JPH11310143A - パワーステアリング装置 - Google Patents

パワーステアリング装置

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JPH11310143A
JPH11310143A JP11929898A JP11929898A JPH11310143A JP H11310143 A JPH11310143 A JP H11310143A JP 11929898 A JP11929898 A JP 11929898A JP 11929898 A JP11929898 A JP 11929898A JP H11310143 A JPH11310143 A JP H11310143A
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JP
Japan
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steering
hydraulic pressure
assisting
rigidity
load
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Application number
JP11929898A
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English (en)
Inventor
Mizuho Sugiyama
瑞穂 杉山
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パワーステアリング装置において、剛性補正
手段を追加し、助勢手段から出された液圧を前記剛性補
正手段に与えることにより、操舵車輪とサスペンション
とパワーステアリング装置とで決まる前記操舵車輪の逆
入力剛性を制御することによって、車両の操舵特性を制
御することを目的とする。 【構成】 剛性補正手段180の液圧室182、184
は助勢手段本体142の液圧室152、150と連通し
ている。ステアリングギヤボックス146はグロメット
170によって左右方向に剛性を持って車体に取付られ
ており、同時に剛性補正手段180のピストン185に
連結されたピストンロッド186を介して助勢手段取付
部材172に連結されている。従って助勢手段本体14
2に作用される液圧が剛性補正手段180へ作用し、逆
入力モーメントに対して緩和するように助勢手段本体1
42に荷重を作用させるので、車両の操舵特性を制御可
能とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】車両のパワーステアリング装
置のステアリングホイールからの操舵トルクを操舵車輪
に伝える際に、伝達する荷重を助勢する助勢手段の車体
への取付剛性を変化させるパワーステアリング装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】車両のパワーステアリング装置のステア
リングホイールからの操舵トルクを操舵車輪に伝える際
に、伝達する荷重を助勢する助勢手段に係わり、且つ前
記助勢手段以外の液圧シリンダを設けて前記助勢手段の
車体への取付剛性を制御しようとしたものとして、特開
平5−139330号公報がある。この内容について以
下に述べる。
【0003】図6において、ステアリングホイール10
はステアリングリンク14に取り付けられている。ステ
アリングリンク14はシャフト16と自在継手18で構
成されており、ロータリバルブ40を介して出力シャフ
ト20の下方先端にはピニオン24が形成されている。
ピニオン24はラックバー28の一部に形成されたラッ
ク26に嵌合していて、ステアリングホイール10の回
転運動はラックバー28の直線運動に変換される。この
ラックバー28の動きはタイロッド30、ナックル32
を介して操舵車輪34に伝達され、操舵車輪34をステ
アリングホイール10の回転量に応じて回動させる機構
となっている。前記ステアリングリンク14からピニオ
ン24、ラックバー28を経由し操舵車輪34に至る機
械的に回転を伝達する部品で構成されているのが、回転
伝達装置である。
【0004】前記ロータリバルブ40、ピニオン24、
ラック26、パワーピストン58等はステアリングギヤ
ボックス46内に納められていて、これらの部材とステ
アリングギヤボックス46等で助勢手段本体42を構成
