JPH11310023A - 空調装置 - Google Patents

空調装置

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JPH11310023A
JPH11310023A JP10117416A JP11741698A JPH11310023A JP H11310023 A JPH11310023 A JP H11310023A JP 10117416 A JP10117416 A JP 10117416A JP 11741698 A JP11741698 A JP 11741698A JP H11310023 A JPH11310023 A JP H11310023A
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JP
Japan
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temperature
air
solar radiation
amount
radiation correction
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JP10117416A
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English (en)
Inventor
Takamasa Kawai
孝昌 河合
Yuji Ito
裕司 伊藤
Katsuhiko Sagawa
克彦 寒川
Yoshinori Isshi
好則 一志
Yuichi Kajino
祐一 梶野
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用者の温感に合致したきめ細かい日射補正
量を算出するとともに、日射補正量の算出を行うECU
19における記憶部の大容量化および開発工数の増大を
抑制する。 【解決手段】 空気通路2からの吹出空気温度が目標吹
出温度となるように温度調節手段6を調節する空調装置
において、使用者の設定に基づく室内の設定温度、室内
の温度、および室外の温度を含む信号を入力として、E
CU19内のニューラルネットワークにより日射補正係
数を算出し、この日射補正係数と室内への日射量に基づ
いて日射補正量を算出し、設定温度、室内の温度、室外
の温度、および日射補正量に基づいて目標吹出温度を算
出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動制御方式の空
調装置における日射補正に関するもので、特に、車両用
空調装置として好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動制御方式の車両用空調装置で
は、特開昭56−86815号公報に記載されているよ
うに、車室内を設定温度に維持するために必要な目標吹
出空気温度TAOを車両の熱負荷条件に基づいて算出
し、車室内への実際の吹出空気温度が目標吹出空気温度
TAOとなるように、温度調節手段(例えば、エアミッ
クスドアや温水弁)の作動を制御している。
【0003】上記の目標吹出空気温度TAOは周知のご
とく下記数式1により算出される。
【0004】
【数1】TAO=Kset *Tset −Kr *Tr −Kam*
Tam−Ks *Ts +C 但し、Tset :設定温度、Tr :内気温、Tam:外気
温、Ts :車室内への日射量であり、Kset 、Kr 、K
am、Ks はそれぞれ温度設定ゲイン、内気温ゲイン、外
気温ゲイン、日射量ゲインであり、Cは補正定数であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来装置による
と、目標吹出空気温度TAOの算出式の中に日射量Ts
の演算項があるため、冬期の暖房始動時(ウォームアッ
プ時)であるにもかかわらず、TAOを低い温度として
算出してしまう。そのため、温度調節手段を最大暖房位
置から温度域に調節して、車室温度を設定温度に上昇さ
せるまでの時間(ウォームアップ時間)が長くなるとい
う不具合を招く。
【0006】そこで、特開平4−163223号公報で
は、上記の不具合を解消するために、車室内の内気温T
rと設定温度Tsetとの温度偏差(Tr−Tset)
が負であるときに、その絶対値が大きいほど(設定温度
Tsetに比して内気温Trが低いときほど)、日射量
Ts の演算項の値(日射補正量)を小さくすることが提
案されている。
【0007】しかし、本発明者らの実験検討によると、
上記温度偏差(Tr−Tset)だけで日射補正量を決
定すると、様々に変化する車両の環境条件に対して適切
な日射補正量を求めることができないことが判明した。
すなわち、上記温度偏差(Tr−Tset)が同一値で
あっても、寒冷時のごとく外気温度が極端に低いときは
日射補正量をより減少してTAOを高い温度にし、ウォ
ームアップ時間を短縮させることが望ましい。
【0008】同様に、上記温度偏差(Tr−Tset)
が同一値であっても、日射が少ないときは日射補正量を
より減少してTAOを高い温度にし、ウォームアップ時
間を短縮させることが望ましい。また、一方、暖房運転
の継続により車室内の内気温Trが設定温度Tsetに
到達し(Tr−Tset≒0)、定常運転になると、日
射があるときには、冬期の太陽高度が低いため、車室内
乗員の上半身に日射が当たり、顔部の火照り感を感じ
る。そのため、このような定常運転時の日射有りの際
は、日射補正量を増大してTAOをより低い温度にし、
バイレベルモードを設定してフェイス吹出口から冷風を
吹き出すことが空調フィーリング改善のために望まれ
る。
【0009】このように、日射補正量は、車両用空調装
置の直面する種々な環境条件の変化に対応して決定する
必要がある。そこで、上記の要求を満たすために、種々
な環境条件と日射補正量との関係を対応づける多種類の
制御マップを用意することが考えられるが、この対応策
では、空調用電子制御装置における記憶部(ROM)の
大容量化を招くので、記憶部(ROM)の容量制限から
上記の対応策を実施できない場合が生じる。
【0010】また、上記温度偏差、外気温の高低、日射
量等の相互関係が乗員の温感(温度感覚)にどのように
