JP5342603B2 - 焼成ペースト用銅微粒子および銅焼成膜の形成方法 - Google Patents

焼成ペースト用銅微粒子および銅焼成膜の形成方法 Download PDF

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本発明は、銅微粒子を分散した焼成ペーストおよびそれを利用した配線パターン形成の分野に関するものである。詳しくは、銅微粒子を分散したペーストを用いて、スクリーン印刷で配線パターンを基板上に塗布し、その後、300℃以下の焼成温度で導電性焼成膜を形成する低温焼成ペースト用銅微粒子、銅微粒子分散ペーストおよびそれを利用した配線パターン形成方法に関するものである。
電子機器関連分野では、常に生産性向上と低コスト化が要求されている。そのなかで、樹脂バインダーを用いたポリマー型導電ペーストは印刷するだけで導電性を付与できるため、使用量を伸ばしている。現在、その用途には銀微粒子が優れた導電性と環境信頼性から、最も多く使用されている。しかし、銀微粒子はファインパターン回路では、エレクトロマイグレーションの問題がある。一方、銅微粒子はエレクトロマイグレーション問題も少なく、銀より安価であるが、ポリマー型導電ペーストでは銀微粒子分散ペーストより導電性や信頼性で劣っていた。
近年、粒子径が100nm以下の銅微粒子の製造技術や低温焼成膜形成方法が開発され、焼成温度300℃以下でも低抵抗導電膜が形成できるようになった(例えば、特許文献1〜2)。特許文献1においては、平均粒子径1〜100nmの銅微粒子分散塗膜を300℃以下の温度で、還元性気体存在下にてプラズマ処理する方法が記載されている。特許文献2においては、平均粒子径1〜100nmの銅微粒子分散塗膜を、1.1気圧以上の加圧条件下で水素分子を含む雰囲気にて、200〜300℃で加熱還元する方法が記載されている。これらの方法には、平均粒子径が100nm以下の銅微粒子を分散したペーストが使用されるが、銅微粒子は粒子径が細かくなると酸化しやすく、粒子同士の凝集力が強くなり、緻密な導電膜形成が難しかった。さらに、平均粒子径が100nm以下の銅微粒子は生産性が悪く、コストも高くなり、実用化の大きな障害となっている。低温焼成で安定した低抵抗導電膜が形成できる焼成ペースト用銅微粒子が望まれていた。
特許第4205393号公報 特開2008−146991号公報
以上に述べたように、平均粒子径100nm以下の銅微粒子を分散した焼成ペーストは、銀微粒子分散ペーストに比べると素材が安価で、ファインパターン回路形成が可能でエレクトロマイグレーション問題も回避でき、電極やプリント配線基板の導体層への応用が検討されている。しかし、銅微粒子の粒子径が100nm以下になると、比表面積が非常に大きくなるので、銅の酸化や粒子の凝集が激しく、緻密な焼成膜を形成するのが難しく焼成膜の導電性やペーストの貯蔵安定性にも問題を有していた。さらに、さまざまな用途に使用する汎用材料としては、より安価で使いやすい低温焼成ペースト用銅微粒子が望まれている。
本発明者等は、さまざまな粒子径の銅微粒子を分散した塗膜で、焼成膜の焼結過程を誠意研究した結果、完成したもので、焼成温度250℃以下でも緻密な低抵抗銅焼成膜が形成できる焼成ペースト用銅微粒子、低温焼成ペーストを提供するものである。
本発明は、スクリーン印刷で配線パターンを樹脂基板上に塗布し、その後250℃以下の焼成温度、水素含有窒素ガス雰囲気の焼成工程で導電性焼成膜を形成する銅微粒子分散焼成ペーストにおいて、その構成成分の1つである銅微粒子が、平均粒子径40nm以下の銅微粒子が30〜70質量%と、該銅微粒子質量の少なくとも100倍以上の平均粒子径200〜800nmの銅微粒子が70〜30質量%であることを特徴とする、低温焼成ペースト用銅微粒子および、それを分散した低温焼成ペースト、導電性銅焼成膜の形成方法である。