している。操舵車輪34を回動させるべくステアリング
ホイール10が回転された時には、ステアリングリンク
14が回転され、出力シャフト20の回転抵抗によりロ
ータリバルブ40内のトーションバー(図示していな
い)が捩じられ、ステアリングリンク14とロータリバ
ルブ40内のバルブ(図示していない)との間に相対回
転が生じて前記バルブが切り替わり、パワーシリンダ4
2内の2個の液圧室50、52のうちの一方にポンプ4
4からの高液圧が供給され、他方はリザーバ56に連通
される。液圧室50と52との液圧に差が生じるので、
パワーピストン58が左右方向のどちらかに移動され
る。このパワーピストン58はラックバー28に連結さ
れているので、ラックバー28は左右方向に助勢された
荷重が加えられ移動される。
【0005】前記ステアリングギヤボックス46は、一
対のグロメット70を介して車体60に支持されてい
る。このグロメット70は左右方向には移動が容易であ
るが、その他の方向の移動はほぼ阻止する。
【0006】前記ステアリングギヤボックス46はま
た、支持剛性制御シリンダ74を介して車体60に連結
されている。支持剛性制御用シリンダ74のシリンダ7
6は、取付部材78および継手80によって車体60に
回動可能に連結されている。シリンダ76内で移動可能
なピストン98に連結されたピストンロッド82の突出
端部は、ステアリングギヤボックス46に固定された取
付部材84に継手86を介して回動可能に連結されてい
る。
【0007】前記支持剛性制御用シリンダ74の液圧室
90と92とは電磁流量絞り弁96を介して液通路94
によって連結されている。この電磁流量絞り弁96の絞
り量が変えられることによって、液圧室90と92との
間を流れる作動液の流量が変わり、液圧室90と92と
を仕切るピストン98の移動の容易さが変わってステア
リングギヤボックス46の支持剛性に作用する。
【0008】操舵車輪34に対して路面から加えられる
負荷の変化に応じて電磁流量絞り弁96の流量を制御し
てやれば、車体60のステアリングギヤボックス46へ
の左右方向の支持剛性を制御できる。従って路面が凹凸
となっている悪路を走行するような場合には、電磁流量
絞り弁96の絞りを緩めてやることにより前記支持剛性
を低くでき、ステアリングホイール10が路面に過敏に
反応しなくなる。即ち操舵車輪34が回動させられて
も、ステアリングホイール10は回転しないか、あるい
は回転が少なくて済む。従って悪路を走行する場合に操
舵車輪34の振動的な回動が、操舵車輪34とステアリ
ングホイール10との相対回転によって吸収され、ステ
アリングホイール10への伝達が抑制されるので操舵フ
ィーリングが向上する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の技術
のパワーステアリング装置において操舵時に働く荷重に
ついて述べる。図2に本発明のパワーステアリング装置
の特性解析用のモデルを示してある。図6に示した従来
の技術の場合についても、力の関係の解析用としては流
用可能なので、図2において符号の右肩に 'を付けて流
用し説明する。
【0010】車両が旋回している時には前記操舵車輪3
4の操舵逆入力モーメントM’により、操舵車輪34を
押し戻そうとする荷重が働き、ナックル32、タイロッ
ド30を介してラック26、ラックバー28に荷重F'
が働くが、この荷重F’に抗してラックバー28には液
圧による助勢荷重Fp'が作用するのであるが、ステアリ
ングホイール10の操作荷重が大きくならないために、
助勢荷重Fp'は荷重F' に対して非線形な特性を示すよ
うになっている。即ち、据え切りのような場合は助勢荷
重Fp'は荷重F' に対して大きくなるが、高速走行のよ
うな場合には助勢荷重Fp'は荷重F' に対して小さくし
ている。このことはステアリングギヤボックス46は逆
入力モーメントが大きくなると、逆入力剛性が上がると
いうことであり、車両が旋回して横加速度が大きくなる
に従って前輪の操舵車輪34の等価コーナリングパワー
が増加し、車両の操舵特性がオーバステア側になるとい
うことである。このように従来の技術のパワーステアリ
ング装置においては操舵特性は前述の特性のみとなり制
御の自由度がないという問題があった。
【0011】そこで前述の事情に鑑みて、本発明は車両
の旋回時の操舵特性を制御できるパワーステアリング装
