JP2001076850A - 導電性インキ組成物およびそれを用いた面状発熱体 - Google Patents

導電性インキ組成物およびそれを用いた面状発熱体

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JP2001076850A
JP2001076850A JP24935999A JP24935999A JP2001076850A JP 2001076850 A JP2001076850 A JP 2001076850A JP 24935999 A JP24935999 A JP 24935999A JP 24935999 A JP24935999 A JP 24935999A JP 2001076850 A JP2001076850 A JP 2001076850A
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ethylene
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Takayuki Imai
隆之 今井
Toshifumi Nakajima
敏文 中嶋
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好なPTC特性を有し、機械的強度および
柔軟性に優れた塗膜を形成することができ、昇温と冷却
との繰り返しによる特性の劣化が生じにくい導電性イン
キ組成物およびそれを用いた面状発熱体を提供するこ
と。 【解決手段】 溶媒と低分子量ポリエチレンとエチレン
系共重合体と架橋剤と導電性物質とからなり、低分子量
ポリエチレンは、平均粒子径0.5〜50μm、分子量
500〜5000、融点90〜135℃、エチレン系共
重合体は、結晶化度5%以下で、エチレンモノマーを1
0〜75重量%含み、かつ、反応性基を有するモノマー
を0.5〜10重量%含み、低分子量ポリエチレンとエ
チレン系共重合体との重量比は、40:60〜90:1
0、架橋剤は、反応性基と反応可能であり、低分子量ポ
リエチレンとエチレン系共重合体とを合わせたもの10
0重量部に対して0.5〜10重量部添加されている導
電性インキ組成物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性インキ組成
物およびそれを用いた面状発熱体に関し、とくに、良好
なPTC特性(正温度係数特性)を有し、機械的強度お
よび柔軟性に優れた塗膜を形成することができ、昇温と
冷却との繰り返し(ヒートサイクル)による特性の劣化
が生じにくい導電性インキ組成物およびそれを用いた面
状発熱体に関する。
【0002】
【従来の技術】面状発熱体は、基板上に、導電性インキ
組成物を印刷あるいは塗布し、任意の厚さおよび形状の
塗膜を形成することによって得られるものであり、従来
から、特殊な形状や小型の発熱体として使用されている
ものである。この面状発熱体に使用される導電性インキ
組成物として、結晶性高分子や非結晶性高分子などのベ
ースポリマーと、カーボンブラック、金属粉末、グラフ
ァイトなどの導電性物質を溶媒に分散させてなるものな
どが用いられ、特開昭56ー13689、特開平6−9
6843、特開平8−120182などが提案されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ベースポリマーにポリ
エチレンなどの結晶性高分子を用いた導電性インキ組成
物は、温度上昇によって、急峻なPTC特性を示す塗膜
を形成することができる優れたものである。このPTC
特性は、温度変化による結晶性高分子の体積膨張により
導電性物質の連鎖が切断され、それに伴って抵抗が上昇
することによって発現するものである。
【0004】しかしながら、この結晶性高分子を用いた
導電性インキ組成物は、ベースポリマーが溶媒に溶解し
ないことから塗布あるいは印刷に適した性状が得られな
いため、これを用いた面状発熱体の生産性が低下する、
また、低温貯蔵時にゲル化しやすいなどの問題があっ
た。さらに、これを基板上に印刷あるいは塗布して得ら
れた塗膜の機械的強度および柔軟性が不十分であること
や、得られた塗膜にピンホールなどの不具合が発生しや
すいことが、問題となっていた。
【0005】また、ベースポリマーにエチレン−プロピ
レンゴムなどの非結晶性高分子を用いた導電性インキ組
成物もある。この導電性インキ組成物は、ベースポリマ
