JPH11309730A - 表皮材の端末巻込み方法 - Google Patents

表皮材の端末巻込み方法

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JPH11309730A
JPH11309730A JP12155398A JP12155398A JPH11309730A JP H11309730 A JPH11309730 A JP H11309730A JP 12155398 A JP12155398 A JP 12155398A JP 12155398 A JP12155398 A JP 12155398A JP H11309730 A JPH11309730 A JP H11309730A
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JP12155398A
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Hiroshi Suzuki
浩 鈴木
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Original Assignee
Inoac Corp
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  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表皮材の端末部分の裏面に保持部材を接着し
て配設することにより、基体に対する表皮材の巻込み作
業の合理化,簡易化および品質の安定化を図る。 【解決手段】 パウダースラッシュ成形用金型で樹脂粉
末から所要形状の表皮材25を成形した後、別途成形し
た基体11および該基体11の輪郭端縁部15に隣接す
る板状の保持部材45を、半溶融状態の前記表皮材25
に圧着する。これにより、表皮材25を基体11の表面
12に溶着させ、かつ端末部分26を保持部材45の外
面47に溶着させることで、表皮材25の成形・溶着を
行なう。そして、保持部材45が溶着された端末部分2
6を輪郭端縁部15で基体11の裏側へ折り返し、該保
持部材45を該基体11の裏側に密着的に固定させるこ
とで端末部分26を巻込み処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、表皮材の端末巻
込み方法に関し、更に詳細には、乗用車の乗員室内等に
取付けられる内装部材の表面に装着される表皮材の端末
巻込み方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、乗用車等の車両における乗員室
内には、計器盤やカーステレオおよびグローブボックス
等を搭載する基体として機能するインストルメントパネ
ル、小間物の収納部等を備えて運転席と助手席間に位置
するセンターコンソール、左右ドアのドアトリム(内貼
り)、ピラーガーニッシュ等の各種内装部材が取付けら
れている。これら内装部材は、硬質合成樹脂製の基体に
おける乗員室側に露出する表面に、塩化ビニル等を材質
とする合成皮革やウレタン付きファブリック等の表皮材
を配設して、乗員室内の質感向上を図る装飾機能を付加
する場合が多い。そして、前記基体に表皮材を配設する
に際しては、該基体の表面よりも適宜大きく成形した該
表皮材を該表面に接着した後、基体端部から延出した表
皮の端末部分を該基体の裏側へ巻込むと共に接着剤やタ
ッカー等で固定することにより、表皮材の端末処理を施
して内装部材の見栄えや質感向上を図るようになってい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記表皮材
の端末部分の巻込み工程は、巻込み専用機による機械作
業若しくは作業員による手作業等に依存しているが、こ
れら何れの方法にも課題または欠点が内在していた。例
えば、前者の巻込み専用機による機械作業の場合におい
ては、自動化による作業効率向上と省力化に伴う労力軽
減を図り得る利点があるとしても、専用機および付属装
置等が必要となるために機械設備費が嵩んでしまうと共
に、複雑な形状の巻込みには対応し得ない欠点があっ
た。また、後者の作業員による手作業の場合において
は、端末部分への接着材の塗布工程,該端末部分の巻込
み工程,乾燥工程等の多くの工程を必要とするため、作
業性が低くて生産コストが高くなると共に、品質にバラ