置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段と効果】前述の課題を解決
するために以下の手段を提供する。請求項1に記載の発
明は、車両のステアリングホイールと、該ステアリング
ホイールの回転を車輪に伝達する回転伝達装置と、前記
ステアリングホイールからの操舵トルクに応じて液圧を
制御し該操舵トルクを助勢する助勢手段とを有するパワ
ーステアリング装置において、前記助勢手段を構成し且
つ助勢荷重を作用させる助勢手段本体からの液圧に応じ
て該助勢手段本体に対して荷重を負荷する剛性補正手段
を設けることを特徴とするパワーステアリング装置であ
る。
【0013】このようなパワーステアリング装置であれ
ば、車両の旋回時に前記剛性補正手段が前記助勢手段か
らの液圧によって車体への取り付けられている前記助勢
手段本体に荷重を負荷することができる。従って逆入力
の負荷荷重に対して荷重の増減を与えることができるこ
とになり逆入力剛性を制御できるので、車両の旋回時の
操舵特性を制御にできる優れた効果がある。
【0014】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のパワーステアリング装置において、前記助勢手段本体
に対する荷重を選択的に負荷するべく液圧を制御する制
御装置を、前記助勢手段本体と前記剛性補正手段とを連
結する液圧の回路の途中に設けることを特徴とするパワ
ーステアリング装置である。
【0015】このようなパワーステアリング装置であれ
ば、前記助勢手段と前記剛性補正手段との途中に前記制
御装置が設けられていて、前記助勢手段からの前記液圧
が制御され前記剛性補正手段に作用される。従って前記
剛性補正手段から前記助勢手段本体に対して選択的に荷
重を負荷できるので、逆入力剛性の制御の選択の幅が増
し前記車両の操舵特性の選択の幅が増すという優れた効
果がある。
【0016】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
のパワーステアリング装置において、前記助勢手段本体
内に具備されたパワーピストンの受液圧面積と剛性補正
手段のピストンの受液圧面積との比を選択することによ
って、車輪からの逆入力に対する剛性である逆入力剛性
が車輪からの逆入力による負荷荷重に依存せずに一定か
あるいは依存が少なく一定に近い特性を有することを特
徴とするパワーステアリング装置である。
【0017】このようなパワーステアリング装置であれ
ば、前記助勢手段の助勢手段本体のパワーピストンの受
液圧面積と剛性補正手段のピストンの受液圧面積との比
を選択するという簡単な手段によって、逆入力剛性が車
輪からの逆入力による負荷荷重に依存せずに一定かある
いは依存が少なく一定に近い特性にすることができるの
で、前記車両の旋回時において操舵特性を制御にできる
という優れた効果を有する。
【0018】請求項4に記載の発明は、請求項2に記載
のパワーステアリング装置において、車両の走行状態を
示す信号かあるいは運転者からの信号を前記制御装置に
伝達し、前記信号によって前記制御装置から前記剛性補
正手段へ作用させる液圧を制御する信号発信装置を備え
ることを特徴とするパワーステアリング装置である。
【0019】このようなパワーステアリング装置であれ
ば、車両の走行状態を示す信号かあるいは運転者からの
信号を前記制御装置に伝達し、前記信号によって前記制
御装置から前記剛性補正手段へ作用させる液圧を制御す
ることによって、前記剛性補正手段による前記取付剛性
を選択的に制御することができるので、前記車両の走行
状態によりあるいは運転者の意思に応じて、前記車両の
旋回時の操舵特性を選べるという優れた効果がある。
【0020】以上より本発明のパワーステアリング装置
は、車両の旋回時の操舵特性を制御できるので本発明の
目的が達成される。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態のパワ
ーステアリング装置について図1を用いて説明する。ス
テアリングホイール110はステアリングリンク114
に取り付けられている。ステアリングリンク114はシ
ャフト116と自在継手118で構成されており、ロー
タリバルブ140を介して出力シャフト120の下方先
端にはピニオン124が形成されている。ピニオン12
4はラックバー128の一部に形成されたラック126
に嵌合していて、ステアリングホイール110の回転運
動はラックバー128の直線運動に変換される。このラ