影響するか定量的に分析し、その影響度に対応した日射
補正量算出の制御ロジックを考える必要があり、多大な
開発工数を要することになる。本発明は上記諸点に鑑み
て案出されたもので、使用者の温感に合致したきめ細か
い日射補正量の算出を実現することを目的とする。
【0011】また、本発明は、日射補正量の算出を行う
空調用電子制御装置における記憶部の大容量化および開
発工数の増大を抑制することを他の目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】情報処理の一方式である
ニューラルネットワークでは、その学習機能によって、
ニューラルネットワーク内の各層のニューロン間の結合
係数(シプナス荷重)を、所望の出力(教師データ)と
なるように、自動生成する特徴を持っている。そこで、
本発明では、このニューラルネットワーク内のニューロ
ン間の結合係数の自動生成機能に着目して、記憶部の大
容量化や開発技術者の工数の増大を生じることなく、乗
員の温感に合致したきめ細かい、日射補正量の算出がで
きるようにして、上記目的を達成しようとするものであ
る。
【0013】すなわち、請求項1に記載の発明では、空
気通路(2、2b、2c)からの吹出空気温度が目標吹
出温度となるように温度調節手段(6、61、62)を
調節する空調装置において、使用者の設定に基づく室内
の設定温度、室内の温度、および室外の温度を含む信号
を入力として、ニューラルネットワーク(100)によ
り日射補正係数を算出し、この日射補正係数と室内への
日射量に基づいて日射補正量を算出し、設定温度、室内
の温度、室外の温度、および日射補正量に基づいて目標
吹出温度を算出することを特徴としている。
【0014】これによると、日射補正量を算出するため
の日射補正係数が設定温度、室内の温度、および室外の
温度を含む信号を入力として、ニューラルネットワーク
(100)により算出される。ここで、ニューラルネッ
トワークの特徴として、ある入力信号を与えたときに、
その出力が、予め設定された所望の値(教師データ)に
なるように、ニューラルネットワーク内部の各層間の結
合係数(シプナス荷重)を自動修正するという学習機能
を備えているから、特定の入力条件での教師データを変
更して、高速演算装置を用いて結合係数(シプナス荷
重)の自動修正を予め行っておくことにより、特定の入
力条件での出力変更を行うことができる。
【0015】しかも、ニューラルネットワークでは、上
記特定の入力条件での出力(教師データ)の変更を行っ
ても、他の入力条件では、所望の出力値(教師データ)
が維持されるように、結合係数全体の自動修正を行うか
ら、上記特定の入力条件での出力変更が他の入力条件に
おける出力に影響を与えない。その結果、冬期の暖房始
動時(ウォームアップ時)という特定の条件下におい
て、設定温度と室内温度との温度偏差だけでなく、室外
温度をも考慮した所望の値に、日射補正係数を決定する
ことができる。従って、冬期の暖房始動時(ウォームア
ップ時)において室外温度が低いときには、日射補正量
をより減少させるように日射補正係数を算出して、目標
吹出温度を高い温度にすることができる。これにより、
ウォームアップ時間を短縮して、室内温度を早期に設定
温度まで上昇させることができる。
【0016】さらに、有利なことには、結合係数の自動
修正をニューラルネットワークの学習機能により自動的
におこなうことができるから、開発技術者がある特定の
入力条件のみで所望の出力が得られるような複雑な制御
ロジックを考えなくてもよく、開発工数を大幅に低減で
きる。また、ニューラルネットワークの採用により、他
種類の制御マップ、複雑な制御ロジック等が不要になる
ため、空調用電子制御装置を構成するコンピュータの記
憶装置(ROM)の容量を低減できるという利点もあ
る。
【0017】また、請求項2に記載の発明では、空気通
路(2、2b、2c)からの吹出空気温度が目標吹出温
度となるように温度調節手段(6、61、62)を調節
する空調装置において、使用者の設定に基づく室内の設
定温度、室内の温度、室外の温度および室内への日射量
を含む信号を入力として、ニューラルネットワーク(2
00)により日射補正量を算出し、設定温度、室内の温
度、室外の温度、および日射補正量に基づいて目標吹出
温度を算出することを特徴としている。
【0018】これによると、ニューラルネットワーク
(200)により、設定温度、室内の温度、室外の温度
および室内への日射量を含む信号を入力として、日射補
正量が直接算出される。請求項2に記載の発明でも、ニ
ューラルネットワークの特徴を活かして請求項1と同様
に、冬期の暖房始動時(ウォームアップ時)において室
外温度が低いときには、日射補正量をより減少させるよ
うに算出して、目標吹出温度を高い温度にすることがで
き、ウォームアップ時間を短縮できる。
【0019】また、請求項3に記載の発明では、空気通
路(2、2b、2c)からの吹出空気温度が目標吹出温
度となるように温度調節手段(6、61、62)を調節
する空調装置において、使用者の設定に基づく室内の設
定温度、室内の温度、および室外の温度を含む信号を入
力として、ニューラルネットワーク(100)により日
射補正係数を算出し、この日射補正係数と室内への日射
量に基づいて日射補正量を算出し、設定温度、室内の温
度および室外の温度に基づいて仮目標吹出温度を算出
し、日射補正量および仮目標吹出温度に基づいて目標吹
出温度を算出することを特徴としている。
【0020】請求項3に記載の発明は、請求項1に対し
て、仮目標吹出温度を算出し、日射補正量および仮目標
吹出温度に基づいて目標吹出温度を算出する点が相違し
ているのみで、請求項1と同様の作用効果を発揮でき
る。また、請求項4に記載の発明では、室内の温度と設
定温度との偏差を予め算出しておき、この偏差をニュー
ラルネットワーク(100、200)に入力することを
特徴としている。
【0021】これによると、室内の温度と設定温度の両
方を入力する場合に比して、入力数を1つ減らすことが
できる。そして、この入力数の減少により、ニューラル
ネットワークの中間層の階層数を減らすことができ、こ
れにより、ニューラルネットワークの結合係数の数を大
幅に減少でき、ニューラルネットワークの学習時間を大
幅に短縮できる。