本発明において、平均粒子径40nm以下の銅微粒子と平均粒子径200〜800nmの銅微粒子が、本発明の比率範囲内でペースト中に分散し、焼成膜が形成されることが最も重要である。本発明の平均粒子径40nm以下の銅微粒子は、ガス中蒸発法に代表される物理的気相法あるいは銅化合物を還元する液相還元法で製造したものが使用できる。好ましくは5〜40nmの銅微粒子が良い。平均粒子径が5nmより細かいと凝集力が非常に強く、均一分散するのが難しい。また、平均粒子径が40nmより大きくなると本発明の比率でも緻密な低抵抗焼成膜が形成されなく、焼成温度も高くなり好ましくない。
フェノール樹脂やエポキシ樹脂などの樹脂基板に焼成膜を形成する場合、樹脂物性を劣化させない220℃以下の焼成温度が好ましく、平均粒子径40nm以下の銅微粒子が良い。平均粒子径40nm以下の銅微粒子に加える粒子径の大きい銅微粒子は、細かい銅微粒子質量の100倍以上であり、平均粒子径200〜800nmであることが必要である。
平均粒子径200〜800nmの銅微粒子は液相法で銅化合物を還元析出する方法で量産されている。平均粒子径が200nmより大きい銅微粒子は、粒子間凝集が少ないので約30%の空隙率であるが、平均粒子径が100nmより細かい銅微粒子は、粒子同士の結合力が強く、ネットワーク状に凝集しているので、その空隙率は60%以上にもなっている。したがって、平均粒子径100nm以下の銅微粒子だけで焼成膜を形成すると、空隙率が大きいので、焼結工程で大きな焼結収縮が生じ、焼成膜に焼結収縮によるワレが生じ、緻密な膜とならず低抵抗焼成膜が形成されない。
平均粒子径40nm以下の銅微粒子30〜70質量%と、平均粒子径200〜800nmの銅微粒子70〜30質量%に配合分散することによって、塗膜中の銅微粒子の空隙率が改善され、緻密な焼成膜形成が可能となる。平均粒子径40nmの銅微粒子と質量差の少ない銅微粒子を配合しても、焼結収縮による塗膜面の亀裂が生じ、優れた導電性が得られない。細かい銅微粒子に対して大きい銅微粒子の質量が100倍以上であることは、塗膜空隙率の減少、焼成工程中の焼成膜温度分布、スクリーン印刷での流動特性なども改善され、低抵抗焼成膜が形成されると考えられる。質量が100倍以上の銅微粒子の平均粒子径は200〜800nmが良い。200nm未満であると緻密な焼成膜の形成が難しい。800nmを超える微粒子だと焼成温度が高くなると共に平滑な焼成膜面が得られず、ファインパターン回路形成においても微細な配線印刷が難しくなる。
平均粒子径40nm以下の銅微粒子が70質量%より多いと、焼成膜に焼結収縮による亀裂が多くなり、緻密な低抵抗焼成膜が形成できない。また、平均粒子径40nm以下の銅微粒子が30質量%より少ないと、焼成温度が高くなり樹脂基板への対応が難しくなり、焼成膜も凹凸が多くなり低抵抗焼成膜が形成できない。
本発明の配合比率に銅微粒子を調整する方法としては、それぞれの銅微粒子を計量し、ペースト作成時に加えても良い。しかし、銅微粒子の酸化防止や、粒子径が大きく異なる銅微粒子同士を均一分散するためには、あらかじめ銅微粒子を粘性液で湿潤、分散してペースト作成時に加える方法が良い。粘性液は銅微粒子の酸化や凝集を防止し、焼成膜がより低温で形成されやすい有機溶媒が好ましい。最適な粘性液としてはアルコールの一種のポリオールであるグリコールが良い。グリコールは加熱すると金属酸化物を還元する溶媒として良く知られている有機溶媒で、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールなどを挙げることができる。グリコール量は銅微粒子を湿潤被覆する量が好ましく、銅微粒子100質量部に対して5〜50質量部が良い。