ックバー128の左右方向の動きはタイロッド130、
ナックル132を介して操舵車輪134に伝達され、操
舵車輪134をステアリングホイール110の回転量に
応じて回動させる機構となっている。前記ステアリング
リンク114からピニオン124、ラックバー128を
経由し操舵車輪134に至る機械的に回転を伝達する部
品で構成されているのが、回転伝達装置である。
【0022】図1についてはラック126とピニオン1
24を使用するいわゆるラックアンドピニオン方式のス
テアリングギヤ装置となっているが、本発明のパワース
テアリング装置は必ずしもこのラックアンドピニオン方
式に限定されるものではなく、例えばリサキュレーティ
ングボール方式への採用も可能である。
【0023】前記ロータリバルブ140、ピニオン12
4、ラック126、パワーピストン158等はステアリ
ングギヤボックス146内に納められていて、これらと
図示していないポンプ、リザーバ等で助勢手段を構成し
ている。またステアリングギヤボックス146とその内
部の部材で助勢手段本体142を構成している。操舵車
輪134を回動させるべくステアリングホイール110
が回転された時には、ステアリングリンク114が回転
され、出力シャフト120の回転抵抗によりロータリバ
ルブ140内のトーションバー(図示していない)が捩
じられ、ステアリングシャフト114とロータリバルブ
140内のバルブ(図示していない)との間に相対回転
が生じて前記バルブが切り替わり、助勢手段本体142
内の2個の液圧室150、152のうちの一方にポンプ
(図示していない)からの高液圧がロータリバルブ14
0で制御されて供給され、他方はロータリバルブ140
を介してリザーバ(図示していない)に戻される。従っ
て液圧室150と152とではどちらかが高液圧になり
他方が低液圧になるので、液圧が作用するパワーピスト
ン158は左右方向のどちらかに助勢荷重が作用する。
このパワーピストン158はラックバー128に固定し
て連結されているので、ラックバー128に左右方向の
助勢荷重を作用させるわけである。このようにステアリ
ングホイール110からの操舵トルクに応じて液圧を制
御し、この操舵トルクを助勢手段が助勢してラックバー
128を介して操舵車輪134に作用させる。
【0024】前記ステアリングギヤボックス146は、
一対のグロメット170を介して車体160に支持され
ている。このグロメット170は左右方向には移動が容
易であるが、その他の方向の移動はほぼ阻止する。従っ
てステアリングギヤボックス146の左右方向の剛性、
即ち助勢手段本体142の左右方向の剛性を決める要素
となっている。ここでの車体への支持剛性とは左右方向
の剛性を指している。
【0025】前記ステアリングギヤボックス146はま
た、剛性補正手段180を介して車体160に連結され
ている。即ち剛性補正手段180の剛性補正手段シリン
ダ188は、取付部材187および継手189によって
車体160に回動可能に連結されていると共に、剛性補
正手段シリンダ188内で移動可能なピストン185に
固定し連結されたピストンロッド186の突出端部は、
ステアリングギヤボックス146に固定された剛性補正
手段取付部材172に継手174を介して回動可能に連
結されている。
【0026】前記剛性補正手段シリンダ188の液圧室
182と184はピストン185によって仕切られてい
るので、液圧は互いに遮断されている。液圧室182は
液通路196によって助勢手段本体142の液圧室15
2に連通している。また液圧室184は液通路198に
よって助勢手段本体142の液圧室150に連通してい
る。この液通路196と198とは図1に示すように左
右方向でクロスしている。従って液圧室150あるいは
152の液圧が高くなると、ラックバー128の作用す
る助勢荷重の方向とは逆向きにピストン185に液圧に
よる荷重が作用する。このピストン185への荷重はピ
ストンロッド186を介して助勢補正手段取付部材17
2に作用する。そのため助勢手段の助勢荷重に応じてス
テアリングギヤボックス146の支持剛性に作用するこ
とになる。このように剛性補正手段180は剛性補正手
段シリンダ188、ピストン185、ピストンロッド1
86、助勢補正手段取付部材172等で構成されてい
る。
【0027】この剛性補正手段180からの左右方向の
荷重が助勢手段本体142に作用し、パワーステアリン
グ装置の車体への取付剛性に作用を及ぼすことから、車