【0022】また、請求項5に記載の発明では、ニュー
ラルネットワーク(100)の入力として、室内への日
射量を加えることを特徴としており、これによると、外
気温の高低に加えて日射量の大小をも考慮して、より適
切に日射補正係数を算出できる。また、請求項6に記載
の発明では、日射補正係数に、予め設定した比例ゲイン
と日射量とを乗算して、日射補正量を算出することを特
徴としている。
【0023】これによると、比例ゲインの調整により日
射補正量を調整できるので、実験等による空調フィーリ
ングの結果に基づいて、日射補正量の調整を行う必要が
生じた際にも、日射補正係数の変更なしで、比例ゲイン
によって日射補正量を調整できる。そのため、日射補正
量の調整のために、ニューラルネットワークの再学習と
いう煩雑な処理を行う必要がなく、実用上有利である。
【0024】さらに、請求項7に記載の発明は、請求項
1、3、5、6のいずれか1つに記載の空調装置を用い
た車両用空調装置であって、空気通路(2、2b、2
c)から空気を車室内へ吹き出す吹出口として、車室内
乗員の足元側に空気を吹き出すフット吹出口(8a、8
b)、および車室内乗員の上半身側に空気を吹き出すフ
ェイス吹出口(9a〜9d)を包含しており、フット吹
出口(8a、8b)から空気を吹き出すフットモード、
フェイス吹出口(9a〜9d)から空気を吹き出すフェ
イスモード、およびフット吹出口(8a、8b)とフェ
イス吹出口(9a〜9d)の両方から空気を吹き出すバ
イレベルモードを設定可能になっており、冬期暖房時
に、車室内の温度が設定温度近傍に到達して定常運転域
になったときは、室外の温度の低下に応じて、日射補正
係数を増加させることを特徴としている。
【0025】これによると、暖房運転の継続により車室
内温度が設定温度に到達し、定常運転になったとき、室
外の温度の低下に応じて日射補正係数を増加させ、低外
気温時における日射補正量を増加できる。冬期では太陽
高度が低いため、車室内乗員の上半身に日射が当たる。
そのため、定常運転移行後では、乗員顔部に火照り感を
感じることがあるが、上記のごとく定常運転時に日射補
正量を増加することにより目標吹出温度をより低い温度
にし、バイレベルモードを設定してフェイス吹出口から
冷風を吹き出すことができ、環境条件が広範に変化する
車両用空調装置において、空調フィーリングをより一層
改善できる。
【0026】また、請求項8に記載の発明は、請求項1
ないし6のいずれか1つに記載の空調装置を用いた車両
用空調装置であって、空気通路として、車室内の運転席
側空調ゾーンと車室内の助手席側空調ゾーンにそれぞれ
対応して運転席側および助手席側空気通路(2b、2
c)を設け、この運転席側および助手席側空気通路(2
b、2c)にはそれぞれ独立に操作可能な運転席側およ
び助手席側の温度調節手段(61、62)を備え、運転
席側および助手席側空気通路(2b、2c)から吹き出
す空調風により各空調ゾーンの温度を独立に調節するこ
とを特徴としている。
【0027】このような運転席側および助手席側の独立
温度制御方式のものにおいても、日射量補正を適切に行
って、運転席側および助手席側の独立温度制御を良好に
行うことができる。なお、上記各手段に付した括弧内の
符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関
係を示すものである。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。 (第1実施形態)図1は第1実施形態による車両用空調
装置の全体システム構成の概要を示すもので、車両用空
調装置の空気流れの最上流側に内外気切替ドア1が配置
されており、このドア1により外気と内気がエアダクト
2内に切替導入される。
【0029】エアダクト2は空調装置の空気通路を構成
するもので、その内部には、上流側から下流側にかけて
送風機3、エバポレータ4およびヒータコア5が配設さ
れている。エバポレータ4は冷凍サイクルの冷媒の蒸発
潜熱を空気から吸熱して空気を冷却する冷房用熱交換器
である。ヒータコア5は車両エンジン(図示せず)から
の温水(エンジン冷却水)を熱源として空気を加熱する
暖房用熱交換器である。
【0030】ヒータコア5の上流側部位には温度調節手
段としてエアミックスドア6が設けられており、ヒータ
コア5を通過する温風の風量とヒータコア5のバイパス
通路7を流れる冷風の風量との割合をドア6により調整
する。この冷温風の風量割合の調整により車室内への吹
出空気温度を調節することができる。エアダクト2の最
下流側には、空調風を車両乗員の足元に向けて吹出すた
めのフット吹出口8a、8b、空調風を車両乗員の上半
身に向けて吹出すためのセンタ・サイドの各フェイス吹
出口9a〜9d、および空調風をフロントガラスに向け
て吹出すためのデフロスタ吹出口10が設けられてい
る。
【0031】また、エアダクト2の最下流側には、上記
吹出口8a、8b、9a〜9dおよび10を選択的に開
閉するための吹出口切替ドア11〜13が設けられてい
る。これらのドア11〜13の開閉状態を切替えること
によって、フットモード、バイレベルモード、フェイス
モード、デフモードなどの所定の吹出口モードを設定し
得るようになっている。
【0032】次に、上記した空調用機器を制御するため
の制御系を説明すると、内外気切替ドア1、エアミック
スドア6、および吹出口切替ドア11〜13は、それぞ
れ、サーボモータ14〜18により駆動され、これらの
サーボモータ14〜18の作動は空調用電子制御装置
(以下、ECUという)19の出力により制御される。
また、送風機3のモータ3aも、ECU19の出力によ
りモータ制御回路(モータ印加電圧制御回路)20を介
して制御される。
【0033】送風機3の送風量は、モータ制御回路20
によりモータ印加電圧を調節してモータ回転数を変化す
ることにより調節される。ECU19は周知のマイクロ
コンピュータとその周辺回路との組み合わせからなるも
のである。ECU19の入力として、車室内の設定温度
Tset を設定する温度設定器21が設けられている。こ
の温度設定器21は空調操作パネル27に設けられ、手
動操作される温度設定手段である。
【0034】また、温度情報検出手段として、車室内の
内気温Trを検出する内気センサ22と車室外の外気温