付きが生ずる欠点等が指摘されていた。また両者に共通
する問題点として、端末部分の弛みにより「しわ」が形
成されて所定形状に巻込み得ない、表皮材の無理な巻
込みにより部分的に開裂してしまう、基体と端末部分
との接着が不充分で巻込み後に剥離してしまう等が指摘
されていた。
【0004】
【発明の目的】この発明は、前述した課題を好適に解決
するべく新規に提案されたもので、パウダースラッシュ
成形用金型により成形された表皮材を基体に溶着する際
に、蓋基体の端部から延出した表皮材の端末部分の裏面
に該表皮材よりも硬質の保持部材を溶着させて配設する
ことにより、基体に対する端末部分の巻込み作業の合理
化,簡易化や品質の安定化等を図り得るようにした表皮
材の端末巻込み方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を克服し、所期
の目的を好適に達成するために、本発明に係る表皮材の
端末巻込み方法は、内装部材における基体の表面に、該
表面の全体領域よりも適宜寸法だけ大きく設定した表皮
材を装着し、前記基体の輪郭端縁部から外方へ延出する
端末部分を該基体の裏側へ巻込むことで端末処理を行な
う端末巻込み方法であって、パウダースラッシュ成形用
金型内で樹脂粉末を加熱溶融させて、該金型の成形部壁
面に溶融または半溶融状態の表皮材を付着成形させた
後、別途成形した基体および該基体の輪郭端縁部に隣接
する板状の保持部材を、前記成形部に成形した表皮材に
圧着することにより、前記表皮材を基体の表面に溶着さ
せ、かつ前記端末部分を前記保持部材の外面に溶着させ
ることで表皮材の成形・溶着を行ない、前記保持部材に
溶着した端末部分を前記輪郭端縁部の端部で前記基体の
裏側へ折り返し、この保持部材を該基体の裏側に密着的
に固定させることで該端末部分を巻込み処理するように
したことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る表皮材の端末
巻込み方法につき、好適な実施例を挙げ、添付図面を参
照しながら以下説明する。
【0007】図1は、本発明に係る表皮材の端末巻込み
方法を利用して製作される内装部材を一部破断して示す
概略斜視図であり、また図2は該内装部材の縦断側面図
および縦断正面図である。本実施例の内装部材10は、
乗用車の乗員室内に装備されるセンターコンソールに画
成された物品収納部の上面開口部に枢支されて該収納部
を開閉すると共に、前席乗員用のアームレストとしても
機能するリッド部材を例示している。この内装部材(以
下「リッド部材」と云う」10は、例えばポリプロピレン
等のオレフィン系の樹脂素材を射出成形等で一体成形し
た逆バケット形状の基体11と、同じくオレフィン系の
樹脂素材から成形されて前記基体11の曲面状の表面
(乗員室内に露出する表面)12全体を覆蓋するよう装着
される表皮材25と、前記基体11の下面開口部13に
整合する形状,サイズに成形されて該基体11のボス1
4にビス等で固定される裏板30とから構成されてい
る。
【0008】前記表皮材25は、オレフィン系の樹脂粉
末を後述するパウダースラッシュ成形用金型で所要形状
に成形され、その後に前記基体11の表面12に溶着さ
れる。また表皮材25は、基体11の表面12に装着さ
れた際に、その端末部分26が該基体11の輪郭端縁部
15から適宜下方へ延出する形状,サイズに設定されて
いる。そして、基体11から延出した端末部分26は、
後述する本実施例の表皮材の端末巻込み方法により、該
基体11の裏側へ巻込んで端末処理されるようになって
いる。
【0009】図3は、パウダースラッシュ成形用金型3
5による表皮材25の成形方法を、断面状態で略示した
説明図である。このパウダースラッシュ成形用金型35
は、成形される表皮材25の形状を前提として形成され
た凹形の成形部37を有する第1金型36と、凹形の樹
脂粉末収容部39が形成されて該第1金型36に型締め
される第2金型38とから構成される。また第1金型3
6には、内部をオイル等の熱媒体が流通する循環パイプ
40が外表面に接触した状態に敷設されており、循環パ
イプ40内に加熱された熱媒体を流通させた際には成形
部37が所定温度に加熱され、また該パイプ40内に冷
却された熱媒体を流通させた際には該成形部37が冷却
されるようになっている。なお、前記成形部37の表面
には所定の「シボ」が形成してあり、成形される表皮材2
5の表面にはこの「シボ」が適宜成形されるようになって
いる。