両の旋回時において安定側の操舵特性が得られることに
ついて、次に説明する。図2において、助勢手段本体1
42による助勢荷重をFp 、剛性補正手段180による
助勢補正手段取付部材172を介して助勢手段本体14
2へ作用する助勢補正荷重をFa とする。操舵車輪13
4が操舵されている時には操舵車輪134には、これに
抗する逆入力モーメントMが働く。この逆入力モーメン
トMの作用によって、ナックル132、タイロッド13
0を介して助勢手段シリンダ142内のラック126に
は逆入力による負荷荷重Fが働くとすると、ナックル1
32の有効ナックルアーム長さをLとして、 M=F・L ・・・・・・ (1) 操舵車輪134は前記逆入力モーメントMによって操舵
角度がθだけ押し戻される。従って逆入力剛性(逆入力
モーメントに対応して変化するパワーステアリング装置
の車体に対する剛性のこと)をKとすると、 K=M/θ ・・・・・・ (2) と表される。
【0028】またピニオン124の有効ピニオン半径を
r、ステアリングリンク114のステアリングリンク剛
性をKs 、ロータリバルブ140内のトーションバーの
トーションバー剛性をKt 、助勢手段本体142の支持
剛性即ちステアリングギヤボックス146の支持剛性を
Kb とすると、(1)のKは次式で表される。 K=L2 /{(1+α・a)/Kb +(1−a)・(r2/Kt +r2/Ks )} ・・・・・・(3) ここで、 α・a=Fp /F ・・・・・・(4) であり、また助勢手段本体142のパワーピストン15
8の受圧面積をSp 、剛性補正手段180のピストン1
85の受圧面積をSa として、 α=Sa /Sp ・・・・・・(5) である。
【0029】一方従来の技術の場合には、助勢手段シリ
ンダに相当するパワーシリンダ42に対して、車体への
支持剛性を旋回時において補正する荷重は作用しない。
第1の実施の形態の説明用の図2の符号に、' を付けて
そのまま流用できるので、 M' =F' ・L ・・・・・・ (6) K' =M' /θ' ・・・・・・ (7) K' =L2/{1/ Kb +(1−a' )(r2/Kt +r2/Ks )}・・・(8) と表される。ここで、 a' =Fp'/F' ・・・・・ (9) である。
【0030】次に負荷荷重F (F')と助勢荷重Fp ( F
p') との関係を表すと、図4の如きグラフになる。この
グラフに示すように、パワーステアリング装置の助勢荷
重の制御は、高速走行にて、小さな旋回しかしないよう
な時には逆入力モーメントが小さいので助勢荷重は小さ
く抑えるが、低速走行時に据え切りのように逆入力モー
メントが大きい時には、助勢荷重は大きく取られ、非線
形の関係になっている。このような制御にしてやらない
と、運転者が操作するステアリングホイール10や11
0の操作力は逆入力モーメントが小さい時に軽すぎてし
まったり、逆に逆入力モーメントが大きい時に重くなり
過ぎてしまったりするからである。
【0031】従来の技術の場合についてまず述べる。逆
入力モーメントM' が大きくなる時、即ち負荷荷重F'
が大きくなる時は、図4よりFp'はF' に対して非線形
の関係にあって、(9)式よりa' は大きくなる。従っ
て(8)式から分かるように、逆入力剛性K' は、大き
くなる。ここで一般に逆入力剛性Kと等価コーナリング
パワーCp との関係及び、車両の操舵の安定性を支配す
るファクターであるスタビリティ・ファクターfと逆入
力剛性Kとの関係はそれぞれ次式で示される。(ここで
は従来の技術と本実施の形態との区別をしないで符号に
'を付けずに扱うことにする) Cp =Cp0/{1+β/(L・K)} ・・・・・・(10) f=(Wf /Cpf−Wf/Cpr)/(d・g)・・・・(11) ここでCp は車輪の等価コーナリングパワー、Cp0はタ
イヤ単体でのコーナリングパワー、Lは前述の有効ナッ
クルアーム長さ、βはキャスタトレールとニューマチッ
クトレールの和である。またWf は前輪側の軸荷重、W
r は後輪側の軸荷重、Cpfは前輪の等価コーナリングパ
ワー、Cprは後輪の等価コーナリングパワー、dはホイ
ールベース、gは重力加速度である。従ってこの従来の
技術の場合は逆入力モーメントM' が大きくなるに連れ
て、逆入力剛性K' は大きくなり、それに連れて(1
0)式に 'を付けた場合を考えることにより車輪の等価
コーナリングパワーCp'が大きくなってゆく。この場合
車輪については操舵輪である前輪を考えているので、等