本発明の低温焼成ペースト用銅微粒子を有機溶媒中に混練、分散して印刷用ペーストにして、スクリーン印刷で配線パターンを樹脂基板上に塗布し、その後250℃以下の焼成温度、水素含有窒素ガス雰囲気で加熱焼成すると、200nm〜800nmの銅微粒子が核となり、40nm以下の銅微粒子が融着しながら焼結しネットワークを構成し、焼結収縮ワレのない、均一な低抵抗焼成膜が得られている。本発明の銅微粒子を分散した低温焼成ペーストを用いて、フェノールあるいはエポキシ樹脂基板上に緻密な低抵抗焼成膜を形成する場合、樹脂の耐熱性から焼成温度は200〜220℃が良く、水素含有量50%以下の窒素ガス雰囲気で作製するのが良い。このように、焼成温度は樹脂基板の耐熱性にもよるが、250℃以下の低温でも緻密な銅焼成膜が形成できるようになった。低温焼成銅微粒子分散ペーストの組成としては、沸点の高いグリコール、鉱物油、合成油、植物油、流動パラフィンなどを粘度調整有機溶剤として用い、少量の有機ビヒクルを添加することで目的とする焼成膜物性にすることが可能である。この場合の有機ビヒクルとしてはエチルセルローズ、メチルセルローズ、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ロジン、ワックスなどを挙げることができる。
本発明の銅微粒子を分散した低温焼成ペーストは、250℃以下の焼成温度で緻密な低抵抗焼成膜が容易に形成でき、樹脂基板への対応も可能となった。また、平均粒子径が200nm以上の銅微粒子が使用できるので、ペーストの貯蔵安定性も向上し、より安価な低温焼成ペースが提供できるようになり、銀微粒子の代替だけでなく、様々な用途に使用できるようになった。
以下、本発明の実施の形態である実施例を説明する。
(実施例1)
液相還元法で製造した平均粒子径8nmの銅微粒子30質量部に、液相還元法で製造した平均粒子径210nmの銅微粒子70質量部を加え、湿潤剤としてエチレングリコール20質量部添加し、ミキサーで60rpm、20分間攪拌し、2種類の銅微粒子が均一分散した本発明の低温焼成ペースト用銅微粒子を作製した。このようにして作製した本発明の銅微粒子を分散した焼成ペーストの焼成膜特性評価を以下の方法で行った。作製した銅微粒子にエチレングリコール25質量部加えて混練、スクリーン印刷インキ用粘度に調整する。その後、エポキシ樹脂基板上にスクリーン印刷で配線パターンを塗布し、水素0.2L/min+窒素1L/min混合ガス雰囲気の焼成炉で、200℃で90分間加熱し、銅焼成膜を形成した。その結果、比抵抗4×10−5Ω・cmの緻密で平滑な低抵抗焼成膜が得られた。
(実施例2)
液相還元法で製造した平均粒子径8nmの銅微粒子50質量部に、液相還元法で製造した平均粒子径210nmの銅微粒子50質量部を加え、湿潤剤としてエチレングリコール20質量部添加し、ミキサーで60rpm、20分間攪拌し、2種類の銅微粒子が均一分散した本発明の低温焼成ペースト用銅微粒子を作製した。このようにして作製した本発明の銅微粒子を分散した焼成ペーストの焼成膜特性評価を以下の方法で行った。作製した銅微粒子にエチレングリコール30質量部加えて混練、スクリーン印刷インキ用粘度に調整する。その後、エポキシ樹脂基板上にスクリーン印刷で配線パターンを塗布し、水素0.2L/min+窒素1L/min混合ガス雰囲気の焼成炉で、200℃で90分間加熱し、銅焼成膜を形成した。その結果、比抵抗3×10−5Ω・cmの緻密で平滑な低抵抗焼成膜が得られた。
(実施例3)