【0010】このように構成されたパウダースラッシュ
成形用金型35では、前記第2金型38の樹脂粉末収容
部39に所定量のオレフィン系の樹脂粉末24を投入
し、該第2金型38に前記第1金型36を型締めした
後、前記循環パイプ40内に加熱された熱媒体を供給し
て第1金型36の成形部37を樹脂粉末24の溶融温度
以上に加熱させ、かつ両金型36,38を回転させるこ
とで、所望とする表皮材25を成形するようになってい
る(図3(a)参照)。すなわち、加熱された成形部37に
接触した樹脂粉末24は除々に溶融し、所定時間後には
所定厚の半溶融状態の表皮材25が、該成形部37の壁
面に付着した状態に成形されるに至る(図3(b)参照)。
そして、表皮材25の成形完了後の適時に、前記金型3
6,38の回転を停止すると共に、第2金型38を第1
金型36から開放して該表皮材25を外部に露出するよ
うになっている。
【0011】次いで、図4に示すように、前記パウダー
スラッシュ成形用金型35の第1金型36における成形
部37の壁面に付着形成された溶融または半溶融状態の
表皮材25に対し、別途成形された基体11および保持
部材45を上方から押付けてセットする(図4(a)参
照)。これにより、基体11の表面12および該保持部
材45の外面47に該表皮材25(および端末部分26)
が溶着されるに至る(図4(b)参照)。なお表皮材25の
溶融状態とは、成形部37の壁面において流動しない程
度をいい、また該表皮材25の半溶融状態とは軟化前の
状態をいう。そして表皮材25の溶着完了後に、前記循
環パイプ40に冷却された熱媒体を供給することで、前
記成形部37を冷却して表皮材25の分離を容易にし、
この状態で基体11を第1金型36から脱型するように
なっている。また、具体的に図示はしないが、前記第1
金型36に対して型締め可能なセット金型を別途準備
し、前記基体11および保持部材45を該セット金型の
装着部にセットし、この状態で第1金型36とセット金
型を型締めすることで、該基体11および保持部材45
を表皮材25(端末部分26)に圧着するようにしてもよ
い。
【0012】次に、前記パウダースラッシュ成形用金型
35で成形されると共に、この成形用金型35の第1金
型36を利用して基体11の表面12に溶着した表皮材
25の端末巻込み方法につき、各実施形態例毎に説明す
る。なお、各実施形態例で示す端末巻込み方法では、基
体11の輪郭端縁部15から延出した端末部分26の巻
込み工程に先立って、該端末部分26の裏面に所要形状
の保持部材45を取着し、この保持部材45と共に端末
部分26を巻込むことが共通した形態となっている。
【0013】
【第1実施形態例】図5〜図9は、本発明の第1実施形
態例に係る表皮材の端末巻込み方法を示している。この
第1実施形態例では、図5に示すように、前記基体11
の輪郭端縁部15における前端縁部15a,後端縁部1
5b,左端縁部15cおよび右端縁部15dに、所要間
隔毎に位置する複数個の連結片46を介して連結された
細長帯状の保持部材45が、対応の端縁部に平行に延在
した状態に形成されている。すなわち各保持部材45
は、基体11の成形時に該基体11と一体的に成形され
るものであり、該基体11と同様にオレフィン系の樹脂
素材で形成されている。
【0014】このように、基体11に各保持部材45が
一体成形されているため、前述したように該基体11に
表皮材25を溶着する際に、基体11の輪郭端縁部15
から延出した保持部材45の外面47に、端末部分26
が溶着される(図4および図7(a)参照)。なお前記各連
結片46は、基体11と保持部材45との仮付け用のた
めのものであり、保持部材45の外面47に表皮材25
の端末部分26が溶着された後に、該端末部分26の巻
込み工程に先立って切除される(図7(b)参照)。従って
各連結片46は、基体11と保持部材45の分離を防止
し得る強度があればよい。
【0015】また前記基体11においては、図5および
図7に示すように、前端縁部15a,後端縁部15b,左
端縁部15cおよび右端縁部15dの裏面側に、端縁に
沿った段部16が形成されており、端末部分26の巻込
みに際して前記各保持部材45が対応の段部16に整合
するようになっている。なお、基体11の各端縁部15
a,15b,15c,15d近傍が曲面状に湾曲している
ため、前記段部16も適宜湾曲した形状に形成されてお
り、これに伴って前記保持部材45も該段部16に整合
し得る形状に湾曲形成されている。
【0016】