価コーナリングパワーCp は前輪の等価コーナリングパ
ワーCpf' となるが、このCpf’が大きくなると、(1
1)よりスタビリティ・ファクターfは小さくなる。
(11)式において、fが小ということは車両の操舵特
性がオーバーステア側になり、fが大になるということ
はアンダーステア側になることを意味するので、従来の
技術の場合にはオーバーステア側に移行してゆくことに
なる。
【0032】これに対して、第1の実施の形態の場合は
逆入力剛性Kを求める(3)式には(8)式の分母に対
して異なる点としてα・aがマイナスのaを打ち消すよ
うに作用している。従ってaが(4)式で示され、また
図4に示されるように非線形であっても、逆入力剛性は
従来の技術のものほどは大きくならない。ということは
前述の反対のことが言えて旋回時において等価コーナリ
ングフォースがどんどんと大きくならないということで
あり、前記車両が旋回時にあまりオーバステア側になら
ず、操舵特性を変化させることができたことを意味す
る。
【0033】この第1の実施の形態のパワーステアリン
グ装置において、逆入力剛性Kを一定として、剛性の変
化がないようにしようとすれば、(3)式から、 α=r2 Kb(1/Kt +1/Ks )=Sa /Sp ・・・・(12) が成り立つような関係にしてやれば良い。この時は逆入
力剛性Kを一定にできる。このような関係について示し
たグラフが図5である。横軸に逆入力モーメントMによ
る負荷荷重Fを取り、また縦軸に逆入力剛性Kを取り、
従来の技術のパワーステアリング装置を点線の曲線A
で、また第1の実施の形態のパワーステアリング装置を
一定な値の直線Dと、Aより緩和されて付加荷重Fに対
して少し逆入力剛性の上がる曲線Cとの間の斜線で示さ
れる範囲に示す。第1の実施の形態で前述したSa とS
p との関係の与え方によって曲線Bとすることもできる
し、(12)式のように諸元を選定すれば直線Dとする
ことも可能である。
【0034】図3に第2の実施の形態のパワーステアリ
ング装置について示すが、この場合は剛性補正手段28
0の液圧室282と284との液圧を制御する制御装置
300が更に追加された構造になっている。従って前記
剛性補正手段280の制御が前述の第1の実施の形態で
述べたような助勢手段本体142からの液圧を直接作用
させるのではなく、この制御装置300によって制御し
て、制御された液圧を液通路296から液圧室282
へ、また液通路297から液圧室284へ作用させると
いう点で第1の実施の形態と異なっている。基本的な作
用については、前述の第1の実施の形態のパワーステア
リング装置で述べたものと同じであるから、ここでは省
略し、異なるこの制御装置300についてのみ説明す
る。なお参考のために図3では各部材の符号は図1に対
応して同じ部材には下2桁は同一にして200番台の数
字を付けておき、制御装置300の中については300
番台の数字を新しく付けることとする。
【0035】制御装置300は図3の一点鎖線の枠内に
示す制御バルブ装置370と切替バルブ350、360
で構成されている。制御バルブ装置370はバルブボデ
ィ340内のスプリング308、制御バルブ302、ソ
レノイド330、ソレノイドバルブ332等で成り立っ
ている。制御バルブ302は2つのランド304と30
6を有する形状をしており、それぞれのランド304と
306とバルブボディ340とによって、スプリング3
08のあるチャンバ320及びランド304と306と
の間に形成されるチャンバ322、更にランド306と
バルブボディ340とで形成するチャンバ324が形成
されている。スプリング308は制御バルブ302のラ
ンド304へ付勢力を与えるので、チャンバ324に高
い液圧が作用していない時は、図3に示すように制御バ
ルブ302を右方に位置させている。
【0036】このような状態においては、チャンバ32
0を介してポート310とポート312は連通されてい
る。またポート314とポート316はチャンバ322
を介して連通されている。チャンバ324に連通されて
いるポート318は、制御装置300に含まれる切替バ
ルブ350を介して図示しないリザーバに連通されてい
る。また液通路297の途中は分岐して制御装置300
に含まれる切替バルブ360を介してやはり前記リザー
バに連通されているが、剛性補正手段280の液圧室2
84に高液圧が導かれている状態では切替バルブ360
は閉じられているので、液圧が前記リザーバへ戻される