ーが溶媒に溶解しているため、塗布あるいは印刷に適し
た性状を有するものであり、塗布あるいは印刷時の作業
性に優れたものである。
【0006】しかしながら、この非結晶性高分子を用い
た導電性インキ組成物は、温度上昇による熱膨張が緩や
かであるので、これを用いて得られる塗膜のPTC特性
も緩やかである。このため、十分なPTC特性が得られ
ず、熱暴走による焼損などを起こす恐れがあり、問題と
なっていた。したがって、これを用いた面状発熱体に
は、過熱防止機構などを具備する必要があり、問題とな
っていた。
【0007】さらに、従来の導電性インキ組成物では、
これを用いた面状発熱体の発熱層の自己発熱または外部
加熱による昇温と、冷却との繰り返し(ヒートサイク
ル)によって、発熱層の抵抗値が変化してしまうという
問題があった。
【0008】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
で、このような問題を解決し、良好なPTC特性(正温
度係数特性)を有し、機械的強度および柔軟性に優れた
塗膜を形成することができ、昇温と冷却との繰り返し
(ヒートサイクル)による特性の劣化が生じにくい導電
性インキ組成物を提供することを課題としている。ま
た、この導電性インキ組成物を用いた面状発熱体を提供
することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題は、溶媒と、低
分子量ポリエチレンと、エチレン系共重合体と、架橋剤
と、導電性物質とからなり、前記低分子量ポリエチレン
は、平均粒子径0.5〜50μm、分子量500〜50
00、融点90〜135℃のものであり、前記エチレン
系共重合体は、結晶化度5%以下で、エチレンモノマー
を10〜75重量%含み、かつ、反応性基を有するモノ
マーを0.5〜10重量%含むものであり、2以上の官
能基を含む化合物であり、前記低分子量ポリエチレンと
前記エチレン系共重合体との重量比は、40:60〜9
0:10であり、前記架橋剤は、前記反応性基と反応可
能なものであり、前記低分子量ポリエチレンと前記エチ
レン系共重合体とを合わせたもの100重量部に対し
て、0.5〜10重量部添加されていることを特徴とす
る導電性インキ組成物によって解決できる。
【0010】上記の導電性インキ組成物においては、前
記反応性基を有するモノマーが、無水マレイン酸である
ことが望ましい。前記架橋剤は2以上のイソシアネート
基を含む化合物であることが望ましい。前記架橋剤は2
以上の水酸基を含む化合物であってもよい。
【0011】前記課題は、上記のいずれかに記載の導電
性インキ組成物を用いた面状発熱体によって解決でき
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の導電性インキ組成物に用いられる低分子量ポリ
エチレンとしては、平均粒子径が0.5〜50μm、好
ましくは1〜30μmのものが使用される。低分子量ポ
リエチレンの平均粒子径を0.5μm未満とした場合、
インキの粘度が上昇し、塗布あるいは印刷に適さないも
のとなるため、また、塗膜形成時にエチレン系共重合体
との分散状態が良好なものとならないため、好ましくな
い。一方、50μmを越える平均粒子径のものを使用し
た場合、これを用いて得られる塗膜にピンホールなどの
不具合を生じやすくなるため、好ましくない。
【0013】また、ここでの低分子量ポリエチレンとし
ては、分子量が500〜5000のものが使用される。
分子量が500未満のものを使用した場合、常温、ある
いは40℃未満の低温で溶媒に溶解しやすく、常温での
取扱い性が悪くなり、導電性インキ組成物を製造する際
の作業性が悪くなるため好ましくない。また、5000
を越える分子量のものを使用した場合、140℃を越え
る高温下においても溶媒と相溶状態となりにくいため、
塗膜形成時におけるエチレン系共重合体との分散状態が
悪くなり、体積抵抗率が高くなるため、また、良好なP
TC時性を有する塗膜を得ることができなくなるため好
ましくない。
【0014】また、低分子量ポリエチレンとしては、融
点が90〜135℃のものが使用される。融点が90℃
未満のものを使用した場合、導電性インキ組成物を用い
た面状発熱体が通常用いられる温度である80℃未満の
温度における体積抵抗率が高くなるため、好ましくな
い。また、135℃を越える融点のものを使用した場
合、塗膜形成時におけるエチレン系共重合体との分散状
態が悪くなり、良好なPTC特性を有する塗膜を得るこ