【第1実施形態例の作用】前述のように構成されたリッ
ド部材10では、先ずパウダースラッシュ成形用金型3
5を利用して、表皮材25の成形・溶着工程が実施され
る。すなわち、成形用金型35における第1金型36の
成形部37に所要厚の表皮材25を付着成形した直後
(図3参照)、保持部材45を一体的に形成した基体11
を該表皮材25へ押付けながらセットする。これによ
り、基体11の表面12に半溶融状態の表皮材25が溶
着され、また該基体11の輪郭端縁部15から延出した
各保持部材45の外面47に、端末部分26が溶着され
る(図4および図7(a)参照)。
【0017】前記パウダースラッシュ成形用金型35を
利用した表皮材25の成形・溶着工程が完了したら、基
体11を該成形用金型35から取り外し、端末部分26
の巻込み工程が実施される。なお第1実施形態例では、
巻込み工程に先立ち、基体11と各保持部材45とを連
結していた全ての連結片46を、適宜の切断工具で切除
する。これにより各保持部材45は、表皮材25の端末
部分26の裏面に貼付された状態で基体11から切り離
される(図7(b)参照)。
【0018】そして、第1実施形態例の端末巻込み方法
では、前記各保持部材45の内面48または前記段部1
6の何れかに接着剤を塗布した後に、表皮材25の端末
部分26を基体11の輪郭端縁部15の裏側へ巻込み、
保持部材45を段部16に整合させて接着させる(図6
および図7(c)参照)。この際に、各保持部材45が表
皮材25より硬質素材で形成されているので、例えば該
保持部材45の長手方向の略中央部に対応した端末部分
26の部位だけを指先で押圧すれば、当該の保持部材4
5と接着している端末部分26全体が同時に巻込まれる
ようになる。すなわち、端末部分26の一部分のみを押
圧するだけで該端末部分26全体を簡単かつ容易に巻込
むことができ、特別な技術や熟練を全く必要としない。
しかも、基体11の輪郭端縁部15における殆どの部分
に保持部材45が延在しているので、巻込み作業に際し
て端末部分26が弛んで「しわ」が生じたり、部分的に引
張られて開裂する等の不都合が生ずることもない。なお
保持部材45と段部16とは、接着剤による接着の他
に、例えば超音波や熱カシメ等によって溶着してもよ
い。
【0019】前記端末部分26の巻込み工程が完了した
ら、図8に示すように、基体11の下面開口部13に、
前記裏板30をビス32を利用して取着する。なお、裏
板30の端縁部が上方へ突出形成され(図9参照)、その
端面部31が巻込まれた前記端末部分26を適宜押圧す
るようになるので、端末部分26と保持部材45との剥
離や該保持部材45と段部16との剥離が好適に防止さ
れる。
【0020】
【第2実施形態例】図10および図11は、本発明の第
2実施形態例に係る表皮材の端末巻込み方法を示してい
る。この第2実施形態例では、図10に示すように、前
記基体11の輪郭端縁部15における前端縁部15a,
後端縁部15b,左端縁部15cおよび右端縁部15d
に、極薄長尺の連結部50を介して連結された細長帯状
の保持部材45が、対応の端縁部と平行に延在した状態
に形成されている。すなわち、各保持部材45における
基体11との対向部位をテーパ状に成形することで前記
連結部50が形成され、側方から若干の力を付加するだ
けで、該保持部材45は基体11に連結されたまま裏側
へ折れ曲がるようになっている。なお各保持部材45
は、基体11の成形時に一体的に成形され、該基体11
と同一のオレフィン系の樹脂素材で形成されている。
【0021】このように、各保持部材45が基体11に
一体成形されているので、前述した第1実施形態例と同
様に、該基体11に表皮材25を溶着する際に、基体1
1の輪郭端縁部15から延出した各保持部材45の外面
47に、端末部分26が溶着される(図11(a)参照)。
なお、基体11の各端縁部15a,15b,15c,15
dの近傍が曲面状に湾曲しているため、前記保持部材4
5も密着し得るように湾曲形成されている。
【0022】
【第2実施形態例の作用】前述のように構成されたリッ
ド部材10では、前記第1実施形態例と同様に、先ずパ
ウダースラッシュ成形用金型35を利用して、表皮材2
5の成形・溶着工程が実施される。すなわち、成形用金
型35における第1金型36の成形部37に所要厚の表
皮材25を付着成形した直後(図3参照)、保持部材45
を一体的に形成した基体11を該表皮材25へ押付けな
がらセットする。これにより、基体11の表面12に半