液相還元法で製造した平均粒子径8nmの銅微粒子50質量部、液相還元法で製造した平均粒子径210nmの銅微粒子50質量部、エチレングリコール50質量部を加え、ミキサーで60rpm、90分間攪拌し本発明の銅微粒子分散ペーストを作製した。このようにして作製した本発明の銅微粒子分散ペーストの焼成膜特性評価を以下の方法で行った。エポキシ樹脂基板上にスクリーン印刷で配線パターンを塗布し、水素0.2L/min+窒素1L/min混合ガス雰囲気の焼成炉で、200℃で90分間加熱し、銅焼成膜を形成した。その結果、比抵抗6×10−5Ω・cmの緻密で平滑な低抵抗焼成膜が得られた。
(実施例4)
液相還元法で製造した平均粒子径8nmの銅微粒子70質量部に、液相還元法で製造した平均粒子径210nmの銅微粒子30質量部を加え、湿潤剤としてエチレングリコール20質量部添加し、ミキサーで60rpm、20分間攪拌し、2種類の銅微粒子が均一分散した本発明の低温焼成ペースト用銅微粒子を作製した。このようにして作製した本発明の銅微粒子を分散した焼成ペーストの焼成膜特性評価を以下の方法で行った。作製した銅微粒子にエチレングリコール35質量部加えて混練、スクリーン印刷インキ用粘度に調整する。その後、エポキシ樹脂基板上にスクリーン印刷で配線パターンを塗布し、水素0.2L/min+窒素1L/min混合ガス雰囲気の焼成炉で、200℃で90分間加熱し、銅焼成膜を形成した。その結果、小さい焼結収縮ワレが認められるが、比抵抗6×10−5Ω・cmの緻密な低抵抗焼成膜が得られた。エチレングリコールで湿潤した本発明の銅微粒子は凝集や酸化が少なく、10日間放置後も同じ比抵抗の焼成膜が形成できた。
(実施例5)
液相還元法で製造した平均粒子径13nmの銅微粒子30質量部に、液相還元法で製造した平均粒子径420nmの銅微粒子70質量部を加え、湿潤剤としてプロピレングリコール15質量部添加し、ミキサーで60rpm、20分間攪拌し、2種類の銅微粒子が均一分散した本発明の低温焼成ペースト用銅微粒子を作製した。このようにして作製した本発明の銅微粒子を分散した焼成ペーストの焼成膜特性評価を以下の方法で行った。作製した銅微粒子にプロピレングリコール30質量部加えて混練、スクリーン印刷インキ用粘度に調整する。その後、エポキシ樹脂基板上にスクリーン印刷で配線パターンを塗布し、水素0.5L/min+窒素1L/min混合ガス雰囲気の焼成炉で、200℃で90分間加熱し、銅焼成膜を形成した。その結果、比抵抗3.5×10−5Ω・cmの緻密で平滑な低抵抗焼成膜が得られた。
(実施例6)
液相還元法で製造した平均粒子径13nmの銅微粒子50質量部に、液相還元法で製造した平均粒子径420nmの銅微粒子50質量部を加え、湿潤剤としてプロピレングリコール15質量部添加し、ミキサーで60rpm、20分間攪拌し、2種類の銅微粒子が均一分散した本発明の低温焼成ペースト用銅微粒子を作製した。このようにして作製した本発明の銅微粒子を分散した焼成ペーストの焼成膜特性評価を以下の方法で行った。作製した銅微粒子にプロピレングリコール35質量部加えて混練、スクリーン印刷インキ用粘度に調整する。その後、エポキシ樹脂基板上にスクリーン印刷で配線パターンを塗布し、水素0.5L/min+窒素1L/min混合ガス雰囲気の焼成炉で、200℃で90分間加熱し、銅焼成膜を形成した。その結果、比抵抗2.5×10−5Ω・cmの緻密で平滑な低抵抗焼成膜が得られた。
(実施例7)
