械的強度に優れた塗膜を形成することが
できる導電性インキ組成物とすることができる。
【0041】また、本発明の面状発熱体は、上記導電性
インキ組成物を用いたものであるので、導電性インキ組
成物の印刷あるいは塗布時の作業性に優れ、容易に製造
することができ、なおかつ、柔軟性および機械的強度に
優れた面状発熱体とすることができる。また、20〜8
0℃程度の温度における体積抵抗率が低く、良好なPT
C特性を有する面状発熱体とすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 百武 信忠 埼玉県北葛飾郡鷲宮町桜田5丁目13番1号 藤倉化成株式会社開発研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶媒と、低分子量ポリエチレン粒子と、
    エチレン系共重合体と、導電性物質を含み、 前記低分子量ポリエチレン粒子が、平均粒子径0.5〜
    50μm、分子量500〜5000、融点90〜135
    ℃のものであり、 前記エチレン系共重合体が、エチレン含有率15〜75
    wt%、環球法軟化点90〜200℃のものであり、 前記低分子量ポリエチレン粒子と 前記エチレンを用い
    た共重合体との重量比を、60:40〜90:10とし
    たことを特徴とする導電性インキ組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の導電性インキ組成物を用
    いたことを特徴とする面状発熱体。
JP12152098A 1998-04-30 1998-04-30 導電性インキ組成物およびそれを用いた面状発熱体 Withdrawn JPH11310738A (ja)

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