溶融状態の表皮材25が溶着され、また該基体11の輪
郭端縁部15から延出した各保持部材45の外面47
に、端末部分26が溶着される(図4および図11(a)
参照)。
【0023】前記パウダースラッシュ成形用金型35を
利用した表皮材25の成形・溶着工程が完了したら、基
体11を該成形用金型35から取り外し、端末部分26
の巻込み工程が実施される。第2実施形態例の端末巻込
み方法では、前記各保持部材45の内面48に接着剤を
塗布した後に、表皮材25の端末部分26を基体11の
輪郭端縁部15の裏側へ巻込み、保持部材45を該基体
11の裏面に接着させる(図11(b)参照)。この際に、
各保持部材45が表皮材25より硬質素材で形成されて
いるので、例えば該保持部材45の長手方向の略中央部
に対応した端末部分26の部位だけを指先で押圧すれ
ば、当該保持部材45と接着している端末部分26全体
が同時に巻込まれるようになる。すなわち、夫々の保持
部材45の略中央部のみを部分的に押圧するだけで、端
末部分26全体を簡単かつ容易に巻込むことができ、特
別な技術や熟練を全く必要としない。しかも前記第1実
施形態例と同様に、基体11の輪郭端縁部15における
殆どの部分に保持部材45が延在しているので、巻込み
作業に際して端末部分26が弛んで「しわ」が生じたり、
部分的に引張られて開裂する等の不都合が生ずることも
ない。なお保持部材45と段部16とは、接着剤による
接着の他に、例えば超音波や熱カシメ等によって溶着し
てもよい。
【0024】図12は、表皮材25の端末部分26の巻
込みに際して、前記保持部材45を基体11の裏面に形
成した適宜係止部材を利用して固定する一例を示したも
のである。すなわち、前記第1実施形態例および第2実
施形態例では、各保持部材45を接着剤を利用して基体
11の裏面に接着する方法や超音波や熱カシメによる溶
着を例示したが、基体11の裏面の所要位置に突起17
を一体的に形成すると共に、保持部材45の所要位置に
該突起17に整合する係止孔51を形成すれば、端末部
分26の巻込みに際して突起17を係止孔51に係止さ
せるだけで、保持部材45を基体11に固定することが
できる。
【0025】また図13は、裏側に補強用のリブ18が
形成されている基体11における表皮材25の端末部分
26の巻込み方法を例示したものであり、このようなリ
ブ18を有する基体11では、該リブ18の下端面19
に保持部材45を接着,溶着または係止すればよい。こ
のようにすれば、端末部分26を基体11の裏面に接着
するに際して、前記リブ18との干渉を避けるために該
端末部分26に切り込みを形成する必要がなくなる。
【0026】
【第3実施形態例】図14および図15は、本発明の第
3実施形態例に係る表皮材の端末巻込み方法を示してい
る。この第3実施形態例では、図14に示すように、前
記基体11と各保持部材45とを、夫々別体に形成した
ものである。このため、表皮材25の端末部分26に接
着される各保持部材45は、表皮材25より適宜硬質と
すると共に基体11と同一系列の樹脂素材で成形する前
提において、該基体11とは特性(例えば柔軟性に富む
等)が異なる素材で形成することが可能となる。すなわ
ち、保持部材45をある程度の柔軟性を有するようにす
れば、基体11が曲面状に形成されていたとしてもその
形状に容易に変形し得るようになる。なお、基体11と
各保持部材45とが分離構成されているので、前記成形
用金型35における上型37の凸形装着部38では、具
体的に図示しないが、各保持部材45を所定位置に固定
するための保持手段が配設されている。
【0027】また前記基体11においては、前記第1実
施形態例と同様に、前端縁部15a,後端縁部15b,左
端縁部15cおよび右端縁部15dの裏面側に、端縁に
沿った段部16が形成されており、表皮材25の端末部
分26の巻込みに際して前記保持部材45が該段部16
に整合するようになっている(図14および図15(a)
参照)。なお基体11は、各端縁部15a,15b,15
c,15dの近傍が曲面状に湾曲しているため、前記段
部16も適宜湾曲して形成されており、これに伴って前
記保持部材45も該段部16に整合し得る形状に湾曲形
成されている。
【0028】
【第3実施形態例の作用】前述のように構成されたリッ
ド部材10では、先ずパウダースラッシュ成形用金型3
5を利用して、表皮材25の成形・溶着工程が実施され
る。すなわち、成形用金型35における第1金型36の