ことはなく、助勢手段本体242の助勢荷重を与える液
圧室250の液圧はそのまま剛性補正手段280の液圧
室284に作用される。ポート310は液通路295に
連通し、ポート314は液通路293に連通しており、
またポート312は液通路296に、ポート316は液
通路297に連通している。
【0037】ソレノイドバルブ332の先端部338
は、バルブボディ340に設けられているポート326
のバルブ座342にスプリング334の付勢力によって
押し付けられている。ポート326には図示していない
ポンプからの高液圧が来ているわけであるが、ソレノイ
ド330に電圧が印加されない時は、ポート326は閉
じられるので、チャンバ324には液圧の発生はない。
ソレノイド330に電圧の印加がない時は同時に切替バ
ルブ350にも電圧の印加はなくポート318は図示し
ていないリザーバタンクに連通されているので、チャン
バー324には残圧のない状態となっている。この時は
前述のように制御バルブ302はスプリング308の付
勢力によって右方へ位置されているので、液通路295
はポート310、312を介して液通路296と連通さ
れる。また液通路293はポート314、316を介し
て液通路297に連通されている。このような状態は第
1の実施の形態で述べた図1と同様であって、助勢荷重
を与える助勢手段本体242内の液圧室250の高液圧
となる液圧を剛性補正手段280の液圧室284へ、ま
た剛性補正手段280の液圧室282を助勢手段本体2
42内の液圧室252と連通しリザーバへ導く。
【0038】ここでソレノイド330に電圧が印加され
ると、同時に切替バルブ350も切り替えられ閉じられ
るのであるが、ソレノイドバルブ332がスプリング3
34に抗してバルブ座342から離される。するとポー
ト326が開放されるのでチャンバ324には高液圧が
導かれる。すると制御バルブ302はスプリング308
の付勢力に抗して左方に移動される。このために、ポー
ト312はランド304によって閉じられ、またポート
316はランド306によって閉じられる。また切替バ
ルブ360は連通状態となるので、高液圧が導かれてい
た液圧室284は液通路297から切替バルブ360を
介して前記リザーバへ連通され、残圧がない状態とな
る。
【0039】このように前記制御装置300は前記助勢
手段本体242と前記剛性補正手段280との液圧の回
路の途中に設けられている。そして何らかの信号に基づ
いて前記制御装置300を制御し、助勢手段からの液圧
をカットするとかしないとかの制御をしてから、剛性補
正手段280に作用させることによって、本パワーステ
アリング装置の車体に対する取り付けに対して荷重を選
択的に制御して負荷することが可能となり、前記車両の
操舵特性の選択の幅が増すという優れた効果がある。
【0040】また車速の信号を入れてやる制御を行え
ば、例えば低速の時には図5のグラフにおいて従来通り
のAの曲線を選び、高速になるとBの直線を選ぶという
ことが可能となる。このように低速でむしろ車両が曲が
り易くなってほしい時には、操舵特性が不安定側にゆか
ない範囲において、曲がり易くし、高速になって車両が
曲がり易くなってほしくない時には、そのような特性に
するという制御が可能となり、自由度が増すという優れ
た効果がある。
【0041】これとは別に車両の走行状態例えば車両の
ヨーレートを信号として発生させる信号発信装置を設け
て、前記制御装置を制御することも可能である。また更
に別のやり方として運転者の要望に応じて操舵特性が不
安定側にゆかない範囲において、オーバーステア側かあ
るいはアンダーステア側に制御可能とするためにスイッ
チを設けてやり、その信号を前記制御装置に伝達するこ
とも可能である。
【0042】前述の制御装置300では剛性補正手段2
80に作用させる液圧を連通させるかカットするかとい
う制御を主体としたものであったが、車速の信号に基づ
いて剛性補正手段280へ作用させる液圧をリニアに変
化させるように、リニアバルブを採用する制御であって
も良い。この場合は前述のものより更にきめ細かく前記
取付剛性を制御できるようになるという効果がある。即
ち図5に示す逆入力剛性のグラフにおいて曲線Aから直
線D迄の範囲とかあるいは曲線Cから直線D迄の範囲を
信号によって選ぶことが可能で、走行条件に応じて操舵
特性を変化させることが自在に可能となる優れた効果が
ある。
【0043】いずれにせよ、本発明のパワーステアリン