とができなくなるため好ましくない。
【0015】低分子量ポリエチレンとしては、溶媒への
溶解性やエチレンモノマーを含むエチレン系共重合体と
の相溶性を考慮すると、例えば、酸化変性してある低分
子量ポリエチレン、カルボン酸あるいはフェニル基など
で変性してある低分子量ポリエチレン、あるいは酢酸ビ
ニル、アクリル酸、アクリル酸エステルなどの極性モノ
マーとエチレンとの共重合により合成されたものなどが
好ましく使用されるが、これに限ったものではない。
【0016】また、ここでのエチレン系共重合体として
は、結晶化度が5%以下のもので、エチレンモノマーを
10〜75重量%含み、かつ、反応性基を有するモノマ
ーを0.5〜10重量%含むものが好ましく使用され
る。エチレンモノマーの含有率が10重量%未満のもの
を用いた場合、低分子量ポリエチレンとの相溶性が悪く
なるため好ましくない。また、75重量%を越える含有
率のものを用いた場合、溶媒への溶解性が悪くなり、塗
布あるいは印刷に適した性状の導電性インキ組成物を得
ることができないため好ましくない。
【0017】また、反応性基を有するモノマーの含有率
が0.5重量%未満のものを用いた場合、架橋剤と反応
する反応性基の数が不足して、ヒートサイクルによる特
性の劣化を十分に抑制できないため好ましくない。一
方、10重量%を越える含有率のものを用いた場合、良
好なPTC特性が得られなくなるため好ましくない。反
応性基を有するモノマーとしては、無水マレイン酸,ア
クリル酸,メタクリル酸などが用いられる。中でも、無
水マレイン酸は加熱時に架橋剤との反応が速やかに進行
するため好ましい。
【0018】エチレン系共重合体としては、具体的に例
えば、エチレンと、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル
酸エステル、無水マレイン酸,メタクリル酸,メタクリ
ル酸エステルなどとの共重合体などが好ましく使用され
る。
【0019】また、導電性物質としては、導電性カーボ
ンブラック、グラファイト、金属粉末などが使用され
る。ここでの導電性カーボンブラックとしては、ストラ
クチャーが小さく、粒径が約30〜150nm程度と比
較的大きいもの、例えば、HAF、SRF,GPF,F
EF,FTなどのタイプ名で分類されるものが好ましく
用いられる。また、グラファイトとしては、天然黒鉛お
よび人造黒鉛のリン片状のもの、土塊状のものなどが使
用される。
【0020】また、溶媒としては、エチレン系共重合体
を良く溶解し、かつ、低分子量ポリエチレン粒子を安定
して分散させることができるものが好ましい。具体的に
例えば、トルエン、キシレン、ミネラルスピリット、ソ
ルベントナフサ、テトラリンなどの炭化水素系溶剤や、
ブチルセロソルブ、酢酸セロソルブ、ブチルカルビトー
ル、酢酸カルビトールなどの多価アルコール誘導体系溶
剤、酢酸n−ブチル、酢酸メトキシブチル、γーブチロ
ラクトンなどのエステル系溶剤などが好ましく使用され
る。
【0021】架橋剤としては、エチレン系共重合体に含
まれる反応性基と反応するもので、2以上の官能基を有
するものであれば任意のものを使用することができる。
ここでの官能基としては、イソシアネート基、水酸基、
エポキシ基、アミン基などが好ましい。中でも、イソシ
アネート基は、水酸基反応性基、特に無水マレイン酸基
との反応が加熱時に速やかに進行するため好ましい。
【0022】このような導電性インキ組成物の調製は、
溶媒中に、低分子量ポリエチレンと、エチレン系共重合
体と、導電性物質と、架橋剤とを添加して分散させると
ともに、エチレン系共重合体と架橋剤とを反応させるこ
とによって行われる。これらの操作は、湿式分散装置、
例えば、ダイノーミルや3本ロールなどを用いて行われ
る。また、導電性インキ組成物の分散度合いは、粒ゲー
ジなどを用いて確認される。なお、低分子量ポリエチレ
ンは、こうした分散装置を使用したのち、溶媒中に添加
することが好ましい場合もある。
【0023】この調製に際し、溶媒中における低分子量
ポリエチレンとエチレン系共重合体の重量比は、40:
60〜90:10が好ましい。さらに好ましくは、5
0:50〜85:15とされる。前記重量比を40:6
0未満とした場合、良好なPTC特性が得られないため
好ましくない。また、90:10を越える場合、塗布あ
るいは印刷に適した性状が得られないため、また、これ
を基板上に印刷あるいは塗布して得られた塗膜の機械的