成形部37に所要厚の表皮材25を付着成形した直後
(図3参照)、各保持部材45と基体11を該表皮材25
へ押付けながらセットする。これにより、基体11の表
面12に半溶融状態の表皮材25が溶着され、また該基
体11の輪郭端縁部15に隣接する各保持部材45の外
面47に、端末部分26が溶着される(図4および図1
5(a)参照)。
【0029】前記パウダースラッシュ成形用金型35を
利用した表皮材25の成形・溶着工程が完了したら、基
体11を該成形用金型35から取り外し、端末部分26
の巻込み工程が実施される。第3実施形態例の端末巻込
み方法では、前記各保持部材45の内面48または前記
段部16の何れかに接着剤を塗布した後に、表皮材25
の端末部分26を基体11の輪郭端縁部15の裏側へ巻
込み、保持部材45を段部16に整合させて接着させる
(図15(b)参照)。この際に、各保持部材45が表皮材
25より硬質素材で形成されていることにより、例えば
該保持部材45の長手方向の略中央部に対応した端末部
分26の部位だけを指先で押圧すれば、当該保持部材4
5と接着している端末部分26全体が同時に巻込まれる
ようになる。すなわち、夫々の保持部材45の略中央部
のみを部分的に押圧するだけで、端末部分26全体を極
めて簡単かつ容易に巻込むことができ、特別な技術や熟
練を全く必要としない。しかも、前記第1実施形態例お
よび第2実施形態例と同様に、基体11の輪郭端縁部1
5における殆どの部分に保持部材45が延在しているの
で、巻込み作業に際して端末部分26が弛んで「しわ」が
生じたり、部分的に引張られて開裂する等の不都合が生
ずることもない。なお保持部材45と段部16とは、前
述したように、接着剤による接着の他に、超音波や熱カ
シメ等によって溶着したり係止手段を利用して係止する
ようにしてもよい。
【0030】なお前記各実施形態例では、内装部材10
として乗用車の乗員室内に装備されるセンターコンソー
ルのリッド部材を例示したが、本発明の表皮材の端末巻
込み方法が対象とする内装部材はこれに限定されるもの
ではなく、例えばセンターコンソール,インストルメン
トパネル,ドアトリムおよびピラーガーニッシュ等、様
々な内装部材に装着される表皮材の端末巻込み処理に応
用実施し得るものである。また、乗用車の内装部材に限
らず、例えばビルディング等の建物や家具等の内装部材
にも応用し得る。
【0031】また本実施例の内装部材10は、前記基体
11,表皮材25(端末部分26),保持部材45が、同一
系列の樹脂素材から形成されているので、廃棄処理時に
各部材を分解して材質毎に仕分ける分別作業が殆ど必要
なくなり、容易なリサイクルが可能となると共に廃棄作
業の合理化を図り得る。
【0032】
【発明の効果】以上に説明した如く、本発明に係る表皮
材の端末巻込み方法によれば、パウダースラッシュ成形
用金型により所要形状に成形した表皮材を基体の表面に
接着するに際し、端末部分の裏面に適宜硬質の保持部材
を溶着させて配設するようにし、前記端末部分の基体の
裏側への巻込み作業時には、前記端末部分の一部を指先
で押圧するだけで保持部材と接着している端末部分全体
を同時に巻込むことができる。これにより、作業員によ
る手作業に充分対応し得るから、端末巻込み作業のため
の高価な巻込み専用機を使用する必要がなくなり、設備
費の大幅な節約によるコスト低減を図り得る利点があ
る。しかも、端末部分の巻込み作業に関しては、弛みに
よるしわや引張りによる開裂等が一切発生せず、また特
別な技術や熟練を全く必要としないから、巻込み作業の
合理化や簡易化および品質の安定化を図り得る等の効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表皮材の端末巻込み方法を利用し
て製作される内装部材を一部破断して示す斜視図であ
る。
【図2】図1に示す内装部材の縦断側面図および縦断正
面図である。
【図3】パウダースラッシュ成形用金型において、樹脂
粉末から表皮材を成形する方法を略示する説明図であ
る。
【図4】パウダースラッシュ成形用金型で成形した表皮
材に基体と保持部材を圧着させる状態を略示する説明図
である。
【図5】本発明の第1実施形態例に係る表皮材の端末巻
込み方法に実施される基体と、該基体に一体的に成形さ
れた保持部材と、前記基体に接着される表皮材を概略的
に示す斜視図である。
【図6】第1実施形態例における表皮材の端末巻込み方
法により、表皮材の端末部分を基体の裏側へ巻込んだ状