液相還元法で製造した平均粒子径13nmの銅微粒子70質量部に、液相還元法で製造した平均粒子径420nmの銅微粒子30質量部を加え、湿潤剤としてプロピレングリコール15質量部添加し、ミキサーで60rpm、20分間攪拌し、2種類の銅微粒子が均一分散した本発明の低温焼成ペースト用銅微粒子を作製した。このようにして作製した本発明の銅微粒子を分散した焼成ペーストの焼成膜特性評価を以下の方法で行った。作製した銅微粒子にプロピレングリコール40質量部加えて混練、スクリーン印刷インキ用粘度に調整する。その後、エポキシ樹脂基板上にスクリーン印刷で配線パターンを塗布し、水素0.5L/min+窒素1L/min混合ガス雰囲気の焼成炉で、200℃で90分間加熱し、銅焼成膜を形成した。その結果、小さい焼結収縮ワレが認められるが、比抵抗5×10−5Ω・cmの緻密な低抵抗焼成膜が得られた。プロピレングリコールで湿潤した本発明の銅微粒子は凝集や酸化が少なく、10日間放置後も同じ比抵抗の焼成膜が形成できた。
(実施例8)
液相還元法で製造した平均粒子径38nmの銅微粒子30質量部に、液相還元法で製造した平均粒子径210nmの銅微粒子70質量部を加え、湿潤剤としてプロピレングリコール15質量部添加し、ミキサーで60rpm、20分間攪拌し、2種類の銅微粒子が均一分散した本発明の低温焼成ペースト用銅微粒子を作製した。このようにして作製した本発明の銅微粒子を分散した焼成ペーストの焼成膜特性評価を以下の方法で行った。作製した銅微粒子にエチレングリコール25質量部加えて混練、スクリーン印刷インキ用粘度に調整する。その後、エポキシ樹脂基板上にスクリーン印刷で配線パターンを塗布し、水素0.5L/min+窒素1L/min混合ガス雰囲気の焼成炉で、200℃で90分間加熱し、銅焼成膜を形成した。その結果、比抵抗6×10−5Ω・cmの緻密で平滑な低抵抗焼成膜が得られた。
(実施例9)
液相還元法で製造した平均粒子径38nmの銅微粒子50質量部に、液相還元法で製造した平均粒子径210nmの銅微粒子50質量部を加え、湿潤剤としてプロピレングリコール15質量部添加し、ミキサーで60rpm、20分間攪拌し、2種類の銅微粒子が均一分散した本発明の低温焼成ペースト用銅微粒子を作製した。このようにして作製した本発明の銅微粒子を分散した焼成ペーストの焼成膜特性評価を以下の方法で行った。作製した銅微粒子にエチレングリコール30質量部加えて混練、スクリーン印刷インキ用粘度に調整する。その後、エポキシ樹脂基板上にスクリーン印刷で配線パターンを塗布し、水素0.5L/min+窒素1L/min混合ガス雰囲気の焼成炉で、200℃で90分間加熱し、銅焼成膜を形成した。その結果、比抵抗4.5×10−5Ω・cmの緻密で平滑な低抵抗焼成膜が得られた。
(実施例10)
液相還元法で製造した平均粒子径38nmの銅微粒子70質量部に、液相還元法で製造した平均粒子径210nmの銅微粒子30質量部を加え、湿潤剤としてプロピレングリコール15質量部添加し、ミキサーで60rpm、20分間攪拌し、2種類の銅微粒子が均一分散した本発明の低温焼成ペースト用銅微粒子を作製した。このようにして作製した本発明の銅微粒子を分散した焼成ペーストの焼成膜特性評価を以下の方法で行った。作製した銅微粒子にエチレングリコール30質量部加えて混練、スクリーン印刷インキ用粘度に調整する。その後、エポキシ樹脂基板上にスクリーン印刷で配線パターンを塗布し、水素0.5L/min+窒素1L/min混合ガス雰囲気の焼成炉で、200℃で90分間加熱し、銅焼成膜を形成した。その結果、小さい焼結収縮ワレが認められるが、比抵抗5×10−5Ω・cmの緻密な低抵抗焼成膜が得られた。
(実施例11)