強度および柔軟性が不十分なものとなるため好ましくな
い。
【0024】また、溶媒中に添加される導電性物質の量
は、低分子量ポリエチレンとエチレン系共重合体とを合
わせたもの100重量部に対して、5〜70重量部の範
囲とするのが好ましい。さらに、ここで使用される溶媒
の量は、とくに限定されないが、低分子量ポリエチレン
とエチレン系共重合体とを合わせたもの100重量部に
対して、80〜400重量部程度が好ましい。
【0025】また、架橋剤の添加量は、低分子量ポリエ
チレンとエチレン系共重合体とを合わせたもの100重
量部に対して、0.5〜10重量部程度とされる。架橋
剤の添加量を0.5重量部未満とした場合、エチレン系
共重合体に含まれる反応性基との反応が不十分となり、
ヒートサイクルによる特性の劣化を十分に抑制すること
ができないため好ましくない。一方、10重量部を越え
る場合、良好なPTC特性が得られなくなるため好まし
くない。
【0026】このような導電性インキ組成物において
は、エチレン系共重合体は、反応性基を有するモノマー
を含むものであり、架橋剤は、前記反応性基と反応可能
なものであるので、エチレン系共重合体の反応性基を有
するモノマーと架橋剤とが反応して、ヒートサイクルに
よる特性の劣化を抑制することができるものとすること
ができる。
【0027】また、エチレン系共重合体が、反応性基を
有するモノマーを0.5〜10重量%含むものであるた
め、ヒートサイクルによる特性の劣化が生じにくく、か
つ、良好なPTC特性を有するものとなる。さらに、反
応性基を有するモノマーを、無水マレイン酸とすること
で、速やかに架橋反応が進むため、生産性に優れた導電
性インキ組成物となる。
【0028】さらに、架橋剤の添加量を、低分子量ポリ
エチレンとエチレン系共重合体とを合わせたもの100
重量部に対して、0.5〜10重量部程度とすること
で、ヒートサイクルによる特性の劣化を十分に抑制する
ことができ、かつ、良好なPTC特性を有するものとな
る。
【0029】また、この導電性インキ組成物は、結晶性
高分子である低分子量ポリエチレンと非結晶性高分子で
あるエチレン系共重合体を用いたものであるので、結晶
性高分子粒子の有する利点と、非結晶性高分子の有する
利点を併せ持つ優れたものとなる。
【0030】さらに、エチレン系共重合体が、エチレン
モノマーを10〜75重量%含むものであるため、低分
子量ポリエチレンとの相溶性がよく、なおかつ、溶媒へ
の溶解性がよいことから、塗布あるいは印刷に適した性
状の導電性インキ組成物を得ることができる。
【0031】また、この導電性インキ組成物に用いられ
る低分子量ポリエチレンは、平均粒子径0.5〜50μ
mのものであるため、塗布あるいは印刷に適した性状の
ものとなり、これを用いた面状発熱体の製造に際し、印
刷あるいは塗布作業が容易となるので、生産性を向上さ
せることができる。さらに、これを用いて得られる塗膜
には、ピンホールなどの不具合が生じにくく、良好な塗
膜が得られる。
【0032】さらに、低分子量ポリエチレンが、分子量
500〜5000のものであるため、常温では溶解せ
ず、40〜140℃の温度で溶媒と相溶状態となること
から、常温での取扱い性に優れ、導電性インキ組成物を
製造する際の作業が容易なものとなり、また、溶媒を加
熱して乾燥させて塗膜を形成するに際し、低分子量ポリ
エチレンとエチレン系共重合体との分散状態が良好にな
ることから、体積抵抗率が低く、良好なPTC特性を有
する塗膜を形成することができるものとなる。
【0033】さらにまた、低分子量ポリエチレンが、融
点90〜135℃のものであるため、溶媒を加熱して乾
燥させて塗膜を形成するに際し、低分子量ポリエチレン
とエチレン系共重合体との分散状態が良好になり、導電
性インキ組成物を用いた面状発熱体が通常用いられる温
度である20〜80℃の温度における体積抵抗率が低い
ものとなる。また、低分子量ポリエチレンの融点付近の
温度において、急激な体積膨張を示す塗膜が得られるも
のとなることから、急峻なPTC特性を有する塗膜を形
成することができるものとなる。
【0034】さらに、低分子量ポリエチレンとエチレン
系共重合体の重量比を、40:60〜90:10とした
ため、それらの相溶性が良く、低分子量ポリエチレンの
有する利点を生かすことができ、なおかつ、欠点を改善
することができる。したがって、体積抵抗率が低く、良
好なPTC特性を有する塗膜を形成することができ、か
つ、容易に製造でき、塗布あるいは印刷に適した性状を