態を示す要部拡大断面図である。
【図7】第1実施形態例における表皮材の端末巻込み方
法により、表皮材の端末部分を基体の裏側へ巻込む状態
を経時的に示す説明図である。
【図8】表皮材の巻込み作業が完了した基体の裏面開口
部に裏板を取着する状態を示す要部拡大断面図である。
【図9】基体の裏側に巻込み処理された端末部分を、該
基体に取着した裏板で押圧する状態を示す要部拡大断面
図である。
【図10】本発明の第2実施形態例に係る表皮材の端末
巻込み方法に実施される基体と、該基体に一体的に成形
された保持部材と、前記基体に接着される表皮材を概略
的に示す斜視図である。
【図11】第2実施形態例における表皮材の端末巻込み
方法により、表皮材の端末部分を基体の裏側へ巻込む状
態を示す説明図である。
【図12】第2実施形態例における表皮材の端末巻込み
方法において、表皮材の端末部分を基体の裏側へ固定す
る変形例を示す説明図である。
【図13】第2実施形態例における表皮材の端末巻込み
方法において、表皮材の端末部分をリブを有する基体の
裏側へ固定する例を示す説明図である。
【図14】本発明の第3実施形態例に係る表皮材の端末
巻込み方法に実施される基体と、該基体と別体に形成さ
れる保持部材と、前記基体に接着される表皮材を概略的
に示す斜視図である。
【図15】第3実施形態例における表皮材の端末巻込み
方法により、表皮材の端末部分を基体の裏側へ巻込む状
態を示す説明図である。
【符号の説明】
10 リッド部材(内装部材) 11 基体 12 表面 15 輪郭端縁部 24 樹脂粉末 25 表皮材 26 端末部分 35 パウダースラッシュ成形用金型 37 成形部 45 保持部材 47 外面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内装部材(10)における基体(11)の表面(1
    2)に、該表面(12)の全体領域よりも適宜寸法だけ大きく
    設定した表皮材(25)を装着し、前記基体(11)の輪郭端縁
    部(15)から外方へ延出する端末部分(26)を該基体(11)の
    裏側へ巻込むことで端末処理を行なう端末巻込み方法で
    あって、 パウダースラッシュ成形用金型(35)内で樹脂粉末(24)を
    加熱溶融させて、該金型(35)の成形部(37)壁面に溶融ま
    たは半溶融状態の表皮材(25)を付着成形させた後、 別途成形した基体(11)および該基体(11)の輪郭端縁部(1
    5)に隣接する板状の保持部材(45)を、前記成形部(37)に
    成形した表皮材(25)に圧着することにより、前記表皮材
    (25)を基体(11)の表面(12)に溶着させ、かつ前記端末部
    分(26)を前記保持部材(45)の外面(47)に溶着させること
    で表皮材(25)の成形・溶着を行ない、 前記保持部材(45)に溶着した端末部分(26)を前記輪郭端
    縁部(15)の端部で前記基体(11)の裏側へ折り返し、この
    保持部材(45)を該基体(11)の裏側に密着的に固定させる
    ことで該端末部分(26)を巻込み処理するようにしたこと
    を特徴とする表皮材の端末巻込み方法。
  2. 【請求項2】 前記保持部材(45)は、前記基体(11)の輪
    郭端縁部(15)に連接されて、該基体(11)と一体的に成形
    される請求項1記載の表皮材の端末巻込み方法。
  3. 【請求項3】 前記保持部材(45)は、前記基体(11)と別
    体に成形される請求項1記載の表皮材の端末巻込み方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010047207A (ja) * 2008-08-25 2010-03-04 Kasai Kogyo Co Ltd 自動車用内装部品並びにその製造方法
JP2018144785A (ja) * 2017-03-08 2018-09-20 株式会社豊和化成 内装部品
CN108569217A (zh) * 2017-03-08 2018-09-25 株式会社丰和化成 内饰构件

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CN108569217B (zh) * 2017-03-08 2023-01-31 株式会社丰和化成 内饰构件

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