Tamを検出する外気センサ23が設けられ、さらに、
車室内への日射量Tsを検出する日射センサ24、エバ
ポレータ4の冷却温度(吹出空気温度)Teを検出する
エバポレータ温度センサ25、およびヒータコア5に流
入する温水の温度Twを検出する水温センサ26が設け
られている。
【0035】ECU19内のマイクロコンピュータによ
り実行される制御機能は、概略的には、次のように区分
することができる。仮の目標吹出温度TAOBを算出す
る仮目標温度算出部28は、設定温度Tset 、内気温T
r、および外気温Tamを入力とし、後述の数式2によ
り仮の目標吹出温度TAOBを算出する。また、日射補
正係数算出部29は後述の図2に示すニューラルネット
ワーク100により構成され、設定温度Tset と内気温
Trとの温度偏差TD、および外気温Tamを入力とし
て、日射補正係数Fsを算出する。そして、日射補正量
算出部30は、この日射補正係数Fsと日射量Tsに基
づいて後述の数式3により日射補正量TAOSを算出す
る。
【0036】目標吹出温度算出部31は、仮目標吹出温
度算出部28および日射補正量算出部30の出力に基づ
いて、後述の数式4により最終的に目標吹出温度TAO
を算出するものである。さらに、目標温度算出部31の
目標吹出温度TAOに基づいて、後述の図5の特性によ
り送風機の風量を決定する送風機電圧を算出する風量算
出部32と、目標吹出温度TAOに基づいて後述の図6
の特性により内外気の吸込口モードを算出する吸込口モ
ード算出部33と、目標吹出温度TAOに基づいて後述
の図7の特性により吹出口モードを算出する吹出口モー
ド算出部34と、目標吹出温度TAO等に基づいて後述
の数式5によりエアミックスドア開度SWを算出するエ
アミックスドア開度算出部35とを備えている。
【0037】次に、上記した日射補正係数算出部29を
構成するニューラルネットワーク100の概要を図2に
例をとって説明すると、ニューラルネットワークは、あ
る入力信号(図2の例では、TD、Tam)を与えたと
きに、その出力が、予め設定された所望の値(教師デー
タ)になるように、ニューラルネットワーク100内に
設けられた入力層101、第1、第2の中間層102、
103、出力層104内部の各ニューロン105間の結
合係数(シプナス荷重)106を修正するという誤差逆
伝播学習機能(バックプロパーゲーション機能)を備え
た階層構造のネットワークである。
【0038】そして、教師データを変更した場合は、再
び、ある入力信号に対する出力が変更後の教師データと
なるように、繰り返し「学習」させることにより、結合
係数(シプナス荷重)106を修正する。つまり、多量
のデータ(教師データ)からその相関関数(結合係数1
06)を自動生成する特徴を持っている。教師データ
は、実験等により求めた所望の値(入力信号に対する所
望の出力値)を設定する。
【0039】階層構造のニューラルネットワーク100
において、同一層のニューロン105間では結合がな
く、前後の各層のニューロン105でのみ結合されてお
り、そして、各層のニューロン105間の結合係数10
6は、それぞれの結合の重み(強さ)の程度を表すもの
であって、結合の重みが大きいほど、前側の層のニュー
ロン105の信号が振幅の大きい信号となって、後側の
層のニューロン105に伝達される。
【0040】なお、入出力値はセンサ信号等をそれぞれ
0〜1に規格化(正規化)されたものであり、実際に出
力された値は、0〜1から逆変換する作業が必要であ
る。例えば、外気センサ23により検出される外気温T
amの実際の検出範囲は、通常、−30°C〜50°C
であり、この検出値を規格化部107で0〜1に割り当
て、ニューラルネットワークの入力層101に入力す
る。出力層104からの出力結果も0〜1の値が出力さ
れるので、図2のニューラルネットワーク100では出
力変換部108において予め設定された変換マップによ
って実際の制御に用いる値に逆変換される。
【0041】ところで、現状の車両用空調装置が直面す
る環境条件は様々であるため、この様々な環境条件に対
応した所望の出力値(本例では、日射補正係数Fsの
値)である教師データは、数万点から数十万点以上にも
および膨大な数となる。そこで、ECU19の設計に際
しては、車両搭載の前段階の処理として、専用の高速演
算装置を用い、この高速演算装置により図2のニューラ
ルネットワーク100による学習を行って、広範な入力
信号の変化に対して出力が所望の教師データとなる結合
係数106を算出する。そして、このように算出した結
合係数106を、図1におけるECU19内の日射補正
係数算出部29のニューラルネットワーク100に対応
する記憶部(ROM)に記憶させておく。
【0042】従って、車両搭載状態では、ECU19内
の日射補正係数算出部29のニューラルネットワーク1
00における各層のニューロン105間の結合係数10
6は、予め設定された所定値となっている。そして、車
両搭載状態では、ECU19内のニューラルネットワー
ク100は、図3に示すように入力に対する出力を計算
する。すなわち、各ニューロン105では、入力信号0
1 〜On のそれぞれに、対応する結合係数106(W1
〜W n )を掛け合わせ、その値をシグモイド関数と呼ば
れる関数に適用して出力を計算する。その計算結果を後
続のニューロンの入力として出力する。これを繰り返す
ことで最終的な出力を得る。
【0043】車両搭載状態のECU19内のニューラル
ネットワーク100では、入力信号01 〜On の広範な
変化に対して、その変化にそれぞれ対応して所望の出力
値(教師信号)が得られるようにする結合係数106
(W1 〜Wn )が予め設定してあるので、結合係数修正
のための学習は不要であり、図3に示す計算を行うのみ
でよい。
【0044】従って、図1に示す、日射補正係数算出部
29のニューラルネットワーク100においては、入力
信号(TD、Tam)の変化に対応して、それぞれ、予
め設定された所望の値(教師信号)を日射補正係数Fs
として算出し、出力する。次に、本実施形態による制御
例を図4のフローチャートに沿って説明する。車両エン
ジンのイグニッションスイッチ(図示せず)の投入等に
より電源がECU19に投入されると、図4の制御ルー
チンがスタートし、まず、ステップS1にてECU19