有し、柔軟性および機械的強度に優れた塗膜を形成する
ことができるものとなる。
【0035】本発明の面状発熱体は、上記の導電性イン
キ組成物を用いた面状発熱体である。この面状発熱体
は、電極層を設けた基板上に、導電性インキ組成物から
なる塗膜を形成してなるものである。
【0036】ここで使用される基板としては、一般に厚
さが約10〜200μm程度のポリエチレンテレフタレ
ート(PET)、ポリイミド、ポリ塩化ビニルなどの樹
脂フィルムなどが用いられ、発熱体としての使用を考え
たとき、耐熱温度の高い材料が望ましい。
【0037】また、この基板上に設けられる電極層とし
ては、銀、銅、カーボンなどの導電性粒子を含むインキ
状組成物を、基板上に所定のパターンでスクリーン印刷
することにより形成した電極層や、前記基板上に接着剤
を介し、厚さ約10〜50μm程度の銅箔、アルミニウ
ム箔、銀箔などの金属箔、好ましくは銅箔を貼り合わ
せ、エッチング加工を施して、くし形あるいはジグザグ
状などの細かいパターンや複雑なパターンなどの所望の
パターンを形成させてなる電極層などが挙げられる。
【0038】このような面状発熱体を製造するには、電
極層を設けた基板上に、導電性インキ組成物を塗布ある
いは印刷して塗膜を形成させることによって行われる。
この塗布あるいは印刷は、均一な厚さの塗膜が得られる
任意の方法を使用して行うことができ、例えば、スクリ
ーン印刷、ナイフコータ、グラビアコータを用いる方法
などを用いて好ましく行われる。この製造に際し、塗布
あるいは印刷された導電性インキ組成物は、ヒーターや
炉などを使用して約80〜150℃の温度で約1〜30
分間程度乾燥させることによって、厚み約10〜50μ
m程度の塗膜とされる。
【0039】このような面状発熱体は、前記導電性イン
キ組成物を用いたものであるため、良好なPTC特性を
有し、さらに、発熱層の自己発熱または外部加熱による
昇温と、冷却との繰り返し(ヒートサイクル)による特
性の劣化が生じにくいものとなる。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例を示して詳しく説明す
る。 (試験例1〜試験例5)分子量3000、融点107
℃、酸価1.0mgKOH/g、平均粒子径7μmの低
分子量ポリエチレン60重量部と、酢酸ビニル含有量4
5重量%、マレイン酸基含有量3重量%のマレイン酸変
性したエチレンー酢酸ビニル共重合体40重量部とを、
芳香族炭化水素系有機溶媒(商品名:イプゾール15
0、出光石油化学製)200重量部中に分散させ、つい
で、カーボンブラック(商品名:デンカブラック、電気
化学工業製)を30重量部添加して攪拌したのち3本ロ
ールミルで混練し、さらに、架橋剤としてブロックイソ
シアネート(商品名:デスモジュールBL3175、住
友バイウレタン製)またはエチレングリコールを表1に
示す配合部数添加して攪拌し、導電性インキ組成物を調
製した。
【0041】
【表1】
【0042】このようにして得られた導電性インキ組成
物を、あらかじめ間隔50mmの銀の電極パターンを設
けたポリエチレンテレフタレートからなる基板上に、面
積10×60mm2、厚み20±5μmとなるように塗
布し、150℃の温度で30分乾燥して塗膜を形成し、
面状発熱体を作成した。
【0043】このようにして得られた試験例1〜試験例
5の面状発熱体のうち、試験例1〜試験例3は、本発明
の実施例であり、試験例4は、従来例であり、試験例5
は、比較例である。
【0044】これら試験例1〜試験例5の面状発熱体そ
れぞれについて、次の各項目の測定および評価を行っ
た。 [PTC抵抗変化倍率]温度20〜150℃の体積抵抗
率を測定し、ついで、常温(20℃)の体積抵抗率に対
する20〜150℃の温度範囲で得られた体積抵抗率の
最大値の比(PTC抵抗変化倍率)を求めた。 [抵抗変化率]面状発熱体に対して、外部加熱と冷却に
よる20℃→150℃→20℃のヒートサイクルを3回
与えたのち、塗膜の抵抗値を測定し、ヒートサイクルを
与える前の塗膜の抵抗値に対する変化率を求めた。結果
を表1に示す。
【0045】表1より、本発明の実施例である試験例1
〜試験例3は、架橋剤を好ましい範囲を越えて添加した
比較例である試験例5と比較して、高いPTC抵抗変化
倍率が得られた。また、従来例である試験例4と比較し
て抵抗変化率が小さいという結果となった。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の導電性イ