グ装置は、ステアリングホイールの保舵力を適当な重さ
に維持しつつ、車両の旋回時の操舵特性を制御すること
ができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態のパワーステアリ
ング装置の構成概念図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態のパワーステアリ
ング装置の特性解析用のモデルである。
【図3】 本発明の第2の実施の形態のパワーステアリ
ング装置の構成概念図である。
【図4】 逆入力モーメントによる負荷荷重(F)と助
勢手段の助勢荷重(Fp)との関係を示すグラフであ
る。
【図5】 逆入力モーメントによる負荷荷重(F)と逆
入力剛性(K)との関係を示すグラフである。
【図6】 従来の技術のパワーステアリング装置の構成
概念図である。
【符号の説明】
10、110・・・ステアリングホイール 14、114・・・ステアリングシャフト 16、116・・・リンク 18、118・・・自在継手 20、120・・・出力シャフト 24、124、224・・・ピニオン 26、126、226・・・ラック 28、128、228・・・ラックバー 30、130・・・タイロッド 32、132・・・ナックル 34、134・・・操舵車輪 42、142、242・・・助勢手段本体 46、146、246・・・ステアリングギヤボックス 50、52、150、152、250、252、18
2、184、282、284・・・液圧室 58、158、258・・・パワーピストン 60、160、260・・・車体 70、170、270・・・グロメット 74・・・支持剛性制御用シリンダ 84・・・取付部材 96・・・電磁流量絞り弁 172、272・・・剛性補正手段取付部材 180、280・・・剛性補正手段 185、285・・・ピストン 188、288・・・剛性補正手段シリンダ 300・・・制御装置 302・・・制御バルブ 308、334・・・スプリング 304、306・・・ランド 320、322、324・・・チャンバ 310、312、314、316、318、326・・
・ポート 330・・・ソレノイド 332・・・ソレノイドバルブ 340・・・バルブボディ 350、360・・・切替バルブ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のステアリングホイールと、該ステ
    アリングホイールの回転を車輪に伝達する回転伝達装置
    と、前記ステアリングホイールからの操舵トルクに応じ
    て液圧を制御し該操舵トルクを助勢する助勢手段とを有
    するパワーステアリング装置において、前記助勢手段を
    構成し且つ助勢荷重を作用させる助勢手段本体からの液
    圧に応じて該助勢手段本体に対して荷重を負荷する剛性
    補正手段を設けることを特徴とするパワーステアリング
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のパワーステアリング装
    置において、前記助勢手段本体に対する荷重を選択的に
    負荷するべく液圧を制御する制御装置を、前記助勢手段
    本体と前記剛性補正手段とを連結する液圧の回路の途中
    に設けることを特徴とするパワーステアリング装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のパワーステアリング装
    置において、前記助勢手段本体内に具備されたパワーピ
    ストンの受液圧面積と剛性補正手段のピストンの受液圧
    面積との比を選択することによって、車輪からの逆入力
    に対する剛性である逆入力剛性が車輪からの逆入力によ
    る負荷荷重に依存せずに一定かあるいは依存が少なく一
    定に近い特性を有することを特徴とするパワーステアリ
    ング装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載のパワーステアリング装
    置において、車両の走行状態を示す信号かあるいは運転
    者からの信号を前記制御装置に伝達し、前記信号によっ
    て前記制御装置から前記剛性補正手段へ作用させる液圧
    を制御する信号発信装置を備えることを特徴とするパワ
    ーステアリング装置。
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