内のメモリー等をイニシャライズする。次に、ステップ
S2にて空調操作パネル27の温度設定器21およびそ
の他の操作スイッチ類からの信号を入力する。
【0045】次に、ステップS3にて各種センサ類(2
2〜26)からのセンサ信号を入力した後に、ステップ
S4にて、次の数式2にて、日射項を除いた仮目標吹出
温度TAOBを算出する。従って、ステップS4が図1
の仮目標吹出温度算出部28に相当する。
【0046】
【数2】TAOB=Kset *Tset −Kr *Tr −Kam
*Tam+C 但し、Tset :設定温度、Tr :内気温、Tam:外気
温、Kset 、Kr 、Kam、はそれぞれ温度設定ゲイン、
内気温ゲイン、外気温ゲインであり、Cは補正定数であ
る。
【0047】次に、ステップS5にて、上述したニュー
ラルネットワーク100により、設定温度Tset と内気
温Trとの温度偏差TD、および外気温Tamを入力と
して、日射補正係数Fsを算出する。従って、ステップ
S5が図1の日射補正係数算出部29に相当する。次
に、ステップS6にて、下記数式3に示すように、上記
の日射補正係数Fsと、日射センサ24の出力信号Ts
と日射補正の比例ゲインKsとを乗算して、日射補正量
TAOSを算出する。従って、ステップS6が図1の日
射補正量算出部30に相当する。
【0048】
【数3】TAOS=Ks*Fs*Ts ここで、数式3における、比例ゲインKsの調整により
日射補正量TAOSを調整できる。従って、車両用空調
装置の実車走行実験等による空調フィーリングの結果に
基づいて、日射補正量TAOSの調整を行う必要が生じ
た際にも、日射補正係数Fsの変更なしで、比例ゲイン
Ksによって日射補正量TAOSを調整できる。そのた
め、日射補正量TAOSの調整のために、ニューラルネ
ットワーク100の再学習という煩雑な処理を行う必要
がなく、実用上有利である。
【0049】次に、ステップS7に進み、上記した仮目
標吹出温度TAOBと日射補正量TAOSに基づいて、
下記数式4により目標吹出温度TAOを算出する。従っ
て、ステップS7が図1の目標吹出温度算出部31に相
当する。
【0050】
【数4】TAO=TAOB−TAOS 次に、ステップS8に進み、上記目標吹出温度TAOに
基づいて図5の関係図(マップ)から送風機電圧を算出
する。従って、ステップS8が図1の風量算出部32に
相当する。
【0051】次に、ステップS9に進み、上記目標吹出
温度TAOに基づいて図6の関係図(マップ)から内
気、半内気、外気の各吸込口モードを算出する。従っ
て、ステップS9が図1の吸込口モード算出部33に相
当する。次に、ステップS10に進み、上記目標吹出温
度TAOに基づいて図7の関係図(マップ)からフェイ
ス(FACE)、バイレベル(B/L)、フット(FO
OT)の各吹出口モードを算出する。従って、ステップ
S10が図1の吹出口モード算出部34に相当する。
【0052】なお、上記の図5〜図7の関係図(マッ
プ)は、ECU19の記憶部に予め設定記憶されてい
る。次に、ステップS11では、目標吹出温度TAO、
エバポレータ4の温度Te、およびヒータコア5の温水
温度Twに基づいて、下記数式5によってエアミックス
ドア開度SWを算出する。従って、ステップS11が図
1のエアミックスドア開度算出部35に相当する。
【0053】
【数5】SW(%)=(TAO−Te)/(Tw−T
e)*100 次に、ステップS12に進み、上記ステップS8〜S1
1で決定された値を制御信号として出力し、各々のアク
チュエータ(図1のモータ14〜18)および送風機モ
ータ印加電圧制御回路20を駆動、制御する。そして、
ステップS13に進み、所定時間t経過するのを待機し
た後に、ステップS2に戻る。
【0054】ところで、本実施形態では、ニューラルネ
ットワーク100を用いて日射補正係数Fsを算出し、
この日射補正係数Fsと、日射信号Tsと日射補正の比
例ゲインKsとを乗算して、日射補正量TAOSを算出
しており、このような日射補正量算出方式の特徴を以
下、具体的に説明する。図8は本実施形態の冬期暖房始
動時における日射補正係数Fsの求め方を例示するする
ものであり、横軸は設定温度Tset と内気温Trとの温
度偏差TD(TD=Tr−Tset )であって、冬期の暖
房始動時は、内気温Trが設定温度Tset より低く、T
Dはマイナス領域にある。
【0055】そして、外気温Tamが高い時(例えば、
10°C)には、TD=−aの時点(内気温Trが設定
温度Tset よりa温度だけ低い時点)から、日射補正係
数Fsを0から立ち上げ、日射補正を開始する。外気温
Tamが低い時(例えば、−10°C)には、TD=−
bの時点(内気温Trが設定温度Tset よりb温度だけ
低い時点)から、日射補正係数Fsを0から立ち上げ、
日射補正を開始する。
【0056】このように、外気温が低い時ほど、日射補
正の開始を遅らせることにより(換言すると、内気温T
rが設定温度Tset により近づく温度に上昇するまで、
日射補正を遅らせることにより)、冬期暖房始動後に、
目標吹出温度TAOの高い状態が長く維持される。つま
り、温度偏差TDが同一値であっても、外気温度が低い
ときは日射補正量をより減少してTAOを高い温度に維
持して、ウォームアップ時間を短縮させることができ
る。
【0057】(第2実施形態)図9(a)、(b)は上
記図8に対応する図で、第2実施形態による日射補正量
の特性を示すものであり、図9(a)は上記図8と実質
的に同一内容である。図9(a)のKFsは日射補正係
数Fsの最大値であり、そして、図9(b)ではこの日
射補正係数Fsの最大値KFsをさらに外気温Tamに
より可変することを示している。
【0058】図9(a)から理解されるように、日射補
正係数Fsの最大値KFsは、冬期暖房始動後に内気温
Trが設定温度Tset に近接して、温度偏差TDが0に
近くなったとき、すなわち、暖房モードの定常運転域に
設定されるものである。一方、この定常運転域におい
て、日射があるときには、冬期の太陽高度が低いため、
車室内乗員の上半身に日射が当たり、顔部の火照り感を
感じる。
【0059】そこで、この点に鑑みて、定常運転時に
は、図9(b)に例示するように外気温Tamが20°
Cより低下するに伴って、日射補正係数Fsの最大値K