液相還元法で製造した平均粒子径8nmの銅微粒子30質量部に、液相還元法で製造した平均粒子径750nmの銅微粒子70質量部を加え、湿潤剤としてエチレングリコール5質量部添加し、ミキサーで60rpm、20分間攪拌し、750nm銅微粒子に8nm銅微粒子を均一に被覆分散した本発明の低温焼成ペースト用銅微粒子を作製した。このようにして作製した本発明の銅微粒子を分散した焼成ペーストの焼成膜特性評価を以下の方法で行った。作製した銅微粒子にエチレングリコール30質量部加えて混練、スクリーン印刷インキ用粘度に調整する。その後、エポキシ樹脂基板上にスクリーン印刷で配線パターンを塗布し、水素0.5L/min+窒素1L/min混合ガス雰囲気の焼成炉で、200℃で90分間加熱し、銅焼成膜を形成した。その結果、比抵抗3.5×10−5Ω・cmの緻密で平滑な低抵抗焼成膜が得られた。
(実施例12)
液相還元法で製造した平均粒子径8nmの銅微粒子50質量部に、液相還元法で製造した平均粒子径750nmの銅微粒子50質量部を加え、湿潤剤としてエチレングリコール5質量部添加し、ミキサーで60rpm、20分間攪拌し、750nm銅微粒子に8nm銅微粒子を均一に被覆分散した本発明の低温焼成ペースト用銅微粒子を作製した。このようにして作製した本発明の銅微粒子を分散した焼成ペーストの焼成膜特性評価を以下の方法で行った。作製した銅微粒子にエチレングリコール35質量部加えて混練、スクリーン印刷インキ用粘度に調整する。その後、エポキシ樹脂基板上にスクリーン印刷で配線パターンを塗布し、水素0.5L/min+窒素1L/min混合ガス雰囲気の焼成炉で、200℃で90分間加熱し、銅焼成膜を形成した。その結果、比抵抗3×10−5Ω・cmの緻密で平滑な低抵抗焼成膜が得られた。
(実施例13)
液相還元法で製造した平均粒子径8nmの銅微粒子70質量部に、液相還元法で製造した平均粒子径750nmの銅微粒子30質量部を加え、湿潤剤としてエチレングリコール10質量部添加し、ミキサーで60rpm、20分間攪拌し、750nm銅微粒子に8nm銅微粒子を均一に被覆分散した本発明の低温焼成ペースト用銅微粒子を作製した。このようにして作製した本発明の銅微粒子を分散した焼成ペーストの焼成膜特性評価を以下の方法で行った。作製した銅微粒子にエチレングリコール35質量部加えて混練、スクリーン印刷インキ用粘度に調整する。その後、エポキシ樹脂基板上にスクリーン印刷で配線パターンを塗布し、水素0.5L/min+窒素1L/min混合ガス雰囲気の焼成炉で、200℃で90分間加熱し、銅焼成膜を形成した。その結果、小さい焼結収縮ワレが認められるが、比抵抗5×10−5Ω・cmの緻密な低抵抗焼成膜が得られた。
(実施例14)
液相還元法で製造した平均粒子径13nmの銅微粒子50質量部に、液相還元法で製造した平均粒子径420nmの銅微粒子50質量部を加え、湿潤剤としてプロピレングリコール15質量部添加し、ミキサーで60rpm、20分間攪拌し、2種類の銅微粒子が均一分散した本発明の低温焼成ペースト用銅微粒子を作製した。このようにして作製した本発明の銅微粒子を分散した焼成ペーストの焼成膜特性評価を以下の方法で行った。作製した銅微粒子にエチレングリコール35質量部とワックス1質量部加えて混練、スクリーン印刷用インキに調整する。その後、エポキシ樹脂基板上にスクリーン印刷で配線パターンを塗布し、水素0.5L/min+窒素1L/min混合ガス雰囲気の焼成炉で、200℃で90分間加熱し、銅焼成膜を形成した。その結果、比抵抗4×10−5Ω・cmの緻密で平滑な低抵抗焼成膜が得られた。
(比較例1)
実施例1で使用した平均粒子径8nmの銅微粒子100質量部をエチレングリコール60質量部に混合分散したペーストを作製し、実施例1と同じ方法で性能評価を行なった。エポキシ樹脂基板上にスクリーン印刷で配線パターンを塗布し、水素0.2L/min+窒素1L/min混合ガス雰囲気の焼成炉で、200℃で90分間加熱し、銅焼成膜を形成した結果、焼成膜面に多くの亀裂が認められ、比抵抗も9×10−4Ω・cmと悪いものであった。焼成条件が200℃で90分、水素0.5L/min+窒素1L/min混合ガス雰囲気では比抵抗5×10−3Ω・cmの焼成膜、焼成条件が220℃で90分、水素0.5L/min+窒素1L/min混合ガス雰囲気では比抵抗3×10−2Ω・cmと悪いものであり、焼成膜面は亀裂が長く、亀裂の幅もより広いものになっていた。