ンキ組成物は、溶媒と、低分子量ポリエチレンと、エチ
レン系共重合体と、架橋剤と、導電性物質とからなり、
前記低分子量ポリエチレンは、平均粒子径0.5〜50
μm、分子量500〜5000、融点90〜135℃の
ものであり、前記エチレン系共重合体は、結晶化度5%
以下で、エチレンモノマーを10〜75重量%含み、か
つ、反応性基を有するモノマーを0.5〜10重量%含
むものであり、前記低分子量ポリエチレンと前記エチレ
ン系共重合体との重量比は、40:60〜90:10で
あり、前記架橋剤は、前記反応性基と反応可能なもので
あり、前記低分子量ポリエチレンと前記エチレン系共重
合体とを合わせたもの100重量部に対して、0.5〜
10重量部添加されているので、次のような効果が得ら
れる。 (1)エチレン系共重合体の反応性基を有するモノマー
と架橋剤とが反応して、ヒートサイクルによる特性の劣
化を抑制することができるものとなる。 (2)結晶性高分子粒子の有する利点と、非結晶性高分
子の有する利点を併せ持つ優れたものとなる。したがっ
て、体積抵抗率が低く、良好なPTC特性を有する塗膜
を形成することができ、かつ、容易に製造でき、塗布あ
るいは印刷に適した性状を有し、ピンホールなどの不具
合が生じにくく、柔軟性および機械的強度に優れた塗膜
を形成することができるものとなる。
【0047】本発明の面状発熱体は、前記導電性インキ
組成物を用いたものであるため、良好なPTC特性を有
し、さらに、発熱層の自己発熱または外部加熱による昇
温と、冷却との繰り返し(ヒートサイクル)による特性
の劣化が生じにくいものとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K034 AA02 AA05 AA06 AA07 AA08 AA15 AA34 BB08 BB13 BC04 BC12 CA02 CA06 CA14 CA22 JA02 3K092 QA05 QB18 QB21 QB31 QB76 QB79 QC02 QC09 QC49 RF02 RF13 RF17 RF22 VV26 4J039 AB06 AD01 AD08 AD09 AD10 AD14 AE04 BA03 BA04 BA06 BC02 BC03 BC04 BC14 BC20 BC23 BC44 BE12 BE25 BE29 EA24 5G301 DA18 DA43 DA44 DD02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶媒と、低分子量ポリエチレンと、エチ
    レン系共重合体と、架橋剤と、導電性物質とからなり、 前記低分子量ポリエチレンは、平均粒子径0.5〜50
    μm、分子量500〜5000、融点90〜135℃の
    ものであり、 前記エチレン系共重合体は、結晶化度5%以下で、エチ
    レンモノマーを10〜75重量%含み、かつ、反応性基
    を有するモノマーを0.5〜10重量%含むものであ
    り、 前記低分子量ポリエチレンと前記エチレン系共重合体と
    の重量比は、40:60〜90:10であり、 前記架橋剤は、前記反応性基と反応可能なものであり、
    2以上の官能基を含む化合物であり、前記低分子量ポリ
    エチレンと前記エチレン系共重合体とを合わせたもの1
    00重量部に対して、0.5〜10重量部添加されてい
    ることを特徴とする導電性インキ組成物。
  2. 【請求項2】 前記反応性基を有するモノマーが、2以
    上の官能基を含む化合物であり、無水マレイン酸である
    ことを特徴とする請求項1記載の導電性インキ組成物。
  3. 【請求項3】 前記架橋剤が、2以上のイソシアネート
    基を含む化合物であることを特徴とする請求項1〜請求
    項2のいずれかに記載の導電性インキ組成物。
  4. 【請求項4】 前記架橋剤が、2以上の水酸基を含む化
    合物であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいず
    れかに記載の導電性インキ組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の
    導電性インキ組成物を用いたことを特徴とする面状発熱
    体。
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