Fsを1.0より1.2に向かってさらに増加させて、
日射補正量を増大する。これにより、TAOをより低い
温度にし、バイレベルモードを設定してフェイス吹出口
から冷風を吹き出すことができる。そのため、乗員顔部
の火照り感を解消して、空調フィーリングを改善でき
る。
【0060】(第3実施形態)図10は第3実施形態に
よる日射補正係数Fsの特性を示し、図11は第3実施
形態による日射補正係数算出部29のニューラルネット
ワーク100であって、入力として温度偏差TD、外気
温Tamの他に、日射量Tsを追加している。第3実施
形態では、外気温Tamが低いほど、日射補正の開始を
遅らせるが、これに加え、日射量Tsが少ないときは、
より一層、日射補正の開始を遅らせる。このように、外
気温Tamと日射量Tsの両方を考慮して、日射補正係
数Fsを決定することにより、日射補正量をより一層適
切に決定して、冬期暖房始動時のウォームアップ時間を
短縮させることができる。
【0061】なお、図10には示してないが、第3実施
形態においても、図9(b)のように、日射補正係数F
sの最大値KFsを外気温の低下に応じて増大すること
により、定常運転時の日射による顔部の火照り感を解消
するようにしてもよい。図12は上記の第3実施形態に
よる図11のニューラルネットワーク100における入
力1〜入力3と出力(教師データ)Fsとの関係を示す
図表であり、入力1の偏差TDが同一(−5°C、0°
C)で、また、入力3の日射量Tsが同一(500W/
2 )であるときに、外気温Tamが10°Cである
と、日射補正係数Fsの最大値を1.0から1.2に変
更することにより、所望の日射補正係数Fs、ひいては
所望の日射補正量TAOSを得ている。
【0062】ここで、ニューラルネットワークの特徴と
して、ある入力信号を与えたときに、その出力が、予め
設定された所望の値(教師データ)になるように、ニュ
ーラルネットワーク内部の各層間の結合係数(シプナス
荷重)106を自動修正するという学習機能を備えてい
るから、上記特定の入力条件での教師データを変更し
て、高速演算装置を用いて結合係数(シプナス荷重)1
06の自動修正を予め行っておくことにより、上記出力
の変更を行うことができる。
【0063】上記出力の変更(Fs=1.0→1.2へ
の変更)によって、日射による乗員頭部の火照り感を解
消して乗員の空調フィーリングを改善できる。しかも、
上記特定の入力条件での出力(教師データ)の変更を行
っても、他の入力条件では、所望の出力値(教師デー
タ)が維持されるように、結合係数106全体の自動修
正を行うから、上記特定の入力条件での出力変更が他の
入力条件における出力に影響を与えない。
【0064】さらに、有利なことには、結合係数106
の自動修正をニューラルネットワークの学習機能により
自動的に行うことができるから、開発技術者がある特定
の入力条件のみで所望の出力が得られるような複雑な制
御ロジックを考えなくてもよく、開発工数を大幅に低減
できる。また、ニューラルネットワークの採用により、
複雑な制御ロジックや多種類の制御マップが不要になる
ため、車載ECU19におけるROM容量を低減できる
という利点もある。
【0065】また、温度設定信号Tset と内気温センサ
信号Trとの偏差TD(Tr−Tset )を予め求めてお
き、この偏差TDを日射補正係数算出ニューラルネット
ワーク100に入力しているから、Tset とTrの両方
を入力する場合に比して、入力数を1つ減らすことがで
きる。なお、温度設定信号Tset と内気温センサ信号T
rの両方を入力するのは、空調装置始動直後の過渡期
(内気温が設定温度に向かって変化している過程)にあ
るか、内気温が設定温度近傍にある定常運転域にあるか
を判定するためであって、内気温と設定温度との偏差T
Dが0に近づく程、定常運転域であると判定することが
できるから、偏差TDの入力により過渡期か定常運転域
かの判定をすることができる。
【0066】そして、入力数を1つ減らすことにより、
ニューラルネットワーク100の中間層の階層数を減ら
すことができ、結合係数106を約25%程度減少で
き、結合係数106を求めるための学習時間を大幅に短
縮できる。もちろん、入力数の増加が許容される条件下
にある場合は、偏差TDでなく、温度設定信号Tset と
内気温センサ信号Trの両者をそのまま、日射補正係数
算出ニューラルネットワーク100に入力してもよい。
【0067】(第4実施形態)図13は第4実施形態で
あり、第4実施形態では、図1における日射補正係数算
出部29を合体した日射補正量算出部30を1つのニュ
ーラルネットワーク200で構成している。すなわち、
ニューラルネットワーク200に温度偏差TD、外気温
Tamおよび日射量Tsを入力して、直接、日射補正量
TAOSを出力するようにしている。
【0068】第4実施形態によると、前述した数式3に
おける、比例ゲインKsの調整により日射補正量TAO
Sを調整するという効果は発揮できないが、その他の効
果はニューラルネットワーク200の特徴を活かして同
様に発揮できる。 (第5実施形態)上記した第1〜第4実施形態では、図
1に示すようにエアダクト2内に、各吹出口8a、8
b、9a〜9d、10に向かって1つの空気通路を形成
し、温度調節手段として1つのエアミックスドア6を配
置する車両用空調装置について説明したが、第5実施形
態では、図14に示すように、車室内の運転席側空調ゾ
ーンと助手席側空調ゾーンの温度を独立制御するように
した左右独立温度制御方式の車両用空調装置に本発明を
適用している。
【0069】第5実施形態では、エアダクト2内に、ヒ
ータコア5の部位から下流側に向かって仕切壁2aが設
置され、この仕切壁2aによってエアダクト2内の通路
が運転席側通路2bと助手席側通路2cとに区分されて
いる。運転席側通路2bにおいてヒータコア5の上流側
部位には運転席側エアミックスドア61が設けられてお
り、運転席側通路2bにおいてヒータコア5を通過する
温風の風量とヒータコア5をバイパスして流れる冷風の
風量との割合をドア61により調整する。また、助手席
側通路2cにおいてヒータコア5の上流側部位には助手
席側エアミックスドア62が設けられており、助手席側
通路2cにおいてヒータコア5を通過する温風の風量と