(比較例2)
実施例11で使用した平均粒子径750nmの銅微粒子100質量部をエチレングリコール25質量部に混合分散したペーストを作製し、実施例11と同じ方法で性能評価を行なった。エポキシ樹脂基板上にスクリーン印刷で配線パターンを塗布し、水素0.5L/min+窒素1L/min混合ガス雰囲気の焼成炉で、200℃で90分間加熱し、銅焼成膜を形成した結果、焼成膜が形成されず、比抵抗も10Ω・cmより悪いものであった。焼成条件が260℃で90分、水素1L/min+窒素1L/min混合ガス雰囲気では比抵抗8×10−3Ω・cmの焼成膜となるが、エポキシ樹脂の物性が劣化し電子機器配線用途には使用できないものであった。
(比較例3)
実施例5で使用した平均粒子径13nmの銅微粒子15質量部と、平均粒子径420nmの銅微粒子85質量部を、エチレングリコール40質量部に混合分散してスクリーン印刷用ペーストを作製し、実施例5と同じ方法で性能評価を行った。エポキシ樹脂基板上にスクリーン印刷で配線パターンを塗布し、水素0.5L/min+窒素1L/min混合ガス雰囲気の焼成炉で、200℃で90分間加熱し、銅焼成膜を形成した。その結果、焼結ムラの多い焼成膜となり、気孔の多い焼成となり、比抵抗も6×10−4Ω・cmと悪いものであった。
(比較例4)
実施例5で使用した平均粒子径13nmの銅微粒子85質量部と、平均粒子径420nmの銅微粒子15質量部を、エチレングリコール60質量部に混合分散してスクリーン印刷用ペーストを作製し、実施例5と同じ方法で性能評価を行った。エポキシ樹脂基板上にスクリーン印刷で配線パターンを塗布し、水素0.5L/min+窒素1L/min混合ガス雰囲気の焼成炉で、200℃で90分間加熱し、銅焼成膜を形成した。その結果、焼成膜に細かい亀裂が非常に多く認められ、比抵抗も8×10−4Ω・cmと悪いものであった。
本発明の銅微粒子を分散したペーストは、250℃以下の焼成温度でも緻密な低抵抗銅焼成膜が得られる。しかも、従来までの100nm以下の銅微粒子を分散したペーストより大きな銅微粒子が使用可能となり、より安価で、しかも酸化や凝集の少ない焼成用ペーストとなった。本発明の銅微粒子分散ペーストを利用してスクリーン印刷で樹脂基板上に厚膜低抵抗焼成回路を形成することで、銅箔エッチングによる回路形成より製造プロセスが簡素化でき、大幅なコストダウンと共に、優れた導電性を示すことから印刷プロセスだけで全ての電子回路形成も可能となった。

Claims (2)

  1. スクリーン印刷で配線パターンを基板上に塗布し、その後焼成工程で導電性焼成膜を形成する銅微粒子分散焼成ペーストにおいて、その構成成分の1つである銅微粒子が、平均粒子径40nm以下の銅微粒子が30〜70質量%と、該銅微粒子質量の少なくとも100倍以上の平均粒子径200〜800nmの銅微粒子が70〜30質量%であることを特徴とする、低温焼成ペースト用銅微粒子。
  2. 平均粒子径40nm以下の銅微粒子が30〜70質量%と、該銅微粒子質量の少なくとも100倍以上の平均粒子径200〜800nmの銅微粒子が70〜30質量%である低温焼成ペースト用銅微粒子が、グリコールで湿潤被覆されていることを特徴とする請求項1記載の低温焼成ペースト用銅微粒子。
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