ヒータコア5をバイパス流れる冷風の風量との割合をド
ア62により調整する。
【0070】運転席側通路2bの最下流側には運転席側
のフット吹出口8aとフェイス吹出口9a、9bが設け
られ、また、助手席側通路2cの最下流側には、助手席
側のフット吹出口8bとフェイス吹出口9c、9dが設
けられている。そして、運転席側のフット吹出口8aと
フェイス吹出口9a、9bを選択的に開閉するための吹
出口切替ドア11a、12aが設けられ、また、助手席
側のフット吹出口8bとフェイス吹出口9c、9dを選
択的に開閉するための吹出口切替ドア11b、12bが
設けられている。なお、デフロスタ吹出口10およびそ
の吹出口切替用ドア13は第1実施形態と同じである。
【0071】上記した両エアミックスドア61、62
は、それぞれ独立のサーボモータ15、15aにより駆
動され、また、運転席側の吹出口切替ドア11a、12
aと助手席側の吹出口切替ドア11b、12bは、それ
ぞれ独立のサーボモータ160、170により駆動され
る。そして、吹出口切替ドア11a、12a、11b、
12bの開閉状態を切替えることによって、フットモー
ド、バイレベルモード、フェイスモードなどの所定の吹
出口モードを各通路2b、2cごとに独立して設定し得
る。
【0072】また、ECU19の入力として、運転席側
通路2bに対応された運転席側空調ゾーンの設定温度T
set(Dr) を設定する運転席側温度設定器(第1の温度設
定手段)21aと、助手席側通路2cに対応された助手
席側空調ゾーンの設定温度Tset(Pa) を設定する助手席
側温度設定器(第2の温度設定手段)21bが独立に設
けられている。
【0073】また、運転席側空調ゾーンへの日射量Ts
Drを検出する運転席側日射センサ24aと、助手席側
空調ゾーンへの日射量TsPaを検出する助手席側日射
センサ24bが独立に設けられている。温度情報検出手
段としての内気センサ22、外気センサ23、エバポレ
ータ温度センサ25、および水温センサ26は第1実施
形態と同じである。
【0074】さらに、ECU19内のマイクロコンピュ
ータにより実行される制御機能は、図14では図示しな
いが、仮目標温度算出部28、日射補正係数算出部2
9、日射補正量算出部30、目標吹出温度算出部31、
吹出口モード算出部34、エアミックスドア開度算出部
35等はそれぞれ運転席Dr側と助手席Pa側に対応し
て独立に備えられている。
【0075】従って、運転席Dr側および助手席Pa側
の日射補正係数算出部29、29を構成するニューラル
ネットワーク100、100では、図15に示すよう
に、入力として、外気温Tamの他に、運転席Dr側ま
たは助手席Pa側の偏差TDiと運転席Dr側または助
手席Pa側の日射量Tsiを入力して、運転席Dr側ま
たは助手席Pa側の日射補正係数Fsiを算出する。な
お、添字のiは運転席Dr側または助手席Pa側である
ことを示しており、偏差TDiは運転席側空調ゾーンの
設定温度Tset(Dr) または助手席側空調ゾーンの設定温
度Tset(Pa) と内気温Trとの偏差である。
【0076】また、第5実施形態のごとき左右独立温度
制御方式の車両用空調装置において、吹出口モードは独
立制御せずに、運転席側と助手席側とで同一にしてもよ
い。この場合は、運転席側目標吹出温度TAO(Dr)と助
手席側目標吹出温度TAO(Pa)との平均値TAOXに基
づいて吹出口モードを決定すればよい。吸込口モードも
同様に処理して運転席側と助手席側とで同一にする。
【0077】(他の実施形態) 図1において、日射補正係数算出部29以外の他の算
出部、例えば、仮目標温度算出部28、目標吹出温度算
出部31、風量算出部32、吹出口モード算出部34等
をニューラルネットワークを用いて構成してもよい。 ニューラルネットワークにおける学習は、バックプロ
パーゲーション法によらず、準ニュートン法等の他の方
法でもよい。
【0078】温度偏差の入力TDは、単に、Tr−T
set であってもよいし、TrとTset を必須の要素と
し、これに他の要素を組み合わせて算出するようにして
もよい。 上述の実施形態では、温度調整手段として、冷風と温
風の風量割合を調整するエアミックスドア6、61、6
2を設ける場合について説明したが、温度調整手段とし
てエアミックスドア6、61、62の代わりに、ヒータ
コア5に流入する温水の流量もしくは温度を制御する温
水弁を使用してもよい。
【0079】空調ゾーンの温度を設定する温度設定器
21、21a、21bとして、温度数字を示していない
温感表示のもの(高低温の色分け表示等)であってもよ
いことは勿論である。 本発明は、車両用空調装置に限定されることなく、吹
出口モードの切替制御が必要な空調装置であれば、種々
な用途のものに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す車両用空調装置の
全体システムの説明図である。
【図2】図1の日射補正係数算出部のニューラルネット
ワークの概略構成図である。
【図3】ニューラルネットワークの出力計算方法の説明
図である。
【図4】第1実施形態における制御フローチャートであ
る。
【図5】第1実施形態における送風機電圧算出の特性図
である。
【図6】第1実施形態における吸込口モード算出の特性
図である。
【図7】第1実施形態における吹出口モード算出の特性
図である。
【図8】第1実施形態における日射補正係数算出の特性
図である。
【図9】第2実施形態における日射補正係数算出の特性
図である。
【図10】第3実施形態における日射補正係数算出の特
性図である。
【図11】第3実施形態における日射補正係数算出部の
ニューラルネットワークの概略構成図である。
【図12】第3実施形態による入力条件と日射補正係数
の出力との関係を示す図表である。
【図13】第4実施形態による、日射補正量算出部のニ
ューラルネットワークの概略構成図である。
【図14】第5実施形態を示す車両用空調装置の全体シ
ステムの説明図である。
【図15】第5実施形態における日射補正係数算出部の
ニューラルネットワークの概略構成図である。
【符号の説明】
2…エアダクト(空気通路)、2b…運転席側空気通
路、2c…運転席側空気通路、6、61、62…温度調
節手段、8a、8b、9a〜9d…吹出口、21、21
a、21b…温度設定手段、22、23…温度情報検出
手段、24、24a、24b…日射量検出手段、28…
仮目標温度算出部、29…日射補正係数算出部、30…
日射補正量算出部、31…目標吹出温度算出部、100
〜200…ニューラルネットワーク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 一志 好則 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 梶野 祐一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気と熱交換を行う熱交換器(4、5)
    を有する空気通路(2、2b、2c)と、 この空気通路(2、2b、2c)から室内へ吹き出す空
    気の温度を調節する温度調節手段(6、61、62)と
    を備え、 前記空気通路(2、2b、2c)からの吹出空気温度が
    目標吹出温度となるように前記温度調節手段(6、6
    1、62)を調節する空調装置において、 使用者の設定に基づく室内の設定温度、室内の温度、お
    よび室外の温度を含む信号を入力として、ニューラルネ
    ットワーク(100)により日射補正係数を算出し、 この日射補正係数と室内への日射量に基づいて日射補正
    量を算出し、 前記設定温度、前記室内の温度、前記室外の温度、およ
    び前記日射補正量に基づいて前記目標吹出温度を算出す
    ることを特徴とする空調装置。
  2. 【請求項2】 空気と熱交換を行う熱交換器(4、5)
    を有する空気通路(2、2b、2c)と、 この空気通路(2、2b、2c)から室内へ吹き出す空
    気の温度を調節する温度調節手段(6、61、62)と
    を備え、 前記空気通路(2、2b、2c)からの吹出空気温度が
    目標吹出温度となるように前記温度調節手段(6、6
    1、62)を調節する空調装置において、 使用者の設定に基づく室内の設定温度、室内の温度、室
    外の温度および室内への日射量を含む信号を入力とし
    て、ニューラルネットワーク(200)により日射補正
    量を算出し、 前記設定温度、前記室内の温度、前記室外の温度、およ
    び前記日射補正量に基づいて前記目標吹出温度を算出す
    ることを特徴とする空調装置。
  3. 【請求項3】 空気と熱交換を行う熱交換器(4、5)
    を有する空気通路(2、2b、2c)と、 この空気通路(2、2b、2c)から室内へ吹き出す空
    気の温度を調節する温度調節手段(6、61、62)と
    を備え、 前記空気通路(2、2b、2c)からの吹出空気温度が
    目標吹出温度となるように前記温度調節手段(6、6
    1、62)を調節する空調装置において、 使用者の設定に基づく室内の設定温度、室内の温度、お
    よび室外の温度を含む信号を入力として、ニューラルネ
    ットワーク(100)により日射補正係数を算出し、 この日射補正係数と室内への日射量に基づいて日射補正
    量を算出し、 前記設定温度、前記室内の温度および前記室外の温度に
    基づいて仮目標吹出温度を算出し、 前記日射補正量および前記仮目標吹出温度に基づいて前
    記目標吹出温度を算出することを特徴とする空調装置。
  4. 【請求項4】 前記室内の温度と前記設定温度との偏差
    を予め算出しておき、この偏差を前記ニューラルネット
    ワーク(100、200)に入力することを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれか1つに記載の空調装置。
  5. 【請求項5】 前記ニューラルネットワーク(100)
    の入力として、室内への日射量を加えることを特徴とす
    る請求項1または3に記載の空調装置。
  6. 【請求項6】 前記日射補正係数に、予め設定した比例
    ゲインと前記日射量とを乗算して、前記日射補正量を算
    出することを特徴とする請求項1、3、5のいずれか1
    つに記載の空調装置。
  7. 【請求項7】 請求項1、3、5、6のいずれか1つに
    記載の空調装置を用いた車両用空調装置であって、 前記空気通路(2、2b、2c)から空気を車室内へ吹
    き出す吹出口として、車室内乗員の足元側に空気を吹き
    出すフット吹出口(8a、8b)、および車室内乗員の
    上半身側に空気を吹き出すフェイス吹出口(9a〜9
    d)を包含しており、 前記フット吹出口(8a、8b)から空気を吹き出すフ
    ットモード、前記フェイス吹出口(9a〜9d)から空
    気を吹き出すフェイスモード、および前記フット吹出口
    (8a、8b)と前記フェイス吹出口(9a〜9d)の
    両方から空気を吹き出すバイレベルモードを設定可能に
    なっており、 冬期暖房時に、車室内の温度が前記設定温度近傍に到達
    して定常運転域になったときは、前記室外の温度の低下
    に応じて、前記日射補正係数を増加させることを特徴と
    する車両用空調装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし6のいずれか1つに記載
    の空調装置を用いた車両用空調装置であって、 前記空気通路として、車室内の運転席側空調ゾーンと車
    室内の助手席側空調ゾーンにそれぞれ対応して運転席側
    および助手席側空気通路(2b、2c)を設け、この運
    転席側および助手席側空気通路(2b、2c)にはそれ
    ぞれ独立に操作可能な運転席側および助手席側の温度調
    節手段(61、62)を備え、 前記運転席側および助手席側空気通路(2b、2c)か
    ら吹き出す空調風により前記各空調ゾーンの温度を独立
    に調節することを特徴とする車両用空調装置。
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CN111845273A (zh) * 2020-08-07 2020-10-30 吉林大学 一种利用太阳能电池的车内温度维持装置及方法

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